(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記施錠制御手段が前記ドアの解錠に係る制御を行なった後で、前記無線通信手段と前記無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、所定の範囲内における所定の無線通信機の存否を判定する存否判定手段を更に備え、
該存否判定手段が否と判定した場合であって、前記開閉検出部の検出結果が前記開閉部の閉鎖を示しているとき、前記施錠制御手段は、前記ドアの施錠に係る制御を行なうようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の施錠システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、フューエルリッドオープナを備えた車輌が利用されている。フューエルリッドオープナは、車室内部に配された操作レバーと、操作レバーが操作された場合に、給油口の蓋(フューエルリッド)を開放する開放部とを有する。
また、近年、セルフサービス型のガソリンスタンドが普及している。
フューエルリッドオープナを備えた車輌の運転手は、セルフサービス型のガソリンスタンドにおいて、エンジンを切り、操作レバーを操作することによって給油口の蓋を開放した後で降車し、通常、閉めたドアを施錠しないまま、給油作業を行なう。このとき、運転手は無線通信機を携帯したまま降車することがある。
【0008】
ところが、降車した運転手は、意図せず通信エリア内から出てしまうことがある。何故ならば、通信エリアは一般に車室内部、運転席ドア近傍、助手席ドア近傍、及びトランク(又はバックドア)近傍等であり、車輌のフロント近傍は通信エリア外だからである。
【0009】
従って、降車した運転手が車輌のフロント側へ回ると、そこでWAL機能が働いてしまう。この結果、運転手は給油作業後、再び乗車するために、無線通信機又は車輌に設けられた操作ボタンを操作しなければならない。つまり、運転手の利便性が悪化する。また、無用の施錠/解錠による消費電力の無駄が生じる。
ただし、車輌が特許文献1に記載の車輌用施錠システムを備えている場合は、WAL機能が働いてドアが施錠された後、運転手が助手席近傍又は運転席近傍に至ると、再びドアが自動的に解錠される。この場合、運転手の利便性が悪化することはない。とはいえ、無用の施錠/解錠による消費電力の無駄は生じる。
【0011】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、無用の施錠が行なわれることを抑制することができる施錠システム及び車輌を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明に係る施錠システムは、可搬型の無線通信機と、該無線通信機との間で無線通信を行なう無線通信手段、及び、該無線通信手段と前記無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、複数の開閉体の内の一の開閉体の施錠に係る制御を行なう施錠制御手段を有する施錠制御装置とを備える施錠システムにおいて、他の開閉体の開/閉を検出する開閉検出部を備え、
前記一の開閉体は車輌のドアであり、前記他の開閉体は前記車輌の前記ドアとは異なる開閉部であり、前記施錠制御手段は、前記無線通信手段と前記無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、前記ドアの解錠に係る制御を行ない、前記ドアの解錠に係る制御を行なった後、前記開閉検出部の検出結果が前記開閉部の開放を示しているときには、前記ドアの施錠に係る制御を行なわないようにしてあり、前記ドアの開/閉を検出するドア開閉検出部と、該ドア開閉検出部の検出結果に基づき、閉鎖されていた前記ドアが開放されてから再び閉鎖されたか否かを判定する開閉判定手段と、該開閉判定手段が、前記ドアが再び閉鎖されたと判定してからの経過時間を計時する計時手段とを更に備え、前記施錠制御手段は、前記ドアの解錠に係る制御を行なった後、前記開閉検出部の検出結果が前記開閉部の開放を示している場合であっても、前記計時手段の計時結果が所定経過時間を超過したときには、前記ドアの施錠に係る制御を行なうようにしてあることを特徴とする。
【0014】
第
2発明に係る施錠システムは、前記施錠制御手段が前記ドアの解錠に係る制御を行なった後で、前記無線通信手段と前記無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、所定の範囲内における所定の無線通信機の存否を判定する存否判定手段を更に備え、該存否判定手段が否と判定した場合であって、前記開閉検出部の検出結果が前記開閉部の閉鎖を示しているとき、前記施錠制御手段は、前記ドアの施錠に係る制御を行なうようにしてあることを特徴とする。
【0016】
第
3発明に係る車輌は、ドアと、該ドアとは異なる開閉部と、車室の内部に配された操作部と、該操作部の操作に応じて前記開閉部を開放する開放部と、外部と無線通信を行なう無線通信手段、及び、該無線通信手段と外部との無線信号の送受信に応じて、前記ドアの施錠/解錠に係る制御を行なう制御手段を有する車載制御装置とを備える車輌において、前記開閉部の開/閉を検出する検出部を備え、前記制御手段は、前記ドアの解錠に係る制御を行なった後、前記検出部の検出結果が前記開閉部の開放を示している場合には、前記ドアの施錠に係る制御を行なわないようにしてあ
