(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069838
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】発光装置の収納構造
(51)【国際特許分類】
G03B 15/05 20060101AFI20170123BHJP
G03B 15/03 20060101ALI20170123BHJP
G03B 17/04 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/03 P
G03B15/03 U
G03B17/04
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-8455(P2012-8455)
(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公開番号】特開2013-148679(P2013-148679A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】三谷 征平
【審査官】
辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−211572(JP,A)
【文献】
特開2010−092028(JP,A)
【文献】
特開2001−051325(JP,A)
【文献】
中国実用新案第2874552(CN,Y)
【文献】
特開2010−186087(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/03
G03B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面にレンズ鏡筒を装着するためのレンズマウントが形成されるとともに、背面側に、前記レンズマウントの中央部に中心が位置するようにして撮像素子が配置されたカメラ本体と、
前記レンズマウントの上部に形成され、発光装置が出没自在に取付けられる収納凹部とを備え、
前記収納凹部の内側底面の全面が、前記レンズマウントの上側縁部に設けられた係合爪の下縁と前記撮像素子の撮像領域の上辺との間に位置し、
前記レンズマウントの上端を基準として見た場合に、前記上端から前記収納凹部の内側底面までの高さが前記上端から前記発光装置の上面までの高さよりも大きいことを特徴とする発光装置の収納構造。
【請求項2】
前記収納凹部と、前記収納凹部に収納された状態にある前記発光装置の全てが前記レンズマウントよりも前記カメラ本体の背面側に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項3】
前記収納凹部に収納された状態にある前記発光装置の上面が、前記カメラ本体の上面に設けられた前記発光装置以外の部材と略同じ高さであることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項4】
前記カメラ本体を正面から見たときの前記収納凹部の幅が前記レンズマウントの幅よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項5】
前記収納凹部に収納された状態にある前記発光装置の高さが、前記カメラ本体内に設けられる暗箱の高さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項6】
前記収納凹部の下端部が前記撮像素子の撮像領域にできるだけ近づくように、収納凹部の内側底面が下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項7】
前記発光装置を前記カメラ本体に取付けるための支持機構が、
前記カメラ本体に、第1支持部において枢支された第1のアームと、
前記第1のアームの先端に、第2支持部において回動自在に連結された連結部材と、
前記連結部材において、前記第2支持部とは異なる第3支持部において回動自在に連結され、発光部を有する発光ブロックが取付けられた発光ブロック支持部材とを備え、
前記第1のアームと前記連結部材と前記発光ブロック支持部材とを前記カメラ本体の収納凹部に収納した状態において、前記第1のアームと前記発光ブロック支持部材は平行状態になり、前記発光部は前記第1支持部に近接することを特徴とする請求項1に記載の発光装置の収納構造。
【請求項8】
前面にレンズ鏡筒を装着するためのレンズマウントが形成されるとともに、背面側に、前記レンズマウントの中央部に中心が位置するようにして撮像素子が配置されたカメラ本体と、
前記レンズマウントの上部に形成され、発光装置が出没自在に取付けられる収納凹部とを備え、
前記レンズマウントの上端を基準として見た場合に、上端から収納凹部の内側底面の全面までの高さが上端から発光装置の上面までの高さよりも大きいことを特徴とする発光装置の収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレンズ交換式カメラのカメラ本体に設けられる発光装置に関し、より詳しくは発光装置をカメラ本体内に収納するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来レンズ交換式カメラの発光装置は、不使用時にはカメラ本体内に収納され、使用時にはカメラ本体からポップアップするように構成されている。発光装置のポップアップ高さは、カメラ本体から前方に突出する撮影レンズによって発光装置からの照明光が遮られる、いわゆるケラレが生じることがないよう、できるだけ大きいことが好ましい。カメラ本体に対してポップアップするように連結された発光装置として、例えば特許文献1、2に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−191017号公報
