特許第6069743号(P6069743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6069743
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】自動車用ドアプロテクター
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/04 20060101AFI20170123BHJP
   B60R 13/04 20060101ALN20170123BHJP
【FI】
   B60J5/04 J
   !B60R13/04
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-132549(P2016-132549)
(22)【出願日】2016年7月4日
【審査請求日】2016年8月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390003609
【氏名又は名称】株式会社クニムネ
(74)【代理人】
【識別番号】100072213
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 一義
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100163670
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 裕史
(72)【発明者】
【氏名】国宗 範彰
(72)【発明者】
【氏名】山本 雅彦
【審査官】 佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭51−097924(JP,U)
【文献】 実開昭55−023995(JP,U)
【文献】 実開昭59−137817(JP,U)
【文献】 実開平01−083613(JP,U)
【文献】 実開平01−087920(JP,U)
【文献】 実開平03−028017(JP,U)
【文献】 実開平06−061642(JP,U)
【文献】 特開2002−144873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/04
B60R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の仕切部(1)で仕切られた片側には断面略U字状に形成される嵌着部(2)を有し、もう片側には断面半円状に形成される緩衝部(3)を有する筒状体(P)とし、前記仕切部(1)の中間部分に、この仕切部(1)を長さ方向に分離可能とした分離部(4)を設けた自動車用ドアプロテクターであって、
前記分離部(4)は、長さ方向に設けた嵌合部(7、8)を嵌脱自在としており、
前記嵌合部(7、8)を互いに嵌め合わせて分離部(4)を連結した状態にして、仕切部(1)と嵌着部(2)の間から、ドアの開閉端に差し込むか、前記嵌合部(7、8)の嵌合を外して分離部(4)を分離した状態にして、仕切部(1)と嵌着部(2)の間から、ドアの開閉端に差し込むようにしていることを特徴とする自動車用ドアプロテクター。
【請求項2】
前記筒状体(P)は、弾性を有する合成樹脂で作成しており、前記仕切部(1)を一番分厚く形成し、嵌着部(2)、緩衝部(3)の順で薄く形成していることを特徴とする請求項1記載の自動車用ドアプロテクター。
【請求項3】
前記嵌着部(2)は、開端部に、長さ方向に沿って、丸みを帯びた突条部(2a)を前記仕切部(1)に対向するようにして設けていることを特徴とする請求項1または2記載の自動車用ドアプロテクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のドアの開閉端に取り付け、ドアの開放時にその開閉端が他の自動車などにぶつかって傷ついたり、他の自動車などを傷つけたりするのを防止するための自動車用ドアプロテクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自動車用ドアプロテクターとしては、例えば図11に示すように、緩衝部11と嵌合部12とからなっており、緩衝部11を曲面部13と平坦部14とから一体に成形したものが存在する(特許文献1)。
【0003】
そして、この自動車用ドアプロテクターは、平坦部14をドアのヒンジ方向に延長させて延長部15を形成し、平坦部14と略平行に、所定の間隔をあけてドアのヒンジ方向に向けて嵌合片16を形成している。
【0004】
さらに、この自動車用ドアプロテクターは、平坦部14と嵌合片16の一方の端部を閉鎖端とし、他方の端部を開放端とし、平坦部14と延長部15との連結部17に略対向するようにして、嵌合片16の開放端に突起片18を突設している。
【0005】
このようにした自動車用ドアプロテクターは、図12に示したように、平坦部14とドアの開閉端Eの外表面とが広い面積で面接触するようにしたので、平坦部14とドアの開閉端Eの外表面との間で局所的に応力が発生することがなく、ドアの開閉端Eの外表面が傷つくことを防止できる効果があるとしている。
【0006】
また、従来の自動車用ドアプロテクターとしては、例えば図13に示すように、中央部分を平板状に仕切られ、その片側には断面略U字状に形成される取付け部21を有し、もう片側には断面半円状に形成されるクッション部22を有する筒状の物品としたものが存在する(特許文献2)。
【0007】
そして、この自動車用ドアプロテクターは、取付け部21がクッション部22と接する部分の一端が筒の外方に突出するように延び、その他端に鉤状曲部23を有している。
【0008】
さらに、この自動車用ドアプロテクターは、取付け部21に、クッション部22と接する片面から突出したヘラ状の突起24を有している。
【0009】
