特許第6069635号(P6069635)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069635ゲームシステム、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069635
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】ゲームシステム、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/52 20140101AFI20170123BHJP
   A63F 13/323 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/27 20140101ALI20170123BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20170123BHJP
【FI】
   A63F13/52
   A63F13/323
   A63F13/79
   A63F13/27
   A63F13/45
   A63F13/52ZIT
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-285796(P2012-285796)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-124499(P2014-124499A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2014年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(72)【発明者】
【氏名】渡場 雄
(72)【発明者】
【氏名】下村 賢
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−036281(JP,A)
【文献】 特開2003−071122(JP,A)
【文献】 特開2003−236251(JP,A)
【文献】 特開2012−100892(JP,A)
【文献】 特開2000−237450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末が通信回線を介して接続されるゲームシステムであって、
ゲーム画面を表示する表示装置と、
各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手段と、
前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手段と、
前記端末ゲーム複数のユーザ端末を含むグループによってプレイされるように構成され、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対応する付与ユーザ端末に前記特別ゲームが提供されている場合に、前記付与ユーザ端末の前記グループに属する他のユーザ端末の前記端末ゲームにも前記特別ゲームのプレイ状況が反映されるように当該プレイ状況の情報を前記他のユーザ端末に提供する情報提供手段と
を備え
前記端末ゲーム及び前記特別ゲームは、基礎ゲーム領域の一部をそれぞれ含む端末ゲーム領域及び特別ゲーム領域を通じてそれぞれ提供され、
前記情報提供手段は、前記特別ゲームが提供されている場合には、前記付与ユーザ端末は前記特別ゲーム領域を画面に表示する一方で、前記他のユーザ端末の画面には前記特別ゲーム領域と相違する前記端末ゲーム領域が表示されるように前記特別ゲームのプレイ状況の情報を提供する、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
前記他のユーザ端末には、前記端末ゲーム領域として共通の領域が使用される、請求項に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記端末ゲームは、前記端末ゲーム領域を使用するアクションゲームとして構成されている、請求項又はに記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記付与ユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供される期間は、所定時間に制限されている、請求項1〜のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記プレイ権が複数のユーザ端末に付与されている場合に、前記プレイ権が付与された各ユーザ端末によって前記ゲーム画面が専有されるように、一のユーザ端末が前記特別ゲームをプレイ中は当該一のユーザ端末以外の他のユーザ端末による前記特別ゲームのプレイが制限される、請求項1〜のいずか一項に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記端末ゲームは、第1ゲーム及び第2ゲームを含み、
前記第1ゲームは、前記所定の使用条件を満たすために使用され、
前記第2ゲームは、前記特別ゲームとして、前記付与ユーザ端末及び前記ゲーム画面を通じて提供される、請求項1〜のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記表示装置が設けられているゲーム機を備え、
前記ゲーム機は、少なくとも一部が前記端末ゲームとして提供されるメインゲームを提供する、請求項1〜のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記ゲーム機は、所定の施設に配置されている、請求項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
複数のユーザ端末が通信回線を介して接続されるゲームシステムであって、ゲーム画面を表示する表示装置を備えたゲームシステムに適用され、
各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手順と、
前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手順と、
