【文献】
Huawei, HiSilicon,Simultaneous transmission of periodic CSI and HARQ-ACK,R1-120012,フランス,3GPP,2012年 1月31日,paragraph 2.1
【文献】
LG Electronics,ACK/NACK resource allocation for FDD,R1-105339,フランス,3GPP,2010年10月 5日,paragraph 2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のフォーマットのうちの一つを用いて、ACK/NACK及びCSI(Channel State Information)の少なくとも一つを含む制御情報を送信する制御チャネルを形成する形成部と、
形成された前記制御チャネルを送信する送信部と、
を有し、
前記形成部は、
前記制御情報が、複数のCC(Component carrier)に対する前記ACK/NACK及び前記CSIのうち前記CSIを単独で含む場合、及び、前記制御情報が、複数のCCに対する前記ACK/NACKと前記CSIとを含む場合には、同一のフォーマットを用い、
前記制御情報のビット数が所定の値より大きい場合には、第1のフォーマットを用い、前記制御情報のビット数が前記所定の値以下の場合には、第2のフォーマットを用いる、
無線通信端末装置。
複数のフォーマットのうちの一つを用いて、ACK/NACK及びCSI(Channel State Information)の少なくとも一つを含む制御情報を送信する制御チャネルを形成する方法であって、
端末装置において、前記制御情報が、複数のCC(Component carrier)に対する前記ACK/NACK及び前記CSIのうち前記CSIを単独で含む場合、及び、前記制御情報が、複数のCCに対する前記ACK/NACKと前記CSIとを含む場合には、同一のフォーマットを用い、前記制御情報のビット数が所定の値より大きい場合には、第1のフォーマットを用い、前記制御情報のビット数が前記所定の値以下の場合には、第2のフォーマットを用いて前記制御チャネルを形成する、
制御チャネル形成方法。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、無線通信基地局装置(以下、「基地局」と省略する)と無線通信端末装置(以下、「端末」と省略する)との間において、高速・大容量の通信を実現するために、LTE(Long Term Evolution) およびLTE-Advancedを規格化し、現在さらに高度化(enhance)するための標準化作業を行っている。
【0003】
LTEおよびLTE-Advancedでは、下りリンクの通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用され、上りリンクの通信方式としてSC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が採用されている。
【0004】
上りリンクで用いられるチャネルおよび信号には、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等がある。PUSCHは、データ信号を送信するチャネルである。PUCCHは、ACK/NACK又はCSI(Channel State Information)などの制御情報を送信するチャネルである。
【0005】
ACK/NACKは、基地局から送信された下りリンクの各トランスポートブロック(TB)のデータの誤り検出結果を示す情報で有り、ACK(誤り無し)またはNACK(誤り有り)のいずれかを示す1ビットの情報である。
【0006】
CSIは、下りリンクのチャネル品質の測定結果を示す情報である。CSIには、CQI(Channel Quality Indicator)、PMI(Precoding Matrix Indicator)およびRI(Rank Indicator)が含まれる。
【0007】
ここで、LTE-AdvancedのRelease 10(以下、「Rel.10」と記載する)では、広帯域伝送をサポートするため、最大20MHzの周波数帯域幅(つまり、LTEでの最大周波数帯域幅)を基本単位とした単位キャリア(Component carrier、以下、「CC」と呼ぶ)を複数個束ねて運用するCarrier aggregation(CA)がサポートされている(例えば、非特許文献1、2、3参照)。CAでは1つのPCC(Primary Component Carrier)と1つ以上のSCC(Secondary Component Carrier)が設定される。なお、3GPPの仕様の中では、CCはCell、PCCはPCell(Primary Cell)、SCCはSCell(Secondary Cell)と記載されることもある。上りリンクにおいて複数のCCを用いている場合、PAPR(Peak to Average Power Ratio)を増やさないように、PUCCHは、PCCのみで送信される。
【0008】
