(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069686
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】動植物生体用活性水溶液の製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
A01N 3/02 20060101AFI20170123BHJP
A01N 37/46 20060101ALI20170123BHJP
A01N 59/00 20060101ALI20170123BHJP
C02F 1/46 20060101ALI20170123BHJP
C02F 1/68 20060101ALI20170123BHJP
B01F 5/04 20060101ALI20170123BHJP
B01F 3/08 20060101ALI20170123BHJP
A01G 7/06 20060101ALI20170123BHJP
A01P 21/00 20060101ALI20170123BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20170123BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
A01N3/02
A01N37/46
A01N59/00 Z
C02F1/46 Z
C02F1/68 510A
C02F1/68 510B
C02F1/68 520G
C02F1/68 530A
C02F1/68 540E
B01F5/04
B01F3/08 Z
A01G7/06 Z
A01P21/00
A01P1/00
A01P3/00
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-54388(P2012-54388)
(22)【出願日】2012年3月12日
(65)【公開番号】特開2013-189378(P2013-189378A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】511197729
【氏名又は名称】有限会社 シリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】椛澤 博
(72)【発明者】
【氏名】藤極 広
(72)【発明者】
【氏名】椛澤 理沙
【審査官】
斉藤 貴子
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/072602(WO,A1)
【文献】
特開平06−279217(JP,A)
【文献】
特開平10−279405(JP,A)
【文献】
特開2004−352679(JP,A)
【文献】
特開2009−165494(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/071114(WO,A1)
【文献】
特開2008−120815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N A01P A01G
B01F C02F
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濃度40〜70%のエタノール水溶液に還元型グルタチオン粉末を5〜10%混合させて混合溶液(基材1)を生成し、
事前に採取された水素水100重量部に、基材1を10〜20重量部添加して混合溶液(基材2)を生成し、さらに
電解によって生成された水素水100重量部に基材2の10〜20重量部をエグゼクタ混合器に通して添加され、その後方に設置された定量ポンプで吸引されて得られる、
生体用活性水溶液の製造方法。
【請求項2】
水素水を電解によって生成するためにアノード電極とカソード電極が用いられ、これらのアノード電極とカソード電極間には直流でデューティ70〜95%の電流が印加されることを特徴とする請求項1に記載の水素水の生体用活性水溶液の製造方法。
【請求項3】
前記基材1にグリチルリチン酸2Kを、還元型グルタチオンとの混合比1:2〜1:5で混合することを特徴とする請求項1又は2に記載の生体用活性水溶液の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物・植物の成長に寄与する水溶液の製造方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、植物特に花卉など花瓶に挿した花を長持ちさせるには、水溶性の栄養剤を溶解した延命剤が用いられてきた。その延命剤の主な成分としては、高級アルコールエチレンオキサイド、脂肪酸エチレンオキサイド、脂肪酸アミドエチレンオキサイド、アルキルフェノールエチレンオキサイド、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド、高級アルキルアミンエチレンオキサイド、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイドがある。このような花卉などの植物を長持ちさせる従来の技術としては、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
