特許第6070345号(P6070345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070345
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】逆浸透膜分離装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20060101AFI20170123BHJP
   B01D 61/12 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C02F1/44 A
   B01D61/12
【請求項の数】4
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-66028(P2013-66028)
(22)【出願日】2013年3月27日
(65)【公開番号】特開2014-188439(P2014-188439A)
(43)【公開日】2014年10月6日
【審査請求日】2015年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】真鍋 敦行
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−192373(JP,A)
【文献】 特開2012−206073(JP,A)
【文献】 特開2008−000658(JP,A)
【文献】 特開2008−221063(JP,A)
【文献】 特開2011−083683(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/44
B01D 61/00−71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも1つの逆浸透膜モジュールと、
供給水を前記逆浸透膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプと、
供給水及び濃縮水のうちの少なくとも一つの水質を検出する水質検出手段と
記逆浸透膜モジュールにより分離された透過水の流量に対する濃縮水の流量の比率を前記逆浸透膜モジュールにおける循環比としたときに、前記水質検出手段により検出される水質に応じて、前記逆浸透膜モジュールにおける循環比が、所定の循環比の範囲内に収まるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定制御部と、を備える
逆浸透膜分離装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記所定の循環比が2〜10の範囲内に収まるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定
請求項1に記載の逆浸透膜分離装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記水質検出手段により検出される水質が向上した場合に前記循環比を下げるように、又は、前記水質検出手段により検出される水質が低下した場合に前記循環比を上げるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定
請求項1又は2に記載の逆浸透膜分離装置。
【請求項4】
前記水質検出手段は、供給水及び濃縮水いずれかの濁度を検出する濁度検出センサ、供給水及び濃縮水いずれかの鉄濃度を検出する鉄濃度検出センサ、及び、供給水及び濃縮水いずれかの全有機炭素を検出する全有機炭素検出センサのうちのいずれか1つ以上である
請求項1から3のいずれかに記載の逆浸透膜分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給水から透過水を分離する逆浸透膜モジュールを備える逆浸透膜分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品や化粧品の製造、電子部品や精密機器の洗浄等においては、不純物を含まない高純度の純水が使用される。この種の純水は、一般に、地下水や水道水等の原水(以下、「供給水」ともいう)を、逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)で逆浸透膜処理することにより製造される。従来、供給水をRO膜モジュールにより処理して純水を製造する逆浸透膜分離装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−279472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スパイラル型エレメントを用いるRO膜モジュールでは、有機成分や懸濁物質による膜面の閉塞を防止するため、通常、クロスフロー方式による分離操作が採用されている。このクロスフロー方式では、加圧ポンプにより、透過水の流量に比して5倍以上の流量で供給水を循環させながら、膜の一次側に供給水の浸透圧以上の圧力を加えて分離操作を行う。このとき、RO膜モジュールから流出する供給水は、濃縮水となっているので、透過水の流量に対する濃縮水の流量の比率で定義される循環比は、5以上に維持される。
【0005】
循環比を5以上に維持するためには、吐出量及び吐出圧力の大きな加圧ポンプを備える必要があるが、このような加圧ポンプは、大容量のモータを駆動することから消費電力が大きい。ここで、前述の循環比の条件は、供給水に懸濁物質が含まれることを前提として設定されている。そのため、適切に浄化された供給水を用いれば、循環比を低減することができ、ひいては加圧ポンプの消費電力を抑制することができると考えられる。
【0006】
本発明は、加圧ポンプの動作において消費電力を抑制できる逆浸透膜分離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、供給水を透過水と濃縮水とに分離する少なくとも1つの逆浸透膜モジュールと、供給水を前記逆浸透膜モジュールに向けて吐出する加圧ポンプと、供給水及び濃縮水のうちの少なくとも一つの水質を検出する水質検出手段と、前記逆浸透膜モジュールにより分離された透過水の流量に対する濃縮水の流量の比率を前記逆浸透膜モジュールにおける循環比としたときに、前記水質検出手段により検出される水質に応じて、前記逆浸透膜モジュールにおける循環比が、所定の循環比の範囲内に収まるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定制御部と、を備える逆浸透膜分離装置に関する。
【0008】
また、前記制御部は、前記所定の循環比が2〜10の範囲内に収まるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定ることが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記水質検出手段により検出される水質が向上した場合に前記循環比を下げるように、又は、前記水質検出手段により検出される水質が低下した場合に前記循環比を上げるように、供給水の流量、透過水の流量、及び濃縮水の流量のうちの少なくとも一つ設定ることが好ましい。
【0010】
また、前記水質検出手段は、供給水及び濃縮水いずれかの濁度を検出する濁度検出センサ、供給水及び濃縮水いずれかの鉄濃度を検出する鉄濃度検出センサ、及び、供給水及び濃縮水いずれかの全有機炭素を検出する全有機炭素検出センサのうちのいずれか1つ以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、加圧ポンプの動作において消費電力を抑制できる逆浸透膜分離装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係る純水製造装置1の全体概略図である。
図2A】第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の前段部分である。
図2B】第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の中段部分である。
図2C】第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の後段部分である。
図3】制御部30において流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図4】制御部30において水質フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図5】制御部30において循環比を調整する制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体概略図である。
図7A】第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の第1中段部分である。
図7B】第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の第2中段部分である。
図7C】第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の後段部分である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る逆浸透膜分離装置を純水製造装置に適用した場合の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る純水製造装置1について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る純水製造装置1の全体概略図である。図2Aは、第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の前段部分である。図2Bは、第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の中段部分である。図2Cは、第1実施形態に係る純水製造装置1の全体構成図の後段部分である。本実施形態に係る純水製造装置1は、例えば、原水(例えば、水道水)から脱塩水(脱イオン水)を製造する純水製造装置に適用される。純水製造装置1で製造された脱塩水は、純水として、需要箇所等に送出される。なお、本実施形態に係る純水製造装置1において、需要箇所等へ純水を供給することを「採水」ともいう。
【0014】
図1に示すように、第1実施形態に係る純水製造装置1は、第1オプション機器OP1と、プレフィルタ4と、第2オプション機器OP2と、加圧ポンプ5と、インバータ6と、逆浸透膜モジュールとしてのRO膜モジュール7と、第3オプション機器OP3と、第1流路切換弁V71と、電気脱イオンスタック(以下、「EDIスタック」ともいう)16と、第2流路切換弁V72と、第4オプション機器OP4と、制御部30と、入力操作部40と、直流電源装置50と、表示部60と、を備える。
【0015】
第1オプション機器OP1〜第4オプション機器OP4は、純水製造装置1に着脱可能なオプション機器として、純水製造装置1に装備される機器である。第1オプション機器OP1は、軟水器2及び濾過処理装置3を含む。第1オプション機器OP1は、原水W11に含まれる種々の不純物を予め除去(前処理)する前処理装置として機能する。第2オプション機器OP2は、硬度センサS1、残留塩素センサS2、水質検出手段としての濁度センサS3、水質検出手段としての鉄濃度センサS4及び水質検出手段(全有機炭素センサ)としての第1TOCセンサTOC1を含む。第3オプション機器OP3は、脱炭酸装置15を含む。第4オプション機器OP4は、第2比抵抗センサRS2、第2TOCセンサTOC2及び第3温度センサTE3を含む。
