特許第6069729号(P6069729)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069729
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】中空柱状物の補強材
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/12 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   E04H12/12
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-255707(P2012-255707)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-101724(P2014-101724A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000204620
【氏名又は名称】大嘉産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】衛藤 武志
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−253467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 12/00 − 12/34
E04G 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空柱状物の補強を行うための補強材であって、
筒状の外側材料と、
前記外側材料の内側に配置された筒状の内側材料と、を有し、
前記外側材料及び前記内側材料の外縁が互いに結合されることにより、筒状且つ袋状に形成され、
前記補強材の筒状軸線方向に沿って、前記外側材料と前記内側材料とを結合する結合部が形成され、補強材は、前記筒状軸線方向に沿った複数の補強室に仕切られる、
ことを特徴とする補強材。
【請求項2】
前記結合部は、前記筒状軸線方向に沿って複数個形成され、前記筒状軸線方向に沿って隣接する前記結合部の間には、前記外側材料と前記内側材料が互いに結合されない非結合部が形成される、請求項1に記載の補強材。
【請求項3】
前記非結合部は、前記補強材の周囲に沿って複数配置され、それにより、複数の前記補強室が全周にわたって連通する環状の連通部が形成される、請求項2に記載の補強材。
【請求項4】
前記外側材料と前記内側材料との間に配置され、前記補強材の筒状軸線方向に沿って伸びる補強繊維を含む補強材料を更に有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の補強材。
【請求項5】
前記内側材料の伸度は、前記外側材料の伸度よりも大きく設定されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の補強材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電柱などの中空柱状物の補強を行うための中空柱状物の補強材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電柱のような中空柱状物を補強する方法としては、中空柱状物内にモルタル等を充填する方法がある。例えば特許文献1に記載の方法では、電柱の地上部分と地中部分の境界付近の内部に袋体を設置し、袋体の内部に流動性固化材を注入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−316403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の補強方法では、電柱の中空部分内部にモルタル等の流動性固化材を充填するため、電柱の全体の重量が重くなってしまう。また、例えば電柱の上方部分のみを補強したい場合に上方部分のみに流動性固化材を充填すると、電柱の重量が偏ってしまい、電柱全体のバランスが悪くなり、効果的な補強ができない。
【0005】
本発明の目的は、中空柱状物を重くすることなく中空柱状物を効果的に補強することができる補強材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の補強材は、中空柱状物の補強を行うための補強材であって、筒状の外側材料と、外側材料の内側に配置された筒状の内側材料と、を有し、外側材料及び内側材料の外縁が互いに結合されることにより、筒状且つ袋状に形成される、ことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、補強材が筒状且つ袋状に形成されているので、内部に粘性流体等の充填材を充填すると、補強材が筒状に形成された状態で中空柱状物の内壁に固定される。補強材が筒状に形成されるので、補強部分の軽量化を図ることができ、効果的な補強が可能となる。