【特許文献2】特開2004−151684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された発光装置が設けられたカメラはレンズ交換式ではなくコンパクトカメラであるため、カメラ本体内の制約が少なく、カメラ本体内にコンパクトに収納することができる。これに対して特許文献2に開示された発光装置では、ポップアップのための支持機構が大きいために、発光装置の収納部はカメラ本体の上面から大きく突出するという問題がある。
【0005】
本発明は、レンズ交換式カメラにおいて、発光装置のポップアップの高さを十分に大きくすることができる支持機構であっても、カメラ本体内にコンパクトに収納することができる発光装置の収納構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置の収納構造は、前面にレンズ鏡筒を装着するためのレンズマウントが形成されるとともに、背面側に、レンズマウントの中央部に中心が位置するようにして撮像素子が配置されたカメラ本体と、レンズマウントの上部に形成され、発光装置が出没自在に取付けられる収納凹部とを備え、収納凹部の内側底面が、レンズマウントの上側縁部に設けられた係合爪の下縁と撮像素子の撮像領域の上辺との間に位置することを特徴としている。
【0007】
収納凹部と、収納凹部に収納された状態にある発光装置の全てがレンズマウントよりもカメラ本体の背面側に位置することが好ましい。この構成によれば、カメラ本体をより小さくすることができる。
【0008】
収納凹部に収納された状態にある発光装置の上面は、カメラ本体の上面に設けられた発光装置以外の部材、例えばモードダイアルと略同じ高さである。すなわち収納状態にある発光装置がカメラ本体の他の部材よりも大きく突出することはない。
【0009】
カメラ本体を正面から見たときの収納凹部の幅はレンズマウントの幅よりも小さいことが好ましい。また収納凹部に収納された状態にある発光装置の高さは、カメラ本体内に設けられる暗箱の高さよりも小さい。さらにレンズマウントの上端を基準として見た場合に、上端から収納凹部の内側底面までの高さが上端から発光装置の上面までの高さよりも大きいことが好ましい。収納凹部の下端部が撮像素子の撮像領域にできるだけ近づくように、収納凹部の内側底面を下方に位置させることも可能である。
【0010】
好ましくは発光装置をカメラ本体に取付けるための支持機構は、カメラ本体に、第1支持部において枢支された第1のアームと、第1のアームの先端に、第2支持部において回動自在に連結された連結部材と、連結部材において、第2支持部とは異なる第3支持部において回動自在に連結され、発光部を有する発光ブロックが取付けられた発光ブロック支持部材とを備え、第1のアームと連結部材と発光ブロック支持部材とをカメラ本体の収納凹部に収納した状態において、第1のアームと発光ブロック支持部材は平行状態になり、発光部は第1支持部に近接する。
【0011】
また本発明に係る第2の発光装置の収納構造は、レンズ鏡筒を装着するためのレンズマウントが形成されるとともに、背面側に、レンズマウントの中央部に中心が位置するようにして撮像素子が配置されたカメラ本体と、レンズマウントの上部に形成され、発光装置が出没自在に取付けられる収納凹部とを備え、レンズマウントの上端を基準として見た場合に、上端から収納凹部の内側底面までの高さが上端から発光装置の上面までの高さよりも大きいことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レンズ交換式カメラにおいて、発光装置のポップアップの高さを十分に大きくすることができる支持機構であっても、カメラ本体内にコンパクトに収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態を適用したレンズ交換式カメラのカメラ本体の斜視図である。
【
図2】カメラ本体の中の構造の一部を抜き出して示し、発光装置が収納凹部に収納された状態を示す断面図である。
【
図3】発光装置が収納凹部に収納された状態にあるカメラ本体を概略的に示す正面図である。
【
図4】
図2と同じ部分を示し、発光装置がポップアップした状態を示す断面図である。
【
図8】発光装置の収納状態を示し、ポップアップバネが設けられた部分を破断して示す側面図である。
【
図9】発光装置の収納状態を示し、ストッパが設けられた部分を破断して示す側面図である。
【
図10】発光装置がポップアップする途中の状態を示し、ポップアップバネが設けられた部分を破断して示す側面図である。
【
図11】発光装置のポップアップする途中の状態を示し、ストッパが設けられた部分を破断して示す側面図である。
【
図12】発光装置のポップアップした状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1はレンズ交換式カメラの外観を示し、カメラ本体10からレンズ鏡筒を外した状態を示している。このカメラはいわゆるミラーレスタイプであり、光学ファインダは設けられておらず、被写体像はカメラ本体10の背面に設けられたモニタに表示される。カメラ本体10の上面には、撮影モード等を選択するためのモードダイアル11が設けられ、モードダイアル11の横には発光装置30が設けられる。またカメラ本体10の上面には、発光装置30をポップアップさせるための発光ボタン39(
