(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070072
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】動力工具
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20170123BHJP
A01G 3/053 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
B25F5/00 C
A01G3/053
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-240399(P2012-240399)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-87909(P2014-87909A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊彰
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和隆
(72)【発明者】
【氏名】清水 康雄
【審査官】
大山 健
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0031635(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
A01G 3/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源と、
該動力源によって駆動される先端工具と、
前記動力源を動作させるためにオン/オフされ、両方がオンされると前記動力源を駆動させる2つのスイッチと、
該スイッチに基づいて前記動力源を制御する制御部と、
前記制御部により動作する補助機能と、を備え、
前記制御部は、前記動力源を制御する制御回路と、該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、前記スイッチのオン/オフを検出する検出回路とを有し、
該制御部は、前記2つのスイッチの一方がオンされると、前記電源回路を動作させ、前記制御回路を動作させ、前記補助機能を動作させる
ことを特徴とする動力工具。
【請求項2】
前記電源回路は、前記2つのスイッチのいずれかがオンされている間、動作することを特徴とする請求項1に記載の動力工具。
【請求項3】
前記補助機能は、前記動力源の情報を表示する表示部を有することを特徴とする請求項2に記載の動力工具。
【請求項4】
前記スイッチをオンしている間、前記補助機能が動作することを特徴とする請求項2又は3に記載の動力工具。
【請求項5】
前記スイッチをオンした後、或いは前記補助機能が動作開始した後、所定時間を経過すると前記補助機能の動作が停止することを特徴とする請求項2又は3に記載の動力工具。
【請求項6】
往復動するブレードを有するブレードアッセンブリと、該ブレードアッセンブリを駆動させる動力源と、少なくとも情報の表示に関わる補助機能を動作させる際にオン/オフされるスイッチを有する2つのハンドルとを搭載した動力工具であって、
前記2つのハンドルのスイッチのオン/オフに応じて前記動力源と前記補助機能の動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、前記動力源を制御する制御回路と、該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、前記スイッチのオン/オフを検出する検出回路とを有し、前記検出回路によりいずれか一方の前記スイッチがオンされたことを検出すると、前記電源回路を動作させ、前記制御回路を動作させ、前記補助機能を動作させ、両方の前記スイッチがオンされると、前記補助機能の動作に加えて、前記動力源を動作させる
ことを特徴とする動力工具。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記補助機能と前記動力源の動作制御を行う制御回路と、
該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、
前記一方のスイッチのオン/オフを検出する第1の検出回路と、
前記他方のスイッチのオン/オフを検出する第2の検出回路と、
前記第1の検出回路と前記第2の検出回路の検出結果から、少なくともいずれかの前記スイッチがオンされたことを判別すると、前記電源回路を動作させる判別回路とを有し、
前記制御回路は、
前記判別回路によっていずれかの前記スイッチのオンが判別されると、前記補助機能を動作させ、
前記判別回路によって両方の前記スイッチのオンが判別されると、さらに前記動力源を動作させる