【0016】
また、図1に示すように、純水製造装置1は、供給水ラインL1と、透過水ラインL21と、RO透過水リターンラインL41と、RO濃縮水リターンラインL51と、脱塩水ラインL3と、脱塩水リターンラインL42と、EDI濃縮水ラインL52と、給水ラインL4と、を備える。なお、本明細書における「ライン」とは、流路、径路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0017】
また、純水製造装置1は、図2A図2Cに示すように、図1に示す構成に加えて、第1開閉弁V11〜第7開閉弁V17と、真空破壊弁V41と、減圧弁V42と、供給水補給弁V31と、第1排水弁V32〜第3排水弁V34と、比例制御弁V50、第1定流量弁V51〜第4定流量弁V54と、第1逆止弁V61〜第5逆止弁V65と、第1圧力計P1〜第6圧力計P6と、第1圧力センサPS1〜第4圧力センサPS4と、圧力スイッチPSWと、第1温度センサTE1及び第2温度センサTE2と、第1流量センサFM1及び第2流量センサFM2と、第1電気伝導率センサEC1と、第1比抵抗センサRS1と、を備える。
【0018】
図1図2A図2Cでは、電気的な接続の経路を省略するが、制御部30は、供給水補給弁V31、第1流路切換弁V71、第2流路切換弁V72、第1排水弁V32〜第3排水弁V34、圧力スイッチPSW、硬度センサS1、残留塩素センサS2、濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1、第1温度センサTE1〜第3温度センサTE3、第1圧力センサPS1〜第4圧力センサPS4、第1流量センサFM1及び第2流量センサFM2、第1電気伝導率センサEC1、第1比抵抗センサRS1及び第2比抵抗センサRS2、第2TOCセンサTOC2等と電気的に接続される。
【0019】
まず、純水製造装置1における全体構成図の前段部分について説明する。
図1及び図2Aに示すように、供給水ラインL1には、供給水W1が流通する。供給水ラインL1は、供給水W1を、RO膜モジュール7へ流通させるラインである。供給水ラインL1は、第1供給水ラインL11と、第2供給水ラインL12と、を有する。
【0020】
第1供給水ラインL11には、原水W11(供給水W1)が流通する。第1供給水ラインL11は、原水W11の供給源(不図示)と軟水器2とをつなぐラインである。第1供給水ラインL11の上流側の端部は、原水W11の供給源(不図示)に接続されている。また、第1供給水ラインL11の下流側の端部は、軟水器2に接続されている。
【0021】
第1供給水ラインL11には、図2Aに示すように、上流側から順に、接続部J1、第1開閉弁V11、及び軟水器2が設けられている。第1開閉弁V11は、第1供給水ラインL11の開閉を操作可能な手動弁である。
【0022】
軟水器2は、原水W11中に含まれる硬度成分をナトリウムイオンに置換して軟水W12(供給水W1)を製造する機器である。軟水器2は、圧力タンク内に陽イオン交換樹脂床を収容したイオン交換塔を有する。
【0023】
第2供給水ラインL12には、軟水W12(供給水W1)が流通する。第2供給水ラインL12は、軟水W12を、RO膜モジュール7へ流通させるラインである。第2供給水ラインL12は、軟水器2とRO膜モジュール7とをつなぐラインである。図2Aに示すように、第2供給水ラインL12の上流側の端部は、軟水器2に接続されている。また、図2Bに示すように、第2供給水ラインL12の下流側の端部は、RO膜モジュール7の一次側入口ポート(供給水W1の入口)に接続されている。
【0024】
第2供給水ラインL12には、上流側から順に、図2Aに示すように、第2開閉弁V12、接続部J2、第3開閉弁V13、濾過処理装置3、第4開閉弁V14、接続部J3、プレフィルタ4、接続部J4、及び接続部J5が設けられている。また、接続部J5以降には、図2Bに示すように、第5開閉弁V15、接続部J6、減圧弁V42、供給水補給弁V31、接続部J59、接続部J51、接続部J7、接続部J8、加圧ポンプ5、接続部J9、及びRO膜モジュール7が設けられている。第2開閉弁V12〜第5開閉弁V15は、第2供給水ラインL12の開閉を操作可能な手動弁である。供給水補給弁V31は、第2供給水ラインL12の開閉を制御可能な弁である。供給水補給弁V31は、制御部30と電気的に接続されている。供給水補給弁V31の開閉は、制御部30から送信される流路開閉信号により制御される。
【0025】
濾過処理装置3は、軟水W12(供給水W1)に含まれる懸濁物質を捕捉して除去する。濾過処理装置3は、軟水W12(供給水W1)中における除去対象の物質に応じて種々選択される。濾過処理装置3としては、例えば、砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置などを挙げることができる。なお、濾過処理装置3は、砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置の全てが存在しない構成でもよく、砂濾過装置、除鉄除マンガン装置及び活性炭濾過装置のいずれか1以上で構成してもよいものであり、全てを直列に接続して併用して使用してもよいし、単独で使用してもよい。
【0026】
砂濾過装置は、軟水W12(供給水W1)に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材床により捕捉して除去する。砂濾過装置としては、例えば、硅石等の粗粒濾材と、アンスラサイト及び濾過砂等の細粒濾材と、から形成された濾材床を収容した濾過塔を有する塔式のものが挙げられる。
【0027】
除鉄除マンガン装置は、軟水W12(供給水W1)に含まれる溶存鉄及び溶存マンガンを、濾材床により捕捉して除去する。除鉄除マンガン装置は、例えば、この濾材床を収容した濾過塔を有する。濾材には、通常、粒子状のマンガンシャモットやマンガンゼオライトが使用される。
【0028】
活性炭濾過装置は、軟水W12(供給水W1)に含まれる塩素成分(主として遊離残留塩素)を除去する機器である。活性炭濾過装置は、圧力タンク内に活性炭からなる濾材床を収容した濾過塔を有する。活性炭濾過装置は、軟水W12に含まれる塩素成分を分解除去する他、有機成分を吸着除去したり、懸濁物質を捕捉したりして、軟水W12(供給水W1)を浄化する。
【0029】
プレフィルタ4は、濾過処理装置3により浄化された軟水W12(供給水W1)に含まれる微粒子を除去するフィルタである。プレフィルタ4は、ハウジング内にフィルタエレメントが収容されて構成される。フィルタエレメントとしては、例えば、濾過精度が1〜50μmの不織布フィルタエレメント又は糸巻きフィルタエレメント等が用いられる。
【0030】
供給水ラインL1において、濾過処理装置3(砂濾過装置、除鉄除マンガン装置、活性炭濾過装置)で製造される前処理水の水質項目としては、それぞれ濁度、鉄分濃度、残留塩素濃度を例示することができ、これらの水質項目に基づいて前処理水の水質を判定することができる。また、前処理水の水質は、上述した複数の項目のうちの1つの項目だけでなく、複数の項目を組み合わせて判定してもよい。本実施形態においては、前処理水の水質を判定するために、供給水ラインL1には、硬度センサS1、残留塩素センサS2、濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第2TOCセンサTOC2が接続されている。
【0031】
硬度センサS1は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の全硬度(すなわち、硬度リーク量)を測定する機器である。残留塩素センサS2は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の遊離残留塩素濃度(すなわち、塩素リーク量)を測定する機器である。
【0032】
濁度センサS3は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の濁度(濁度リーク量)を検出する機器である。濁度センサS3は、例えば、濾過処理装置3として砂濾過装置が設けられた場合に、砂濾過装置からの濁質のリークを検出することができる。供給水W1の濁度は、RO膜モジュール7のファウリングの原因物質に係る水質項目の一つである。供給水W1の濁度が悪化すると、ファウリングの発生によりRO膜の閉塞が進行する。濁度は、JIS K0101「工業用水試験方法」において、「濁度とは水の濁りの程度を表すもので、視覚濁度、透過光濁度、散乱光濁度及び積分球濁度に区分し表示する」とされている。濁度センサS3としては、例えば、JIS K0101に示されているような、試料水の濁り度合を透過光強度から判定する透過光式センサや、散乱光強度から判定する散乱光式光センサや、散乱光強度と透過光強度との比から判定する積分球式センサなどを用いることができる。
【0033】
鉄濃度センサS4は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の全鉄濃度(鉄分リーク量)を検出する機器である。鉄濃度センサS4は、例えば、濾過処理装置3として除鉄除マンガン装置が設けられた場合に、除鉄除マンガン装置からの鉄分のリークを検出することができる。供給水W1の全鉄濃度は、JIS K0101「工業用水試験法」の鉄の定量に従って測定することができる。鉄濃度センサS4としては、例えば、JIS K0101に示されているような、フェナントロリンを加えた後に吸光度を測定するフェナントロリン吸光光度法式のセンサなどを用いることができる。
【0034】
第1TOCセンサTOC1は、供給水ラインL1を流通する供給水W1の全有機炭素量(TOCリーク量)を検出する機器である。全有機炭素(TOC:Total Organic Carbon)は、JIS K0101「工業用水試験方法」において、「水中に存在する有機物中の炭素をいう」とされている。第1TOCセンサTOC1としては、例えば、UV酸化−電気伝導率測定方式のセンサなどを用いることができる。
【0035】
硬度センサS1、残留塩素センサS2、濁度センサS3、鉄濃度センサS4及び第1TOCセンサTOC1は、図2Aに示すように、測定ラインL110を介して、接続部J5において供給水ラインL1に接続されている。接続部J5は、供給水ラインL1におけるプレフィルタ4と第5開閉弁V15との間に配置されている。硬度センサS1、残留塩素センサS2、濁度センサS3、鉄濃度センサS4及び第1TOCセンサTOC1は、制御部30と電気的に接続されている。硬度センサS1で測定された硬度リーク量、残留塩素センサS2で測定された塩素リーク量、濁度センサS3で検出された供給水W1の濁度リーク量(以下、「測定濁度」ともいう)、鉄濃度センサS4で測定された供給水W1の鉄分リーク量(以下、「測定鉄濃度」ともいう)及び第1TOCセンサTOC1で測定された供給水W1のTOCリーク量(以下、「測定TOC値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0036】
次に、純水製造装置1における全体構成図の中段部分について説明する。
図2Bに示すように、接続部J6には、真空破壊弁V41が接続されている。真空破壊弁V41は、常閉式の圧力作動弁であり、供給水ラインL1の管内圧力が大気圧力よりも低くなった場合に弁体が開いて大気を吸入する。真空破壊弁V41を設けることにより、原水W11(供給水W1)が断水となって供給水ラインL1が負圧になったとしても、RO膜モジュール7の膜の破損等の不具合を防止することができる。