図3参照)が設けられる。なお
図1において発光装置30はカメラ本体10内に収納された状態にある。
【0015】
カメラ本体10の前面には、レンズ鏡筒を装着するためのレンズマウント12が形成される。レンズマウント12は円形を呈し、カメラ本体10を正面から見ると光学装置30の真下に位置する。レンズマウント12には、カメラ本体10内の制御システムとレンズ鏡筒内の制御システムとの間においてデータ通信等を行うための接点13、レンズ鏡筒を取付けるための爪14等が設けられる。
【0016】
図2はカメラ本体の中の構造の一部を抜き出して示すものである。レンズマウント12は暗箱15の前面に固定される。暗箱15の上部には、発光装置30が出没自在に取付けられる収納凹部16が形成される。カメラ本体の背面側には撮像素子17が設けられ、撮像素子17と暗箱15の間にはシャッタ18が設けられる。撮像素子17の前面に設けられる撮像領域17aはカバーガラス19により覆われる。
図3に示すように撮像領域17aは、カメラ本体を正面から見ると矩形を呈し、撮像素子17はレンズマウント12の中央部に受光面19の中心が位置するようにして配置される。また収納凹部16の幅はレンズマウント12の幅よりも小さい。
【0017】
本実施形態において収納凹部16はレンズマウント12の上部に形成され、発光装置30の上面31がカメラ本体の上面から突出する量が極力小さくなるよう、できるだけ下方に位置するように考慮されている。すなわちレンズマウント12の上端12aを基準として見た場合に、上端12aから収納凹部16の内側底面25までの高さは、上端12aから発光装置30の上面31までの高さよりも大きい。収納凹部16の内側底面25は、
図2に示すようにレンズマウント12の上側縁部21に設けられた係合爪の下縁21aと撮像領域17aの上辺22との間に位置し、また収納凹部16の前端面23はレンズマウント12よりもカメラ本体の背面側に位置する。すなわち収納凹部16および収納状態にある発光装置30の全てがレンズマウント12よりも背面側に位置する。
【0018】
このように収納凹部16は、下端部20が撮影レンズからの入射光に干渉しない限度において最下位置に設けられており、これにより発光装置30の上面31はカメラ本体10の上面に設けられた発光装置30以外の部材(本実施形態ではモードダイアル11)と略同じ高さにあり、この部材よりも大きく突出することはない。また撮像レンズの設計に応じて、収納凹部16の下端部20をさらに下方に定めることができ、下端部20が撮像領域17aの上辺22にできるだけ近づくように、収納凹部16の内側底面25を下方に位置させればよい。
【0019】
図2から理解されるように、収納状態にある発光装置30の高さ、すなわち内側底面25から上面31までの高さは、暗箱15の高さよりも小さく、発光装置30はコンパクトに折り畳まれて収納凹部16に収納される。
【0020】
図4は発光装置30がポップアップした状態を示している。発光装置30は第1のアーム32と第2のアーム33によってカメラ本体に回動自在に支持されており、これらのアーム32、33が
図2の収納状態から立ち上がることによって発光ユニット34がポップアップする。ポップアップ状態において、第1のアーム32は収納凹部16の底面に対して略垂直であり、第2のアーム33は第1のアーム32よりも撮像素子17側に傾斜しており、発光ユニット34の発光部35の前面はレンズマウント12の面に略平行である。
【0021】
再び
図2を参照すると、収納状態、すなわち第1および第2のアーム32、33と連結部材36と発光ユニット34を収納凹部16に収納した状態において、第1および第2のアーム32、33と発光ユニット34は相互に平行であり、発光部35は、後述するピン41に近接しており、また第1のアーム32と発光ユニット34を連結する連結部材36は、アーム32と33と発光ユニット34に対して略垂直である。すなわち発光装置30は収納状態においてカメラ本体の横方向から見てコの字状を呈する。
【0022】
図5、6、7を参照して発光装置30のカメラ本体に対する支持機構の構成を説明する。第1のアーム32は第1支持部であるピン41によってカメラ本体に枢支される。連結部材36は第1のアーム32の先端に、第2支持部であるピン42によって回動自在に連結される。発光ユニット34は連結部材36において、ピン42とは反対側の端部に位置する第3支持部のピン43に回動自在に連結される。第2のアーム33は第1支持部のピン41とは異なる第4支持部であるピン44によってカメラ本体に枢支される。第2アーム33の先端は第3支持部のピン43に連結される。このように、第1および第2のアーム32、33と連結部材36とピン41〜44によってリンク機構が構成される。
【0023】
発光ユニット34の側壁51には円弧状のスリット52が形成される。第2のアーム33のピン43に近接した部位には係合ピン53が固定され、係合ピン53は円弧状スリット52に係合する。発光ユニット34は係合ピン53が円弧状スリット52に係合する範囲内において第2のアーム33に対して回動自在である。すなわち係合ピン53は、
図2の収納状態では円弧状スリット52の一方の端部に係止し、
図4のポップアップ状態では円弧状スリット52の他方の端部に係止する。
【0024】
ピン43にはコイルバネであるポップアップバネ54が設けられる。バネ54の一方の端部は発光ユニット34に係止し、他方の端部は係合ピン53すなわち第2のアーム33に係止する(
図8、10参照)。バネ54により、発光ユニット34と第2のアーム33は、これらの成す角が180度に近づく方向に常時付勢される。例えば