また、動物においての水溶性活性効果のある水溶液として、ペクチン、カラギーナン、カゼイン、カードラン、アルギン酸類、大豆多糖類、プルラン、セルロース類、キサンタンガム、カルメロース塩、ポリグリセリンエステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリコール脂肪酸エステル類がある。その他、動物においての水溶性活性効果のある水溶液として、ビタミンB群として、B1 (チアミン) 、 B2 (リボフラビン)、B3 (ナイアシン、ニコチンアミド)、 B5 (パントテン酸, デクスパンテノール、パンテチン)、 B6 (ピリドキシン、ピリドキサールリン酸、ピリドキサミン)、B7 (ビオチン) 、 B9 (葉酸、ジヒドロ葉酸) 、 B12 (シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン)がある。また、さらに他の、動物においての水溶性活性効果のある水溶液として、ビタミンC群として; アスコルビン酸 ・ デヒドロアスコルビン酸等があった。
【0004】
動物の生物種により、たとえばビタミンCはヒトではビタミンであるが、犬はビタミンCを体内で合成できる。その他、活性物質としては、抗酸化作用のある物質として酵素、ビタミン、植物栄養素の3種類がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−153793
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
動植物の生命体の細胞レベルにおいては、過度な活性物質は、生命体の各部位において、ときにはリスクを伴う場合がある。
【0007】
速やかな活性化物質としては、動物、植物に共通する活性特性を示す抗酸化作用のある水素水が近年見直されてきたが、製造後の時間経過に伴い分解、酸化により酸化還元電位の変化(劣化)により動植物に対する効果、つまりその抗酸化力だけ見てもその作用にバラ付きがあった。このような現状から動植物生体用の安定した抗酸化力、さらに新たな活性特性物質が含まれる水溶液の製造方法が望まれていた。
【0008】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたもので、その目的は、動物・植物の成長、或いは長期間の生存に寄与する生体用活性水溶液の製造方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述のような課題を解決する動物・植物の成長に寄与する水溶液の製造方法であり、生体の成長に妨げとなる活性酸素を除去する抗酸化物質が含まれる水溶液の製造方法であり、非常に安価で確実に動物・植物の成長と代謝、及び延命など生体細胞の活性化に効果のある水溶液を提供する。本生体用活性水溶液に含まれる成分の還元型グルタチオンは、生命体内で解毒作用と抗酸化作用に機能し、グルタチオンと細胞内タンパク質の結合を促進する酸化型グルタチオンが農作物の収穫量を大幅に向上させる。また、還元型グルタチオンは、活性酸素などにより酸化型グルタチオンとなり、後に生命体の活性物質となる。
【0010】
また、本発明は上述のような課題を解決するため、新たな活性特性を示す生体用活性水溶液の製造方法として、活性水溶液製造から6ヵ月〜1年は安定であり、酸化還元電位が、-350mVを維持することが可能な動植物生体用活性水溶液を製造するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、花卉などの植物を生体用活性水溶液に挿しておくことにより、1週間以上は長持ちさせることができる。本発明の生体用活性水溶液は、植物の根付苗、挿し木、花卉などに有効であり、挿し木の場合冠水してから苗床に挿した場合の成功率が格段に上がる。また、根付苗・花卉は開花後も長期に咲かせることができ、その果実(種)の成長もよく、採取した種による実生の発芽発生率も向上する。さらに、果樹、園芸品種、種苗産業の研究者など開花後も長期に咲かせることができ、花の延命、及び結実の成功率向上により、果樹・種子の生産量の増加が期待できる。
【0012】
また、養鶏、養豚、酪農などの飼育において成長に寄与し、有効で安全な飼育が可能で本発明の水溶液に含まれる成分により、インフルエンザの対策、家畜の繁殖(採卵、受胎)にも有効であり、動物園の種の保存として、絶滅危惧動物の繁殖に期待が持てる。尚、動物の場合は飲料水となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る動植物生体用活性水溶液の製造装置の全体構成を概略的に示す概念図である。
【
図2】上記製造装置に組み込まれる水素水発生器を正面側から見た断面図である。
【
図3】上記製造装置に組み込まれる水素水発生器のカソード電極槽平面図である。
【
図4】上記製造装置の水素水発生器に備えられたカソード電極及びアノード電極を示す平面図である。
【
図5】上記製造装置のエグゼクタ部分における流体の混合流れ部分を示す断面図である。
【
図6】電流値を固定して時間経過に沿ってデューティを変えて電流を印加する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施に用いられる動植物生体用活性水溶液の製造装置の全体構成を概略的に示す概念図である。この実施の形態に係る製造装置は、水素水発生器1と、この水素水発生器1に管路6を介して接続され当該水素水発生器1により生成された水素水を還元型グルタチオン混合液と混合させるエグゼクタ2と、水素水発生器1に対して並列にエグゼクタ2に管路6を介して接続され還元型グルタチオン混合液を生成し又は保持するグルタチオン溶液タンク3と、エグゼクタ2に管路6を介して接続され当該エグゼクタ2において混合された水素水・還元型グルタチオン混合水溶液を管路6に沿って送給する定量ポンプ4と、定量ポンプ4に管路6を介して接続され定量ポンプ4により送給された水素水・還元型グルタチオン混合水溶液を貯留するタンク部材5を備えて成る。
