特許第6069581号(P6069581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069581生体認証装置、生体認証方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069581
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】生体認証装置、生体認証方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20170123BHJP
   G06F 21/32 20130101ALI20170123BHJP
【FI】
   G06T7/00 510B
   G06F21/32
【請求項の数】17
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-509685(P2016-509685)
(86)(22)【出願日】2014年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2014058385
(87)【国際公開番号】WO2015145590
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2016年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智晴
【審査官】 佐田 宏史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−237621(JP,A)
【文献】 特表2006−500662(JP,A)
【文献】 特開2012−073684(JP,A)
【文献】 特開2006−301881(JP,A)
【文献】 特開2009−301104(JP,A)
【文献】 特開2005−149455(JP,A)
【文献】 特開2009−245347(JP,A)
【文献】 特開2000−358025(JP,A)
【文献】 特開2013−200673(JP,A)
【文献】 特開2012−256272(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/020718(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/136553(WO,A1)
【文献】 山田 敬嗣、津雲 淳,“Gabor特徴の安定性考察と文字認識”,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1993年 1月21日,Vol.92, No.433,pp.75-82
【文献】 シームアン ギッジャー、外2名,“ガボールウェーブレットを用いた人物顔の検出と向きの推定”,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,2004年11月26日,Vol.2004, No.119,pp.1-6
【文献】 堀田 一弘、外3名,“最大クリーク抽出に基づく画像からの対象検出”,情報処理学会研究報告,日本,社団法人情報処理学会,2002年11月29日,Vol.2002, No.114,pp.49-56
【文献】 吉村 浩至、外3名,“字幕パターン認識におけるエッジ方向成分射影法の有効性検討”,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2000年 2月22日,Vol.99, No.649,pp.17-22
【文献】 森 慧、外3名,“指の回転が局所特徴量を用いた非接触型指紋認証に及ぼす影響 −HOG特徴量と局所輝度特徴量の比較−”,情報処理学会 シンポジウム 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU) 2011,日本,情報処理学会,2011年 7月20日,pp.599-604
【文献】 Arun Ross et al.,"A hybrid fingerprint matcher",Pattern Recognition,NL,Elsevier Science Ltd.,2003年 7月31日,Vol.36, No.7,pp.1661-1673,URL,http://www.cse.msu.edu/rgroups/biometrics/Publications/Fingerprint/RossJainReisman_HybridFpMatcher_PR03.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00−7/60
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成する無指向的特徴生成処理部と、
前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択する指向的特徴生成処理部と、
前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求める無指向的特徴照合処理部と、
前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求める指向的特徴照合処理部と、
前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う判定部と、
を備える生体認証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴生成処理部は、前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、前記基準方向を基準とする相対方向に対応する相対指向的特徴を選択し、
前記指向的特徴照合処理部は、前記相対指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録相対指向的特徴との第3の類似度を求め、
前記判定部は、前記第3の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて大きくするとともに、前記第3の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項3】
請求項2に記載の生体認証装置であって、
前記基準指向的特徴及び前記相対指向的特徴に対してAND演算を行い、その演算結果を無指向的点特徴とするAND演算部と、
前記無指向的点特徴と前記記憶部に記憶されている登録無指向的点特徴との第4の類似度を求める無指向的点特徴照合処理部と、
を備え、
前記判定部は、前記第4の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴照合処理部は、前記第2の類似度を求める際、前記無指向的特徴照合処理部において前記第1の類似度を求める際に行われた前記無指向的特徴と前記登録無指向的特徴との位置合わせ処理で用いられた位置合わせ情報を用いて、前記基準指向的特徴と前記登録基準指向的特徴との位置合わせ処理を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴生成処理部は、前記画像から抽出される複数の指向的特徴のうち、フィルタ出力エネルギーが最大になる前記指向的特徴に対応する方向を前記基準方向に定める
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項6】
請求項2に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴生成処理部から出力される基準指向的特徴及び相対指向的特徴に対してOR演算を行い、その演算結果を無指向的面特徴とする、又は、前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴及び登録相対指向的特徴に対してOR演算を行い、その演算結果を登録無指向的面特徴とするOR演算部を備え、
前記指向的特徴照合処理部は、前記無指向的面特徴と前記登録基準指向的特徴との類似度を前記第2の類似度とし、前記無指向的面特徴と前記登録相対指向的特徴との類似度を前記第3の類似度とする、又は、前記基準指向的特徴と前記登録無指向的面特徴との類似度を前記第2の類似度とし、前記相対指向的特徴と前記登録無指向的面特徴との類似度を前記第3の類似度とする
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項7】
請求項2に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴照合処理部は、
前記指向的特徴生成処理部から出力される基準指向的特徴及び相対指向的特徴に対してOR演算を行い、その演算結果を無指向的面特徴とする第1のOR演算部と、
前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴及び登録相対指向的特徴に対してOR演算を行い、その演算結果を登録無指向的面特徴とする第2のOR演算部と、
前記無指向的面特徴と前記登録基準指向的特徴との類似度を前記第2の類似度とし、前記無指向的面特徴と前記登録相対指向的特徴との類似度を前記第3の類似度とする第1の指向的特徴照合処理部と、
前記基準指向的特徴と前記登録無指向的面特徴との類似度を第5の類似度とし、前記相対指向的特徴と前記登録無指向的面特徴との類似度を第6の類似度とする第2の指向的特徴照合処理部と、
を備え、
前記判定部は、前記第2及び第3の類似度、並びに、前記第5及び第6の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項8】
請求項3に記載の生体認証装置であって、
前記無指向的特徴照合処理部において前記第1の類似度を求める際に行われた前記無指向的特徴と前記登録無指向的特徴との位置合わせ処理で用いられた位置合わせ情報、及び、前記無指向的点特徴照合処理部において前記4の類似度を求める際に行われた前記無指向的点特徴と前記登録無指向的点特徴との位置合わせ処理で用いられた位置合わせ情報を用いて、位置合わせ情報を生成する位置合わせ情報生成部を備え、
前記指向的特徴照合処理部は、前記第2の類似度を求める際、前記位置合わせ情報生成部により生成される位置合わせ情報を用いて、前記基準指向的特徴と前記登録基準指向的特徴との位置合わせ処理を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により、主要な線の依存度を示す主要線特徴を生成する主要線特徴抽出部と、
