(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069576
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】スプレーポリウレタンエラストマーの製造方法及び該方法で製造されたエラストマー
(51)【国際特許分類】
C08G 18/08 20060101AFI20170123BHJP
C08K 3/30 20060101ALI20170123BHJP
C08L 75/08 20060101ALI20170123BHJP
C08G 18/48 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
C08G18/08 085
C08K3/30
C08L75/08
C08G18/48
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-501406(P2016-501406)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-514194(P2016-514194A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】US2014024049
(87)【国際公開番号】WO2014150714
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年11月12日
(31)【優先権主張番号】13/836,362
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503349707
【氏名又は名称】バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ダブリュ.ジェニー
【審査官】
井津 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−190989(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0059319(US,A1)
【文献】
特開2006−291208(JP,A)
【文献】
特表2002−518160(JP,A)
【文献】
特開2011−111536(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/020048(WO,A1)
【文献】
特開昭58−026092(JP,A)
【文献】
特表昭63−503467(JP,A)
【文献】
米国特許第06432543(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00−18/87
C08L 1/00−101/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレー法によるポリウレタンエラストマーの製造に適するポリウレタン形成系であって、
(a)イソシアネート成分であって、前記イソシアネート成分の総重量を基準として40〜80重量%の固形分含量と、4000mPa・s未満の25℃における粘度とを有し、
(i)24〜33%のNCO含量と2〜3の官能価とを有する、少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネートと、
(ii)前記(a)の固形分含量を得るのに十分な量で存在する、少なくとも1種の固体フィラーと
を含んでなる、前記イソシアネート成分、及び、
(b)イソシアネート反応性成分であって、前記イソシアネート反応性成分の総重量を基準として40〜80重量%の固形分含量と、4000mPa・s未満の25℃における粘度とを有し、
(i)25〜40のヒドロキシル数と2〜4の官能価とを有する、少なくとも1種のポリエーテルポリオールと、
(ii)前記(b)の固形分含量を得るのに十分な量で存在する、少なくとも1種の固体フィラーと
を含んでなる、前記イソシアネート反応性成分
を含んでなり、
前記(a)及び(b)の合計固形分含量が、前記ポリウレタン形成系の総重量を基準として40〜80重量%である、前記ポリウレタン形成系。
【請求項2】
前記ポリイソシアネートが、ポリメリックMDI、変性MDI又はそれらの混合物である、請求項1に記載の系。
【請求項3】
前記成分(a)及び(b)のそれぞれにおける前記固体フィラーが、硫酸バリウム及び炭酸カルシウムから選択される、請求項1に記載の系。
【請求項4】
前記成分(a)及び(b)のそれぞれで使用される前記フィラーが同一である、請求項1に記載の系。
【請求項5】
前記フィラーが硫酸バリウムである、請求項4に記載の系。
【請求項6】
前記固体フィラーが、前記イソシアネート成分中に50〜70重量%の量で存在する、請求項1に記載の系。
【請求項7】
前記固体フィラーが、前記イソシアネート反応性成分中に50〜70重量%の量で存在する、請求項1に記載の系。
【請求項8】
前記合計固形分含量が、50〜70重量%である、請求項1に記載の系。
【請求項9】
前記イソシアネート成分及び前記イソシアネート反応性成分のそれぞれの粘度が、3000mPa・s未満である、請求項1に記載の系。
【請求項10】
前記イソシアネート成分及び前記イソシアネート反応性成分を、60〜160のNCO/OH比で反応させる、請求項1に記載の系。
【請求項11】
前記成分(b)が、600〜660mgKOH/gのヒドロキシル数を有するアミン系ポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項1に記載の系。
