(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070298
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】身体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/44 20060101AFI20170123BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20170123BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20170123BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20170123BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20170123BHJP
C11D 1/10 20060101ALI20170123BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20170123BHJP
C11D 1/04 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
A61K8/44
A61Q19/10
A61K8/36
A61K8/34
A61K8/46
C11D1/10
C11D1/28
C11D1/04
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-48243(P2013-48243)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-172881(P2014-172881A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年12月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】藤田 博也
(72)【発明者】
【氏名】松尾 諭
【審査官】
駒木 亮一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−181675(JP,A)
【文献】
特開2005−146016(JP,A)
【文献】
特開2008−115137(JP,A)
【文献】
特開2000−109888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C11D1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(I)および(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩を0.1〜10質量%、
【化1】
(式中のR
1COは炭素数8〜22のアシル基を示し、X
+は式(II)で表される。)
【化2】
(式中のM
1はアルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウムを示す。)
(b)式(III)で示されるアシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤を2〜10質量%、
【化3】
(式中のR
2COは炭素数8〜22のアシル基を示す。M
2はアルカリ金属原子、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(c)炭素数8〜22の脂肪酸塩を10〜50質量%、
(d)炭素数3〜6の2〜4価アルコールを5〜25質量%、
(e)水を15〜84.9質量%
含有することを特徴とする身体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボディソープ、ハンドソープ、洗顔料などの身体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脂肪酸塩は主洗浄成分としてボディソープ、ハンドソープ、洗顔料などの身体洗浄料へ使用されてきた。この脂肪酸塩は、泡立ち・泡質・洗浄性に優れていると共に、さっぱりとした感触を付与するという特徴を有している。しかしながら、水中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンと塩を形成することにより、肌につっぱり感を与えるという問題があった。また、洗浄性が高いことにより、皮膚上の汚れのみならず天然保湿因子まで取り除かれ、肌のしっとり感が損なわれるという問題があった。
【0003】
このような問題を解決するため、肌に対して温和な洗浄成分であるアミノ酸系界面活性剤と脂肪酸塩の併用が提案されてきた。
特許文献1には、脂肪酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、モノグリセリン脂肪酸エステルを組み合わせた洗浄剤組成物が記載されている。しかしながら、この組成物においては、つっぱり感は緩和されるものの、さっぱり感やしっとり感は十分に満足のいくものではなかった。また、N−アシルメチルタウリン塩由来のぬるつき感が残ってしまい、さらりとした仕上がりを得ることができなかった。
【0004】
特許文献2には、ミリスチン酸ナトリウムとN−ヤシ脂肪酸アシルグルタミン酸、ジプロピレングリコール、グリセリンを含有する洗浄剤組成物が記載されている。しかしながら、この組成物においては、しっとり感はあるものの、さっぱり感は十分に満足いくものでなかった。また、N−ヤシ脂肪酸アシルグルタミン酸と多価アルコール由来のぬるつき感が残り、さらりとした仕上がりを得ることができなかった。
【0005】
特許文献3には、N−ラウロイルメチルタウリンのN−メチルタウリンナトリウム、石鹸、グリセリンを含有する洗浄剤組成物が記載されている。しかしながら、この組成物においては、しっとり感は向上するものの、さっぱり感は十分に満足いくものではなかった。また、N−ラウロイルメチルタウリンのN−メチルタウリンナトリウムとグリセリン由来のぬるつき感が残り、さらりとした仕上がりを得ることができなかった。
【0006】
このように、脂肪酸塩の問題をある程度解決しても、別の問題を生じてしまい、さっぱり感およびしっとり感がありながら、つっぱり感およびぬるつき感のなさを感じることができる身体洗浄剤組成物が望まれていた。
【0007】