前記主要線特徴と前記記憶部に記憶されている登録主要線特徴との第7の類似度を求める主要線特徴照合処理部と、
を備え、
前記判定部は、前記第7の類似度が大きい程、前記第7の類似度に対応する重み付けを小さくするとともに、前記第7の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記無指向的特徴生成処理部は、
前記画像から前記複数の指向的特徴を抽出するフィルタと、
前記フィルタから抽出される複数の指向的特徴のうち、前記基準方向に対応する指向的特徴の全体の輝度値を下げ、前記基準方向に対応する指向的特徴に直交する方向に対応する指向的特徴の全体の輝度値を上げ、その他の指向的特徴をそのまま出力する直交フィルタと、
前記直交フィルタから出力される複数の指向的特徴を用いて、前記無指向的特徴を生成する無指向的特徴生成部と、
を備えることを特徴とする生体認証装置。
【請求項11】
請求項1〜9の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記無指向的特徴抽出処理部は、
前記画像から前記複数の指向的特徴を抽出するフィルタと、
前記フィルタにより抽出される複数の指向的特徴に対して、正規化を行う方向毎指向的特徴正規化処理部と、
前記方向毎指向的特徴正規化処理部から出力される複数の指向的特徴を用いて、前記無指向的特徴を生成する無指向的特徴生成部と、
を備えることを特徴とする生体認証装置。
【請求項12】
請求項1〜10の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記指向的特徴照合処理部により求められる複数の類似度のうち、前記基準方向に対応する前記第2の類似度を選択するスコア解析部を備え、
前記判定部は、前記第2の類似度の重み付けを小さくする、
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項13】
請求項1〜12の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記画像に対して、ノイズ除去を行うノイズ除去処理部を備え、
前記無指向的特徴抽出処理部は、前記ノイズ除去処理部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により前記無指向的特徴を生成し、
前記指向的特徴抽出処理部は、前記ノイズ除去処理部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、前記基準方向に対応する前記基準指向的特徴を選択する
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記画像に対して、輝度正規化を行う輝度正規化処理部を備え、
前記無指向的特徴抽出処理部は、前記輝度正規化処理部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により前記無指向的特徴を生成し、
前記指向的特徴抽出処理部は、前記輝度正規化部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、前記基準方向に対応する前記基準指向的特徴を選択する
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載の生体認証装置であって、
前記画像に対して、幾何的正規化を行う幾何的正規化処理部を備え、
前記無指向的特徴抽出処理部は、前記幾何的正規化処理部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により前記無指向的特徴を生成し、
前記指向的特徴抽出処理部は、前記幾何的正規化部から出力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、前記基準方向に対応する前記基準指向的特徴を選択する
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項16】
コンピュータが、
入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成し、
前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択し、
前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求め、
前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求め、
前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う、
ことを特徴とする生体認証方法。
【請求項17】
コンピュータに、
入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成し、
前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択し、
前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求め、
前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求め、
前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う、
ことを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、生体認証の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の生体認証装置では、撮影後の画像から抽出される生体情報と、予め登録されている生体情報とが互いに一致する場合、本人であると判定する。この生体情報には掌紋や静脈などを示す特徴が含まれており、静脈を示す特徴を用いて生体認証を行う場合は、撮影後の画像から掌紋を示す特徴を分離して、できるだけ静脈を示す特徴のみにする必要がある。掌紋を示す特徴を分離する方法として、例えば、偏光フィルタなどを利用して光学的に分離する方法が知られている。また、他の方法として、例えば、複数波長撮影による方法が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】A.Ross, A.K.Jain, and J.Reisman, “A Hybrid fingerprint matcher”, Pattern Recognition, vol.36, no.7, pp.1661-1673, 2003.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合では、掌紋を示す特徴が含まれたままの生体情報を用いて生体認証を行わなくてはならない。掌紋を示す特徴の多様性は、静脈を示す特徴の多様性に比べて乏しいため、生体情報に含まれる掌紋を示す特徴が多い程、他人受入率(FAR(False Acceptance Rate))を高めてしまう。また、メラニンが強く沈着した掌紋を示す特徴が含まれている場合、静脈を示す特徴に比べて掌紋を示す特徴が抽出され易くなるため、他人受入率をさらに高めてしまう。
【0005】
本開示の実施形態では、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることが可能な生体認証装置、生体認証方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施形態の生体認証装置は、入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成する無指向的特徴生成処理部と、前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択する指向的特徴生成処理部と、前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求める無指向的特徴照合処理部と、前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求める指向的特徴照合処理部と、前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う判定部とを備える。
【0007】
また、本開示の実施形態の生体認証方法は、コンピュータが、入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成し、前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択し、前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求め、前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求め、前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行う。
【0008】
また、本開示の実施形態のプログラムは、コンピュータに、入力される画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴により無指向的特徴を生成し、前記画像からそれぞれ互いに異なる方向に対応する指向的特徴を抽出し、それら指向的特徴のうち、基準方向に対応する基準指向的特徴を選択し、前記無指向的特徴と記憶部に記憶されている登録無指向的特徴との第1の類似度を求め、前記基準指向的特徴と前記記憶部に記憶されている登録基準指向的特徴との第2の類似度を求め、前記第2の類似度の重み付けを前記第1の類似度の重み付けに比べて小さくするとともに、前記第1及び第2の類似度を用いて、本人であるか否かの判定を行うことを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図2】第1実施形態の生体認証方法を示すフローチャートである。