ことを特徴とする請求項6に記載の動力工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庭木の剪定や生垣の刈り込み等の作業に用いられるヘッジトリマ等の動力工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動力工具とし、特許文献1で提案されているようなヘッジトリマが知られている。このヘッジトリマには、ハウジングのメイン収容部に内蔵され、電源コードを介して電力が得られるモータと、メイン収容部の後方に設けられたメインハンドル部と、メイン収容部の前方に設けられたフロントハンドルと、メイン収容部の前方に設けられ、モータの駆動により駆動機構等を介して相反方向へ往復運動する2枚の切断刃(以下、ブレードという)とが搭載されている。
【0003】
また、メインハンドル部とフロントハンドルにはそれぞれメインスイッチレバーとフロントスイッチレバーとが設けられている。そして、使用者が一方の手でメインハンドル部を把持し、他方の手でフロントハンドルを把持し、それぞれのスイッチレバーを共にオン操作すると、モータが駆動してブレードが相反方向へ往復運動するようになっている。
【0004】
すなわち、このようなヘッジトリマでは、誤作動等を防止するため、それぞれのスイッチレバーを共にオン操作したときにのみモータが駆動してブレードが相反方向へ往復運動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−172568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1でのヘッジトリマでは、それぞれのスイッチレバーを共にオン操作したときにのみモータが駆動するようになっているため、誤作動等が防止されるようになっている。
【0007】
ところで、このようなヘッジトリマにあっては、回転速度の切り替えを表示する機能、回転方向の切り替えを表示する機能、LEDライト等による照明に関わる機能等の補助機能を搭載することが考えられる。また、バッテリ駆動によるものにあっては、バッテリ残量を表示する補助機能を搭載することが考えられる。
【0008】
上述した補助機能を動作させるとき、メインハンドル部及びフロントハンドルの両方のスイッチレバーをオン操作する必要があると、刈り込み等の作業を行わない場合であっても、モータが駆動してブレードが相反方向へ往復運動してしまう。
【0009】
この場合、ブレードが地面や周囲の枝葉等に触れないように注意しながら、回転速度の切り替えや、回転方向の切り替えの確認を行う必要があり、使い勝手の点から未だ改良の余地がある。
【0010】
特に、LEDライト等による補助機能を動作させる場合、光の照射方向がブレードの長手方向に沿ったものとなることが考えられる。このため、刈り込み等の作業を行わない場合は、上記同様に、ブレードが地面や周囲の枝葉等に触れないように注意する必要がある。
【0011】
また、上述した補助機能を動作させるとき、特定されているいずれか一方のスイッチレバーをオン操作する必要があると、特定されていない他方のスイッチレバーをオン操作したまま、特定されている一方のスイッチレバーをオン操作してしまうこともある。
【0012】
この場合、上記同様に、刈り込み等の作業を行わない場合であっても、モータが駆動してブレードが相反方向へ往復運動してしまうことから、ブレードが地面や周囲の枝葉等に触れないように注意する必要があり、使い勝手の点から未だ改良の余地がある。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、使い勝手をさらに良くすることができる動力工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の動力工具は、動力源と、該動力源によって駆動される先端工具と、前記動力源を動作させるためにオン/オフされ
、両方がオンされると前記動力源を駆動させる2つのスイッチと、該スイッチに基づいて前記動力源を制御する制御部と、
前記制御部により動作する補助機能と、を備え、
前記制御部は、前記動力源を制御する制御回路と、該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、前記スイッチのオン/オフを検出する検出回路とを有し、該制御部は、前記2つのスイッチの一方がオン
されると、前記電源回路を動作させ、前記制御回路を動作させ、前記補助機能を動作させることを特徴とする。
また、
前記電源回路は、前記2つのスイッチのいずれかがオンされている間、動作することを特徴とする。
また、前記補助機能は、前記動力源の情報を表示する表示部を有することを特徴とする。