【請求項12】
前記成分(b)が、220〜260mgKOH/gのヒドロキシル数を有するプロピレンオキシド系トリオールをさらに含む、請求項1に記載の系。
【請求項13】
前記成分(b)が、600〜660mgKOH/gのヒドロキシル数を有するアミン系ポリエーテルポリオールをさらに含む、請求項12に記載の系。
【請求項14】
請求項1に記載の系をスプレーすることを含んでなる、ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーエラストマー及びこれらのスプレーエラストマーの製造方法に関する。本発明の方法において、固体フィラーが、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分のそれぞれの中に組み込まれる。このスプレー法は、従来可能であったものよりも高い固形分含量を有するエラストマーを製造することを可能とする。本発明の方法により製造されたエラストマーは、ダッシュボード絶縁体、カーペット裏地等の自動車用途における吸音部品(acoustic component)として特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンエラストマー中に固形分を含有させると、エラストマーの物性を犠牲にすることなく、エラストマーのコストを低減することが可能となる。したがって、商業上、ポリウレタンエラストマーの固形分含量をできる限り高いレベルまで増加させることが望ましい。
【0003】
しかしながら、ポリウレタン形成成分の処理が困難となって商業上実行することが困難となるので、固形分含量をそれほど高いレベルまで増加させることはできない。
【0004】
米国特許第6,432,543号には、自動車産業に特に適する部品を製造するための、特定のスプレー可能なエラストマー組成物が記載されている。これらの部品は、成形されたエラストマー外層と、ポリウレタンフォーム内層とを有する。エラストマーは、芳香族ポリイソシアネート、固形分含有ポリオール、それとは別のポリオール及びその他の添加剤の反応産物である。ポリイソシアネートを除く全ての成分の合計固形分含量は、最大40重量%である。この量の固形分を含有するエラストマーの硬度は、通常、70〜85ショアAの範囲に制限される。しかしながら、米国特許第6,432,543号には、エラストマーが40%を超える固形分含量を有し得ることは教示されていない。
【0005】
現在利用可能なポリウレタンスプレーエラストマー系において、固形分は、米国特許第6,432,543号に記載されるように、イソシアネート反応性成分中のみに組み込まれる。しかしながら、イソシアネート反応性成分に組み込むことができる固形材料の量は、イソシアネート反応性成分の粘度がスプレーにとって高すぎる程度まで増加させることができないので、高い固形分含量(すなわち、40%を超える固形分含量)を有するエラストマーの製造は、このアプローチでは制限される。したがって、高い固形分含量を実現するためには、固形分含有イソシアネート反応性成分と混合されるイソシアネート成分の体積比を調整する必要がある。公知のスプレーポリウレタンエラストマー系で現在使用されている体積比(すなわち、イソシアネート成分の体積に対するイソシアネート反応性成分の体積)は、通常、11:1〜14:1の範囲である。そのような体積比には、特別な装置の使用が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来のスプレー装置を使用して実施可能な、固形分含量が40%を超えるポリウレタンエラストマーの製造のためのスプレー法を開発することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある目的は、40重量%を超える、好ましくは50重量%を超える固形分含量を有するスプレーポリウレタンエラストマーを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、従来のスプレー装置を使用して実施することができる、40%を超える固形分含量を有するスプレーポリウレタンエラストマーを製造するためのスプレー法を提供することである。
【0009】
これらの目的及び当業者に明らかなその他の目的は、スプレーされるポリウレタン形成系のイソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分の両方の中に、フィラーを組み込むことにより達成される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、スプレー法によるポリウレタンエラストマーの製造のためのポリウレタン形成系であって、ポリウレタン形成系の総重量を基準として40〜80重量%の合計固形分含量を有するポリウレタン形成系に関する。ポリウレタン形成系がスプレー可能であることを保証するために、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分のそれぞれは、通常、4,000mPa・s未満、好ましくは2,000mPa・s未満、最も好ましくは1,000mPa・s未満の、25℃における粘度を有する。ポリウレタン形成系のイソシアネート成分は、40〜80重量%の固形分含量を有することができ、(i)24〜33%のNCO含量と2〜3の官能価とを有する、少なくとも1種の芳香族ポリイソシアネート、及び、(ii)40〜80重量%の固形分含量を有するイソシアネート成分を得るのに十分な量で存在する、少なくとも1種の固体フィラーを含んでなる。本発明のポリウレタン形成系のイソシアネート反応性成分は、40〜80重量%の固形分含量を有することができ、(i)25〜40のヒドロキシル数と2〜4の官能価とを有する、少なくとも1種のポリエーテルポリオール、及び、(ii)40〜80重量%の固形分含量を得るのに十分な量でイソシアネート反応性成分中に存在する、少なくとも1種の固体フィラーを含んでなる。但し、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分の固形分含量を合わせた合計は、ポリウレタン形成系の総重量を基準として40〜80重量%である必要がある。
