特許第6069920号(P6069920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイテクトの特許一覧

特許6069920円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受
<>
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000002
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000003
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000004
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000005
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000006
  • 特許6069920-円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6069920
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 43/04 20060101AFI20170123BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20170123BHJP
   F16C 41/04 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   F16C43/04
   F16C33/58
   F16C41/04
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-156186(P2012-156186)
(22)【出願日】2012年7月12日
(65)【公開番号】特開2014-20380(P2014-20380A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 武志
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−293558(JP,A)
【文献】 特開2006−329331(JP,A)
【文献】 特開2010−101369(JP,A)
【文献】 特開2011−219208(JP,A)
【文献】 実開昭50−073739(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 35/00−39/06,
43/00−43/08
F16C 19/00−19/56,
33/30−33/66
F16C 41/00−41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器とを一体に組み立てる第1工程、及び、
前記外輪に位置規制具を取り付け、当該位置規制具と前記小鍔部とで前記円すいころを挟持することによって、前記円すいころの小端面を前記小鍔部に当接させて押し付けた状態で前記外輪に対する前記円すいころの大端面側への相対移動を制限する第2工程
を含むことを特徴とする円すいころ軸受の組立方法。
【請求項2】
前記位置規制具が、前記外輪に取り付けられる取付片と、前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持する規制片とを有し、前記規制片が、前記外輪軌道に沿って配置され、その先端部が前記円すいころの大端面に当接される、請求項1に記載の円すいころ軸受の組立方法。
【請求項3】
円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器とを一体に組み立てた状態で、前記外輪に対して着脱可能に取り付けられ、かつ前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持することによって、前記円すいころの小端面を前記小鍔部に当接させて押し付けた状態で前記外輪に対する前記円すいころの大端面側への移動を制限する位置規制具を備えていることを特徴とする円すいころ軸受の組立用治具。
【請求項4】
前記位置規制具が、前記外輪に取り付けられる取付片と、前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持する規制片とを有し、前記規制片が、前記外輪軌道に沿って配置され、その先端部が前記円すいころの大端面に当接される、請求項3に記載の円すいころ軸受の組立用治具。
【請求項5】
前記位置規制具が、周方向に間隔をあけて配置された一部の複数個の円すいころに対応して設けられる、請求項3又は4に記載の円すいころ軸受の組立用治具。
【請求項6】
前記保持器が、周方向に配列された複数の分割体からなる分割型保持器である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の円すいころ軸受の組立用治具。
【請求項7】
円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、