前記端末ゲーム複数のユーザ端末を含むグループによってプレイされるように構成され、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対応する付与ユーザ端末に前記特別ゲームが提供されている場合に、前記付与ユーザ端末の前記グループに属する他のユーザ端末の前記端末ゲームにも前記特別ゲームのプレイ状況が反映されるように当該プレイ状況の情報を前記他のユーザ端末に提供する情報提供手順と
を備え
前記端末ゲーム及び前記特別ゲームは、基礎ゲーム領域の一部をそれぞれ含む端末ゲーム領域及び特別ゲーム領域を通じてそれぞれ提供され、
前記情報提供手順では、前記特別ゲームが提供されている場合には、前記付与ユーザ端末は前記特別ゲーム領域を画面に表示する一方で、前記他のユーザ端末の画面には前記特別ゲーム領域と相違する前記端末ゲーム領域が表示されるように前記特別ゲームのプレイ状況の情報が提供される、制御方法。
【請求項10】
複数のユーザ端末が通信回線を介して接続されるゲームシステムであって、ゲーム画面を表示する表示装置を備えたゲームシステムに組み込まれるコンピュータを、
各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手段、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手段、及び前記端末ゲーム複数のユーザ端末を含むグループによってプレイされるように構成され、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対応する付与ユーザ端末に前記特別ゲームが提供されている場合に、前記付与ユーザ端末の前記グループに属する他のユーザ端末の前記端末ゲームにも前記特別ゲームのプレイ状況が反映されるように当該プレイ状況の情報を前記他のユーザ端末に提供する情報提供手段として機能させるように構成され
前記端末ゲーム及び前記特別ゲームは、基礎ゲーム領域の一部をそれぞれ含む端末ゲーム領域及び特別ゲーム領域を通じてそれぞれ提供され、
前記情報提供手段は、前記特別ゲームが提供されている場合には、前記付与ユーザ端末は前記特別ゲーム領域を画面に表示する一方で、前記他のユーザ端末の画面には前記特別ゲーム領域と相違する前記端末ゲーム領域が表示されるように前記特別ゲームのプレイ状況の情報を提供する、ゲームシステム用のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末が通信回線を介して接続されるゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザ端末が通信回線を介して接続されるゲームシステムが存在する。このようなゲームシステムの一つとして、所定のゲームを提供するゲーム機及びパソコン等の各ユーザ端末がネットワークを介してサーバ装置に接続され、サーバ装置からユーザ端末に所定のゲームに関連するサービス(ゲームを含む)が提供されるゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−175004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のユーザ端末は、各ユーザによって個別に使用される。したがって、各ユーザ端末のユーザは、一つの場所に集まる必要がない。このため、各ユーザは、例えば、ユーザ端末を通じて提供されたゲームに対する感情を共有し難い。結果として、各ユーザ端末のユーザ間に連帯感も生じ難い。
【0005】
そこで、本発明は、各ユーザ端末のユーザを表示装置の周囲に集めることができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、複数のユーザ端末(8)が通信回線(5B)を介して接続されるゲームシステムであって、ゲーム画面(AG)を表示する表示装置(MO)と、各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手段(10)と、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手段(10)と、を備えている。
【0007】
本発明によれば、端末ゲームにおいて所定の使用条件を満たしたユーザ端末に特別ゲームをプレイするためのプレイ権が付与される。そして、特別ゲームは、表示装置に表示されるゲーム画面を通じて提供される。これにより、各ユーザ端末のユーザを表示装置の周囲に集めることができる。結果として、特別ゲームのゲーム結果を周囲のユーザに周知することできる。これにより、各ユーザは特別ゲームのゲーム結果を周囲のユーザと共有することができる。このため、例えば、各ユーザ間の連帯感を向上させることができる。
【0008】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供される期間は、所定時間に制限されていてもよい。この場合、特別ゲームの希少性を向上させることができる。
【0009】
本発明のゲームシステムの一態様において、前記プレイ権が複数のユーザ端末に付与されている場合に、前記プレイ権が付与された各ユーザ端末によって前記ゲーム画面が専有されるように、一のユーザ端末が前記特別ゲームをプレイ中は当該一のユーザ端末以外の他のユーザ端末による前記特別ゲームのプレイが制限されてもよい。この場合、特別ゲームをプレイするユーザを目立たせることができる。これにより、特別ゲームの魅力を向上させることができる。
【0010】
端末ゲームとして、各種のゲームが提供されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記端末ゲームは、第1ゲーム及び第2ゲームを含み、前記第1ゲームは、前記所定の使用条件を満たすために使用され、前記第2ゲームは、前記特別ゲームとして、前記プレイ権が付与されたユーザ端末及び前記ゲーム画面を通じて提供されてもよい。また、この態様において、前記端末ゲームは、ゲーム領域を使用するアクションゲームとして構成され、前記第1ゲームは、前記第2ゲームで使用されるゲーム領域の少なくとも一部を使用することにより、前記第2ゲームとゲーム領域を共有していてもよい。この場合、第1ゲーム及び第2ゲームに共通の世界観を付与することができる。これにより、第1ゲームをプレイするユーザと第2ゲームをプレイするユーザとの間の連帯感を向上させることができる。
【0011】