り、前記ドアの開/閉を検出するドア開閉検出部と、該ドア開閉検出部の検出結果に基づき、閉鎖されていた前記ドアが開放されてから再び閉鎖されたか否かを判定する開閉判定手段と、該開閉判定手段が、前記ドアが再び閉鎖されたと判定してからの経過時間を計時する計時手段とを更に備え、前記制御手段は、前記ドアの解錠に係る制御を行なった後、前記検出部の検出結果が前記開閉部の開放を示している場合であっても、前記計時手段の計時結果が所定経過時間を超過したときには、前記ドアの施錠に係る制御を行なうようにしてあることを特徴とする。
【0017】
第1発明にあっては、施錠システムは、可搬型の無線通信機、施錠制御装置、及び開閉検出部を備える。
施錠制御装置は、無線通信手段及び施錠制御手段を有する。
無線通信手段は、無線通信機との間で無線通信を行なう。施錠制御手段は、無線通信手段と無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、一の開閉体の施錠に係る制御を行なう。例えば、施錠制御手段は、無線信号の送受信の成否、又は受信した無線信号による認証の成否等、無線信号の送受信に係る所定の条件が成立した場合に、一の開閉体の施錠に係る制御を行なう。ここで、一の開閉体とは、車輌のド
アである。
【0018】
開閉検出部は、他の開閉体の開/閉を検出する。ここで、他の開閉体とは、車輌の給油口の
蓋等である。
他の開閉体が開放されている場合、一の開閉体を施錠せずにユーザがその場を離れても、短時間で戻ってくる可能性が高い。
従って、施錠制御手段は、一の開閉体が解錠されている場合、開閉検出部の検出結果が他の開閉体の開放を示しているときには、一の開閉体の施錠に係る制御を行なわない。つまり、たとえユーザがその場を離れたとしても、他の開閉体が開放されているときには、解錠されている一の開閉体が自動的に施錠されることが抑制される。
【0019】
更に、第
1発明にあっては、施錠制御手段は、無線通信手段と無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、車輌のドアの施錠/解錠に係る制御を行なう。例えば、施錠制御手段は、無線信号の送受信の成否、又は受信した無線信号による認証の成否等、無線信号の送受信に係る所定の条件が成立した場合に、車輌のドアの施錠/解錠に係る制御を行なう。
開閉検出部は、車輌のドアとは異なる開閉部の開/閉を検出する。この開閉部とは、車輌の給油口の蓋、又はボンネット等である。
【0020】
開閉部が開放されている場合、ドアを施錠せずに運転手が降車しても、短時間で戻ってくる可能性が高い。
従って、施錠制御手段は、ドアの解錠に係る制御を行なった後、開閉検出部の検出結果が開閉部の開放を示している場合には、ドアの施錠に係る制御を行なわない。つまり、たとえ運転手が降車したとしても、開閉部が開放されているときには、解錠されているドアが自動的に施錠されることが抑制される。
また、第1発明にあっては、施錠システムは、ドア開閉検出部、開閉判定手段、及び計時手段を更に備える。
ドア開閉検出部は、ドアの開/閉を検出する。開閉判定手段は、ドア開閉検出部の検出結果に基づき、閉鎖されていたドアが開放されてから再び閉鎖されたか否かを判定する。このようなドアの開閉は、運転手の乗降を意味する。
計時時間は、開閉判定手段が、ドアが再び閉鎖されたと判定してからの経過時間を計時する。つまり、計時時間が計時する経過時間は、運転手が乗降してからの経過時間である。
運転手が乗降してからの経過時間が所定経過時間を超過した場合とは、車輌のドアが解錠された状態で長時間放置されている場合である。運転手は、開閉部を開放した後、何らかの事情で車輌から立ち去ったのかも知れないし、開閉部を閉鎖し忘れて車内に戻ってきているのかもしれない。何れにせよ、車輌のドアを長時間解錠されたままにしておくのは不用心である。
そこで、施錠制御手段は、ドアの解錠に係る制御を行なった後、開閉検出部の検出結果が開閉部の開放を示している場合であっても、計時手段の計時結果が所定経過時間を超過したときには、ドアの施錠に係る制御を行なう。故に、解錠されているドアが自動的に施錠される。
【0021】
第
2発明にあっては、施錠システムは、存否判定手段を更に備える。
存否判定手段は、施錠制御手段がドアの解錠に係る制御を行なった後で、無線通信手段と無線通信機との間の無線信号の送受信に応じて、所定の範囲内における所定の無線通信機の存否を判定する。
無線信号の送受信の成功、及び受信した無線信号による認証の成功等、無線信号の送受信に係る所定の条件が成立した場合、所定の範囲内に所定の無線通信機が存在する、と看做せる。これは、ドアの解錠後でも、運転手が通信エリア内に存在することを意味する。
【0022】
一方、このような所定の条件が成立しない場合、所定の範囲内に所定の無線通信機が存在しない、と看做せる。これは、ドアの解錠後、運転手が通信エリア外へ出たことを意味する。そして、開閉部が閉鎖されている場合、通信エリア外へ出た運転手は、そのまま車輌から立ち去る可能性が高い。
従って、存否判定手段が否と判定した場合であって、開閉検出部の検出結果が開閉部の閉鎖を示しているとき、施錠制御手段は、ドアの施錠に係る制御を行なう。つまり、開閉部が閉じられている状態で運転手が通信エリア外へ出たときには、解錠されているドアが自動的に施錠される。
