(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステータ、及び、該ステータに対して回転自在に設けられると共にエンジンの回転軸と共に回転するロータを有し、スタータモータ及び発電機の少なくとも一方を構成する回転電機と、
前記回転電機の動作を制御するコントロールユニットと、
複数の羽根を円筒状に配列した羽根部を有し、前記回転軸と共に回転するシロッコファンと、
板状に形成され、一方の主面に前記コントロールユニットを配置する配置板部と、
を備え、
前記シロッコファンは、回転することで空気を前記羽根部の径方向内側から径方向外側に流し、
前記コントロールユニットの少なくとも一部が、前記羽根部よりも該羽根部の径方向内側に位置し、
前記配置板部に、その厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記貫通孔が、前記羽根部よりも径方向内側に位置する領域において、前記一方の主面に配された前記コントロールユニットに隣り合う位置に開口し、
前記貫通孔の一部が、前記コントロールユニットと前記配置板部の厚さ方向に重なり、
前記シロッコファン及び前記ロータの軸線が互いに一致し、
前記ロータが、円筒状に形成されたロータ本体を備え、
前記ロータ本体が、前記羽根部の軸線方向の端部側に設けられ、前記羽根部と一体に形成されている回転電機ユニット。
前記コントロールユニットが、前記羽根部に対して径方向内側に対向するように前記羽根部の軸線方向の両端の間に位置する請求項1又は請求項2に記載の回転電機ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第一実施形態〕
以下、
図1〜3を参照して本発明の第一実施形態について説明する。
図1,2に示すように、本実施形態に係る回転電機ユニット1は、回転電機2、コントロールユニット3及びシロッコファン4を備える。
【0011】
回転電機2は、ステータ11、及び、ステータ11に対して回転自在に設けられるロータ12を備える。
ステータ11は、鉄心部13に複数のコイル14を取り付けて構成されている。鉄心部13は、周方向に配列された複数のティース部(不図示)を備える。複数のコイル14は、各ティース部に巻き付けられている。すなわち、複数のコイル14は周方向に配列されている。
【0012】
ロータ12は、有底円筒状に形成されたロータ本体15と、ロータ本体15の周方向に配列されるようにロータ本体15に固定される複数の永久磁石16と、を備える。複数の永久磁石16は、例えば、ロータ本体15の径方向に向く面の磁極がロータ本体15の周方向に交互に現れるように配列される。本実施形態において、複数の永久磁石16はロータ本体15の内周面に固定されている。ステータ11は、複数の永久磁石16が複数のコイル14の径方向外側に対向するように、ロータ12内に収容されている。
【0013】
また、ロータ12は、エンジン100の回転軸102(例えばクランクシャフト)と共に回転するように設けられる。ロータ12は、例えば無端ベルトやギヤ(いずれも不図示)を介して回転軸102に連結されてもよいが、本実施形態では、ロータ12(回転電機2)の軸線L2が回転軸102の軸線L1と一致するように、回転軸102に直接固定されている。
本実施形態の回転電機2は、エンジン100の回転軸102を電力によって回転駆動するスタータモータとして構成される。また、回転電機2は、エンジン100の回転軸102の回転によって発電する発電機として構成される。
【0014】
コントロールユニット3は、不図示の配線によって回転電機2に電気接続され、回転電機2の動作を制御する。コントロールユニット3は、例えば回転電機2をスタータモータとして機能させる際に、回転電機2に供給する電力を制御する。また、コントロールユニット3は、例えば回転電機2が発電機として機能する際に、回転電機2において発電された電力の電圧や電流を適宜調整した上で、発電電力をバッテリ(不図示)に充電したり、各種電気部品(不図示)に直接供給したりする。
【0015】
コントロールユニット3の外観形状は、任意であってよいが、本実施形態では厚さの大きい円板状に形成されている。
コントロールユニット3は、ユニット本体の外面に回転電機2、バッテリ、各種電気部品と電気接続するためのコネクタなどの端子を設けて構成されるが、
図1〜3においてはユニット本体のみを記載し、端子の記載を省略している。
【0016】
シロッコファン4は、複数の羽根22を円筒状に配列した羽根部21を有する。また、シロッコファン4は、前述したロータ12と同様に、エンジン100の回転軸102と共に回転するように設けられる。シロッコファン4は、その軸線L4を中心に回転することで空気を羽根部21の径方向内側から径方向外側に流す。
【0017】