表示装置として、どのようなものが採用されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記表示装置が設けられているゲーム機(GM)を備え、前記ゲーム機は、少なくとも一部が前記端末ゲームとして提供されるメインゲームを提供する態様が採用されてもよい。また、この態様において、前記ゲーム機は、所定の施設(4)に配置されていてもよい。この場合、ユーザ端末のユーザを所定の施設に誘導することができる。また、ゲーム機のユーザ層とユーザ端末のユーザ層とは相違している場合も多い。この場合、ユーザ端末のユーザをゲーム機に誘導することができるので、ゲーム機のユーザ層を拡大することができる。
【0012】
本発明のゲームシステムの制御方法は、複数のユーザ端末(8)が通信回線(5B)を介して接続されるゲームシステムであって、ゲーム画面(AG)を表示する表示装置(MO)を備えたゲームシステム(1)に適用され、各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手順と、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手順と、を備えている。
【0013】
また、本発明のゲームシステム用のコンピュータプログラムは、複数のユーザ端末(8)が通信回線(5B)を介して接続されるゲームシステムであって、ゲーム画面(AG)を表示する表示装置(MO)を備えたゲームシステム(1)に組み込まれるコンピュータ(10)を、各ユーザ端末が提供する端末ゲームにおいて所定の使用条件が満たされた場合に、当該所定の使用条件を満たしたユーザ端末に前記ゲーム画面を使用する特別ゲームをプレイするためのプレイ権を付与する権利付与手段、及び前記プレイ権が付与されたユーザ端末に前記ゲーム画面を通じて前記特別ゲームが提供されるように、前記プレイ権が付与されたユーザ端末に対するプレイ行為を前記ゲーム画面に反映するためのプレイ行為情報を取得する情報取得手段として機能させるように構成されたものである。本発明の制御方法或いは、コンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上、説明したように、本発明によれば、各ユーザ端末のユーザを表示装置の周囲に集めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図。
図2】ゲームシステムの要部の構成を示す図。
図3】アーケードゲーム及びモバイルゲームがプレイされている最中のゲーム機の周囲を模式的に示す図。
図4】アーケードゲーム画面及びモバイルゲーム画面の一例を示す図。
図5】特別ミッションが提供されている状態のアーケードゲーム画面及びモバイルゲーム画面の一例を示す図。
図6】グループデータの内容の一例を示す図。
図7】権利付与処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
図8】状況配信処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るゲームシステムの一形態について説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のゲーム機GM及びセンターサーバ3を含んでいる。ゲーム機GMは、所定の対価の消費と引き換えに、その対価に応じた範囲でユーザにメインゲームとしてのゲーム(以下、アーケードゲームと呼ぶことがある)をプレイさせる業務用(商業用)のゲーム機である。ゲーム機GMは、所定の施設としての店舗4等の商業施設に適当な台数ずつ設置される。図1の例では、各店舗4には一台のゲーム機GMのみが示されているが、各店舗4には複数のゲーム機GMが配置されていてよい。
【0018】
各ゲーム機GM及びセンターサーバ3は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク5は、WAN(ワイドエリアネットワーク)5A及びLAN(ローカルエリアネットワーク)5Bを含んでいる。WAN5Aとして、例えば、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するインターネットが利用される。LAN5Bは、各店舗4内の各ゲーム機GM間を接続するように、店舗4毎に構築される。また、LAN5Bは、例えば、TCP/IPプロトコルを利用するイントラネットによって構築されている。LAN5B及びセンターサーバ3は、ルータ6を介してWAN5Aに接続される。
【0019】
なお、ゲーム機GMとルータ6との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機GMがセンターサーバ3と通信可能に接続されていてもよい。また、センターサーバ3は、一台の物理的装置によって構成されている例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ3が構成されてもよい。更に、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ3が構成されてもよい。また、ゲーム機GMがセンターサーバ3として機能してもよい。
【0020】
各店舗4のLAN5Bには、ユーザ端末8も接続される。ユーザ端末8は、通信回線としてのLAN5Bを介して、ゲーム機GM及びセンターサーバ3にアクセス可能である。ユーザ端末8は、センターサーバ3から配信されるゲームソフトフェアを実行することにより、ゲーム装置として機能するネットワーク端末装置の一種である。ユーザ端末8として、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話(スマートフォンを含む)等といったネットワーク接続が可能なコンピュータ装置が適宜に利用されてよい。また、ユーザ端末8には、Global Positioning System(以下、GPSという)用の受信機が搭載され、いわゆるGPS機能が設けられていてもよい。これにより、各ユーザ端末8は、衛星を利用して、自己の位置情報を取得可能に構成されていてもよい。なお、本明細書において、ユーザがゲーム機GMを使用するとき、或いは、ユーザ端末8を介してゲームをプレイするときに、当該ユーザを特にプレイヤと称すことが有る。
【0021】