【0025】
第
3発明にあっては、車輌は、ドア、ドアとは異なる開閉部(例えば給油口の蓋、又はボンネット等)、操作部、開放部、車載制御装置
、検出部
、ドア開閉検出部、開閉判定手段、及び計時手段を備える。この車載制御装置、検出部、及び車載制御装置が有する制御手段は、例えば第
1発明に係る施錠システムが備える施錠制御装置、開閉検出部、及び施錠制御装置が有する施錠制御手段に対応
し、ドア開閉検出部、開閉判定手段、及び計時手段は、本発明に係る施錠システムが備えるドア開閉検出部、開閉判定手段、及び計時手段に対応する。
車室内部に配された操作部を運転手が操作すると、開放部は操作部の操作に応じて開閉部を開放する。つまり、運転手は降車せずして開閉部を開放することができる。このような車輌においてこそ、例えば第
1発明に係る施錠システムは最も奏功する。
【発明の効果】
【0026】
本発明の施錠システム及び車輌による場合、例えば短時間
の降車等の際に
、運転
手の意に反して
、車輌のド
アが自動的に施錠されてしまうことを抑制することができる。
従って、無用の施錠/解錠による無駄なエネルギ消費を抑制することができる。また、無用に施錠され
た車輌のド
アを解錠するための操作が不要である。故に
、運転
手の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を、その実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。以下の説明では、図において矢符で示す上下、前後、及び左右を使用する。
【0029】
実施の形態 1.
図1及び
図2は、何れも、本発明の実施の形態1に係る車輌1及び施錠システム5の構成を示すブロック図である。
図1には施錠システム5が備える車載制御装置(施錠制御装置)3の内部構成が示されており、
図2には、施錠システム5が備える無線通信機4の内部構成が示されている。
車輌1は、車室10、ドア(一の開閉体)11、ドアロック操作部12、ドアロック機構13、ランプ14、給油口の蓋(ドアとは異なる開閉部,他の開閉体)15、蓋開放機構(開放部)16、及び蓋開放操作部(操作部)17を備える。
【0030】
車室10は、運転手及び同乗者が乗り込む空間である。車室10の内部には、図示しない運転席及び助手席等が設けられている。
ドア11は、運転席のドアである。ドア11の外側及び内側夫々には、図示しないドア開閉操作部が設けられている。運転手は、ドア開閉操作部を操作するか、又はドア11を押すことによって、施錠されていないドア11を開閉する。
ドアロック操作部12は、ドア11の外側及び内側夫々に設けられた操作ボタンを備える。運転手は、閉鎖されたドア11を施錠又は解錠する場合に、ドアロック操作部12を操作する。ドアロック操作部12は、運転手による操作を受けつけた場合に、ドアロック操作部12が操作されたことを示す操作信号を車載制御装置3へ出力する。
【0031】
ドアロック機構13は、閉鎖されているドア11を施錠/解錠するための機械機構と、この機械機構を駆動するための電動モータとを備える。ドアロック機構13は、後述するロック制御信号が入力される都度、電動モータを作動させる。この結果、施錠されているドア11が解錠されるか、又は、解錠されているドア11が施錠される。
本明細書中では、簡単のため、ドア11以外のドア、並びにドア11以外のドアに係るドアロック操作部及びドアロック機構等に関する説明を省略する。
【0032】
ランプ14は、ハザードランプ又はルームランプ等である。
給油口の蓋15は、車室10の外部に配されている。従って、給油作業を行なう場合、車輌1に乗車している運転手は、一旦降車する必要がある。
蓋開放操作部17は、車室10の内部に配されている操作レバーである。更に詳細には、蓋開放操作部17は、運転席に座っている運転手が容易に操作することが可能な位置に配されている。従って、給油作業を行なう場合、車輌1に乗車している運転手は、降車する前に蓋開放操作部17を操作する必要がある。
【0033】
蓋開放操作部17が操作された場合、給油口の蓋15が開放される。このために、蓋開放機構16は、蓋開放操作部17の操作に応じて給油口の蓋15を開放するための機械機構、及び、この機械機構と蓋開放操作部17とを機械的に接続するワイヤを備える。蓋開放操作部17に対する操作は、蓋開放機構16のワイヤを介して機械機構に伝達される。この結果、機械機構が作動し、給油口の蓋15が開放される。開放された給油口の蓋15は、給油作業後、運転手によって手動で閉鎖される。
蓋開放機構16及び蓋開放操作部17の構成は特に限定されないが、例えば、従来のいわゆるフューエルリッドオープナを車輌1の蓋開放機構16及び蓋開放操作部17として流用すれば、車輌1を簡便に構成することができる。
【0034】
施錠システム5は、車輌1に適用される。施錠システム5は、WAL機能を有する。一般に、WAL機能は、車輌1のエンジンが停止している場合に働く。以下では、車輌1のエンジンは停止しているものとする。
施錠システム5の無線通信機4は、可搬型である。本実施の形態では、無線通信機4は、運転手が携帯しているものとする。
【0035】
