(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するステップS1を含むデータサンプリング方法において、更に、
サンプルシーケンスY1をデジタルローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するS2、
フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングしてサンプルシーケンスYを取得し、前記リサンプリングの周波数をfrsとすると、frs≦fsh=ζmax/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζmaxがS領域の最大誤差であるS3、
サンプルシーケンスYを出力するS4、とのステップを含むことを特徴とするデータサンプリング方法。
前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε≧δであり、前記δはサンプリングシステムの打ち切り誤差であることを特徴とする請求項1又は2記載のデータサンプリング方法。
物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するサンプリングユニットを含むデータサンプリングシステムにおいて、更に、
サンプルシーケンスY1をデジタルローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するローパスフィルタ、
フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングしてサンプルシーケンスYを取得し、前記リサンプリングの周波数をfrsとすると、frs≦fsh=ζmax/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζmaxがS領域の最大誤差であるリサンプリングユニット、を含むことを特徴とするデータサンプリングシステム。
請求項1又は2記載のデータサンプリング方法を用いたパラメータ識別方法において、サンプルシーケンスYに基づいて行われる動的パラメータ識別ステップS51及び/又は静的パラメータ識別ステップS52を含むステップS5を更に含むことを特徴とするパラメータ識別方法。
前記動的パラメータ識別ステップS51は、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数とパラメータを識別するステップS511、又は参照モデル法によりパラメータを識別するステップS512、又はカルマンフィルタによりパラメータを識別するステップS513を含むことを特徴とする請求項10記載のパラメータ識別方法。
前記静的パラメータ識別ステップS52は、サンプルシーケンスYについてまず定常値を算出するステップS521、続いて定常値に基づいて、パラメータ推定法、相関係数法、線形回帰法、線形化可能な線形回帰法又は最小二乗法を用いて静的パラメータを識別するステップS522を含み、前記定常値を算出するステップS521は、
サンプルシーケンスYから現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断するS5211、
現在のサンプリング値が定常過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて平均値を定常値として算出するS5212、
現在のサンプリング値が過渡過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて強制成分を定常値として算出するS5213、を含むことを特徴とする請求項10記載のパラメータ識別方法。
前記ステップS5211では、t分布又はその簡略化したもの、或いはフィルタ出力結果から現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断し、前記フィルタはカルマンフィルタ又はαβγフィルタであることを特徴とする請求項12記載のパラメータ識別方法。
請求項8記載のデータサンプリングシステムを含むパラメータ識別システムであって、サンプルシーケンスYに基づいて動的パラメータの識別及び/又は静的パラメータの識別を行うパラメータ識別ユニットを更に含む、ことを特徴とするパラメータ識別システム。
前記パラメータ識別ユニットは動的パラメータ識別ユニットであり、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数及びパラメータを識別するか、或いは、参照モデル法でパラメータを識別するか、或いはカルマンフィルタによりパラメータを識別する、ことを特徴とする請求項16記載のパラメータ識別システム。
【発明の概要】
【0004】
本発明は上記の課題を解決しようとするものであり、安定したアナログコントローラによるデジタルサンプリングの後にデジタルコントローラに変換されたとしても、安定及び相応の特性が維持され、サンプリングデータに基づく正確なパラメータ識別を可能とすることを目的とする。
【0005】