各ユーザ端末8、各ゲーム機GM及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれぞれを識別可能なユニークな情報が付されている。これにより、ゲームシステム1上では、各ユーザ端末8、各ゲーム機GM及びセンターサーバ3を識別可能である。このようなユニークな情報として、例えば、IPアドレスが利用されてよい。ネットワーク5がインターネットのように公開性のあるネットワークであれば、各ルータ6にネットワーク5上でユニークな固定アドレスが設定される。そして、各ゲーム機GM等には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機GM等を一意に認識するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。また、この場合、ユーザ端末8或いはゲーム機GMとセンターサーバ3との間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機GM等がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。以下では、各ゲーム機GM、センターサーバ3及びユーザ端末8をネットワーク5上で識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク5を介した通信では、特別な記載のない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定されることを前提とする。
【0022】
また、ゲームシステム1では、上述のアドレス情報とは別に、店舗4毎にユニークな店舗IDが設定され、ゲーム機GM毎にユニークな筐体IDが設定される。センターサーバ3は、通信相手のゲーム機GMから店舗ID及び筐体IDを受け取ることにより、その通信相手のゲーム機GMが所属する店舗4及びそのゲーム機GMを一意に特定することができる。つまり、ゲームシステム1では、店舗IDに基づいて各店舗4を、筐体IDに基づいて各ゲーム機GMを、それぞれ識別可能である。
【0023】
センターサーバ3は、ゲーム機GM及びユーザ端末8に対し、ネットワーク5を介して各種のサービスを提供する。例えば、センターサーバ3は、ゲーム機GM又はそのプレイヤに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスとして、例えば、ゲーム機GMからプレイヤの識別情報を受け取って、そのプレイヤを認証するサービスを提供する。また、認証したプレイヤのプレイデータをゲーム機GMから受け取って保存し、或いは、保存するプレイデータをゲーム機GMに提供するサービスも提供する。更に、ゲーム機用サービスには、ネットワーク5を介してゲーム機GMのプログラム或いはデータを更新するサービス、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス等が含まれる。
【0024】
また、センターサーバ3は、ネットワーク5を介してアクセスするユーザ端末8のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスとして、例えば、ゲーム機GMにて実行されるゲームを含む各種ゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービスを提供する。また、Webサービスには、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスも含まれている。更に、Webサービスには、ユーザ端末8からのアクセスに対して端末ゲームとしての所定のゲーム(以下、モバイルゲームと呼ぶことがある)をプレイさせるモバイルゲームサービスが含まれている。
【0025】
次に、図2を参照して、ゲーム機GM、センターサーバ3、及びユーザ端末8に関する制御系の主要部の構成を説明する。図2は、ゲームシステム1の要部の構成を示す図である。図2に示すように、センターサーバ3には、コンピュータとしての制御ユニット10と、記憶装置11とが設けられている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。なお、制御ユニット10には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が接続され得るが、それらの図示は省略した。
【0026】
記憶装置11は、制御ユニット10に接続されている。記憶装置11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気テープ等の大容量記憶媒体により構成されている。記憶装置11には、サーバ用プログラム15が記憶されている。サーバ用プログラム15は、センターサーバ3がゲーム機GM及びユーザ端末8に各種のサービスを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がサーバ用プログラム15を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17が設けられる。
【0027】
ゲーム機サービス管理部16は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する。一方、Webサービス管理部17は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する。ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0028】
さらに、記憶装置11には、例えば、ID管理データ22、ゲームアプリケーション23及びグループデータ27が記憶されている。ID管理データ22及びグループデータ27は、サーバ用プログラム15の実行に伴って参照されるデータである。一方、ゲームアプリケーション23は、各ユーザ端末8に配信するためのアプリケーション(アプリケーション用のアプリケーションデータを含む)である。これらの詳細は、後述する。なお、記憶装置11には、これらの他にも各種のデータ等が記憶され得るが、それらの図示は省略した。
【0029】
一方、ゲーム機GMには、制御ユニット30と、記憶装置31とが設けられている。制御ユニット30は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。なお、制御ユニット30には、公知のゲーム機と同様に、プレイヤの操作を入力する操作入力装置、モニタ等の表示装置、スピーカ等の音声再生装置、カードリーダ、コイン認証装置といった各種の入力装置及び、出力装置が接続されるが、それらの図示は省略した。