【0015】
図2及び
図3は上記製造装置に組み込まれる水素水発生器1の構造を示す図で、
図2は、上記製造装置に組み込まれる水素水発生器1を正面側から見た断面図、
図3は上記製造装置に組み込まれる水素水発生器のカソード電極槽平面図である。また、
図4は上記水素水発生器1の構成要素のうち、特にカソード電極及びアノード電極を示す平面図である。
【0016】
本実施の形態に係る水素水発生器1は、装置本体としての電解槽10と、電解槽10の内部の中段部位付近に配置されたカソード電極11と、電解槽10の内部において、前記カソード電極11の下方位置に配置されたアノード電極12と、前記カソード電極11とアノード電極12との間に配置された隔膜13と、前記隔膜13の上側に近接して配置された容器部材14とを備えている。
【0017】
この水素水発生器1において、カソード電極11とアノード電極12とは平板構造を有し、また、上下位置関係で対(つい)の構成になっている。また、カソード電極11とアノード電極12とは、
図4に示すように、平板構造の電極本体に枝状のスリット25が設けられている。さらに、カソード電極11は、その側方から見たとき、平板構造の電極本体部分が
図1の正面図で見て左方から右方へ上がる傾斜構造に形成される一方、アノード電極12は、その側方から見たとき、平板構造の電極本体部分が
図1の正面図で見て右方から左方へ上がる傾斜構造に形成されることにより、アノード電極12とカソード電極11とは相互に非平行に配置されている。
【0018】
隔膜13は水透過性の材料から構成されている。また容器部材14は、多孔質材料からなり、内部が空洞で開閉可能な閉鎖構造を有する一方、その端部に補充口15を有している。したがって、容器部材14は、内部に水反応性或いは水混合性の材料を収容可能である一方で、水が内部へ浸透することができる機能を有する。この実施の形態においては、容器部材14には、補充口15を通して還元型グルタチオン溶液16が封入される。
隔膜13と容器部材14とは上下関係にほとんど接するように配置されることにより、電解槽10の底部から供給された水をろ過させつつ還元型グルタチオン混合液と混合させるろ過・混合ユニットを形成する。なお、
図2中、符号17はカソード電極11に電流を供給するカソードリード線、18はアノード電極12に電流を供給するアノードリード線をそれぞれ示す。カソードリード線17は電源のマイナス電極に接続され、アノードリード線18は電源のプラス電極に接続される。
【0019】
電解槽10には、当該電解槽10の底部付近に設けられ当該電解槽10に原水19を供給する第1原水供給口21と、電解槽10の中段部位付近に設けられ当該電解槽10に原水19を供給する第2原水供給口22と、電解槽10の上端部付近に設けられ当該電解槽10において生成された水素水20を排出する水素水取出し口23と、電解槽10の中段部位付近に、上記第2原水供給口22とは別に設けられ、電解槽10内に滞留した水を排出する排水口24とが設けられている。第2原水供給口22は、容器部材14よりも上側の電解槽10の部位に設けられている。また、排水口24は、隔膜13及び容器部材14のユニットよりも下側の電解槽10の部位に設けられている。
【0020】
以上のような構成を有する動植物生体用活性水溶液の製造装置について、動作を説明する。容器部材14には還元型グルタチオン水溶液16が封入されるがこの還元型グルタチオン水溶液16は、濃度40〜70%のエタノール水溶液に還元型グルタチオン粉末を5〜10%混合させて生成される混合溶液(基材1)である。他方グルタチオン溶液タンク3には、事前に採取された水素水100重量部に、基材1を10〜20重量部添加して生成された還元型グルタチオン混合溶液28(基材2)が収容されている。電解槽10には、第1原水供給口21及び第2原水供給口22に原水19が供給され、電解槽10に満たされる。原水19が電解槽10に満たされると、カソード電極11(マイナス側)にはカソードリード線17を介して電流が供給され、アノード電極12(プラス側)にはアノードリード線18を介して電流が供給される。これにより原水19は、電解槽10内で電気分解され、カソード電極11付近には水素とヒドリド(hydride,H-)の濃度が高い水(水素水20)が生成される一方、アノード電極12付近には酸素濃度が高い水(酸素水)が生成される。そして、水素水20は、水素水取出し口23の下流側に接続された定量ポンプ4の吸引動作と第2原水供給口22の原水19により電解槽10内で生じる流体の流れにより、電解槽10内において、容器部材14から流出した還元型グルタチオン水溶液16と混合される。水素水20は水素水取出し口23から流出し、管路6を通ってエグゼクタ2に到達し、そこでグルタチオン溶液タンク3から供給された還元型グルタチオン混合溶液28と混合する。
還元型グルタチオン混合溶液28と水素水20との混合割合は、エグゼクタ2の構成により、水素水100重量部に、基材2を10〜20重量部添加した混合割合であり、これにより本発明の生体用活性水溶液が生成される。この生体用活性水溶液はタンク部材5に貯留される。