発明者は30年にわたって鋭意研究に努め、度重なる実験と総括、理論に基づく分析の結果、上記課題の原因は識別アルゴリズムやデジタル制御方法ではなく、データサンプリングにあることを見出した。即ち、データサンプリングにおいて生じる課題は、サンプリングが過度に遅いためではなく、サンプリングが速すぎることによる。サンプリング周波数は、当業者が通常考えるように高速であるほどよいというわけではなく、サンプリング周波数の上限f
shが存在する。そして、サンプリング周波数が上限を超えると、サンプリングデータの誤差が大きくなり、デジタル制御が不安定になるとともに、パラメータ識別失敗の元となってしまう。
【0006】
本発明は、物理量である電気信号yをアナログローパスフィルタリングし、フィルタリングされた電気信号を取得するS1、フィルタリングされた電気信号をサンプリング周波数f
sに基づきサンプリングし、前記サンプリング周波数f
sがナイキストの定理f
s>f
slを満たすS2、サンプルシーケンスYを出力するS3、とのステップを含み、前前記ステップS2のサンプリング周波数f
sはf
s≦f
sh=ζ
max/εを満たし、εはサンプリングシステムのZ領域誤差であり、ζ
maxはS領域の最大誤差である、データサンプリング方法を提供する。
【0007】
前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε≧δであり、前記δはサンプリングシステムの打ち切り誤差である。また、前記サンプリングシステムの打ち切り誤差δはδ
adc及びδ
cpuに関し、δ
adcはADコンバータの分解能の半分であり、δ
cpuは数値がコンピュータにおいて示すビット数の打ち切り誤差である。
【0008】
更に、前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε=k
α・δであり、前記k
αは1より大きい安全係数であって、その値はサンプリング時のランダムノイズレベル、サンプリングシステムにおける数値の演算誤差又はこれらの組み合わせによって決まる。
【0009】
前記S領域の最大誤差ζ
maxは、具体的な応用により決定されたS領域の受け入れ可能な最大誤差であって、例えば、応用システムのS領域における零点及び極点の受け入れ可能な誤差により決定されるζ
max、或いは応用システムの時間領域における微分方程式により受け入れ可能な最大誤差σ
maxに対応して決定されるζ
max、を含む。
【0010】
体積縮小やコストダウンのために、実際の応用ではサンプリング周波数が往々にして高くなり、サンプリング周波数の上限f
shが満たされなくなる。そこで、本発明は更に、物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するステップS1、サンプルシーケンスY1をデジタルローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するS2、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングしてサンプルシーケンスYを取得し、前記リサンプリングの周波数をf
rsとすると、f
rs≦f
sh=ζ
max/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζ
maxがS領域の最大誤差であるS3、サンプルシーケンスYを出力するS4、とのステップを含む第2のデータサンプリング方法を提供する。
【0011】
更に、前記デジタルローパスフィルタリングの遮断周波数はf
cであり、f
c≦0.5×f
rsとすることで、リサンプリング時のエイリアシング発生を防止する。
【0012】
リサンプリングの周波数f
rsはサンプリング周波数の上限f
sh未満との点を満たせることから、リサンプリング後、S領域の誤差を予め定められた範囲ζ
max内に低減可能となる。
【0013】
実際の応用では、f
sh<f
slとの矛盾が生じ、第1の方法のf
sl<f
s≦f
shに基づくサンプリング周波数の選択が不可能な場合があるが、ローパスフィルタリングとリサンプリングを用いる前記第2のデータサンプリング方法によれば、このような矛盾を解決可能となる。全ての極点{p
ri}と零点{p
oi}のうち、主な役割を果たすのは主極点P
rmと主零点P
omであり、周波数が高い極点又は零点ほど役割は小さくなる。そこで、f
sh<f
slとの矛盾が生じた場合には、前記ローパスフィルタリングによって高周波の極点と零点を除去し、リサンプリングにおいてサンプリング周波数を低下させる。これにより、上記の矛盾を解決可能なだけでなく、主極点P
rmと主零点P
omの精度を保証可能となる。なお、主極点又は主零点とは、S領域において原点寄りの極点又は零点のことである。
【0014】
本発明は更に、物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するサンプリングユニット、サンプルシーケンスY1をデジタルローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するローパスフィルタ、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングしてサンプルシーケンスYを取得し、前記リサンプリングの周波数をf