このようにした自動車用ドアプロテクターは、自動車のドアの開閉端にその取付け部21から挿入されることにより使用されるとしている。挿入されたドアの開閉端は取付け部21の奥深く入り、その開閉端の先端部が取付け部21の奥の部分とヘラ状の突起24とで挟持されるとしている。また、ドアの開閉端の先端にあるヘミング部と取付け部21の先端の鉤状曲部23が嵌合して係止されるとしている。そして、クッション部22はドアの開閉端による損傷を防ぐとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−144873号公報
【特許文献2】特開2003−12817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の自動車用ドアプロテクターは、乗用車などの小、中型自動車のドアの開閉端の厚さに適するように寸法設計されているので、このような小、中型自動車のドアの開閉端に取り付ける場合には問題はなかったが、トラック、トレーラなどの大型自動車においては、ドアの開閉端が小、中型自動車に比べ相当に分厚いので、前記嵌合部や取付け部がその開閉端に嵌め込み難く、また嵌め込んでも、その嵌め込み具合が充分ではなく、外れ易いという問題点を有していた。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の自動車用ドアプロテクターが有する問題点を解決するためになされたものであり、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアであっても、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアであっても、これらドアの開閉端に嵌め込み易く、またその嵌め込みも充分で、外れ難いようにした自動車用ドアプロテクターを提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そのため、本発明の自動車用ドアプロテクターは、平板状の仕切部1で仕切られた片側には断面略U字状に形成される嵌着部2を有し、もう片側には断面半円状に形成される緩衝部3を有する筒状体Pとし、前記仕切部1の中間部分に、この仕切部1を長さ方向に分離可能とした分離部4を設けたものとし、前記分離部4は、長さ方向に設けた嵌合部7、8を嵌脱自在としており、前記嵌合部7、8を互いに嵌め合わせて分離部4を連結した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアの開閉端に差し込むか、前記嵌合部7、8の嵌合を外して分離部4を分離した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアの開閉端に差し込むようにしている。
【0014】
本発明の自動車用ドアプロテクターにおいて、前記筒状体Pは、弾性を有する合成樹脂で作成しており、前記仕切部1を一番分厚く形成し、嵌着部2、緩衝部3の順で薄く形成している。
【0020】
本発明の自動車用ドアプロテクターにおいて、前記嵌着部2は、開端部に、長さ方向に沿って、丸みを帯びた突条部2aを前記仕切部1に対向するようにして設けている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動車用ドアプロテクターは、以上に述べたような構成としているので、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアであっても、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアであっても、これらドアの開閉端に嵌め込み易く、またその嵌め込みも充分で、外れ難いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の自動車用ドアプロテクターの一実施形態を示す斜視図である。
図2図1に示す自動車用ドアプロテクターの端面図である。
図3】本発明の自動車用ドアプロテクターの他の実施形態を示す斜視図である。
図4図3に示す自動車用ドアプロテクターの端面図である。
図5】本発明の自動車用ドアプロテクターを、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアに取り付けた状態を示す斜視図である。
図6】本発明の自動車用ドアプロテクターの一実施形態の図5に示す取り付け状態の断面図である。
図7】本発明の自動車用ドアプロテクターの他の実施形態の図5に示す取り付け状態の断面図である。
図8】本発明の自動車用ドアプロテクターを、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアに取り付けた状態を示す斜視図である。
図9】本発明の自動車用ドアプロテクターの一実施形態の図8に示す取り付け状態の断面図である。
図10】本発明の自動車用ドアプロテクターの他の実施形態の図8に示す取り付け状態の断面図である。
図11】従来の自動車用ドアプロテクターの一例を示す斜視図である。
図12図11の自動車用ドアプロテクターを、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアに取り付けた状態を示す断面図である。
図13】従来の自動車用ドアプロテクターの他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の自動車用ドアプロテクターを実施するための形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
本発明の自動車用ドアプロテクターは、図1〜4に示したように、中間部分を平板状の仕切部1で仕切られ、その片側には断面略U字状に形成される嵌着部2を有し、もう片側には断面半円状に形成される緩衝部3を有する筒状体Pとしている。
【0025】
筒状体Pは、弾性を有する合成樹脂で作成しており、押出成形体または射出成形体としている。この筒状体Pは、仕切部1を一番分厚く形成し、嵌着部2、緩衝部3の順で薄く形成していくことにより、仕切部1の強度を一番強くし、嵌着部2、緩衝部3の順で強度を弱くしている。このようにすることにより、仕切部1はドアの開閉端Eを確りと押え、嵌着部2はドアの開閉端Eに確りと嵌め込まれ、緩衝部3は他の自動車などにぶつかったときに充分な緩衝力を有するものとなる。
【0026】