施錠システム5は、車載制御装置3及び無線通信機4の他、ドア開閉検出部51、蓋開閉検出部(開閉検出部,検出部)52、送信アンテナ部53、及び受信アンテナ部54を備える。無線通信機4を除く施錠システム5の各部は、車輌1に搭載されている。つまり、車載制御装置3、ドア開閉検出部51、蓋開閉検出部52、送信アンテナ部53、及び受信アンテナ部54は、施錠システム5の構成要素であるが、車輌1の構成要素でもある。
【0036】
ドア開閉検出部51は、ドア11が開放されているか閉鎖されているかを検出する。このために、ドア開閉検出部51は、例えばドア11が開放されるとオフになり、閉鎖されるとオンになるリミットスイッチを有する。ドア開閉検出部51は、ドア11の開/閉を示す検出信号を車載制御装置3へ出力する。
ドア開閉検出部51の構成は特に限定されないが、従来のキーレスエントリシステム又はスマートエントリシステム等で用いられるドア開閉検出部を車輌1のドア開閉検出部51として流用すれば、車輌1及び施錠システム5を簡便に構成することができる。
【0037】
蓋開閉検出部52は、給油口の蓋15が開放されているか閉鎖されているかを検出する。このために、蓋開閉検出部52は、例えば給油口の蓋15が開放されるとオフになり、閉鎖されるとオンになるリミットスイッチを有する。蓋開閉検出部52は、給油口の蓋15の開/閉を示す検出信号を車載制御装置3へ出力する。
【0038】
蓋開閉検出部52の構成も、特に限定されない。従来、フューエルリッドオープナ及びパワースライドドアを備える車輌が、給油口の蓋15とパワースライドドアとが干渉し合うことを抑制するために、蓋開閉検出部を更に備えていることがある。この場合、蓋開閉検出部の検出結果が給油口の蓋15の開放を示しているときには、パワースライドドアは作動しない。この蓋開閉検出部を車輌1の蓋開閉検出部52として流用すれば、車輌1及び施錠システム5を簡便に構成することができる。
【0039】
送信アンテナ部53は、所定の通信エリアに対して、後述する呼出信号を送信する。このために、送信アンテナ部53は、各指向性を有する第1〜第4の送信アンテナを有する。第1の送信アンテナは、車室10の内部へ呼出信号を送信する。第2の送信アンテナは、ドア11及び運転席側の後部座席のドアの近傍へ呼出信号を送信する。第3の送信アンテナは、助手席のドア及び助手席側の後部座席のドアの近傍へ呼出信号を送信する。第4の送信アンテナは、トランクの近傍へ呼出信号を送信する。従って、呼出信号の送信に係る通信エリアには、車室10の内部と、ドア11及び運転席側の後部座席のドアの近傍と、助手席のドア及び助手席側の後部座席のドアの近傍と、トランクの近傍とが含まれる。
【0040】
受信アンテナ部54は、上述の通信エリア内にて送信された応答信号(後述)を受信する。
本実施の形態では、送信アンテナ部53の指向性によって通信エリアが規定されるが、これに限定されず、受信アンテナ部54の指向性によって通信エリアが規定される構成でもよい。
なお、車輌1がトランクに替えてバックドアを備えている場合、送信アンテナ部53における第4の送信アンテナは、バックドアの近傍へ呼出信号を送信する。
【0041】
次に、無線通信機4の各部について説明する。
無線通信機4は、制御部40、通信部41、受信アンテナ42、及び送信アンテナ43を備える。
通信部41は、車載制御装置3との間で無線通信を行なう。車載制御装置3からは、車載制御装置3を識別する装置識別情報を含む無線信号が送信される。通信部41は、受信アンテナ42を介して受信した無線信号を制御部40に与える。
【0042】
制御部40は、通信部41から与えられた無線信号に含まれる装置識別情報に基づいて所定の認証処理を行なう。以下では、この認証処理による認証には成功したものとして説明する。
本実施の形態では、車載制御装置3から送信される無線信号として、呼出信号を例示する。ここで、呼出信号及び応答信号は、車載制御装置3と無線通信機4との呼応に用いられる各所定の無線信号である。
【0043】
通信部41は、無線通信機4を識別する機器識別情報を含む無線信号を、送信アンテナ43を介して送信する。呼出信号を受信した場合、通信部41は、制御部40に制御されて、送信アンテナ43を介し、応答信号を送信する。
無線通信機4のハードウェア構成は、特に限定されないが、従来のキーレスエントリシステム又はスマートエントリシステム等で用いられる無線通信機のハードウェア構成と同様であれば、施錠システム5を簡便に構成することができる。
【0044】
次に、車載制御装置3の各部について説明する。
車載制御装置3は、制御部30、入力部31、出力部32、及び通信部(無線通信手段)33を備える。
通信部33は、送信アンテナ部53及び受信アンテナ部54を介して、無線通信機4との間で無線通信を行なう。通信部33は、受信した無線信号を制御部30に与える。また、通信部33は、制御部30に制御されて、無線信号を送信する。
【0045】
入力部31は、ドアロック操作部12、ドア開閉検出部51、及び蓋開閉検出部52夫々と、信号線で個別に接続されている。出力部32は、ドアロック機構13及びランプ14と信号線で個別に接続されている。なお、車載制御装置3は、入力部31及び出力部32に替えて、CAN(Controller Area Network )又はLIN(Local Interconnect Network)等の車内通信ネットワークを介してドアロック操作部12、ドアロック機構13、ランプ14、ドア開閉検出部51、及び蓋開閉検出部52夫々と接続される入出力部を備えていてもよい。この入出力部は、車内通信ネットワークを介した通信機能を有する。
