(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
施錠された金庫をセットし、当該金庫を解錠して該金庫の蓋を開けることにより、金庫本体部に収納された収納物を大容量の収納コンテナに移して、前記収納物を一括回収する金庫解錠機において、
前記収納コンテナ及び金庫解錠機本体の間の認証を、近距離無線通信により実行する認証手段と、
前記認証手段による認証の成立を前記収納の1条件として使用し、前記収納物の回収の動作を制御する制御手段と
を備え、
前記認証の無線通信を前記収納コンテナ側において行うタグを遮蔽及び露出可能に開閉する鍵付きシャッタを備えたことを特徴とする金庫解錠機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した金庫解錠機の一実施形態を
図1〜
図7に従って説明する。
[金庫解錠機の概略構成]
図1に示すように、金庫解錠機1は、それぞれの運賃箱(図示略)から取り出した金庫2の貨幣(硬貨/紙幣)を一括回収する現金回収機である。この金庫解錠機1には、回収した貨幣を一括収納するコンテナ部3が設けられている。コンテナ部3のハウジング4の正面には、コンテナ収納部5を開閉する鍵6の付いたハウジング扉7が設けられている。コンテナ収納部5には、貨幣の取込先である貨幣用コンテナ8が収納されている。貨幣用コンテナ8は、大容量の貨幣収納箱であり、コンテナ収納部5に出し入れ可能である。
【0012】
コンテナ部3の上部には、セットされた金庫2を解錠して内部の貨幣をコンテナ部3に排出するレシーバ9が設けられている。レシーバ9の正面には、金庫収納部10を開閉する鍵11の付いたレシーバ扉12が設けられている。金庫2には、貨幣が収納された金庫本体部13が設けられ、金庫本体部13の開口部分が金庫蓋14により施錠されている。金庫収納部10には、金庫2が上下逆さまの状態、つまり金庫蓋14を下にした向きでセットされる。金庫本体部13の底面には、金庫2内の貨幣を貨幣用コンテナ8に案内する一対のシュート15が設けられている。
【0013】
レシーバ9の正面には、金庫収納部10にセットされた金庫2を、金庫本体部13のみ奥に移動させる際に操作するレシーバハンドル16が回動操作可能に設けられている。レシーバハンドル16は、初期位置から1回転(360度)操作が可能であり、最後尾まで回転操作されないと、レシーバハンドル16に連結されたラッチによって初期位置に戻らない構造をとる。
【0014】
レシーバ9の正面には、金庫解錠機1の動作状態を通知する表示部17が設けられている。表示部17は、例えば複数のLEDからなり、正常状態、貨幣取り込み中、エラー等を作業者に通知する。レシーバ9の正面には、金庫解錠機1の設定を切り替える際に操作する操作パネル18が設けられている。操作パネル18は、鍵付き扉19により閉じられ、管理者のみ操作が許可される。
【0015】
貨幣用コンテナ8の上面には、硬貨受入口20及び紙幣受入口21が並設されている。硬貨受入口20及び紙幣受入口21には、これら受入口を開閉する共通のシャッタ22が設けられている。貨幣用コンテナ8の正面には、シャッタ22の開閉時に操作するコンテナハンドル23が設けられている。コンテナハンドル23は、装置奥行き方向(
図1のX軸方向)にスライド操作可能であり、かつ奥に目一杯押し込んだ状態で略90度回動操作可能である。
【0016】
貨幣用コンテナ8には、正面に紙幣取出口の鍵付き扉24が設けられ、背面に硬貨取出口の鍵付き扉25が設けられている。貨幣用コンテナ8の正面には、一対の取手26が設けられている。また、貨幣用コンテナ8の正面には、フォークリフトのアタッチメントを挿し込む一対の挿込穴27が設けられている。貨幣用コンテナ8の裏面には、4つのキャスタ28が設けられている。
【0017】
[金庫の構成]