円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、
前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、
複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器と、
前記内輪、外輪、円すいころ、及び保持器を一体に組み立てた状態で前記外輪に取り付けられ、前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持することによって、前記円すいころの小端面を前記小鍔部に当接させて押し付けた状態で前記外輪に対する前記円すいころの大端面側への移動を制限する請求項4〜6のいずれか1項に記載の位置規制具と、
を備えていることを特徴とする円すいころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力発電装置の主軸等を支持するための円すいころ軸受に好適に適用することができる組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電機の主軸を支持するために使用される転がり軸受としては、例えば円すいころ軸受があり、その保持器にはピン型保持器が使用される場合がある(例えば、特許文献1参照)。このピン型保持器は、円すいころの軸方向両側に配置された一対の保持リングと、周方向に間隔をあけて配設され、一対の保持リングに両端が連結される複数のピンとを備えている。そして、円すいころの中心軸線上に形成された貫通孔にピンを挿通させることによって、複数の円すいころの周方向の間隔が保持されるようになっている。
【0003】
しかしながら、風力発電装置の主軸を支持するために使用される円すいころ軸受は、直径が1〜2m程度もあり、非常に大型で重量も大きくなる。そのため、最近では、ピン型保持器に代えて、軽量化が可能な合成樹脂製の保持器が利用されつつある。ただし、合成樹脂製の保持器は、大型になる程その全体を一体成形するのが困難となるため、通常、周方向の一部分ごとに成形された分割型の保持器が用いられる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−256168号公報
【特許文献2】特開2012−77882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、合成樹脂製の分割型保持器は、円すいころ軸受の組立性に難がある。つまり、円すいころ軸受を組み立てるには、内輪の外周側に保持器を環状に配列しつつ、保持器のポケットに円すいころを挿入していくが、保持器が分割型であると、内輪の外周側から離脱し易くなり、同時に円すいころも内輪から離脱し易くなる。そのため、内輪に保持器及び円すいころを組み付けた後に外輪をも組み付けることによって円すいころ軸受を一体の状態(完成品の状態)に組み立てる必要があり、さらに、円すいころ軸受を一体の状態で保持しておく必要もある。
また、一体の状態に組み立てた円すいころ軸受をハウジングや主軸に装着する場合、外輪及び内輪の軸心が正確に一致していることが望まれる。
【0006】
本発明は、以上のような実情に鑑み、円すいころ軸受における内輪、円すいころ、保持器、及び外輪を一体に組み立てた状態で好適に保持することができる組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る円すいころ軸受の組立方法は、円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器とを一体に組み立てる第1工程、及び、前記外輪に位置規制具を取り付け、当該位置規制具と前記小鍔部とで前記円すいころを挟持することによって、前記円すいころの小端面を前記小鍔部に当接させて押し付けた状態で前記外輪に対する前記円すいころの大端面側への相対移動を制限する第2工程
を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の組立方法によれば、外輪に対する円すいころの大端面側への相対移動が制限されるので、内輪、保持器、円すいころ、及び外輪を一体に組み立てた完成品の状態で、その形態を好適に保持することができる。また、本発明の組立方法によれば、外輪と内輪との軸心を一致させることができる。そのため、一体の状態の円すいころ軸受をハウジングや軸に装着する作業を容易に行うことができる。
【0009】
(2)前記位置規制具は、前記外輪に取り付けられる取付片と、前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持する規制片とを有し、前記規制片は、前記外輪軌道に沿って配置され、先端部が前記円すいころの大端面に当接されることが好ましい。
【0010】