図5は、エゼクタ2(混合器)の動作原理を説明する図である。この図に示されているように、水素水20と還元型グルタチオン混合液28は、管内の所定のスロート部(のど)26と合流部のノズル27により形成されたエグゼクタ2により上述した混合割合で混合される。混合されてできた生体用活性水溶液は定量ポンプ4の吸引動作により取り出され、タンク部材5に貯留される。
【0021】
なお、上述のカソード電極11(マイナス側)及びアノード電極12(プラス側)への電流供給に際して、アノード電極とカソード電極間には、例えば直流でデューティ70〜90%の電流を印加すると効果的である。
図6は電流値を固定して時間経過に沿ってデューティを変えて電流を印加する例を示す図である。
図6に示す例では電流値を20A(アンペア)とし、デューティ75%として電流を印加している。この他にも、例えばパラメータとして20Aとか25Aどちらか一方を選択しデューティ70・75・80・90%を選択する事により電解の仕事量を変化させることもできる。電解の仕事量は、電解の運転中の水温の上昇、原水水質の違い、大気圧によっても変化する為に原水に合う経験値を探す必要がある。消費電力の増大と、水素水20の生成量との関係は必ずしも比例の関係にはらず、熱エネルギーで消費される部分もある。
【0022】
また、水素水20の劣化についての実験を行った。この実験では、酸化還元電位は、HANNA-Instrument社製の測定器「HI 98121/Combo 3」を使って測定した。また、試料サンプルとして、水素水生成機(株式会社ササキ社製の水素水生成機「SR-1600C)」で生成した水素水を専用容器に500ml入れた物と、同じ水素水500mlに還元型グルタチオン(この実験説明においてのみ、GSHと表記する)粉末0.03gを添加した水溶液と、同じ水素水500mlにGSH粉末0.28g添加した水溶液との3種を用意して比較した。その結果は下記に示す通りである。
【0023】
「水素水GSH添加量−経過時間比較」 酸化還元電位(単位mV)
水素水GSH添加量\経過時間 72h 96h 120h
GSH 0.00g −306mV −254mV −206mV
GSH 0.03g −456mV −416mV −324mV
GSH 0.28g −460mV −450mV −435mV
【0024】
この実験結果により、120時間経過後のGSH0.28g添加した水素水の酸化還元電位−435mVで劣化が少なく有効であった。
【0025】
また、容器部材14に封入される還元型グルタチオン水溶液16には、この還元型グルタチオン水溶液16 (基材1)に対して、グリチルリチン酸2Kを、還元型グルタチオンとの混合比1:2〜1:5で混合、すなわち、
グリチルリチン酸2K:還元型グルタチオン=1:2〜1:5
の混合比で混合するとより効果の高い動植物生体用活性水溶液が得られる。
【0026】
この点に関し、活性酸素は、植物や動物の生体内にあって、細菌やウィルス、カビなどの異物が体内に侵入してきた際には、それらから守ってくれる役割をしている為、活性酸素の働きで生体の健康を保つ上で適度に必要とされ、また余分な活性酸素を除去しバランスを保つ必要もある。活性水素水を大量に与えた場合生体の活性酸素の働きを阻害し、異物が体内に侵入してきた際には、それらから守ってくれる役割を担うことができない場合があり、グリチルリチン酸2Kの働きで、これらの細菌やウィルス、カビなどの異物を除去、抗炎症作用、殺菌する為に有効である。また、水素水と、還元型グルタチオンと、グリチルリチン酸2Kの3種混合水溶液は、水素水の還元力の低下を招くことが無い物質の為、生体の活性に特に有効である。
以上より、本発明の生体用活性水溶液は、植物の根付苗、挿し木、花卉などに有効であり、挿し木の場合冠水してから苗床に挿した場合の成功率が格段に上がる。また、根付苗・花卉は開花後も長期に咲かせることができ、その果実(種)の成長もよく、採取した種による実生の発芽発生率も向上する。
【0027】
本発明の生体用活性水溶液を使った実験用にバラの植木を使い開花後何日間花を咲かせられるか実験を行い、通常3〜4日で花弁が散り始めるが、本発明の生体用活性水溶液を根元に散布した結果、7.5日間咲いていた。また、サンシュユ(山茱萸、学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)の枝物花卉を活けて開花まで観察した。水道水で活けた方は、開花までに蕾が落ちてしまったが、本発明の生体用活性水溶液を使用した方は、開花してさらに3〜4日維持できた。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の生体用活性水溶液は、植物の根付苗、挿し木、花卉などに有効であり、挿し木の場合冠水してから苗床に挿した場合の成功率が格段に上がる。また、根付苗・花卉は開花後も長期に咲かせることができ、その果実(種)の成長もよく、採取した種による実生の発芽発生率も向上する等、利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0029】
1 水素水発生器
2 エグゼクタ
3 グルタチオン溶液タンク
4 定量ポンプ
5 タンク部材
6 管路
10 電解槽
11 カソード電極
12 アノード電極
13 隔膜
14 容器部材
20 水素水
21 第1原水供給口
22 第2原水供給口
23 水素水取出し口
24 排水口
26 スロート部
27 ノズル部
28 グルタチオン混合液