図2に示す収納状態では、発光ユニット34と第2のアーム33の成す角は略0度であり、発光ユニット34はピン43を中心として第2のアーム33から離れる方向に回動する方向に付勢される。また
図4に示すポップアップ状態では、発光ユニット34は第2のアーム33と成す角がより大きくなる方向に付勢されるが、係合ピン53が円弧状スリット52の端部に係止するため、発光ユニット34と第2のアーム33の成す角はこれ以上大きくならない。
【0025】
カメラ本体の上面であって収納凹部16の側方には、係止爪61が設けられる。係止爪61はカメラ本体10の前後方向、すなわち第1および第2のアーム32、33が回動する面に平行な面に沿って変位自在であり、第1および第2のアーム32、33と連結部材36と発光ユニット34とを収納凹部16に収納した状態(
図2に示す収納状態)において発光ユニット34に係合可能である。発光ユニット34の下面には、係止爪61が係合するための溝62が形成される。
【0026】
カメラ本体10内には係止爪61を変位させるための係止爪駆動部63が配設される。係止爪駆動部63は電磁石64と可動部材65と係止バネ66とを有する。係止爪61は、図示しない支点の周りに回動自在であり、可動部材65は支点を挟んで係止爪61とは反対側の揺動部に連結される。係止爪61は係止バネ66によってカメラ本体10の前方(
図7の右方)に付勢される。可動部材65は電磁石64が通電されたとき、
図7の右方に突出し、この突出動作に連動して係止バネ66の付勢力により係止爪61が
図7の左方に後退する。すなわち
図2に示す収納状態では、係止爪61は溝62に係合し、これにより発光ユニット34は収納状態に保持されるが、発光ボタン39が押されて電磁石64が通電されると、係止爪61が後退して溝62を解放し、発光ユニット34がポップアップする。
【0027】
図6から理解されるように、カメラ本体を前面側から見たときに、第1のアーム32と連結部材36と係止爪駆動部63とが発光部35の幅の中に収まるように構成されている。第1のアーム32と連結部材36の中はそれぞれ、発光ユニット34と図示しない電子回路を電気的に接続するリード線が収納されており、第1のアーム32と連結部材36のピン41の軸方向に沿う長さは発光部35の幅よりも小さく、第1のアーム32と第2のアーム33との間に形成されるスペースに、係止爪駆動部63と係止爪61が配置されている。
【0028】
図8〜11を参照して、本実施形態において採用されているポップアップ機構の構成と作用を説明する。
連結部材36を貫通して延びる第3支持部のピン43には、上述したようにポップアップバネ54が設けられる。また連結部材36には、円板の一部を径方向の外側に膨出させて形成されたストッパ71が形成される。ストッパ71は発光ユニット34に形成された当接面72に当接可能である。一方第2のアーム33は、ピン44の近傍において第3支持部のピン43とは反対方向に延びる突起73を有する。この突起73はカメラ本体に固定されたストッパピン74に係合可能である。
【0029】
発光装置の収納状態では、
図8、9に示すように、発光ユニット34と第2のアーム33の成す角は略0度である。また発光ユニット34は連結部材36に対して略垂直であり、ストッパ71は当接面72から離間している。この状態において係止爪61が後退して発光ユニット34を解放すると、バネ54の付勢力により、発光ユニット34は連結部材36に対して回動するように作用し、
図10、11に示すように発光ユニット34は連結部材36に対して起き上がる。発光ユニット34の当接面72にストッパ71が当接すると、発光ユニット34は連結部材36に対して回動しなくなり、発光ユニット34と第2のアーム33はバネ54の付勢力により、これらの成す角が大きくなるように変化する。すなわち、
図12に示すように第2のアーム33がピン44を中心に回動して起き上がり、突起73がストッパピン74に係合した位置において静止する。
【0030】
以上のように本実施形態の発光装置30の支持機構は、第1のアーム32に連結部材36を介して発光ユニット34を連結したので、発光ユニット34のポップアップ高さが十分に大きくなり、したがって、カメラ本体10に装着された撮影レンズの突出量が大きくてもケラレが発生することが防止される。
【0031】
また、発光ユニット34が収納状態にあるとき、発光装置30は全体的にコの字状になるように折り畳まれるので、収納凹部16内にコンパクトに収納される。さらに、収納凹部16の内側底面25はレンズマウント12の上側縁部21と撮像素子17の受光面19の上辺22との間に位置し、また収納凹部16の前端面23がレンズマウント12よりもカメラ本体の背面側に位置している。したがって、収納凹部16を極力下方に配置することができ、発光装置30の上面31のカメラ本体10の上面からの突出量を小さく抑えることができる。
【0032】
なお、上記実施形態では、ポップアップバネ54はピン43のみに設けられていたが、これに代えて、バネを、ピン41、42に設けるとともに、発光ユニット34と連結部材36の間に設けてもよく、このような構成によると第2のアーム33を省略することができる。
【0033】
なお発光ユニット34は電磁石64を設けるのではなく、発光ボタン39を押すと機械的に係止爪61が外れるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10 カメラ本体
12 レンズマウント
16 収納凹部
17 撮像素子
17a 撮像領域
19 受光面
25 内側底面
30 発光装置