【0037】
減圧弁V42は、軟水器2、活性炭濾過器3及びプレフィルタ4を通過した軟水W12の圧力を、RO膜モジュール7から流出する濃縮水W3の圧力よりも低い圧力に調整する機器である。減圧弁V42は、軟水W12の圧力よりも濃縮水W3の圧力が大きく(軟水W12の圧力<濃縮水W3の圧力)なるように、軟水W12の圧力を調整する。これにより、濃縮水W3の一部が軟水W12に循環され、軟水W12に濃縮水W3が混合された供給水は、RO膜モジュール7に供給される。即ち、RO膜モジュール7においては、加圧ポンプ5により供給水を循環させながら、透過水を生産するクロスフロー方式の分離操作が行われる。
【0038】
接続部J59には、後述する脱塩水リターンラインL42の下流側の端部が接続されている。接続部J51には、後述するRO透過水リターンラインL41の下流側の端部及びRO濃縮水リターンラインL51の下流側の端部が接続されている。
【0039】
加圧ポンプ5は、供給水ラインL1を流通する供給水W1を吸入し、RO膜モジュール7へ向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ5には、インバータ6から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ5は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0040】
インバータ6は、加圧ポンプ5に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。インバータ6は、制御部30と電気的に接続されている。インバータ6には、制御部30から指令信号が入力される。インバータ6は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ5に出力する。
【0041】
RO膜モジュール7は、加圧ポンプ5により圧送された供給水W1を、溶存塩類が除去された透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3と、に分離する。RO膜モジュール7は、単一又は複数のスパイラル型RO膜エレメントを圧力容器(ベッセル)に収容して構成される。当該RO膜エレメントに使用されるRO膜としては、架橋芳香族ポリアミド系複合膜などが例示される。架橋芳香族ポリアミド系複合膜からなるRO膜エレメントとしては、東レ社製:型式名「TMG20−400」、ウンジン・ケミカル社製:型式名「RE8040−BLF」、日東電工社製:型式名「ESPA1」等が市販されており、これらのエレメントを好適に用いることができる。
【0042】
RO濃縮水リターンラインL51は、RO膜モジュール7で分離された濃縮水W3の一部W31を供給水ラインL1へ返送するラインである。RO濃縮水リターンラインL51の上流側の端部は、RO膜モジュール7の一次側出口ポート(濃縮水W3の出口)に接続されている。RO濃縮水リターンラインL51の下流側の端部は、接続部J51において供給水ラインL1に接続されている。RO濃縮水リターンラインL51には、第1逆止弁V61及び比例制御弁V50が設けられている。
【0043】
比例制御弁V50は、RO濃縮水リターンラインL51へ返送される濃縮水W3の流量(循環流量)を調節する弁である。比例制御弁V50は、制御部30と電気的に接続されている。比例制御弁V50の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4〜20mA)を比例制御弁V50に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮水W3の循環流量を調節することができる。この調節により、RO膜モジュール7の循環比Rを予め設定された値に保つことができる。なお、RO膜モジュール7の循環比Rとは、RO膜モジュールの二次側ポートから流出する透過水W2の流量と一次側出口ポートから流出する濃縮水W3の流量との比率(濃縮水W3の流量/透過水W2の流量)である。
【0044】
循環比Rに関して、RO膜モジュール7のRO膜を使用する場合において、RO膜エレメントの製造メーカで推奨される循環比がある。メーカ推奨値において、通常運転中の場合には、最前段のRO膜モジュールにおいて、循環比Rは、概ね5が目安となる。なお、循環比Rのメーカ推奨値は、膜の種類によっても異なる。例えば、循環比Rのメーカ推奨値は、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)、ナノ濾過膜(NF膜)、及び逆浸透膜(RO膜)によって異なる。
【0045】
RO濃縮水排出ラインL61は、RO膜モジュール7で分離された濃縮水W3の残部W32を、RO濃縮水リターンラインL51の途中から装置の外へ排出するラインである。RO濃縮水排出ラインL61の上流側の端部は、接続部J53に接続されている。接続部J53は、RO濃縮水リターンラインL51におけるRO膜モジュール7と接続部J52との間に配置されている。第1濃縮水排水ラインL611、第2濃縮水排水ラインL612及び第3濃縮水排水ラインL613の上流側の端部は、接続部J55及びJ56において、RO濃縮水排出ラインL61に接続されている。
【0046】
第1濃縮水排水ラインL611〜第3濃縮水排水ラインL613には、それぞれ、第1排水弁V32〜第3排水弁V34、及び第1定流量弁V51〜第3定流量弁V53が設けられている。第1定流量弁V51〜第3定流量弁V53は、それぞれ異なる流量値に設定されている。第1排水弁V32〜第3排水弁V34により、第1濃縮水排水ラインL611〜第3濃縮水排水ラインL613を個別に開閉することができる。第1排水弁V32〜第3排水弁V34の開放数を適宜に選択することにより、装置外へ排出する濃縮水W3の排水流量を調節することができる。この調節により、透過水W2の回収率を予め設定された値に保つことができる。なお、透過水W2の回収率とは、RO膜モジュール7に供給される軟水W12(濃縮水W3の一部W31が混合される前の供給水W1)の流量に対する透過水W2の割合(%)をいう。
【0047】
第1排水弁V32〜第3排水弁V34は、それぞれ制御部30と電気的に接続されている。第1排水弁V32〜第3排水弁V34の開閉は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。
【0048】
第1濃縮水排水ラインL611、第2濃縮水排水ラインL612及び第3濃縮水排水ラインL613の下流側の端部は、接続部J57及びJ58において、合流排水ラインL62の上流側の端部に接続されている。合流排水ラインL62の下流側の端部は、例えば、排水ピット(不図示)に接続又は開口している。合流排水ラインL62の途中には、第2逆止弁V62が設けられている。
【0049】
透過水ラインL21は、RO膜モジュール7で分離された透過水W2をEDIスタック16に流通させるラインである。透過水ラインL21は、図2B及び図2Cに示すように、前段側透過水ラインL211と、中段側透過水ラインL212と、脱塩室流入ラインL213と、濃縮室流入ラインL214と、を有する。
【0050】
前段側透過水ラインL211の上流側の端部は、図2Bに示すように、RO膜モジュール7の二次側ポート(透過水W2の出口)に接続されている。前段側透過水ラインL211の下流側の端部は、図2Cに示すように、第1流路切換弁V71を介して、中段側透過水ラインL212及びRO透過水リターンラインL41に接続されている。
【0051】
前段側透過水ラインL211には、上流側から順に、図2Bに示すように、第3逆止弁V63、接続部J10、接続部J11、及び第6開閉弁V16が設けられている。また、第6開閉弁V16以降には、図2Cに示すように、脱炭酸装置15、接続部J31、接続部J32、及び第1流路切換弁V71が設けられている。第6開閉弁V16は、前段側透過水ラインL211の開閉を操作可能な手動弁である。
【0052】
次に、純水製造装置1における全体構成図の後段部分について説明する。
図2Cにおいて、脱炭酸装置15は、透過水W2に含まれる遊離炭酸(溶存炭酸ガス)を、気体分離膜モジュールにより脱気処理して、脱気水(脱気透過水)を得る設備である。RO膜モジュール7の下流側に脱炭酸装置15を設けることにより、RO膜を透過しやすい遊離炭酸を透過水W2から除去することができる。従って、より純度の高い透過水W2を得ることができる。本実施形態の脱炭酸装置15では、中空糸膜からなる外部灌流式の気体分離膜モジュールを用い、中空糸膜の内側を真空ポンプ(不図示)で吸引しながら、空気等の掃引ガスを導入し、膜壁を介して遊離炭酸を掃引ガス中に移行させつつ排気する。このような用途に適した気体分離膜モジュールとしては、例えば、セルガード社製:製品名「Liqui−Cel G−521R」等が挙げられる。気体分離膜モジュールに接続される真空ポンプは、制御部30と電気的に接続されている。
【0053】
第1流路切換弁V71は、RO膜モジュール7で分離された透過水W2を、中段側透過水ラインL212を介してEDIスタック16へ向けて流通させる流路(採水側流路)、又は、RO透過水リターンラインL41を介してRO膜モジュール7の上流側の供給水ラインL1へ向けて流通させる流路(循環側流路)に切り換え可能な自動弁である。第1流路切換弁V71は、例えば、電動式又は電磁式の三方弁により構成される。第1流路切換弁V71は、制御部30と電気的に接続されている。第1流路切換弁V71における流路の切り換えは、制御部30から送信される流路切換信号により制御される。
【0054】
RO透過水リターンラインL41は、RO膜モジュール7で分離された透過水W2を、RO膜モジュール7よりも上流側の供給水ラインL1へ返送するラインである。RO透過水リターンラインL41の上流側の端部は、第1流路切換弁V71に接続されている。RO透過水リターンラインL41の下流側の端部は、接続部J52において、RO濃縮水リターンラインL51に接続されている。接続部J52は、RO濃縮水リターンラインL51における接続部J53と接続部J51との間に配置されている。RO透過水リターンラインL41における接続部J52から接続部J51までの部分は、RO濃縮水リターンラインL51における接続部J52から接続部J51までの部分と共通する。RO透過水リターンラインL41の上流側には、第4逆止弁V64が設けられている。
【0055】
中段側透過水ラインL212の上流側の端部は、第1流路切換弁V71に接続されている。中段側透過水ラインL212の下流側の端部は、分岐部J71において、脱塩室流入ラインL213の上流側の端部及び濃縮室流入ラインL214の上流側の端部に接続されている。
【0056】
脱塩室流入ラインL213の下流側の端部は、EDIスタック16の一次側ポート(脱塩室161の入口側)に接続されている。脱塩室流入ラインL213には、接続部J33が配置されている。濃縮室流入ラインL214の下流側の端部は、EDIスタック16の一次側ポート(濃縮室162の各入口側)に接続されている。濃縮室流入ラインL214には、上流側から順に、第4定流量弁V54、及び接続部J34が設けられている。
【0057】
EDIスタック16は、RO膜モジュール7で分離された透過水W2を脱塩処理(脱イオン処理)して、脱塩水W6(脱イオン水)と濃縮水W7とを得る水処理機器である。EDIスタック16は、直流電源装置50(図1参照)と電気的に接続されている。EDIスタック16には、直流電源装置50から直流電圧が印加される。EDIスタック16は、直流電源装置50から印加された直流電圧により通電され、動作する。