【0046】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit )、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を用いてなる演算処理装置である。制御部30のCPUは、RAMを作業領域とし、ROMに格納されている制御プログラムに従って、各種の演算処理又は制御処理等を実行する。
【0047】
制御部30は、入力部31を介して外部からの入力を受け付ける。制御部30には、ドアロック操作部12からの操作信号と、ドア開閉検出部51及び蓋開閉検出部52夫々からの検出信号とが入力される。
制御部30は、出力部32を介して外部への出力を行なう。制御部30からドアロック機構13へは、ドア11の施錠/解錠を制御するためのロック制御信号が出力される。制御部30からランプ14へは、ランプ14を点滅させるための点滅制御信号が出力される。
【0048】
制御部30は、通信部33から与えられた無線信号に含まれる機器識別情報に基づいて所定の認証処理を行なう。以下では、この認証処理による認証には成功したものとして説明する。
制御部30は、通信部33に無線信号を送信させる。送信すべき無線信号が呼出信号である場合、通信部33は、送信アンテナ部53における第1〜第4の送信アンテナを所定順に用いて、各送信アンテナを介した呼出信号の送信を順次行なう。
制御部30は、各送信アンテナを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に応答信号を受信したか否かを送信アンテナ毎に判定する。
【0049】
送信アンテナ部53の通信エリア内に存在する無線通信機4は、呼出信号を受信することができる。呼出信号を受信した無線通信機4は、応答信号を送信する。この結果、車載制御装置3は、送信アンテナ部53における第1〜第4の送信アンテナの何れかを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に、受信アンテナ部54を介して応答信号を受信する。
【0050】
故に、例えば送信アンテナ部53における第1の送信アンテナを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に応答信号を受信した場合、通信エリア内である車室10の内部に無線通信機4が存在することがわかる。同様に、例えば送信アンテナ部53における第2の送信アンテナを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に応答信号を受信した場合、通信エリア内であるドア11及び運転席側の後部座席のドアの近傍に無線通信機4が存在することがわかる。
【0051】
一方、通信エリア外に存在する無線通信機4には、呼出信号が届かない。従って、無線通信機4が応答信号を送信することはない。この結果、車載制御装置3は、送信アンテナ部53における第1〜第4の送信アンテナの何れを介した呼出信号の送信後であっても、所定時間以内に応答信号を受信することができない。故に、送信アンテナ部53における第1〜第4の送信アンテナ夫々を介した呼出信号の送信後、全ての送信アンテナについて所定時間以内に応答信号を受信しなかった場合、通信エリア内に無線通信機4が存在しないことがわかる。
通信エリア内における無線通信機4の存否は、通信エリア内における運転手の存否を意味する。
【0052】
制御部30は、ドア開閉検出部51の検出信号がドア11の閉鎖を示している場合、ドア11の外側に設けられているドアロック操作部12から操作信号が入力される都度、通信部33に呼出信号を送信させる。呼出信号の送信後、応答信号を受信した場合、制御部30は、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する。
また、制御部30は、ドア開閉検出部51の検出信号がドア11の閉鎖を示している場合、ドア11の内側に設けられているドアロック操作部12から操作信号が入力される都度、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する。
【0053】
呼出信号及び応答信号の送受信の結果としてドアロック機構13へロック制御信号を出力した場合、又は、WAL機能を実現すべくドアロック機構13へロック制御信号を出力した場合、制御部30は、ランプ14へ点滅制御信号を出力する。
点滅制御信号が入力されたランプ14は点滅する。これは、いわゆるアンサーバックである。ランプ14の点滅は、通信エリア外からでも視認可能である。ランプ14の点滅を視認した運転手は、ドア11が施錠/解錠されたことを認識する。
【0054】
図3及び
図4は、施錠システム5で実行される自動施錠処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、ドア11は閉鎖及び施錠されているものとする。
降車している運転手は、例えば車輌1の運転を開始する場合に、ドアロック操作部12を操作することによってドア11を解錠し、更にドア11を開放して乗車する。乗車した運転手は、ドア11を閉鎖する。
