(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
中空部(34)を有するコア(30)と、この中空部(34)に挿入されると共に、該中空部(34)の内周面(30a)に接触しないように配置されるバスバー(20)とから構成されるバスバーアセンブリにおいて、
前記バスバー(20)が挿入された中空部(34)における、該バスバー(20)とコア(30)との間にできる隙間(40)は、絶縁性を発現する樹脂(42)によって充填されており、
これにより前記バスバー(20)およびコア(30)は、一体的に構成されており、
前記バスバー(20)は、導電性材料で形成された本体部(102)と、
前記本体部(102)を外部部材に接続するための端子部(103)と、を有しており、
前記端子部(103)には、前記外部部材が接続される側にのみ開口した接続孔部(104)が形成されている
ことを特徴とするバスバーアセンブリ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような構造であると、バスバーの所定位置にコアを簡単に固定保持することができる。しかしその一方で、以下の点が問題となる。すなわち、
(1)車両等の振動によって、バスバーとコアとの間の距離が変動する虞があり、この変動によりコアの電磁波ノイズ低減効果が安定しない。また、バスバーとコアとの距離変動を抑えようとすると、固定するための部材が大がかりとなって、取り付けの手間が煩雑化したり、重量が増加する。
(2)バスバーには大電流が流れるため、その発熱量も大きい。しかし、コア近傍にはバスバーから熱を放出する機構がないため、バスバーに貯まった熱が長時間に亘ってコアを加熱・蓄熱され、その結果、コアの電磁波ノイズ低減効果が悪化する。また、電磁波ノイズを低減することによってコア自体も発熱するため、該コアの蓄熱はより顕著なものとなる。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、バスバーに対してコアを一体的に固定することで、その位置ずれをなくすと共に、該コアへの熱の影響を低減するバスバーアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載のバスバーアセンブリは、中空部を有するコアと、この中空部に挿入されると共に、該中空部の内周面に接触しないように配置されるバスバーとから構成されるバスバー
アセンブリにおいて、
前記バスバーが挿入された中空部における、該バスバーとコアとの間にできる隙間は、絶縁性を発現する樹脂によって充填されて、
これにより前記バスバーおよびコアは、一体的に構成されて
おり、
前記バスバーは、導電性材料で形成された本体部と、前記本体部を外部部材に接続するための端子部と、を有しており、前記端子部には、前記外部部材が接続される側にのみ開口した接続孔部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2記載のバスバーアセンブリは、少なくとも前記コアは、導電性を備えるケースによって覆われていることを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の請求項3記載のバスバーアセンブリは、前記ケースは、その内面の一部が前記コアに接触するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
更にまた、本発明の請求項4記載のバスバーアセンブリは、前記樹脂は、溶融温度が200℃以下であることを特徴とする。
更にまた、本発明の
請求項5記載のバスバーアセンブリは、端子部は、平板状に形成されているとともにその平板状の部位に厚み方向に貫通する貫通孔が形成されており、接続孔部は、貫通孔を外部部材と反対側から閉塞する閉塞部材により形成されていることを特徴とする。
更にまた、本発明の
請求項6記載のバスバーアセンブリは、バスバーは外部部材とねじ部材によって接続され、接続孔部は、筒部と底部とを有する有底筒状に形成され、筒部の内周側がねじ部材にかみ合うとともに、底部によりねじ部材の先端側を閉塞する閉塞部材により形成されていることを特徴とする。
更にまた、本発明の
請求項7記載のバスバーアセンブリは、バスバーは外部部材とリベット部材によって接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のバスバーアセンブリによれば、前記隙間に樹脂が充填されるため、バスバーとコアの内周面との距離が小さくなっても、バスバー−コア間の絶縁が確実に担保されて、コアの位置ずれがなくなる。
