特許第6069723号(P6069723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069723
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】微小ボール搭載ワークのリペア装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20170123BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20170123BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20170123BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20170123BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20170123BHJP
   B23K 101/40 20060101ALN20170123BHJP
【FI】
   H01L21/92 604H
   H01L21/92 604T
   H05K3/34 505A
   B23K1/00 A
   B23K1/00 330E
   B23K3/06 H
   G01B11/00 H
   B23K101:40
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-128542(P2012-128542)
(22)【出願日】2012年6月6日
(65)【公開番号】特開2013-254806(P2013-254806A)
(43)【公開日】2013年12月19日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080104
【弁理士】
【氏名又は名称】仁科 勝史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大輔
(72)【発明者】
【氏名】扇田 政和
(72)【発明者】
【氏名】池田 和生
(72)【発明者】
【氏名】石崎 康隆
(72)【発明者】
【氏名】大堺 智司
【審査官】 工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−206825(JP,A)
【文献】 特開2009−177015(JP,A)
【文献】 特開2009−133696(JP,A)
【文献】 特開2006−302921(JP,A)
【文献】 特開平11−160044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/60−21/607
H05K3/34
B23K1/00
B23K3/06
B23K101/40
G01B11/00
G01N21/956
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭載手段によって上面に所定パターンで形成された複数の搭載箇所のそれぞれに微小ボールが搭載されたワークを搬送する搬送手段と、
前記搬送手段上のワークを撮像するとともに、撮像した画像から当該ワークの搭載箇所における微小ボールの搭載ミスの有無を検出するとともに当該搭載ミスの位置情報を取得する搭載ミス検査手段とを備え、
前記搭載ミス検査手段の検査結果に基づき、前記搭載ミスを修正する修正手段とを備えた微小ボール搭載ワークのリペア装置において、
前記搭載ミス検査手段は、
前記ワークの上面全体を撮像するとともに、該撮像した全体画像から搭載ミスを検出して当該搭載ミスについての概略位置情報を取得する第1検査手段と、
前記第1検査手段が取得した概略位置情報に基づき、前記ワークの上面のうちの前記第1検査手段が検出した搭載ミスを含む所定領域を撮像するとともに、該撮像した所定領域画像から当該搭載ミスについての詳細位置情報を取得する第2検査手段とから構成され、
前記修正手段は、前記第2検査手段が取得した詳細位置情報に基づき当該搭載ミスを修正するものであり、
前記搬送手段は、複数の搬送ステージと、当該搬送ステージ間でワークを移載する移載手段とから構成され、前記第1検査手段は前記複数の搬送ステージのうちの上流側の搬送ステージに設けられ、前記第2検査手段および修正手段は前記第1検査手段が設けられる搬送ステージの下流側の搬送ステージに設けられる