【0055】
一方、乗車している運転手は、例えば車輌1の運転を終了する場合に、ドアロック操作部12を操作することによってドア11を解錠し、更にドア11を開放して降車する。降車した運転手は、ドア11を閉鎖する。車輌1の運転を終了する運転手は、降車後、車輌1から立ち去る。
或いは、乗車している運転手は、車輌1に給油する場合に、蓋開放操作部17を操作することによって給油口の蓋15を開放し、ドアロック操作部12を操作することによってドア11を解錠し、更にドア11を開放して降車する。降車した運転手は、ドア11を閉鎖する。降車後、運転手は給油作業を行なう。給油作業の終了後、運転手は、再び車輌1に乗車すべく、ドア11を開閉する。
【0056】
図3に示すように、制御部30は、例えばドアロック操作部12が操作された結果として、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する(S11)。S11の処理の結果、施錠されていたドア11が解錠される。このとき、ドア11の外側に設けられているドアロック操作部12が操作されたのであれば、S11の処理の実行後、アンサーバックが行なわれる。
次に、制御部30は、ドア開閉検出部51からの検出信号に基づいて、閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖されたか否か(図中「ドア開→閉?」)を判定する(S12)。
【0057】
ドア11が閉鎖されたままであるか、又は、ドア11が開放された後、まだ閉鎖されていない場合(S12でNO)、制御部30は、再びS12の処理を行なう。
閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖された場合(S12でYES)、運転手は乗降したと考えられる。そこで、制御部30は、経過時間の計時結果を“0”にリセットしてから経過時間の計時を開始する(S13)。つまり、S13の処理は、運転手の乗降からの経過時間の計時を行なう処理である。
【0058】
次に、制御部30は、通信エリア内に無線通信機4が存在するか否かを判定する(S14)。このために、制御部30は、前述したように、通信部33を制御することによって、送信アンテナ部53における第1〜第4の送信アンテナ夫々を介した呼出信号の送信を順次行なう。そして、制御部30は、各送信アンテナを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に応答信号を受信したか否かを送信アンテナ毎に判定する。
【0059】
応答信号を受信した場合、即ち通信エリア内に無線通信機4が存在する場合(S14でYES)、制御部30は、無線通信機4が車室10の内部に存在するか否かを判定する(S15)。
無線通信機4が車室10の内部に存在する場合とは、運転手が乗車した場合であると考えられる。無線通信機4が車室10の内部を除く通信エリア内に存在する場合とは、降車した運転手が通信エリア内に存在する(例えば通信エリア内を移動中である)と考えられる。
【0060】
無線通信機4が車室10の内部に存在する場合(S15でYES)、即ち、第1の送信アンテナを介した呼出信号の送信後、所定時間以内に応答信号を受信した場合、制御部30は、経過時間が第1所定時間(所定経過時間)を超過したか否かを判定する(S16)。
【0061】
経過時間が第1所定時間を超過した場合とは、運転手の乗車から長時間が経過した場合である。そこで、制御部30は、経過時間が第1所定時間を超過した場合(S16でYES)、経過時間の計時を終了し(S17)、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する(S18)。S18の処理の結果、解錠されていたドア11が自動的に施錠される。これにより、WAL機能とは異なる自動ロック機能が実現される。そして、制御部30は、自動施錠処理を終了する。
【0062】
経過時間が第1所定時間以下である場合(S16でNO)、制御部30は、ドア開閉検出部51からの検出信号に基づいて、閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖されたか否かを判定する(S19)。
ドア11が閉鎖されたままであるか、又は、ドア11が開放された後、まだ閉鎖されていない場合(S19でNO)、制御部30は、再びS16の処理を行なう。
閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖された場合(S19でYES)、運転手が降車したと考えられるため、制御部30は、処理をS13へ戻す。
【0063】
一方、無線通信機4が車室10の内部に存在しない場合(S15でNO)、即ち、無線通信機4が車室10の内部を除く通信エリア内に存在する場合、運転手は降車し、また、通信エリア内に存在する。そこで、制御部30は、処理をS14へ戻す。
さて、通信エリア内に無線通信機4が存在しない場合(S14でNO)、即ち、応答信号を受信しなかった場合、運転手は降車し、また、通信エリア内には存在しない。そこで、制御部30は、
図4に示すように、蓋開閉検出部52からの検出信号に基づいて、給油口の蓋15が開放されているか否かを判定する(S31)。
【0064】