そして、Rel.10では、端末がサポートする下りリンクのCCの数(以下、単に「CC数」と記載する)、すなわち端末がフィードバックするACK/NACKの数に応じて、PUCCHの伝送フォーマットが使い分けられる。具体的には、CC数が1の場合、端末は、format 1a/1bを用いてACK/NACKを基地局にフィードバックする。また、CC数が2の場合、端末は、format 1bを用いたchannel selectionを用いてACK/NACKを基地局にフィードバックする。また、ACK/NACKの数が3以上である場合、端末は、format 3を用いてACK/NACKを基地局にフィードバックする。
【0009】
また、Rel.10では、CSIのフィードバック方法として、periodic CSIとaperiodic CSIの2種類が規定されている。aperiodic CSIでは、端末は、基地局に指示されたタイミングで1回だけCSIをフィードバックする。periodic CSIでは、端末は、端末毎に設定された報告周期(例えば、5ms、10ms等)で、format 2を用いてCSIを基地局にフィードバックする。
【0010】
format 1a/1bは、1つのRB内で、Ncs個のcyclic shiftとNoc
(1)個のOCC系列によりNcs×Noc
(1)個にチャネルが分けられている伝送フォーマットである。なお、format 1aはBPSKの信号点が用いられ、format 1bはQPSKの信号点が用いられる。format 2は、1つのRB内で、Ncs個のcyclic shiftによりチャネルが分けられている伝送フォーマットである。format 3は、1つのRB内で、Noc
(3)個にチャネルが分けられている伝送フォーマットである。なお、Ncs=12,Noc
(1)=3,Noc
(3)=4または5である。
【0011】
format 1aの伝送容量は1ビットである。format 1bの伝送容量は2ビットである。format 1bを用いたchannel selectionの伝送容量は4ビットである。format 2の伝送容量は13ビットである。format 3の伝送容量は21ビットである。
【0012】
端末が、ACK/NACK、periodic CSIを送信するためのリソース(伝送容量)は予め確保される。なお、確保されるperiodic CSIのリソースは、基地局から端末にRRCシグナリングでsemi-staticに通知される。
【0013】
Rel.10では、ACK/NACKとperiodic CSIが、同一サブフレームに割り当てられた場合には、ACK/NACKを優先させ、periodic CSIをドロップする(送信しない)。しかし、periodic CSIが頻繁にドロップされると、下りリンクのチャネル品質の測定精度が劣化してしまう。
【0014】
そこで、次のLTE-AdvancedであるRelease 11(以下、「Rel.11」と記載する)では、ACK/NACKとperiodic CSI の送信サブフレームが重なった場合に,ACK/NACKとperiodic CSIを多重送信することについてサポートすることが検討されている(例えば、非特許文献4)。
【0015】
非特許文献4には、ACK/NACKとperiodic CSI(以下、単に「CSI」と記載する)を同時に送信する場合にはformat 3を用い、それ以外の場合、すなわちACK/NACKまたはCSIを単独で送信する場合にはRel.10のPUCCHの伝送フォーマットを用いることが記載されている。つまり、ACK/NACKは、CC数が1または2の場合にはformat 1bで送信され、CC数が3以上の場合にはformat 3で送信される。また、CSIは、format 2で送信される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、FDD(Frequency Division Duplex)システムを例に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
[端末の構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図である。
図1に示す端末100は、受信部101と、FFT部102と、復調部103と、復号部104と、チャネル品質測定部105と、ACK/NACK生成部106と、CSI生成部107と、多重部108と、制御チャネル形成部109と、DFT-S-OFDM信号生成部110と、送信部111と、から主に構成されている。
【0027】
受信部101は、基地局200(
図2参照)から送信され、アンテナを介して受信された無線信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのOFDM信号を得る。
【0028】
FFT部102は、受信部101から出力されたOFDM信号に対してFFT処理を行うことにより、周波数領域の信号に変換する。復調部103は、FFT部102から出力された信号に対して復調処理を行い、データを取り出す。復号部104は、復調部103から出力されたデータに対してターボ復号等の誤り訂正処理、および、CRC判定等の誤り検出処理を行う。