(3)本発明に係る円すいころ軸受の組立用治具は、円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器とを一体に組み立てた状態で、前記外輪に対して着脱可能に取り付けられ、かつ前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持することによって、前記円すいころの小端面を前記小鍔部に当接させて押し付けた状態で前記外輪に対する前記円すいころの大端面側への移動を制限する位置規制具を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の組立用治具によれば、外輪に対する円すいころの大端面側への相対移動が位置規制具によって制限されるので、内輪、保持器、円すいころ、及び外輪を一体に組み立てた完成品の状態で、その形態を好適に保持することができる。また、本発明の組立用治具によれば、外輪と内輪との軸心を一致させることができる。そのため、一体の状態の円すいころ軸受をハウジングや軸に装着する作業を容易に行うことができる。
【0012】
(4)前記位置規制具は、前記外輪に取り付けられる取付片と、前記小鍔部との間で前記円すいころを挟持する規制片とを有し、前記規制片は、前記外輪軌道に沿って配置され、先端部が前記円すいころの大端面に当接されることが好ましい。
【0013】
(5)前記位置規制具は、周方向に間隔をあけて配置された一部の複数個の円すいころに対応して設けられることが好ましい。
位置規制具は、全ての円すいころ対応して設けることも可能であるが、この場合、位置規制具の数量が多くなり、重量増やコスト増を招くだけでなく、位置規制具の着脱が煩雑になる。そのため、周方向に間隔をあけて配置された一部の複数個の円すいころに対応して位置規制具を設けることによって、重量増、コスト増を抑制し、位置規制具の着脱作業を容易に行うことができる。
【0014】
(6)前記保持器は、周方向に配列された複数の分割体からなる分割型保持器であることが好ましい。
本発明は、分割型保持器以外の環状の保持器を備えた円すいころ軸受に適用することも可能であるが、内輪の径方向外側から保持器及び円すいころが離脱し易くなる分割型保持器を使用した円すいころ軸受に対して適用することがより好適である。
【0015】
(7)本発明の円すいころ軸受は、円すい形状の内輪軌道とこの内輪軌道の軸方向両側に設けられた小鍔部及び大鍔部とを有する内輪と、円すい形状の外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道及び前記外輪軌道の間に配置される複数の円すいころと、複数の円すいころの周方向の間隔を保持する保持器と、前記内輪、外輪、円すいころ、及び保持器を一体に組み立てた状態で前記外輪に取り付けられ、当該外輪に対する前記円すいころの大端面側への移動を制限する上記(4)〜(6)のいずれかに記載の位置規制具と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明における円すいころ軸受の組立方法及び組立用治具、並びに円すいころ軸受によれば、内輪、円すいころ、保持器、外輪を一体に組み立てた状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る円すいころ軸受の正面図である。
図2図1のII−II矢視断面図である。
図3】円すいころと保持器との関係を示す平面説明図である。
図4】位置規制具と円すいころとの関係を示す平面説明図である。
図5】変形例における位置規制具と円すいころとの関係を示す平面説明図である。
図6】他の変形例における位置規制具と円すいころとの関係を示す平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る円すいころ軸受の正面図、図2は、図1のII−II矢視断面図である。
本実施形態の円すいころ軸受10は、例えば、風力発電装置の主軸を支持するために使用されるものであり、環状の内輪11と、この内輪11の径方向外方に配置された環状の外輪12と、内輪11と外輪12との間に周方向に配列された複数の円すいころ13と、複数の円すいころ13の周方向の間隔を保持する保持器14とを備えている。
【0019】
内輪11の外周面には、円すい形状に形成された内輪軌道11aが形成されている。また、この内輪軌道11aの軸方向両側には、径方向外方に突出する小鍔部11bと大鍔部11cとが形成されている。
外輪12の内周面には、円すい形状に形成された外輪軌道12aが形成されている。
【0020】
円すいころ13は、截頭円すい(円すい台)形状に形成されており、内輪軌道11a及び外輪軌道12a上を転動可能である。円すいころ13は、小鍔部11b及び大鍔部11cによって内輪11に対する軸方向の相対移動が制限されている。すなわち、円すいころ13の小端面13aは、小鍔部11bに当接することによって軸方向一方側(左側)への移動が制限され、円すいころ13の大端面13bは、大鍔部11cに当接することによって軸方向他方側(右側)への移動が制限される。
【0021】
図3は、円すいころと保持器との関係を示す平面説明図である。
保持器14は、周方向に並べて配置された複数の分割体15から構成されている。各分割体は、一対の環状部15aと、一対の環状部15aの間に架設され、周方向に間隔をあけて設けられた複数の柱部15bとを備えている。一対の環状部15aと周方向に隣接する柱部15bとによって囲まれた空間がポケット15cとされ、このポケット15cの内部に円すいころ13が収容されている。