【0058】
直流電源装置50は、直流電圧をEDIスタック16の一対の電極間に印加する。直流電源装置50は、制御部30と電気的に接続されている。直流電源装置50は、制御部30により入力された指令信号に応答して、直流電圧をEDIスタック16に出力する。
【0059】
EDIスタック16は、一対の電極間に、陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜(不図示)が交互に配置される。EDIスタック16の内部は、これらイオン交換膜により、脱塩室161及び濃縮室162(陽極室及び陰極室を含む)に区画される。脱塩室161には、イオン交換体(不図示)が充填される。脱塩室161に充填されるイオン交換体としては、例えば、イオン交換樹脂又はイオン交換繊維等が用いられる。なお、図2Cでは、EDIスタック16の内部に区画された複数の脱塩室161及び濃縮室162を模式的に示す。
【0060】
脱塩室161の入口側には、透過水W2を流入させる脱塩室流入ラインL213が接続されている。脱塩室161の出口側には、脱塩室161においてイオンが除去されて排出された脱塩水W6を流通させる脱塩水ラインL3が接続されている。濃縮室162の入口側には、透過水W2を流入させる濃縮室流入ラインL214が接続されている。濃縮室162の出口側には、イオンが濃縮されて排出された濃縮水W7を流通させるEDI濃縮水ラインL52が接続されている。
【0061】
脱塩室161及び濃縮室162それぞれには、透過水ラインL21を流通する透過水W2が流入される。透過水W2に含まれる残留イオンは、脱塩室161内に充填されたイオン交換体(不図示)により捕捉され、脱塩水W6となる。脱塩水W6は、脱塩水ラインL3(後述)を介して需要箇所へ送出される。また、脱塩室161内のイオン交換体に捕捉された残留イオンは、印加された直流電圧の電気エネルギーにより濃縮室162に移動する。そして、残留イオンを含む水は、濃縮水W7として、濃縮室162からEDI濃縮水ラインL52(後述)を介して脱炭酸装置15に向けて送出される。脱炭酸装置15に送出された濃縮水W7は、真空ポンプの封水として利用され、その後、封水排出ラインL71(後述)を介して装置の外に排出される。
【0062】
脱塩水ラインL3は、EDIスタック16で得られた脱塩水W6を純水として需要箇所に向けて送出するラインである。脱塩水ラインL3は、上流側脱塩水ラインL31と、下流側脱塩水ラインL32と、を有する。
【0063】
上流側脱塩水ラインL31の上流側の端部は、EDIスタック16の二次側ポート(脱塩室161の出口側)に接続されている。上流側脱塩水ラインL31の下流側の端部は、第2流路切換弁V72を介して、下流側脱塩水ラインL32及び脱塩水リターンラインL42(後述)に接続されている。上流側脱塩水ラインL31には、上流側から順に、接続部J36、接続部J37、接続部J38、第7開閉弁V17、及び第2流路切換弁V72が設けられている。第7開閉弁V17は、上流側脱塩水ラインL31の開閉を操作可能な手動弁である。
【0064】
第2流路切換弁V72は、EDIスタック16の脱塩室161で得られた脱塩水W6を、下流側脱塩水ラインL32を介して需要箇所に向けて送出させる流路(採水側流路)、又は、脱塩水リターンラインL42を介してRO膜モジュール7の上流側の供給水ラインL1に向けて流通させる流路(循環側流路)に切り換え可能な自動弁である。第2流路切換弁V72は、例えば、電動式又は電磁式の三方弁により構成される。第2流路切換弁V72は、制御部30と電気的に接続されている。第2流路切換弁V72における流路の切り換えは、制御部30から送信される流路切換信号により制御される。
【0065】
第2流路切換弁V72は、制御部30により採水側流路に切り換えられることにより、EDIスタック16で得られた脱塩水W6を脱塩水ラインL3から需要箇所に送り出す処理を実行可能な送出手段として機能する。
【0066】
下流側脱塩水ラインL32の上流側の端部は、第2流路切換弁V72に接続されている。下流側脱塩水ラインL32の下流側の端部は、需要箇所の装置等(不図示)に接続されている。
【0067】
脱塩水リターンラインL42は、EDIスタック16の脱塩室161で得られた脱塩水W6を、脱塩水ラインL3の途中から、RO膜モジュール7の上流側(供給水ラインL1)へ返送するラインである。本実施形態においては、脱塩水リターンラインL42の上流側の端部は、第2流路切換弁V72に接続されている。脱塩水リターンラインL42の下流側の端部は、接続部J59に接続されている。脱塩水リターンラインL42の上流側には、第5逆止弁V65が設けられている。
【0068】
EDI濃縮水ラインL52は、EDIスタック16の濃縮室162から排出された濃縮水W7を、脱炭酸装置15に送出するラインである。EDI濃縮水ラインL52の上流側の端部は、EDIスタック16の二次側ポート(濃縮室162の出口側)に接続されている。EDI濃縮水ラインL52の下流側の端部は、脱炭酸装置15に接続されている。
【0069】
封水排出ラインL71は、脱炭酸装置15から排出される封水排水W8を、装置の外に排出するラインである。封水排出ラインL71の上流側の端部は、脱炭酸装置15に接続されている。封水排出ラインL71の下流側は、例えば、排水ピット(不図示)に接続又は開口している。
【0070】
第1圧力計P1〜第6圧力計P6は、接続された各ラインを流通する水の圧力を計測する機器である。図2Aに示すように、第1圧力計P1〜第4圧力計P4は、接続部J1〜J4において、それぞれ、供給水ラインL1に接続されている。図2Cに示すように、第5圧力計P5は、接続部J35において、EDI濃縮水ラインL52に接続されている。第6圧力計P6は、接続部J36において、脱塩水ラインL3に接続されている。
【0071】
第1圧力センサPS1〜第4圧力センサPS4は、接続された各ラインを流通する水の圧力を計測する機器である。図2B及び図2Cに示すように、第1圧力センサPS1は、接続部J9において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J9は、供給水ラインL1における加圧ポンプ5とRO膜モジュール7との間に配置されている。第2圧力センサPS2は、接続部J11において、透過水ラインL21に接続されている。接続部J11は、透過水ラインL21におけるRO膜モジュール7と脱炭酸装置15との間に配置されている。第3圧力センサPS3は、接続部J33において、脱塩室流入ラインL213に接続されている。接続部J33は、脱塩室流入ラインL213の途中に配置されている。第4圧力センサPS4は、接続部J34において、濃縮室流入ラインL214に接続されている。接続部J34は、濃縮室流入ラインL214における第4定流量弁V54とEDIスタック16との間に配置されている。
【0072】
第1圧力センサPS1〜第4圧力センサPS4は、制御部30と電気的に接続されている。第1圧力センサPS1〜第4圧力センサPS4で測定された供給水W1又は透過水W2の圧力は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0073】
圧力スイッチPSWは、供給水ラインL1を流通する供給水W1の圧力が第1設定圧力値以下又は第2設定圧力値以上であることを検出する機器である。図2Bに示すように、圧力スイッチPSWは、接続部J7において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J7は、供給水ラインL1における接続部J51と加圧ポンプ5との間に配置されている。圧力スイッチPSWで検出された供給水W1の圧力の検出信号は、制御部30へ送信される。
【0074】
第1温度センサTE1〜第3温度センサTE3は、接続された各ラインを流通する水の温度を測定する機器である。第1温度センサTE1は、接続部J8において、供給水ラインL1に接続されている。接続部J8は、供給水ラインL1における接続部J51と加圧ポンプ5との間に配置されている。第2温度センサTE2は、接続部J31において、透過水ラインL21に接続されている。接続部J31は、透過水ラインL21における脱炭酸装置15と第1流路切換弁V71との間に配置されている。第3温度センサTE3は、接続部J43において、脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J43は、脱塩水ラインL3における第2流路切換弁V72よりも下流側の下流側脱塩水ラインL32に配置されている。
【0075】
第1温度センサTE1〜第3温度センサTE3は、制御部30と電気的に接続されている。第1温度センサTE1〜第3温度センサTE3で測定された供給水W1、透過水W2又は脱塩水W6の温度(検出水温値)は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0076】
第1流量センサFM1及び第2流量センサFM2は、接続された各ラインを流通する水(透過水W2又は脱塩水W6)の流量を測定する機器である。第1流量センサFM1は、接続部J10において、透過水ラインL21に接続されている。接続部J10は、透過水ラインL21におけるRO膜モジュール7と脱炭酸装置15との間に配置されている。第2流量センサFM2は、接続部J38において、脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J38は、脱塩水ラインL3におけるEDIスタック16と第2流路切換弁V72との間に配置されている。
【0077】
第1流量センサFM1及び第2流量センサFM2は、制御部30と電気的に接続されている。第1流量センサFM1及び第2流量センサFM2で測定された透過水W2又は脱塩水W6の流量(検出流量値)は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0078】
第1電気伝導率センサEC1は、透過水ラインL21を流通する透過水W2の電気伝導率(電気的特性値)を測定する機器である。第1電気伝導率センサEC1は、接続部J32において、透過水ラインL21に接続されている。接続部J32は、透過水ラインL21における脱炭酸装置15と第1流路切換弁V71との間に配置されている。
【0079】
第1比抵抗センサRS1及び第2比抵抗センサRS2は、脱塩水ラインL8を流通する脱塩水W6の比抵抗(電気的特性値)を測定する機器である。第1比抵抗センサRS1は、接続部J37において、脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J37は、脱塩水ラインL3におけるEDIスタック16と第2流路切換弁V72との間に配置されている。第2比抵抗センサRS2は、接続部J41において、脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J41は、脱塩水ラインL3における第2流路切換弁V72よりも下流側の下流側脱塩水ラインL32に配置されている。なお、第1比抵抗センサRS1及び第2比抵抗センサRS2は、測定された比抵抗値の温度補償のため、温度センサを内蔵している。そのため、第1比抵抗センサRS1及び第2比抵抗センサRS2は、脱塩水W6の水温を測定することができる。
【0080】
第1電気伝導率センサEC1、第1比抵抗センサRS1及び第2比抵抗センサRS2は、制御部30と電気的に接続されている。第1電気伝導率センサEC1で測定された透過水W2の電気伝導率、第1比抵抗センサRS1で測定された脱塩水W6の比抵抗(及び温度)、及び第2比抵抗センサRS2で測定された脱塩水W6の比抵抗(及び温度)は、それぞれ、制御部30へ検出信号として送信される。