【0030】
記憶装置31は、制御ユニット30に接続されている。記憶装置31は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、ハードディスク、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶装置31には、ゲームプログラム34が記憶されている。ゲームプログラム34は、ゲーム機GMがアーケードゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット30がゲームプログラム34を読み取って実行することにより、制御ユニット30の内部には、ゲームサービス処理部36が設けられる。
【0031】
ゲームサービス処理部36は、アーケードゲームの開始、進行、及び終了の管理、並びにプレイ料金(所定の対価)の徴収といったアーケードゲームのプレイに関連した各種の処理を実行する。また、ゲーム機サービスの一部は、ゲームサービス処理部36とセンターサーバ3のゲーム機サービス管理部16とが協働することにより実現される。ゲームサービス処理部36は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット30の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得るが、それらの図示は省略した。
【0032】
さらに、記憶装置31には、ゲームプログラム34の実行に伴って参照され得るゲームデータ35が記憶されている。ゲームデータ35には、例えば、ゲーム画面の背景、キャラクタ、アイテム等の画像を描画するための画像データ、ゲームのBGM、効果音等を再生するための音声データ等が含まれる。また、ゲームデータ35には、例えば、その他にもID管理データ22及びグループデータ27が含まれていてよい。ID管理データ22及びグループデータ27は、例えば、アーケードゲームの実行時に、当該アーケードゲームを実行するプレイヤに対応付けられた部分を含むように、少なくとも一部がセンターサーバ3から提供され、記憶装置31に記憶される。
【0033】
また、ユーザ端末8には、制御ユニット40と、記憶装置41とが設けられている。制御ユニット40は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。なお、制御ユニット40には、ネットワーク接続が可能な公知のコンピュータ装置が備える各種の入力装置、及び出力装置が接続され得るが、それらの図示は省略した。
【0034】
記憶装置41は、制御ユニット40に接続されている。記憶装置41は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、不揮発性の半導体記装置などにより構成されている。記憶装置41には、制御ユニット40によって実行されるソフトウェア等が記憶されている。このようなソフトウェア等として、例えば、記憶装置41には、オペレーションシステム42(以下、OSと略称することがある。)が記憶されている。OS42は、制御ユニット40に実行されることにより、ユーザ端末8の基本的な機能を提供する。また、記憶装置41には、OS42上で動作する各種アプリケーション(各種アプリケーション用のデータを含む)が記憶されている。各種アプリケーションがOS42上で動作することにより、ユーザ端末8は各種アプリケーションに対応する機能を提供する。そして、記憶装置41は、このような各種アプリケーションの一例としてゲームアプリケーション23を記憶している。一例として、ゲームアプリケーション23は、Webサービスを通じてセンターサーバ3から配信され、記憶装置41に記憶される。
【0035】
さらに、記憶装置41には、端末データ43が記憶されている。端末データ43は、ユーザ端末8が各種の機能を提供するために参照されるデータである。端末データ43は、例えば、ID管理データ22及びグループデータ27を含んでいてよい。ID管理データ22及びグループデータ27は、例えば、ユーザ端末8の機能の実現に必要な部分を含むように、少なくとも一部がセンターサーバ3から提供され、記憶装置41に記憶される。
【0036】
次に、ゲーム機GMが提供するアーケードゲーム及びユーザ端末8が提供するモバイルゲームについて説明する。一例として、アーケードゲーム及びモバイルゲームがアクションゲームとして構成されている場合について説明する。アクションゲームは、各プレイヤに対応するキャラクタを操作しつつゲームを進行させるタイプのゲームである。また、ゲーム中には、ゲームを進行させるための場としてゲームフィールドが用意される。そして、各キャラクタは、ゲームフィールド内を移動しつつゲームフィールド内に用意されたミッションをクリアすることによりゲームを進行させる。ミッションには、例えば、ゲームの進行を阻む敵キャラクタの攻略が含まれる。
【0037】
モバイルゲームは、アーケードゲームの一部として提供される。より具体的には、アーケードゲーム及びモバイルゲームは、ゲーム領域としての共通のゲームフィールドを使用する。アーケードゲーム内には、通常ミッション及び特別ゲームとしての特別ミッションが含まれる。通常ミッション及び特別ミッションは、いずれも共通のゲームフィールド内で実行される。つまり、モバイルゲーム及びアーケードゲームは、共通のゲームフィールドを利用することにより、少なくとも一部のゲームフィールドを共有している。そして、モバイルゲームは、アーケードゲーム内の通常ミッションを対象にしたゲームである。一方、特別ミッションは、モバイルゲームのプレイ、つまり通常ミッションのプレイを通じて、所定の使用条件を満たしたプレイヤに提供される。したがって、通常ミッションは、所定の使用条件を満たすためにプレイされるゲームでもある。
【0038】
図3図5を参照して、アーケードゲーム及びモバイルゲームについて更に説明する。モバイルゲームは、ユーザIDを所有する各ユーザに提供される。したがって、モバイルゲームをプレイする際には、ユーザIDの登録が要求される。そして、モバイルゲームは、上述のように、アーケードゲームの提供に伴って、その一部として提供される。つまり、モバイルゲームのプレイヤは、アーケードゲームのプレイヤでもある。モバイルゲームは、例えば、アーケードゲームをプレイするゲーム機GM、つまりアーケードゲームの提供を受けるゲーム機GMの選択後に提供される。各店舗4に、一台のゲーム機GMのみが配置されている場合には、店舗4の選択或いは位置情報(例えば、GPS機能に基づいて取得)に基づいて、アーケードゲームをプレイするゲーム機GMが決定されてもよい。また、共通のゲーム機GMによってアーケードゲームが提供される各ユーザ端末8が一つのグループとしてグループ化される。そして、同一グループに対して、共通のゲームフィールドを使用した共通のアーケードゲームが提供される。
