特許第6069618号(P6069618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コナミデジタルエンタテインメントの特許一覧

特許6069618ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法
<>
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000002
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000003
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000004
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000005
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000006
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000007
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000008
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000009
  • 特許6069618-ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069618
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】ゲーム装置、それが適用されたゲームシステム、それに用いられる記憶媒体及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/812 20140101AFI20170123BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20170123BHJP
【FI】
   A63F13/812 D
   A63F13/58
   A63F13/45
   A63F13/80 B
   A63F13/30
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-215752(P2012-215752)
(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公開番号】特開2014-68725(P2014-68725A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】金田 有希子
(72)【発明者】
【氏名】永田 正規
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−068143(JP,A)
【文献】 特許第4510862(JP,B2)
【文献】 特開2007−061340(JP,A)
【文献】 株式会社ブレインナビ,Vジャンプブックス[ゲームシリーズ]ゲームボーイアドバンス版 テニスの王子様2004 GLORIOUS GOLD & STYLISH SILVER,株式会社集英社,2004年 3月23日,第1刷,P.012-013,126-129,131-132,142-152
【文献】 マンガ誌のヒーローたちが、野球で夢の対決「サンデー×マガジン 熱闘!ドリームナイン」発売,[online],株式会社コナミデジタルエンタテインメント,2008年11月26日,[2016年3月2日検索],URL,http://www.konami.jp/topics/2008/1126_2/
【文献】 浅田奈美、野村文、コーエー出版部,遙かなる時空の中で 夢浮橋 パーフェクトガイド,株式会社光栄,2008年 9月 5日,初版,P.026-027
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00〜13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いにゲーム条件の異なる第1モード及び第2モードを含むゲームを提供するゲーム装置であって、
前記第1モードの提供に必要な第1パラメータ群に基づいて、前記第1モードに展開を付与する第1モード展開付与手段と、
前記第2モードの提供に必要な第2パラメータ群に基づいて、前記第2モードに展開を付与する第2モード展開付与手段と、
を備え、
前記第1パラメータ群の少なくとも一部には、前記第2モード展開付与手段によって使用されない前記第1モード専用のパラメータが含まれ、
前記第2パラメータ群の少なくとも一部には、前記第1モード展開付与手段によって使用されない前記第2モード専用のパラメータが含まれ、
前記ゲームには、互いに内容が相違するように前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群がそれぞれ設定される複数のキャラクタが用意され、
前記第1モード及び第2モードのいずれも、前記第1パラメータ群或いは前記第2パラメータ群に基づいて各キャラクタ間で勝敗を決める対戦型のゲームを提供するモードとして構成され、
前記第1モード及び第2モードの少なくともいずれか一方は、勝敗の判別に使用される対戦用キャラクタ、並びに当該対戦用キャラクタの前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群の内容の少なくともいずれか一方を変化させるための補助用キャラクタが共通の前記複数のキャラクタから択一的に選択されるように構成されている、ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記ゲームとして、前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群によって定義されるゲームカードを使用したカードゲームが提供され、