また、油分が付着した皮膚を洗浄する場合、例えば、シリコーン油、液状脂肪酸、液状エステル油、液状炭化水素などを含有するサンスクリーン剤を皮膚に使用した後に皮膚を洗浄する場合、泡立ち(起泡性)が悪く、洗浄が困難な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−155295号公報
【特許文献2】国際公開第2004/061060号
【特許文献3】特開2000−178590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料などの身体洗浄剤組成物に関し、さらに詳しくは、該組成物を使用して洗浄を行なった後に、肌にさっぱり感およびしっとり感がありながら、つっぱり感およびぬるつき感のなさを感じることができ、油性成分の共存下でも起泡性に優れた身体洗浄剤組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記式(I)および(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩、式(III)で示されるアシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤、所定の脂肪酸塩、所定のアルコール、水をそれぞれ特定の比率で含有する身体洗浄剤組成物により、上記の問題を解決するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(a)式(I)および(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩を0.1〜10質量%、
【化1】
(式中のR
1COは炭素数8〜22のアシル基を示し、X
+は式(II)で表される。)
【化2】
(式中のM
1はアルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウムを示す。)
(b)式(III)で示されるアシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤を2〜10質量%、
【化3】
(式中のR
2COは炭素数8〜22のアシル基を示す。M
2はアルカリ金属原子、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示す。)
(c)炭素数8〜22の脂肪酸塩を10〜50質量%、
(d)炭素数3〜6の2〜4価アルコールを5〜25質量%、
(e)水を15〜84.9質量%
含有することを特徴とする身体洗浄剤組成物である。なお、上記(a)〜(e)成分の合計は100質量%である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の身体洗浄剤組成物によれば、該組成物を使用して洗浄を行なった後に、肌にさっぱり感およびしっとり感がありながら、つっぱり感およびぬるつき感のなさを感じることができ、油性成分の共存下でも起泡性に優れるという効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の身体洗浄剤組成物は、(a)成分のアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩、(b)アシルメチルタウリン型陰イオン性界面活性剤、(c)成分の脂肪酸塩、(d)成分のアルコール、(e)水を含有する。以下、各成分について説明する。
【0014】
〔(a)成分〕
本発明に用いられる(a)成分は、上記式(I)および式(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩である。式(I)の式中のRCO
1は炭素数8〜22のアシル基であり、例えばラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基である。また、混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができ、混合脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられる。アシル基として好ましくは、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基などが挙げられる。より好ましくは、ラウロイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基である。R
1COの炭素数が7以下では泡のクリーミー性が低下するおそれがあり、炭素数が23以上では起泡性が低下するおそれがある。
【0015】
また、式(I)中のX
+は上記式(II)で表されるタウリン塩である。式(II)中のM
1は、アルカリ金属原子、1/2アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウムを示す。具体的には、アルカリ金属原子としてはナトリウム、カリウム、1/2アルカリ土類金属原子としては1/2マグネシウム、1/2カルシウム、有機アンモニウムとしてはモノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、アルギニン、リジン塩酸塩などが挙げられる。好ましくは、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウム、1/2カルシウムであり、特に好ましくは、ナトリウム、カリウムである。
【0016】
式(I)および式(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩は、例えば、次のような方法により得ることができる。アルカリ共存下、好ましくは水酸化ナトリウムの共存下において、N−メチル−β−アラニンナトリウムを脂肪酸クロライドによりアシル化することによりアシルメチル−β−アラニンナトリウム水溶液を調製する。このアシルメチル−β−アラニンナトリウム水溶液には、塩化ナトリウムが含まれており、これを除去するために硫酸等の酸により水層を酸性にすることで、油層のアシルメチル−β−アラニンと塩化ナトリウムを含む水層を分離して精製する。このアシルメチル−β−アラニンに、目的とする対イオンとなるタウリン塩をアシルメチル−β−アラニンのモル数に対して、1.0〜1.2倍仕込むことでアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩の塩を調製することができる。この方法で調製した式(I)および式(II)で表されるアシルメチル−β−アラニンとタウリン塩との塩は、水溶液のpHが6〜8となる。
【0017】