従って、バスバーの大きさに対して、コアの機能(バスバーに流れる電磁波ノイズを低減する能力)を損なうことなく、コアの大きさも小さくできる。言い換えれば、同じスペースにおいては、コアの厚さ(内周面から外周面までの距離)を最大化できるので、前述の機能を最大化できる。
【0012】
また、本発明のバスバーアセンブリによれば、コアが導電性を備えるケースによって覆われている(請求項2)ため、外部からコア近傍への電磁波ノイズが低減される。
更に、本発明のバスバーアセンブリによれば、ケースの内面の一部がコア)に接触する(請求項3)ため、この接触部分からコアの熱が放出されて、コアの蓄熱が抑制される。従って、熱による該コアの性能(バスバー内を流れる電磁波ノイズの低減)劣化を低減できる。
【0013】
更にまた、本発明のバスバーアセンブリによれば、前記樹脂は溶融温度が200℃以下である(請求項4)ため、余り温度をかけずに、またコアに対して大きな物理的衝撃を加えずにバスバーとコアとの一体化が可能である。
更にまた、本発明のバスバーアセンブリによれば、接続孔部は外部部材が接続される側にのみ開口している(請求項5)ので、外部部材と接続した際の金属片や金属くず等が外部に放出されることがない。
更にまた、本発明のバスバーアセンブリによれば、接続孔部は、端子部に形成されている貫通孔を外部部材と反対側から閉塞する閉塞部材により形成されている(請求項6)ため、従来構成のバスバーアセンブリに容易に本発明を適用することができる。
更にまた、本発明のバスバーアセンブリによれば、バスバーは外部部材とねじ部材によって接続され、接続孔部は、ねじ部材の先端側を閉塞する閉塞部材により形成されている(請求項7)ので、ねじ部材を締め込む際に生じる金属片や金属くずは、ねじ部材そのものと、閉塞部材とにより形成される空間に留まる。したがって、より確実に金属片や金属くず等が外部に放出されることを防止できる。
更にまた、本発明のバスバーアセンブリによれば、バスバーと外部部材とがリベット部材によって接続される(請求項8)場合であっても、リベット部材で接続する際に生じる金属片や金属くず等が外部に放出されることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
実施例に係るバスバーアセンブリは、例えば電気自動車や、ハイブリッド自動車の駆動源である走行用の三相交流モーターの電力供給部や、該モーターの制御装置への電力供給部などに使用される。但し、本実施例では、作業者の安全のため、構造的に外部から隔離するためにその全体を覆うカバー部材、該カバー部材内におけるバスバーアセンブリの固定部材や、コンデンサその他の説明が不要な部材については記載を省略する。
【0016】
前記バスバーアセンブリ10は、
図1に示す如く、少なくともバスバー20と、コア30と、このコア30の外側全体を覆っている被覆層36とを備えている。
そして前記バスバー20は、板状とされた、例えば銅等の導電性材料からなる導電部材であり、本願に係るバスバーアセンブリ10が使用される各種装置において電流路として用いられる。
【0017】
前記コア30は、中心部に矩形の中空部34が画成された矩形の磁性体であり、本実施例においてはフェライトから構成される。そして、前記中空部34には、前記バスバー20が挿通されるようになっている。このような構成により、前記コア30は、前記バスバー20に流れる電磁波ノイズを低減するノイズ除去具として機能する。
【0018】
前記コア30は、前記バスバー20を囲むように上下から挟み込む2つの第1コア部材31と、第2コア部材32とから構成される。前記第1コア部材31および第2コア部材32は、何れも同じ凹形状のフェライトである。
図2に示す如く、前記第1コア部材31は、前記バスバー20に対して上方から凹んだ部分を下向きにして、前記第2コア部材32は、該バスバー20に対して下方から凹んだ部分を上向きにして、該バスバー20を挟み込むように組み合わされる(
図2の二点鎖線参照)。そして、両コア部材31、32を組み合わせることにより、バスバー20を囲むコア30が構成され、該コア30の中心部に該バスバー20が挿通する中空部34が画成されると共に、該中空部34においてバスバー20が存在しない部分(隙間40)が樹脂40で充填される。
【0019】