各キャラクタとして、前記ゲームカードが利用される、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記ゲーム条件として前記ゲームカードの使用数が採用され、前記第1モードとして各プレイヤが互いに一つのゲームカードを使用して前記一つのゲームカード間の勝敗を決めるモードが、前記第2モードとして各プレイヤが互いに一組のゲームカードを使用して前記一組のゲームカード間で勝敗を決するモードが、それぞれ採用されている、請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記カードゲームとして、前記ゲームカードを利用してテニスの試合を実現するテニス型のカードゲームが提供され、
前記第1モードとして各プレイヤの前記一つのゲームカードを利用してテニスのシングル対戦を実現するシングルスモードが、前記第2モードとして各プレイヤの二つのゲームカードによって前記一組のゲームカードが形成され、当該一組のゲームカードを利用してテニスのダブルス対戦を実現するダブルスモードが、それぞれ採用されている、請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置とネットワークを介して接続され、前記ゲーム装置に所定のサービスを提供するサーバ装置と、
前記ゲーム装置に実行されることにより前記ゲームを実現するアプリケーションを記憶するアプリケーション記憶手段と、
前記アプリケーションの実行に伴って参照されるアプリケーションデータとして前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群に対応するパラメータ情報を記憶するパラメータ情報記憶手段と、
を備えることを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
前記サーバ装置は、前記所定のサービスの一つとして、前記ネットワークを介して前記アプリケーション及び前記アプリケーションデータを前記ゲーム装置に配信する配信サービスを提供する、請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のゲーム装置に実行されることにより前記ゲームを実現するアプリケーションと前記アプリケーションの実行に伴って参照されるアプリケーションデータとして前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群に対応するパラメータ情報とが記憶された記憶媒体。
【請求項8】
互いにゲーム条件の異なる第1モード及び第2モードを含むゲームを提供するゲーム装置に組み込まれるコンピュータに、
前記第1モードの提供に必要な第1パラメータ群に基づいて、前記第1モードに展開を付与する第1モード展開付与工程と、
前記第2モードの提供に必要な第2パラメータ群に基づいて、前記第2モードに展開を付与する第2モード展開付与工程と、
を実行させ、
前記第1パラメータ群の少なくとも一部には、前記第2モード展開付与工程において使用されない前記第1モード専用のパラメータが含まれ、
前記第2パラメータ群の少なくとも一部には、前記第1モード展開付与工程において使用されない前記第2モード専用のパラメータが含まれ、
前記ゲームには、互いに内容が相違するように前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群がそれぞれ設定される複数のキャラクタが用意され、
前記第1モード及び第2モードのいずれも、前記第1パラメータ群或いは前記第2パラメータ群に基づいて各キャラクタ間で勝敗を決める対戦型のゲームを提供するモードとして構成され、
前記第1モード及び第2モードの少なくともいずれか一方は、勝敗の判別に使用される対戦用キャラクタ、並びに当該対戦用キャラクタの前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群の内容の少なくともいずれか一方を変化させるための補助用キャラクタが共通の前記複数のキャラクタから択一的に選択されるように構成されている、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のゲームを提供するゲーム装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム装置によって提供される所定のゲームの一つとして、ゲーム中のキャラクタを定義したゲームカードを使用するカードゲームが存在する。このようなカードゲームの一例として、馬のキャラクタを定義したゲームカードを使用する競馬型のカードゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4510862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなカードゲームでは、ゲームカードによって定義されたキャラクタがゲームの展開に利用される。一例として、特許文献1の競馬型のカードゲームでは、馬のキャラクタの育成を通じてゲームカードが強化されるという展開が付与される。また、その強化されたゲームカードのキャラクタをレースに出走させ、勝敗が判別されるという展開も付与される。しかし、育成及びレースのいずれにおいても同じパラメータが使用されるため、ゲーム展開が制限されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるゲーム装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム装置は、互いにゲーム条件の異なる第1モード及び第2モードを含むゲームを提供するゲーム装置(4)であって、前記第1モードの提供に必要な第1パラメータ群に基づいて、前記第1モードに展開を付与する第1モード展開付与手段(30)と、前記第2モードの提供に必要な第2パラメータ群に基づいて、前記第2モードに展開を付与する第2モード展開付与手段(30)と、を備え、前記第1パラメータ群の少なくとも一部には、前記第2モード展開付与手段によって使用されない前記第1モード専用のパラメータが含まれ、前記第2パラメータ群の少なくとも一部には、前記第1モード展開付与手段によって使用されない前記第2モード専用のパラメータが含まれている。