【0011】
本発明のイソシアネート成分に有用である、好適なポリイソシアネート及び/又はそのプレポリマーは、約24〜約33%、好ましくは約28〜約33%、最も好ましくは約30〜約32%のNCO基含量を有する必要がある。
【0012】
好ましいポリイソシアネート及びそのプレポリマーの具体例としては、24〜33%という要求範囲内のNCO基含量を有する、ジフェニルメタンジイソシアネート系及びポリフェニルメタンポリイソシアネート系のものが挙げられる。
【0013】
好適なポリイソシアネートは、典型的には約15mPa・s以上、さらに好ましくは約20mPa・s以上、最も好ましくは約23mPa・s以上の、25℃における粘度を有する。これらのポリイソシアネートは、典型的には50mPa・s又はそれ未満、好ましくは40mPa・s又はそれ未満、最も好ましくは35mPa・s又はそれ未満の粘度を有する。ポリイソシアネート(1種又は2種以上)は、これらの上限値及び下限値を任意に組み合わせた範囲(境界も含む)の粘度を有することができる。
【0014】
イソシアネート成分がイソシアネートプレポリマーを含む場合、イソシアネートプレポリマーは、典型的には、生じるプレポリマーが24〜33%のNCO基含量を有するように、好適なポリイソシアネートをイソシアネート反応性物質と反応させることにより調製される。これらのプレポリマーは、典型的には約30mPa・s以上、さらに好ましくは約35mPa・s以上、最も好ましくは約40mPa・s以上の、25℃における粘度を有する。これらのプレポリマーは、典型的には70mPa・s又はそれ未満、好ましくは60mPa・s又はそれ未満、最も好ましくは50mPa・s又はそれ未満の粘度を有する。プレポリマーは、これらの上限値及び下限値を任意に組み合わせた範囲(境界を含む)の粘度を有することができる。
【0015】
イソシアネート成分として有用であると上記したポリイソシアネートのいずれも、%NCO含量及び粘度の要件を満たすプレポリマーを製造するために使用することができ、本発明の実施において有用である。
【0016】
本発明の系のイソシアネート成分として有用なイソシアネートプレポリマーを製造するのに好適なイソシアネート反応性物質としては、例えば、2〜4個、好ましくは2〜3個、最も好ましくは約3個の、イソシアネート基と反応可能な官能基を含有する有機化合物が挙げられる。好適なイソシアネート反応性基としては、例えば、OH基、NH基、及びSH基が挙げられるが、OH基が特に好ましい。
【0017】
プレポリマーの調製に使用されるこれらのイソシアネート反応性化合物に関する好適な分子量の範囲は、約200以上、好ましくは約500以上、最も好ましくは約1,000以上である。これらの化合物も、典型的には約7000又はそれ未満、好ましくは約6500又はそれ未満、最も好ましくは約6000又はそれ未満の分子量を有する。イソシアネート反応性成分は、これらの上限値及び下限値を任意に組み合わせた範囲の分子量を有することができる。
【0018】
プレポリマーの調製に使用されるイソシアネート反応性物質として使用される好適な化合物の具体例としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール及び脂肪族チオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールが好ましい。
【0019】
本発明のスプレー系においてイソシアネート成分として使用される特に好ましいイソシアネートは、低官能価ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(pMDI)である。
【0020】
本発明のスプレー系のイソシアネート反応性成分は、約25〜約40、好ましくは約28〜約36のヒドロキシル数と、約2〜約4、好ましくは約3の官能価と、4,000mPa・s未満、好ましくは2,000mPa・s未満、最も好ましくは1,000mPa・s未満の、25℃における粘度とを有する、少なくとも1種のポリエーテルポリオールを含む必要がある。
【0021】
約25〜約40のヒドロキシル数と2〜4の官能価とを有するポリエーテルポリオール以外のイソシアネート反応性物質は、必要に応じて、本発明の系のイソシアネート反応性成分に含まれてもよい。これらの任意的なイソシアネート反応性化合物は、イソシアネート反応性成分の25℃における粘度を4000mPa・s以上に増加させない限り、NCO基と反応可能な、実質的にあらゆる種類の反応性基を含有してもよい。
【0022】
本発明においてイソシアネート反応性成分としての使用に適するポリエーテルポリオールは、当業者に公知の任意の技術によって調製することができる。好適なポリエーテルポリオールは、Hyperlite E−824、Multranol 9111、Multranol 4012、Multranol 4050及びArcol Polyol LHT−240という商品名で市販されている。