図2(a),(b)に示すように、金庫蓋14には、金庫蓋14を開閉する際に操作する金庫ハンドル29が取り付けられている。金庫ハンドル29には、取手30及び軸部31が設けられ、軸部31が金庫本体部13のブロック32に摺動可能に挿通されている。金庫ハンドル29は、ブロック32の軸受け部32aを介して軸部31回りに回動操作可能であり、かつ金庫蓋14とともにブロック32の軸受け部32aを介してスライド操作可能でもある。ブロック32は、金庫蓋14を目一杯引き出した際、金庫蓋14及び金庫ハンドル29とともに、金庫蓋14のスライド方向と直交する軸回りに回動可能である。
【0018】
金庫本体部13の背面には、金庫蓋14の鍵としてシリンダ錠33が設けられている。シリンダ錠33の外周には、シリンダ錠33に正規のキープレート34が挿し込まれた際にシリンダ錠33とともに一体回転する回転ピース35が取り付けられている。回転ピース35の外周には、キープレート34側の突起部36と係合可能な係止溝37が周方向一帯に亘り凹設されている。回転ピース35は、略リング状に形成された支持枠部38に配設された一対の節度部39により節度が付されている。金庫蓋14を閉方向にスライド操作して閉じた際、軸部31の先端の係止凹部40にシリンダ錠33の軸係止部41が入り込んで係止し、軸部31及びシリンダ錠33が一体回転可能となる。
【0019】
図2(a)に示すように、金庫ハンドル29を縦向きにして最も奥にスライド操作することで金庫蓋14が閉じられ、かつシリンダ錠33にキープレート34が挿し込まれていないとき、シリンダ錠33が回動不可であるので、金庫ハンドル29が縦向きで金庫本体部13側に固定された状態、つまり金庫蓋14が施錠状態となる。よって、金庫2の持ち運びのときには、金庫蓋14が閉状態で施錠されるので、金庫蓋14が勝手に開けられる心配がない。
【0020】
図2(b)に示すように、金庫2を運賃箱にセットするなどして、シリンダ錠33にキープレート34が挿し込まれていれば、シリンダ錠33が解錠状態となる。よって、シリンダ錠33及び回転ピース35が回動可能な状態、つまり金庫ハンドル29の回動操作が可能となるので、金庫ハンドル29を固定状態の位置から回すことが可能となり、金庫ハンドル29を横に略90度回して手前にスライド操作することにより、金庫蓋14が開操作される。金庫蓋14が目一杯に引き出されると、金庫蓋14がブロック32とともに回動可能となり、水平位置から90度下向きに倒すことが可能である。なお、金庫ハンドル29を解錠側に回した際、係止溝37に突起部36が係止されることにより、金庫2が運賃箱に固定される。
【0021】
[レシーバ及びコンテナ部の構成]
図3及び
図4に示すように、レシーバ9には、鍵11で開閉されるレシーバ扉12の開閉状態を検出するレシーバ扉開閉検出センサ42と、金庫2が金庫収納部10にセットされていることを検出する金庫有無検出センサ43とが設けられている。金庫有無検出センサ43は、金庫ハンドル29が縦向きから解錠方向に操作されたか否か、つまり横向きに略90度回し操作されたか否かを検出する。レシーバ扉開閉検出センサ42及び金庫有無検出センサ43は、ともにフォトセンサが使用されている。
【0022】
レシーバ9には、レシーバハンドル16の回動操作を規制するハンドル固定用ソレノイド44が設けられている。ハンドル固定用ソレノイド44は、例えば吸引ソレノイド(プルソレノイド)が使用されている。ハンドル固定用ソレノイド44が通電されると、プランジャがレシーバハンドル16から退避し、レシーバハンドル16の回動操作が可能となる。ハンドル固定用ソレノイド44には、ハンドル固定用ソレノイド44の駆動状態(ロック/アンロック)を検出するソレノイド駆動状態検出センサ45が設けられている。ソレノイド駆動状態検出センサ45は、例えばフォトセンサが使用されている。
【0023】