rsとすると、f
rs≦f
sh=ζ
max/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζ
maxがS領域の最大誤差であるリサンプリングユニット、を含むとともに、更に前記ローパスフィルタリングの遮断周波数がf
cであり、f
c≦0.5×f
rsとすることで、リサンプリング時のエイリアシング発生を防止するデータサンプリングシステムを提供する。
【0015】
本発明では、リサンプリングにおいてサンプリング周波数を低下させて、リサンプリングの周波数をf
rs≦f
sh=ζ
max/εとする。結果、デジタルサンプリング及びデジタルシステムの打ち切り誤差によってS領域に更に大きな誤差が生じることが大幅に緩和され、S領域及び時間領域の誤差が応用要件を満たすようにする。
【0016】
デジタルサンプリングは測定、或いはパラメータ識別又はデジタル制御に用いられる。パラメータは静的パラメータと動的パラメータを含み、静的パラメータとはシステム方程式の係数、動的パラメータとはシステム微分方程式の係数である。電力系統にとって、静的パラメータとは潮流方程式のアドミタンスマトリックス、即ち、変圧器、配線、発電機等部材の抵抗、リアクタンス及びサセプタンスであり、動的パラメータとは、励磁時定数、調速時定数、回転子時定数等である。前記サンプリング方法の実用性がより理解されるよう、本発明はパラメータ識別における前記サンプリング方法及びシステムの応用について提示する。
【0017】
前記2種類のデータサンプリング方法を用いたパラメータ識別方法は、サンプルシーケンスYに基づいて行われる動的パラメータ識別ステップS51及び/又は静的パラメータ識別ステップS52を含むステップS5を更に含むことを特徴とする。
【0018】
前記動的パラメータ識別ステップS51は、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数とパラメータを識別するステップS511、又は参照モデル法によりパラメータを識別するステップS512、又はカルマンフィルタによりパラメータを識別するステップS513を含む。
【0019】
前記静的パラメータ識別ステップS52は、サンプルシーケンスYについてまず定常値を算出するステップS521、続いて定常値に基づいて、パラメータ推定法、相関係数法、線形回帰法、線形化可能な線形回帰法又は最小二乗法を用いて静的パラメータを識別するステップS522を含む。前記定常値を算出するステップS521は、サンプルシーケンスYから現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断するS5211、現在のサンプリング値が定常過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて平均値を定常値として算出するS5212、現在のサンプリング値が過渡過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて強制成分を定常値として算出するS5213、を含む。
【0020】
前記ステップS5211では、t分布又はその簡略化したもの、或いはフィルタ出力結果から現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断し、前記フィルタはカルマンフィルタ又はαβγフィルタである。例えば、サンプルシーケンスYをカルマンフィルタリング又はαβγフィルタリングして、状態変数の各成分を取得する。そして、状態変数の各成分が対応の設定値を超えているか否かを判断し、1の成分又は複数の成分が設定値を超えている場合には、現在のサンプリング値が過渡過程であると判断する。
逆に、いずれも超えていない場合には、現在のサンプリング値が定常過程であると判断する。前記カルマンフィルタは少なくとも1次又はより高次、例えば2次、3次等であるが、本発明では限定しない。
【0021】
前記ステップS5213は、
を満たすまで、n=0,1,…とし、サンプルシーケンスYに基づいてyのn+1次導関数を算出することでnを決定し、εを0に近い定数とするS52131、変数変換
を実施し、サンプルシーケンスYからデータシーケンス{x
k}を算出するS52132、データシーケンス{x
k}について、現在の数値x
kが過渡過程か定常過程かを判断するS52133、現在の数値x
kが定常過程であると判断すると、{x
k}に基づいて平均値
を定常値
として算出してステップS52135を実行し、現在の数値x
kが過渡過程であると判断するとk=1とするS52134、xの定常値
を積分逆変換してyの強制成分
を算出するS52135、とのステップに基づき強制成分を算出する。
【0022】
前記ステップS52135では、公式
に基づいて強制成分
を算出し、
であり、
が導関数公式と物理量y及びその各次導関数の初期値に基づいて決定される定数である。
【0023】
前記ステップS52133では、t分布又はその簡略化したもの、或いはフィルタ出力結果から現在の数値x
kが定常過程か過渡過程かを判断する。また、前記フィルタはカルマンフィルタ又はαβγフィルタである。例えば、サンプルシーケンス{x