本発明の組成物において(a)成分の含有量は、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜7質量%、より好ましくは1〜4質量%である。(a)成分の含有量が0.1質量%未満では脂肪酸塩によるつっぱり感を改善できないおそれがあり、(a)成分の含有量が10質量%を超えると脂肪酸塩によるさっぱり感を阻害してしまうおそれがある。
【0018】
〔(b)成分〕
本発明に用いられる(b)成分は、上記式(III)で表されるアシルメチルタウリン塩型陰イオン性界面活性剤である。式(III)中のR
2COは炭素数8〜22のアシル基であり、例えばラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基である。また、混合脂肪酸由来のアシル基を用いることができ、混合脂肪酸としては、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸などが挙げられる。アシル基として好ましくは、ラウロイル基、ミリストイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基などが挙げられる。より好ましくは、ラウロイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基、パーム核油脂肪酸アシル基である。R
2COの炭素数が7以下では泡のクリーミー性と油性成分共存下での起泡性が低下するおそれがあり、炭素数が23以上では起泡性が低下するおそれがある。
【0019】
式(III)中のM
2は、アルカリ金属原子、アルカノールアミンまたは塩基性アミノ酸を示し、例えば、ナトリウム、カリウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、アルギニン、リジン塩酸塩などが挙げられる。
【0020】
本発明の組成物において(b)成分の含有量は、通常2〜10質量%であり、好ましくは5〜8質量%である。(b)成分の含有量が2質量%未満では油性成分存在下での起泡性が低くなるおそれがあり、(b)成分の含有量が10質量%を超えると経時安定性に問題を生じるおそれがある。
【0021】
〔(c)成分〕
本発明に用いられる(c)成分は、炭素数8〜22の脂肪酸塩である。炭素数12〜22の脂肪酸塩としては、カプリル酸塩、カプリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、イソパルミチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩、オレイン酸塩などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。また、脂肪酸塩の混合物である混合脂肪酸を用いることができ、例えば、ヤシ油脂肪酸塩、パーム核油脂肪酸塩、牛脂脂肪酸塩などが挙げられる。好ましくは、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、ヤシ油脂肪酸塩、パーム核油脂肪酸塩であり、より好ましくはラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩である。
【0022】
脂肪酸塩を形成する対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウムが挙げられる。好ましくは、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアンモニウムであり、より好ましくはカリウムである。
【0023】
本発明の組成物において(c)成分の含有量は、通常10〜50質量%、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは27〜35質量%である。(c)成分の含有量が10質量%未満では起泡性や泡のクリーミー性が低くなるおそれがあり、(c)成分の含有量50質量%を超えるとハンドリング性に問題を生じるおそれがある。
【0024】
また、(a)成分と(c)成分の比率(c)/(a)は、好ましくは3〜120、特に好ましくは10〜40である。(c)/(a)が120を越えるとつっぱり感の改善効果が小さくなるおそれがあり、3未満であるとさっぱり感を感じにくくなるおそれがある。
【0025】
〔(d)成分〕
本発明に用いられる(d)成分は、炭素数3〜6の2〜4価アルコールである。かかるアルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルジオール等が挙げられる。好ましくは、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、より好ましくはグリセリンである。
【0026】
本発明の組成物において(d)成分の含有量は、通常5〜25質量%、好ましくは7〜20質量%、より好ましくは10〜15質量%である。(d)成分の含有量が0.5質量%未満ではしっとり感が乏しくなるおそれがあり、(d)成分の含有量が25質量%を超えるとさっぱり感が低下し、ぬるつき感が生じるおそれがある。
【0027】
また、(d)成分と(c)成分の比率(c)/(d)は、好ましくは1〜7、特に好ましくは1.5〜3である。(c)/(d)が7を越えるとしっとり感を感じにくくなるおそれがあり、1未満であるとぬるつき感が高まるおそれがある。
【0028】
本発明の身体洗浄剤組成物には、一般的に身体洗浄剤に使用される他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜配合することができる。
このような成分としては、例えば、イミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤などの両性界面活性剤、高級脂肪酸アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤、アミンオキシド型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤などの非イオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、高級アルコールなどの増泡剤、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどのパール光沢付与剤、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどの増粘剤、ポリエチレングリコール、アミノ酸、タンパク加水分解液などの保湿剤、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、ラノリン、レシチンなどの油分、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体などのシリコーン誘導体、パラベンなどの防腐剤、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミンなどの殺菌剤、クエン酸、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸などの金属イオン封鎖剤、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、オキシベンゾン、パラジメチルアミノ安息香酸−2−エチルヘキシルなどの紫外線吸収剤、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロールなどの酸化防止剤、動植物由来の抽出エキス、色素、香料などを挙げることができる。