レシーバ9には、金庫収納部10にセットされた金庫2において、レシーバハンドル16の回動操作により、金庫本体部13のみを背面側にスライド移動させる背面可動部46が設けられている。背面可動部46は、通常、ホームポジションに位置し、レシーバハンドル16が1回転されると、レシーバハンドル16の回動に連動して奥の最後尾ポジションに移動する。レシーバ9には、背面可動部46がホームポジションに位置することを検出するホームポジション検出センサ47と、背面可動部46が最後尾ポジションに位置することを検出する最後尾ポジション検出センサ48とが設けられている。ホームポジション検出センサ47及び最後尾ポジション検出センサ48は、ともにフォトセンサが使用されている。
【0024】
レシーバ9には、最後尾ポジションに位置した金庫本体部13をその位置で維持させるロック用ソレノイド49が設けられている。ロック用ソレノイド49は、例えば吸引ソレノイド(プルソレノイド)が使用されている。背面可動部46は、最後尾ポジションに位置すると、ロック用ソレノイド49と係止することにより最後尾ポジションで止まり、ロック用ソレノイド49が通電されてプランジャが引き込まれると、最後尾ポジションからホームポジションに戻る動作をとる。
【0025】
金庫2には、通信エリアが極近傍の近距離無線通信によりレシーバ9と認証を実行するタグ50が設けられている。レシーバ9には、タグ50と近距離無線通信を行うアンテナ51が設けられている。タグ50は、アンテナ51から送信される電波を電源に、負荷変調によりアンテナ51と双方向通信する。タグ50には、タグ固有(金庫固有)の識別IDが登録されている。近距離無線通信には、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)が使用されている。アンテナ51は、金庫解錠機1の電源がオン時にポーリング動作を行い、タグ50が接近して通信が確立すると、負荷変調によってタグ50と認証通信を実行する。
【0026】
コンテナ部3には、鍵6で開閉されるハウジング扉7の開閉状態を検出するハウジング扉開閉検出センサ52が設けられている。ハウジング扉開閉検出センサ52は、例えばフォトセンサが使用されている。
【0027】
[貨幣用コンテナの認証機能]
図3及び
図4に示すように、コンテナ部3と貨幣用コンテナ8との間には、正規の貨幣用コンテナ8がコンテナ部3にセットされるように、近距離無線通信を使用した認証機能(貨幣用コンテナ認証機能)が設けられている。本例の貨幣用コンテナ認証機能は、金庫2と同様にRFIDが使用されている。本例の貨幣用コンテナ認証機能は、貨幣用コンテナ8にタグ53が設けられ、コンテナ部3に近距離無線通信用のアンテナ54が設けられている。タグ53には、タグ固有(貨幣用コンテナ固有)の識別IDが登録されている。タグ53は、1つの部品として取り扱えるようにユニット化され、かつ防水構造がとられている。
【0028】
アンテナ54は、金庫解錠機1の電源がオンとなったときにポーリング動作を開始し、タグ53の接近を監視するために定期的に電波を送信する。タグ53は、アンテナ54から送信されたポーリングの電波を受信すると、自身に登録されている識別IDを負荷変調により送信する。金庫解錠機1は、タグ53から送信された識別IDをアンテナ54で受信すると認証を行い、この認証成立結果をレシーバハンドル16の回動操作を許可する1条件として使用する。
【0029】
[貨幣用コンテナの構成]
図5(a)及び
図6(a)に示すように、タグ53は、貨幣用コンテナ8の上壁の裏面側に配設されたタグ取付板55に取り付け固定されている。シャッタ22は、閉状態をとるとき、タグ53を遮蔽する状態をとり、開状態をとるとき、タグ53を外部に露出させる。タグ53は、シャッタ22で覆われると、アンテナ54から送信される電波をシャッタ22に遮られて受信できなくなり、近距離無線通信を実施しない。タグ53は、シャッタ22が開状態となった際、貨幣用コンテナ8の上壁の開口部56から外部に露出する。
【0030】
シャッタ22は、正規キーがないと開閉することができない鍵付きである。本例の鍵付きシャッタ22は、基本的に鍵付き金庫蓋14と同様の構造をとる。例えば、鍵付きシャッタ22には、断面略L字状の遮蔽板57が、貨幣用コンテナ8の幅方向(
