特許第6070386号(P6070386)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社豊田自動織機の特許一覧

<>
  • 特許6070386-電池モジュール 図000002
  • 特許6070386-電池モジュール 図000003
  • 特許6070386-電池モジュール 図000004
  • 特許6070386-電池モジュール 図000005
  • 特許6070386-電池モジュール 図000006
  • 特許6070386-電池モジュール 図000007
  • 特許6070386-電池モジュール 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070386
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170123BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20170123BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H01M2/10 E
   H01M2/10 S
   H01M2/20 A
   H01M10/48 301
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-87641(P2013-87641)
(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公開番号】特開2014-212026(P2014-212026A)
(43)【公開日】2014年11月13日
【審査請求日】2015年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】山口 敦
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−122249(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/157464(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0130545(US,A1)
【文献】 特開2006−186045(JP,A)
【文献】 特開2012−256467(JP,A)
【文献】 実開昭63−025465(JP,U)
【文献】 特開2010−287550(JP,A)
【文献】 特開2008−270122(JP,A)
【文献】 実開平04−129470(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0117452(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルと、
前記電池セルを保持する電池ホルダと、を備え、
前記電池ホルダには、少なくとも一部に開口部を有する収容部が設けられ、前記収容部にサーミスタ又は配線が収容された電池モジュールであって、
前記開口部と対向して配置された拘束部材によって前記サーミスタ又は前記配線が拘束され
前記拘束部材は、前記電池セル同士を接続するバスバーを覆うバスバーカバーであることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記収容部に収容された前記サーミスタは、前記拘束部材によって前記電池セルに向けて押圧されることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記拘束部材と前記サーミスタとの間には、弾性体が設けられることを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
電池セルと、
前記電池セルを保持する電池ホルダと、を備え、
前記電池ホルダには、少なくとも一部に開口部を有する収容部が設けられ、前記収容部にサーミスタが収容された電池モジュールであって、
前記開口部と対向して配置された拘束部材によって前記サーミスタが拘束され、
前記収容部に収容された前記サーミスタは、前記拘束部材によって前記電池セルに向けて押圧され、
前記電池ホルダは、前記サーミスタにおける前記拘束部材と対向する面の一部を覆う抜け防止部を有することを特徴とする電池モジュール。
【請求項5】
前記拘束部材と前記サーミスタとの間には、弾性体が設けられることを特徴とする請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記拘束部材は、前記電池セル同士を接続するバスバーを覆うバスバーカバーであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載に電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールには、電池モジュールを構成する部材同士を接続する配線や、電池セルの温度を測定するための温度センサが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の二次電池装置では、複数の電池セルを並列接続したセルユニットがセンターケース内に収容されている。複数の電池セルのうち、最も温度が高くなる位置に設けられた電池セル及び最も温度が低くなる位置に設けられた電池セルには、サーミスタが設けられている。センターケースの側壁において、サーミスタが取り付けられる電池セルと対向する側壁内面には、細長い帯状の溝が形成されている。サーミスタは、溝内に収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−38468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二次電池装置に振動が加わると、サーミスタが溝から抜け出すおそれがある。
