特許第6069675号(P6069675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6069675マルチセグメント組立式ナイフツール構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069675
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】マルチセグメント組立式ナイフツール構造
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/00 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   B23B29/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-210034(P2014-210034)
(22)【出願日】2014年10月14日
(65)【公開番号】特開2016-78144(P2016-78144A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2015年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】514261177
【氏名又は名称】鼎朋企業股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久
(72)【発明者】
【氏名】陳長仁
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−284301(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3166625(JP,U)
【文献】 特開昭61−284302(JP,A)
【文献】 米国特許第5598756(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 29/00−29/02,29/04−29/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のナイフツールを備える多機能加工マシンの本体に装着され、一つのナイフツール・ベースと一つのナイフツール部と、少なくとも一つの接続座とを含んでなるマルチセグメント組立式ナイフツール構造において、
前記ナイフツール・ベースは、該ナイフツール・ベースの後端に形成されて且つ前記多機能加工マシン本体に接続・固定可能な一つの組立部と、前記ナイフツール・ベースの前端から後方に向かって凹設された一つの接合槽と、前記ナイフツール・ベースの少なくとも一側の壁面において前記接合槽に貫通且つ連通するように形成される少なくとも一つの鍵穴と、該鍵穴に穿入可能な錠止部とを有し、
前記ナイフツール部は、該ナイフツール部の前端に形成される一つの加工カッター部を有し、さらに前記ナイフツール部の後端から後方に延設されてなる一つの第1の接続延伸段を備え、
前記接続座は、該接続座の前端から後方に向かって凹設された一つの固定接合槽と、前記接続座の少なくとも一側の壁面において前記固定接合槽に貫通且つ連通するように形成される少なくとも一つの鍵穴と、該鍵穴に穿入可能な錠止部とを有し、さらに後端から後方に延設されてなる一つの第2の接続延伸段を備え、
前記鍵穴と前記加工カッター部とは、前記ナイフツール・ベースおよび前記接続座の長手方向軸を挟んで互いに反対側に設けられ、
前記接合槽と前記固定接合槽とはそれぞれ、前記第1の接続延伸段および前記第2の接続延伸段のいずれも嵌合可能であるように、その内形状が前記第1の接続延伸段および前記第2の接続延伸段の外形状に略一致するように凹設され、
前記第1の接続延伸段を前記接合槽内に嵌合した際には、前記ナイフツール部の後端が前記ナイフツール・ベースの前端に当接し、さらに前記鍵穴に穿入した錠止部の先端が前記第1の接続延伸段に当接することによって前記ナイフツール部が前記ナイフツール・ベースに固定され、
前記第1の接続延伸段を前記固定接合槽内に嵌合し且つ前記第2の接続延伸段を前記接合槽内または他の接続座の前記固定接合槽内に嵌合した際には、前記ナイフツール部の後端が前記接続座の前端に当接し、前記接続座の後端が前記ナイフツール・ベースの前端または他の接続座の前端に当接し、さらに、前記鍵穴に穿入した錠止部の先端が前記第1の接続延伸段および前記第2の接続延伸段に当接することによって、前記接続座を介して前記ナイフツール部が前記ナイフツール・ベースに固定されることを特徴とする、マルチセグメント組立式ナイフツール構造。
【請求項2】
前記接合槽が一つの環形槽体であることを特徴とする、請求項に記載のマルチセグメント組立式ナイフツール構造。
【請求項3】
前記鍵穴が螺穴で、且つ前記錠止部が螺錠部であることを特徴とする、請求項に記載のマルチセグメント組立式ナイフツール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチセグメント組立式ナイフツール構造に関するもので、特に組立を介して長さを決定できる加工ナイフツールを、指す。
【背景技術】
【0002】
工業加工技術の進歩につれて、自動化の多機能加工マシン(例えばCNC旋盤)を応用して品物に対し、例えば切削・穴あけ等の加工動作を行うことにより、伝統的な人力制御マシンを交替して加工を行うのは、次第に普及する加工様態で、そして各種の加工動作の需要に対応して各規格および各種の寸法のナイフツールを選択的に切替できるのは、自動化の多機能加工マシンの特性である。