【0022】
本実施形態の円すいころ13には、内輪11、円すいころ13、保持器14、及び外輪12を一体に組み立てた状態(完成品の状態)で、その形態を保持するための組立用治具20を備えている。この組立用治具20は、円すいころ軸受10が適用される風力発電装置等の装置(以下、「適用装置」ともいう)に組み付けるまで使用され、適用装置に組み付けられた後は円すいころ軸受10から取り外される。本実施形態の組立用治具20は、外輪12に対する円すいころ13の大端面13b側への移動を制限する複数の位置規制具21によって構成されている。
【0023】
位置規制具21は、図1に示されるように、外輪12に対して周方向に間隔をあけて取り付けられている。より具体的には、4個の位置規制具21が、90°間隔で取り付けられている。図2に示されるように、位置規制具21は、略くの字状に屈曲した取付片22と規制片23とから構成されている。取付片22は、外輪12の軸方向一端面(右端面)に当接し、当該端面にボルト等の固定具25によって着脱自在に取り付けられる。規制片23は、外輪軌道12aに沿って配置され、その先端部が円すいころ13の大端面13bに当接されている。したがって位置規制具21は、外輪12に対する円すいころ13の大端面13b側への移動を制限している。
【0024】
位置規制具21における規制片23の長さLは、次のように設定されている。すなわち、規制片23の先端部を円すいころ13の大端面13bに当接させたとき、円すいころ13の小端面13aが内輪11の小鍔部11bに当接するように、規制片23の長さLが設定されている。言い換えると、規制片23は、図4に示されるように、円すいころ13を矢印方向に押圧することによって小端面13aを小鍔部11bに押しつけ、小鍔部11bとの間で円すいころ13を挟持している。
【0025】
したがって、外輪12に対して位置規制具21を取り付けると、内輪11及び外輪12と円すいころ13との隙間(ラジアル隙間及びアキシアル隙間)が無くなり、これらの相対位置が完全に固定される。同時に、内輪11と外輪12の軸心も一致する。そのため、内輪11、円すいころ13、保持器14、及び外輪12を一体に組み立てた状態で、その形態を好適に保持することができる。さらに、内輪11と外輪12の軸心が一致するので、一体に組み立てられた円すいころ軸受10をハウジングや軸に装着する作業を容易に行うことができる。
【0026】
なお、位置規制具21における規制片23の長さLは、必ずしも円すいころ13の小端面13aを内輪11の小鍔部11bに当接させるように設定されていなくてもよく、円すいころ13の外周側から外輪12が外れない程度に設定されていてもよい。この場合、内輪11と外輪12との軸心は一致しないが、一体化された円すいころ軸受10の形態を保持することが可能となる。しかしながら、この場合には、位置規制具21と円すいころ13とが周方向に位置ずれしていまい、円すいころ13を位置規制できなくなる可能性がある。したがって、このような不都合を防止するため、位置規制具21の形状を次のように変形することができる。
【0027】
図5は、変形例における位置規制具と円すいころとの関係を示す平面説明図である。
図5に示される変形例では、位置規制具21における規制片23の先端部には、円すいころ13の大端面13b側の端部を嵌合させる凹部23aが形成されている。したがって、位置規制具21によって円すいころ13を押圧し、位置規制具21と小鍔部11bとの間で円すいころ13を挟持しなくても、位置規制具21と円すいころ13との周方向の位置ずれを防止することができる。
【0028】
図6は、他の変形例における位置規制具と円すいころとの関係を示す平面説明図である。
図6に示される変形例では、位置規制具21が、2つの円すいころ13に亘る範囲で配置されている。そして、位置規制具21の規制片23には、2つの円すいころ13の間に嵌合される凸部23bが形成されている。したがって、この変形例においても、位置規制具21と円すいころ13との周方向の位置ずれを防止することができる。
【0029】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において種々の変形及び変更が可能である。
組立用治具20における位置規制具21の数は、2個以上の複数個であれば、特に限定されない。しかしながら、3個以上の位置規制具21を等間隔に配置することがより好ましい。また、複数の位置規制具21は、それぞれ別体として構成されているが、例えば、環状の連結部材によって一体的に連結されていてもよい。
【0030】
本発明は、風力発電装置の主軸を支持するための円すいころ軸受10に限らず、あらゆる装置に用いられる円すいころ軸受10に適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10:円すいころ軸受、11:内輪、11a:内輪軌道、11b:小鍔部、11c:大鍔部、12:外輪、12a:外輪軌道、13:円すいころ、13a:小端面、13b:大端面、14:保持器、15:分割体、20:組立用治具、21:位置規制具
図1
図2
図3
図4
図5
図6