【0007】
本発明において、好ましくは、補強材の筒状軸線方向に沿って、外側材料と内側材料とを結合する結合部が形成され、補強材は、筒状軸線方向に沿った複数の補強室に仕切られる。
このように構成された本発明においては、補強材が複数の補強室に仕切られているので、補強材内に充填材を充填すると、補強室毎に補強材が膨張する。したがって補強材が偏り無く均等に膨張されるから、中空柱状物が全周にわたって均一に補強される。
【0008】
本発明において、好ましくは、結合部は、筒状軸線方向に沿って複数個形成され、筒状軸線方向に沿って隣接する結合部の間には、外側材料と内側材料が互いに結合されない非結合部が形成される。
このように構成された本発明においては、非結合部が形成されているので、ある補強室から充填材を充填した場合、非結合部に達した充填材が、隣の補強室に流入して隣の補強室にも充填される。したがって、例えば1箇所から充填材を注入することによって非結合部を介して複数の補強室に充填材を充填することが可能になるので、充填作業が非常に簡単になる。
【0009】
本発明においては、好ましくは、非結合部は、補強材の周囲に沿って複数配置され、それにより、複数の補強室が全周にわたって連通する環状の連通部が形成される。
このように構成された本発明においては、複数の非結合部によって環状の連通部が形成されるので、連通部を通して充填材が補強材の全周に行き渡る。したがって、例えば1箇所から充填材を注入することによって補強材全体に充填材を効率よく充填することが可能となる。
【0010】
本発明において、好ましくは、外側材料と内側材料との間に配置され、補強材の筒状軸線方向に沿って伸びる補強繊維を含む補強材料を更に有する。
このように構成された本発明においては、外側材料と内側材料との間に補強材料が設けられているので、補強材が筒状軸線方向に補強され、中空柱状物の補強がより確実となる。
【0011】
本発明において、好ましくは、内側材料の伸度は、外側材料の伸度よりも大きく設定されている。
このように構成された本発明においては、内側材料の伸度が外側材料の伸度よりも大きく設定されているので、充填材を充填した際、外側材料よりも内側材料の方がより伸びる。これにより、内側材料は内側に向かって伸び、隣接する補強室の内側材料と互いに押圧しあい、その結果外側材料を中空柱状物の内壁に向かって押すこととなる。したがって、補強材の固定力が増大するとともに補強力も増大する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態による中空柱状物の補強材の全体斜視図である。
図2図1のII−II線に沿った補強材の横断面図である。
図3】本発明の第1実施形態による補強材の構造を示す部分拡大図である。
図4】本発明の第1実施形態による補強材を使用した中空柱状物の補強方法を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態による補強材を使用した中空柱状物の補強方法を示す図である。
図6】本発明の第1実施形態による補強材の設置後の横断面図である。
図7】本発明の第2実施形態による補強材の横断面図である。
図8】本発明の第3実施形態による補強材の設置方法を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、第2実施形態以降では、第1実施形態と同様の構成には、図面に第1実施形態と同一符号を付し、その説明を簡略化または省略する。
【0014】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による中空柱状物の補強材について説明する。本実施形態では、中空柱状物として電柱を採用し、電柱の補強材及びこの補強材を用いた電柱の補強方法について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による電柱の補強材1の全体斜視図である。また、図2は、図1のII−II線に沿った補強材1の横断面図である。補強材1は、図1に示すように全体として筒状且つ袋状に形成されており、図2に示すように、最も外側に配置される筒状の外側材料2と、最も内側に配置される筒状の内側材料4と、外側材料2と内側材料4との間に配置される補強材料6とを有する。