【実施例】
【0029】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
表1に示す実施例−1〜12および表2に示す比較例−1〜15の身体洗浄剤組成物を調製し、以下の方法で評価を行なった。なお、表1および2中の「Na」はナトリウムを表わす。
【0030】
(1)使用後のさっぱり感
20〜50歳の男女各10名をパネラーとし、身体洗浄剤組成物3gを用いて洗顔したときのさっぱり感を評価した。さっぱり感が良いと感じた場合を2点、さっぱり感がやや良いと感じた場合を1点、さっぱり感が乏しいと感じた場合を0点とし、20名の合計点から、次の4段階に評価した。
【0031】
(評価基準)
◎:さっぱり感を非常に感じる(合計点30点以上)
○:さっぱり感を感じる(合計点20点以上30点未満)
△:さっぱり感をやや感じる(合計点10点以上20点未満)
×:さっぱり感を感じない(合計点10点未満)
【0032】
(2)使用後のつっぱり感
20〜50歳の男女各10名をパネラーとし、身体洗浄剤組成物3gを用いて洗顔したときのつっぱり感を評価した。つっぱり感があまり感じられなかった場合を2点、つっぱり感が僅かに感じられた場合を1点、つっぱり感が感じられた場合を0点とし、20名の合計点から、次の4段階に評価した。
【0033】
(評価基準)
◎:つっぱり感を全く感じない(合計点30点以上)
○:つっぱり感を感じない(合計点20点以上30点未満)
△:つっぱり感をやや感じる(合計点10点以上20点未満)
×:つっぱり感を感じる(合計点10点未満)
【0034】
(3)使用後のしっとり感
20〜50歳の男女各10名をパネラーとし、身体洗浄剤組成物3gを用いて洗顔したときのしっとり感を評価した。しっとり感が良いと感じた場合を2点、しっとり感がやや良いと感じた場合を1点、しっとり感が乏しいと感じた場合を0点とし、20名の合計点から、次の4段階に評価した。
【0035】
(評価基準)
◎:しっとり感を非常に感じる(合計点30点以上)
○:しっとり感を感じる(合計点20点以上30点未満)
△:しっとり感をやや感じる(合計点10点以上20点未満)
×:しっとり感を感じない(合計点10点未満)
【0036】
(4)使用後のぬるつき感
20〜50歳の男女各10名をパネラーとし、身体洗浄剤組成物3gを用いて洗顔したときのぬるつき感を評価した。ぬるつき感があまり感じられなかった場合を2点、ぬるつき感が僅かに感じられた場合を1点、ぬるつき感が感じられた場合を0点とし、20名の合計点から、次の4段階に評価した。
【0037】
(評価基準)
◎:ぬるつき感を全く感じない(合計点30点以上)
○:ぬるつき感を感じない(合計点20点以上30点未満)
△:ぬるつき感をやや感じる(合計点10点以上20点未満)
×:ぬるつき感を感じる(合計点10点未満)
【0038】
(5)油性成分存在下での起泡性
20〜50歳の男女各10名をパネラーとし、下記組成を有する油性のサンスクリーン組成物3gを顔に使用した後、身体洗浄剤組成物3gを用いて洗顔したときの起泡性(泡立ち)について評価した。起泡性が良いと感じた場合を2点、起泡性がやや良いと感じた場合を1点、起泡性が悪いと感じた場合を0点とし、20名の合計点から、次の3段階に評価した。
【0039】
(評価基準)
○:起泡性が良好である(合計点30点以上)
△:起泡性がやや良好である(合計点20点以上30点未満)
×:起泡性が悪い(合計点20点未満)
【0040】
※サンスクリーン組成物;シクロペンタシロキサン:57.7質量%、酸化チタン:20質量%、水:10質量%、ジメチコン:5質量%、エタノール:5質量%、PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン:1質量%、PEG−10ジメチコン:1質量%、メチルパラベン:0.2質量%、プロピルパラベン:0.1質量%。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
表1に示す結果より、実施例−1〜12は、洗浄後に、肌にさっぱり感およびしっとり感がありながら、つっぱり感およびぬるつき感のなさを感じることができ、油性成分の共存下でも起泡性に優れた身体洗浄剤組成物であることが分かる。
【0044】
一方、表2に示す比較例−1は、(a)成分を含有していないので、つっぱり感およびぬるつき感が感じられるものであった。比較例−2は、(b)成分を含有していないので、油性成分共存下での起泡性が悪かった。比較例−3は、(c)成分を含有していないので、しっとり感が満足できるものではなかった。
【0045】
比較例−4および5は、(a)成分の含有量が本発明の規定範囲外であるので、さっぱり感とぬるつき感が満足できるものではなかった。比較例−6は、(b)成分の含有量が本発明による規定上限値を超えているので、さっぱり感、つっぱり感、しっとり感が満足できるものではなかった。比較例−7は、(b)成分の含有量が本発明による規定下限値未満であるので、油性成分共存下での起泡性が満足できるものではなかった。
【0046】
比較例−8は、(d)成分の含有量が本発明による規定上限値を超えているので、さっぱり感が乏しく、ぬるつき感が感じられるものであった。比較例−9は、(d)成分の含有量が本発明による規定下限値未満であるので、しっとり感が満足できるものではなかった。比較例−10は、(c)成分の含有量が本発明による規定上限値を超えているので、つっぱり感が感じられ、しっとり感が乏しかった。比較例−11は、(c)成分の含有量が本発明による規定下限値未満であるので、さっぱり感が乏しかった。
【0047】
比較例−12〜15は、(a)成分を他の化合物に変更しているので、しっとり感、つっぱり感、ぬるつき感のいずれかにおいて満足できるものではなかったり、あるいは乏しいものであった。