ことを特徴とする微小ボール搭載ワークのリペア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搭載手段によって上面に所定パターンで形成された複数の搭載箇所のそれぞれに微小ボールが搭載されたワークにおける搭載ミスを検出し修正する微小ボール搭載ワークのリペア装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークの上面に所定パターンで形成された複数の搭載箇所のそれぞれに微小ボールを搭載する手段として、特許文献1に記載されているような搭載装置が知られている。そして、このような搭載手段によって微小ボールが搭載されたワークのリペアを行う装置、あるいは搭載ミスを検出する装置として、特許文献2〜5に記載されたような装置が知られている。これら特許文献2〜5に記載された装置は、いずれも1つのカメラによる画像を用いて搭載ミスを検出し、リペアを行っている。
【0003】
しかし、近年、微小ボールのピッチや径が狭小化しているため、1つのカメラでワーク全体を撮像した画像では、解像度が足りず、高精度なリペアを行うのに十分な搭載ミスの位置情報を取得するのが困難であるという問題点があった。その問題点を避けるため、解像度をあげて全体を撮像した画像を用いると、搭載ミスを検出する過程で時間がかかりすぎるという別の問題を生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−153336号公開特許公報
【特許文献2】特許第3271461号特許公報
【特許文献3】特開2009−177015号公開特許公報
【特許文献4】特開2006−349441号公開特許公報
【特許文献5】特開2008−251983号公開特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題点を解決しようとするもので、搭載ミス検査手段を、全体画像から概略位置情報を取得する第1検査手段と、第1検査手段が検出した搭載ミス箇所を含む所定領域の所定領域画像から詳細位置情報を取得する第2検査手段とを組み合わせることにより、精細な搭載ミスの位置情報を時間をかけずに取得し、更に、搭載ミスを修正する修正手段を、第2検査手段が取得した詳細位置情報に基づき当該搭載ミスを修正するものとし、微小ボールが狭小に配列されたワークであっても高精度なリペアを行うことを可能とするリペア装置である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の発明は、微小ボール搭載ワークのリペア装置に次の手段を採用する。
第1に、搭載手段によって上面に所定パターンで形成された複数の搭載箇所のそれぞれに微小ボールが搭載されたワークを搬送する搬送手段と、前記搬送手段上のワークを撮像するとともに、撮像した画像から当該ワークの搭載箇所における微小ボールの搭載ミスの有無を検出するとともに当該搭載ミスの位置情報を取得する搭載ミス検査手段とを備え、前記搭載ミス検査手段の検査結果に基づき、前記搭載ミスを修正する修正手段とを備えた微小ボール搭載ワークのリペア装置とする。
【0007】
第2に、前記搭載ミス検査手段は、前記ワークの上面全体を撮像するとともに、該撮像した全体画像から搭載ミスを検出して当該搭載ミスについての概略位置情報を取得する第1検査手段と、前記第1検査手段が取得した概略位置情報に基づき、前記ワークの上面のうちの前記第1検査手段が検出した搭載ミスを含む所定領域を撮像するとともに、該撮像した所定領域画像から当該搭載ミスについての詳細位置情報を取得する第2検査手段とから構成される。
第3に、前記修正手段は、前記第2検査手段が取得した詳細位置情報に基づき当該搭載ミスを修正する。
第4に、前記搬送手段は、複数の搬送ステージと、当該搬送ステージ間でワークを移載する移載手段とから構成される。
第5に、前記第1検査手段は前記複数の搬送ステージのうちの上流側の搬送ステージに設けられる。
第6に、前記第2検査手段および修正手段は前記第1検査手段が設けられる搬送ステージの下流側の搬送ステージに設けられる。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明は、搭載ミス検査手段を、ワークの全体画像から搭載ミスを検出して当該搭載ミスについての概略位置情報を取得する第1検査手段と、この概略位置情報に基づき、搭載ミスを含む所定領域を撮像するとともに、該撮像した所定領域画像から当該搭載ミスについての詳細位置情報を取得する第2検査手段とで構成することにより、全体総てに対し詳細位置情報を取得するのと比較して短時間で、精細な搭載ミスの位置情報を取得することが可能となった。