前記バスバー20の外周面は、何れも前記中空部34の内周面30aに接触しないようなっている。そして、前記バスバー20は、前記中空部32における略中央部に位置するようにされる。すなわち、
図3に示す如く、バスバー20の左右の外周面と前記内周面30aとの距離A、Aは略等しく、また上下の外周面と前記内周面30aとの距離B、Bは略等しくされている。なお
図3において、前記隙間40を充填する樹脂42は記載していない。
【0020】
また前記距離A、Bは、0.5mm以上であることが好ましい。この数値は、前記バスバー20に流れている大電流が前記コア30を介して外部にリークすることを確実に回避するためである(特に被覆層36が存在しない場合に実効的な意味を持つ)。従って、前記バスバー20の形状や、そこを流れる電流量によって、適宜変動する。
【0021】
前記コア30において、前記バスバー20が挿通される中空部34において該コア30とバスバー20との間に画成される隙間40には、絶縁性の樹脂42が充填されている。前記樹脂42としては、例えば絶縁性を有する熱可塑性樹脂の如き各種樹脂材料が用いられる。
前記隙間40が絶縁性の樹脂42で充填されることにより、前記コア30のバスバー20に対する位置ずれがなくなり、また該バスバー20に流れる電流がコア30にリークする虞がなくなって、安全性が確保される。
【0022】
また前記樹脂42は、好適には射出成形等の方法によって、前記隙間40に充填されるため、加熱によって射出が容易となる樹脂材料、具体的には、その溶融温度が200℃以下のものが好ましい。
また、好適には特に200℃における溶融粘度が750dPa−S以下であるのホットメルト型の熱可塑性樹脂が挙げられる。このような樹脂材料を選定することで、本発明に係るバスバーアセンブリ10の製造が容易となる。
【0023】
前記樹脂42は、例えば以下のように前記隙間40に充填される。前記コア30を構成する両コア部材31、32とバスバー20とを、組み上がったバスバーアセンブリ10の形状に保持して仮固定できるように設計した金型内に配置する。そして、この金型内に前記樹脂42を射出注入する。
【0024】
このように金型内に配置したバスバー20やコア30(コア部材31、32)に対して樹脂42を射出する場合、該樹脂42の射出圧が問題となる。すなわち射出圧が高いと、場合によっては樹脂42の射出時に前記バスバー20やコア30の、金型内における配列が乱されたり、またはコア30が割れる虞がある。このような問題が生じると、前記コア30の機能が製品毎にばらついて不安定化したり、設計上規定した水準に至らない虞が生じる。
【0025】
これに対して、前記樹脂42の溶融温度が200℃以下であると、低い温度で充分な流動性を確保できるため、(加熱等に係る製造コストを抑えつつ、)射出圧を低くできる上、更にコア30に掛かる物理的衝撃を小さくできる。従って、上記問題を回避し得る。また流動性が高い樹脂42を使用すると、前記距離A、B(バスバー20とコア30との間の距離)が0.5mm程度の小さい数値であっても、確実に充填可能となる。
【0026】
前記中空部34の断面形状や大きさ等は、本発明の効果が得られるのであれば、前記バスバー20の断面形状に合わせたり、任意で選択・設定してもよい。例えば、断面形状は、円形状、四角形状等とすることができる。
【0027】
前記被覆層36は、前記バスバー20を囲って組み合わされている両コア部材31,32を、分離しないように強固に一体化してバスバー20に対してコア30の位置ずれしなくする役割や、確実な絶縁性の確保を担う。更に、熱によってその機能が阻害されるコア30から熱を効率的に除去するように熱伝導性が高い物質や、その他の有益な機能を奏する物質を混合してもよい。
なお、前記隙間40に樹脂42を充填することで、両コア部材31,32が強固に一体化できるのであれば、前記被覆層36はなくてもよい。
【0028】
また、本実施例において前記被覆層36は、前記隙間40を充填する樹脂42と同じ樹脂材料から形成されており、該隙間40に樹脂42を充填する際に同時に被覆層36も形成するようになっている。ここで、前記隙間40を充填する樹脂42の樹脂材料と、前記被覆層36を形成する樹脂材料とを異なるものとしてもよい。そして前記隙間40と、被覆層36に夫々要求される機能を担保できる樹脂材料を、夫々に設定して利用するようにしてもよい。この場合、例えば異材質成形法等の公知の方法を用いることで、バスバーアセンブリ10が効率的に製造できる。
【0029】
(別の実施例)