【0029】
チャネル品質測定部105は、FFT部102の出力信号に含まれる参照信号を用いてチャネル品質を測定する。チャネル品質には、伝搬路のランク、指向性の情報(つまり良好な受信品質で受信される送信側のPrecoding方法)、受信電力、および、SIR、SINR等の受信品質が含まれる。
【0030】
ACK/NACK生成部106は、復号部104の誤り検出結果に基づいてACK/NACKを生成する。具体的には、ACK/NACK生成部106は、誤りが検出されなければACKを生成し、誤りが検出されればNACKを生成する。
【0031】
CSI生成部107は、チャネル品質測定部105が測定したチャネル品質から、CQI、PMI、RIを生成し、これらを統合したCSIを生成する。
【0032】
多重部108は、CSIを送信するサブフレームとACK/NACKを送信するサブフレームが同一である場合、ACK/NACK生成部106から出力されたACK/NACKとCSI生成部107から出力されたCSIとを多重する。なお、多重方法の一例として、CSIおよびACK/NACKをそれぞれ符号化(例えばReed Muller符号化又は畳み込み符号化)してからインターリーブして送信ビット列を生成する方法が用いられる。なお、CSIが送信されるサブフレームの周期(タイミング)は予め設定されている。また、ACK/NACKが送信されるサブフレームは下りリンクのデータを受信してから4サブフレーム後となっている。
【0033】
制御チャネル形成部109は、所定のPUCCHの伝送リソースを確保しておき、ACK/NACKの単独送信、CSIの単独送信およびACK/NACKとCSIの同時送信のそれぞれの場合に応じて、ACK/NACK及び/又はCSIを含む制御情報を送信するためのPUCCHを所定のフォーマットを用いて形成する。なお、制御チャネル形成部109が行う処理の詳細については後述する。
【0034】
DFT-S-OFDM信号生成部110は、図示しないPUSCH(データ信号)および制御チャネル形成部109から出力されたPUCCH(制御情報)に対してDFT、サブキャリアへのマッピングおよびIFFT処理を行うことにより時間領域のDFT-S-OFDM信号を生成する。
【0035】
送信部111は、DFT-S-OFDM信号生成部110から出力されたDFT-S-OFDM信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナを介して基地局200に無線信号を送信する。
【0036】
[基地局の構成]
図2は、本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図である。
図2に示す基地局200は、受信部201と、FFT部202と、制御チャネル抽出部203と、ACK/NACK復調部204と、CSI復号部205と、スケジューリング部206と、符号化部207と、変調部208と、マッピング部209と、IFFT部210と、送信部211と、から主に構成されている。
【0037】
受信部201は、端末100から送信され、アンテナを介して受信された無線信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドのDFT-S-OFDM信号を得る。
【0038】
FFT部202は、受信部201から出力されたDFT-S-OFDM信号に対してFFT処理を行うことにより、周波数領域の信号に変換する。制御チャネル抽出部203は、FFT部202から出力された信号からPUCCH(制御情報)を抽出し、さらにACK/NACK信号とCSI信号とに分ける。
【0039】
ACK/NACK復調部204は、制御チャネル抽出部203から出力されたACK/NACK信号に対して復号処理を行い、ACK/NACKを抽出する。CSI復号部205は、制御チャネル抽出部203から出力されたCSI信号に対して復号処理を行い、CSIを抽出する。
【0040】
スケジューリング部206は、各端末から送信されたACK/NACKおよびCSIに基づいてスケジューリングを行い、次に送信するデータを出力する。
【0041】
符号化部207は、スケジューリング部206から出力されたデータに対してターボ符号等の符号化処理を行う。変調部208は、符号化部207から出力されたデータに対してQPSK等の変調処理を行う。マッピング部209は、変調部208から出力された信号をRBへマッピングする。
【0042】
IFFT部210は、マッピング部209から出力された信号に対してIFFT処理を行うことにより時間領域のOFDM信号を生成する。
【0043】
送信部211は、IFFT部210から出力されたOFDM信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナを介して端末100に無線信号を送信する。
【0044】
次に、本実施の形態に係る端末100の制御チャネル形成方法について説明する。
図3は、CC数が2以下の場合の本実施の形態の一例を示す図である。
図4は、CC数が3以上の場合の本実施の形態の一例を示す図である。なお、
図3、