また、前記スイッチをオンしている間、前記補助機能が動作することを特徴とする。
また、前記スイッチをオンした後、或いは前記補助機能が動作開始した後、所定時間を経過すると前記補助機能の動作が停止することを特徴とする。
本発明の動力工具は、往復動するブレードを有するブレードアッセンブリと、該ブレードアッセンブリを駆動させる動力源と、少なくとも情報の表示に関わる補助機能を動作させる際にオン/オフされるスイッチを有する2つのハンドルとを搭載した動力工具であって、前記2つのハンドルのスイッチのオン/オフに応じて前記動力源と前記補助機能の動作を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、
前記動力源を制御する制御回路と、該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、前記スイッチのオン/オフを検出する検出回路とを有し、前記検出回路によりいずれか一方の前記スイッチがオンされ
たことを検出すると、
前記電源回路を動作させ、前記制御回路を動作させ、前記補助機能を動作させ
、両方の前記スイッチがオンされると、前記補助機能の動作に加えて、前記動力源を動作させることを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記補助機能と前記動力源の動作制御を行う制御回路と、該制御回路に対して駆動電源を供給する電源回路と、前記一方のスイッチのオン/オフを検出する第1の検出回路と、前記他方のスイッチのオン/オフを検出する第2の検出回路と、前記第1の検出回路と前記第2の検出回路の検出結果から、少なくともいずれかの前記スイッチがオンされたことを判別すると、前記電源回路を動作させる判別回路とを有し、前記制御回路は、前記判別回路によっていずれかの前記スイッチのオンが判別されると、前記補助機能を動作させ、前記判別回路によって両方の前記スイッチのオンが判別されると、さらに前記動力源を動作させることを特徴とする。
本発明の動力工具では、制御手段により、いずれか一方のスイッチがオンされると、補助機能が動作され、両方のスイッチがオンされると、補助機能の動作に加えて、動力源が動作される。
すなわち、補助機能を動作させる場合、いずれか一方のスイッチをオンさせればよいことになる。
ここで、補助機能としては、回転速度の切り替えを表示する機能、回転方向の切り替えを表示する機能、LEDライト等による照明に関わる機能等を含むものである。また、バッテリ駆動によるものにあっては、バッテリ残量を表示する機能を含むものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の動力工具によれば、制御手段により、いずれか一方のスイッチがオンされると、補助機能が動作され、両方のスイッチがオンされると、補助機能の動作に加え、動力源が動作されるようにしたので、使い勝手をさらに良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の動力工具の一実施形態を示す断面図である。
【
図3】
図1及び
図2の動力工具における制御系の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の動力工具の一実施形態を、
図1〜
図3を参照しながら説明する。
【0018】
まず、
図1及び
図2に示すように、動力工具には、動力工具本体1と、先端工具となるブレードアッセンブリ2とが備えられている。
【0019】
動力工具本体1の後端部側には、動力源となるモータ7に電力を供給する蓄電池3が着脱自在に装着されるようになっている。なお、本実施形態では、蓄電池3を動力源の電源とした場合としているが、これに限らず、電源コードにより得られる電力によって動力源を駆動するようにしてもよいし、エンジンによって動力源を駆動するようにしてもよい。
【0020】
また、動力工具本体1には、長手方向に延びたメインハンドル4と、長手方向に対して交差する方向に延びたサブハンドル5とが設けられている。また、動力工具本体1の上部には、情報の表示に関わる補助機能である、表示回路1bを有する表示部1aが設けられている。
【0021】
この表示部1aには、たとえば回転速度の切り替えや、回転方向の切り替えに関する情報等が表示されるようになっている。なお、光を照射するLEDライト等の照明に関わる補助機能については、適宜搭載することが可能である。また、表示に関わる補助機能と照明に関わる補助機能との両方を搭載している場合は、いずれか一方の補助機能又は両方の補助機能の動作を選択できる選択スイッチ等を別途設けるようにしてもよい。
【0022】