【0015】
図3は、補強材1の各材料、すなわち外側材料2、内側材料4、及び補強材料6の構造を示す部分拡大図である。
図3に示すように、外側材料2は、経糸8と横糸10とを編んで形成された布状材料で、経糸8は、補強材1の筒状軸線X方向にほぼ沿って配置されており、横糸10は、経糸8に略直交する方向、すなわち補強材1の筒状軸線X方向に対して略直交する方向に配置されている。経糸8及び横糸10としては、高強度、高弾性率繊維(引張強度が2000MPa以上、引張弾性率が50GPa以上)や、合成繊維等の繊維材料またはこれらの混紡材料が使用できる。経糸8及び横糸10は、水分は通すが、補強材1内部に充填される材料は通さない大きさの編目を有するように編まれている。
【0016】
内側材料4は、外側材料2と同様に、経糸12と横糸14とを編んで形成された布状材料であり、経糸12が補強材1の筒状軸線X方向にほぼ沿って配置され、横糸14は、経糸12に略直交する方向、すなわち補強材1の筒状軸線X方向に対して略直交する方向に配置されている。経糸12及び横糸14としては、高強度、高弾性率繊維(引張強度が2000MPa以上、引張弾性率が50GPa以上)や、合成繊維等の繊維材料またはこれらの混紡材料が使用できる。経糸8及び横糸10は、水分は通すが、補強材1内部に充填される材料は通さない大きさの編目を有するように編まれている。
【0017】
ここで、外側材料2及び内側材料4は、互いに異なる伸度を有する。すなわち、内側材料4は、外側材料4よりも大きい伸度を有する材料で構成されている。また、本実施形態では、補強材1が電柱に配置される前の状態で、外側材料2と内側材料4とが互いに結合していない状態では、外側材料2の筒状の直径と内側材料4の筒状の直径とは、略等しく形成されている。
【0018】
補強材料6は、補強材1の筒状軸線X方向に沿って延びる補強繊維16と、補強繊維16の延びる方向に対して略直交する方向、すなわち補強材1の筒状軸線X方向に略直交する方向に延びるとともに、補強繊維16を筒状軸線X方向に沿った方向に所定位置で保持するための保持糸18とを有する。補強繊維16は、高強度、高弾性率繊維(引張強度が2000MPa以上、引張弾性率が50GPa以上)や、合成繊維等の繊維材料またはこれらの混紡材料で形成されている。保持糸18は、補強繊維16を複数の束にして所定位置に保持するように、補強繊維16に対して編み込まれている。
なお、補強材料6の筒状の直径は、互いに結合していない状態の外側材料2及び内側材料4の直径よりも小さく、また、電柱の内径よりも小さくなるように設定されている。
【0019】
図1に戻ると、このような構成の外側材料2、内側材料4、及び補強材料6は、外縁、即ち補強材1の上端及び下端において互いに結合されている他、結合部20によって複数箇所で互いに結合されている。結合部20は、補強材1の周囲に等間隔に複数配置され、補強材1の筒状軸線X方向に沿って直線状に形成されている。これらの結合部20により、補強材1には、筒状軸線X方向に沿って延びるとともに全長にわたって延びる複数の筒状の補強室22が形成される。なお、図2に示すように、外側材料2及び内側材料4の周方向の長さが、補強材料6の周方向の長さより長いため、各補強室22において、外側材料2及び内側材料4は、補強材料6に対してたるんだ状態で配置されることとなる。
【0020】
また、結合部20は、補強材1の筒状軸線X方向に関しても複数配置されており、その間に非結合部24を形成している。非結合部24では、外側材料2、内側材料4、及び補強材料6が互いに結合していないため、隣接する補強室22が互いに連通している。ここで、周方向に隣接する非結合部24は、互いに筒状軸線X方向に関して同じ位置(すなわち同じ高さ)に配置されている。したがって、補強材1には、筒状軸線X方向に沿って等間隔に、隣接する補強室22が連通し合う環状の連通部26が複数個形成されることとなる。なお、非結合部24は、補強材1の上端及び下端にも形成されており、したがって補強材1の上端及び下端には環状の連通部26が形成されている。
【0021】
補強材1の内側材料4には、補強材1の内部に貫通する注入パイプ28が形成されている。注入パイプ28には、パイプの軸線方向に沿って等間隔に複数個の孔32が形成されている。また、注入パイプ28には、補強材料6及び外側材料2を貫通するとともにホースを接続して充填材を充填するための接続管33が設けられている。
【0022】
次に、本発明の第1実施形態にかかる補強材1を電柱に設置して電柱を補強する方法について説明する。