k}をカルマンフィルタリング又はαβγフィルタリングして、状態変数の各成分を取得する。そして、状態変数の各成分が対応の設定値を超えているか否かを判断し、1の成分又は複数の成分が設定値を超えている場合には、現在の数値x
kが過渡過程であると判断する。逆に、いずれも超えていない場合には、現在の数値x
kが定常過程であると判断する。前記カルマンフィルタは少なくとも1次又はより高次、例えば2次、3次等であるが、本発明では限定しない。
【0024】
前記データサンプリングシステムを含むパラメータ識別システムは、更に、サンプルシーケンスYに基づいて動的パラメータの識別及び/又は静的パラメータの識別を行うパラメータ識別ユニットを含む。
【0025】
なお、動的パラメータの識別を要する場合、前記パラメータ識別ユニットは動的パラメータ識別ユニットであり、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数及びパラメータを識別するか、或いは、参照モデル法でパラメータを識別するか、或いはカルマンフィルタによりパラメータを識別する。
【0026】
また、静的パラメータの識別を要する場合、前記パラメータ識別ユニットは静的パラメータ識別ユニットであって、サンプルシーケンスYに基づいて定常値を算出する定常値算出ユニット、定常値に基づいて、パラメータ推定法、相関係数法、線形回帰法、線形化可能な線形回帰法、又は最小二乗法で静的パラメータを識別する静的パラメータ推定ユニット、を含む。
【0027】
前記定常値算出ユニットは、サンプルシーケンスYに基づいて、t分布又はその簡略化したもの、或いはフィルタ出力結果から現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断し、前記フィルタがカルマンフィルタ又はαβγフィルタである判断ユニット、現在のサンプリング値が定常過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて平均値を定常値として算出する定常算出ユニットA、現在のサンプリング値が過渡過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて強制成分を定常値として算出する定常算出ユニットB、を含む。
【0028】
定常算出ユニットBは、
を満たすまで、n=0,1,…とし、サンプルシーケンスYに基づいてyのn+1次導関数を算出することでnを決定し、εを0に近い定数とする導出ユニット、変数変換
を実施し、サンプルシーケンスYからデータシーケンス{x
k}を算出する変換ユニット、データシーケンス{x
k}を受信し、現在の数値x
kが過渡過程か定常過程かを判断する判断ユニット、現在の数値x
kが定常過程であると判断すると、{x
k}に基づいて平均値
を定常値
として算出して還元ユニットに進み、現在の数値x
kが過渡過程であると判断するとk=1として出口に向かう平均ユニット、公式
に基づいて強制成分
を算出し、
であり、
が導関数公式と物理量y及びその各次導関数の初期値に基づいて決定される定数である還元ユニット、を含む。
【0029】
本発明のデータサンプリング方法によれば、サンプリング周波数がサンプリング周波数の上限を満たすことで、或いはリサンプリングにおいて周波数を低下させてサンプリング周波数の上限を満たすことで、デジタルサンプリング及びデジタルシステムにおける打ち切り誤差に起因してS領域又は時間領域に更に大きな誤差が生じることが緩和される。よって、S領域の誤差が受け入れ可能な誤差ζ
maxの範囲内になるよう保障され、デジタル制御が安定し、具体的な応用要件が満たされる。
【0030】
本発明のパラメータ識別方法及びシステムによれば、上述のようなデータサンプリング方法及びシステムを用いるため、動的パラメータ及び静的パラメータを正確に識別可能である。特に、定常値の算出後に静的パラメータを識別することで、最終的に得られる静的パラメータがいっそう正確となる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明の実施例について詳述する。前記実施例は図面に例示されるが、同じ又は類似の構成部材、或いは同じ又は類似の機能を持つ構成部材は、一貫して同じ又は類似の符号で示している。なお、以下に図面を参照して記載する実施例は一例であり、本発明を説明するためのものにすぎず、本発明を限定するものと解釈すべきでない。
【0033】
図1は、第1のデータサンプリング方法を示す図である。まず、物理量である電気信号yがアナログローパスフィルタ1でフィルタリングされ、続いてADコンバータ2を通ってサンプリングされた後にサンプルシーケンスYが出力される。サンプリング過程はサンプリング制御信号により制御され、サンプリング制御信号の周波数f
sはf
s>f
slを満たすほか、更にf
s≦f
sh=ζ
max/εを満たす。
【0034】
なお、εはサンプリングシステムにおけるZ領域誤差を、ζ
maxはS領域の最大誤差を示す。
【0035】
アナログ量が時間とともに変化する動的過程は、数学で表すと時間領域の微分方程式となる。時間領域の微分方程式は、S領域の伝達関数G(s)にラプラス変換される。制御理論では、G(s)と時間領域の微分方程式には厳密な対応関係があり、いかなるズレも生じないことが証明されている。よって、時間領域の誤差σ