【0081】
第2TOCセンサTOC2は、脱塩水ラインL8を流通する脱塩水W6の有機体炭素量を検出する機器である。第2TOCセンサTOC2は、前述した第1TOCセンサTOC1と同じ構成である。第2TOCセンサTOC2の説明は、第1TOCセンサTOC1の説明を適用して、その説明を省略する。第2TOCセンサTOC2は、接続部J42において、脱塩水ラインL3に接続されている。接続部J42は、脱塩水ラインL3における第2流路切換弁V72よりも下流側の下流側脱塩水ラインL32に配置されている。
【0082】
第2TOCセンサTOC2は、制御部30と電気的に接続されている。第2TOCセンサTOC2で検出された脱塩水W6の全有機炭素量は、制御部30へ検出信号として送信される。
【0083】
入力操作部40は、装置の運転モードに係る選択(例えば、運転/停止の選択、警報の解除など)、装置の運転条件に係る各種設定について、ユーザー又は管理者の入力操作を受け付ける入力インターフェースである。この入力操作部40は、ディスプレイとボタンスイッチを組み合わせた操作パネル、ディスプレイ上で直接操作するタッチパネル等により構成される。入力操作部40は、制御部30と電気的に接続されている。入力操作部40から入力された情報は、制御部30に送信される。
【0084】
表示部60は、所望の情報を表示する。表示部60は、制御部30と電気的に接続されている。
【0085】
次に、制御部30について説明する。制御部30は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(不図示)により構成される。制御部30において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って、後述する各種の制御を実行する。制御部30において、マイクロプロセッサのメモリには、純水製造装置1を制御するためのデータや各種プログラムが記憶される。また、制御部30のマイクロプロセッサには、時間の計時等を管理するインテグレーテッドタイマユニット(以下、「ITU」ともいう)が組み込まれている。
【0086】
制御部30は、流量フィードバック水量制御として、第1流量センサFM1の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、加圧ポンプ5の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号(指令信号)をインバータ6に出力する。制御部30による流量フィードバック水量制御については後述する。
【0087】
また、制御部30は、供給水W1の温度に基づいて、透過水W2の回収率制御(以下、「温度フィードフォワード回収率制御」ともいう)を実行する。この温度フィードフォワード回収率制御は、上述した流量フィードバック水量制御と並行して実行される。制御部30による温度フィードフォワード回収率制御については後述する。
【0088】
制御部30は、RO膜モジュール7における循環比Rを設定するため、比例制御弁V50の弁開度を制御して濃縮水W3の流量を設定すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を制御して透過水W2の流量を設定する。なお、RO膜モジュール7により分離された透過水W2の流量に対する濃縮水W3の流量の比率を、RO膜モジュール7における循環比Rと定義する。このRO膜モジュール7における循環比Rを設定する制御は、上述した流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御と並行して実行される。
【0089】
制御部30は、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1(水質検出手段)により検出される水質に応じて、RO膜モジュール7における循環比Rが、2≦R≦10の範囲内に収まるように(所定の循環比Rの範囲内に収まるように)、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を、透過水W2の流量を設定するように制御する。
【0090】
制御部30は、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1により検出される水質が向上した場合に循環比Rを下げるように、又は、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1により検出される水質が低下した場合に循環比Rを上げるように、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を、透過水W2の流量を設定するように制御する。
【0091】
次に、制御部30による流量フィードバック水量制御について説明する。図3は、制御部30において流量フィードバック水量制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図3に示すフローチャートの処理は、純水製造装置1の運転中において、繰り返し実行される。
【0092】
図3に示すステップST101において、制御部30は、透過水W2の目標流量値Q´を取得する。この目標流量値Q´は、例えば、装置管理者が入力操作部40を介して制御部30のメモリに入力した設定値である。
【0093】
ステップST102において、制御部30は、ITUによる計時tが制御周期(Δt)である100msに達したか否かを判定する。このステップST102において、制御部30により、ITUによる計時tが100msに達したと(YES)判定された場合に、処理はステップST103へ移行する。また、ステップST102において、制御部30により、ITUによる計時tが100msに達していない(NO)と判定された場合に、処理はステップST102へ戻る。
【0094】
ステップST103(ステップST102:YES判定)において、制御部30は、第1流量センサFM1の検出流量値Qをフィードバック値として取得する。
【0095】
ステップST104において、制御部30は、ステップST103で取得した検出流量値(フィードバック値)Qと、ステップST101で取得した目標流量値Q´との偏差がゼロとなるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより操作量Uを演算する。速度形デジタルPIDアルゴリズムでは、制御周期Δt(100ms)毎に操作量の変化分ΔUを演算し、これを前回の制御周期時点の操作量Un−1に加算することで現時点の操作量Uを決定する。
【0096】
速度形デジタルPIDアルゴリズムに用いられる演算式は、下記の式(1a)及び式(1b)により表される。
ΔU=K{(e−en−1)+(Δt/T)×e+(T/Δt)×(e−2en−1+en−2)} (1a)
=Un−1+ΔU (1b)
【0097】
式(1a)及び式(1b)において、Δt:制御周期、U:現時点の操作量、Un−1:前回の制御周期時点の操作量、ΔU:前回から今回までの操作量の変化分、e:現時点の偏差の大きさ、en−1:前回の制御周期時点の偏差の大きさ、en−2:前々回の制御周期時点の偏差の大きさ、K:比例ゲイン、T:積分時間、T:微分時間である。なお、現時点の偏差の大きさeは、下記の式(2)により求められる。
=Q´−Q (2)
【0098】
ステップST105において、制御部30は、現時点の操作量U、目標流量値Q´及び加圧ポンプ5の最大駆動周波数(50Hz又は60Hzの設定値)を使用して、所定の演算式により、加圧ポンプ5の駆動周波数F[Hz]を演算する。
【0099】
ステップST106において、制御部30は、駆動周波数Fの演算値を、対応する電流値信号(指令信号:4〜20mA)に変換し、この電流値信号をインバータ6に出力する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST101へリターンする)。なお、ステップST106において、制御部30が電流値信号をインバータ6へ出力すると、インバータ6は、入力された電流値信号で指定された周波数に変換された駆動電力を加圧ポンプ5に供給する。その結果、加圧ポンプ5は、インバータ6から入力された駆動周波数に応じた回転速度で駆動される。
【0100】
次に、制御部30による温度フィードフォワード回収率制御について説明する。図4は、制御部30において温度フィードフォワード回収率制御を実行する場合の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、純水製造装置1の運転中において、繰り返し実行される。
【0101】
図4に示すステップST201において、制御部30は、透過水W2の目標流量値Q´を取得する。この目標流量値Q´は、例えば、装置管理者が入力操作部40を介してメモリに入力した設定値である。
【0102】
ステップST202において、制御部30は、供給水W1のシリカ(SiO)濃度Cを取得する。このシリカ濃度Cは、例えば、装置管理者がユーザーインターフェース(不図示)を介してメモリに入力した設定値である。供給水W1のシリカ濃度は、事前に供給水W1を水質分析することにより得ることができる。なお、供給水ラインL1において、不図示の水質センサにより供給水W1のシリカ濃度を計測してもよい。
【0103】
ステップST203において、制御部30は、第1温度センサTE1から供給水W1の検出温度値Tを取得する。
【0104】
ステップST204において、制御部30は、取得した検出温度値Tに基づいて、水に対するシリカ溶解度Sを決定する。
【0105】
ステップST205において、制御部30は、前のステップで取得又は決定したシリカ濃度C、及びシリカ溶解度Sに基づいて、濃縮水W3におけるシリカの許容濃縮倍率Nを演算する。シリカの許容濃縮倍率Nは、下記の式(3)により求めることができる。
=S/C (3)
【0106】
ステップST206において、制御部30は、前のステップで取得又は演算した目標流量値Q´、及び許容濃縮倍率Nに基づいて、回収率が最大となる排水流量(目標排水流量Q´)を演算する。目標排水流量Q´は、下記の式(4)により求めることができる。
´=Q´/(N−1) (4)
【0107】
ステップST207において、制御部30は、濃縮水W3の実際排水流量QがステップST206で演算した目標排水流量Q´となるように第1排水弁V32〜第3排水弁V34の開放数を制御する。これにより本フローチャートの処理は終了する(ステップST201へリターンする)。第1実施形態に係る純水製造装置1において、制御部30は、温度フィードフォワード回収率制御を実行する。このため、純水製造装置1においては、透過水W2の回収率を最大としつつ、RO膜モジュール7におけるシリカ系スケールの析出をより確実に抑制することができる。
【0108】
次に、制御部30による循環比Rを増減する処理について説明する。図5は、制御部30において循環比を増減する処理手順を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、純水製造装置1の運転中において、繰り返し実行される。
【0109】
ステップST301において、制御部30は、RO膜モジュール7における循環比Rが5となるように、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を、透過水W2の流量を設定するように制御する。
【0110】
ステップST302において、制御部30は、濁度センサS3で測定された供給水W1の測定濁度を取得する。