図5(a)のX軸方向)に3つ配設されたガイド部58によって、貨幣用コンテナ8の奥行き方向(
図5(a)のX軸方向)にスライド可能に取り付けられている。遮蔽板57には、硬貨受入口20及び紙幣受入口21を開閉する貨幣用シャッタ部59と、タグ53を開閉するタグ用シャッタ部60と、シャッタ部59,60に対して直交する向きをとる鉛直板部61とが一体に設けられる。
【0031】
コンテナハンドル23は、手前側の第1軸部62と奥側の第2軸部63とを可動ジョイント64により連結することで形成されている。第2軸部63は、遮蔽板57の鉛直板部61の通し孔65に回動のみ許容されて取り付けられている。コンテナハンドル23は、スライド方向(
図5(a)のX軸方向)には遮蔽板57と一体に動くものの、回転方向(
図5(a)の矢印A方向)には遮蔽板57に対して自身のみ動く。
【0032】
第2軸部63の先端寄りの位置には、コンテナハンドル23のスライド操作及び回動操作の操作範囲を設定する規制部66が突設されている。貨幣用コンテナ8には、コンテナハンドル23のスライド移動を案内する案内部67が架設されている。案内部67には、規制部66が通るガイド溝67a,67bが形成されている。ガイド溝67a,67bには、コンテナハンドル23のスライド移動を許容する第1ガイド溝67aと、コンテナハンドル23の回動操作を許容する第2ガイド溝67bとがある。
【0033】
貨幣用コンテナ8の背面には、シャッタ22の鍵としてシリンダ錠68が設けられている。なお、シリンダ錠68の周囲の構造は、金庫蓋14の鍵と同様であるので、詳細説明を省略する。第2軸部63の先端には、シリンダ錠68に係止される係止凹部69が設けられている。この係止凹部69は、コンテナハンドル23を遮蔽板57とともに奥方向にスライド操作して遮蔽板57を閉じた際、シリンダ錠68側の軸係止部に入り込んで係止し、コンテナハンドル23及びシリンダ錠68の一体回転を許容する。
【0034】
図5(a),(b)に示すように、コンテナハンドル23が最も奥にスライド操作されてシャッタ22が閉じられ、シリンダ錠68からキープレート70が抜かれているとき、シリンダ錠68の回転ピース(図示略)が回動不可であるので、コンテナハンドル23を固定状態の位置から回すことができず、シャッタ22が施錠状態となる。一方、
図6(a),(b)に示すように、例えば貨幣用コンテナ8がコンテナ部3にセットされるなどして、シリンダ錠68にキープレート70が挿し込まれているとき、シリンダ錠68の回転ピースが回動可能であるので、コンテナハンドル23を固定状態の位置から回すことができ、シャッタ22が解錠状態となる。よって、コンテナハンドル23の操作によるシャッタ22の開操作が許可される。
【0035】
[金庫解錠機の電気構成]
図7に示すように、金庫解錠機1は、ハブ71aを介してホストコンピュータ71に接続されている。なお、金庫解錠機1が複数ある場合、ホストコンピュータ71には、ハブ71aを介して複数の金庫解錠機1が接続される。
【0036】
レシーバ9には、金庫解錠機1の動作を制御する電源制御部72が設けられている。電源制御部72には、電源制御部72のコントローラである制御部73と、停電時の電源となるUPS(Uninterruptible Power Supply)74と、入力した電源(AC:120V)を必要な電圧および電流に変換する電源変換部75と、種々の回路が実装されたPCボード76と、電源制御部72を温めるヒータ77とが設けられている。制御部73には、センサ群、ソレノイド群、表示部17、操作パネル18、背面可動部46、アンテナ51,54などが接続されている。電源制御部72は、PCボード76をハブ71aに繋いでホストコンピュータ71に接続されている。
【0037】