シロッコファン4は、例えば、無端ベルト(不図示)やギヤ(不図示)を介して回転軸102に連結されたり、回転軸102に直接固定されたりしてもよいが、本実施形態では、ロータ12を介してエンジン100の回転軸102に固定されている。
すなわち、本実施形態では、シロッコファン4及びロータ12の軸線L4,L2が互いに一致している。また、シロッコファン4がロータ12に固定されている。より詳細に説明すれば、本実施形態のシロッコファン4は、円筒状とされた羽根部21の軸線L4方向の第一端部(端部)21Aに羽根部21の径方向内側に延出する円環状板部23を有する有底筒状に形成されている。この円環状板部23は、ロータ12に対してこれらの軸線L4,L2方向に重なるようにロータ12に固定されている。これにより、シロッコファン4がロータ12を介してエンジン100の回転軸102に固定される。
【0018】
本実施形態では、コントロールユニット3全体が、上記したシロッコファン4の羽根部21よりも羽根部21の径方向内側に位置する。
また、本実施形態のコントロールユニット3は、羽根部21に対して径方向内側に対向するように羽根部21の軸線L4方向の両端の間に位置する。すなわち、本実施形態では、コントロールユニット3がシロッコファン4の内側に収容されている。
【0019】
また、本実施形態では、回転電機2のステータ11も、羽根部21に対して径方向内側に対向するように羽根部21の軸線L4方向の両端の間に位置する。すなわち、ステータ11もシロッコファン4の内側に収容されている。
回転電機2のロータ12は、例えば、羽根部21に対して径方向外側に対向するように配されてもよい、すなわち、ロータ12の径方向内側に羽根部21が位置してもよい。しかし、本実施形態では、ロータ12が、ステータ11と同様に、羽根部21に対して径方向内側に対向するように羽根部21の軸線L4方向の両端の間に位置する。すなわち、本実施形態では、ロータ12もシロッコファン4の内側に収容されている。
【0020】
これにより、本実施形態では、回転電機2及びコントロールユニット3が、シロッコファン4の内側において羽根部21の軸線L4方向に並べられる。また、回転電機2は、コントロールユニット3とステータ11との間にロータ12が介在しないように配される。そして、本実施形態のコントロールユニット3は、前述したステータ11に対して、回転電機2の軸線L2方向に配列された上で固定される。
また、本実施形態では、回転電機2が羽根部21の軸線L4方向の第一端部21A側に配され、コントロールユニット3が羽根部21の軸線L4方向の第二端部21B側に配される。また、本実施形態において、エンジン100は、シロッコファン4に対して羽根部21の第一端部21A側に配される。
【0021】
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1は、
図1〜3に示すように、一方の主面31Aにコントロールユニット3を配置する配置板部5を備える。配置板部5にはその厚さ方向に貫通する第一貫通孔(貫通孔)32が形成されている。第一貫通孔32は、羽根部21よりも径方向内側に位置する領域において、配置板部5の一方の主面31Aに配されたコントロールユニット3に隣り合う位置に開口している。
【0022】
本実施形態において、配置板部5は、シロッコファン4の内側に収容され、コントロールユニット3とステータ11との間に位置している。配置板部5の他方の主面31B側には、ステータ11が固定されている。本実施形態では、ステータ11が配置板部5の他方の主面31Bから突出する突起部33の先端に固定されている。これにより、本実施形態では、コントロールユニット3及びステータ11が配置板部5を介して互いに固定されている。
【0023】
本実施形態の第一貫通孔32は、配置板部5の一方の主面31Aのうちコントロールユニット3の配置領域に隙間なく、あるいは、微小な隙間をあけて、隣り合うように形成されている。本実施形態では、コントロールユニット3及び第一貫通孔32が、配置板部5の厚さ方向に重ならない位置に形成されている。
また、本実施形態では、第一貫通孔32がコントロールユニット3の配置領域の周縁に沿って延びている。本実施形態では、コントロールユニット3の配置領域が円形状となるため、第一貫通孔32は円弧状に形成されている。さらに、第一貫通孔32は、上記した配置領域の周縁に沿って配置領域の周方向に間隔をあけて複数(図示例では三つ)配列されている。
【0024】
本実施形態の配置板部5には、配置板部5及びこれに固定されたコントロールユニット3及びステータ11を支持する支持部6が接続されている。本実施形態の支持部6は、配置板部5をエンジン100の本体部101(例えばエンジンブロック)に固定する。
支持部6は、配置板部5の一方の主面31Aの周縁から配置板部5の厚さ方向に突出し、羽根部21の第二端部21Bの外側まで延びる第一延出部41と、第一延出部41の先端から羽根部21の径方向外側まで延びる第二延出部42と、羽根部21の径方向外側において羽根部21の軸線L4方向に延びてエンジン100の本体部101まで到達する第三延出部43と、を有する。