【0007】
本発明のゲーム装置によれば、ゲームには、ゲーム条件の異なる第1モード及び第2モードが含まれている。また、第1モードは第1パラメータ群に基づいて、第2モードは第2パラメータ群に基づいて、それぞれ展開する。さらに、第1パラメータ群の少なくとも一部には第1モード専用のパラメータが、第2パラメータ群の少なくとも一部には第2モード専用のパラメータが、それぞれ含まれている。したがって、第1モードには第1モード専用のパラメータに基づいて第1モード特有の展開を、第2モードには第2モード専用のパラメータに基づいて第2モード特有の展開を、それぞれ付与することができる。これにより、ゲーム全体として、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができる。また、第1モード専用のパラメータ及び第2モード専用のパラメータを利用して、第1モードと第2モードとの間のゲーム条件の相違も拡大させることができる。つまり、第1モード及び第2モードの内容の相違も拡大させることができる。結果として、これによってもゲーム展開のバリエーションを増やすことができる。
【0008】
本発明のゲーム装置の一態様において、前記ゲームとして、前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群によって定義されるゲームカード(GC)を使用したカードゲームが提供されてもよい。この場合、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるカードゲームを実現することができる。
【0009】
本発明のゲーム装置の一態様において、前記ゲームとして、前記ゲームカードを使用してプレイヤ間で勝敗を決める対戦型のゲームが提供され、前記ゲーム条件として前記ゲームカードの使用数が採用され、前記第1モードとして各プレイヤが互いに一つのゲームカードを使用して前記一つのゲームカード間の勝敗を決めるモードが、前記第2モードとして各プレイヤが互いに一組のゲームカードを使用して前記一組のゲームカード間で勝敗を決するモードが、それぞれ採用されてもよい。この場合、ゲームカードの使用枚数の異なる第1モード及び第2モードが提供される。したがって、例えば、第2モード専用のパラメータとしてゲームカードの使用枚数が条件のパラメータを採用することができる。この場合、使用枚数の条件を満たすことにより、第2モードにおいて第1モードでは付与されない展開を生じさせることができる。これにより、第1モード及び第2モードの相違を拡大させることできるので、よりゲーム展開のバリエーションを増やすことができる。
【0010】
本発明の対戦型のカードゲームが提供される態様において、前記カードゲームとして、前記ゲームカードを利用してテニスの試合を実現するテニス型のカードゲームが提供され、前記第1モードとして各プレイヤの前記一つのゲームカードを利用してテニスのシングルス対戦を実現するシングルスモードが、前記第2モードとして各プレイヤの二つのゲームカード(GC1、GC2)によって前記一組のゲームカード(D1)が形成され、当該一組のゲームカードを利用してテニスのダブルス対戦を実現するダブルスモードが、それぞれ採用されてもよい。テニスにおいては、シングルス対戦を得意な選手がダブルス対戦も得意とは限らない。同様に、その逆もあり得る。したがって、例えば、連携プレイを得意とし、ダブルスのみで強さを発揮する選手も存在する。この場合、テニスの試合のシングルス対戦或いはダブルス対戦特有の展開を付与することができるので、このようなテニスプレイヤの特性を再現することができる。これにより、テニスゲームのリアリティ感を向上させることができる。
【0011】
本発明のゲームシステムは、上述のゲーム装置とネットワーク(3)を介して接続され、前記ゲーム装置に所定のサービスを提供するサーバ装置(2)と、前記ゲーム装置に実行されることにより前記ゲームを実現するアプリケーション(23)を記憶するアプリケーション記憶手段(11)と、前記アプリケーションの実行に伴って参照されるアプリケーションデータとして前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群に対応するパラメータ情報(24)を記憶するパラメータ情報記憶手段(11)と、を備えている。
【0012】
本発明のゲームシステムによれば、例えば、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるゲームを実現するためのアプリケーション及びアプリケーションデータをゲーム装置にネットワークを介して使用させることができる。或いは、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるゲームを実現するためのアプリケーション及びアプリケーションデータをゲーム装置にネットワークを介して配信することができる。
【0013】
所定のサービスとして、サーバ装置は、どのようなサービスを提供してもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記サーバ装置は、前記所定のサービスの一つとして、前記ネットワークを介して前記アプリケーション及び前記アプリケーションデータを前記ゲーム装置に配信する配信サービスを提供してもよい。
【0014】