メインハンドル4及びサブハンドル5には、それぞれスイッチレバー4a、5aが設けられている。メインハンドル4の内部には、スイッチレバー4aの操作に応じてオン/オフするマイクロスイッチSW1が設けられている。また、メインハンドル4の内部空間に連通する動力工具本体1の内部には、制御部となる制御基板6(点線で囲っている部分)と、モータ7と、減速機構部8とが設けられている。
【0023】
なお、制御基板6には、後述のSW1検出回路6a、SW2検出回路6b、SW判別回路6c、電源回路6d、制御回路6e、駆動回路6f及びスイッチング素子(MOSFET)Q1が搭載されているが、これらの詳細については後述する。
【0024】
そして、使用者がいずれか一方のメインハンドル4又はサブハンドル5のスイッチレバー4a又は5aをオン操作すると、情報の表示に関わる補助機能である、表示回路1bを有する表示部1aによる表示が行われるようになっている。
【0025】
また、使用者が一方の手でメインハンドル4を把持し、他方の手でサブハンドル5を把持してそれぞれのスイッチレバー4a、5aを共にオン操作すると、上述した補助機能の動作に加え、後述の制御回路6eによって制御される蓄電池3からの電力により、モータ7が駆動されるようになっている。
【0026】
減速機構部8には、モータ7の出力軸に取り付けられた減速ギヤ8aと、この減速ギヤ8aに噛み合う伝達ギヤ8bとが設けられている。また、伝達ギヤ8bの下方には、偏芯カム9が配置されており、この偏芯カム9は減速ギヤ8aに連動して回転するようになっている。そして、モータ7からの出力が減速ギヤ8a及び伝達ギヤ8bから偏芯カム9に伝達されると、偏芯カム9による回転運動がブレードアッセンブリ2に伝達される。
【0027】
ブレードアッセンブリ2には、ブレードホルダ2cとホルダプレート2dとが設けられている。これらのブレードホルダ2c及びホルダプレート2dは長尺状をなしている。ブレードホルダ2cとホルダプレート2dとの間には、上ブレード2aと下ブレード2bが配設されている。
【0028】
そして、上述した偏芯カム9による回転運動がブレードアッセンブリ2に伝達されると、上ブレード2a及び下ブレード2bがそれぞれ前後方向に動作するようになっている。これにより、枝葉等を刈り込むことができる。
【0029】
また、サブハンドル5の前方には、ガード10が設けられている。このガード10により、刈り込まれた枝葉等から使用者が保護されるようになっている。
【0030】
また、
図1及び
図2に示した動力工具における制御系は、
図3に示すような構成となっている。なお、
図3において実線は電力線を示し、点線は制御線等を示している。すなわち、マイクロスイッチSW1、モータ7、マイクロスイッチSW2、スイッチング素子(MOSFET)Q1が直列に接続され、蓄電池3に対して並列に接続されている。
【0031】
ここで、マイクロスイッチSW1は、上述したメインハンドル4のスイッチレバー4aの操作に応じてオン/オフするものであり、可動接点a、オン固定接点a−1、オフ固定接点a−2を有している。そして、メインハンドル4のスイッチレバー4aがオン操作(指でスイッチレバー4aを引き込む動作)されると、可動接点aがオン固定接点a−1側に接触する。また、メインハンドル4のスイッチレバー4aがオフ操作(スイッチレバー4aから指を離す動作)されると、可動接点aがオフ固定接点a−2側に接触する。
【0032】
また、マイクロスイッチSW2は、上述したサブハンドル5のスイッチレバー5aの操作に応じてオン/オフするものであり、可動接点b、オン固定接点b−1、オフ固定接点b−2を有している。そして、サブハンドル5のスイッチレバー5aがオン操作(指でスイッチレバー5aを引き込む動作)されると、可動接点bがオン固定接点b−1側に接触する。また、サブハンドル5のスイッチレバー5aがオフ操作(スイッチレバー5aから指を離す動作)されると、可動接点bがオフ固定接点b−2側に接触する。
【0033】
制御基板6には、SW1検出回路6a、SW2検出回路6b、SW判別回路6c、電源回路6d、制御回路6e、駆動回路6f及びスイッチング素子Q1が搭載されている。
【0034】
SW1検出回路6aは、マイクロスイッチSW1のオン/オフを検出する。SW2検出回路6bは、マイクロスイッチSW2のオン/オフを検出する。SW判別回路6cは、SW1検出回路6a及びSW2検出回路6bの検出結果からSW1検出回路6a及びSW2検出回路6bのオン/オフを判別し、電源回路6dに蓄電池3からの電圧を印加して駆動させる。電源回路6dは、SW判別回路6cからの電力を受けるとDC/DC変換し、制御回路6e、表示回路1b、駆動回路6f等に制御電源として供給する。
【0035】
制御回路6eは、電源回路6dからの電力を受けて起動するとともに、SW判別回路6cによる判別結果に応じて表示回路1bと駆動回路6fとを駆動させる。すなわち、制御回路6eは、いずれか一方のマイクロスイッチSW1又はSW2がオンであるとしたSW判別回路6cによる判別結果であるとき、表示回路1bのみを駆動させる。