図4及び図5は、本発明の第1実施形態にかかる補強材1を使用した電柱100の補強方法を示す図である。
図4に示すように、まず、電柱100に内空部分と連通する作業孔102を形成する。そして、作業孔102から補強材1を電柱100内部に挿通し、補強材1を電柱100内の所定位置に仮固定する。仮固定する際には、予め補強材1の上端にバルーン104を取り付けておき、内側からバルーン104を膨張させることにより、補強材1を内側から電柱100の内壁に押し付けることにより、下方に補強材1がぶら下がるように補強材1を固定する。この状態では、補強材1の筒状軸線X方向は、電柱100の筒状軸線X方向にほぼ一致し、外側材料2の経糸8、内側材料4の経糸12、及び補強繊維16は、電柱100の筒状軸線X方向にほぼ沿って配置される。また、接続管33に、充填材供給装置(図示せず)を接続しておく。
【0023】
次に、図5に示すように、接続管33から注入パイプ28内にセメント、グラウト、スラリー等の粘性流体等の充填材108を注入する。充填材108は、孔32から注入口30が設けられた位置の1つの補強室22内に注入され、その補強室22の最下部に充填される。補強材1の最下部は連通部26となっているので、充填材108は環状に流れ、連通部26を埋める。充填材108が連通部26の上端の高さまで達すると、充填材108は注入口30が設けられている補強室22に充填され始める。充填材108が補強室22の上端まで達すると、補強室22から溢れて連通部26を通って隣の補強室22に流れる。これを繰り返すことにより、充填材が108補強材1全体に充填される。
【0024】
ここで、補強材1は、充填材108が充填されるにつれて電柱100の内壁に押し付けられ、電柱100に対して固定される。したがって、補強材1は、充填材108が充填されるにしたがって、下側から順次電柱100に固定されていく。また、補強材1の上端においては、補強材1の膨張にともなってバルーン104が押しつぶされていく形となる。なお、補強材1の上端においては、既にバルーン104の下方の補強材1が電柱100に対して固定されているため、バルーン104の仮固定の役割は終えており、補強材1の膨張によってつぶされても問題がない。
【0025】
図6は、充填材108が補強材1に充填された状態を示す補強材1の横断面図である。充填材108が補強材1内に充填されると、充填材108は、補強材料6を通過して内側材料4と補強材料6の間から、外側材料2と補強材料6との間の空間へも充填される。外側材料2は、繊維が伸ばされながら外側に向かって広がり、電柱100の内壁に押し付けられる。内側材料4は、繊維が伸ばされながら内側に向かって広がる。
【0026】
このとき、内側材料4が、外側材料2よりも伸度が大きい材料で構成されているため、内側材料4の方が外側材料2よりも伸びる。内側材料4は、内側に向かって伸びるため、隣接する補強室22の内側材料4が互いを押圧し、この押圧力によって外側材料2も外側に押される。充填材108が充填された状態の補強材1では、外側材料2はそのほとんどが電柱100の内壁に密着し、隣接する補強室22の内側材料4は、その一部が互いに密着している。したがって、各補強室22には、隣接する補強室22との間に、外側材料2及び内側材料4が密着する密着部36が形成される。また、連通部26は、図示しないが環状に膨らむ。
【0027】
また、充填材108を充填している間に、充填材108内に含まれる水分が外側材料2及び内側材料4を通して補強材1の外側に浸みだし、充填材108から水分がある程度取り除かれる。
補強材1を膨張させた後、補強材1を電柱100内部に放置することによって内部の充填材108を乾燥させ、固化させる。その後、作業孔102を塞ぐことによって補強材1の設置作業を終了する。
【0028】
このように構成された本実施形態によれば、次のような優れた効果を得ることができる。
補強材1が筒状且つ袋状に形成されているため、電柱100内部を筒状に補強することができるので、補強された部分の重量を軽量化することができる。したがって、電柱100の補強を効果的に行うことができる。
【0029】
補強材1の外側材料2と内側材料4の間に補強材料6が配置されているので、補強材1の補強性能を向上させることができる。また、補強繊維16が、筒状軸線X方向に沿って配置されているので、電柱100の軸線方向の強度を向上させることができる。
【0030】