図3】第1実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図4】第1実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図5】第2実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図6】第3実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図7】第4実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図8】第4実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図9】第5実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図10】データ処理部の一例を示す図である。
図11】データ処理部の他の例を示す図である。
図12】第6実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図13】第7実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図14】第8実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図15】第8実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図16】第9実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図17】第10実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図18】第11実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図19】第12実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図20】第13実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図21】第14実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図22】第15実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
図23】第15実施形態の特徴抽出部の一例を示す図である。
図24】第15実施形態の照合処理部の一例を示す図である。
図25】生体認証装置のハードウェアの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の生体認証装置の一例を示す図である。
【0012】
図1に示す生体認証装置1は、画像取得部2と、領域特定部3と、特徴抽出部4と、照合処理部5と、スコア判定部6(判定部)と、記憶部7とを備える。
【0013】
特徴抽出部4は、無指向的特徴生成処理部8と、指向的特徴生成処理部9とを備える。
照合処理部5は、無指向的特徴照合処理部10と、指向的特徴照合処理部11とを備える。
【0014】
図2は、第1実施形態の生体認証方法を示すフローチャートである。
まず、画像取得部2は、被験者の手の画像を取得する(S1)。例えば、画像取得部2は、撮像装置であって、単板の撮像素子とベイヤー配列のRGBの各カラーフィルタにより被検者の手の撮像画像を取得する。
【0015】
次に、領域特定部3は、画像取得部2で取得される画像において被検者の手のひらに相当する手のひら領域(ROI(Region Of Interest))を特定する(S2)。
【0016】
次に、無指向的特徴生成処理部8は、領域特定部3により特定される手のひら領域の画像fから無指向的特徴を生成する(S3)。なお、無指向的とは、ある画像fに対してフィルタ処理Sを行う場合において、フィルタ処理Sの前に様々な角度θに対する画像回転変換処理TθやTθの逆変換処理Tθ−1を挿入した場合であっても、フィルタ処理S単体の結果とほとんど変わらないことと定義する。すなわち、記号であらわすと、無指向的とは、任意の角度θにおいて、S(f)=Tθ−1(S(Tθ(f)))であると定義する。
【0017】
次に、指向的特徴生成処理部9は、手のひら領域の画像fから指向的特徴を生成する(S4)。なお、指向的とは、無指向的でないことと定義する。
【0018】
次に、無指向的特徴照合処理部10は、無指向的特徴生成処理部8により生成される無指向的特徴と、予め登録され記憶部7に記憶されている登録無指向的特徴との類似度を求める(S5)。
【0019】
次に、指向的特徴照合処理部11は、指向的特徴生成処理部9により生成される指向的特徴と、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的特徴との類似度を求める(S6)。
【0020】
次に、スコア判定部6は、無指向的特徴照合処理部10により求められる類似度及び指向的特徴照合処理部11により求められる類似度により本人であるか否かの判定を行う(S7)。
【0021】
図3は、第1実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。
図3に示す特徴抽出部4は、フィルタ41と、各点最大値選択(point-wise maximum)部42と、2値化部43と、細線化部44と、指向的特徴選択部45と、2値化部46と、AND演算部47とを備える。
【0022】
フィルタ41は、入力される手のひら領域の画像fに対して、8つの方向θ(0°、22.5°、45°、67.5°、90°、112.5°、135°、157.5°)毎にGaborフィルタ処理を行い、それぞれのフィルタ応答(輝度値)を指向的特徴gθ(指向的特徴g、指向的特徴g22.5°、指向的特徴g45°、指向的特徴g67.5°、指向的特徴g90°、指向的特徴g112.5°、指向的特徴g135°、指向的特徴g157.5°)として得る。なお、フィルタリング処理時に設定される方向θの数は2つ以上であれば、8つに限定されない。また、フィルタリング処理は、画像f内の各方向θの線状の暗部に対して高いフィルタ応答をもつものであれば、Gaborフィルタ処理に限定されない。
【0023】
各点最大値選択部42は、式1に示すように、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθ(i,j)のうち、最大の指向的特徴maxθ{gθ(i,j)}を無指向的特徴g(i,j)として出力する。なお、iは、手のひら領域内の各画素の位置を2次元座標上の位置に対応させたときのその2次元座標の横軸方向の位置を示し、jは、その2次元座標の縦軸方向の位置を示す。
【0024】
【数1】
【0025】
2値化部43は、式2のように、各点最大値選択部42から出力される無指向的特徴g(i,j)が正の値であるとき、1を無指向的面特徴b(i,j)として出力し、無指向的特徴g(i,j)が正の値以外の値であるとき、0を無指向的面特徴b(i,j)として出力する。このとき得られた無指向的面特徴bは、記憶部7に記憶される。
【0026】
【数2】
【0027】
なお、上記2値化部43では、単純な定数0による閾値処理によって2値化処理を行っているが、より高度なAdaptive-thresholding法を用いて2値化処理を行ってもよい。
【0028】
細線化部44は、式3のように、無指向的面特徴bに対して、細線化処理(skeltonizing)を行うことにより、無指向的線特徴LFを得る。なお、skelは、細線化処理を表す。また、このとき得られた無指向的線特徴LFは、記憶部7に記憶される。また、線特徴とは、線状からなる画像である。
【0029】
【数3】
【0030】
指向的特徴選択部45は、基準方向θを定めるとともに、その基準方向θを基準として45°づつ変化させた3つの相対方向θr+α(相対方向θr+45°、相対方向θr+90°、及び相対方向θr+135°)を定める。例えば、手のひらをガイドに乗せて手のひら領域を特定するような場合では、掌紋によるフィルタ応答を多く含む方向を事前に統計的に知ることができる。このように、掌紋によるフィルタ応答を多く含む方向が既知であったと仮定する場合では、掌紋によるフィルタ応答を多く含む方向を基準方向θとして定める。
【0031】
また、指向的特徴選択部45は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθのうち、基準方向θに対応する指向的特徴gθを選択して指向的特徴gθrとし、相対方向θr+45°に対応する指向的特徴gθを選択して指向的特徴gθr+45°とし、相対方向θr+90°に対応する指向的特徴gθを選択して指向的特徴gθr+90°とし、相対方向θr+135°に対応する指向的特徴gθを選択して指向的特徴gθr+135°とする。例えば、指向的特徴選択部25は、0°を基準方向θとして定める場合、フィルタ41から抽出される指向的特徴g、指向的特徴g22.5°、指向的特徴g45°、指向的特徴g67.5°、指向的特徴g90°、指向的特徴g112.5°、指向的特徴g135°、指向的特徴g157.5°のうち、基準方向θに対応する指向的特徴gθrとして指向的特徴gを選択し、相対方向θθr+45°に対応する指向的特徴gθr+45°として指向的特徴g45°を選択し、相対方向θθr+90°に対応する指向的特徴gθrとして指向的特徴g90°を選択し、相対方向θθr+135°に対応する指向的特徴gθrとして指向的特徴g135°を選択する。なお、指向的特徴選択部45により選択される指向的特徴gθの数は、4つに限定されない。
【0032】
2値化部46は、指向的特徴選択部45により選択された指向的特徴gθr、指向的特徴gθr+45°、指向的特徴θr+90°、及び指向的特徴θr+135°に対してそれぞれ2値化処理を行い、その結果を指向的面特徴b〜bとして出力する。
【0033】
例えば、2値化部46は、式4に示すように、指向的特徴gθr(i,j)が正であるとき、1を指向的面特徴b(i,j)として出力し、指向的特徴gθr(i,j)が正以外であるとき、0を指向的面特徴b(i,j)として出力する。なお、このとき得られる指向的面特徴bは、記憶部7に記憶される。
【0034】
【数4】
【0035】
また、2値化部46は、式5に示すように、指向的特徴gθr+45°(i,j)が正であるとき、1を指向的面特徴b(i,j)として出力し、指向的特徴gθr+45°(i,j)が正以外であるとき、0を指向的面特徴b(i,j)として出力する。なお、このとき得られる指向的面特徴bは、記憶部7に記憶される。
【0036】
【数5】
【0037】