maxはS領域の誤差ζに厳密に対応することから、時間領域に受け入れ可能な最大誤差σ
maxが存在する場合、これに対応して受け入れ可能なS領域の最大誤差ζ
maxが存在する。
【0036】
時間領域のアナログ量を信号サンプリングし、アナログ量をAD変換によりサンプリングして取得したサンプリングデータは、デジタル自動制御理論においては、時間領域をZ領域に変換し、時間領域の微分方程式をZ領域の伝達関数H(z)に変換したものとみなされる。Z領域では、デジタルコンピュータのビット数に限りがあるため最小格子が生成され、慣習的に分解能と称されるが、分解能の半分は打ち切り誤差δとなる。数字がコンピュータで示される場合にも打ち切り誤差δは生じることから、Z領域には誤差εが存在し、且つ使用されるサンプリングシステムのソフトウェア及びハードウェアにより確定されると、システムにおけるZ領域の誤差εもこれに伴い確定される。
【0037】
例えば、AD変換の分解能はADコンバータADCのビット数で決定される。発生する打ち切り誤差δ
adcは分解能の半分とされ、8ビットADCのδ
adcは0.004、10ビットのδ
adcは0.001となる。また、例えば、数値はコンピュータにおいて2進数で表されるが、2進数のビット数にも打ち切り誤差δ
cpuが生じ、16ビットの2進数のδ
cpuは2×10
−5、単精度浮動小数点数のδ
cpuは10
−6、倍精度浮動小数点数のδ
cpuは10
−15となる。
【0038】
誤差分析により、打ち切り誤差δからZ領域誤差εを分析可能である。具体的に、前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε≧δであり、前記δはサンプリングシステムの打ち切り誤差である。前記サンプリングシステムの打ち切り誤差δはδ
adc及びδ
cpuに関し、簡単にいえば、δ
adc、δ
cpu、又はδ
adcとδ
cpuのうちの小さい方が取られる。
【0039】
更に、前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε=k
α・δであり、前記k
αは1より大きい安全係数であって、サンプリング時のランダムノイズレベル、及びサンプリングシステムにおける数値の演算誤差又はこれらの組み合わせによって決まる。
【0040】
発明者は鋭意研究の結果、システムのZ領域誤差εとS領域の誤差ζに一定の関係を見出した。以下、具体的に述べる。
【0041】
S領域からZ領域への変換は
で表され、T
sはサンプリング周期である。逆に、Z領域からS領域への変換は
で表される。ここで、s=x+jy及びz=r・e
jθであり、下記式が存在する。
【0043】
S領域における虚軸側の左平面がZ領域の半径約1の円環上にマッピングされることから、
であり、下記式のようになる。
【0045】
よって、S領域のx方向の誤差ζ
x及びy方向の誤差ζ
yはそれぞれ下記式のようになる。
【0047】
式(5)及び式(6)より、S領域の誤差ζは下記式のようになる。
【0049】
即ち、S領域の誤差はZ領域誤差のf
s倍である。f
sはサンプリング周波数であり、
である。また、T
sはサンプリング間隔である。
【0050】
よって、S領域の誤差が受け入れ可能な範囲ζ
maxとなるよう保証するために、サンプリング周波数f
sは下記式を満たす必要がある。
【0052】
即ち、サンプリング周波数の上限はf
sh=ζ
max/εとなる。
【0053】
図2は、f
s=10Hzの場合にS領域及びZ領域の格子がサンプリング周波数の影響を受けたことを示す図である。f
s=10Hzの場合、S領域の(−10〜0,−31.4〜31.4)がZ領域における半径(0.37〜1)の円環上にマッピングされた。
【0054】
図3は、f
s=30Hzの場合にS領域及びZ領域の格子がサンプリング周波数の影響を受けたことを示す図である。f
s=30Hzの場合、S領域の(−10〜0,−94.2〜94.2)がZ領域における半径(0.72〜1)の円環上にマッピングされた。
【0055】
図2と
図3を比較すると、f
sを10Hzから3倍の30Hzに加速したところ、S領域が6.67倍拡大したのに対し、Z領域は1.92倍縮小したことがわかる。即ち、サンプリング周波数f
sの増加に伴うZ領域の縮小部分の面積が、S領域の面積拡大を示すことになる。
図3におけるZ領域の格子は
図2におけるZ領域の格子よりも明らかに小さく、
図3におけるS領域の格子は
図2におけるS領域の格子よりも明らかに大きい。これより、サンプリング周波数f
sが加速するほどZ領域の格子は小さくなり、逆に、対応するS領域の格子は大きくなると推定される。そして、サンプリングシステムのソフトウェア及びハードウェアにより確定されると、Z領域誤差ε及び格子もこれに伴って確定される。このとき、サンプリング周波数f
sが加速するほどS領域の格子は大きくなるが、格子の半分は量子化誤差であるため、S領域の誤差が増大してしまう。
【0056】
そこで、発明者は、サンプリング周波数は速いほどよいという一般的な考え方に反して、サンプリング周波数には上限f
