特許第6069646号(P6069646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069646
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170123BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20170123BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H02J7/00 S
   H02J7/00 P
   H01M10/44 Q
   B60L11/18 C
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-88977(P2012-88977)
(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公開番号】特開2013-219939(P2013-219939A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】相川 佳則
(72)【発明者】
【氏名】稲森 正悟
【審査官】 赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−035975(JP,A)
【文献】 特開平08−159924(JP,A)
【文献】 特開2011−072088(JP,A)
【文献】 特開平01−136534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 11/18
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CPLT信号を生成するCPLT回路とCPLT信号に基づいてリレーに対し開閉信号を送信する機能を持つ判定手段とを有する制御部と、
判定手段の開閉信号により負荷機器への充電電路を開閉するリレーと、を備えた充電装置であって、
該制御部は、更に、該充電装置に対して外部から供給される外部電源の電圧変動を検出する電圧変動検出手段と、
該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値を超えた際に、前記リレーの状態判定を停止する誤動作回避手段と、CPLT信号の生成を停止する誤動作回避手段とを有し、
かつ前記電圧変動検出手段により検出された電圧変動の継続時間に応じて、前記2つの誤動作回避手段の一方または双方を動作させることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
リレーを挟んで充電電路の電源側と負荷側の各々には、各々電圧検出部が配置され、
該判定手段は、更に、該電圧検出部からリレーの開閉状態を示す信号を受け取って、前記開閉信号との整合性に基づいてリレーの状態判定を行う機能を持ち、
誤動作回避手段が、判定手段におけるリレーの状態判定を停止することを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
該制御部は、更に、該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値内へ回復した際に、誤動作回避手段の機能を停止する回避機能停止手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
回避機能停止手段が、判定手段におけるリレーの状態判定を再開することを特徴とする請求項3記載の充電装置。
【請求項5】
回避機能停止手段が、CPLT信号の生成を再開することを特徴とする請求項3記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電制御信号(CPLT信号)で制御される負荷機器の充電に用いる充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CPLT信号(定格電流の大きさに応じて設定されるデューティーを有するパイロット信号)で充電制御が行われる負荷機器には、車載電池を備えた車両のうちモード2型の車両(例えば、特許文献1)の他、車椅子、電動自転車、電力貯蔵用の大型蓄電池等がある。これらの負荷機器1への充電には、図1に示すように、CPLT信号に基づいてリレー5を開閉制御する制御部3を内蔵した充電装置2が使用される。
【0003】
該充電装置2の制御部3は、図2に示すように、CPLT信号を生成するCPLT回路4の他、CPLT信号に基づいてリレー5に対し充電電路の開閉信号を送信する判定手段6、リレー5を挟んで電源側と負荷側の各々に配置された電圧検出部7からの信号に基づいてリレー5の開閉状態を検出する接点検出手段8を備えている。また、制御部3は、AC/DCコンバータを有する電源部9を、内蔵または隣接して備えており、制御部3に対しては、外部交流電源を整流した直流電流が供給されている。
【0004】