図4において、白抜きの領域は、確保するが使用しないリソースを示す。また、A/NはACK/NACKを示す。
【0045】
本実施の形態では、CSIを単独で送信する場合、および、CSIとACK/NACKとを同時に送信(以下、「同時に送信」するとは「多重して送信」することを含む)する場合のいずれもformat 3(同一の伝送フォーマット)を用いる。また、本実施の形態では、ACK/NACKを単独で送信する場合には、CC数が2以下であればformat 1bを用い、CC数が3以上であればformat 3を用いる。
【0046】
このため、
図3に示すように、CC数が2以下の場合、端末は、常に(毎サブフレームに)、format 1bのリソースを確保すると共に、CSIの送信タイミングでformat 3のリソースを確保する。また、
図4に示すように、CC数が3以上の場合、端末は、常に、format 3のリソースを確保する。
【0047】
図5は、CC数が2以下の場合の従来方法の一例を示す図である。
図6は、CC数が3以上の場合の従来方法の一例を示す図である。なお、
図5、
図6において、白抜きの領域は、確保するが使用しないリソースを示す。また、A/NはACK/NACKを示す。
【0048】
従来方法では、
図5、
図6に示すように、CSIを単独で送信する場合に、format 2を用いるため、ACK/NACKとCSIが同時に送信される場合には、確保してあるformat 2のリソースが空くことになり、CSIが単独で送信される場合には、確保してあるformat 3のリソースが空くことになる。このように、従来方法では、使用されない無駄なリソースが多くなってしまう。
【0049】
これに対し、CC数が2以下の場合、本実施の形態では、
図3に示すように、CSIを単独で送信する場合、および、CSIとACK/NACKとを同時に送信する場合のいずれもformat 3を用い、ACK/NACKを単独で送信する場合にはformat 1bを用いる。これにより、format 2のリソースを確保する必要が無く、従来に比べてリソースの無駄を低減することができる。
【0050】
ここで、CC数が2以下の場合、本実施の形態では、CSIのみを送信する場合に、format 3のリソースサイズとformat 2のリソースサイズの差分だけ過剰なリソースを使うことになるが、CSIは周期的に発生するため、全サブフレームのリソース量に対してその量は小さい。一方、ACK/NACKは、毎サブフレームに発生する可能性があるため、ACK/NACKの送信のために、リソースサイズが小さいformat 1bを用いる。これにより、ACK/NACKとCSIの同時送信が発生しなかったときのリソースの無駄に比べ、ACK/NACKとCSIの同時送信が発生したときのリソースの無駄を小さくすることができる。
【0051】
また、CC数が3以上の場合、本実施の形態では、
図4に示すように、いずれの場合もformat 3で送信する。これにより、format 2のリソースを確保する必要が無く、従来に比べてリソースの無駄を低減することができる。
【0052】
(実施の形態2)
CSIには、CQI、PMI、RIのいずれか1つが含まれる場合、CQI、PMI、RIのうちいずれか2つが含まれる場合、CQI、PMI、RIの3つとも含まれる場合がある。RIは1または2ビットの情報であり、CQIおよびPMIは5から10ビットの情報である。また、RIの送信周期は一般にCQI又はPMIのものより長い。例えば、RIの送信周期は60msであり、CQI又はPMIの送信周期は10msである。
【0053】
上記の点に鑑み、実施の形態2では、CC数およびCSIの中身に応じて、確保するPUCCHの伝送リソースを制御する。なお、本実施の形態に係る端末、基地局の構成は、実施の形態1の説明に用いた
図1、
図2に示したものと同一である。本実施の形態は、実施の形態1と比較して、端末100の制御チャネル形成部109の動作が異なる。
【0054】
以下、本実施の形態に係る端末100の制御チャネル形成方法について、説明する。
図7は、CC数が2以下の場合の本実施の形態の一例を示す図である。
図8は、CC数が3以上の場合の本実施の形態の一例を示す図である。なお、
図7、
図8において、白抜きの領域は、確保するが使用しないリソースを示す。また、A/NはACK/NACKを示す。また、以下の説明において、RIのみが含まれるCSIを「RI」と記載し、CQIまたはPMIの少なくとも一方が含まれるCSIを「CQI/PMI」と記載する。
【0055】
本実施の形態では、CC数が2以下であれば、RIを単独で送信する場合、および、RIとACK/NACKとを同時に送信する場合のいずれもformat 2を用い、CC数が3以上であれば、RIを単独で送信する場合、および、RIとACK/NACKとを同時に送信する場合のいずれもformat 3を用いる。また、CC数によらず、CQI/PMIを単独で送信する場合、および、CQI/PMIとACK/NACKとを同時に送信する場合のいずれもformat 3を用いる。また、ACK/NACKを単独で送信する場合には、CC数が2以下であればformat 1bを用い、CC数が3以上であればformat 3を用いる。