金庫解錠機1には、プローブ78を接続するプローブ基板79が設けられている。プローブ78は、運賃箱と例えば赤外線通信(IrDA:Infrared Data Association)により双方向の無線通信を実行する。プローブ78は、運賃箱から金庫2を取り出すための解錠トリガを運賃箱に送信したり、運賃箱の各種データを取得してホストコンピュータ71に出力したり、ホストコンピュータ71から取得した各種データを運賃箱にダウンロードしたりする。
【0038】
次に、本例の金庫解錠機1の動作を、
図1,
図3,
図4,
図6を用いて説明する。
図1に示すように、シャッタ22が閉状態の貨幣用コンテナ8をコンテナ部3にセットする。コンテナ部3にセットされる前の貨幣用コンテナ8は、コンテナハンドル23が最も奥までスライド操作され、かつ施錠側に略90度回された状態となっている。よって、シャッタ22は、シリンダ錠68によって施錠された状態をとり、勝手に開けることができない。また、タグ53は、閉状態のシャッタ22(即ち、タグ用シャッタ部60)によって覆われているので、作業者の意図しない認証が勝手に実施されてしまうこともない。
【0039】
図6(a),(b)に示すように、貨幣用コンテナ8がコンテナ部3にセットされると、そのセット状態において、コンテナ部3内に配設されたキープレート70が、貨幣用コンテナ8のシリンダ錠68に挿し込まれる。これにより、シリンダ錠68が解錠され、コンテナハンドル23の解錠側への回動操作が許可される。
【0040】
続いて、コンテナハンドル23を解錠側に略90度回し、手前に引き出す。コンテナハンドル23が手前にスライド操作されると、この操作に連動してシャッタ22が開動作をとる。そして、コンテナハンドル23が手前に目一杯引き出されると、シャッタ22が開状態となり、硬貨受入口20及び紙幣受入口21がともに開口するとともに、タグ53が外部に露出する。手前に目一杯引き出されたコンテナハンドル23は、第1軸部62のみを可動ジョイント64により略90度倒すことが可能である。
【0041】
図3及び
図4に示すように、金庫解錠機1に電源が投入されたとき、アンテナ51,54はタグ50,53の有無を監視するためにポーリング動作を開始する。よって、貨幣用コンテナ8をコンテナ部3にセットする際、その移動過程で、アンテナ54から送信されたトリガをタグ53が受信し、タグ53は負荷変調により自身の識別IDをアンテナ54に返信する。制御部73は、アンテナ54で識別IDを受信すると、この識別IDを認証し、その認証結果を保持する。
【0042】
続いて、
図1に示すように、レシーバ扉12を開操作し、金庫2を天地逆さまの向きにして金庫収納部10にセットする。このとき、金庫収納部10内に配設されたキープレート34が、金庫2のシリンダ錠33に挿し込まれる。これにより、シリンダ錠33が解錠され、金庫ハンドル29の解錠側への回動操作が許可される。金庫ハンドル29が解錠側へ略90度回動操作されると、金庫ハンドル29による位置規制が外れて、金庫本体部13と金庫蓋14とが相対移動可能な状態となる。
【0043】
金庫2のセット完了後、レシーバハンドル16を1回転(約360度)回し操作する。このとき、制御部73は、以下の(a)〜(e)が全て成立することを条件に、レシーバハンドル16の解錠側への回動操作を許可する。
【0044】
(a)レシーバ扉開閉検出センサ42:レシーバ扉の閉状態を検出すること
(b)金庫有無検出センサ43:金庫ハンドル29が横向きに操作されたこと
(c)ハウジング扉開閉検出センサ52:ハウジング扉7の閉状態を検出すること
(d)RFID認証:コンテナ部3のアンテナ54と貨幣用コンテナ8のタグ53との間のRFID認証が成立すること
(e)ホームポジション検出センサ47:背面可動部46がホームポジションにあること
制御部73は、(a)〜(e)が全て成立することを確認すると、ハンドル固定用ソレノイド44を通電し、金庫ハンドル29のロックを解除する。これにより、金庫ハンドル29を回せるようになるので、金庫ハンドル29を1回転操作する。