【0025】
本実施形態において、第一延出部41及び第二延出部42は、配置板部5と一体に形成されている。
第一延出部41は、例えば配置板部5の周方向に間隔をあけて配列されて配置板部5の厚さ方向に延びる複数の棒状部であってもよいが、本実施形態では円筒状に形成されている。円筒状とされた第一延出部41のうち羽根部21の内側に配される部分には、第一延出部41の径方向内側から径方向外側に貫通する第二貫通孔44が形成されている。第二貫通孔44は、第一延出部41の周方向に間隔をあけて複数配列されている。
【0026】
第二延出部42は、例えば配置板部5の周方向に間隔をあけて配列される複数の棒状部によって構成されてもよいが、本実施形態では円環板状(フランジ状)に形成されている。
第三延出部43は、例えば羽根部21の径方向外側を囲む円筒状に形成されてもよいが、本実施形態では配置板部5の周方向に間隔をあけて配列された複数の棒状部材によって構成されている。第三延出部43の長手方向の両端は、第二延出部42の径方向外側の端部、及び、エンジン100の本体部101に対してネジ止め等によって固定される。
【0027】
また、本実施形態では、回転電機ユニット1をエンジン100に取り付けた構成の一部あるいは全体が、エンジンカバー103によって覆われている。エンジンカバー103は、シロッコファン4の回転に伴って羽根部21の径方向外側に流れた空気の一部が、
図1において矢印F5で示すように、エンジン100の所定部位(例えばエンジン100の燃焼室の近傍)に向けて流れるように形成されている。
【0028】
本実施形態の回転電機ユニット1において、シロッコファン4がエンジン100あるいは回転電機2から駆動力を得て回転する際には、羽根部21の径方向内側に位置するコントロールユニット3の周囲に空気が流れる。
具体的に説明すれば、シロッコファン4が回転した際には、
図1において矢印F1で示すように、空気が、羽根部21の第二端部21Bの外側から羽根部21の内側に向けて、羽根部21の軸線L4方向に流れる。羽根部21の軸線L4方向に流れて羽根部21の内側に入り込んだ空気の一部は、
図1において矢印F2で示すように、コントロールユニット3に到達した上で、配置板部5の径方向内側から外側に向けて流れる。
【0029】
また、羽根部21の内側に入り込んだ空気の一部は、
図1において矢印F3で示すように、コントロールユニット3の側部(外周面)の近傍に到達した上で、第一延出部41の第二貫通孔44を通って、羽根部21の径方向外側に向けて流れる。矢印F3で示す空気の流れには、例えば矢印F2で示す空気の流れの一部が合流する。
また、羽根部21の軸線L4方向に流れて羽根部21の内側に入り込んだ空気の一部は、
図1において矢印F4で示すように、空気の慣性力によって、引き続き羽根部21の軸線L4方向に流れ、配置板部5の第一貫通孔32を通った上で、羽根部21の径方向外側に向けて流れる。矢印F4で示す空気の流れには、例えば矢印F2で示す空気の流れの一部が合流する。
【0030】
そして、第一貫通孔32は、配置板部5の一方の主面31Aに配されたコントロールユニット3に隣り合う位置に開口しているため、矢印F4で示すように、空気がコントロールユニット3の側部(外周面)に沿って流れる。
以上のことから、コントロールユニット3は、シロッコファン4によって発生した空気の流れによって積極的に冷却される。
【0031】
以上説明したように、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、コントロールユニット3を積極的に冷却されることで、コントロールユニット3が受けるエンジン100の熱の影響を抑制できるため、コントロールユニット3を回転電機2と共にエンジン100の近くに配置することができる。したがって、回転電機2とコントロールユニット3とを接続する配線を短くして、回転電機2とコントロールユニット3との間における電圧損失を抑制することができる。これにより、回転電機2における発電量を増加したり、小さい消費電力で効率よくエンジン100を始動したりすることができる。
また、シロッコファン4の回転駆動力は、エンジン100あるいは回転電機2から得られるため、シロッコファン4を駆動する駆動源を別途用意する必要がなく、コントロールユニット3を効率よく冷却することができる。
【0032】
また、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、第一貫通孔32を有する配置板部5を備えることで、シロッコファン4が回転した際に、空気が第一貫通孔32を通るように流れるため、特にコントロールユニット3の側部(外周面)を積極的に冷却できる。
【0033】