また、2値化部46は、式6に示すように、指向的特徴gθr+90°(i,j)が正であるとき、1を指向的面特徴b(i,j)として出力し、指向的特徴gθr+90°(i,j)が正以外であるとき、0を指向的面特徴b(i,j)として出力する。なお、このとき得られる指向的面特徴bは、記憶部7に記憶される。
【0038】
【数6】
【0039】
また、2値化部46は、式7に示すように、指向的特徴gθr+135°(i,j)が正であるとき、1を指向的面特徴b(i,j)として出力し、指向的特徴gθr+135°(i,j)が正以外であるとき、0を指向的面特徴b(i,j)として出力する。なお、このとき得られる指向的面特徴bは、記憶部7に記憶される。
【0040】
【数7】
【0041】
なお、上記2値化部46では、単純な定数0による閾値処理によって2値化処理を行っているが、より高度なAdaptive-thresholding法を用いて2値化処理を行ってもよい。
【0042】
AND演算部47は、式8に示すように、指向的面特徴b〜bに対してAND演算を行い、その結果を無指向的点特徴CPF(Cross-point Feature)として出力する。なお、このとき得られる無指向的点特徴CPFは、記憶部7に記憶される。また、点特徴とは、点状からなる画像である。
【0043】
【数8】
【0044】
図4は、第1実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。
図4に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51と、無指向的点特徴照合処理部52と、指向的面特徴照合処理部53とを備える。
【0045】
無指向的線特徴照合処理部51は、細線化部44から出力され記憶部7に記憶されている無指向的線特徴LFと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録無指向的線特徴TLFとの類似度scoreを求める。
【0046】
無指向的点特徴照合処理部52は、AND演算部47から出力され記憶部7に記憶されている無指向的点特徴CPFと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録無指向的点特徴TCPFとの類似度scoreを求める。
【0047】
指向的面特徴照合処理部53は、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴bと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tbとの指向的面特徴類似度scoreを求める。また、指向的面特徴照合処理部53は、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴bと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tbとの類似度scoreを求める。また、指向的面特徴照合処理部53は、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴bと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tbとの類似度scoreを求める。また、指向的面特徴照合処理部53は、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴bと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tbとの類似度scoreを求める。
【0048】
スコア判定部6は、式9に示すように、score〜scoreに対して定数aや定数cにより重み付けするとともに、重み付け後のscore〜scoreの合計をscoreとして出力する。そして、スコア判定部6は、例えば、scoreが閾値以上であるとき、本人であると判定する。
【0049】
【数9】
【0050】
以下、あるkについて、a>0で、かつ、定数aの絶対値が他の定数aに比べて相対的に大きい程、scorekを積極的利用するといい(類似性を積極的に肯定する作用)、そうでないとき、scorekを消極的利用するという。
【0051】
例えば、掌紋に相当するフィルタ応答を多く含むと推測される指向的特徴gθの方向0°を基準方向θとして定める場合、類似度score〜scoreのうち、基準方向θに対応する類似度scoreを消極的利用することにより、掌紋の影響を小さくして、本人であるか否かの判定を行うことができる。これにより、無指向的特徴に静脈だけでなく掌紋も含まれている場合であっても、他人受入率を抑えることができる。すなわち、第1実施形態の生体認証装置1によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。
【0052】
また、主に、掌紋は手が握られたときにできる皺により構成され、静脈は手首から四指の方向へのびているため、静脈は掌紋に対して直交方向になる。そのため、基準方向θに直交する方向の指向的特徴gθ+90°に対応する類似度scoreを積極的利用することにより、静脈を強調して、本人であるか否かの判定を行うことができる。これにより、本人拒否率(FRR(False Rejection Rate))を低減することができる。
【0053】
以上のように、第1実施形態の生体認証装置1では、入力される画像を無指向的特徴群と指向的特徴群に分離して保持することによって、後の照合処理部5において両群毎の相関を得ることができ、それらを、スコア判定部6において積極的利用や消極的利用を行うことにより、方向毎の偏りによらない、かつ、ロバストな認証ができる。
【0054】
すなわち、第1実施形態の生体認証装置1では、無指向的特徴において面特徴、線特徴、点特徴のうち複数、又は、指向的特徴において面特徴、線特徴の両方を特徴データとして保持し、照合に用いることができる。このように無指向的特徴と指向的特徴をさらに多段階の表現形式として情報を保持し、後の照合処理部5において各表現形式毎の相関を得ることができ、それらを、スコア判定部6において積極的利用や消極的利用を行うことにより、より方向毎の偏りによらない、かつ、ロバストな認証ができる。
【0055】
なお、第1実施形態の生体認証装置1において、AND演算部47や無指向的点特徴照合処理部52を省略してもよい。
【0056】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0057】
図5は、第2実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図4に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0058】
図5に示す照合処理部5では、無指向的線特徴照合処理部51で類似度score1が求められる際に行われる位置合わせ処理により得られる位置合わせ情報を、無指向的点特徴照合処理部52で類似度score2を求める際に行われる位置合わせ処理に使用し、無指向的点特徴照合処理部52で類似度score2が求められる際に行われる位置合わせ処理により得られる位置合わせ情報を、指向的面特徴照合処理部53で類似度score3〜score6を求める際に行われる位置合わせ処理に使用する。
【0059】
すなわち、無指向的線特徴照合処理部51は、例えば、Correlation-basedの類似度算出処理を用いて、無指向的線特徴LFと登録無指向的線特徴TLFとの類似度score1を求め、そのときに行った位置合わせ処理により得られた位置合わせ情報(例えば、幾何的変換である、Affine変換、射影変換、Thin-Plate Spline変換などで用いられる変換係数など)を無指向的点特徴照合処理部52に渡す。
【0060】
次に、無指向的点特徴照合処理部52は、無指向的線特徴照合処理部51から受け取った位置合わせ情報を初期の位置合わせ情報として位置合わせ処理に利用しつつ、無指向的点特徴CPFと登録無指向的点特徴TCPFとの類似度score2を求め、そのときに行った位置合わせ処理により得られた位置合わせ情報を指向的面特徴照合処理部53に渡す。
【0061】
そして、指向的面特徴照合処理部53は、無指向的点特徴照合処理部52から受け取った位置合わせ情報を初期の位置合わせ情報として位置合わせ処理に利用しつつ、指向的面特徴b1〜bと登録指向的面特徴Tb〜Tbとの類似度score3〜score6を求める。
【0062】
これにより、以下の課題(1)〜(3)を同時に解決することができる。
課題(1):指向的特徴は方向依存があるため、手かざしの状態により、基準方向θからずれる場合に、指向的特性が変動しやすい。
【0063】
課題(2):指向的面特徴bと登録指向的面特徴Tbはそれぞれ変動を受けやすいため、対応する共通の特徴箇所が少ない場合が多く、これらの照合処理部5での位置合わせ処理が失敗しやすい。
【0064】
課題(3):第1実施形態のように、多段階、特に指向的面特徴bを用いる場合はさらにこの問題が大きく、微小な位置合わせのずれが、指向的面特徴bと登録指向的面特徴Tbのずれに繋がり、類似度score3〜score6を大きく下げてしまう傾向にある。
【0065】
課題(1)〜(3)が解決されることによって、画像取得結果の角度変動に強く、ロバストかつ高精度な位置合わせを行うことができる。
【0066】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、特徴抽出部4以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0067】
図6は、第3実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。なお、図3に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図6に示す指向的特徴選択部45は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθのうち、フィルタ出力エネルギーが最大になる指向的特徴gθに対応する方向θを基準方向θに定める。
【0069】
例えば、指向的特徴選択部45は、式10のように、最大出力方向(argmaxψ{||gψ||L}))を基準方向θとして定める。なお、||gφ||L(Lノルム)は、式11に示すように定義する。
【0070】
【数10】
【0071】
【数11】