【0003】
然しながら、従来の多機能加工マシンが使用するナイフツールは、構造上に大半が一つの組立部と一つのナイフツール・ヘッドを含んでなり、その主な構成が一体式の構造で、ひいては組立部により該加工マシンのナイフツール組立槽の内に接合し、そして外に延伸するナイフツール・ヘッドが品物に対して加工動作を行ってもよいが、但し、ナイフツールが単一個体の形式であるので、ナイフツールの長さが固定で、そしてこのようにしたら、同じナイフツール・ヘッドにより異なる長さの刃身に対して品物の加工を行うことを期待する時に、例えばボーリング・カッターの長さを延伸して比較的深い穴度の切削加工作業を実行しようとする時に、必然的に異なる長さのナイフツール部だけを購買しかできなく、そしてナイフツール・ワークの値段がいつも非常に高くなり、このようにしたら、勿論製造コストに対し、負担となる。
【0004】
故に上記を総合し、本発明の発明者は、或る種類のマルチセグメント組立式ナイフツール構造を考量かつ設計することにより、既存技術の欠点に対してより改善し、ひいては産業上の実施・利用を増進することを、期待する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の既存技術の不足点に鑑み、本発明は、新規性、進歩性と産業上の利用可能性などの特許要件を具備するマルチセグメント組立式ナイフツール構造を、設計することにより、既存技術の困難点を克服することを、期待する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するために、本発明の採用する技術手段は、或る種類のマルチセグメント組立式ナイフツール構造を設計するが、それが一つのナイフツール・ベースと一つのナイフツール部を含んでなり、該ナイフツール・ベースが、一つの後端に一つの組立部を対応的に設け、一つの多機能加工マシンのナイフツール組立槽の内に対応的に接続・固定でき、且つ該ナイフツール・ベースの一つの前端箇所に一つの接合槽を内向きに凹入して設け、更に該接合槽の少なくとも一側の壁面の上に、少なくとも一つの鍵穴を貫通して設け、該鍵穴を該組立槽に連通するが、該ナイフツール部が、一つの前端に一つの加工カッター部を設け、且つ該ナイフツール部の後端箇所に一つの第1の接続延伸段を延伸して設け、該第1の接続延伸段の外形が該接合槽に合わせ且つ該接合槽の内に選択的に対応して穿設でき、その後に該ナイフツール部の後端を該ナイフツール・ベースの前端に当接させ、ひいては該各鍵穴を介して一つの錠止部を外向きに穿入して該第1の接続延伸段に当接して固定できる。
【0007】
その中でも、該マルチセグメント組立式ナイフツール構造は、ひいては少なくとも一つの接続座を含んでなり、一つの後端に一つの第2の接続延伸段を延伸して設け、該接合槽の内に選択的に対応して穿設でき、その他に該接続座が一つの前端箇所に一つの固定接合槽を凹入して設け、該固定接合槽の外形が該第1の接続延伸段と該第2の接続延伸段に対応し、且つ該固定接合槽の少なくとも一側の壁面の上に、少なくとも一つの連結鍵穴をそれぞれ貫通して設け、ひいては該固定接合槽が該第1の接続延伸段または他の接続座の該第2の接続延伸段の上に対応的に嵌設する時に、該連結鍵穴から該錠止部を介して固定できる。
【0008】
その中でも、該接合槽が一つの環形槽体である。
【0009】
その中でも、該鍵穴が螺穴で、且つ該錠止部が螺錠部である。
【0010】
その中でも、該第1の接続延伸段の外形が該接合槽にマッチングする。
【0011】
その中でも、該第2の接続延伸段の外形が該接合槽にマッチングする。
【0012】
その中でも、該固定接合槽の外形が該第1の接続延伸段にマッチングする。
【0013】
その中でも、該固定接合槽の外形が該第2の接続延伸段にマッチングする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマルチセグメント組立式ナイフツール構造は、設計上では、構造の配置を応用して伝統的な一体式のナイフツールをナイフツール・ベースとナイフツール部などの2部分となるように切り分け、且つその間に一つの接続座を選択的に橋絡でき、或いは長さの変更に対応して複数個の接続座を連結できることにより、使用需要の増減につれて該接続座の全体の長さを変更できる機能を、提供するが、そして従来の技術中では、異なる長さのナイフツールを使用するために、それぞれ購買・放置する必要があることにより、コストの負担が重過ぎる問題を招くことを、免除できるが、そしてその中でも、該ナイフツール・ベース、ナイフツール部と該接続座が接続する間に、壁面間を介してマッチングして接触し、ひいては組立後に揺れ止めの安定効果を更に達成できることにより、ナイフツールが切削する時に、非予期の揺動などの現象を招くことを、避ける。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明のマルチセグメント組立式ナイフツール構造の実施構造の模式図である。
図2】本発明のマルチセグメント組立式ナイフツール構造の実施構造の模式図である。
図3】本発明のマルチセグメント組立式ナイフツール構造の実施構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述の目的、技術の特徴および実際の実施後の増益率をより著しく分かりやすくなるために、下記の叙述中に、より好ましい実施例により、対応・関連する図面を補助し、比較的詳細な説明を行う。
【0017】