【0056】
このため、
図7に示すように、CC数が2以下の場合、端末100は、常に(毎サブフレームに)、format 1bのリソースを確保し、RIを送信するタイミングでformat 2のリソースを確保し、CQI/PMIを送信するタイミングでformat 3のリソースを確保する。また、
図8に示すように、CC数が3以上の場合、端末100は、常に(毎サブフレームに)、format 3のリソースを確保する。
【0057】
本実施の形態では、CC数が2以下の場合、RIの送信タイミングにおいて、端末100がformat 3を確保する必要が無く、CQI/PMIの送信タイミングにおいて、端末100がformat 2を確保する必要が無いので、従来に比べてリソースの無駄を低減することができる。なお、RI、ACK/NACKのいずれもビット数が少ない(最大で6ビット程度)ため、CC数が2以下であれば、RIとACK/NACKを同時に送信する場合、format 2のリソースを用いても十分低い誤り率を達成することができる。format 2の送信に要する物理リソース量(帯域、コード、時間のリソース)は、format 3の送信に要するものに比べて小さいため、RIとACK/NACKの同時送信にformat 2を用いることにより、送信に要するリソース量を低減することができる。
【0058】
また、本実施の形態では、CC数が3以上の場合、実施の形態1と同様に、CSIの送信タイミングにおいて、端末100がformat 2を確保する必要が無いので、従来に比べてリソースの無駄を低減することができる。
【0059】
なお、本実施の形態において、RIとACK/NACKが同時に発生したときには、同時に送信せずにRIをドロップ(非送信)としてもよい。これにより、端末100は、RIとACK/NACKのformat 2による多重送信処理を行う必要はない。この場合、基地局200は、RIとACK/NACKが同時に発生しないように下りデータを割り当てればよい。RIの送信周期は比較的長いため、下りリンクのデータ割り当ての実質的な制約は小さく、下りリンクのスループットに与える影響は小さい。
【0060】
また、RIとACK/NACKは、それらを連結したビット列に対して同一の符号化を行うようにし(joint coding)、CQI、PMIとACK/NACKは、それぞれ別々の符号化(例えばRM符号化)を行うようにしてもよい(separate coding)。一般に、CQI、PMIよりもACK/NACKの方が要求される誤り率が低いため、CQI、PMIの符号化率をより高く、ACK/NACKの符号化率をより低くして別々に符号化することにより、効率よく所要誤り率を満たした伝送を行うことができる。一方、RIはACK/NACKと同程度の要求誤り率であるため、同一の符号化を行うことにより多くのビットに対して符号化を行うことができるため符号性能が向上し誤り率を低減することができる。
【0061】
また、RIのビット数は送信アンテナ数(または最大送信レイヤ数)によって異なり、最大送信レイヤ数が多いほどビット数は多くなる。そこで、RIのビット数が所定の値より大きい場合にはformat 3で送信するようにし、所定の値以下の場合にはformat 2で送信するようにしてもよい。
【0062】
(実施の形態3)
ACK/NACKの送信に用いるPUCCHの伝送フォーマットまたは使用するリソースはCC数によって異なる。そこで、SCellを追加する場合等、RRC configurationが変更される場合には、Fallback動作が行われる。Fallback動作では、PCCのみの下りデータ割り当てであった場合には前のリリース(例えばRel.8)と同じ動作を行う。つまり、端末は、ACK/NACKをformat 1a/1bで送信する。Fallback動作を行うことにより、端末は、RRC configurationの変更を開始してから完了するまでの間の不確定区間(基地局と端末との間でACK/NACKリソースの認識に違いが出る可能性がある区間)でも、基地局と通信を行うことができる。すなわち、端末は、不確定区間においてPCCのみにACK/NACKを割り当てることにより基地局との間でACK/NACKリソースの認識を一致させることができる。
【0063】
実施の形態3では、Fallback動作時の制御チャネル形成方法について説明する。なお、本実施の形態に係る端末、基地局の構成は、実施の形態1の説明に用いた
図1、
図2に示したものと同一である。本実施の形態は、実施の形態1と比較して、端末100の制御チャネル形成部109の動作が異なる。
【0064】
図9は、CC数が2以下の場合の本実施の形態の一例を示す図である。
図10は、CC数が3以上の場合の本実施の形態の一例を示す図である。なお、
図9、
図10において、白抜きの領域は、確保するが使用しないリソースを示す。また、A/N1はPCC向けACK/NACKであり、A/N2およびA/N3はSCC向けACK/NACKである。
【0065】
図9、