前記仕切部1は、中間部分には、この仕切部1を長さ方向に分離可能とした分離部4を設けたものとしている。さらに、前記仕切部1は、略中央部分には、必要に応じ長さ方向に沿って、突条部1aを前記嵌着部2に対向するようにして設けたものとしている。また、前記仕切部1は、嵌着部2の開端部側に平板状の延長部1bを設けている。さらに、前記嵌着部2は、開端部に、長さ方向に沿って、丸みを帯びた突条部2aを前記仕切部1に対向するようにして設けている。
【0027】
前記仕切部1の分離部4は、長さ方向に着脱自在として連結できるようにしており、分離した後に再び連結可能としている。
【0028】
すなわち、分離部4は、図1、2に示したように、長さ方向に設けた引掛部5、6を掛脱自在としており、分離した後に再び連結可能としている。前記引掛部5、6は、鉤状に形成しており、これら引掛部5、6の屈曲部5a、6bの外形状は何れも丸みを帯びたものとしているが、このような形状に限定されるものではない。
【0029】
さらに、分離部4は、図3、4に示したように、長さ方向に設けた嵌合部7、8を嵌脱自在としており、分離した後に再び連結可能としている。前記嵌合部7、8は、断面略Ω字状に形成された凹嵌合部と、断面円形状に形成された凸嵌合部としており、これらの外形状は何れも丸みを帯びたものとしているが、このような形状に限定されるものではない。
【0030】
以上のように構成された本発明の自動車用ドアプロテクターは、図5〜10に示したように、自動車のドアの開閉端に取り付けられる。図5〜7は、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアに取り付けた状態を示しており、図8〜10は大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアに取り付けた状態を示している。
【0031】
先ず、図1、2に示した本発明の自動車用ドアプロテクターでは、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアDn に取り付ける場合には、図6に示したように、引掛部5、6を互いに引っ掛けて分離部4を連結した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアDn の開閉端Eに差し込む。
【0032】
さらに、図3、4に示した本発明の自動車用ドアプロテクターでも、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアDn に取り付ける場合には、同様に図7に示したように、嵌合部7、8を互いに嵌め合わせて分離部4を連結した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアDn の開閉端Eに差し込む。
【0033】
すると、この場合のドアDn は、外壁Wo が開閉端Eより盛り上がることなく平坦であるので、分離部4を連結した状態のままでも、仕切部1の延長部1bがこの外壁Wo を押圧できる。そして、仕切部1の突状部1aが開閉端Eの外面を押圧し、嵌着部2の突状部2aが開閉端Eの内面を押圧することになる。したがって、これら仕切部1と嵌着部2の間に確りと挟持された状態で、図1、2および図3、4に示した本発明の自動車用ドアプロテクターがドアDn に取り付けられることになる。
【0034】
次に、図1、2に示した本発明の自動車用ドアプロテクターでは、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアDt に取り付ける場合には、図9に示したように、引掛部5、6を外して分離部4を分離した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアDt の開閉端Eに差し込む。
【0035】
さらに、図3、4に示した本発明の自動車用ドアプロテクターでも、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアDt に取り付ける場合には、同様に図10に示したように、嵌合部7、8の嵌合を外して分離部4を分離した状態にして、仕切部1と嵌着部2の間から、ドアDt の開閉端Eに差し込む。
【0036】
すると、この場合のドアDt は、外壁Wo が開閉端Eより盛り上がって出っ張っているが、分離部4を分離した状態にすると、仕切部1が展延して、延長部1bがこの外壁Wo を押圧できる。そして、仕切部1の突状部1aが開閉端Eの外面を押圧し、嵌着部2の突状部2aが開閉端Eの内面を押圧することになる。したがって、これら仕切部1と嵌着部2の間に確りと挟持された状態で、図1、2および図3、4に示した本発明の自動車用ドアプロテクターがドアDt に取り付けられることになる。
【0037】
以上に述べたように、本発明の自動車用ドアプロテクターは、小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアDn であっても、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアDt であっても、これらドアの開閉端に嵌め込み易く、またその嵌め込みも充分で、外れ難いものとなった。
【符号の説明】
【0038】
1 仕切部
1a 突条部
1b 延長部
2 嵌着部
2a 突条部
3 緩衝部
4 分離部
5 引掛部
6 引掛部
7 嵌合部
8 嵌合部
P 筒状体
【要約】
【課題】小、中型自動車などのドアの開閉端が普通または薄いドアであっても、大型自動車などのドアの開閉端が分厚いドアであっても、これらドアの開閉端に嵌め込み易く、またその嵌め込みも充分で、外れ難いようにした自動車用ドアプロテクターを提供する。
【解決手段】平板状の仕切部1で仕切られた片側には断面略U字状に形成される嵌着部2を有し、もう片側には断面半円状に形成される緩衝部3を有する筒状体Pとし、前記仕切部1の中間部分に、この仕切部1を長さ方向に分離可能とした分離部4を設けたものとしている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13