審査官が本発明の発明特徴、内容、利点およびその達成できる効果を了解するように寄与するために、本発明が添付の図面に合わせ、且つ実施例の表現形式により下記のように詳細な説明を行うが、そしてその中でも、使用される図面において、その趣旨が明細書だけを模式かつ補助するために用いられ、本発明の実施後の真実の比例および正確な配置であるとは限らないが、従って添付の図面の比例および配置関係により、本発明の実際な実施上における権利・範囲を解明・限定すべきではない。
【0018】
本発明の利点、特長および達成できる技術方法は、例示する実施例および添付する図面を参照して比較的詳細な叙述を行ってより理解しやすくなり、且つ或いは本発明が異なる形式により実現できるが、従ってここに陳述された実施例のみにより限定されないと理解すべきで、逆に所属する技術分野に対して通常の知識を有する者にとって、提供された実施例により、本発明の範疇をより明らかに掲示し、更に全面かつ完備に伝達し、且つ本発明が、添付する特許請求の範囲のみにより定義される。
【0019】
そして他の定義がない限り、後文に使用された全ての用語(技術および科学用語を含む)と専門用語は、実質的に本発明の所属する該分野の技術者が一般に理解できる意味と同じであるが、そして例えば一般に使用する辞書により定義される、それらの用語は、関連する分野の内容に合致する意味を有すると理解すべきで、且つ著しく後文に定義されない限り、過度に理想化し或いは過度に正式化した意味により理解できなく、先に合わせて明らかに陳述する。
【0020】
図1ないし図3を対応的に参照して示すように、本発明の提供するマルチセグメント組立式ナイフツール構造は、より好ましい実施方式において、一つのナイフツール・ベース10、一つのナイフツール部20と少なくとも一つの接続座30を含んでもよい。
【0021】
前述のナイフツール・ベース10が、一つの後端に一つの組立部11を対応的に設け、一つの多機能加工マシンのナイフツール組立槽の内に対応的に接続・固定でき、且つ該ナイフツール・ベース10の一つの前端箇所に一つの接合槽12を内向きに凹入して設け、或いは該接合槽12が一つの環形槽体であってもよく、且つ該接合槽12の少なくとも一側の壁面の上に、少なくとも一つの鍵穴13を貫通して設け、或いは該鍵穴13が螺穴であってもよく、該鍵穴13を該組立槽12に連通する。
【0022】
前述のナイフツール部20が、一つの前端に一つの加工カッター部21を設け、該ナイフツール部20の後端箇所に一つの第1の接続延伸段22を延伸して設け、該第1の接続延伸段22の外形が該接合槽12に合わせ且つ該接合槽12の内に選択的に対応して穿設でき、その後に該ナイフツール部20の後端を該ナイフツール・ベース10の前端に当接させ、ひいては該各鍵穴13を介して一つの錠止部90を外向きに穿入して該第1の接続延伸段22に当接でき、且つ該第1の接続延伸段22の外形が該接合槽12にマッチングし、ひいては接合後に揺れ止めの安定特性を有し、そして或いは該錠止部90が螺錠部であってもよい。
【0023】
前述の接続座30が一つの後端に一つの第2の接続延伸段31を延伸して設け、該第2の接続延伸段31の外形が該接合槽12にマッチングし且つ該接合槽12の内に選択的に対応して穿設でき、その他に該接続座30が一つの前端箇所に一つの固定接合槽32を凹入して設け、該固定接合槽32の外形が該第1の接続延伸段22と該第2の接続延伸段31にマッチングし、且つ該固定接合槽32の少なくとも一側の壁面の上に、少なくとも一つの連結鍵穴33をそれぞれ貫通して設け、該連結鍵穴33が螺穴で、ひいては該固定接合槽32が該第1の接続延伸段22または他の接続座30の該第2の接続延伸段31の上に対応的に嵌設できる時に、該連結鍵穴33から錠止部90を介して固定できる。
【0024】
本発明のマルチセグメント組立式ナイフツール構造の設計上における巧みな構想・変更を介し、構造の配置を応用して伝統的な一体式のナイフツールをナイフツール・ベース10とナイフツール部20などの両段となるように切り分け、且つその間に一つの接続座30を選択的に橋絡でき、或いは長さの変更に対応して複数個の接続座30を更に連結できることにより、使用需要の増減につれて該接続座30の全体の長さを変更できる機能を、提供するが、そして従来の技術中では、異なる長さのナイフツールを使用するために、それぞれ購買・放置する必要があることにより、コストの負担が重過ぎる問題を招くことを、免除できるが、そしてその中でも、該ナイフツール・ベース10、ナイフツール部20と該接続座30が接続する間に、壁面間を介してマッチングして接触し、ひいては組立後に揺れ止めの安定効果を更に達成できることにより、ナイフツールが切削する時に、非予期の揺動などの現象を招くことを、避け、従来の技術により達成できないが、従ってその増益率の所在を見い出してもよい。
【0025】
以上述べた実施例は、ただ本発明の技術思想および特長を説明するもので、その目的は、この技術に習熟する者が本発明の内容を了解し且つこれにより実施できるものであるが、これにより本発明の特許請求の範囲を限定するものではなく、即ち本発明の掲示する精神により出来た等価な変更または潤色が、いずれも依然として本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0026】
上記を総合してみると、明らかに了解できるように、本発明が従来の技術を突破した技術下では、既に増進しようとする効果を確実に達成する。
【符号の説明】
【0027】
10 ナイフツール・ベース
11 組立部
12 接合槽
13 鍵穴
20 ナイフツール部
21 加工カッター部
22 第1の接続延伸段
30 接続座
31 第2の接続延伸段
32 固定接合槽
33 連結鍵穴
90 錠止部
図1
図2
図3