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、コントロールユニット3がシロッコファン4の内部に設けられることで、シロッコファン4による空気の流れによってコントロールユニット3をさらに効率よく冷却することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、ステータ11及びコントロールユニット3が回転電機2の軸線L2方向に配列された上で互いに固定されるため、ステータ11とコントロールユニット3とを電気接続する配線をより短く設定できる。
【0035】
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、ステータ11がコントロールユニット3と共にシロッコファン4の内部に設けられることでも、ステータ11とコントロールユニット3とを電気接続する配線をより短く設定できる。
【0036】
また、本実施形態の回転電機ユニット1によれば、シロッコファン4及びロータ12が同軸上に配されるため、シロッコファン4及びロータ12の両方を、無端ベルトやギヤを介さずにエンジン100の回転軸102に直接接続できる。すなわち、回転電機ユニット1の構成部品点数を少なく設定できる。
【0037】
上記第一実施形態のようにコントロールユニット3全体が羽根部21の第二端部21Bの内側に位置する場合、コントロールユニット3は、
図1に例示するように羽根部21の第二端部21Bに対して羽根部21の軸線L4方向に間隔をあけて配されてもよいが、例えば間隔をあけずに配されてもよい。
【0038】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について、
図4〜6を参照して第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図4〜6に示すように、本実施形態に係る回転電機ユニット1Aは、第一実施形態と同様の回転電機2、コントロールユニット3及びシロッコファン4を備える。
本実施形態の回転電機ユニット1Aでは、第一実施形態と同様に、コントロールユニット3全体が羽根部21の径方向内側に位置する。ただし、本実施形態の回転電機ユニット1Aでは、コントロールユニット3がシロッコファン4の羽根部21に対して羽根部21の軸線L4方向に配列されている。また、コントロールユニット3全体が、羽根部21の軸線L4方向の第二端部(端部)21Bの外側に位置する。
【0040】
また、本実施形態の回転電機ユニット1Aは、第一実施形態と同様に、一方の主面31Aにコントロールユニット3を配置する配置板部5Aを備える。配置板部5Aには、第一実施形態と同様の第一貫通孔(貫通孔)32Aが形成されている。ただし、本実施形態の配置板部5Aの径寸法は、羽根部21(シロッコファン4)の外径寸法よりも大きく設定され、羽根部21の軸線L4方向の第二端部21B(端部)の外側に位置している。すなわち、シロッコファン4の第二端部21B側の開口は、配置板部5Aによって覆われている。
【0041】
また、配置板部5Aには、第一実施形態と同様に、配置板部5A及びこれに固定されたコントロールユニット3及びステータ11を支持する支持部6Aが接続されている。本実施形態の支持部6Aも、第一実施形態と同様に、配置板部5Aをエンジン100の本体部101に固定する。本実施形態の支持部6Aは、羽根部21の径方向外側において羽根部21の軸線L4方向に延びてエンジン100の本体部101まで到達するように形成されている。本実施形態において、支持部6Aは配置板部5Aと一体に形成されている。
【0042】
支持部6Aは、例えば配置板部5Aの周方向に間隔をあけて配列された複数の棒状部材によって構成されてもよいが、本実施形態では、羽根部21の径方向外側を囲む円筒状に形成されている。すなわち、本実施形態では、羽根部21の径方向外側が支持部6Aによって覆われている。
支持部6Aのうち羽根部21の径方向外側に対向する部分には、支持部6Aの径方向内側から径方向外側に貫通する第三貫通孔45が形成されている。第三貫通孔45は、支持部6Aの周方向の一部に形成されている。図示例において、第三貫通孔45は一つだけ形成されているが、例えば複数形成されてもよい。
【0043】
支持部6Aは、第三貫通孔45から支持部6Aの外部に流れ出た空気が、
図4において矢印F9で示すように、エンジンカバー103によってエンジン100の所定部位(例えばエンジン100の燃焼室の近傍)に向けて流れるように、エンジン100の本体部101に固定される。
【0044】
本実施形態の回転電機ユニット1Aにおいても、シロッコファン4がエンジン100あるいは回転電機2から駆動力を得て回転する際には、羽根部21の径方向内側に位置するコントロールユニット3の周囲に空気が流れる。
具体的には、シロッコファン4が回転した際に、