本発明の目的は、サーミスタ又は配線が収容部から抜け出すことを抑止することができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電池モジュールは、電池セルと、前記電池セルを保持する電池ホルダと、を備え、前記電池ホルダには、少なくとも一部に開口部を有する収容部が設けられ、前記収容部にサーミスタ又は配線が収容された電池モジュールであって、前記開口部と対向して配置された拘束部材によって前記サーミスタ又は前記配線が拘束され、前記拘束部材は、前記電池セル同士を接続するバスバーを覆うバスバーカバーであることを要旨とする。
【0006】
電池ホルダに収容部を設ける場合、収容部にサーミスタ又は配線を収容する目的や、収容部にサーミスタや配線を収容した後に収容状態を確認することなどを目的として開口部が設けられている。開口部が閉塞されていない状態で電池モジュールに振動などが加わると、サーミスタ又は配線が収容部から収容部の外部に抜け出すおそれがある。この結果、サーミスタが電池セルの温度を測定できなくなったり、断線の原因になる。サーミスタ又は配線を拘束部材で拘束することで、電池モジュールに振動が加わっても収容部からサーミスタ又は配線が抜け出しにくい。
また、拘束部材としてバスバーカバーを兼用することができる。
【0007】
上記電池モジュールについて、前記収容部に収容された前記サーミスタは、前記拘束部材によって前記電池セルに向けて押圧されることが好ましい。
これによれば、拘束部材によってサーミスタを電池セルに向けて押しつけることができる。したがって、サーミスタが電池セルの温度を適切に検出することができ、電池セルの温度の検出精度が向上される。
【0008】
上記電池モジュールについて、前記拘束部材と前記サーミスタとの間には、弾性体が設けられることが好ましい。
これによれば、拘束部材がサーミスタを電池セルに向けて押圧するときには、弾性体が弾性変形する。このため、サーミスタや拘束部材の製造上の誤差を弾性体の変形量で吸収することができる。
【0009】
上記課題を解決する電池モジュールは、電池セルと、前記電池セルを保持する電池ホルダと、を備え、前記電池ホルダには、少なくとも一部に開口部を有する収容部が設けられ、前記収容部にサーミスタが収容された電池モジュールであって、前記開口部と対向して配置された拘束部材によって前記サーミスタが拘束され、前記収容部に収容された前記サーミスタは、前記拘束部材によって前記電池セルに向けて押圧され、前記電池ホルダは、前記サーミスタにおける前記拘束部材と対向する面の一部を覆う抜け防止部を有することを要旨とする
電池ホルダに収容部を設ける場合、収容部にサーミスタを収容する目的や、収容部にサーミスタを収容した後に収容状態を確認することなどを目的として開口部が設けられている。開口部が閉塞されていない状態で電池モジュールに振動などが加わると、サーミスタが収容部から収容部の外部に抜け出すおそれがある。この結果、サーミスタが電池セルの温度を測定できなくなったり、断線の原因になる。サーミスタを拘束部材で拘束することで、電池モジュールに振動が加わっても収容部からサーミスタが抜け出しにくい。また、拘束部材によってサーミスタを電池セルに向けて押しつけることができる。したがって、サーミスタが電池セルの温度を適切に検出することができ、電池セルの温度の検出精度が向上される。また、拘束部材でサーミスタを拘束する前に収容部からサーミスタが抜け出すことを抑制することができる。
【0010】
上記電池モジュールについて、前記拘束部材と前記サーミスタとの間には、弾性体が設けられることが好ましい。
これによれば、拘束部材がサーミスタを電池セルに向けて押圧するときには、弾性体が弾性変形する。このため、サーミスタや拘束部材の製造上の誤差を弾性体の変形量で吸収することができる。
上記電池モジュールについて、前記拘束部材は、前記電池セル同士を接続するバスバーを覆うバスバーカバーであることが好ましい。
これによれば、拘束部材としてバスバーカバーを兼用することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サーミスタ又は配線が収容部から抜け出すことを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の電池パックを示す斜視図。
図2】実施形態の電池モジュールを示す斜視図。
図3】実施形態の電池ホルダ及び角型電池の斜視図。
図4】(a)は実施形態の収容部を示す斜視図、(b)は(a)の4−4線断面図。
図5】実施形態の電池モジュールを示す断面図。
図6図5に示す符号Aに囲まれる部位を拡大して示す断面図。