判定手段6は、前記のようにCPLT信号に基づいてリレー5に対し充電電路の開閉信号を送信する他、接点検出手段8からリレー5の開閉状態を示す信号を受け取って前記開閉信号との整合性を判断し、溶着判定や不動作判定等のリレー5の状態判定を行い、制御部3の制御に対しリレー5が実際に動作しているかを監視している。動作が行われていない時には表示部13にエラー表示を行う。
【0005】
ところで、充電装置2に電力を供給する系統電源で、落雷事故や急激な電力需要量の増加等に起因する瞬時電圧低下(数十〜数百ms程度の電圧変動)が生じた場合において、所定値以上の瞬時電圧低下が10〜20ms以上継続すると、リレー5は、閉路状態が維持できなくなり開路する場合がある。これに対し、制御部3は、前記のように、AC/DCコンバータを有する電源部9を内蔵または隣接して備えており、該AC/DCコンバータはコンデンサ成分を含有するため、瞬時電圧低下の継続時間が200〜300ms程度までは、瞬時電圧低下の影響を受けない。したがって、所定値以上の瞬時電圧低下が10〜20ms以上継続してリレー5が開路した状態で、制御部3からは、リレー5に対し充電電路の閉路信号が送信され続けるケースが想定され、このような場合、判定手段6は、閉路信号に対してリレー5が動作しないという「不動作判定」を行う。
【0006】
充電装置2では、安全確保の観点から、判定手段6が、「不動作判定」等のエラー判定を行った場合には、手動によってエラー判定解除の操作を行った後に、初めて、再度リレー5の閉路が可能なように設計されている。このため、従来、瞬時電圧低下に起因した「不動作判定」がなされた場合には、瞬時電圧低下から通常の電圧状態に回復後にも、手動によってエラー判定解除の操作を行うまでは、充電が再開されず不都合であるという問題があった。
【0007】
図3は、負荷機器1が充電装置2に接続されたときの図1のA点のCPLT信号の電位の変化を示すグラフを示している。図1に示す充電装置2では、充電ケーブルを負荷機器1に接続していない状態では、充電装置2のA点のCPLT信号の電位が12Vとなるよう設計されている。充電ケーブルを負荷機器1に接続すると、負荷機器側の充電制御回路10の抵抗R2が抵抗R1と直列に接続されることとなるから分圧され、A点の電位は9Vとなる。制御部3は、9Vの電位検出によって、負荷機器1が充電ケーブルに接続されたことを検知し、その後、制御部3が発振器11を発振させて、CPLT信号は9V発振の状態となる。これによってパルス状の9Vが負荷機器側に入り、負荷機器側の充電制御回路10が受電許可スイッチ12をオンとする。ここで、受電許可スイッチ12がオンになると同時に、抵抗R3の抵抗分圧によってA点の電位は6V発振に変化し、負荷機器側の受電準備が完了となる。制御部3はこの状態において、リレー5に対し充電電路の閉路信号を出力して負荷機器1に充電電圧を印加し、負荷機器側に搭載された電池への充電が可能となる。
【0008】
ここで、瞬時電圧低下の継続時間が所定時間(例えば200〜300ms)以上継続した場合には、制御部3も瞬時電圧低下の影響を受け始め、CPLT信号の電位が低下し、充電装置2が誤ったエラー判定を行ったり、負荷機器1の充電制御に影響を与える恐れがある。例えば、9V発振の状態から負荷機器側の充電制御回路10が受電許可スイッチ12がオンになる前に6V発振となって、リレー5にオン信号を出力してしまったり、6V発振の状態において、CPLT信号が低下して充電装置2が不適格な負荷機器1と判定してしまう等、誤動作の危険性があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011-72104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は前記の問題を解決し、CPLT信号で制御される負荷機器の充電に用いる充電装置において、瞬時電圧低下の影響による予期せぬ誤動作を回避し、安定した充電制御を実現する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明の充電装置は、CPLT信号を生成するCPLT回路とCPLT信号に基づいてリレーに対し開閉信号を送信する機能を持つ判定手段とを有する制御部と、判定手段の開閉信号により負荷機器への充電電路を開閉するリレーと、を備えた充電装置であって、該制御部は、更に、該充電装置に対して外部から供給される外部電源の電圧変動を検出する電圧変動検出手段と、該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値を超えた際に、前記リレーの状態判定を停止する誤動作回避手段と、CPLT信号の生成を停止する誤動作回避手段とを有し、かつ前記電圧変動検出手段により検出された電圧変動の継続時間に応じて、前記2つの誤動作回避手段の一方または双方を動作させることを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、リレーを挟んで充電電路の電源側と負荷側の各々には、各々電圧検出部が配置され、
該判定手段は、更に、該電圧検出部からリレーの開閉状態を示す信号を受け取って、前記開閉信号との整合性に基づいてリレーの状態判定を行う機能を持ち、
誤動作回避手段が、判定手段におけるリレーの状態判定を停止することを特徴とするものである。
【0014】