【0011】
又、搭載ミスを修正する修正手段は、第2検査手段が取得した詳細位置情報に基づき搭載ミスを修正することにより、微小ボールが狭小に配列されたワークであっても高精度にリペアすることが可能となった。
【0012】
更に、第1検査手段は複数の搬送ステージのうちの上流側の搬送ステージに設けられ、第2検査手段および修正手段は第1検査手段が設けられる搬送ステージの下流側の搬送ステージに設けられることにより、第1検査手段と第2検査手段とを同時に可動させることができ、装置の処理能力を高めることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】微小ボール搭載ワークのリペア装置の概略平面説明図
図2】同リペア装置のリペアステーションを表す正面説明図
図3】ラインカメラの撮像範囲の説明図
図4】エリアカメラの撮像範囲の説明図
図5】半田ボールの搭載ミスを示す説明図であり、(a)はミッシングボールを示し、(b)はダブルボールを示し、(c)はエクストラボールを示し、(d)はサイズエラーボールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下,図示の実施例と共に実施の形態について説明する。
図1は、微小ボール搭載ワークのリペア装置の概略平面説明図であり、図2は、同リペア装置のリペアステーションを表す正面説明図である。図1中符号1は、リペア装置であり、リペア装置1には、ウエハ供給ステーション2と、本発明に係る第1検査手段が配置された第1検査ステーション3と、本発明に係る第2検査手段および修正手段が配置されたリペアステーション4と、ウエハ排出ステーション34が備えられている。
【0015】
ウエハ供給ステーション2には、供給用カセット5とアライナ6と第1ウエハロボット7とが備えられている。供給用カセット5には、搭載手段によって上面に所定パターンで形成された複数の搭載箇所のそれぞれに微小ボールが一括搭載されたワークであるウエハ8が水平状態で縦に複数枚並べて収納されている。該収納されているウエハ8が搭載ミス検査対象となる。
【0016】
アライナ6は、供給用カセット5から移載されたウエハ8のノッチまたはオリフラを検出して、ウエハ8を所定の向きに揃えるものである。
【0017】
第1ウエハロボット7は、ウエハ8を、供給用カセット5からアライナ6へ移送し、且つ、アライナ6から第1検査ステーション3の第1搬送ステージ30のスタート位置に待機する搬送テーブル9へと移載する。
【0018】
第1検査ステーション3は、ウエハ8上の搭載ミスとその概略位置41の情報を取得するステーションであって、搬送テーブル9を有する第1搬送ステージ30とアライメントカメラ10とラインセンサ11とが備えられている。ここにおける概略位置41の情報が本発明における概略位置情報である。
【0019】
本発明における上流側の搬送ステージとなる第1搬送ステージ30には、ウエハ8が載置された搬送テーブル9をY軸方向(図1中上下方向)へ移動させるY軸移動機構が備えられており、搬送テーブル9は、θ軸方向(回転方向)へ回転させる回転機構を有している。アライメントカメラ10は、二次元の視野を持つカメラであり、ウエハ8上のアライメントマーク等の目印を撮像し、ウエハ8の姿勢情報を取得する。
【0020】
ラインセンサ11は、本発明に係る第1検査手段であり、ウエハ8の上面全体を撮像するとともに、該撮像した全体画像40から搭載ミスを検出して当該搭載ミスについての概略位置41の情報を取得する。該ラインセンサ11が撮像した全体画像40は、搭載ミスの検出可能な概略レベルでの画像である。
【0021】
ラインセンサ11は、具体的には1画素を1列に並べた視野のセンサで、視野長は図3に示すようにウエハ8のX方向(図3中左右方向)の全幅の約4分の1程度であり、第1検査ステーション3で第1搬送ステージ30の搬送テーブル9をY軸方向(図3中上下方向)へ2往復させ、通過の度にラインセンサ11の位置をX軸方向にずらし、4回の分割画像に分けて全体画像40を撮像する。
【0022】
ラインセンサ11の画像の処理は、撮像画像における半田ボール14と予め登録してある基準画像における半田ボールとを比較して搭載ミスを検出する。
【0023】
第1検査ステーション3とリペアステーション4の間には、本発明における移載手段となる第2ウエハロボット12が設けられる。第2ウエハロボット12は、第1検査ステーション3を経たウエハ8をリペアステーション4へ移載する。具体的には、第1検査ステーション3における第1搬送ステージ30の搬送テーブル9からリペアステーション4における第2搬送ステージ31の搬送テーブル24へと移載する。