【0023】
ヒドロキシル含有ポリエステルは、必要に応じて、本発明のポリウレタン形成系のイソシアネート反応性成分に含まれていてもよい。好適なヒドロキシル含有ポリエステルとしては、例えば、必要に応じて三価アルコールが加えられていてもよい多価アルコール(好ましくはジオール)と、多塩基性(好ましくは二塩基性)カルボン酸との反応生成物が挙げられる。好適なポリアセタールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン及びヘキサンジオール等のグリコールとホルムアルデヒドとの縮合から得られた、あるいは、トリオキサン等の環状アセタールの重合により得られた化合物が挙げられる。
【0024】
本発明のイソシアネート反応性成分に含まれていてもよいその他の任意的なイソシアネート反応性物質としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール及び脂肪族チオールが挙げられる。
【0025】
本発明の系のイソシアネート反応性成分に必要に応じて含まれていてもよい代表的なヒドロキシル含有化合物に関する一般的な説明は、文献(例えば、Polyurethanes, Chemistry and Technology by Saunders and Frisch, Interscience Publishers, New York, London, Volume I, 1962, pages 32-42 and pages 44-54, and Volume II, 1964, pages 5-6 and 198-199, and in Kunststoff-Handbuch, Volume VII, Vieweg-Hochtlen, Carl-Hanser-Verlag, Munich, 1966, on pages 45 to 71)に記載されている。
【0026】
本発明のイソシアネート反応性成分に含まれていてもよいその他の好適な添加剤及び助剤としては、例えば、触媒、界面活性剤、鎖延長剤、架橋剤及び発泡剤が挙げられる。
【0027】
固体フィラーは、フィラーが組み込まれる成分を基準として40〜80重量%、好ましくは45〜75重量%、最も好ましくは50〜70重量%の量で、本発明のポリウレタン形成系のイソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分のそれぞれに含まれている必要があり、かつ、合計固形分含量(フィラーの組み込みによるもの)は、ポリウレタン形成系の総重量を基準として40〜80重量%、好ましくは45〜75重量%、最も好ましくは50〜70重量%である必要がある。
【0028】
好適な固体フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、固体マイクロスフェア、中空マイクロスフェア及びアルミナ白が挙げられる。硫酸バリウムは特に好ましい。フィラーの粒径は、フィラーを分散させた反応性成分が従来のスプレー装置でスプレー可能であるようなものである必要がある。好適な粒径の決定は当業者の能力範囲内である。
【0029】
通常、本発明のポリウレタン形成系のイソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分の両方に組み込まれるフィラーは同一であるが、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分のそれぞれにおいて異なるフィラーを使用することが可能である。
【0030】
固体フィラーがイソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分に加えられた後、それらの成分を、1:4〜1:1、好ましくは5:16〜3:4、最も好ましくは3:8〜5:8の体積比で、当業者に公知の任意の方法で混合することができる。フィラー含有成分同士を混合するのが遅い場合には、フィラーの分散が保証されるように、これらの成分の一方又は両方を撹拌することが必要であるかもしれない。
【0031】
固体フィラーを分散させたイソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分を混合した後、生じたポリウレタン形成系を、従来のスプレー装置を使用して、ある表面にスプレーすることができる。
【0032】
本発明のスプレー可能なポリウレタン形成系は、従来のスプレー装置を使用して合成物(composite)を形成するための公知の方法のいずれにおいて使用してもよく、そのような方法としては、例えば、米国特許第6,294,248号、米国特許第6,432,543号及び米国特許第6,649,107号が挙げられる。
【0033】
本発明のポリウレタンエラストマーは、40重量%を超える、好ましくは40〜80重量%、最も好ましくは50〜70重量%の固形分含量によって特徴付けられる。
【0034】
以下の実施例によって、本発明の組成物の調製及び使用に関する詳細がさらに説明される。上記開示に示される本発明は、これらの実施例によって概念及び範囲のいずれも限定されるものではない。当業者は、以下の調製方法の条件及びプロセスの公知の変更をこれらの組成物の調製に使用可能であることを容易に理解するであろう。別段規定する場合を除き、全ての温度は℃であり、全ての部及び%は、それぞれ、重量部及び重量%である。
【実施例】
【0035】
実施例1−6:粘度試験