【0039】
図3は、アーケードゲーム及びモバイルゲームがプレイされている最中のゲーム機GMの周囲を模式的に示す図である。図3に示すように、各プレイヤPは、モバイルゲームに対応するアーケードゲームを提供するゲーム機GMの周辺で通常はモバイルゲームをプレイする。また、ゲーム機GMには、表示装置としてのモニタMOが設けられている。モニタMOには、アーケードゲームを提供するためのアーケードゲーム画面AGが表示される。アーケードゲーム画面AGは、例えば、特別ミッションを提供するために使用される。一方、ユーザ端末8のモニタMUには、モバイルゲームを提供するためのモバイルゲーム画面が表示される。モバイルゲーム画面は、主として、アーケードゲームに含まれる通常ミッションを提供するために使用される。
【0040】
図4は、アーケードゲーム画面AG及びモバイルゲーム画面MGの一例を示す図である。また、図4は、特別ミッションとしてプレイヤに対応するプレイヤキャラクタPCよりも遥かに巨大な大型敵キャラクタを攻略するミッションが、通常ミッションとしてプレイヤキャラクタPCと同サイズの通常型敵キャラクタを倒すミッションが、それぞれ採用されている場合を示している。図4に示すように、アーケードゲーム画面AGには大型敵キャラクタBAが、モバイルゲーム画面MGにはプレイヤに対応するプレイヤキャラクタPC及び通常型敵キャラクタUAが、それぞれ表示されている。より具体的には、アーケードゲーム画面AGには、大型敵キャラクタBAの上半身全体が含まれるように、離れて見た場合のゲームフィールドが表示されている。
【0041】
一方、モバイルゲーム画面MGには、各プレイヤがプレイヤキャラクタPCを操作して通常型敵キャラクタUAと対戦可能なように、ゲームフィールドの一部、即ち、プレイヤキャラクタPC及び通常型敵キャラクタUAが存在している部分に近づいて見た場合のゲームフィールドが表示されている。結果として、モバイルゲーム画面MGには、プレイヤキャラクタPC及び通常型敵キャラクタUAが存在している部分の詳細が拡大されて表示されている。また、モバイルゲーム画面MGには、同じゲームフィールド内に存在する大型敵キャラクタBAの一部(一例として、左足)も表示されている。これにより、プレイヤキャラクタPC及び通常型敵キャラクタUAよりも遥かに大きな大型敵キャラクタBAの存在が示されている。
【0042】
モバイルゲームの各プレイヤには、各プレイヤに対応するプレイヤキャラクタPCが割り当てられる。図4の例では、3つのプレイヤキャラクタPC1、PC2、PC3に3人のプレイヤが割り当てられている。具体的には、第1モバイルゲーム画面MG1を使用するプレイヤには第1プレイヤキャラクタPC1が、第2モバイルゲーム画面MG2を使用するプレイヤには第2プレイヤキャラクタPC2が、第3モバイルゲーム画面MG3を使用するプレイヤには第3プレイヤキャラクタPC3が、それぞれ割り当てられている。各プレイヤは、各プレイヤキャラクタPCを操作してモバイルゲーム画面MG内に存在する通常型敵キャラクタUAと戦う。このようなモバイルゲーム画面MGを通じてモバイルゲームが提供される。また、同一グループ内の各ユーザ端末8には、共通のゲームフィールドを使用したモバイルゲームが提供される。
【0043】
一方、モバイルゲーム内で所定の使用条件を満たしたプレイヤには、特別ミッションに挑戦する権利、つまり特別ミッションをプレイするための権利(プレイ権)が付与される。所定の使用条件として、例えば、所定数以上の通常型敵キャラクタUAを倒した場合に満たされる条件が採用される。つまり、モバイルゲーム内において所定数以上の通常型敵キャラクタUAを倒したプレイヤに特別ミッションに挑戦する権利が付与される。そして、特別ミッションに挑戦する権利が付与されたプレイヤには、特別の選択肢が提供される。特別の選択肢として、例えば、プレイヤキャラクタPCを大型敵キャラクタBAと同サイズまで巨大化させる選択肢が提供される。また、巨大化は、所定時間に制限される。つまり、所定の使用条件を満たしたプレイヤには、所定時間内に限り、自己のプレイヤキャラクタPCを巨大化させる選択肢が提供される。そして、各プレイヤは、自己のプレイヤキャラクタPCを巨大化させることにより、大型敵キャラクタBAと対等に戦うことができる。即ち、プレイヤキャラクタPCを巨大化させたプレイヤに特別ミッションが提供される。なお、所定の使用条件として、例えば、その他にも所定時間以上プレイした場合に満たされる条件、所定のアイテム等を取得した場合に満たされる条件等、通常ミッションによって満たされ得る各種の条件が採用されてよい。
【0044】
図5は、特別ミッションが提供されている状態のアーケードゲーム画面AG及びモバイルゲーム画面MGの一例を示す図である。また、図5は、第1モバイルゲーム画面MG1を使用するプレイヤに特別ミッションに挑戦する権利が付与された場合を示している。図5に示すように、特別ミッションが提供されている状態においては、アーケードゲーム画面AG及びモバイルゲーム画面MGに共通の内容が提供される。つまり、所定の使用条件を満たしたプレイヤのモバイルゲーム画面MGによってアーケードゲーム画面AGが専有される。具体的には、図5の例では、モバイルゲーム画面MG及びアーケードゲーム画面AGには、大型敵キャラクタBAの上半身及びその大型敵キャラクタBAに対峙する巨大化した第1プレイヤキャラクタPC1の上半身が共に表示されている。そして、プレイヤは巨大化した第1プレイヤキャラクタPC1を操作して大型敵キャラクタBAと戦う。第1プレイヤキャラクタPC1の操作は、ユーザ端末8を通じて実行される。そして、ユーザ端末8への操作結果、つまりモバイルゲーム画面MGの内容は、アーケードゲーム画面AGにも反映される。特別ミッションは、共通のアーケードゲームをプレイ中の各プレイヤにとって共通の目標である。したがって、このように特別ミッションが提供されている場合には、アーケードゲーム画面AGを通じて、その内容が周知される。