請求項3記載の発明は、該制御部は、更に、該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値内へ回復した際に、誤動作回避手段の機能を停止する回避機能停止手段を備えることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4記載の発明は、回避機能停止手段が、判定手段におけるリレーの状態判定を再開することを特徴とするものである。
【0016】
請求項5記載の発明は、回避機能停止手段が、CPLT信号の生成を再開することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る充電装置は、制御部に、該充電装置に対して外部から供給される外部電源の電圧変動を検出する電圧変動検出手段と、該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値を超えた際に、リレーの状態判定を停止する誤動作回避手段と、CPLT信号の生成を停止する誤動作回避手段とを有し、かつ前記電圧変動検出手段により検出された電圧変動の継続時間に応じて、前記2つの誤動作回避手段の一方または双方を動作させる構成により、瞬時電圧低下の影響による予期せぬ誤動作を回避し、安定した充電制御を実現している。また、請求項2の発明によれば、瞬時電圧低下時には、判定手段におけるリレーの状態判定を停止することができ、請求項3の発明によれば、瞬時電圧低下から通常の電圧状態に回復後に充電を続行することができる。また、請求項4の発明によれば、瞬時電圧低下から通常の電圧状態に回復後には、別途エラー判定解除の操作によることなく、充電を再開することができる。請求項5の発明によれば、瞬時電圧低下から通常の電圧状態に回復後には、CPLT信号の生成再開により、充電を再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来のCPLT信号で制御される負荷機器の充電に用いる充電装置のブロック図である。
図2】従来の充電装置中の制御部のブロック図である。
図3】充電状況ごとに図1のA点のCPLT信号の電位の変化を示すグラフである。
図4】本発明のCPLT信号で制御される負荷機器の充電に用いる充電装置のブロック図である。
図5】実施形態1の充電装置中の制御部のブロック図である。
図6】実施形態1において、通常時における充電開始制御を説明するフロー図である。
図7】実施形態1において、通常時における充電終了制御を説明するフロー図である。
図8】実施形態1において、電圧変動の閾値超過時における充電制御を説明するフロー図である。
図9】実施形態2の充電装置中の制御部のブロック図である。
図10】実施形態2において、電圧変動の閾値超過時における充電制御を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の好ましい実施形態を示す。本発明は、CPLT信号(定格電流の大きさに応じて設定されるデューティーを有するパイロット信号)で制御される負荷機器の充電に用いる充電装置に関するものであり、負荷機器の種類は特段限定されないが、以下の実施形態では、CPLT信号で制御される車両(いわゆる、モード2型の車両)の例で説明を行う。
【0020】
モード2型の車両の充電には、図4に示すように、CPLT信号に基づいてリレー5を開閉制御する制御部を内蔵した充電装置2が使用される。
【0021】
(実施形態1)
図5に示す第1の実施形態の制御部30は、図2に示す従来技術と同様に、CPLT信号を生成するCPLT回路4の他、CPLT信号に基づいてリレー5に対し充電電路の開閉信号を送信する判定手段6と、リレー5を挟んで電源側と負荷側の各々に配置された電圧検出部7と、電圧検出部7の計測結果(有電圧/無電圧)に基づいてリレー5の開閉状態を検出する接点検出手段8とを備えている。また、制御部30に隣接して外部交流電源を整流した直流電流を制御部30に供給する電源部9と、充電状態の表示、エラー表示等を行う表示部13を備えている。なお、接点検出手段8は、判定手段6にて電圧検出部7の計測結果に基づいてリレー5の開閉状態を判定するものであってもよい。
【0022】
本発明の充電装置2に係る制御部30は、図5に示すように、充電装置2に対して外部から供給される外部電源の電圧変動を検出する電圧変動検出手段14と、該電圧変動検出手段14が検出した電圧変動が閾値を超えた際に、充電装置の誤動作を回避する誤動作回避手段15、16を備えている。本実施形態の誤動作回避手段は、判定手段6におけるリレー5の状態判定を停止する機能を有する誤動作回避手段15と、CPLT回路4におけるCPLT信号の生成を停止する誤動作回避手段16とから構成されている。すなわち、誤動作回避手段15により、電圧変動の影響で実際には発生していない接点溶着判定や不動作判定を回避する。誤動作回避手段16は、電圧変動の影響でCPLT信号の電位が低下し、充電装置2が誤ったエラー判定を行ったり、車両の充電制御に影響を与えること回避する。また、判定手段6には誤動作回避手段15、16によって停止されていた機能を再開させる回避機能停止手段17を備えている。
【0023】