【0045】
図4に示すように、金庫ハンドル29が1回転操作されると、金庫本体部13のみが背面可動部46によって奥に引き込まれることにより、金庫蓋14を残して金庫本体部13が背面側にスライド移動する。これにより、金庫本体部13の開口が下向きに露出し、金庫本体部13内の貨幣が自重により下方に落下する。よって、金庫本体部13内の貨幣が貨幣用コンテナ8内に収納される。金庫本体部13が最後尾ポジションまでスライド移動すると、タグ50及びアンテナ51の間でRFID認証を行い、認証が成立しなければ、表示部17でエラーを通知する。また、最後尾ポジションまでスライド移動した金庫本体部13は、ロック用ソレノイド49によって同ポジションで保持される。
【0046】
制御部73は、背面可動部46が最後尾ポジションに到達したことを最後尾ポジション検出センサ48により検出すると、同ポジションに到達してからの時間をタイマ等により計測する。そして、制御部73は、背面可動部46が最後尾ポジションに位置する時間が、貨幣が全て落下したであろう所定時間を経過すると、ロック用ソレノイド49を通電し、背面可動部46のロックを解除する。これにより、背面可動部46がホームポジション位置に戻る動きをとり、この動作に伴って金庫本体部13もホームポジション側にスライド移動し、金庫本体部13が金庫蓋14で閉じられた元の状態に戻る。
【0047】
金庫本体部13がホームポジションに戻ったことを確認すると、レシーバ扉12を開け、空になった金庫2を取り出す。そして、以上の動作を貨幣の入った金庫2ごとに繰り返すことにより、各金庫2内の貨幣を金庫解錠機1で一括回収する。その後、貨幣用コンテナ8は金庫解錠機1から取り出されて精算室(図示略)に運ばれて、そこで中の貨幣が取り出される。
【0048】
本実施形態の構成によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)貨幣用コンテナ8の認証に近距離無線通信を用いた認証(RFID認証)を使用するので、無線という非接触の方式で貨幣用コンテナ8の正当性を確認することができる。よって、認証箇所に部材間の接触が不要となるので、認証箇所の耐久性を確保することができる。
【0049】
(2)タグ53は防水構造が設けられているので、認証部品の防水性を確保することもできる。
(3)タグ53は電源不要であるので、タグ53を貨幣用コンテナ8に配設すれば、貨幣用コンテナ8に電源、モータ、センサ等の各種部品を搭載せずに済む。よって、貨幣用コンテナ8の構造を簡素化でき、信頼性確保にも繋がる。
【0050】
(4)タグ53を開閉するシャッタ22を設けたので、シャッタ22を閉状態としておけば、作業者が意図しない認証が実施されない。よって、不正な認証通信を防止することができる。
【0051】
(5)貨幣用シャッタ部59及びタグ用シャッタ部60を一体に設けたので、硬貨受入口20及び紙幣受入口21の開閉にタグ53の開閉も連動させることができる。よって、一度の開閉操作で両方の開閉を切り替えることが可能となるので、利便性がよくなる。
【0052】
(6)貨幣用コンテナ8をコンテナ収納部5にセットした際、シャッタ22が閉じたままであればRFID認証が成立しないので、レシーバハンドル16の操作が許可される条件が揃わず、レシーバハンドル16を回すことができない。よって、貨幣用コンテナ8のシャッタ22が閉じたまま、金庫2内の貨幣が貨幣用コンテナ8に排出されてしまうこと、つまりシャッタ22の上面に貨幣が積み上がってしまうことがない。
【0053】
(7)金庫解錠機1に電源が投入されれば、アンテナ54がポーリング動作を開始するので、貨幣用コンテナ8をコンテナ収納部5にセットする際、タグ53がアンテナ54に近づけば、認証が自動的に実行される。よって、貨幣用コンテナ8をコンテナ収納部5にセットする作業の流れの中で、作業者に別途操作を課さなくともタグ53の認証を実行することができる。
【0054】