【0072】
なお、フィルタ出力エネルギーの一例として、Lノルム以外にも、より一般のLノルム(1≦p≦∞)を選ぶことができる。
【0073】
これにより、以下の課題(4)〜(7)を同時に解決することができる。
課題(4):より被験者の自由度の高い認証系、特には、ガイドレス認証においては、手のかざされ方が様々であったり、遮光型のガイド等使用した場合、取得画像には手の輪郭が映らず、領域特定部3において、手の角度が既知とならない場合があり、これらの場合においては基準方向θが定まらない。
【0074】
課題(5):右手と左手とどちらもかざされる場合においては、左右それぞれの基準方向θを定め、これら基準方向θの平均を利用する場合が考えられるが、このような場合は、その基準方向θの平均と被験者の各手とのずれが大きくなる。
【0075】
課題(6):掌紋の出力が強い被験者であっても、そういった被験者毎にもっとも掌紋が出力される方向は個人差があるため、一律に定めた既知の基準では、掌紋を十分に基準方向θに対応する指向的特徴gθに含めることができない。
【0076】
課題(7):課題(4)〜(6)のため、静脈と掌紋の分離が十分とならず、結果として指向的特徴による照合処理において、十分に他人受入率の抑止効果が得られない。
【0077】
課題(4)〜(7)が解決されることによって、被験者間での掌紋の方向にばらつきがある場合であっても、またさらには、より自由度の高い認証系であっても、手のひら全体を写すことができない画像取得部2であっても、被験者の手の左右両パターンがかざされる場合であっても、被験者の各手毎に基準方向θとして最大出力方向を選ぶことで、適応的に処理を行うことができ、掌紋を精度よく捉えることによって、静脈と掌紋の分離を十分に行うことができ、認証精度(特に他人受入率)を向上させる効果がある。
【0078】
例えば、指向的特徴選択部45は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθのうち、Lノルムが最大になる指向的特徴gθに対応する方向θを最大出力方向として基準方向θに定めるとともに、その基準方向θを基準として相対方向θr+45°、θr+90°、θr+135°を定める。
【0079】
次に、指向的特徴選択部45は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθのうち、基準方向θに対応する指向的特徴gθを指向的特徴gθmaxとして選択し、相対方向θr+45°に対応する指向的特徴gθを指向的特徴gθmax+45°として選択し、相対方向θr+90°に対応する指向的特徴gθを指向的特徴gθmax+90°として選択し、相対方向θr+135°に対応する指向的特徴gθを指向的特徴gθmax+135°として選択する。
【0080】
2値化部46は、指向的特徴選択部45により選択された最大指向的特徴gθmax、指向的特徴gθmax+45°、指向的特徴θmax+90°、及び指向的特徴θmax+135°に対してそれぞれ2値化処理を行い、その結果を指向的面特徴b〜bとして出力する。
【0081】
手のひら領域において掌紋が静脈などに比べて多く含まれている場合、フィルタ41から抽出される指向的特徴gθのうち、最大出力方向に対応する指向的特徴gθmaxに多くの掌紋が含まれる傾向にある。そのため、最大出力方向を基準方向θとして定めることにより、ガイドレスだったり、被験者の手がガイドからずれたりしてしまっていても、基準方向θに対応する指向的特徴gθとして多くの掌紋が含まれる指向的特徴gθを選択することができる。これにより、この基準方向θに対応する類似度scoreを消極的利用することで、掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、認証精度を向上させることができる。
【0082】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0083】
図7は、第4実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図4に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
図7に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、OR演算部54を備えている。
【0085】
図7に示すOR演算部54は、式12に示すように、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴b〜bに対してOR演算を行い、その演算結果を無指向的面特徴borとして出力する。
【0086】
【数12】
【0087】
指向的面特徴照合処理部53は、無指向的面特徴borと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tb〜Tbとのそれぞれの類似度を求め、それら類似度を類似度score〜scoreとして出力する。
【0088】
また、図8は、第4実施形態の照合処理部5の他の例を示す図である。なお、図4に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
図8に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、OR演算部55を備えている。
【0090】
図8に示すOR演算部55は、式13に示すように、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tb〜Tbに対してOR演算を行い、その演算結果を登録無指向的面特徴Tborとして出力する。
【0091】
【数13】
【0092】
指向的面特徴照合処理部53は、登録無指向的面特徴Tborと、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴b〜bとのそれぞれの類似度を求め、それら類似度を類似度score〜scoreとして出力する。
【0093】
これにより、上記課題(1)、(2)を同時に解決することができるため、照合処理の精度を高めることができ、ロバスト性を向上させることができる。
【0094】
無指向的面特徴borや登録無指向的面特徴Tborは、指向的面特徴bや登録指向的面特徴Tbに比べて、情報量が多くなるため、基準方向θと手のひら領域内の掌紋の方向とが多少ずれていても、そのずれを補正しやすくすることができるため、ずれにより類似度score〜scoreが下がることを抑えることができる。すなわち、照合精度を高め、認証精度を向上させることができる。
【0095】
<第5実施形態>
次に、第5実施形態の生体認証装置1について説明する。
【0096】
図9は、第5実施形態の生体認証装置1の一例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0097】
図9に示す生体認証装置1は、画像取得部2、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、及び記憶部7の他に、データ処理部12を備える。
【0098】
データ処理部12は、指向的特徴生成処理部9から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴b〜bに対してAND演算やOR演算などを行う。
【0099】
図10は、データ処理部12の一例を示す図である。
図10に示すデータ処理部12は、OR演算部121と、AND演算部122とを備える。
【0100】
OR演算部121は、上記式12に示すように、指向的面特徴b〜bに対してOR演算を行い、その演算結果を近似無指向的面特徴bORとして記憶部7に記憶させる。近似無指向的面特徴bORは、2値化部43から出力される無指向的面特徴bと近似しているため、2値化部43から出力される無指向的面特徴bを記憶部7に記憶させておく必要がなくなり、その分、記憶部7の記憶容量を削減することができる。また、ネットワークを介して外部の記憶部にデータを記憶させる場合は、そのデータ量を抑えることができるため、ネットワークの通信速度の低減を抑えることができる。
【0101】
AND演算部122は、式14に示すように、指向的面特徴b〜bに対してAND演算を行い、その演算結果を近似無指向的点特徴bANDとして記憶部7に記憶させる。近似無指向的点特徴bANDは、AND演算部47から出力される無指向的点特徴CPFと近似しているため、AND演算部47から出力される無指向的点特徴CPFを記憶部7に記憶させておく必要がなくなり、その分、記憶部7の記憶容量を削減することができる。また、ネットワークを介して外部の記憶部にデータを記憶させる場合は、そのデータ量を抑えることができるため、ネットワークの通信速度の低減を抑えることができる。また、AND演算部47を省略することができるため、特徴抽出部4の構成を簡単にすることができる。
【0102】
【数14】
【0103】
図11は、データ処理部12の他の例を示す図である。なお、図10に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0104】
図11に示すデータ処理部12は、OR演算部121及びAND演算部122の他に、細線化部123を備える。
【0105】
細線化部123は、OR演算部121から出力される近似無指向的面特徴bORに対して、細線化処理を行い、その処理結果を近似無指向的線特徴bLFとして記憶部7に記憶させる。近似無指向的線特徴bLFは、細線化部44から出力される無指向的線特徴LFと近似しているため、細線化部44から出力される無指向的線特徴LFを記憶部7に記憶させておく必要がなくなり、その分、記憶部7の記憶容量を削減することができる。また、ネットワークを介して外部の記憶部にデータを記憶させる場合は、そのデータ量を抑えることができるため、ネットワークの通信速度の低減を抑えることができる。また、各点最大値選択部42、2値化部43、及び細線化部44を省略することができ、特徴抽出部4の構成を簡単にすることができる。
【0106】
<第6実施形態>
次に、第6実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0107】
図12は、第6実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図7図8に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0108】