電圧変動検出手段14における外部電源の電圧検出は、本実施形態では、制御部30へ電源を供給する電源部9の電圧値を用いて行っているが、電圧検出部7の電源側の電圧値を用いることも可能である。本実施形態では、電圧変動が閾値(例えば定格の±30%)を超えた場合には変動信号が、電圧変動が閾値を下回った場合には回復信号が、各々、判定手段6に出力される。当該電圧変動の検出は、70〜200ms秒程の瞬時電圧低下に対応するものである。
【0024】
CPLT回路4は従来同様に、車両の接続状態に応じたCPLT信号を生成して、常時、判定手段6に出力を行っている。CPLT信号は車両が非接続の状態では、内部抵抗R1によりA点のCPLT信号の電位が12V定電圧となり、車両が接続されると車両内部抵抗R2により分圧して9V定電圧となるように調整されている。車両用充電装置側が充電可能な状態(タイマ制御なし・契約電流の問題なし等の条件を満たす場合)であれば、CPLT信号を発振させて9V発振となる。続いて、車両側の充電許可スイッチ12が投入されるとR3との分圧により6V発振に移行する。判定手段6はこの状態において、リレー5に対し充電電路の閉路信号を出力し、充電電路に電圧が印加され、車両に搭載された車載電池への充電が可能な状態となる(以下、モード2制御という)。
【0025】
判定手段6は、前記のようにCPLT信号に基づいてリレー5に対し充電電路の開閉信号を送信する他、接点検出手段8からリレー5の開閉状態を示す信号を受け取って前記開閉信号との整合性を判断し、常に表1に示すようなリレー5の状態判定を行っている。
【0026】
【表1】
【0027】
図6に示すように、本実施形態では、モード2制御の開始後、リレー5の閉路前に状態判定を行い、ここで表1の状態aに示すように、リレー5を挟んで電源側と負荷側の各々に配置された電圧検出部7の測定結果が、判定手段6からリレー5に対し充電電路の閉路信号が送信されている状態下において、電源側で有電圧かつ負荷側で無電圧となっている場合、リレー5が溶着しておらず、正常状態にあると判定される。なお、電源側で有電圧かつ負荷側で有電圧の状態bのリレー5が溶着と判定がなされた場合には、CPLT信号は発振されず、モード2制御が中止されるとともに、表示部13にエラー表示がなされる。
【0028】
リレー5の閉路前の状態判定で、リレー5が正常状態にあると判定された場合には、続いて、モード2制御を経てリレー5が閉路される。すなわち、CPLT信号が6Vに移行すると、判定手段6はリレー5に対し充電電路の閉路信号を送信する。その後リレー5を挟んで電源側と負荷側の各々に配置された電圧検出部7の測定結果が、接点検出手段8を介して判定手段6に送信されて、リレー5の状態判定が行われる。この時、表1の状態cに示すように、電圧検出部7の測定結果が、電源側および負荷側の双方で有電圧となっている場合、リレー5が閉路信号によって動作しており、正常状態にあると判定される。なお、閉路信号を送信した後に状態dのように電源側が有電圧、負荷側が無電圧となっている場合には、閉路信号によってリレー5が動作しない不動作判定がなされ、表示部13にエラー表示がなされる。この場合には、充電装置2はCPLT信号の発振を停止してモード2制御を中止する。
【0029】
図7に示すように、充電中止又は満了時には、車両側の充電制御回路10が受電許可スイッチ12を開放する。これに伴いCPLT信号が9V発振となり、判定手段6からリレー5に対して開路信号が出力されて、リレー5が開路する。ここで、リレー5の状態判定において、表1の状態aに示すように、リレー5を挟んで電源側と負荷側の各々に配置された電圧検出部7の測定結果が、判定手段6からリレー5に対し充電電路の開路信号が送信されている状態下において、電源側で有電圧かつ負荷側で無電圧となっている場合、リレー5が溶着しておらず、正常状態にあると判定される。なお、状態bの判定がなされた場合には、接点が溶着しており表示部13にエラー表示がなされる。
【0030】
一方、図8に示すように本実施形態において閾値(例えば定格の±30%)を超える電圧変動を電圧変動検出手段14で検出した場合には(ST1)、電圧変動検出手段14から変動信号が出力される(ST2)。該変動信号は、判定手段6の誤動作回避手段15に伝達されて、上記したリレー5の状態判定機能を停止する(ST3)。これにより、瞬時電圧低下によりリレー5が開路したとしても電圧検出部7の測定結果と判定手段6のリレー5に対する開閉信号との間に不一致による不動作判定(エラー判定)を回避することができる。
【0031】
リレー5の状態判定機能を停止した後、電圧変動が所定時間内に回復した場合には(ST4)、電圧変動検出手段14から回復信号が出力される(ST5)。この時判定手段6は閉路信号を出力し続けているため、リレー5は閉路状態となる(ST6)。続いて、判定手段6は回避機能停止手段17は誤動作回避手段15によって停止されていたリレー5の状態判定機能を再開させる(ST7)。これにより、再度モード2制御を行うことなく充電を続行することができる。なお、前記所定時間は、制御部30が瞬時電圧低下の影響により停止する時間(例えば200〜300ms)より短いものとする。
【0032】