また、上記実施例の構成に対して、前記コア30の外部全体を覆うケース50を加えたバスバーアセンブリ80としてもよい。
ここで前記ケース50は、
図4に示す如く、前記コア30の全体を覆うものであり、導電性を備える金属からなる。前記ケース50により、前記バスバー20に対して外部から入ってくる電磁波ノイズを防止できると共に、該バスバー20を流れる電磁波ノイズであって、前記コア30で低減された電磁波ノイズの外部への放出を確実に防止できる。
なお、前記ケース50は、前記コア30と同様に、上下2つの部材に分割されており、上下から被せることで該コア30を覆うように構成されている。
【0030】
(更に別の実施例)
上述の別の実施例では、コア30は被覆層36で被覆されていない例を挙げたが、
図5に示す如く、被覆層36で覆われたコア30をケース50で更に覆うようにしたバスバーアセンブリ90としてもよい。
このようにすることで、前記バスバー20に対して外部から入ってくる電磁波ノイズを防止すると共に、被覆層36の機能を付加し、かつ更にコア30の放熱性を向上し得る。
この場合、前記被覆層36としては、熱伝導性の高いものが特に好適である。
【0031】
(更に別の実施例)
図7に示すように、バスバー101は、導電性材料で形成された本体部102と、その本体部102を外部部材(例えば、後述する他のバスバー201等)に接続する際の端子となる端子部103と、を有している。このバスバー101は、後述する
図12に示すようにフェライトコア120が取り付けられて、バスバーアセンブリ100を構成する。
【0032】
バスバー101の本体部102は、本実施例では導電性材料として銅を採用しており、その断面形状が矩形となる平板形状に形成されている。この本体部102は、板状の銅を切り出して折り曲げ加工するものや押し出し成形により形成されており、バスバーアセンブリ100が配置される状態やバスバーアセンブリ100が接続される外部部材の形状等に応じて、その板幅方向や板厚方向に屈曲されている。なお、本体部102は、例えばその断面形状が円形となる棒状に形成されたものであってもよい。また、導電性材料としては銅以外の導電性材料を採用してもよい。
【0033】
端子部103は、本体部102の端部に、本体部102が延長した形状で、本体部102と一体になった平板形状に形成されている。この端子部103には、外部部材を接続するための孔部であって、その外部部材が接続される側(
図7の場合、端子部103の上面側。以下、便宜的に接続面103a側と称する)にのみ開口した接続孔部104が形成されている。この接続孔部104は、後述するように、閉塞部材105により形成されている。なお、本実施例では平板形状の端子部103を採用しているため接続面103aが平面形状となっているが、例えば棒状のバスバーを採用する場合には、その接続面は曲面形状となってもよい。
【0034】
ここで、接続面103a側にのみ開口した接続孔部104を設ける背景について説明する。
バスバー101は、
図8(a)、(b)に示すように、その端子部103が、一般的にはボルト202とナット203等の接続部材(ねじ部材)によって、他のバスバー201等に接続される。これにより、バスバー101と他のバスバー201とは、密に接触した状態で互いに固定される。
【0035】
このとき、ボルト202は、ナット203に形成されているねじ山と係合しつつ、その先端202aがナット203から突出する。つまり、ナット203と擦れ合ったボルト202は、その先端202a側が、そのまま外部に露出する。この場合、ボルト202とナット203とが擦れ合った際に生じた微細な金属片や金属くずは、そのまま外部に排出されることになる。その結果、例えばバスバーアセンブリ100を何らかの筐体内に配置する場合、その筐体内に金属片等が残留し、振動等の要因により筐体内に散乱する虞がある。
【0036】
さて、バスバーアセンブリ100の利用形態を考慮すると、そのような金属片等が存在することは大きな問題となる。すなわち、大電圧・大電流の電流路に利用されるバスバーアセンブリ100に金属片等が付着して短絡が生じると、過熱等を引き起こす要因となってしまう。また、バスバーアセンブリ100の周辺に存在する回路等に金属片が付着して短絡すると、破損や誤動作等を引き起こす虞がある。そのため、本実施例のバスバー101は、接続面103a側にのみ開口した接続孔部104を形成することで、金属片や金属くずが散乱する虞を低減させている。
【0037】