sh=ζ
max/εがあることを創造的に提起した。なお、同様に、上述と同じ誤差分析手法で時間領域誤差σとZ領域誤差ε、及びサンプリング周波数f
sの関係を導いてもよいが、実際の応用では周波数領域、即ちS領域が用いられることが多いためここで再び詳述はしない。ただし、これもまた本発明の保護の範囲内である。
【0057】
実際の応用では、体積縮小やコストダウンのために、サンプリング周波数f
sは往々にして高めとされ、サンプリング周波数の上限f
sh未満との要求を満たせない。そして、これを処理しないとS領域及び時間領域の誤差が大きくなり、応用要件を満たせなくなる。そこで、本発明では更に、サンプリングしたデータがサンプリング周波数の上限を満たし、サンプリングデータの精度を高められるよう、第2のデータサンプリング方法及びシステムを提示する。
【0058】
図4に、物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するS1、サンプルシーケンスY1をローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するS2、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングしてサンプルシーケンスYを取得し、前記リサンプリングの周波数をf
rsとすると、f
rs≦f
sh=ζ
max/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζ
maxがS領域の最大誤差であるS3、サンプルシーケンスYを出力するS4、とのステップを含む第2のデータサンプリング方法の実施例を示す。
【0059】
更に、前記ローパスフィルタリングの遮断周波数はf
cであり、f
c≦0.5×f
rsとすることで、リサンプリング時のエイリアシング発生を防止する。
【0060】
前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε≧δであり、前記δはサンプリングシステムの打ち切り誤差である。また、前記サンプリングシステムの打ち切り誤差δはδ
adc及びδ
cpuに関し、簡単にいえば、δ
adc、δ
cpu又はδ
adcとδ
cpuのうちの小さい方が取られる。
【0061】
更に、前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε=k
α・δであり、前記k
αは1より大きい安全係数であって、サンプリング時のランダムノイズレベル、及びサンプリングシステムにおける数値の演算誤差又はこれらの組み合わせによって決まる。
【0062】
図5は、データサンプリングシステムの実施例を示す図であり、物理量である電気信号yをナイキストの定理を満たすサンプリング周波数でサンプリングし、サンプルシーケンスY1を取得するサンプリングユニット3、サンプルシーケンスY1をローパスフィルタリングし、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2を取得するローパスフィルタ4、フィルタリングされたサンプルシーケンスY2をリサンプリングし、サンプルシーケンスYを取得して出力ユニット6に出力するユニットであって、前記リサンプリングの周波数をf
rsとすると、f
rs≦f
sh=ζ
max/εであり、εがサンプリングシステムのZ領域誤差、ζ
maxがS領域の最大誤差であるリサンプリングユニット5、サンプルシーケンスYを出力する出力ユニット6、を含む。
【0063】
更に、前記ローパスフィルタ4の遮断周波数はf
cであり、f
c≦0.5×f
rsとすることで、リサンプリング時のエイリアシング発生を防止する。
【0064】
前記サンプリングシステムのZ領域誤はε≧δであり、前記δはサンプリングシステムの打ち切り誤差である。また、前記サンプリングシステムの打ち切り誤差δはδ
adc及びδ
cpuに関し、簡単にいえば、δ
adc、δ
cpu又はδ
adcとδ
cpuのうちの小さい方が取られる。
【0065】
更に、前記サンプリングシステムのZ領域誤差はε=k
α・δであり、前記k
αは1より大きい安全係数であって、サンプリング時のランダムノイズレベル、及びサンプリングシステムにおける数値の演算誤差又はこれらの組み合わせによって決まる。
【0066】
リサンプリングの周波数f
rsはサンプリング周波数の上限f
sh未満との点を満たせることから、リサンプリング後、S領域の誤差を予め定められた範囲ζ
max内に低減可能となる。
【0067】
また、実際の応用では、f
sh<f
slとの矛盾が生じ、第1の方法のf
sl<f
s≦f
shに基づくサンプリング周波数の選択が不可能な場合があるが、ローパスフィルタリングとリサンプリングを用いる前記第2のデータサンプリング方法によれば、このような矛盾を解決可能となる。全ての極点{p
ri}と零点{p
oi}のうち、主な役割を果たすのは主極点P
rmと主零点P
omであり、周波数が高い極点又は零点ほど役割は小さくなる。そこで、f
sh<f
slとの矛盾が生じた場合には、前記ローパスフィルタリングによって高周波の極点と零点を除去し、リサンプリングにおいてサンプリング周波数を低下させる。これにより、上記の矛盾を解決可能なだけでなく、主極点P