【0024】
リペアステーション4は、搭載ミスの詳細位置42の情報を取得するとともに、該搭載ミス箇所のリペアを行うステーションであり、図1および図2に示されるように、リペアステーション4には、本発明における第2検査手段ともなるエリアカメラ13と、本発明における修正手段となるリペアヘッド15、フラックス転写ヘッド18、搭載ミスボール除去ヘッド19、ボール供給部20、フラックストレイ21、除去ボール載置部23と、本発明における下流側の搬送ステージとなる第2搬送ステージ31とが備えられている。
【0025】
第2搬送ステージ31には、ウエハ8が載置される搬送テーブル24および搬送テーブル24をY軸方向(図1中上下方向)へ移動させるY軸移動機構が備えられており、搬送テーブル24は、θ軸方向へ回転させる回転機構と昇降機構とを有している。
【0026】
第2搬送ステージ31の途中の上方には、第2搬送ステージ31の搬送方向と直交する方向に横切る横移動装置25が配置される。横移動装置25には、第1横移動体26および第2横移動体27が装備され、第1横移動体26にはエリアカメラ13およびリペアヘッド15が上下に昇降可能に取り付けられ、第2横移動体27にはフラックス転写ヘッド18および搭載ミスボール除去ヘッド19が上下に昇降可能に取り付けられている。尚、エリアカメラ13は、リペアステーション4に設けられた制御部28にケーブル29を介して接続されている。
【0027】
尚、第1横移動体26の移動範囲には、リペア用の半田ボールが収納されたボール供給部20が設置され、第2横移動体27の移動範囲には、フラックストレイ21および除去ボール載置部23が設置されている。
【0028】
第1横移動体26に取り付けられているエリアカメラ13は、二次元の視野を持つカメラであり、ウエハの姿勢情報の取得、搭載ミスの詳細位置情報の取得、リペアの成否の確認に用いられる。ウエハの姿勢情報の取得は、リペアステーション4の第2搬送ステージ31のスタート位置で搬送テーブル24に載置されたウエハ8上のアライメントマーク等の目印を撮像することにより行われる。
【0029】
本発明における詳細位置情報である搭載ミスの詳細位置42の情報の取得は次のように行われる。まず、エリアカメラ13は、第1の検査手段であるラインセンサ11が取得した概略位置41の情報に基づき、ウエハ8の上面のうちのラインセンサ11が検出した搭載ミスを含む所定領域43を撮像する。
【0030】
該撮像された画像は修正するために必要とする位置情報を取得可能な高解像度での画像である。この撮像した所定領域43の画像から当該搭載ミスについての詳細位置42の情報を取得する。
【0031】
第1横移動体26に取り付けられているリペアヘッド15は、1つの半田ボール14を吸着保持するノズルで構成される。リペアヘッド15は、第1横移動体26の移動により図1および図2の左右方向(横方向)へ移動し、必要位置で停止し、リペア用の半田ボール14の搭載という動作を行う。
【0032】
第2横移動体27に取り付けられているフラックス転写ヘッド18は、その先端にある転写ピン17を用いて、リペア箇所のウエハ8のランド16にフラックスを転写するという動作を行う。
【0033】
第2横移動体27に取り付けられている搭載ミスボール除去ヘッド19は、棒状の金属部材の先端に粘着部を設けたもので、ウエハ8から搭載ミスの半田ボールを、該粘着部を用いて付着させ、リペア箇所より除去する。
【0034】
尚、搭載ミスボール除去ヘッド19およびフラックス転写ヘッド18は図1および図2の左右方向(横方向)へ移動し、必要位置で停止し、搭載ミスの半田ボールの除去およびフラックスの転写という各動作を行う。
【0035】
第1横移動体26の移動範囲に設置されたボール供給部20は、リペアヘッド15が1つの半田ボール14をピックアップできるようにリペア用の半田ボール14を1つずつ切り出す。
【0036】
第2横移動体27の移動範囲に設置されたフラックストレイ21は、フラックスを貯留する。このフラックストレイ内に貯留されるフラックスに転写ピン17先端をディッピングする。第2横移動体27の移動範囲に設置された除去ボール載置部23は、搭載ミスボール除去ヘッド19が除去した半田ボール14を更に除去するものである。
【0037】