【0111】
ステップST303において、制御部30は、鉄濃度センサS4で測定された供給水W1の測定鉄濃度を取得する。
【0112】
ステップST304において、制御部30は、第1TOCセンサTOC1で測定された供給水W1の測定TOC値を取得する。
【0113】
ステップST305において、制御部30は、濁度センサS3で測定された供給水W1の測定濁度が所定の濁度閾値を上回るか否かを判定する。濁度センサS3で測定された供給水W1の測定濁度が所定の濁度閾値を上回ると判定された(YES)場合には、処理は、ステップST308へ移行する。濁度センサS3で測定された供給水W1の測定濁度が所定の濁度閾値を下回ると判定された(NO)場合には、処理は、ステップST306へ移行する。
【0114】
ステップST308において、制御部30は、循環比Rを上げるように、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を、透過水W2の流量を設定するように制御する。具体的には、循環比Rを増加させる(上げる)ためには、例えば、制御部30は、濃縮水W3の流量を維持するように比例制御弁V50の弁開度を制御すると共に透過水W2の目標流量を減少させて加圧ポンプ5を制御するか、又は、濃縮水W3の流量を増加させるように比例制御弁V50の弁開度を制御すると共に透過水W2の目標流量を維持して加圧ポンプ5を制御する。RO膜モジュール7における循環比Rを上げることにより、RO膜の一次側表面において乱流を促進させることができる。これにより、供給水W1の水質が悪い場合には、RO膜モジュール7における循環比Rを上げることにより、RO膜の表面におけるファウリングが抑制され、RO膜の膜詰まりが発生しにくくなる。
【0115】
ステップST306において、制御部30は、鉄濃度センサS4で測定された供給水W1の測定鉄濃度が所定の鉄濃度閾値を上回るか否かを判定する。鉄濃度センサS4で測定された供給水W1の測定鉄濃度が所定の鉄濃度閾値を上回ると判定された(YSE)場合には、処理は、ステップST308へ移行する。鉄濃度センサS4で測定された供給水W1の測定鉄濃度が所定の鉄濃度閾値を下回ると判定された(NO)場合には、処理は、ステップST307へ移行する。
【0116】
ステップST307において、制御部30は、第1TOCセンサTOC1で測定された供給水W1の測定TOC値が所定のTOC閾値を上回るか否かを判定する。第1TOCセンサTOC1で測定された供給水W1の測定TOC値が所定のTOC閾値を上回ると判定された(YSE)場合には、処理は、ステップST308へ移行する。第1TOCセンサTOC1で測定された供給水W1の測定TOC値が所定のTOC閾値を下回ると判定された(NO)場合には、処理は、ステップST309へ移行する。
【0117】
ステップST309において、制御部30は、循環比Rを下げるように、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、加圧ポンプ5の回転速度を、透過水W2の流量を設定するように制御する。具体的には、循環比Rを減少させる(下げる)ためには、例えば、制御部30は、濃縮水W3の流量を維持するように比例制御弁V50の弁開度を制御すると共に透過水W2の目標流量を増加させて加圧ポンプ5を制御するか、又は、濃縮水W3の流量を減少させるように比例制御弁V50の弁開度を制御すると共に透過水W2の目標流量を維持して加圧ポンプ5を制御する。これにより、供給水W1の水質が良好な場合には、RO膜モジュール7における循環比Rを下げることにより、加圧ポンプ5の動作において消費電力を抑制することができる。
ステップST309の後に、本フローチャートの処理は終了する(ステップST301へリターンする)。
【0118】
上述した第1実施形態に係る純水製造装置1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
【0119】
第1実施形態においては、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1)により検出される水質に応じて、RO膜モジュール7における循環比Rが、所定の循環比の範囲内(循環比Rが2〜10の範囲内)に収まるように、供給水W1の流量、透過水W2の流量、及び濃縮水W3の流量のうちの少なくとも一つが設定される。そのため、供給水W1の水質が良好である場合には、加圧ポンプ5の動作において消費電力を抑制するために、循環比Rを小さく設定できる。また、供給水W1の水質が悪い場合には、RO膜の表面における膜詰まりを抑制するために、循環比Rを大きく設定できる。これにより、加圧ポンプ5の動作において消費電力を抑制しつつ、RO膜モジュール7におけるRO膜の表面におけるファウリングが抑制され、RO膜の膜詰まりが発生しにくくなる。
【0120】
また、第1実施形態においては、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1)により検出される水質が向上した場合に循環比Rを下げるように、又は、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1)により検出される水質が低下した場合に循環比Rを上げるように、供給水W1の流量、透過水W2の流量、及び濃縮水W3の流量のうちの少なくとも一つが設定される。そのため、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1)により検出される水質が向上した場合に、循環比Rを下げることにより、加圧ポンプ5の消費電力を抑制することができる。また、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサS4、第1TOCセンサTOC1)により検出される水質が低下した場合に、循環比Rを上げることにより、RO膜モジュール7におけるRO膜の表面におけるファウリングが抑制され、RO膜の膜詰まりが発生しにくくなる。従って、RO膜モジュール7における循環比Rを増減させることにより、供給水W1の水質が良好である場合には、加圧ポンプ5の動作において消費電力の抑制を優先することができ、供給水W1の水質が悪い場合には、RO膜の表面における膜詰まりの抑制を優先することができる。
【0121】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る純水製造装置1Aについて、図6及び図7A図7Cを参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体概略図である。図7Aは、第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の第1中段部分である。図7Bは、第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の第2中段部分である。図7Cは、第2実施形態に係る純水製造装置1Aの全体構成図の後段部分である。
【0122】
なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。このため、第1実施形態と同一(又は同等)の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態の説明が適宜に適用される。また、第2実施形態においては、供給水ラインL1の上流側から供給水補給弁V31までの構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態における供給水ラインL1の上流側から供給水補給弁V31までの構成についての主な図面(図2Aに対応する図面)及びその説明を省略する。
【0123】
第2実施形態に係る純水製造装置1Aは、第1実施形態における純水製造装置1が1段のRO膜モジュール7を備えているのに対して、直列に並べられた2段のRO膜モジュール10、14を備えている点、2段のRO膜モジュール10,14の間に中間タンク11が設けられている点、及びこれらの周辺の構成において、第1実施形態における純水製造装置1と主に異なる。
【0124】
なお、第2実施形態においては、第1実施形態における「RO膜モジュール7」を第2実施形態における1段目のRO膜モジュールとして「前段RO膜モジュール10」とし、更に、2段目のRO膜モジュールとして「後段RO膜モジュール14」を備える。そのため、第2実施形態では、第1実施形態における「透過水ラインL21」を「前段RO透過水ラインL22」とし、前段RO膜モジュール10で分離された透過水を「前段透過水W2」とする。
【0125】
また、第2実施形態では、第1実施形態における「RO透過水リターンラインL41」を「前段RO透過水リターンラインL43」とし、第1実施形態における「RO濃縮水リターンラインL51」を「前段RO濃縮水リターンラインL53」とする。また、第2実施形態では、第1実施形態における「加圧ポンプ5」を「前段加圧ポンプ8」とし、「インバータ6」を「前段インバータ9」とする。
【0126】
図6に示すように、第2実施形態に係る純水製造装置1Aは、第1オプション機器OP1と、プレフィルタ4と、第2オプション機器OP2と、前段加圧ポンプ8と、前段インバータ9と、前段RO膜モジュール10と、中間タンク11と、後段加圧ポンプ12と、後段インバータ13と、後段RO膜モジュール14と、第3オプション機器OP3と、第1流路切換弁V71と、EDIスタック16と、第2流路切換弁V72と、第4オプション機器OP4と、制御部30Aと、入力操作部40と、直流電源装置50と、表示部60と、を備える。
【0127】
また、図6に示すように、第2実施形態の純水製造装置1Aは、供給水ラインL1と、前段RO透過水ラインL22と、前段RO透過水リターンラインL43と、前段RO濃縮水リターンラインL53と、後段RO透過水ラインL23と、後段RO透過水リターンラインL44と、前段RO濃縮水リターンラインL54と、脱塩水ラインL3と、脱塩水リターンラインL45と、を備える。
【0128】
図6に示すように、第2実施形態における純水製造装置1Aは、第1実施形態におけるRO透過水リターンラインL41及び脱塩水リターンラインL42に代えて、前段RO透過水リターンラインL43、後段RO透過水リターンラインL44、及び脱塩水リターンラインL45を備える。
【0129】
また、図7A図7Cに示すように、第2実施形態の純水製造装置1Aは、第1実施形態における第2圧力センサPS2を備えておらず、一方、第5圧力センサPS5、第4温度センサTE4、第5温度センサTE5、第3流量センサFM3、及び第2電気伝導率センサEC2を更に備える。また、第1実施形態と同様に、第2実施形態の純水製造装置1Aは、第1電気伝導率センサEC1と、第1比抵抗センサRS1と、を備える。
【0130】
前段RO膜モジュール10は、前段加圧ポンプ8により圧送された供給水W1を、溶存塩類が除去された前段透過水W2と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W3と、に分離する。
【0131】
前段RO透過水ラインL22は、前段RO膜モジュール10で分離された前段透過水W2を後段RO膜モジュール14に流通させるラインである。前段RO透過水ラインL22の上流側の端部は、図7Aに示すように、前段RO膜モジュール10の二次側ポート(前段透過水W2の出口)に接続されている。前段RO透過水ラインL22の下流側の端部は、図7Bに示すように、後段RO膜モジュール14の一次側入口ポート(前段透過水W2の入口)に接続されている。
【0132】