次に、上記した接続孔部104の詳細について、バスバーアセンブリ100の製造工程とともに説明する。
この製造工程では、まず
図9に示すように、バスバー101の端子部103に、貫通孔103bが形成される。この貫通孔103bは、端子部103を厚み方向に貫通している。なお、従来構成のものであっても、貫通孔103bの形成は行われている。つまり、バスバー101の製造そのものは、従来の工程および従来の設備を使用することができる。
【0038】
続いて、この貫通孔103bに閉塞部材105が取り付けられる。この閉塞部材105は、
図10(a)〜(c)に示すように、円筒状の壁部106と、壁部106の一方の端部を閉塞する底部107とを有し、底部107の反対側の端部が開口部108となる有底円筒状に形成されている。この閉塞部材105は、ボルト202と係合可能な強度を有する金属材料により形成されている。この閉塞部材105としては、例えばいわゆるクリンチングナットのようなものを好適に採用することができる。
【0039】
壁部106の内周面には、図示は省略するが、ボルト202と係合するねじ山が形成されている。また、壁部106の開口部108側の端部には、その外周側に、凹凸形状に形成された第一嵌合部109と、外周側に向かって凸となる第二嵌合部110とからなる嵌合部111が設けられている。嵌合部111の第一嵌合部109の外径はバスバーの貫通孔103bよりも若干大きく形成されており、この第一嵌合部109が貫通孔103bに圧入されることにより、
図11(a)に示すように、閉塞部材105がバスバー101の端子部103に取り付けられる。このとき、閉塞部材105の嵌合部111は、その全体が貫通孔103bの内側に収容されている。すなわち、閉塞部材105は、端子部103に取り付けられたとき、端子部103の接続面103a側に突出しないようになっている。
【0040】
この
図11(a)に示すように、閉塞部材105が取り付けられた状態では、開口部108は、貫通孔103bの内周側に位置している。そして、閉塞部材105の開口部108と反対側の端部(図示下方の端部)は、底部107によって閉塞されている。そして、閉塞部材105の開口部108にボルト202が係合する。この閉塞部材105の開口部108は、接続面103a側にのみ開口し、ボルト202と係合するための孔部となる。すなわち、閉塞部材105の開口部108が、接続孔部104として機能する。
【0041】
この状態でボルト202が締め付けられると、
図11(b)に示すように、ボルト202の先端202aは、閉塞部材105に覆われて外部に露出することがない。なお、この
図11(b)は、バスバー101が図示しない外部部材に接続された状態を示している。そして、閉塞部材105は、その壁部106の高さH1が、少なくとも、バスバー101と外部部材とが締め付けられた状態においてボルト202の先端202aが底部107の内面側に接触しない程度となっている。
【0042】
これにより、閉塞部材105の内部には、底部107の内面とボルト202の先端20aとの間に、高さH2の隙間が形成されることになる。つまり、ボルト202により他のバスバー201等を^接続する場合、接続孔部104の開口がボルト202自体により閉鎖されるとともに、ボルト202の先端202a側が底部107により閉鎖される。その結果、金属片や金属くずがボルト202と閉塞部材105とにより形成される袋とじ状となった空間に留まることになり、ボルト202と閉塞部材105とが擦れ合った際に生じる金属片や金属くず等は、閉塞部材105の内部の隙間に留まり、外部に放出されることがない。
【0043】
さて、このバスバー101には、
図12に示すように、フェライトコア120が設けられる。なお、このフェライトコア120は、上述した実施例のフェライトコア30(
図1参照)と同等のものである。なお、フェライトコア120は、
図2に示したものに限らず、
図6に示したものや、バスバー101を円環状に囲う円筒形状のもの等であってもよい。
【0044】
そして、
図13に示すように、バスバー101とフェライトコア120との隙間は、上述の実施例と同様に絶縁性を有する樹脂121で充填される。このとき、バスバー101およびフェライトコア120の双方が樹脂121で覆われる。なお、樹脂121は、上述の実施例で示した樹脂42と同様のものである。
【0045】