リペアステーション4の下流にはウエハ排出ステーション34が配置される。ウエハ排出ステーション34には、排出用カセット33と第3ウエハロボット32が備えられている。第3ウエハロボット32は、リペア済みのウエハ8および搭載ミスなしと判定されて、リペアステーション4から排出されるウエハ8を排出用カセット33へ収納する手段である。
【0038】
以下、本実施例におけるリペア装置1の動作について説明する。
まず、ウエハ供給ステーション2では、第1ウエハロボット7により、供給用カセット5から未処理のウエハ8を取り出し、アライナ6に移載してウエハ8のノッチまたはオリフラを検出して所定の向きに位置合わせをした後、第1搬送ステージ30の搬送テーブル9(図1中点線で示される)上にウエハ8を移載する。
【0039】
第1検査ステーション3では、ウエハ8を移載された搬送テーブル9が、アライメントカメラ10およびラインセンサ11が配備される位置へとY軸移動し、アライメントカメラ10をX軸移動させて、アライメントカメラ10によりウエハ8の撮像を行って、ウエハ8の姿勢を認識する。この際、搬送テーブル9によりウエハ8のθ軸方向の位置の調整を行う。
【0040】
その後、第1検査ステーション3のラインセンサ11でウエハ8をスキャンして全体画像40を撮像し、この全体画像40を画像処理して搭載ミスの発生箇所を特定する。即ち、ラインセンサ11は、ウエハ8の上面全体を撮像するとともに、該撮像した全体画像40から搭載ミスを検出して当該搭載ミスについての概略位置41の情報を取得する。
【0041】
画像処理では、まず全体画像を二値化して、搭載物を抽出し、搭載物の面積、形状(真円度)を算出する。その結果、面積過多または過小のもの、形状が所定の真円度を満たさないものを搭載ミスと判定し、その位置座標を概略位置41として取得する。この処理によって、ダブルボール14A、サイズエラーボール14Cが検出される。
【0042】
次に、予め登録しておいた基準画像を、ウエハ8の姿勢に基づいて全体画像40と重ね合わせ、基準画像中の基準ボールと全体画像40中の半田ボール14との対応をチェックする。この処理によって、ミッシングボール、エクストラボール14Bが検出される。
【0043】
この段階で、搭載ミスの数がゼロであった場合、リペア不要と判定してリペアステーション4を通過させる。尚、ミッシングボールとは図5(a)に示されるように搭載すべきランド16に半田ボール14がないものであり、ダブルボール14Aとは図5(b)に示されるように2つ以上の半田ボール14と半田ボール14Aが連なっているものであり、エクストラボール14Bとは図5(c)に示されるように搭載すべきランド以外の箇所に半田ボール14Bが搭載されたものであり、サイズエラーボール14Cとは、図5(d)に示されるようにサイズが異なる半田ボール14Cが搭載されたものである。
【0044】
第1検査ステーション3での検査が終了すると、第1搬送ステージ30の搬送テーブル9は、Y軸移動してウエハ8を終了位置まで搬送する。搬送されたウエハ8は、第2ウエハロボット12によってリペアステーション4における第2搬送ステージ31の搬送テーブル24に移載される。
【0045】
リペアステーション4では、搬送テーブル24と第1横移動体26との移動によりウエハ8をエリアカメラ13の下方に位置させるとともに、エリアカメラ13でウエハ8上のアライメントマーク等の目印を撮像してウエハ8の姿勢情報を取得する。この際、ウエハ8のθ軸方向の位置の調整を行う。その後、エリアカメラ13によって、第1検査ステーション3のラインセンサ11で発見した搭載ミスを視野中心に位置させた所定領域43の拡大画像を撮像し、詳細位置42の情報を取得する。
【0046】
以下では、ミッシングボールの場合、ダブルボール14Aおよびサイズエラーボール14Cの場合、エクストラボール14Bの3つの場合に分けて説明する。
【0047】
ミッシングボールの処理は、予め登録しておいた基準画像をエリアカメラ13で取得したウエハ8の姿勢に基づいて所定領域43の拡大画像と重ね合わせ、基準画像中の基準ボールと拡大画像中の半田ボール14との対応をチェックし、ミッシングボールであることを再認識するとともに、リペア用の半田ボール14を搭載するランド16の位置情報(詳細位置情報)を取得する。尚、2値化で抽出されたもののうち、所定の面積と真円度を有するものをランド16と判定する。
【0048】
次に、第2横移動体27を移動させることにより、転写ピン17をフラックストレイ21の上方に位置させ、転写ピン17の先端をフラックストレイ21にディッピングし、転写ピン17の先端部にフラックスを付着させる。更に、エリアカメラ13により認識したランド16のフラックス転写部位の上方に、転写ピン17を位置合わせし、リペア対象のランド16にフラックスを塗布する。