本発明の記憶媒体は、上述のゲーム装置に実行されることにより前記ゲームを実現するアプリケーション(23)と前記アプリケーションの実行に伴って参照されるアプリケーションデータとして前記第1パラメータ群及び前記第2パラメータ群に対応するパラメータ情報(24)とが記憶されている。本発明の記憶媒体によれば、ゲーム装置に読み取られることにより、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるゲームを実現するためのアプリケーション及びアプリケーションデータをゲーム装置に提供することができる。
【0015】
本発明の制御方法は、互いにゲーム条件の異なる第1モード及び第2モードを含むゲームを提供するゲーム装置(4)に組み込まれるコンピュータ(30)に、前記第1モードの提供に必要な第1パラメータ群に基づいて、前記第1モードに展開を付与する第1モード展開付与工程と、前記第2モードの提供に必要な第2パラメータ群に基づいて、前記第2モードに展開を付与する第2モード展開付与工程と、を実行させ、前記第1パラメータ群の少なくとも一部には、前記第2モード展開付与工程において使用されない前記第1モード専用のパラメータが含まれ、前記第2パラメータ群の少なくとも一部には、前記第1モード展開付与工程において使用されない前記第2モード専用のパラメータが含まれているものである。本発明の制御方法が実行されることにより、本発明のゲーム装置を実現することができる。
【0016】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明によれば、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができるゲーム装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一形態に係るゲーム装置が適用されたゲームシステムの全体構成の概要を示す図。
図2図1のゲームシステムの要部の構成を示す図。
図3】シナリオモードを説明するための説明図。
図4】エピソードボスとの対戦方法について説明するための説明図。
図5】試合機能を説明するための説明図。
図6】試合用のオーダー編成を説明するための説明図。
図7】ダブルススキルの一例を説明するための説明図。
図8】カードデータの一例を示す図。
図9】対戦処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一形態に係るゲーム装置が適用されたゲームシステムについて説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲーム装置が適用されたゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2を含んでいる。また、センターサーバ2には、ネットワーク3を介して、ゲーム装置としてのユーザ端末4が接続される。センターサーバ2は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ2が構成されてもよい。更に、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0020】
ユーザ端末4は、センターサーバ2から配信されるゲームソフトフェアを実行することにより、ゲーム装置として機能するネットワーク端末装置の一種である。図1に示すように、ユーザ端末4の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む)4bやパーソナルコンピュータ4aが利用されてよい。また、ユーザ端末4として、例えば、その他にも携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置が利用されてよい。また、本明細書において、ユーザがユーザ端末4を通じてゲームをプレイする場合に、当該ユーザを特にプレイヤと称すことが有る。
【0021】
ネットワーク3は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成される。図1の例では、センターサーバ2は、ルータ5を介してネットワーク3に接続されている。
【0022】
センターサーバ2は、ネットワーク3を介してユーザ端末4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスとして、例えば、ゲームに関する各種の情報を提供するゲーム情報サービスを提供する。また、Webサービスには、各ユーザ端末4に各種データ或いはアプリケーションを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスが含まれる。
【0023】
図2を参照して、ゲームシステム1について、更に説明する。図2は、図1のゲームシステム1の要部の構成を示す図である。図2に示すように、センターサーバ2は、コンピュータとしての制御ユニット10と、記憶ユニット11と、を備えている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。
【0024】
記憶ユニット11は、制御ユニット10に接続されている。記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気テープ等の大容量記憶媒体により構成されている。記憶ユニット11には、サーバ用プログラム15が記憶されている。サーバ用プログラム15は、センターサーバ2がユーザ端末4に各種のサービスを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がサーバ用プログラム15を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、Webサービス管理部17が設けられる。Webサービス管理部17は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する。Webサービス管理部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0025】