給油口の蓋15が閉鎖されている場合(S31でNO)、降車した運転手は車輌1から立ち去った、と考えられる。故に、制御部30は、経過時間の計時を終了し(S32)、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する(S33)。S33の処理の結果、解錠されていたドア11が自動的に施錠される。これにより、WAL機能が実現される。この後、アンサーバックが行なわれる。そして、制御部30は、自動施錠処理を終了する。
【0065】
一方、給油口の蓋15が開放されている場合(S31でYES)、降車した運転手は、給油作業を行なうために一旦通信エリア外へ移動した、と考えられる。このときWAL機能が働くと、運転手が再び乗車する際に、いちいちドアロック操作部12を操作しなければならず、不便である。また、運転手が再び乗車することがわかっているのに、わざわざドア11を施錠するのは無駄である。かといって、運転手が給油口の蓋15を開け放したまま車輌1から立ち去ったのだとすれば、ドア11を解錠されたままにしておくことは不用心である。
【0066】
そこで、制御部30は、経過時間が第2所定時間(所定経過時間)を超過したか否かを判定する(S34)。ここで、第2所定時間は、S16の処理で用いた第1所定時間と同じでもよく、異なっていてもよいが、通常、第2所定時間の方が長い。これらは、制御部30に予め設定されている。
経過時間が第2所定時間を超過した場合(S34でYES)、給油作業後に再度乗車するはずだった運転手は、何らかの事情で車輌1から立ち去った、と考えられる。従って、制御部30は、処理をS32へ移す。この結果、WAL機能が働く。
【0067】
経過時間が第2所定時間以下である場合(S34でNO)、制御部30は、ドア開閉検出部51からの検出信号に基づいて、閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖されたか否かを判定する(S35)。
ドア11が閉鎖されたままであるか、又は、ドア11が開放された後、まだ閉鎖されていない場合(S35でNO)、制御部30は、再びS34の処理を行なう。この結果、S34でYESと判定されるまで、WAL機能が一時保留にされる。何故ならば、S34及びS35で共にNOの場合とは、運転手はまだ戻っていないが、給油作業が終了すれば、再度乗車する可能性が高い場合だからである。
【0068】
閉鎖されていたドア11が開放され、再び閉鎖された場合(S35でYES)、給油作業を終えた運転手が乗車したと考えられるため、制御部30は、処理をS13へ移す。
【0069】
以上のような自動施錠処理において、S11、S18、及びS33の処理を実行する制御部30は、本発明の実施の形態における施錠制御手段又は制御手段として機能する。S12、S19、及びS35夫々の処理を実行する制御部30は、本発明の実施の形態における開閉判定手段として機能する。S13及びS14の処理を実行する制御部30は、本発明の実施の形態における計時手段及び存否判定手段として機能する。
【0070】
以上のような施錠システム5は、通信エリア内に運転手が存在しなくても、給油口の蓋15が開放されていれば、WAL機能を一時保留にする。この結果、降車した運転手が、給油作業を行なった後で再度乗車する心積もりであるのに、ドア11が自動的に施錠されてしまうことを抑制することができる。従って、ドア11を無用に施錠/解錠することによる消費電力の無駄を抑制することができる。また、無用に施錠されたドア11を解錠するための操作が不要であるため、運転手の利便性を向上させることができる。
【0071】
しかも、WAL機能の一時保留であってWAL機能の完全な凍結ではないため、ドア11が解錠されたまま長時間放置されるという不都合を抑制することができる。
WAL機能が一時保留されている場合、運転手が通信エリア外へ移動してもアンサーバックが起こらないため、運転手は、WAL機能が一時保留されていることに気づく。とはいえ、運転手がWAL機能の一時保留に気づかなかったとしても、運転手は短時間で再び乗車するか、さもなくば、やがて一時保留が解除されてWAL機能が働くため、特段の問題はない。
【0072】
なお、WAL機能の一時保留は、給油口の蓋15が開放されている場合に替えて、例えば車輌1の窓、ボンネット、トランク、又はバックドア等が開放されている場合に行なわれる構成でもよい。
ところで、無線通信機4に、図示しないドアロック操作部が備えられている場合、ドアロック操作部が操作される都度、無線通信機4から車載制御装置3へ、ドア11の施錠/解錠を要求する所定の無線信号(以下、要求信号という)が送信される。
【0073】
要求信号を受信した場合、通常、制御部30は、ドアロック機構13へロック制御信号を出力する。この結果、ドア11が施錠/解錠される。
このため、車室10の内部に運転手が存在している場合、ドアロック操作部12から操作信号が入力されるか、又は要求信号を受信したときに、制御部30は、ドアロック機構13へロック制御信号を出力し、次いで、自動施錠処理を終了する。このとき、ドア11は運転手からの施錠要求に応じて施錠される。
【0074】
また、車室10の内部を除く通信エリア内に車室10の内部に運転手が存在している場合、給油口の蓋15が閉鎖されているならば、制御部30は、ドアロック操作部12から操作信号が入力されるか、又は要求信号を受信したときに、ドアロック機構13へロック制御信号を出力し、次いで、自動施錠処理を終了する。このときも、ドア11は運転手からの施錠要求に応じて施錠される。