図4において矢印F1で示すように、空気が、羽根部21の第二端部21Bの外側から羽根部21の内側に向けて、羽根部21の軸線L4方向に流れる。流れる空気の一部は、
図4において矢印F6で示すように、コントロールユニット3に到達した上で、配置板部5Aの径方向内側から外側に向けて流れる。
【0045】
そして、本実施形態では、羽根部21の第二端部21B側の開口が配置板部5Aによって覆われているため、羽根部21の第二端部21Bの外側から羽根部21の内側に向けて流れる空気は、
図4において矢印F7で示すように、全て配置板部5Aの第一貫通孔32Aを通る。すなわち、全ての空気がコントロールユニット3の側部(外周面)に沿って流れる。
これにより、コントロールユニット3は、シロッコファン4によって発生した空気の流れによって積極的に冷却される。
【0046】
本実施形態の回転電機ユニット1Aによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の回転電機ユニット1Aによれば、コントロールユニット3がシロッコファン4の外側に配されるため、コントロールユニット3をシロッコファン4の内部に設ける場合と比較して、コントロールユニット3のユニット本体の外面に設けられるコネクタなどの端子の接続自由度が向上する。例えば、ユニット本体の外周面にコネクタを設けても、これに接続される配線がシロッコファン4などに干渉することを防止できる。
【0047】
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1Aによれば、羽根部21の径方向外側を囲む支持部6Aの周方向の一部にのみ第三貫通孔45が形成されるため、回転するシロッコファン4の径方向外側に流れ出た空気を、
図4,6において矢印F8で示すように、所望の方向に流すことが可能となる。これにより、第三貫通孔45から支持部6Aの外部に流れ出た全ての空気を、
図4において矢印F9で示すように、エンジン100の所定部位に流すことが可能となり、エンジン100の所定部位を効率よく冷却することができる。
【0048】
上記第二実施形態のようにコントロールユニット3全体が羽根部21の第二端部21Bの外側に位置する場合、コントロールユニット3は、上記第二実施形態のように羽根部21の第二端部21Bに対して羽根部21の軸線L4方向に間隔をあけて配されてもよいが、例えば間隔をあけずに配されてもよい。
【0049】
また、上記第二実施形態の支持部6Aには、例えば外周面から径方向外側に突出し、第三貫通孔45に連通する筒状部が設けられてもよい。この場合には、第三貫通孔45から支持部6Aの外部に流れ出る空気の流れを、筒状部の内部において筒状部の軸方向に整えることができる。これにより、第三貫通孔45から支持部6Aの外部に流れ出る空気を、より安定して所望の方向に流すことが可能となる。筒状部は、例えば、バーリング加工によって第三貫通孔45の周縁部分を支持部6Aの径方向外側に折り曲げることで形成されてもよい。
【0050】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について、
図7を参照して第一、第二実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一、第二実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0051】
図7に示すように、本実施形態に係る回転電機ユニット1Bは、第一、第二実施形態と同様の回転電機2、コントロールユニット3及びシロッコファン4を備える。
本実施形態の回転電機ユニット1Bでは、第一、第二実施形態と同様に、コントロールユニット3全体が羽根部21の径方向内側に位置する。また、コントロールユニット3は、第二実施形態と同様に、シロッコファン4の羽根部21に対して羽根部21の軸線L4方向に配列されている。ただし、本実施形態の回転電機ユニット1Bでは、コントロールユニット3の一部がシロッコファン4の内側に位置し、コントロールユニット3の残部がシロッコファン4の外側に位置している。言い換えれば、コントロールユニット3の一部が、羽根部21の軸線L4方向の第二端部21Bの外側に突出している。
【0052】
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1Bは、第二実施形態と同様の配置板部5A及び支持部6Aを備える。また、配置板部5Aには第二実施形態と同様の第一貫通孔32Aが形成されている。ただし、本実施形態では、コントロールユニット3を配置する配置板部5Aの一方の主面31Aが、ステータ11と回転電機2の軸線L2方向に対向する。
【0053】
本実施形態の回転電機ユニット1Bにおいて、シロッコファン4がエンジン100あるいは回転電機2から駆動力を得て回転する際には、羽根部21の径方向内側に位置するコントロールユニット3の周囲に空気が流れる。