また、記憶ユニット11には、サーバ用プログラム15の実行に伴って参照され得る各種のデータが記憶されている。このような各種のデータには、例えば、ID管理データ22が含まれる。ID管理データ22は、ゲームシステム1で使用される各種のIDの対応関係が記述されたデータである。例えば、ID管理データ22には、ユーザIDと各種ユーザを特定するための情報とが関連付けられて記述されている。
【0026】
さらに、記憶ユニット11には、ゲームアプリケーション23及びゲームアプリケーション23用のアプリケーションデータも記憶されている。ゲームアプリケーション23は、Webサービスの一つとして、ユーザ端末4に配信されるべきゲームソフトウェアである。ユーザ端末4は、ゲームアプリケーション23を実行することにより、ゲームアプリケーション23に対応するゲームを提供する。一例として、ゲームアプリケーション23は、カードゲームを提供するように構成されている。また、アプリケーション用データは、ゲームアプリケーション23の実行に伴って参照されるべき各種データである。このようなアプリケーションデータには、例えば、カードデータ24が含まれる。カードデータ24は、カードゲームを実現するために必要なデータである。カードデータ24の詳細は、後述する。なお、図2の例では、一つのゲームアプリケーション23のみが図示されているが、実際には各種ゲームに対応する複数のゲームアプリケーションが用意されていてもよい。
【0027】
一方、ユーザ端末4は、制御ユニット30と、記憶ユニット31と、を備えている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。また、記憶ユニット31は、ユーザ端末4に接続されている。記憶ユニット31は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶ユニット31には、制御ユニット30によって実行されるソフトウェア等が記憶されている。このようなソフトウェア等として、例えば、記憶ユニット31には、オペレーションシステム32(以下、OSと略称することがある。)が記憶されている。OS32は、制御ユニット30に実行されることにより、ユーザ端末4の基本的な機能を提供する。
【0028】
さらに、記憶ユニット31には、OS32上で動作する各種アプリケーション及び各種アプリケーション用のデータが記憶されている。各種アプリケーションがOS32上で動作することにより、ユーザ端末4は各種アプリケーションに対応する機能を提供する。そして、記憶ユニット31は、このような各種アプリケーションの一例としてゲームアプリケーション23を、このゲームアプリケーション23用のアプリケーションデータの一つとしてカードデータ24を、それぞれ記憶している。一例として、ゲームアプリケーション23は、Webサービスを通じてセンターサーバ2から配信され、記憶ユニット31に記憶される。カードデータ24の詳細は、後述する。
【0029】
次に、ゲームアプリケーション23が提供するカードゲームの一例について説明する。ユーザ端末4は、ゲームアプリケーション23の動作に伴って、テニスをカードゲームとして実現したテニス型カードゲームを提供する。テニス型カードゲームは、各プレイヤが所有するテニスプレイヤのキャラクタに対応するゲームカードを通じてプレイされる。より具体的には、テニス型カードゲームは、ゲームカードを通じて各プレイヤ同士が対戦する試合機能及び試合における強さを変化させるための育成機能を含んでいる。また、試合機能には、第1モードとしてのシングルス対戦モード(以下、シングルスモードと呼ぶことがある)及び第2モードとしてのダブルス対戦モード(以下、ダブルスモードと呼ぶことがある)が含まれる。一方、育成機能には、プレイヤの強さを変化させるためのシナリオモード及びカードの強さを変化させるための強化・覚醒モードが含まれる。なお、テニス型カードゲームは、例えば、ゲームアプリケーション23の無償配布を通じて無償で提供されてもよい。若しくは、ゲームアプリケーション23の無償配布後、テニス型カードゲームは、所定の対価の消費と引き換えに所定範囲がプレイされてもよい。さらに、ゲームアプリケーション23が有償で配布されてもよい。
【0030】
図3図7を参照して、テニス型カードゲームについて更に説明する。まず、プレイヤには、プレイヤパラメータが付与される。プレイヤパラメータは、試合機能において各プレイヤの強さに影響する。具体的には、プレイヤパラメータとして、例えば、レベル、経験値、体力、編成力といったパラメータが利用される。編成力は、試合機能において攻撃力及び防御力を決定するために使用される。編成力が高いほど、試合機能において高い攻撃力及び防御力を得ることができる。体力は、シナリオモードを進行させるために消費する値である。つまり、体力が多いほどシナリオモードの進行に有利である。経験値は、シナリオモードの進行に伴って付与される値である。つまり、シナリオモードのシナリオが進行するほど上昇する。また、レベルは、経験値が閾値を超えるとアップする。したがって、シナリオが進行するほどレベルがアップする。そして、体力及び編成力は、レベルがアップすると上昇する値である。したがって、レベルが上昇するほど、シナリオモードを進行させることができるとともに、試合機能の攻撃力及び防御力を高めることができる。
【0031】