【0075】
一方、給油口の蓋15が開放されているならば、制御部30は、ドアロック操作部12から操作信号が入力されたときであっても、また、要求信号を受信したときであっても、ロック制御信号を出力しないよう構成されていてもよい。つまり、給油口の蓋15が開放されていると、運転手からの施錠要求が無視される。このため、給油作業に向かうべく降車した運転手が、うっかり車輌1のドアロック操作部12を操作してしまったり、無線通信機4のドアロック操作部を操作してしまったりしたとしても、無駄な施錠が行なわれることはない。
逆に、給油口の蓋15が開放されていても、運転手からの施錠要求があれば、ドア11が施錠されてもよい。
【0076】
実施の形態 2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る家屋6及び施錠システム7の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の施錠システム7は、実施の形態1の施錠システム5に類似した構成である。以下では、実施の形態1との差異について説明し、その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
家屋6は、実施の形態1のドア11に対応する玄関の扉(一の開閉体)61と、実施の形態1のドアロック操作部12に対応する扉ロック操作部62と、実施の形態1のドアロック機構13に対応する扉ロック機構63と、実施の形態1の給油口の蓋15に対応するベランダの窓(他の開閉体)65とを備える。
【0077】
窓65を開放している場合、家人は窓65を閉鎖してから、通勤又は買物等、長時間の外出を行なう。
一方、門前での郵便物の受け取り又は近所のゴミ集積場へのゴミ出し等(以下、ゴミ出しを例示する)のために短時間の外出を行なう場合、家人はわざわざ窓65を閉鎖せず、開け放しにしておく。この場合、家人は、窓65が開放されている状態で、扉ロック操作部62を操作することによって扉61を解錠し、更に扉61を開放して外出する。一般に、扉61は、勝手に閉鎖されないよう手動で固定するのでなければ、自動的に閉鎖される。外出後、家人はゴミ出しを行なう。ゴミ出しの終了後、家人は帰宅するために扉61を開閉する。
【0078】
施錠システム7は、実施の形態1の車載制御装置3に対応する施錠制御装置8と、無線通信機4と、実施の形態1のドア開閉検出部51及び蓋開閉検出部52に対応する扉開閉検出部71及び窓開閉検出部(開閉検出部)72と、実施の形態1の送信アンテナ部53及び受信アンテナ部54に対応する送信アンテナ部73及び受信アンテナ部74と、音声出力部75とを備える。
無線通信機4は、実施の形態1の無線通信機4と同様の構成である。無線通信機4は、家人が携帯しているものとする。
通信エリアは、扉61の近傍(具体的には、扉61を介在した屋内側及び屋外側夫々の適宜の範囲)である。そして、屋内側の通信エリアが、実施の形態1における車室10の内部に相当する。
【0079】
施錠制御装置8は、実施の形態1の制御部30、入力部31、出力部32、及び通信部33に対応する制御部(施錠制御手段)80、入力部81、出力部82、及び通信部(無線通信手段)83を備える。
音声出力部75は、制御部80に制御されて、ビープ音を出力する。本実施の形態におけるアンサーバックは、実施の形態1におけるランプ14の点滅に替えて、音声出力部75からのビープ音の出力によって行なう。
【0080】
施錠システム7は、窓65が開放されている場合、実施の形態1の自動施錠処理のような手順で、WAL機能を一時保留にする。この結果、外出した家人が、短時間で帰宅する心積もりであるのに、扉61が自動的に施錠されてしまうことを抑制することができる。従って、扉61を無用に施錠/解錠することによる消費電力の無駄を抑制することができる。また、無用に施錠された扉61を解錠するための操作が不要であるため、家人の利便性を向上させることができる。
しかも、WAL機能の一時保留であってWAL機能の完全な凍結ではないため、扉61が解錠されたまま長時間放置されるという不都合を抑制することができる。
【0081】
WAL機能が一時保留されている場合、家人が通信エリア外へ移動してもアンサーバックが起こらないため、家人は、WAL機能が一時保留されている、延いては窓65が開放されていることに気づく。このため、長時間外出する予定の家人は、屋内へ戻って窓65を閉鎖してから改めて外出することができる。
なお、WAL機能の一時保留は、ベランダの窓65が開放されている場合に替えて、例えばベランダ以外の窓、又は勝手口の引き戸等が開放されている場合に行なわれる構成でもよい。
【0082】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲と均等の意味及び特許請求の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
また、本発明の効果がある限りにおいて、車輌1又は施錠システム5,7に、実施の形態1,2に開示されていない構成要素が含まれていてもよい。
各実施の形態に開示されている構成要件(技術的特徴)はお互いに組み合わせ可能であり、組み合わせによって新しい技術的特徴を形成することができる。