4種類の異なるイソシアネート成分に、硫酸バリウム又は炭酸カルシウムの一方を50%、60%及び70%の濃度で混合(fill)した。次いで、混合後直ちに、6時間後に(測定前に2分間混合する)、及び、24時間後に(測定前に2分間混合する)、これらの混合されたイソシアネート成分のそれぞれの粘度を測定した。測定された粘度を表1に示す。許容できないほど高い粘度はアスタリスク(*)で示される。
【0036】
この試験で使用されたイソシアネートは、以下の通りである。
ISO A:NCO含量が29.9%、官能価、かつ、25℃の粘度が50mPa・sである、変性モノメリック4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(Bayer MaterialScience LLCから商品名Mondur CDで市販されている)。
【0037】
ISO B:NCO含量が32.5%、官能価が2.3、かつ、25℃の粘度が29mPa・sである、ジフェニルメタンジイソシアネート(Bayer MaterialScienceから商品名Mondur 1488で市販されている)。
【0038】
ISO C:NCO含量が31.2%、官能価が2.24、かつ、25℃の粘度が40mPa・sである、50部のISO Aと50部のISO Bとの混合物。
【0039】
ISO D:NCO含量が31.5%、官能価が2.8、かつ、25℃の粘度が200mPa・sである、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(Bayer MaterialScience LLCから商品名Mondur MRで市販されている)。
【0040】
【表1】
【0041】
実施例5−6:スプレーエラストマーの製造
以下の材料を、本発明に従って、40%を超える固形分含量を有するスプレーエラストマーを製造するために使用されたイソシアネート反応性成分に含有させた。
【0042】
ポリオールA:ヒドロキシル数が36mgKOH/g、かつ、官能価が約3である、ポリオール(Bayer MaterialScience LLCから商品名Hyperlite E−824で市販されている)。
【0043】
ポリオールB:ヒドロキシル数が370mgKOH/gである、ポリプロピレンオキシド系トリオール(Bayer MaterialScience LLCから商品名Multranol 4012で市販されている)。
【0044】
ポリオールC:ヒドロキシル数が238mgKOH/gである、ポリプロピレンオキシド系トリオール(Bayer MaterialScience LLCから商品名Arcol Polyol LHT−240で市販されている)。
【0045】
ポリオールD:ヒドロキシル数が28mgKOH/gである、エチレンオキシドで特別に変性したポリプロピレンオキシド系ジオール(Bayer MaterialScience LLCから商品名Multranol 9111で市販されている)。
【0046】
ポリオールE:ヒドロキシル数が630mgKOH/gである、アミン系四官能性ポリエーテルポリオール(Bayer MaterialScience LLCから商品名Multranol 4050で市販されている)。
【0047】
顔料:Colormatch DR−0217(黒色)として知られている着色剤を含有する、カーボンブラック顔料。
【0048】
Baytec 505:ジエチルトルエンジアミン(DETDA)(Bayer MaterialScience LLCから商品名Baytec 505で市販されている芳香族ジアミン)。
【0049】
Dabco T−12:ポリウレタン触媒として使用される、高沸点オルガノすず化合物(ジラウリン酸ジブチルすず)(Air Products and Chemicals, Inc.から市販されている)。
【0050】
Dytek A:メチル分岐5−炭素鎖ジアミン(2−メチルペンタメチレンジアミン)(Invistaから市販されている)。
【0051】
フィラー1:イソシアネート反応性成分に添加された硫酸バリウム。
【0052】
フィラー2:イソシアネート成分に添加された硫酸バリウム。
【0053】
イソシアネート反応性成分を製造するために使用された材料を、表2に示す量で混合した。次いで、166gの硫酸バリウムをイソシアネート反応性成分に添加して、固形分含量が60%であるイソシアネート反応性成分を得た。
【0054】
その後、83gの硫酸バリウムを、表2に示すイソシアネートに加えて、固形分含量が60%であるイソシアネート成分を得た。
【0055】
その後、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分を、体積比1:2(イソシアネート成分:イソシアネート反応性成分)で混合した。イソシアネート反応性成分は、ポリオールA、ポリオールB、ポリオールC、ポリオールD又はポリオールE、顔料、Baytec 505、Dabco T−12、Dytek A及びフィラー1で構成した。イソシアネート成分は、ISO B又はISO C及びフィラー2で構成した。
【0056】
イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分を混合することにより形成されたポリウレタン形成系の合計固形分含量並びにポリウレタン形成系の各成分の粘度を表2に示す。次いで、このポリウレタン形成系を、加熱したアルミニウム表面にスプレーして、試験サンプルを調製した。
【0057】
【表2】
【0058】
以上、説明の目的で本発明を詳細に記載したが、特許請求の範囲で限定される場合を除き、それらの詳細は単に説明の目的であり、本発明の概念及び範囲から離れることなく当業者はそれらに変更を加えることができると理解されるべきである。