【0045】
一方、特別ミッションに挑戦中の第1モバイルゲーム画面MG1以外のモバイルゲーム画面MG2、MG3には、通常ミッションが継続して提供されている。つまり、一人が巨大化中は、他のプレイヤは、仮に所定の使用条件を満たしても特別ミッションに挑戦できない。このように、特別ミッションは、同一グループ内の一人のプレイヤが挑戦中はその他のプレイヤの挑戦が制限される。結果として、ゲーム機GMのモニタMOは、一人のプレイヤによって専有される。一方で、他のプレイヤのモバイルゲーム画面MG2、MG3には、特別ミッションの内容が反映される。つまり、巨大化した第1プレイヤキャラクタPC1及び大型敵キャラクタBAの戦闘の影響を受け得る。このように、モバイルゲーム画面MGを通じて通常ミッションをプレイしつつ、所定の使用条件を満たした場合にはアーケードゲーム画面AGを専有してプレイする特別ミッションが提供される。このようにアーケードゲームの一部として機能するモバイルゲームがユーザ端末8を通じて提供される。また、ユーザ端末8のモニタMU及びゲーム機GMのモニタMOの両方を通じて特別ミッションが提供されることにより、通常ミッションが本発明の第1ゲームとして、特別ミッションが本発明の第2ゲームとして、それぞれ機能する。
【0046】
次に、ID管理データ22及びグループデータ27の詳細について説明する。ID管理データ22は、ゲームシステム1で使用される各種のIDの対応関係が記述されたデータである。例えば、ユーザ端末8とユーザIDとの対応関係がID管理データ22に記録される。例えば、その他にも各ゲーム機GMを特定するための筐体ID及び各店舗4を特定するための店舗IDの対応関係等が記録されてよい。
【0047】
グループデータ27は、各グループに属するユーザを特定するためのデータである。図6は、グループデータ27の内容の一例を示す図である。図6に示すように、グループデータ27は、例えば、グループID、店舗ID、筐体ID及びユーザIDの情報を含んでいる。グループデータ27は、これらの情報が互いに関連付けられて記述されたレコードの集合である。グループIDは、グループ毎、つまりレコード毎にユニークなIDである。店舗ID及び筐体IDは、上述のように各店舗4若しくは各ゲーム機GMを識別するためのIDである。グループIDには、当該グループIDに対応するグループが形成された店舗4の店舗ID及び当該グループにアーケードゲームを提供するゲーム機GMが関連付けられる。また、ユーザIDは、上述のように各ユーザを識別するためのIDである。グループIDには、当該グループIDに対応するグループに属する各ユーザのユーザIDが関連付けられる。ユーザIDの情報は、例えば、モバイルゲームをプレイする際に使用されるユーザIDに基づいて関連付けられる。このようにして、モバイルゲーム及びアーケードゲームをプレイする際に形成されるグループがグループデータ27によって定義される。
【0048】
次に、権利付与処理及び状況配信処理について説明する。権利付与処理は、各プレイヤに特別ミッションに挑戦する権利を付与するために実行される。一方、状況配信処理は、モバイルゲーム画面MGと同様の内容をアーケードゲーム画面AGとして提供するために実行される。権利付与処理及び状況配信処理は、例えば、Webサービス管理部17を通じてセンターサーバ3の制御ユニット10によって実行される。なお、センターサーバ3の制御ユニット10、ゲーム機GMの制御ユニット30及びユーザ端末8の制御ユニット40は、その他にもアーケードゲーム及びモバイルゲームを提供するために必要な周知な処理を、それぞれ或いは協働して実行するが、それらの詳細な説明は省略する。
【0049】
図7は、権利付与処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図7のルーチンは、例えば、所定の周期で繰り返し実行される。また、図7のルーチンは、例えば、グループデータ27によって定義される各グループを対象にグループ毎に実行される。つまり、一つのグループに属する各ユーザ端末8を対象に実行される。図7のルーチンを開始すると、まずステップS11において、Webサービス管理部17は、グループ内に所定の使用条件を満たすプレイヤが存在するか否か判別する。この判別結果が否定的結果の場合、つまり所定の使用条件を満たすプレイヤが存在しない場合、Webサービス管理部17は、以降の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。
【0050】
一方、ステップS11の判別結果が肯定的結果の場合、つまり所定の使用条件を満たすプレイヤが存在する場合、Webサービス管理部17は、ステップS12に進む。ステップS12において、Webサービス管理部17は、所定の使用条件を満たすプレイヤに特別ミッションに挑戦する権利を付与する。この付与は、例えば、各プレイヤに固有のゲーム実績を記録するプレイデータが存在する場合には、プレイデータに記録されてよい。そして、モバイルゲームでは、このプレイデータの特別ミッションに挑戦する権利に基づいて、巨大化するための特別の選択肢が提供されてよい。ステップS11の処理を終えると、Webサービス管理部17は、今回のルーチンを終了する。これにより、所定の使用条件を満たしたプレイヤに特別ミッションに挑戦する権利が付与され、その権利に基づいて特別ミッションに挑戦するために巨大化するといった特別の選択肢がモバイルゲーム内に追加される。
【0051】
また、図8は、状況配信処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のルーチンは、例えば、特別ミッションの提供後から提供終了まで所定の周期で繰り返し実行される。また、図9のルーチンは、グループデータ27によって定義される各グループを対象にグループ毎に実行される。つまり、一つのグループに属する各ユーザ端末8及びゲーム機GMを対象に実行される。
【0052】
図8のルーチンを開始すると、Webサービス管理部17は、まずステップS21において、特別ミッションをプレイ中のユーザ端末8を特定する。続くステップS22において、ステップS21で特定したユーザ端末8が提供するモバイルゲームの進行状況の情報を取得する。進行状況の情報には、ユーザ端末8において各プレイヤがモバイルゲームをプレイするために実行した各種の操作等、プレイ行為に関する情報が含まれる。また、進行状況の情報は、その各種のプレイ行為に応じてモバイルゲームにおいて生じた変化の情報等、ゲーム状況を反映するために必要な情報を含む。つまり、進行状況の情報は、モバイルゲーム画面MGと同様の内容をアーケードゲーム画面AGに反映するために必要なプレイ行為等の各種の情報を含む。そして、進行状況の情報が本発明のプレイ行為情報として機能する。