rmと主零点P
omの精度を保証可能となる。なお、主極点又は主零点とは、S領域において原点寄りの極点又は零点のことである。
図6に示すように、×が極点、○が零点であり、領域Q1には主極点P
rmと主零点P
omが存在する。領域Q2には高周波の極点及び高周波の零点が存在し、Q1の零点及び極点はQ2の零点及び極点よりも重要である。f
sh<f
slとの矛盾が発生すると、
図5のローパスフィルタを用いて、
図6のQ2における上方寄りの、ωが大きく且つ左寄りであり、負のx値の絶対値が大きな高周波の極点が除去される。
【0068】
本発明では、リサンプリングにおいてサンプリング周波数を低下させて、リサンプリングの周波数をf
rs≦f
sh=ζ
max/εとする。結果、デジタルサンプリング及びデジタルシステムの打ち切り誤差によってS領域又は時間領域に更に大きな誤差が生じることが大幅に緩和され、最終的なS領域及び時間領域の誤差が応用要件を満たすようにする。
【0069】
上記のサンプリング方法及びシステムは様々に応用されるが、第1の応用としてはパラメータ識別がある。従来は、動的パラメータであれ静的パラメータであれ、成功は困難であったが、サンプリングデータが正確となった今、誤差は所定の範囲内となり、パラメータ識別に非常に有利である。パラメータは静的パラメータと動的パラメータを含み、静的パラメータとはシステム方程式の係数、動的パラメータとはシステム微分方程式の係数である。電力系統にとって、静的パラメータとは潮流方程式のアドミタンスマトリックス、即ち、変圧器、配線、発電機等部材の抵抗、リアクタンス及びサセプタンスであり、動的パラメータとは、励磁時定数、調速時定数、回転子時定数等である。
【0070】
前記2種類のデータサンプリング方法を用いたパラメータ識別方法では、サンプルシーケンスYに基づいて行われる動的パラメータ識別ステップS51及び/又は静的パラメータ識別ステップS52を含むステップS5を更に含む。
【0071】
前記動的パラメータ識別ステップS51は、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数とパラメータを識別するステップS511、又は参照モデル法によりパラメータを識別するステップS512、又はカルマンフィルタによりパラメータを識別するステップS513を含む。
【0072】
前記静的パラメータ識別ステップS52は、サンプルシーケンスYについてまず定常値を算出するステップS521、続いて定常値に基づいて、パラメータ推定法、相関係数法、線形回帰法、線形化可能な線形回帰法又は最小二乗法を用いて静的パラメータを識別するステップS522を含む。前記定常値を算出するステップS521は、サンプルシーケンスYから現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断するS5211、現在のサンプリング値が定常過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて平均値を定常値として算出するS5212、現在のサンプリング値が過渡過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて強制成分を定常値として算出するS5213、を含む。
【0073】
前記ステップS5211では、t分布又はその簡略化したもの、或いはフィルタ出力結果から現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断する。また、前記フィルタはカルマンフィルタ又はαβγフィルタである。
【0074】
前記ステップS5213では、
を満たすまで、n=0,1,…とし、サンプルシーケンスYに基づいてyのn+1次導関数を算出することでnを決定し、εを0に近い定数とするS52131、変数変換
を実施し、サンプルシーケンスYからデータシーケンス{x
k}を算出するS52132、データシーケンス{x
k}について、現在の数値x
kが過渡過程か定常過程かを判断するS52133、現在の数値x
kが定常過程であると判断すると、{x
k}に基づいて平均値
を定常値
として算出してステップS52135を実行し、現在の数値x
kが過渡過程であると判断するとk=1とするS52134、xの定常値
を積分逆変換してyの強制成分
を算出するS52135、とのステップに基づいて強制成分を算出する。
【0075】
前記ステップS52135では、
に基づいて強制成分
を算出し、
であり、
が導関数公式と物理量y及びその各次導関数の初期値に基づいて決定される定数である。
【0076】
前記データサンプリングシステムを含むパラメータ識別システムは、更に、
図7に示すように、応用要件に応じて動的パラメータ識別ユニット51と静的パラメータ識別ユニット52に分解されるパラメータ識別ユニットを含む。
【0077】
図7において、前記動的パラメータ識別ユニット51は、サンプルシーケンスYに基づいて、自己適応制御における識別方法でARMAXモデルの次数及びパラメータを識別するか、或いは、参照モデル法でパラメータを推定するか、或いはカルマンフィルタによりパラメータを推定する。
【0078】