図12に示す照合処理部5では、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、指向的面特徴照合処理部53、OR演算部54、及びOR演算部55の他に、指向的面特徴照合処理部56を備えている。
【0109】
図12に示すOR演算部54は、図7に示すOR演算部54と同様に、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴b〜bに対してOR演算を行い、その演算結果を無指向的面特徴borとして出力する。
【0110】
図12に示すOR演算部55は、図8に示すOR演算部55と同様に、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tb〜Tbに対してOR演算を行い、その演算結果を無指向的面特徴Tborとして出力する。
【0111】
指向的面特徴照合処理部53は、無指向的面特徴bORと、予め登録され記憶部7に記憶されている登録指向的面特徴Tb〜Tbとのそれぞれの類似度を求め、それら類似度を類似度score〜scoreとして出力する。
【0112】
指向的面特徴照合処理部56は、登録無指向的面特徴TbORと、2値化部46から出力され記憶部7に記憶されている指向的面特徴b〜bとのそれぞれの類似度を求め、それら類似度を類似度score〜score10として出力する。
【0113】
スコア判定部6は、式15に示すように、score〜score10に対して定数aや定数cにより重み付けするとともに、重み付け後のscore〜score10の合計をscoreとして出力する。そして、スコア判定部6は、例えば、scoreが閾値以上であるとき、本人であると判定する。
【0114】
【数15】
【0115】
これにより、以下の課題(8)、(9)を同時に解決することができる。
課題(8):指向的面特徴b〜bの品質がよくない場合、類似度score〜scoreがかなり下がってしまい、ロバスト性が低くなってしまう。
【0116】
課題(9):登録指向的面特徴Tb〜Tbにウルフ性(生体認証において本人以外であってもだれとでも合致してしまう特性)があった場合、特に他人受入率の上昇要因になってしまう。
【0117】
無指向的面特徴borや登録無指向的面特徴Tborは、指向的面特徴bや登録指向的面特徴Tbに比べて、情報量が多くなるため、基準方向θと手のひら領域内の掌紋の方向とが多少ずれていても、そのずれを補正しやすくすることができるため、ずれにより類似度score〜score10が下がることを抑えることができる。すなわち、照合精度を高め、認証精度を向上させることができる。
【0118】
<第7実施形態>
次に、第7実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0119】
図13は、第7実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図5に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0120】
図13に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、位置合わせ情報生成部57を備える。
【0121】
位置合わせ情報生成部57は、無指向的線特徴照合処理部51で類似度score1が求められる際に行われる位置合わせ処理により得られる位置合わせ情報と、無指向的点特徴照合処理部52で類似度score2が求められる際に行われる位置合わせ処理により得られる位置合わせ情報により、指向的面特徴照合処理部53で類似度score3〜score6を求める際に行われる位置合わせ処理で使用するための位置合わせ情報を生成する。
【0122】
指向的面特徴照合処理部53は、位置合わせ情報選択部57により生成された位置合わせ情報を初期の位置合わせ情報として位置合わせ処理に利用する。
【0123】
まず、位置合わせ情報選択部57は、指向的面特徴照合処理部53において類似度score3〜score6を求める際に用いられる評価関数、又は、その評価関数により生成される結果と近似する結果を生成することが可能な評価関数を選ぶ(Step0.)。例えば、位置合わせ情報選択部57は、指向的面特徴照合処理部53において類似度score3〜score6を求める際に面特徴の評価関数が使われている場合、面特徴評価関数、又は、線特徴評価関数を選ぶ。
【0124】
次に、位置合わせ情報生成部57は、Step0.で選んだ評価関数を用いて、複数の位置合わせ情報(無指向的線特徴照合処理部51から受け取った位置合わせ情報と無指向的点特徴照合処理部52から受け取った位置合わせ情報)の評価を行い、位置合わせ処理の精度が最も高くなる位置合わせ情報を1つ以上選択する(Step1.)。
【0125】
そして、位置合わせ情報生成部57は、Step1.で求めた位置合わせ情報を微調整し、その微調整後の位置合わせ情報を指向的面特徴照合処理部53に渡す(Step2.)。例えば、位置合わせ情報生成部57は、Step1.で選択した位置合わせ情報に対して、ICP法(Iterative Closest Point Method)やブロックマッチング法を用いて、位置合わせ時の局所的なずれを吸収する情報を追加したり、Step1.で選択した位置合わせ情報自体を変更したりする。
【0126】
このように、無指向的線特徴照合処理部51で得られる位置合わせ情報や無指向的点特徴照合処理部52で得られる位置合わせ情報を用いて、指向的面特徴照合処理部53の位置合わせ処理で用いる位置合わせ情報を生成しているため、指向的面特徴b〜bと登録指向的面特徴Tb〜Tbとの類似度score3〜score6を精度良く求めることができる。すなわち、照合精度を高め、認証精度を向上させることができる。
【0127】
<第8実施形態>
次に、第8実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、特徴抽出部4及び照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0128】
図14は、第8実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。なお、図3に示す特徴抽出部4と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0129】
図14に示す特徴抽出部4は、フィルタ41、各点最大値選択部42、2値化部43、細線化部44、指向的特徴選択部45、2値化部46、及びAND演算部47の他に、主要線特徴(PLDI(Principal-Line Dependent Index))抽出部48を備える。
【0130】
主要線特徴抽出部48は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθにより、手のひら領域内の掌紋として主要な線の依存度を示す主要線特徴PLDIを生成する。例えば、主要線特徴抽出部48は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθ(i,j)のうち、最大の指向的特徴MAX(i,j)を選択する。また、主要線特徴抽出部48は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθ(i,j)のうち、最小の指向的特徴MIN(i,j)を選択する。また、主要線特徴抽出部48は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθの平均値AVE(i,j)を求める。そして、主要線特徴抽出部48は、最大の指向的特徴MAX(i,j)と最小の指向的特徴MIN(i,j)との差を、平均値AVE(i,j)で除算した値を主要線特徴PLDI(i,j)とする。
【0131】
なお、主要線特徴PLDIの求め方は、上記の方法に限定されない。
【0132】
図15は、第8実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図4に示す照合処理部5と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0133】
図15に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、主要線特徴照合処理部58を備える。
【0134】
主要線特徴照合処理部58は、主要線特徴抽出部48から出力され記憶部7に記憶されている主要線特徴PLDIと予め記憶部7に記憶されている登録主要線特徴TPLDIとの類似度score11を求める。
【0135】
そして、スコア判定部6は、類似度score11が大きい程、その類似度score11に対応する重み付けを小さくすることにより、類似度score11を消極的利用する。
【0136】
このように、類似度score11を消極的利用することで、掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、認証精度を向上させることができる。すなわち、第8実施形態の生体認証装置1によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。また、特に被験者の手のひらにおいてメラニンが強く沈着し、無指向的線特徴に掌紋が多く含まれる場合でも、その無指向的線特徴における掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、他人受入率を低減することができる。
【0137】
<第9実施形態>
次に、第9実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、特徴抽出部4以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0138】
図16は、第9実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。なお、図3に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0139】
図16に示す特徴抽出部4は、フィルタ41、各点最大値選択部42、2値化部43、細線化部44、指向的特徴選択部45、2値化部46、及びAND演算部47の他に、直交フィルタ49を備える。
【0140】