一方、ゲームカードは、第1パラメータ群及び第2パラメータ群としてのカードパラメータによって定義される。カードパラメータは、例えば、レベル、経験値、攻撃力、防御力、コスト、第1モード専用のパラメータとしての個人スキル、第2モード専用のパラメータとしてのダブルススキルといったパラメータを含んでいる。具体的には、レベルは、経験値が閾値を超えると上昇する。また、レベルの上昇に伴って攻撃力及び防御力も上昇する。経験値は、強化・覚醒モードを通じて上昇する。攻撃力及び防御力は、対戦時(試合機能における試合若しくはシナリオモードにおける試合)の攻撃力及び防御力に、それぞれ対応する。コストは、カードを使用するために必要なコストを意味する。より具体的には、コストは、プレイヤパラメータの編成力と対応し、使用に伴ってコストに対応する値が編成力から消費される。また、コストは、通常、各カードに固有のものである。個人スキルは、シングルスモードでの対戦時に発動させることができる技を意味する。一方、ダブルススキルは、ダブルスモードでの対戦時に発動させることができる技を意味する。例えば、個人スキルの発動に伴ってシングルスモードにおける攻撃力若しくは防御力が、ダブルススキルの発動に伴ってダブルスモードにおける攻撃力若しくは防御力が、それぞれ上昇する。また、個人スキルは、シングルスモード専用であり、ダブルスモードでは発動しない。一方、ダブルススキルは、ダブルスモード専用であり、シングルスモードでは発動しない。つまり、シングルスモード及びダブルスモードには、各モードに対応する専用のスキルが用意されている。
【0032】
図3を参照して、まずシナリオモードについて説明する。図3は、シナリオモードを説明するための説明図である。図3に示すように、シナリオモードは、シナリオ、エピソード、チャプターの順に3層構造を有する。具体的には、一連のチャプターによって一つのエピソードが、一連のエピソードによって一つのシナリオが、それぞれ構成される。そして、シナリオモードには、このようなシナリオが複数存在する。また、一連のチャプターの終了には、エピソードボスが出現し、そのボスとの対戦に勝利した場合に、一つのエピソードが終了する。
【0033】
図4は、エピソードボスとの対戦方法について説明するための説明図である。図4に示すように、エピソードボスとの対戦モードでは、ゲーム画面GSには、ゲームフィールドとしてテニスコートに対応するコート画像CIが表示される。プレイヤは、リーダーカードとして、自己が所有するゲームカードの中からエピソードボスとの対戦に使用するゲームカードを一つ選択する。そして、コート画像CIの奥側にボスが、手前側にプレイヤが選択したゲームカード(リーダーカード)が、それぞれ配置される。また、プレイヤは、自己が所有するゲームカードのうちから応援カードを選択することもできる。応援カードは、一例として2つまで選択することができる。そして、応援カードは、コート画像CIの外に配置され、リーダーカードにボーナスを付与する。ボーナスとして、例えば、攻撃力及び防御力の増加が使用される。そして、リーダーカードの攻撃力及び防御力の総合値をエピソードボスの攻撃力及び防御力の総合値と比較して、対戦結果が得られる。エピソードボスにリーダーカードが勝利すると、次のエピソードが解放される。
【0034】
次に、図5を参照して、試合機能について説明する。図5は、試合機能を説明するための説明図である。図5に示すように、試合機能においてもゲーム画面GSにはコート画像CIが表示される。そして、コート画像CIのエピソードボスが使用する側、つまり奥側に対戦相手のゲームカードGCが、手前側に自己のゲームカードGCが、それぞれ配置される。より具体的には、まず各プレイヤは、試合に使用する各ゲームカードGCのオーダーを編成する。試合は、3つのシングルスモード及び2つのダブルスモードを含んでいる。したがって、各プレイヤは、シングルスモードの対戦用に3つのゲームカードGCと、ダブルスモードの対戦用に2組(合計4枚)のゲームカードGCと、を試合用のオーダーとして編成する。そして、各プレイヤは、各ゲームカードGCを使用する順番を決定する。このようにして、各プレイヤは、試合に使用する各ゲームカードGCのオーダーを決定する。また、各プレイヤは、一つのゲームカードGCを応援カードとして選択することもできる。応援カードによって、シナリオモードと同様に所定のボーナスが付与され得る。各プレイヤのオーダーが決定されると、各対戦において各ゲームカードGCの攻撃力及び防御力によって勝敗が決定される。
【0035】
図6を参照して、試合用のオーダーの編成について更に説明する。図6は、試合用のオーダー編成を説明するための説明図である。図6に示すように、各プレイヤは、防御オーダー及び攻撃オーダーの2つのオーダーを編成する。そして、例えば、自己の攻撃時には自己の攻撃オーダーと対戦相手の防御オーダーが、自己の防御時には自己の防御オーダーと対戦相手の攻撃オーダーが、それぞれ比較される。このように、互いの攻撃オーダーと防御オーダーとが比較対象として使用される。また、攻撃オーダー及び防御オーダーの編成には、プレイヤパラメータの編成力が使用される。より具体的には、攻撃オーダーによって攻撃を行う場合には、攻撃オーダーとして選択される各ゲームカードGCに対応するコストの合計が編成力から消費される。したがって、各ゲームカードGCのコスト合計が現在有する編成力を超えるような攻撃オーダーを編成することはできない。一方、防御オーダーによって防御しても編成力は消費されない。このため、各ゲームカードGCのコストの合計が編成力の最大値を超えない範囲で防御オーダーを形成することができる。このようにして、各プレイヤは、互いに防御オーダー及び攻撃オーダーを編成する。
【0036】
また、シングルスモードの対戦中には、個人スキルが発動し、各ゲームカードGCの攻撃力等が変化する場合がある。個人スキルは、一例として、攻撃スキルと防御スキルに分類される。そして、攻撃スキルは、例えば、自己のゲームカードGCの一部若しくは全部の攻撃力を上昇させる効果、或いは、相手のゲームカードGCの一部若しくは全部の防御力を減少させる効果を生じさせる。同様に、防御スキルは、例えば、自己のゲームカードGCの一部若しくは全部の防御力を上昇させる効果、或いは、相手のゲームカードGCの一部若しくは全部の攻撃力を減少させる効果を生じさせる。
【0037】