具体的には、シロッコファン4が回転した際に、
図7において矢印F1で示すように、空気が、羽根部21の第二端部21Bの外側から羽根部21の内側に向けて、羽根部21の軸線L4方向に流れる。流れる空気の一部は、
図7において矢印F10で示すように、配置板部5Aの他方の主面31Bに到達した上で、配置板部5Aの径方向内側から外側に向けて流れる。
【0054】
そして、本実施形態では、第二実施形態と同様に、羽根部21の第二端部21B側の開口が配置板部5Aによって覆われているため、羽根部21の第二端部21Bの外側から羽根部21の内側に向けて流れる空気は、
図7において矢印F11で示すように、全て配置板部5Aの第一貫通孔32Aを通る。これにより、全ての空気がコントロールユニット3の側部(外周面)に沿って流れる。
これにより、コントロールユニット3は、シロッコファン4によって発生した空気の流れによって積極的に冷却される。
【0055】
本実施形態の回転電機ユニット1Bによれば、第二実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本実施形態の回転電機ユニット1Bによれば、コントロールユニット3がステータ11に直接固定されるため、ステータ11とコントロールユニット3とを電気接続する配線をさらに短く設定できる。
【0056】
〔第四実施形態〕
次に、本発明の第四実施形態について、
図8を参照して第一実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第一実施形態と共通する構成については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図8に示すように、本実施形態に係る回転電機ユニット1Cは、第一実施形態と同様の回転電機2C、コントロールユニット3及びシロッコファン4を備える。また、本実施形態の回転電機ユニット1Cは、第一実施形態と同様の配置板部5及び支持部6を備える。
ただし、本実施形態の回転電機ユニット1Cでは、シロッコファン4の羽根部21及び回転電機2Cのロータ12Cがこれらの軸線L4,L2方向に並べられて一体に固定されている。具体的には、ロータ12Cのロータ本体15Cが羽根部21と同じ径寸法の円筒状に形成され、これらロータ本体15C及び羽根部21がこれらの軸線L2,L4方向に並べられるように一体に形成されている。図示例では、ロータ12Cのロータ本体15Cが羽根部21の軸線L4方向の第一端部21A側に設けられている。
【0058】
本実施形態の回転電機ユニット1Cによれば、第一実施形態と同様の効果を奏する。
また、本実施形態の回転電機ユニット1Cによれば、羽根部21及びロータ12Cが一体に固定されていることで、回転電機ユニット1Cの構成部品点数を削減できる。これにより、回転電機ユニット1Cを組み立てる工数を削減して、回転電機ユニット1Cを容易に組み立てることができる。
【0059】
羽根部21及びロータ12Cを一体に形成する構成は、前述した第二、第三実施形態の回転電機ユニット1A,1Bにも適用可能である。この場合、ロータ12Cのロータ本体15Cは、例えば
図8のように羽根部21の第一端部21A側に設けられてもよいし、例えば羽根部21の第二端部21B側に設けられてもよい。
【0060】
以上、本発明の詳細について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0061】
例えば
図9,10に示すように、配置板部5Aに形成される第一貫通孔32Aの一部は、一方の主面31Aに配されるコントロールユニット3と配置板部5Aの厚さ方向に重なってもよい。
図9,10では、第二、第三実施形態のようにシロッコファン4の外側に配されてシロッコファン4の第二端部21B側の開口を覆う配置板部5Aを例示しているが、
図9,10に示す第一貫通孔32Aの形成手法は、第一、第四実施形態の配置板部5にも同様に適用可能である。
【0062】
また、第二、第三実施形態のようにコントロールユニット3がシロッコファン4の外側に配される場合には、例えば
図11に示すように、コントロールユニット3の一部だけがシロッコファン4の羽根部21よりも羽根部21の径方向内側に位置し、コントロールユニット3の残部が羽根部21の径方向外側に位置してもよい。この場合でも、配置板部5Aに形成される第一貫通孔32Aは、羽根部21よりも径方向内側に位置する領域において、配置板部5Aの一方の主面31Aに配されたコントロールユニット3に隣り合う位置に開口すればよい。
【0063】
また、上記実施形態では、シロッコファン4(羽根部21)の径方向外側に流れ出た空気によってエンジン100の本体部101を冷却しているが、例えばエンジン100を水冷で冷却するためのラジエータを冷却してもよい。
【0064】
また、回転電機2,2Cは、例えば、スタータモータのみを構成してもよいし、発電機のみを構成してもよい。