ところで、端子部103の接続面103aは、外部部材が接続される部位であることから、樹脂121で覆う必要がない。このため、バスバーアセンブリ100を樹脂121で覆うために金型に収容する際、接続面103aをマスクする必要がある。このとき、上記したように接続面103aは、閉塞部材105が突出しないようになっていることから、平面形状となる。このため、接続面103a側を平面形状の金型部材で覆えば、接続面103aをマスクすることができる。すなわち、接続面103aをマスクする場合には、金型の構造を複雑化する必要は無く、また、特別に部材を必要とすることもない。そのため、バスバーアセンブリ100に閉塞部材105を設けたとしても、金型が複雑化して設備コストが大きく増加したり、その製造工程が複雑化して作業コストが増加すること等がない。
【0046】
さて、このように製造されたバスバーアセンブリ100は、図示しない外部部材に接続された際、
図14に示すように、ダイキャスト210等に当接した状態で配置される。この場合、フェライトコア120とダイキャスト210との間は、樹脂121によって絶縁されている。このとき、閉塞部材105も、
図14および
図15に示すように樹脂121で覆われているため、閉塞部材105とダイキャスト210との間も絶縁されている。なお、
図15に示すように、端子部103の接続面103aは、上記したように樹脂121で覆われてはいない。
【0047】
従来構成のバスバーアセンブリでは、このように配置された際、端子部がダイキャスト210から浮いた状態(離間した状態)になっていた。これに対して、本実施例では、閉塞部材105の高さH1を配置態様に合わせた適宜の長さとしておくことで、閉塞部材105をダイキャスト210に当接させることが可能となる。
【0048】
これにより、端子部103に
図14において図示右方への力が加わったとしても、閉塞部材105によって端子部103の撓みが抑制される。そのため、例えば振動等が生じる箇所にバスバーアセンブリ100を使用するような場合において、振動による変形が繰り返されるいわゆる金属疲労等によりバスバー101が破損したりする虞を抑制することができる。また、樹脂121を防振、吸振、熱伝導、吸熱等の機能を有するエラストマー等の材料で形成すれば、振動を更に抑制することや、閉塞部材105を介してダイキャスト210側に放熱すること等も可能となる。
【0049】
以上説明した本実施例によれば、次のような効果を奏する。
バスバー101の端子部103に外部部材が接続される側にのみ開口した接続孔部104を形成しているので、バスバーアセンブリ100と外部部材とを接続した際、金属片や金属くず等が閉塞部材105の外部に放出されることがない。したがって、電流路の短絡や、周辺に存在する回路等の破損あるいは誤動作等のおそれを低減することができる。
【0050】
バスバーアセンブリ100と外部部材とをねじ部材により接続する際、金属片や金属くずが生じる虞があるものの、ねじ部材の先端側(実施例では、ボルト202の先端202a)を閉塞部材105により袋とじ状とすることで、唯一の開口はボルト202により塞がれるため、金属片や金属くず等が散乱するおそれを確実に抑制することができる。
【0051】
バスバー101に閉塞部材105を取り付ける構成としたので、バスバー101そのものは、従来と同じ設備、同じ工程にて製造することができる。つまり、従来構成のバスバーアセンブリに容易に本発明を適用することができる。また、閉塞部材105を設けた構成であっても、接続面103aは平面形状であるので、樹脂121を充填する際の金型の構造が複雑化することもない。したがって、製造コストが大幅に増加することがない。すなわち、本実施例のバスバーアセンブリ100は、金属くずの発生等の使用時の問題を解決できるだけでなく、問題を解決するためのコストの増加をも抑制できるという、格別の効果を両立させている。
【0052】
バスバーアセンブリ100を配置する際、閉塞部材105の高さを適宜設定することで、閉塞部材105をダイキャスト210等に当接させることが可能となる。これにより、バスバーアセンブリ100が金属疲労等により破損する虞を低減できる。したがって、バスバーアセンブリ100の信頼性、ひいては、バスバーアセンブリ100を採用した装置の信頼性を向上させることができる。
【0053】
ところで、バスバーアセンブリ100を接続するための接続部材は、ねじ部材以外にも考えられる。例えば、
図16に示すようなリベット部材140がある。このリベット部材140は、いわゆるブラインドリベットと称されるものである。リベット部材140は、一例として、例えば頭部141と胴部142とを備えたリベット本体を貫通孔103bに貫通させた後、胴部142内に設けられているピン(図示は省略)を引き抜くことで、端子部103の図示下面側において、胴部142が変形して止め部143となる構造等のものが考えられる。