一方、ダブルスモードの対戦中には、ダブルススキルが発動し、個人スキルが発動した場合と同様に、各ゲームカードGCの攻撃力等が変化する場合がある。また、ダブルススキルは、個人スキルとは無関係である。図7は、ダブルススキルの一例を説明するための説明図である。図7は、“A”というキャラクタのゲームカードGC1及び“B”というキャラクタのゲームカードGC2のカードパラメータの一部を示している。図7の例では、これら2つのゲームカードGC1、GC2によって一組のゲームカードD1が形成されている。ダブルスモードでは、このような一組のゲームカードD1の単位で対戦が実行される。つまり、シングルスモードと異なり、ダブルスモードでは一つの対戦に2枚のゲームカードGCが使用される。このように、シングルスモード及びダブルスモードでは、ゲームカードGCの使用枚数というゲーム条件が互いに異なっている。
【0038】
図7に示すように、“B”というキャラクタのゲームカードGC2は、“Aと同期”というダブルススキルを有している。“Aと同期”というダブルススキルの発動条件は、キャラクタ“B”とキャラクタ“A”とがダブルスを組む(一組のゲームカードD1を形成する)ことである。そして、図7の例では、キャラクタ“B”は、キャラクタ“A”とダブルスを組むようにオーダーが編成されている。この場合、例えば、キャラクタ“B”及びキャラクタ“A”のダブルスは、これらのキャラクタの攻撃力或いは防御力を単に合計した値よりも大きな攻撃力或いは防御力を発揮する。また、キャラクタ“B”及びキャラクタ“A”のいずれも個人スキルは所有していない。このように、ダブルススキルは、ダブルスモードの対戦に限定して発動され、対戦条件を好転させる。また、ダブルススキルは、個人スキルの有無や種類に必ずしも依存しない。なお、ダブルススキルは、内容に応じて、特定の個人スキルの有無を条件に設定されてもよい。また、ダブルススキルの発動条件も特定のゲームカードGCとのダブルスの形成に限定されない。ダブルススキルの内容に応じて、最適な各種の発動条件が採用されてよい。
【0039】
なお、その他にもカードパラメータによって定義される各特性に応じて、さまざまな特典等が試合等の展開に付与されてよい。このような特典付与の一形態として、例えば、複数のゲームカードGCの組み合わせ(以下、コンボと呼ぶ場合がある)が利用されてもよい。また、このコンボの条件として、カードパラメータの共通性が利用されてもよい。つまり、例えば、カードパラメータとして、性別、所属組織、或いはその他の所定の属性等が利用されている場合には、共通の性別、所属組織、或いは属性のゲームカードGCが所定数組み合わせられた場合にコンボが発動してもよい。
【0040】
一方、強化・覚醒モードでは、ゲームカードGCの強化、つまりカードパラメータの強化が図られる。具体的には、キャラクタ等が互いに異なる2つのゲームカードGC同士を合成することにより、カードパラメータの強化された一つのゲームカードGCが生成され得る(強化モード)。一方、同じキャラクタ同士の2つのゲームカードGC同士を合成することにより、レベル等の上昇した一つのゲームカードGCが生成され得る(覚醒モード)。このようにして、ゲームカードGCの各パラメータの強化が図れる。このような試合機能及び育成機能を含むテニス型カードゲームがゲームアプリケーション23を通じて提供される。
【0041】
次に、カードデータ24の詳細について説明する。カードデータ24は、各キャラクタのカードパラメータが定義されたデータである。図8は、カードデータ24の一例を示す図である。図8に示すように、カードデータ24には、キャラクタID、名称、レベル、経験値、攻撃力、防御力、コスト、個人スキル、ダブルススキルといったカードパラメータに対応する各パラメータの情報(パラメータ情報)が含まれている。カードデータ24は、これらの情報が互いに関連付けられるように記述されたレコードの集合である。
【0042】
キャラクタIDは、各キャラクタを特定するためのキャラクタ毎にユニークなIDである。名称は、各キャラクタの名称を示す情報である。また、レベル、経験値、攻撃力、防御力、コスト、個人スキル、ダブルススキルは、上述の各カードパラメータに対応する情報である。これらの情報がキャラクタIDに関連付けて記述されることにより、カードデータ24によって各キャラクタが定義される。
【0043】
次に、試合機能において実行される対戦処理について説明する。対戦処理は、試合機能のシングルスモード及びダブルスモードの各対戦において対戦結果を得るために実行される。対戦処理は、一例として、ユーザ端末4の制御ユニット30によって実行される。なお、制御ユニット30は、Webサービスに関連する各種のサービスの提供等、基本機能を実現するために必要な各種の周知な処理を実行するが、それらの詳細な説明は省略する。
【0044】
図9は、対戦処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。また、制御ユニット30は、例えば、試合機能において対戦開始指示が出される毎に図9のルーチンを実行する。対戦開始は、一例として、対戦の開始を希望する所定の操作がプレイヤによって実行される毎に指示される。したがって、図9のルーチンは、一例として、対戦の開始を希望する所定の操作が実行される毎に実行される。
【0045】
図9のルーチンを開始すると、制御ユニット30は、まずステップS11において、対戦モードの判別を実行する。より具体的には、制御ユニット30は、シングルスモード及びダブルスモードのうち該当する対戦モードを判別する。続くステップS12では、制御ユニット30は、ステップS11の判別結果に基づいて、対戦モードがシングルスモードか否か判別する。この判別結果が肯定的結果場合、つまり対戦モードがシングルスモードの場合には、制御ユニット30は、ステップS13に進む。一方、この判別結果が否定的結果の場合、つまり対戦モードがダブルスモードの場合には、制御ユニット30は、ステップS14に進む。
【0046】