直交フィルタ49は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθのうち、方向θが0°に対応する指向的特徴g0°(S成分(Significant Feature)の指向的特徴gθ)の全体の輝度値を下げ、そのS成分の指向的特徴gθに直交する方向に対応する指向的特徴g90°(P成分(Perpendicular Feature)の指向的特徴gθ)の全体の輝度値を上げ、その他の指向的特徴gθをそのまま出力する。
【0141】
各点最大値選択部42は、直交フィルタ49から出力される各指向的特徴gθに対して、上記式1に示す演算を行い、無指向的特徴gを出力する。
【0142】
2値化部43は、各点最大値選択部42から出力される無指向的特徴gに対して2値化処理を行い、その処理結果として無指向的面特徴bを出力する。
【0143】
細線化部44は、2値化部43から出力される無指向的面特徴bに対して、細線化処理を行い、その処理結果として無指向的線特徴LFを出力する。
【0144】
例えば、被験者の手の長手方向に直交する方向を0°とする場合、掌紋は主に手を握ったときに生じる皺により構成されるため、掌紋を多く含むと推測される指向的特徴gθに対応する方向θは0°になる。そのため、S成分の指向的特徴gθは、手のひら領域内の掌紋が強調された指向的特徴gθになり、全体の輝度値が下げられたS成分の指向的特徴gθが用いられて生成される無指向的線特徴LFは、掌紋の影響が抑えられたものになる。これにより、掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、認証精度を向上させることができる。すなわち、第9実施形態の生体認証装置1によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。また、特に被験者の手のひらにおいてメラニンが強く沈着し、無指向的線特徴LFに掌紋が多く含まれる場合でも、その無指向的線特徴LFにおける掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、他人受入率を低減することができる。
【0145】
また、被験者の手の長手方向を90°とする場合、静脈は主に手首から四指に向かう方向にのびているため、静脈を多く含むと推測される指向的特徴gθに対応する方向θは90°になる。そのため、P成分の指向的特徴gθは、手のひら領域内の静脈が強調された指向的特徴gθになり、全体の輝度値が上げられたP成分の指向的特徴gθが用いられて生成される無指向的線特徴LFは、静脈が強調されたものになる。これにより、掌紋に比べて多様性が高い静脈を強調させて本人であるか否かの判定を行うことができるので、本人拒否率を低減することができる。
【0146】
<第10実施形態>
次に、第10実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、照合処理部5以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0147】
図17は、第10実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図4に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0148】
図17に示す照合処理部5は、無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、スコア解析部59を備える。
【0149】
スコア解析部59は、指向的面特徴照合処理部53から出力される類似度score〜scoreのうち、指向的面特徴bに対応する類似度scoreをscoreMAXとして出力するとともに、指向的面特徴bに対応する類似度scoreをscoreMINとして出力する。
【0150】
スコア判定部6は、scoreMAXを消極的利用し、scoreMINを積極的利用する。
指向的面特徴bは、掌紋が多く含まれる傾向にある指向的面特徴bであるため、その指向的面特徴bに対応する類似度scoreMAXを消極的利用することにより、掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができ、認証精度を向上させることができる。すなわち、第10実施形態の生体認証装置1によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。また、特に被験者の手のひらにおいてメラニンが強く沈着し、無指向的線特徴LFに掌紋が多く含まれる場合でも、その無指向的線特徴LFにおける掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、他人受入率を低減することができる。
【0151】
また、指向的面特徴bは、静脈が多く含まれる傾向にある指向的面特徴bであるため、その指向的面特徴bに対応する類似度scoreMINを積極的利用することにより、掌紋に比べて多様性が高い静脈を強調させて本人であるか否かの判定を行うことができるので、本人拒否率を低減することができる。
【0152】
なお、第8実施形態の主要線特徴抽出部48を第10実施形態の生体認証装置1に備え、主要線特徴PLDIが大きい程、類似度scoreMAXをさらに消極的利用するように構成してもよい。
【0153】
<第11実施形態>
次に、第11実施形態の生体認証装置1について説明する。なお、特徴抽出部4以外の構成は、第1実施形態の構成と同様とする。
【0154】
図18は、第11実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。なお、図3に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0155】
図18に示す特徴抽出部4は、フィルタ41、各点最大値選択部42、2値化部43、細線化部44、指向的特徴選択部45、2値化部46、及びAND演算部47の他に、方向毎指向的特徴正規化処理部50を備える。
【0156】
方向毎指向的特徴正規化処理部50は、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθに対してそれぞれ正規化を行う。
【0157】
各点最大値選択部42は、方向毎指向的特徴正規化処理部50により正規化が行われた各指向的特徴gθに対して、上記式1に示す演算を行い、無指向的特徴gを出力する。
【0158】
2値化部43は、各点最大値選択部42から出力される無指向的特徴gに対して2値化処理を行い、その処理結果として無指向的面特徴bを出力する。
【0159】
細線化部44は、2値化部43から出力される無指向的面特徴bに対して、細線化処理を行い、その処理結果として無指向的線特徴LFを出力する。
【0160】
掌紋に相当する輝度値は静脈に相当する輝度値よりも大きくなる傾向にある。そのため、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθに対して正規化が行われると、各指向的特徴gθにおいて、静脈に相当する輝度値に比べて掌紋に相当する輝度値が小さくなる。そして、正規化後の各指向的特徴gθが用いられて生成される無指向的線特徴LFは、掌紋の影響が抑えられたものになる。そのため、掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、認証精度を向上させることができる。すなわち、第11実施形態の生体認証装置1によれば、画像から掌紋を示す特徴を物理的に分離する方法を適用できない場合であっても、他人受入率が高くなることを抑えることができる。また、特に被験者の手のひらにおいてメラニンが強く沈着し、無指向的線特徴LFに掌紋が多く含まれる場合、特に、無指向的線特徴LFにおける掌紋の影響を抑えて本人であるか否かの判定を行うことができるため、他人受入率を低減することができる。
【0161】
また、フィルタ41から抽出される各指向的特徴gθに対して正規化が行われると、各指向的特徴gθにおいて、掌紋に相当する輝度値に比べて静脈に相当する輝度値が大きくなる。そして、正規化後の各指向的特徴gθが用いられて生成される無指向的線特徴LFは、静脈が強調されたものになる。そのため、掌紋に比べて多様性が高い静脈を強調させて本人であるか否かの判定を行うことができるので、本人拒否率を低減することができる。
【0162】
<第12実施形態>
次に、第12実施形態の生体認証装置1について説明する。
【0163】
図19は、第12実施形態の生体認証装置1の一例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0164】
図19に示す生体認証装置1は、画像取得部2、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、及び記憶部7の他に、ノイズ除去処理部13を備える。
【0165】
ノイズ除去処理部13は、手のひら領域の画像に対して、ノイズ除去処理を行う。例えば、ノイズ除去処理部13は、手のひら領域の画像に対して、ウェーブレット変換を用いたノイズ除去処理を行う。「S.D.Ruikar, D.D.Doye, “Wavelet Based Image Denoising Technique,” IJACSA, vol.2, no.3, March 2011.」参照。
【0166】
特徴抽出部4は、ノイズ除去処理部13によりノイズ除去された手のひら領域の画像fから無指向的特徴(無指向的線特徴LF、無指向的点特徴CPF)と指向的特徴(指向的面特徴b〜b)を生成する。
【0167】
このように、ノイズが除去された手のひら領域の画像fから無指向的特徴と指向的特徴を生成することができるため、認証精度を上げることができる。
【0168】
<第13実施形態>
次に、第13実施形態の生体認証装置1について説明する。
【0169】
図20は、第13実施形態の生体認証装置1の一例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0170】
図20に示す生体認証装置1は、画像取得部2、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、及び記憶部7の他に、輝度正規化処理部14を備える。
輝度正規化処理部14は、手のひら領域の画像fに対して輝度正規化を行う。
【0171】
特徴抽出部4は、輝度正規化処理部14により輝度正規化された手のひら領域の画像fから無指向的特徴(無指向的線特徴LF、無指向的点特徴CPF)と指向的特徴(指向的面特徴b〜b)を生成する。