【0049】
リペアヘッド15がボール供給部20から1つのリペア用の半田ボール14を取り出し、エリアカメラ13が撮像した所定領域43の拡大画像から算出された詳細位置42の情報に基づき、リペア対象となるランド16にリペア用の半田ボール14を搭載する。その後、エリアカメラ13でリペア箇所を視野中心とする拡大画像を取得し、基準画像と比較することでリペアの成否を確認する。
【0050】
ダブルボール14Aおよびサイズエラーボール14Cの処理は、予め登録しておいた基準画像をエリアカメラ13で取得したウエハ8の姿勢に基づいて所定領域43の拡大画像と重ね合わせ、基準画像中の基準ボールと拡大画像中の半田ボール14との対応をチェックし、再度、半田ボール14の面積や形状(真円度)を確認後、面積過多または過小のもの、形状が所定の真円度を満たさないものを搭載ミスであるダブルボール14Aあるいはサイズエラーボール14Cと判定し、除去すべき搭載ミスの半田ボールの座標情報(詳細位置情報)を取得する。
【0051】
搭載ミスボール除去ヘッド19で搭載ミスのダブルボール14Aあるいはサイズエラーボール14Cを除去した後、再度エリアカメラ13で撮像し、除去が成功したかを確認する。即ち、エリアカメラ13で除去箇所を視野中心とする拡大画像を取得して予め登録しておいた基準画像との比較を行い、ミッシングであれば除去成功と判定する。
【0052】
除去された搭載ミスの半田ボールは、搭載ミスボール除去ヘッド19により、除去ボール載置部23に載置される。尚、除去の際、除去ピンで正規のボールも除去する可能性があるが、その場合はミッシングボールと判定される。ミッシングボールの位置情報を取得し、リペアヘッド15でその位置に半田ボール14を搭載し、再度エリアカメラ13で撮像し、リペアの成否を確認する。
【0053】
エクストラボール14Bの処理は、予め登録しておいた基準画像をエリアカメラ13で取得したウエハ8の姿勢に基づいて所定領域43の拡大画像と重ね合わせ、基準画像中の基準ボールと拡大画像中の半田ボールとの対応をチェックしエクストラボール14Bであることを再確認するとともに、エクストラボール14Bの位置情報を取得する。
【0054】
搭載ミスボール除去ヘッド19でエクストラボール14Bを除去した後、ダブルボール14Aやサイズエラーボール14Cの場合と同様、再度エリアカメラ13で撮像し、除去が成功したか否かを確認する。除去の際に搭載ミスボール除去ヘッド19で正規の半田ボール14も除去する可能性があるが、この場合、基準画像との比較によりミッシングボールと判定されるので、リペアヘッド15により再搭載を行う。
【0055】
リペアステーション4での処理が終了し、第2搬送ステージ31の末端まで搬送されたウエハ8は、第3ウエハロボット32により排出用カセット33へと収容される。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・・・・リペア装置
2・・・・・・・・ウエハ供給ステーション
3・・・・・・・・第1検査ステーション
4・・・・・・・・リペアステーション
5・・・・・・・・供給用カセット
6・・・・・・・・アライナ
7・・・・・・・・第1ウエハロボット
8・・・・・・・・ウエハ
9・・・・・・・・搬送テーブル
10・・・・・・・アライメントカメラ
11・・・・・・・ラインセンサ
12・・・・・・・第2ウエハロボット
13・・・・・・・エリアカメラ
14・・・・・・・半田ボール
15・・・・・・・リペアヘッド
16・・・・・・・ランド
17・・・・・・・転写ピン
18・・・・・・・フラックス転写ヘッド
19・・・・・・・搭載ミスボール除去ヘッド
20・・・・・・・ボール供給部
21・・・・・・・フラックストレイ
23・・・・・・・除去ボール載置部
24・・・・・・・搬送テーブル
25・・・・・・・横移動装置
26・・・・・・・第1横移動体
27・・・・・・・第2横移動体
28・・・・・・・制御部
29・・・・・・・ケーブル
30・・・・・・・第1搬送ステージ
31・・・・・・・第2搬送ステージ
32・・・・・・・第3ウエハロボット
33・・・・・・・排出用カセット
34・・・・・・・ウエハ排出ステーション
40・・・・・・・全体画像
41・・・・・・・概略位置
42・・・・・・・詳細位置
43・・・・・・・所定領域
14A・・・・・・ダブルボール
14B・・・・・・エクストラボール
14C・・・・・・サイズエラーボール
図1
図2
図3
図4
図5