補強材1の外側材料2及び内側材料4が伸度のある材料で構成されているので、充填材108を充填すると、外側材料2及び内側材料4がそれぞれ互いに離れる方向に伸びる。この伸びによって外側材料2は電柱100の内壁に押し付けられるので、補強材1の固定力を増すことができる。また、外側材料2の方が内側材料4よりも伸度が小さいので、内側材料4はより内側に伸び、隣接する補強室22の内側材料4と互いに押圧し合い、その結果、外側材料2を電柱100の内壁に押し付ける。したがって、補強材1の固定力、補強力を向上させることができる。
【0031】
補強材1を膨張させることによって補強材1を電柱100内の所定位置に固定することができるので、補強材1の支持構造等が不要となり、設置工程が簡単になるとともに、施工を省力化することができる。
【0032】
補強材1の筒状軸線X方向に沿って結合部20が形成され、補強材1が筒状軸線Xに沿った複数の補強室22に仕切られているので、外側材料2及び内側材料4の伸び率を補強材1の全周に亘って均一に維持することができる。したがって、補強材1の全周に亘って均一な補強力を得ることができる。
【0033】
周方向に隣接する非結合部24が、同じ高さに配置され、連通部26が補強材1の周囲に沿って環状に設けられているので、1箇所の注入口30から充填材を充填しても、複数の補強室22に充填材を行き渡らせることができる。したがって、充填材の充填作業を非常に簡易に行うことができる。
【0034】
外側材料2及び内側材料4が、水分は通すが充填材は通さない編目で形成されているので、充填材を充填するに従い、水分のみが補強材1の外側に浸みだしてくる。通常、セメントやグラウト等の充填材は、流動性を確保するために水を混ぜる必要がある。一方、充填材の水分が多いと緻密な構造体とならないため、混ぜた水をある程度排出する必要がある。本実施形態では、充填工程において外側材料2及び内側材料4を通して充填材の水分が補強材1の外側に排出されるので、充填材を緻密な構造体とすることができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかる中空柱状物の補強材40について説明する。本発明の第2実施形態にかかる中空柱状物の補強材40は、第1実施形態にかかる中空柱状物の補強材1の補強材料6が設けられていない他は、第1実施形態にかかる中空柱状物の補強材1と同じ構造である。
図7は、本発明の第2実施形態にかかる中空柱状物の補強材40の横断面図を示す。この図7に示すように、補強材40は、外側材料42と、内側材料44とを有するが、第1実施形態の補強材1のような補強材料6は有していない。したがって、本実施形態の補強材40は、第1実施形態の3層の補強材1とは異なり2層の補強材40として構成されている。
【0036】
このような補強材40を電柱100に設置する場合でも、外側材料42及び内側材料44が伸びて、外側材料42を電柱100の内壁に押し付けるので、第1実施形態にかかる補強材1と同様に、良好な補強力を得ることができる。
【0037】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかる中空柱状物の補強材50について説明する。第3実施形態では、補強材50が断面矩形状の構造物等の中空柱状物内に配置される場合について説明する。本発明の第3実施形態にかかる中空柱状物の補強材50は、第2実施形態にかかる中空柱状物の補強材40と同じ構造である。
【0038】
図8は、本発明の第3実施形態にかかる中空柱状物の補強材50が、断面矩形状の構造物200内に配置された状態の横断面図である。この図8に示すように、構造物200の断面形状が矩形状であっても、外側材料52及び内側材料54が伸びて断面形状に沿って変形するので、良好な固定力と補強力を得ることができる。
【0039】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、以下のような態様であってもよい。
前述の実施形態では、補強材に取付部を取り付け、この取付部をバルーンで固定することによって補強材を電柱内の所定位置に配置したが、このような方法に限らず、例えば補強材にプラスチックパイプを取り付け、このプラスチックパイプを押し上げて補強材を所定位置まで移動させ、プラスチックパイプを電柱内に立てかけることによって補強材を所定位置で保持するようにしてもよい。
【0040】
本発明の補強材は、電柱に限らず、例えば高架橋の柱、橋脚の構造物等、中空となっており補強を必要とする中空柱状物に適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 補強材
2 外側材料
4 内側材料
6 補強材料
22 補強室
24 非結合部
26 連通部
100 電柱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8