【0172】
このように、ノイズ(高過ぎる輝度値や低過ぎる輝度値)が低減された手のひら領域の画像fから無指向的特徴と指向的特徴を生成することができるため、認証精度を上げることができる。
【0173】
<第14実施形態>
次に、第14実施形態の生体認証装置1について説明する。
【0174】
図21は、第14実施形態の生体認証装置1の一例を示す図である。なお、図1に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0175】
図21に示す生体認証装置1は、画像取得部2、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、及び記憶部7の他に、幾何正規化処理部15を備える。
【0176】
幾何的正規化処理部15は、手のひら領域の画像fに対して、幾何的正規化を行う。
特徴抽出部4は、幾何的正規化処理部15により幾何的正規化された手のひら領域の画像fから無指向的特徴(無指向的線特徴LF、無指向的点特徴CPF)と指向的特徴(指向的面特徴b〜b)を生成する。
【0177】
このように、幾何的正規化された手のひら領域の画像fから無指向的特徴と指向的特徴を生成することができるため、認証精度を上げることができる。
【0178】
<第15実施形態>
次に、第15実施形態の生体認証装置1について説明する。
【0179】
図22は、第15実施形態の生体認証装置1の一例を示す図である。なお、図1図19図20図21に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0180】
図22に示す生体認証装置1は、第1実施形態の画像取得部2、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、及び記憶部7の他に、第12実施形態のノイズ除去処理部13、第13実施形態の輝度正規化処理部14、及び第14実施形態の幾何的正規化処理部15を備える。
【0181】
図23は、第15実施形態の特徴抽出部4の一例を示す図である。なお、図3図6図14図18に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0182】
図23に示す特徴抽出部4は、第1実施形態のフィルタ41、各点最大値選択部42、2値化部43、細線化部44、指向的特徴選択部45、2値化部46、及びAND演算部47の他に、第8実施形態の主要線特徴抽出部48、及び第11実施形態の方向毎指向的特徴正規化処理部50を備える。
【0183】
図24は、第15実施形態の照合処理部5の一例を示す図である。なお、図4図5図12図15図17に示す構成と同じ構成には同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0184】
図24に示す照合処理部5は、第1及び第2実施形態の無指向的線特徴照合処理部51、無指向的点特徴照合処理部52、及び指向的面特徴照合処理部53の他に、第6実施形態のOR演算部54、OR演算部55、及び指向的面特徴照合処理部56、第8実施形態の主要線特徴照合処理部58、並びに第10実施形態のスコア解析部59を備える。
【0185】
このように、様々な実施形態を組み合わせることにより、各実施形態で得られる効果を複合的に高めることができる。
【0186】
なお、各実施形態の組合せは、第15実施形態の組合せに限定されず、様々な組合せが考えられる。
【0187】
図25は、本開示の実施形態の生体認証装置1を構成するハードウェアの一例を示す図である。
【0188】
図25に示すように、生体認証装置1を構成するハードウェアは、制御部1201と、記憶部1202と、記録媒体読取装置1203と、入出力インタフェース1204と、通信インタフェース1205とを備え、それらがバス1206によってそれぞれ接続されている。なお、画像処理装置1を構成するハードウェアは、クラウドなどを用いて実現してもよい。
【0189】
制御部1201は、例えば、Central Processing Unit(CPU)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いることが考えられ、図1に示す領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、及びスコア判定部6、図9に示すデータ処理部12、図19に示すノイズ除去部13、図20に示す輝度正規化処理部14、図21に示す幾何的正規化処理部15に相当する。
【0190】
記憶部1202は、図1図9図19図20図21に示す記憶部7に相当し、例えばRead Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記憶部1202は、実行時のワークエリアとして用いてもよい。また、生体認証装置1の外部に他の記憶部を設けてもよい。
【0191】
記録媒体読取装置1203は、制御部1201の制御により、記録媒体1207に記録されるデータを読み出したり、記録媒体1207にデータを書き込んだりする。また、着脱可能な記録媒体1207は、コンピュータで読み取り可能なnon-transitory(非一時的)な記録媒体であって、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどが考えられる。磁気記録装置は、例えば、ハードディスク装置(HDD)などが考えられる。光ディスクは、例えば、Digital Versatile Disc(DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory(CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などが考えられる。光磁気記録媒体は、例えば、Magneto-Optical disk(MO)などが考えられる。なお、記憶部1202もnon-transitory(非一時的)な記録媒体に含まれる。
【0192】
入出力インタフェース1204は、入出力部1208が接続され、ユーザにより入出力部1208から入力された情報をバス1206を介して制御部1201に送る。また、入出力インタフェース1204は、制御部1201から送られてくる情報をバス1206を介して入出力部1208に送る。
【0193】
入出力部1208は、図1図9図19図20図21に示す画像取得部2に相当し、例えば、撮像装置などが考えられる。また、入出力部1208は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(マウスなど)、タッチパネル、Cathode Ray Tube(CRT)ディスプレイ、プリンタなどが考えられる。
【0194】
通信インタフェース1205は、Local Area Network(LAN)接続やインターネット接続を行うためのインタフェースである。また、通信インタフェース1205は必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースとして用いてもよい。
【0195】
このようなハードウェアを有するコンピュータを用いることによって、生体認証装置1が行う各種処理機能が実現される。この場合、生体認証装置1が行う各種処理機能の内容を記述したプログラムをコンピュータで実行することにより、上記各処理機能(例えば、領域特定部3、特徴抽出部4、照合処理部5、スコア判定部6、データ処理部12、ノイズ除去部13、輝度正規化処理部14、及び幾何的正規化処理部15)がコンピュータ上で実現される。各種処理機能の内容を記述したプログラムは、記憶部1202や記録媒体1207に格納しておくことができる。
【0196】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体1207が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に記録しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0197】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体1207に記録されたプログラム、又は、サーバコンピュータから転送されたプログラムを、記憶部1202に記憶する。そして、コンピュータは、記憶部1202からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体1207から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0198】
なお、本開示の実施形態では、手のひらの静脈を用いて認証を行う画像処理装置を例示して説明したが、これに限らず、生体のその他の特徴検出部位であればどこでもよい。
【0199】
たとえば、生体のその他の特徴検出部位は、静脈に限らず、生体の血管像や、生体の紋様、生体の指紋や掌紋、足の裏、手足の指、手足の甲、手首、腕などであってもよい。
なお、認証に静脈を用いる場合、生体のその他の特徴検出部位は、静脈を観察可能な部位であればよい。
【0200】
なお、生体情報を特定可能な生体のその他の特徴検出部位であれば認証に有利である。たとえば、手のひらや顔などであれば、取得した画像から部位を特定可能である。また、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0201】
1 生体認証装置
2 画像取得部
3 領域特定部
4 特徴抽出部
5 照合処理部
6 スコア判定部
7 記憶部
8 無指向的特徴抽出処理部
9 指向的特徴抽出処理部
10 無指向的特徴照合処理部
11 指向的特徴照合処理部
12 データ処理部
13 ノイズ除去処理部
14 輝度正規化処理部
15 幾何的正規化処理部
41 フィルタ
42 各点最大値選択部
43 2値化部
44 細線化部
45 指向的特徴選択部
46 2値化部
47 AND演算部
48 主要線特徴抽出部
49 直交フィルタ
50 方向毎指向的特徴正規化処理部
51 無指向的線特徴照合処理部
52 指向的線点特徴照合処理部
53 指向的線面特徴照合処理部
54、55 OR演算部
56 指向的線面特徴照合処理部
57 位置合わせ情報生成部
58 主要線特徴照合処理部
59 スコア解析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25