一方、閾値を超える電圧変動が前記所定時間以上継続した場合には、制御部30に供給される電圧も低下する。これによりCPLT回路で生成されるCPLT信号の電位が影響を受ける場合がある。電圧変動の影響を受けたCPLT信号により、充電装置2が誤ったエラー判定を行ったり、車両の充電制御に影響を与える恐れがあるため、誤動作回避手段16は電圧変動を検出した所定時間後にCPLT信号を一時的に0Vにする制御を行う(ST8)。
【0033】
その後、電圧変動が閾値内に回復したことを電圧変動検出手段14が検出すると(ST9)、電圧変動検出手段14から回復信号が判定手段6に出力される(ST10)。該回復信号が伝達されると、回避機能停止手段17はCPLT回路4を制御して電位が12V定電圧のCPLT信号を生成させる(ST11)。
ここで、充電装置2には車両が接続されたままの状態となっているため、12VのCPLT信号は、車両内部抵抗R2により分圧して9Vとなる。以下、通常のモード2制御のプロセスを経て、車載電池への充電が再開される(ST12)。なお、長時間の停電や電圧変動が継続した場合に電圧変動検出手段14が電源復帰を検出を可能とするために、制御部3内にコンデンサや電池等の蓄電手段を設けておくことが好ましい。
【0034】
(実施形態2)
図9は第2の実施形態の制御部40のブロック図を示している。該制御部40に、CPLT信号を生成するCPLT回路4の他、CPLT信号に基づいてリレー5に対し充電電路の開閉信号を送信する判定手段6、充電装置2に対して外部から供給される外部電源の電圧変動を検出する電圧変動検出手段14と、該電圧変動検出手段が検出した電圧変動が閾値を超えた際に、CPLT回路4におけるCPLT信号の生成を停止する誤動作回避手段16を備える点、誤動作回避手段16によって停止されていたCPLT信号の生成を再開させる回避機能停止手段17を備える点、および、制御部40に隣接して、外部交流電源を整流した直流電流を制御部40に供給する電源部9と、充電状態の表示、エラー表示等を行う表示部13を備える点は、図5に示す実施形態1と同様である。一方、電圧検出部7の計測結果(有電圧/無電圧)に基づいてリレー5の開閉状態を検出する接点検出手段8を備えていない点、リレー5の状態判定を停止する機能を有する誤動作回避手段15を備えていない点で異なっている。
【0035】
本実施形態においてもCPLT回路4は実施形態1と同様に、電圧変動のない通常時は、通常のモード2制御が行われる。
【0036】
一方、電圧変動が生じると制御部30に供給される電圧が低下し、CPLT回路4で生成されるCPLT信号の電位が電圧変動の影響を受ける場合がある。電圧変動の影響を受けたCPLT信号が車両側の充電制御回路10に入力されると、電圧変動が収束するまで一端充電を中止する。誤動作回避手段16は、判定手段6によりCPLT回路を制御してCPLT信号の生成を一時的に停止する機能として構成されていて、電圧変動の影響でCPLT信号の電位が低下し、充電装置2が誤ったエラー判定を行ったり、車両の充電制御に影響を与えること回避する。
【0037】
本実施形態において、図10に示すように、閾値を超える電圧変動を電圧変動検出手段14で検出すると(ST101)、電圧変動検出手段14から変動信号を判定手段6の誤動作回避手段16に出力される(ST102)。判定手段6の誤動作回避手段16は、外部電源の電圧降下に起因してCPLT信号の電位に影響が出る危険性を回避するために、電圧変動を検出した所定時間後にCPLT信号を一時的に0Vにする制御を行う(ST103)。CPLT信号が0Vとなると、判定手段6はリレー5に対する開路信号を生成して送信し、リレー5が開いて車載電池への充電が停止する(ST104)。なお、前記所定時間は、制御部30が瞬時電圧低下の影響により停止する時間(例えば200〜300ms)より短いものとする。
【0038】
その後、電圧変動が閾値内に回復したことを電圧変動検出手段14で検出すると(ST105)、電圧変動検出手段14から回復信号が出力される(ST106)。該回復信号が判定手段6に伝達されると、判定手段6の回避機能停止手段17はCPLT回路4を制御して12Vの定電位を有するCPLT信号の生成を再開する(ST107)。
【0039】
ここで、充電装置2には車両が接続されたままの状態となっているため、12VのCPLT信号は、車両内部抵抗R2により分圧して9Vとなる。以下、通常のモード2制御と同様のプロセスを経て、車載電池への充電が再開される(ST108)。なお、長時間の停電や電圧変動が継続した場合に電圧変動検出手段14が電源復帰を検出を可能とするために、制御部3内にコンデンサや電池等の蓄電手段を設けておくことが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
1 負荷機器
2 充電装置
3 制御部
4 CPLT回路
5 リレー
6 判定手段
7 電圧検出部
8 接点検出手段
9 電源部
10 充電制御回路
11 発振器
12 受電許可スイッチ
13 表示部
14 電圧変動検出手段
15 誤動作回避手段
16 誤動作回避手段
30 制御部
40 制御部
図1
図2
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図3