図7】別例の電池モジュールを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、電池モジュールの一実施形態について説明する。
図1に示すように、電池パック10は、ケース11に電池モジュール20が収容されている。本実施形態では、電池モジュール20は3個積層されている。
【0014】
図2及び図3に示すように、電池モジュール20は、電池セルとしての角型電池21(例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素蓄電池などの二次電池)が、樹脂製の電池ホルダ30に保持された状態で複数並設されている。電池モジュール20において、角型電池21の並設方向両端にはエンドプレート22が設けられている。
【0015】
各エンドプレート22及び各電池ホルダ30には、ボルトBが挿通されている。ボルトBは、一方のエンドプレート22から他方のエンドプレート22に向けて挿通され、他方のエンドプレート22側でナットNに螺合されている。各エンドプレート22には、ブラケット24が固定されている。そして、ブラケット24がケース11の側壁に固定されることで、電池モジュール20はケース11の側壁に固定されている。
【0016】
図3に示すように、電池ホルダ30は、矩形平板状の第1の被覆部31を有している。第1の被覆部31の長手方向両端には、第1の被覆部31の厚み方向に延びる矩形平板状の第2の被覆部32及び第3の被覆部33が設けられている。第2の被覆部32の長手方向第1端部32a(第1の被覆部31が設けられる端部とは反対側の端部)と、第3の被覆部33の長手方向第1端部33a(第1の被覆部31が設けられる端部とは反対側の端部)には、各被覆部32,33の短手方向第1端部32b、33bの間で延びる矩形平板状の第4の被覆部34が設けられている。第4の被覆部34は、厚み方向が被覆部32,33の短手方向と一致し、長手方向が第2の被覆部32と第3の被覆部33の対向方向に一致する。そして、第4の被覆部34の厚み方向及び長手方向に直交する方向が、第4の被覆部34の短手方向となる。第1の被覆部31、第2の被覆部32、第3の被覆部33に囲まれる領域は、角型電池21が収容される電池収容部Sとなる。
【0017】
また、第4の被覆部34の長手方向両端における第4の被覆部34の短手方向の一端面上には、U字状をなすとともに、第4の被覆部34の厚み方向に開口する端子収容部35がそれぞれ設けられており、各端子収容部35は、第2の被覆部32及び第3の被覆部33に連設されている。
【0018】
第4の被覆部34の短手方向の一端面上には、端子収容部35と隣り合って四角柱状の柱部材36,37が設けられている。柱部材36,37の軸は、被覆部32,33の短手方向に延びている。柱部材36,37には、ボルトBが挿通される挿通孔36a,37aが柱部材36,37の軸方向に貫通して設けられている。
【0019】
第2の被覆部32及び第3の被覆部33の長手方向第1端部32a,33aには、各被覆部32,33と連設され、各被覆部32,33の長手方向に延びる矩形平板状の突出部38が設けられている。また、第2の被覆部32及び第3の被覆部33の長手方向第2端部32c、33cには、四角柱状の脚部39が設けられている。脚部39の軸は、被覆部32,33の短手方向に延びている。脚部39には、ボルトBが挿通される挿通孔39aが脚部39の軸方向に貫通して設けられている。
【0020】
図4(a)及び(b)に示すように、電池ホルダ30は、一方の柱部材36と(第4の被覆部34の長手方向に)隣り合う収容部41を有している。収容部41は、第4の被覆部34から第4の被覆部34の厚み方向に向けて延びる板材42と、柱部材36から板材42に向けて延びる板状の抜け防止部43とを有している。板材42は、柱部材36から第4の被覆部34の長手方向に若干離間した位置に設けられている。抜け防止部43は、電池収容部Sから若干離間した位置に設けられている。また、第4の被覆部34には、板材42と柱部材36との間に、第4の被覆部34の短手方向に突出する壁部44が設けられている。収容部41は、板材42、抜け防止部43及び壁部44に囲まれる領域に、開口部45を有している。
【0021】
収容部41には、サーミスタ51が収容されている。そして、角型電池21の高さ方向の一面(接続端子が設けられる面)と、板材42、抜け防止部43及び壁部44によって、サーミスタ51が角型電池21に接触した状態で保持される。抜け防止部43は、サーミスタ51の開口部45と面する部位の一部を覆っている。
【0022】
図5に示すように、電池ホルダ30は、角型電池21同士を接続するバスバー26を保護するためのバスバーカバー60を保持している。拘束部材としてのバスバーカバー60は、電池ホルダ30の突出部38の間に設けられている。バスバーカバー60は、矩形平板状の本体部61と、本体部61の短手方向両端から本体部61の厚み方向に向けて延びる矩形平板状の突出部62とを有している。突出部62は、本体部61の長手方向全体に亘って設けられている。バスバーカバー60は、突出部62が電池ホルダ30の突出部38に沿うように電池ホルダ30に保持される。本体部61には、突出部62が設けられた面とは反対側の面から本体部61の厚み方向に延びる矩形平板状の押圧部63が設けられている。押圧部63は、本体部61の長手方向全体に亘って設けられている。バスバーカバー60は、本体部61の押圧部63が設けられた面が角型電池21の高さ方向一面(接続端子が設けられる面)と対向するように設けられている。押圧部63は、開口部45と対向する位置に設けられている。