図7において、前記静的パラメータ識別ユニット52は、サンプルシーケンスYに基づいて定常値を算出する定常値算出ユニット521と、定常値に基づいて、パラメータ推定法、又は相関係数法、又は線形回帰法、又は線形化可能な線形回帰法、又は最小二乗法で静的パラメータを推定する静的パラメータ推定ユニット522、を含む。
【0079】
図8は定常値算出ユニットを示す図であり、前記定常値算出ユニット521は、サンプルシーケンスYに基づいて、t分布又はその簡略化したものから現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断する判断ユニット5211、現在のサンプリング値が定常過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて平均値を定常値として算出する定常算出ユニット5212、現在のサンプリング値が過渡過程であると判断した場合、サンプルシーケンスYに基づいて強制成分を定常値として算出する定常算出ユニット5213、を含む。
【0080】
定常算出ユニット5213は、
を満たすまで、n=0,1,…とし、サンプルシーケンスYに基づいてyのn+1次導関数を算出することでnを決定し、εを0に近い定数とする導出ユニット52131、変数変換
を実施し、サンプルシーケンスYからデータシーケンス{x
k}を算出する変換ユニット52132、データシーケンス{x
k}を受信し、t分布又はその簡略化したものから現在の数値x
kが定常過程か過渡過程かを判断する判断ユニット52133、現在の数値x
kが定常過程であると判断すると、{x
k}に基づいて平均値
を定常値
として算出して還元ユニット52135に進み、現在の数値x
kが過渡過程であると判断するとk=1として出口に向かう平均ユニット52134、
に基づいて強制成分
を算出し、
であって、
が導関数公式と物理量y及びその各次導関数の初期値に基づいて決定される定数である還元ユニット52135、を含む。
【0081】
判断ユニット52133における前記t分布の判断規準は以下とされる。
【0083】
F=1の場合はx
kが定常過程であるとし、F=0の場合はx
kが過渡過程であるとする。
は平均値、
は標準偏差、t(k)は自由度kのt分布である。
【0084】
前記判断規準は、以下のように簡略化可能である。
【0086】
ここで、
は平均値、
は標準偏差、Gは所定の定数である。また、前記Gは2.5〜15とされる。
【0087】
前記判断規準は、更に以下のように簡略化可能である。
【0089】
ここで、
は平均値、δは所定の定数、x
eは物理量xの規定値である。また、前記δは0.1〜10%の間とされる。
【0090】
前記平均値
と標準偏差
は、F=1がF=0になった場合、つまり現在の数値x
kが定常過程から過渡過程となった場合にk=1として、次のように算出される。
【0092】
更に、フィルタリングアルゴリズムを用いて現在の数値x
kが定常過程か過渡過程かを判断してもよい。具体的には、{x
k}をカルマンフィルタリングして状態変数の各成分を取得する。次に、状態変数の各成分が対応の設定値を超えているか否かを判断し、1の成分又は複数の成分が設定値を超えている場合、現在の数値x
kが過渡過程であると判断する。逆に、いずれも超えていない場合には、現在の数値x
kが定常過程であると判断する。
【0093】
前記判断ユニット5211は、サンプルシーケンスYに基づいて、t分布又はその簡略化したものから現在のサンプリング値が定常過程か過渡過程かを判断するステップと、平均値及び分散を算出するステップを含むが、判断ユニット52133と類似しているため、ここでは再度詳述しない。
【0094】
本発明のデータサンプリング方法及びシステムによれば、サンプリング周波数がサンプリング周波数の上限を満たすことで、或いはリサンプリングにおいて周波数を低下させてサンプリング周波数の上限を満たすことで、デジタルサンプリング及びデジタルシステムにおける打ち切り誤差に起因してS領域及び時間領域に更に大きな誤差が生じることが緩和される。よって、最終的なS領域の誤差が受け入れ可能な最大誤差ζ
maxの範囲内となり、具体的な応用要件が満たされる。
【0095】
本発明のパラメータ識別方法及びシステムによれば、上述のようなデータサンプリング方法及びシステムを用いるため、動的パラメータ及び静的パラメータを正確に識別可能である。特に、定常値の算出後に静的パラメータを識別することで、最終的に得られる静的パラメータがいっそう正確となる。
【0096】
遠隔測定では通信により現場のデジタル測定データを収集することから、現場でデジタル測定してデータ取得することと原理や性質は同じである。よって、本発明のデータサンプリング方法及びシステムは、遠隔測定方法及びシステムにも同様に適用され、いうまでもなく同様に保護されるべきである。
【0097】
以上、図示した実施例に基づき本発明の構造、特徴及び作用効果を詳細に説明したが、上記は本発明の好ましい実施例にすぎない。本発明は図示によりその実施範囲を限定されず、本発明の構想に基づき実施された変更、又は修正により同等に変更された等価の実施例は、明細書及び図面に包括される主旨を超えない限り、いずれも本発明の保護の範囲内とされる。