図10に示すように、本実施の形態では、CC数がいずれの場合であっても、PCC向けのACK/NACKを単独で送信する場合には、Rel.8(またはRel.10)へのFallback動作を行うため、Rel.8と同じリソースであるformat 1a/1bを用いる。一方、PCC向けのACK/NACKとCSIとを同時に送信する場合には、format3を用いる。
【0066】
すなわち、本実施の形態では、CSIを送信しないサブフレームではFallback動作を行い、CSIを送信するサブフレームではFallback動作を行わない。
【0067】
以上のように、本実施の形態では、端末100が、CSIを送信しないサブフレームでのみFallback動作を行うことにより、不確定区間での基地局との通信を確保しながら、ACK/NACKとCSIの同時送信をサポートすることができる。また、基地局は、CSIが送信されるサブフレーム以外のサブフレームにデータを割り当てることにより、端末100との間でACK/NACKリソースの認識を一致させることができる。つまり、本実施の形態では、CSIは周期的に(つまり非連続に)送信される点に着目し、端末100がCSIを送信しないサブフレームでのみFallback動作を行うことにより、設定変更後の不確定区間での通信を確保しながらACK/NACKとCSIを同時に送信することができる。このとき、基地局は、CSIを送信するサブフレーム以外のサブフレームにデータを割り当てることにより、基地局と端末100とでACK/NACKリソースの認識が一致した通信を行うことが可能となる。
【0068】
(実施の形態4)
基地局は、SCC向けの下りリンクのデータ割り当てを通知するPDCCH(Physical Uplink Control Channel)のARI(ACK/NACK Resource Indicator)フィールドでSCC向けACK/NACKの送信に用いるリソースを端末100に通知する。このとき、基地局は、予め端末ごとに設定された4つのリソースの中から選択した1つのリソースをPDCCH内の2ビットを用いて通知する(以下、このリソースを「通知リソース」と記載する)。
【0069】
実施の形態4では,CC数が3以上の場合、すなわち、ACK/NACKをformat 3のリソースを用いて送信する場合において、SCC向けACK/NACKを含むACK/NACKとCSIとを同時に送信する場合の制御チャネル形成方法について説明する。
【0070】
本実施の形態に係る端末、基地局の構成は、実施の形態1の説明に用いた
図1、
図2に示したものと同一である。本実施の形態は、実施の形態1と比較して、端末100の制御チャネル形成部109の動作が異なる。
【0071】
図11は、CC数が3以上の場合の本実施の形態の一例を示す図である。なお、
図11において、A/N1はPCC向けACK/NACKであり、A/N2およびA/N3はSCC向けACK/NACKである。
【0072】
図11に示すように、端末100は、CSIを送信しないサブフレームでは、通知リソースを用いて制御チャネルを形成する(Rel.10の動作)。また、端末100は、CSIを送信するサブフレームでは、CSIを送信するための1つのリソース(format 3)を予め設定する(以下、このリソースを「設定リソース」と記載する)。そして、端末100は、CSIを単独で送信する場合またはPCC向けACK/NACKのみを含むACK/NACKとCSIとを同時に送信する場合、設定リソースを用いて制御チャネルを形成する。また、端末100は、SCC向けACK/NACKを含むACK/NACKとCSIとを同時に送信する場合には、次に説明する2つの方法のいずれかを用いて制御チャネルを形成する。
【0073】
(方法1)
端末100は、SCC向けACK/NACKを含むACK/NACKとCSIとからなる制御情報を送信するための制御チャネルを、設定リソースを用いて形成する。つまり、SCC向けの下りリンクのデータ割り当てがあるか否かに関わらず、設定リソースを用いる。
【0074】
(方法2)
端末100は、SCC向けACK/NACKを含むACK/NACKとCSIとからなる制御情報を送信するための制御チャネルを、通知リソースを用いて形成する。つまり、SCC向けの下りリンクのデータ割り当てがなければ、設定リソースを用い、SCC向けの下りリンクのデータ割り当てがあれば、通知リソースを用いる。
【0075】
方法1の場合、SCCの下りリンクのデータを割り当てるPDCCHを受信できなかった場合(受信エラー時)でもACK/NACKとCSIを送信するリソースは、SCCのPDCCHを受信できた場合と変わらないため、基地局と端末100との間のACK/NACKリソースの認識の不一致を回避することができる。したがって、基地局は、ACK/NACKが送信されているリソースを電力判定等のブラインド検出する必要がなくなるため、より簡易な構成とすることができる。
【0076】
方法2の場合、SCC向けのACK/NACKがある場合のリソースと、SCC向けのACK/NACKがない場合のリソースが異なるため、基地局200が電力判定などのブラインド検出により、端末100でのSCCのPDCCHの受信エラーの有無を検出すること、すなわちDTX判定を行うことが可能となる。このため、基地局200は、端末100におけるSCC向けデータの受信状況を正しく認識することができ、HARQ(Hybrid-Automatic Request)において、適切なRV(Redanduncy version)での再送を行うことにより、誤り率あるいはスループットの向上を図ることができる。ただし、この場合、予め5つのリソースを確保しておく必要があるため、ユーザ数が少ないセル等、リソースに余裕がある状態での使用に適する。