【0036】
これにより、メインハンドル4のスイッチレバー4a又はサブハンドル5のスイッチレバー5aのいずれか一方がオン操作されると、表示回路1bが駆動されることになる。このとき、表示回路1bに、モータ7が駆動されない状態で、たとえば回転速度の切り替えや回転方向の切り替えに関する情報が表示される。
【0037】
また、制御回路6eは、両方のマイクロスイッチSW1及びSW2がオンであるとしたSW判別回路6cによる判別結果であるとき、表示回路1bの駆動に加えて駆動回路6fを駆動させる。なお、表示回路1bは、マイクロスイッチSW1及びSW2の一方又は両方がオンされている間は駆動するようにしてもよいし、マイクロスイッチSW1及びSW2の一方又は両方が一旦オンされたら起動し、その後所定時間(例えば1分)経過したら自動的にオフするようにしてもよい。
【0038】
このとき、駆動回路6fによりスイッチング素子Q1がオンすることで、モータ7に蓄電池3からの電力が供給されることにより、モータ7が回転する。そして、上述したように、モータ7からの出力が減速ギヤ8a及び伝達ギヤ8bから偏芯カム9に伝達され、偏芯カム9による回転運動がブレードアッセンブリ2に伝達されると、上ブレード2a及び下ブレード2bがそれぞれ前後方向に動作する。これにより、枝葉等を刈り込むことができる。
【0039】
このように、本実施形態では、制御手段により、いずれか一方のスイッチ(マイクロスイッチSW1又はマイクロスイッチSW2)がオンされると、補助機能が動作され、両方のスイッチ(マイクロスイッチSW1及びマイクロスイッチSW2)がオンされると、補助機能の動作に加えて、動力源(モータ7)が動作されるようにした。
【0040】
ここで、補助機能としては、たとえば情報の表示に関わる機能であり、回転速度の切り替えを表示する機能や、回転方向の切り替えを表示する機能を含むものである。また、補助機能としては、LEDライト等による照明に関わる機能等を適宜含むようにしてもよい。また、本実施形態のように、バッテリ駆動、すなわち蓄電池3を用いた駆動によるものにあっては、バッテリ残量を表示する機能を含むものである。
【0041】
よって、本実施形態では、上述した補助機能を動作させる場合、いずれか一方のスイッチ(マイクロスイッチSW1又はマイクロスイッチSW2)をオンさせればよいことになるため、使い勝手をさらに良くすることができる。
【0042】
なお、制御手段については、表示に関わる機能(表示回路1b)及び/又は照明に関わる機能(光を照射するLEDライト等)と動力源(モータ7)の動作制御を行う制御回路(6e)と、該制御回路(6e)に対して駆動電源を供給する電源回路(6d)と、一方のスイッチ(マイクロスイッチSW1)のオン/オフを検出する第1の検出回路(SW1検出回路6a)と、他方のスイッチ(マイクロスイッチSW2)のオン/オフを検出する第2の検出回路(SW2検出回路6b)と、第1の検出回路(SW1検出回路6a)と第2の検出回路(SW2検出回路6b)の検出結果から、少なくともいずれかのスイッチ(マイクロスイッチSW1又はマイクロスイッチSW2)がオンされたことを判別すると、電源回路(6d)を動作させる判別回路(SW判別回路6c)とを有する構成とすることができる。
【0043】
この場合、制御回路(6e)は、判別回路(SW判別回路6c)によっていずれかのスイッチ(マイクロスイッチSW1又はマイクロスイッチSW2)のオンが判別されると、表示に関わる機能(表示回路1b)及び/又は照明に関わる機能(光を照射するLEDライト等)を動作させ、判別回路(SW判別回路6c)によって両方のスイッチ(マイクロスイッチSW1及びマイクロスイッチSW2)のオンが判別されると、さらに動力源(モータ7)を動作させることができる。
【0044】
本実施の形態では動力工具としてヘッジトリマを例に説明したが、それに限るものではなく、2つのスイッチによって動力源を駆動する機器であればよく、ブロワや丸のこ等であってもよい。また、動力源としてモータではなくエンジンであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 動力工具本体
1a 表示部
1b 表示回路
2 ブレードアッセンブリ
2a 上ブレード
2b 下ブレード
2c ブレードホルダ
2d ホルダプレート
3 蓄電池
4 メインハンドル
4a、5a スイッチレバー
5 サブハンドル
6 制御基板
6a SW1検出回路
6b SW2検出回路
6c SW判別回路
6d 電源回路
6e 制御回路
6f 駆動回路
7 モータ
8 減速機構部
8a 減速ギヤ
8b 伝達ギヤ
9 偏芯カム
10 ガード
Q1 スイッチング素子
SW1、SW2 マイクロスイッチ