【0053】
次のステップS23において、Webサービス管理部17は、ステップS22で取得した進行状況の情報を、当該進行状況の情報がアーケードゲーム画面AGに反映されるように同一グループに属するゲーム機GMに配信する。ステップS23の処理を終えると、Webサービス管理部17は、今回のルーチンを終了する。これにより、モバイルゲーム画面MGと同様の内容がアーケードゲーム画面AGを通じて表示される。
【0054】
以上に説明したように、この形態によれば、ゲーム機GMによって、共通のゲームフィールドを使用した通常ミッション及び特別ミッションを含むアーケードゲームが各プレイヤに提供される。これにより、プレイヤ間に連帯感を生じさせることができる。また、ゲーム機GMを基準に各ユーザ端末がグループ化され、同一グループには共通のアーケードゲームが提供される。これにより、各ユーザ間に共通の世界観を提供することができるので、連帯感を向上させることができる。
【0055】
さらに、アーケードゲーム中の通常ミッションがモバイルゲームとして各ユーザ端末8に提供される。そして、通常ミッションにおいて所定の使用条件を満たした場合に、特別ミッションをプレイする権利が付与される。特別ミッションのプレイ時間は所定時間に制限されているので、その希少性を向上させることができる。また、特別ミッションは、ゲーム機GMのモニタMOを通じて提供される。したがって、各ユーザ端末8のプレイヤをゲーム機GMの周囲に集めることができる。さらに、ゲーム機GMのモニタMOを通じて特別ミッションの状況を周囲の各プレイヤに周知することができる。結果として、各プレイヤは、ゲーム結果を周囲のプレイヤと共有することができる。このため、プレイヤ間の連帯感を更に向上させることができる。そして、これらにより、ユーザ端末8のユーザを店舗4に誘導することができるので、ゲーム機GMのプレイヤ層を拡大することができる。
【0056】
以上の形態において、センターサーバ3の制御ユニット10が、Webサービス管理部17を通じて図7のルーチンを実行することにより本発明の権利付与手段として機能する。さらに、センターサーバ3の制御ユニット10が、Webサービス管理部17を通じて図8のルーチンを実行することにより本発明の情報取得手段としても機能する。
【0057】
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、図7のルーチンは、センターサーバ3によって実行されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、図7のルーチンは、ユーザ端末8で実行されてもよい。この場合、センターサーバ3の制御ユニット10が、図7のルーチンの結果をユーザ端末8から取得し、その取得結果をゲーム機GMに提供してもよい。この場合にもゲーム機GMには、特別ミッションの提供の可否を判別するための情報がセンターサーバから提供される。そして、この情報がプレイ権として機能し得る。つまり、ゲーム機GMを基準に考えれば、プレイ権はセンターサーバ3によって付与されている。したがって、この場合においてもセンターサーバ3の制御ユニット10が権利付与手段として機能する。
【0058】
上述の形態では、アーケードゲームの一部としてモバイルゲームが提供されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、モバイルゲームは、アーケードゲームとは別のゲームとして提供されてもよい。つまり、モバイルゲーム及びアーケードゲームは互いに独立したゲームとして構成されていてもよい。また、ゲーム機GMに替えて、単なる表示装置が使用されてもよい。つまり、アーケードゲームは省略されてもよい。この場合、モバイルゲームが通常ミッション及び特別ミッションを含んでいてよい。そして、特別ミッションは、表示装置を通じて提供されてもよい。さらに、特別ミッションは、このような表示装置及びユーザ端末8のモニタMUの両方に提供される形態にも限定されない。例えば、特別ミッションは、ユーザ端末8のモニタMUには提供されなくてもよい。この場合、ユーザ端末8は、例えば、単なるプレイ行為の入力装置として機能してもよい。つまり、各プレイヤは、ゲーム機GM等の表示装置を利用しつつ、ユーザ端末8を単なるプレイ行為の入力装置として使用して特別ミッションをプレイしてもよい。
【0059】
上述の形態では、端末ゲームとして通常ミッションが及び特別ゲームとして特別ミッションが利用されている。そして、端末ゲーム及び特別ゲームは、同じゲームフィールドを使用した同じアクションゲームとして構成されている。しかし、端末ゲーム及び特別ゲームは、このような形態に限定されない。端末ゲーム及び特別ゲームは、互いに全く異なるゲームフィールドを舞台にプレイされるゲームとして構成されていてもよい。また、端末ゲーム及び特別ゲームは、互いに種類の異なるゲームとして構成されていてもよい。そして、端末ゲーム及び特別ゲームとして、アクションゲームに限定されず、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、音楽ゲーム、シミュレーションゲーム等、各種のゲームが採用されてよい。
【0060】
上述の形態では、ゲーム機GMは、業務用のゲーム機として構成されている。しかし、ゲーム機GMは、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム機GMとして、家庭用の据置型ゲーム機、携帯型のゲーム機等、適宜の形態のゲーム機が採用されてよい。さらに、ゲーム機GMのみによってゲームシステムが構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 ゲームシステム
4 店舗(施設)
5B ローカルエリアネットワーク(通信回線)
8 ユーザ端末
10 制御ユニット(コンピュータ、権利付与手段、情報取得手段)
GM ゲーム機
AG アーケードゲーム画面(ゲーム画面)
MO モニタ(表示装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8