【0077】
また、上記方法1、2において、CSI向けに設定するリソースを、通知リソースとすることができる。
図12は、この場合の設定例を示す図である。
図12の例では、予め端末ごとに設定されたACK/NACK向けの4つのリソースのうちの1つをCSI向けに設定するリソースとしている。また、端末毎に設定される4つのリソースは8つの端末で共有している。すなわち、端末(UE)1乃至8には共通の4つのリソースが設定される。また、CSIを送信するタイミングは互いに異なるように設定され、CSI向けの1つのリソースは各々のタイミングでACK/NACKリソースのうちの1つと同じリソースに設定する。ここで、基地局は各端末に対して、大容量送信データが発生した場合などにSCCをActivateし、PCC及びSCCの両方を用いてデータ送信を行う。また、送信データが無いまたはデータ量が少ない場合にはSCCをde-activateして端末の消費電力を抑える。端末は、ActivateされているときのみCSIを送信する。上述のリソース設定方法は、特に、SCC向けのCSIリソースの設定に効果的である。例えば、UE1のSCCがActivateされているとき(つまり、そのSCC向けのデータ送信が意図されている場合)には、いずれにしてもUE1向けACK/NACKに使用するリソースをCSI(及びCSI+ACK/NACK)向けに使用し、残りの3つのリソースを他のUEで融通し合って使用することができる。また、UE1のSCCがde-activateされているときには、UE1はSCC向けのCSIおよびACK/NACKを送信しない。このため、UE1向けのCSIリソースは他の端末のACK/NACK送信に使用することができる。また、PCC向けのCSIリソースに関しても、上記のactivate/de-activateをDRX(間欠受信)動作の受信区間(on-duration)と非受信区間(DRX区間)と対応させることにより、同様のことが言える。
【0078】
これにより、割り当て可能な端末数を減らすことなく、予め確保するリソース量を低減することができる。
【0079】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0080】
なお、本発明を、TDD(Time Division Duplex)システムに適用すると、PUCCHのformat 3がconfigureされた端末は下記動作を行う。すなわち、PCCの1サブフレーム向けのACK/NACKを送信する時には、端末は、format 1a/1bへFallbackする。また、PCCのみの割り当てだが複数サブフレームのACK/NACKがある場合(ARI有り)には端末はformat 3を用いる。また、PCCのダイナミックスケジューリングされた1サブフレーム向けのACK/NACKとSPS向けのACK/NACKを送信する場合には、端末は、Rel.10のchannel selectionへFallbackする。また、それ以外の場合には、端末はformat 3を用いる。また、CC数によらず、5ビット以上のACK/NACKをサポートする端末は、format 3を用いてACK/NACKを送信する。ただし、CSIを送信するサブフレームでは、端末は、format 3でCSIとACK/NACKを同時に送信する。
【0081】
なお、上記各実施の形態では、下りリンクにOFDMを用い、上りリンクにDFT-S-OFDMを用いる場合について説明したが、本発明はこれに限られず他の伝送方式にも適用することができる。
【0082】
また、上記各実施の形態では、PUCCHのformat 3を用いてCSIとACK/NACKとを同時に送信する場合について説明したが、本発明ではPUSCH等の他の物理チャネル又は他のフォーマットを用いてCSIとACK/NACKとを同時に送信する場合にも適用することができる。
【0083】
また、上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0084】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0085】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)又は、LSI内部の回路セルの接続又は設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0086】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0087】
2012年3月9日出願の特願2012−053388の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。