【0054】
このとき、閉塞部材130にはねじ山が不要となるので、接続面103aと反対側において貫通孔103bの近傍を覆う形状とすればよく、
図16に示すような壁部131と底部132とを有する筒状や、ドーム状あるいは袋状のものを採用することができる。この場合、貫通孔103bが、接続孔部104として機能することになる。
【0055】
この閉塞部材130は、例えば溶接等により端子部103に取り付ければよい。このような構成によっても、金属片や金属くず等が閉塞部材130の外部に散乱することを防止できる等、上記した閉塞部材105を設けた場合と同様の効果を得ることができる。
また、閉塞部材130を用いる場合、端子部103の接続面103aと反対側の面(図示下方の面)にナット203を溶接し、ボルト202により接続する構成としてもよい。このような構成とした場合でも、ボルト202とナット203とが擦れ合う際に生じる金属片等は、唯一の開口はボルト202により塞がれるので、閉塞部材130内に留まることになる。これにより、金属片等が閉塞部材130の外部に散乱することを防止できる。
【0056】
(変更例)
上記実施例では、コア30は夫々略同一の凹形状である2つのコア部材31、32から構成されるが、本発明はこの形態に限定されず、例えば、
図6に示す如く、バスバー(図示せず)の上方を囲む矩形の第1コア部材71と、下方および両側方を覆う凹形状の第2コア部材72とから構成してもよい(
図6(a)参照)。
また、実施例に係る両コア部材31、32を、バスバー(図示せず)に対して側方から覆うようにした第1コア部材73、第2コア部材74(
図6(b)参照)や、上記両コア部材71,72を、バスバー(図示せず)に対して側方から覆うようにした第1コア部材75、第2コア部材76(
図6(c)参照)のようにしてもよい。更に
図6(d)のように、コア部材同士の当接面が斜めにした第1コア部材77、第2コア部材78(
図6(d)参照)のようにしてもよい。この他、3つや、4つの部材に分かれた多数のコア部材から一つのコア30を得るようにしてもよい。
何れも、バスバー20に対して取り付ける方向が変更できるため、用途に応じてバスバーアセンブリに取り付けられるコンデンサ等のその他部材がある場合に、バスバー20に対するコア30の取り付け方向を適宜変更できるので、バスバーアセンブリの設計許容度を大きくできる。
【0057】
上記実施例では、絶縁性を有する樹脂42から被覆層36を構成しているが、本発明はこの形態に限定されず、例えば、防振、吸振、熱伝導、吸熱等の機能を奏するエラストマー等の物質を用いてもよい。
例えば、付加機能として被覆層36が防振性を備えると、車両で使用されるバスバーアセンブリにおいては、車両走行時の振動等による部材の脱落等を回避し得る。
また、付加機能として被覆層36が熱伝導性を備えると、バスバーアセンブリの使用によって前記コア30に蓄積される熱を、より効果的に放出できるので、該コア30の機能を長時間に亘って安定させることが可能となる。
【0058】
上記実施例では閉塞部材をバスバーの双方の端子部に設けたが、閉塞部材が必要となる端子部にのみ設ける構成としてもよい。また、一方の端子部に
図10等に示す閉塞部材を設け、他方の端子部に
図16に示す閉塞部材を設けてもよい。また、
図7の場合、何れも端子部の図示下方側に閉塞部材を設けたが、バスバーアセンブリの配置態様によっては、一方が端子部の図示上方側、他方が図示下方側になる等の構成も想定される。また、端子部が3以上存在し、電流路を分岐させるようなバスバーアセンブリや、端子部103が本体部102の端部ではなく中間部等に設けられているバスバーアセンブリ等に本発明を適用してもよい。
【0059】
図14に示すようにバスバーアセンブリ100をダイキャスト210に接触させて配置する際、閉塞部材105を覆う樹脂121を例えば接着剤等によりダイキャスト210に接着する構成としてもよい。これにより、
図14において図示左方への力が加わった場合であっても、バスバー101が左方に変形することを防止できる。この場合、閉塞部材105を覆う樹脂121に凸部を設け、その凸部をダイキャスト210に設けた孔部に挿入して係合させる等の構成とする等、周知の接着方法や係合方法により閉塞部材105の部位が移動しないようにすればよい。