前段RO透過水ラインL22には、上流側から順に、図7Aに示すように、接続部J54、前段透過水補給弁V35、第3逆止弁V63、接続部J10、接続部J12、接続部J13、及び第6開閉弁V16が設けられている。また、第6開閉弁V16以降には、図7Bに示すように、中間タンク11、第7開閉弁V17、接続部J61、接続部J21、後段加圧ポンプ12、接続部J22、及び後段RO膜モジュール14が設けられている。図7Aに示すように、接続部J54には、前段RO透過水リターンラインL43の上流側の端部が接続されている。また、図7Bに示すように、接続部J61には、後段RO濃縮水リターンラインL54の下流側の端部が接続されている。
【0133】
前段透過水補給弁V35は、前段RO透過水ラインL22の開閉を制御可能な自動弁である。前段透過水補給弁V35は、制御部30Aと電気的に接続されている。前段透過水補給弁V35の開閉は、制御部30Aから送信される流路開閉信号により制御される。
【0134】
図6に示すように、中間タンク11は、前段RO透過水ラインL22における前段RO膜モジュール10と後段RO膜モジュール14との間に設けられている。中間タンク11は、前段RO膜モジュール10で分離された前段透過水W2を貯留するタンクである。
【0135】
中間タンク11には、図7Bに示すように、水位センサ111が設けられている。水位センサ111は、中間タンク11に貯留された前段透過水W2の水位を検出する機器である。水位センサ111は、制御部30Aと電気的に接続されている。水位センサ111で測定された中間タンク11の水位(以下、「検出水位値」ともいう)は、制御部30Aへ検出信号として送信される。
【0136】
本実施形態において、水位センサ111は、例えば、レベルスイッチである。レベルスイッチは、予め設定された液面位置の検出器であり、例えば、複数の液面位置(例えば、4位置)を検出するように構成されている。図7Bでは、水位センサ111として、フロート式のレベルスイッチを設けた例を示す。なお、水位センサ111は、レベルスイッチには制限されず、例えば、連続式レベルセンサであってもよい。連続式レベルセンサとしては、例えば、静電容量式センサ、圧力式センサ、超音波式センサ等が用いられる。
【0137】
後段加圧ポンプ12は、前段RO透過水ラインL22を流通する前段透過水W2を吸入し、後段RO膜モジュール14へ向けて圧送する装置である。後段加圧ポンプ12には、後段インバータ13から周波数が変換された駆動電力が供給される。後段加圧ポンプ12は、供給された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
【0138】
後段インバータ13は、後段加圧ポンプ12に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。後段インバータ13は、制御部30Aと電気的に接続されている。後段インバータ13には、制御部30Aから指令信号が入力される。後段インバータ13は、制御部30Aにより入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を後段加圧ポンプ12に出力する。
【0139】
後段RO膜モジュール14は、前段RO膜モジュール10で分離されて後段加圧ポンプ12により圧送された前段透過水W2を、前段透過水W2よりも溶存塩類が除去された後段透過水W4と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W5と、に分離する。後段RO膜モジュール14は、単一又は複数のスパイラル型RO膜エレメントを圧力容器(ベッセル)に収容して構成される。
【0140】
前段RO透過水リターンラインL43は、図7Aに示すように、前段RO膜モジュール10で分離された前段透過水W2を、前段RO膜モジュール10の上流側の供給水ラインL1へ返送するラインである。前段RO透過水リターンラインL43の上流側の端部は、接続部J54に接続されている。前段RO透過水リターンラインL43の下流側の端部は、接続部J52において、前段RO濃縮水リターンラインL53に接続されている。接続部J52は、前段RO濃縮水リターンラインL53における接続部J53と接続部J51との間に配置されている。前段RO透過水リターンラインL43における接続部J52から接続部J51までの部分は、前段RO濃縮水リターンラインL53における接続部J52から接続部J51までの部分と共通する。
【0141】
前段RO透過水リターンラインL43には、図7Aに示すように、リリーフ弁V43が設けられている。リリーフ弁V43は、常閉式の圧力作動弁であって、一次側の圧力が二次側の圧力よりも一定の圧力以上高い場合に開放される調整弁である。詳細には、リリーフ弁V43は、前段RO透過水リターンラインL43の管内圧力が予め設定された圧力以上になったときに開状態となり、前段RO透過水ラインL22を流通される前段透過水W2を、接続部J54を介して前段RO透過水リターンラインL43に流通させるための弁である。
【0142】
リリーフ弁V43における二次側の圧力(接続部J51での供給水W1の圧力)は、減圧弁V42により前段加圧ポンプ8の運転圧力未満に調整される。前段透過水補給弁V35が閉状態に制御された状態で前段加圧ポンプ8を駆動させると、リリーフ弁V43における一次側の圧力(接続部J54での前段透過水W2の圧力)は、二次側の圧力よりも高くなる。これにより、リリーフ弁V43が開放されて、前段RO透過水ラインL22を流通する前段透過水W2を、前段RO透過水リターンラインL43に流通させることができる。
【0143】
後段RO濃縮水リターンラインL54は、図7Bに示すように、後段RO膜モジュール14で分離された濃縮水W5の一部W51を、前段RO透過水ラインL22へ返送するラインである。後段RO濃縮水リターンラインL54の上流側の端部は、後段RO膜モジュール14の一次側出口ポート(濃縮水の出口)に接続されている。後段RO濃縮水リターンラインL54の下流側の端部は、接続部J61に接続されている。接続部J61は、前段RO透過水ラインL22における中間タンク11と後段加圧ポンプ12との間に配置されている。
【0144】
後段RO濃縮水リターンラインL54は、図7Bに示すように、上流側から順に、接続部J63、接続部J62、第6逆止弁V66、第6定流量弁V56、及び接続部J61が設けられている。接続部J62には、第1後段RO濃縮水ラインL63の上流側の端部が接続されている。接続部J63には、第2後段RO濃縮水ラインL64の上流側の端部が接続されている。
【0145】
第1後段RO濃縮水ラインL63及び第2後段RO濃縮水ラインL64は、後段RO膜モジュール14で分離された濃縮水W5の残部W52を、後段RO濃縮水リターンラインL54の途中から脱炭酸装置15に送出するラインである。第1後段RO濃縮水ラインL63の下流側の端部及び第2後段RO濃縮水ラインL64の下流側の端部は、接続部J64において、後段RO濃縮水送出ラインL65の上流側の端部に接続されている。後段RO濃縮水送出ラインL65の下流側の端部は、図7Cに示すように、脱炭酸装置15に接続されている。第1後段RO濃縮水ラインL63及び第2後段RO濃縮水ラインL64には、それぞれ、第1調整弁V36及び第2調整弁V37、並びに第7定流量弁V57及び第8定流量弁V58が設けられている。
【0146】
第1調整弁V36及び第2調整弁V37により、第1後段RO濃縮水ラインL63及び第2後段RO濃縮水ラインL64を個別に開閉することにより、濃縮水W5の送出流量を調節することができる。第1調整弁V36及び第2調整弁V37は、それぞれ制御部30Aと電気的に接続されている。第1調整弁V36及び第2調整弁V37の開閉は、制御部30Aから送信される駆動信号により制御される。
【0147】
後段RO濃縮水送出ラインL65には、第8開閉弁V18が設けられている。第8開閉弁V18は、後段RO濃縮水送出ラインL65の開閉を操作可能な手動弁である。
【0148】
後段RO透過水ラインL23は、後段RO膜モジュール14で分離された後段透過水W4をEDIスタック16に流通させるラインである。後段RO透過水ラインL23の上流側の端部は、図7Bに示すように、後段RO膜モジュール14の二次側ポート(後段透過水W4の出口)に接続されている。後段RO透過水ラインL23の下流側の端部は、図7Cに示すように、第1流路切換弁V71を介して、EDIスタック16に接続されている。
【0149】
後段RO透過水ラインL23は、前段側透過水ラインL231と、中段側透過水ラインL232と、脱塩室流入ラインL233と、濃縮室流入ラインL234と、を有する。前段側透過水ラインL231には、上流側から順に、図7Bに示すように、第4逆止弁V64、接続部J23、及び第9開閉弁V19が設けられている。また、第9開閉弁V19以降には、図7Cに示すように、脱炭酸装置15、接続部J31、接続部J32、及び第1流路切換弁V71が設けられている。
【0150】
第1流路切換弁V71は、後段RO膜モジュール14で分離された後段透過水W4を、中段側透過水ラインL232を介してEDIスタック16へ向けて流通させる流路(採水側流路)、又は、後段RO透過水リターンラインL44を介して中間タンク11へ向けて流通させる流路(循環側流路)に切り換え可能な弁である。第1流路切換弁V71は、例えば、電動式又は電磁式の三方弁により構成される。第1流路切換弁V71は、制御部30Aと電気的に接続されている。第1流路切換弁V71における流路の切り換えは、制御部30Aから送信される流路切換信号により制御される。
【0151】
後段RO透過水リターンラインL44は、後段RO膜モジュール14で分離された後段透過水W4を、前段RO膜モジュール10と後段RO膜モジュール14との間に設けられた中間タンク11へ返送するラインである。後段RO透過水リターンラインL44の上流側の端部は、図7Cに示すように、第1流路切換弁V71に接続されている。後段RO透過水リターンラインL44の下流側は、図7Bに示すように、中間タンク11に接続されている。
【0152】
なお、図7Cに示す第2実施形態において、第1流路切換弁V71よりも下流側の部分の構成は、第1実施形態における「中段側透過水ラインL212」、「脱塩室流入ラインL213」、「濃縮室流入ラインL214」及び「透過水W2」を、それぞれ、「中段側透過水ラインL232」、「脱塩室流入ラインL233」、「濃縮室流入ラインL234」及び「後段透過水W4」としている。また、第2実施形態では、後述するEDI濃縮水排出ラインL72及び脱塩水リターンラインL45の構成を除いて、第1実施形態と同様の構成である。そのため、これらの部分に関しては、第1実施形態の説明を援用して、第2実施形態の説明を省略する。
【0153】
また、図7Cに示すように、第2実施形態における純水製造装置1Aは、第1実施形態におけるEDI濃縮水ラインL52に代えて、EDI濃縮水排出ラインL72を備える。
【0154】
EDI濃縮水排出ラインL72は、EDIスタック16の濃縮室162から排出された濃縮水W7を、装置の外に排出するラインである。EDI濃縮水排出ラインL72の上流側の端部は、EDIスタック16の二次側ポート(濃縮室162の出口側)に接続されている。EDI濃縮水排出ラインL72の下流側は、例えば、排水ピット(不図示)に接続又は開口している。
【0155】
第2流路切換弁V72は、EDIスタック16の脱塩室161で得られた脱塩水W6を、下流側脱塩水ラインL32を介して需要箇所に向けて送出させる流路(採水側流路)、又は、脱塩水リターンラインL45を介して中間タンク11に向けて流通させる流路(循環側流路)に切り換え可能な弁である。