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・貨幣用シャッタ部59とタグ用シャッタ部60とは、別体でもよい。
・鍵付きシャッタ22は、作業者が所持するキーをシリンダ錠に挿し込んで回すことにより、シャッタ22が開閉される構造でもよい。
【0055】
・シャッタ22は、電動で開閉してもよい。
・貨幣用コンテナ8は、実施形態以外の他の構造に適宜変更可能である。
・近距離無線通信は、NFC(Near Field Communication)等の他の通信方式を採用可能である。
【0056】
・近距離無線通信のポーリング周期は、可変としてもよい。例えば、認証が成立した後、ポーリング間隔を広げるようにしてもよい。
・タグ53のRFID認証の開始タイミング(ポーリング開始タイミング)は、例えば貨幣用コンテナ8がコンテナ部3にセットされたことを開始トリガとしてもよい。
【0057】
・アンテナ54の配置位置は、レシーバ9等の他の位置に変更可能である。
・タグ53は、貨幣用コンテナ8において貨幣の受入口と同じ面に配置されることに限らず、互いに別の面に配置されてもよい。
【0058】
・タグ53のRFID認証を開始した時刻と、RFID認証を終了した時刻とをタグ53に記憶するようにしてもよい。これにより、貨幣用コンテナ8がコンテナ収納部5に入れられた時刻と、取り出された時刻とを、タグ53経由でコンピュータシステムに伝達し、管理することができる。
【0059】
・タグ50に記憶された金庫2内の収納金額を金庫解錠機1が読み取って集計し、タグ53に回収した貨幣の合計金額を記憶させるようにしてもよい。精算室では、精算用のコンピュータシステムに接続されたRFIDリーダ・ライタによりタグ53の認証が行われ、貨幣用コンテナ8の中の貨幣が取り出されて精算される。タグ53は、貨幣用コンテナ8に回収された合計金額が読み取られた後に初期化される。
【0060】
・精算室で貨幣が貨幣用コンテナ8から取り出されたときに、貨幣用コンテナ8内の貨幣を取り出したことを示す空フラグをタグ53に書き込むようにしてもよい。貨幣用コンテナ8が金庫解錠機1に取り付けられたとき、空フラグがタグ53から読み取られれば通常通りに動作するが、空フラグがタグ53から読み取れなければエラーが生じ、金庫解錠機1は動作しない。金庫解錠機1が通常通り動作し、金庫2から貨幣用コンテナ8に貨幣が回収されると、タグ53の空フラグは消去される。これにより、内部に貨幣が残っている貨幣用コンテナ8の再使用を妨げ、空の貨幣用コンテナ8のみを金庫解錠機1にセット可能とし、回収した貨幣が貨幣用コンテナ8の容量を超えてしまう恐れを防ぐことができる。
【0061】
・レシーバ9の構造は、例えばレシーバハンドル16を回す構造以外とするなど、他に変更可能である。
・金庫解錠機1にセットされた金庫2の金庫蓋14を開くことができる条件は、少なくとも貨幣用コンテナ8のタグ53のRFID認証成立が含まれていれば、他に変更可能である。
【0062】
・金庫2の構造は、金庫蓋14に鍵が付いていれば、他に適宜変更可能である。
・金庫解錠機1に配設された検知類やアクチュエータ類は、他の種類に適宜変更可能である。
【0063】
・金庫2に収納する収納物は、硬貨、紙幣、整理券等の少なくとも1つを含む。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)請求項1〜3のいずれかにおいて、セットされた前記金庫の蓋を開ける際に操作する金庫蓋操作手段と、当該金庫蓋操作手段の操作を規制可能なロック手段とを備え、前記制御手段は、前記認証の成立を含む条件が揃ったことを確認すると、前記ロック手段を解除することにより、前記金庫蓋操作手段の操作を許可すること。
【0064】
(ロ)請求項1〜3,前記技術的思想(イ)のいずれかにおいて、前記近距離無線通信の認証は、電波を定期に送信するポーリング動作によって前記タグの接近を監視すること。