ステップS13において、制御ユニット30は、カードパラメータのうち攻撃側及び防御側双方のシングルスモードで使用するシングルス用パラメータをカードデータ24から取得する。シングルス用パラメータには、シングルスモード専用のパラメータとシングルスモード及びダブルスモードの両方で兼用される兼用パラメータとが含まれる。より具体的には、例えば、制御ユニット30は、兼用パラメータとして攻撃力、防御力といったパラメータを、シングルスモード専用のパラメータとして個人スキルを、それぞれ取得してステップS15に進む。一方、ステップS14において、制御ユニット30は、カードパラメータのうち攻撃側及び防御側双方のダブルスモードで使用するダブルス用パラメータをカードデータ24から取得する。ダブルス用パラメータには、シングルス用パラメータと同様に、ダブルスモード専用のパラメータと兼用パラメータとが含まれる。そして、制御ユニット30は、例えば、兼用パラメータとして攻撃力、防御力といったパラメータを、ダブルスモード専用のパラメータとしてダブルススキルを、それぞれ取得してステップS15に進む。
【0047】
ステップS15において、制御ユニット30は、ステップS13或いはステップS14で取得した各パラメータに基づいて、対戦結果を算出する。より具体的には、攻撃側の攻撃力のパラメータと防御側の防御力のパラメータを比較し、その大小関係に基づいて対戦結果を算出する。また、この際、対戦モードがシングルスモードの場合、個人スキルの発動条件を満たしているか否かを判別する。そして、個人スキルの発動条件を満たしている場合には、個人スキルの発動によって生じる効果が反映された後の攻撃力等に基づいて対戦結果を算出する。同様に、対戦モードがダブルスモードの場合、ダブルススキルの発動条件を満たしているか否かを判別する。そして、ダブルススキルの発動条件を満たしている場合には、ダブルススキルの発動によって生じる効果が反映された後の攻撃力等に基づいて対戦結果を算出する。
【0048】
続くステップS16において、制御ユニット30は、ステップS15で算出した対戦結果をゲーム画面GSに反映する。具体的には、例えば、制御ユニット30は、攻撃側の編成力を減少させることにより、ゲーム画面GSにゲーム結果を反映する。また、勝敗が決した場合には、制御ユニット30は、その結果をゲーム画面GSに表示させる。一例として、このようにゲーム結果を反映して、制御ユニット30は、今回のルーチンを終了する。これにより、シングルスモードの場合にはシングルスモード専用のパラメータを含むシングルスモード用のパラメータに基づいて対戦結果が算出され、ダブルスモードの場合にはダブルスモード専用のパラメータを含むダブルスモード用のパラメータに基づいて対戦結果が算出される。そして、それらの結果がゲーム画面GSに反映され、同じゲームカードGCが使用された場合でも、シングルスモード特有の展開及びダブルスモード特有の展開を含むように、ゲーム展開が付与される。
【0049】
以上に説明したように、この形態によれば、ゲーム中において、ゲームカードGCの使用数等といったゲーム条件が異なるシングルスモード及びダブルスモードが提供される。また、ゲームカードGCを定義するカードパラメータには、シングルスモード専用のパラメータ及びダブルスモード専用のパラメータが含まれている。したがって、同じゲームカードGCをシングルスモードの場合とダブルスモードの場合とでは全く性質の異なるゲームカードとして機能させることができる。実際のテニスゲームでは、シングルスでは力を発揮できないが、ダブルスでは実力以上の力を発揮するプレイヤも存在する。つまり、シングルスモード専用のパラメータ及びダブルスモード専用のパラメータを利用して、ゲーム条件に応じて変化するプレイヤの特性をゲーム展開に反映することができる。したがって、同じゲームカードGCが使用された場合でも対戦モードに応じてゲーム展開を相違させることできるので、ゲーム展開のバリエーションを増やすことができる。また、対戦モードに応じてプレイヤの特性を再現することができるので、ゲームのリアリティ感を向上させることができる。これらにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0050】
以上の形態において、ユーザ端末4の制御ユニット30が、図9のルーチンを実行することにより本発明の第1モード展開付与手段及び第2モード展開付与手段として機能する。また、センターサーバ2の記憶ユニット11が、ゲームアプリケーション23及びカードデータ24を記憶することにより本発明のアプリケーション記憶手段及びパラメータ情報記憶手段として機能する。
【0051】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、ユーザ端末4が提供するゲームとして、テニス型のカードゲームが採用されている。しかし、ユーザ端末4が提供するゲームは、このような形態に限定されない。ゲーム条件の異なる複数のモードが含まれる限り、例えば、競馬型、野球型、サッカー型等の各種のカードゲームがユーザ端末4のゲームとして採用されてよい。また、カードゲームにも限定されない。例えば、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム等の各種のゲームがユーザ端末4のゲームとして採用されてよい。
【0052】
また、上述の形態では、ゲーム装置としてユーザ端末4が採用されている。しかし、ゲーム装置は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム装置として、業務用のゲーム機、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機等、適宜の形態が採用されてよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ(サーバ装置)
3 ネットワーク
4 ユーザ端末(ゲーム装置)
11 記憶ユニット(アプリケーション記憶手段、パラメータ情報記憶手段)
23 ゲームアプリケーション(アプリケーション)
24 カードデータ(アプリケーションデータ)
30 制御ユニット(コンピュータ、第1モード展開付与手段、第2モード展開付与手段)
GC ゲームカード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9