【0156】
脱塩水リターンラインL45は、EDIスタック16の脱塩室161で得られた脱塩水W6を、脱塩水ラインL3の途中から、前段RO膜モジュール10と後段RO膜モジュール14との間に設けられた中間タンク11へ返送するラインである。本実施形態において、脱塩水リターンラインL45の上流側の端部は、第2流路切換弁V72に接続されている。脱塩水リターンラインL45の下流側の端部は、中間タンク11に接続されている。
【0157】
第5圧力センサPS5は、前段RO透過水ラインL22を流通する前段透過水W2の圧力を計測する機器である。第5圧力センサPS5は、接続部J22において、前段RO透過水ラインL22に接続されている。接続部J22は、前段RO透過水ラインL22における後段加圧ポンプ12と後段RO膜モジュール14との間に配置されている。第5圧力センサPS5は、制御部30Aと電気的に接続されている。第5圧力センサPS5で測定された前段透過水W2の圧力は、制御部30Aへ検出信号として送信される。
【0158】
第4温度センサTE4及び第5温度センサTE5は、前段RO透過水ラインL22を流通する前段透過水W2の温度を測定する機器である。第4温度センサTE4は、図7Aに示すように、接続部J12において、前段RO透過水ラインL22に接続されている。接続部J12は、前段RO透過水ラインL22における前段RO膜モジュール10と中間タンク11との間に配置されている。第5温度センサTE5は、図7Bに示すように、接続部J21において、前段RO透過水ラインL22に接続されている。接続部J21は、前段RO透過水ラインL22における中間タンク11と後段加圧ポンプ12との間に配置されている。第4温度センサTE4及び第5温度センサTE5は、制御部30Aと電気的に接続されている。第4温度センサTE4及び第4温度センサTE4で測定された前段透過水W2の温度は、制御部30Aへ検出信号として送信される。
【0159】
第3流量センサFM3は、後段RO透過水ラインL23を流通する後段透過水W4の流量を測定する機器である。第3流量センサFM3は、図7Bに示すように、接続部J23において、後段RO透過水ラインL23に接続されている。接続部J23は、後段RO透過水ラインL23における後段RO膜モジュール14と脱炭酸装置15との間に配置されている。第3流量センサFM3は、制御部30Aと電気的に接続されている。第3流量センサFM3で測定された後段透過水W4の流量は、制御部30Aへ検出信号として送信される。
【0160】
第2電気伝導率センサEC2は、前段RO透過水ラインL22を流通する前段透過水W2の電気伝導率を測定する機器である。第2電気伝導率センサEC2は、図7Aに示すように、接続部J13において、前段RO透過水ラインL22に接続されている。接続部J13は、前段RO透過水ラインL22における前段RO膜モジュール10と中間タンク11との間に配置されている。第2電気伝導率センサEC2は、制御部30Aと電気的に接続されている。第2電気伝導率センサEC2で測定された前段透過水W2の電気伝導率は、制御部30Aへ検出信号として送信される。
【0161】
次に、第2実施形態の純水製造装置1Aの制御部30Aについて説明する。第2実施形態では、制御部30Aにおいて、流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御は、前段RO膜モジュール10及び後段RO膜モジュール14に対して実行される。また、第2実施形態では、制御部30Aにおいて、循環比Rを設定又は変更する制御は、前段RO膜モジュール10に対して実行される。
【0162】
制御部30Aは、前段RO膜モジュール10に対する流量フィードバック水量制御として、第1流量センサFM1の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、前段加圧ポンプ8の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号(指令信号)を前段インバータ9に出力する。
【0163】
また、制御部30Aは、後段RO膜モジュール14に対する流量フィードバック水量制御として、第3流量センサFM3の検出流量値が予め設定された目標流量値となるように、速度形デジタルPIDアルゴリズムにより、後段加圧ポンプ12の駆動周波数を演算し、当該駆動周波数の演算値に対応する電流値信号(指令信号)を後段インバータ13に出力する。
【0164】
制御部30Aは、供給水W1の温度に基づいて、前段透過水W2の回収率制御(以下、「温度フィードフォワード回収率制御」ともいう)を実行する。この温度フィードフォワード回収率制御は、上述した流量フィードバック水量制御と並行して実行される。
【0165】
制御部30Aは、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1(水質検出手段)により検出される水質に応じて、前段RO膜モジュール10における循環比Rが、前段RO膜モジュール10における循環比Rが2≦R≦10の範囲内に収まるように(所定の循環比Rの範囲内に収まるように)、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、前段加圧ポンプ8の回転速度を、前段透過水W2の流量を設定するように制御する。
【0166】
制御部30Aは、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1により検出される水質が向上した場合に循環比Rを下げるように、又は、濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1により検出される水質が低下した場合に循環比Rを上げるように、比例制御弁V50の弁開度を、濃縮水W3の流量を設定するように制御すると共に、前段加圧ポンプ8の回転速度を、前段透過水W2の流量を設定するように制御する。
【0167】
第2実施形態における流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御のこれ以外の点においては、第1実施形態における流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御と同様である。そのため、第2実施形態における流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御の説明は、第1実施形態における流量フィードバック水量制御及び温度フィードフォワード回収率制御の説明を援用して、その説明を省略する。また、第2実施形態のその他の制御についても、第1実施形態の制御と実質的に同様である。
【0168】
上述した第2実施形態に係る純水製造装置1Aによれば、上述の第1実施形態に係る純水製造装置1と同様の効果が奏される。
【0169】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、前記第1及び第2実施形態において、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1)は、供給水W1の水質を検出するように構成した。前記第1及び第2実施形態においては、供給水W1には、クロスフローの構成を前提に、RO濃縮水リターンラインL51ラインを介して濃縮水W3が混合される。そのため、クロスフローによりRO濃縮水リターンラインL51ラインを介して濃縮水W3が供給水W1に混合される場合においては、供給水W1には、濃縮水W3の混合前の供給水W1(原水)と、濃縮水W3の混合後における供給水W1(原水+濃縮水W3)と、が含まれる。したがって、水質検出手段は、濃縮水W3の混合前の供給水W1と、濃縮水W3の混合後における供給水W1とのいずれを検出するように構成してもよい。なお、原水には、軟水器2により製造された軟水、及び濾過処理装置3等の前処理装置により処理された処理水が含まれる。
【0170】
また、前記第1及び第2実施形態において、水質検出手段(濁度センサS3、鉄濃度センサ又は第1TOCセンサTOC1)は、供給水W1の水質を検出するように構成したが、これに制限されず、濃縮水W3の水質を検出するように構成してもよい。この場合には、水質検出手段により検出される濃縮水W3の水質に応じて、循環比Rが、所定の循環比Rの範囲内に収まるように、供給水W1の流量、透過水W2の流量、及び濃縮水W3の流量のうちの少なくとも一つが設定される。
【0171】
また、前記第1及び第2実施形態において、水質検出手段として、濁度センサS3、鉄濃度センサS4及び第1TOCセンサTOC1が設けられているが、全てのセンサを設けなくてもよく、濁度センサS3、鉄濃度センサS4及び第1TOCセンサTOC1のうちのいずれか1つ以上が設けられていればよい。
【0172】
また、第1及び第2実施形態において、EDIスタック(電気脱イオンスタック)16の代わりに、非再生型の混床式イオン交換塔を設けてもよい。この場合には、前段のRO膜モジュールで分離された透過水をイオン交換樹脂床により脱イオン処理して脱イオン水を得ることができる。また、装置の運転開始直後において、水質が回復された脱イオン水を需要箇所へ供給することができる。また、イオン交換塔を用いることにより、透過水から脱イオン水を得るための処理に掛かる電力をほぼゼロにすることができる。
【0173】
第1及び第2実施形態では、制御部30は、循環比Rを調整する際に、透過水W2の流量及び濃縮水W3の流量を設定するように制御したが、これに制限されない。制御部30は、循環比Rを調整する際に、供給水W1の流量、透過水W2の流量、及び濃縮水W3の流量のうちの少なくとも一つが設定されるように制御すればよい。
【0174】
第1及び第2実施形態では、第1排水弁V32〜第3排水弁V34の開放数を選択することにより、濃縮水W3の排水流量を段階的に調節する例について説明した。これに限らず、例えば、RO濃縮水排出ラインL61を分岐させずに、当該RO濃縮水排出ラインL61に比例制御弁を設けた構成としてもよい。この場合、制御部(30,30A)から電流値信号を比例制御弁に送信して弁開度を制御することにより、濃縮水W3の排水流量を調節することができる。
【0175】
また、RO濃縮水排出ラインL61に比例制御弁を設けた構成において、RO濃縮水排出ラインL61に流量センサを設けた構成としてもよい。この場合は、流量センサで測定された流量値を、制御部(30,30A)にフィードバック値として入力することにより、濃縮水W3の実際の排水流量をより正確に制御することができる。
【0176】
また、RO濃縮水リターンラインL51に比例制御弁V50を設けた構成において、比例制御弁V50の弁開度を制御する構成ではなく、複数の開閉弁をRO濃縮水リターンラインL51に並列に設けて、濃縮水W3の流量を調整可能な構成としてもよい。この場合には、複数の開閉弁の開放数を選択することにより、RO濃縮水リターンラインL51を流通する濃縮水W3を調整して、RO膜モジュール7の循環比Rを調整することができる。
【符号の説明】
【0177】
1,1A 純水製造装置(逆浸透膜分離装置)
5 加圧ポンプ
7 RO膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
8 前段加圧ポンプ(加圧ポンプ)
10 前段RO膜モジュール(逆浸透膜モジュール)
S3 濁度センサ(水質検出手段)
S4 鉄濃度センサ(水質検出手段)
TOC1 第1TOCセンサ(水質検出手段、全有機炭素センサ)
W1 供給水
W2 透過水、前段透過水
W3 濃縮水
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C