【0023】
図6に示すように、押圧部63の先端(押圧部63における本体部61とは反対側の端部)には、弾性体としてのスポンジ64が設けられている。そして、押圧部63は、このスポンジ64を介してサーミスタ51を角型電池21に向けて押圧している。そして、押圧部63及びスポンジ64によって開口部45が閉塞されるとともに、サーミスタ51が拘束されている。押圧部63は、開口部45と対向するように設けられており、サーミスタ51の開口部45から露出する面が、押圧部63と対向する面となる。前述した抜け防止部43は、サーミスタ51における押圧部63(バスバーカバー60)と対向する面の一部を覆っている。
【0024】
次に、本実施形態の電池モジュール20の作用について説明する。
例えば、収容部41の開口部45が押圧部63で閉塞されていない場合、電池モジュール20に振動が加わると、収容部41から開口部45を介してサーミスタ51が抜け出すおそれがある。本実施形態では、押圧部63によって開口部45を閉塞するとともに、サーミスタ51を角型電池21に向けて押圧することで拘束しているため、開口部45からサーミスタ51が抜け出しにくい。なお、「閉塞」とは、サーミスタ51が開口部45を介して収容部41から抜け出ない程度に塞がっていればよく、開口部45の全てが押圧部63によって塞がれている状態のみを示すものではない。
【0025】
また、サーミスタ51は、角型電池21に接触している状態が維持されることが好ましい。サーミスタ51や、電池ホルダ30などの製造上の誤差から、抜け防止部43とサーミスタ51の間に隙間が存在すると、電池モジュール20が振動したときに、サーミスタ51が角型電池21から離れてしまい、接触状態を維持できない場合がある。本実施形態のように、押圧部63によってサーミスタ51を角型電池21に向けて押圧することで、サーミスタ51と角型電池21の接触状態を維持しやすい。
【0026】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)サーミスタ51が収容される収容部41の開口部45は、バスバーカバー60の押圧部63によって閉塞されるとともに、サーミスタ51がバスバーカバー60の押圧部63によって拘束されている。このため、電池モジュール20に振動が加わったときに、サーミスタ51が収容部41から抜け出すことが抑止されている。
【0027】
(2)また、サーミスタ51は、角型電池21と接触している状態が維持されることが好ましい。押圧部63によってサーミスタ51を角型電池21に押圧することで、サーミスタ51と角型電池21の接触状態を維持することができる。また、押圧部63によってサーミスタ51を角型電池21に押圧できるため、サーミスタ51や電池ホルダ30などの製造上の誤差などによって、抜け防止部43とサーミスタ51との間に隙間が存在しても、サーミスタ51を角型電池21に接触させることができる。このため、サーミスタ51と角型電池21との接触状態を維持でき、角型電池21の温度の検出精度が向上される。
【0028】
(3)押圧部63の先端には、スポンジ64が設けられている。押圧部63によってサーミスタ51が押圧されると、スポンジ64が弾性変形する。このため、スポンジ64の弾性変形量によって、サーミスタ51や押圧部63の製造上の誤差を吸収することができる。
【0029】
(4)また、スポンジ64が設けられていることで、スポンジ64が緩衝材として機能し、サーミスタ51の破損を抑止することができる。
(5)収容部41には、抜け防止部43が設けられている。このため、バスバーカバー60の押圧部63によって開口部45を閉塞する前に、収容部41からサーミスタ51が抜け落ちることが抑止されている。
【0030】
(6)拘束部材としてバスバーカバー60を兼用しているため、部品点数を増やすことなく収容部41の開口部45を閉塞することができる。
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0031】
○ 電池モジュール20は、図7に示すように構成してもよい。図7に示す電池モジュール20は、実施形態とは電池ホルダ30の突出部38の形状が異なっており、他の構成は実施形態と同様である。以下、詳細に説明する。図7に示すように、電池ホルダ30の突出部71は、実施形態の突出部38よりも厚くなっている。突出部71の先端(第2の被覆部32及び第3の被覆部33とは反対側の端部)には、収容部72が設けられている。収容部72は、突出部71の先端に設けられた凹部であり、開口部74を有している。開口部74は、電池モジュール20の積層方向(突出部71の長手方向)に開口している。収容部72には、配線73が収容されている。配線73は、例えば、積層される電池モジュール20同士を接続する配線や、サーミスタ51と制御機器を接続する配線等である。収容部72の開口部74は、積層された電池モジュール20の電池ホルダ30(拘束部材)によって閉塞されている。これにより、配線73は、収容部72の内部に拘束される。具体的にいえば、配線73は、収容部72の壁面及び電池ホルダ30の脚部39によって電池モジュール20の積層方向(突出部71の長手方向)及び突出部71の厚み方向への移動が規制されている。また、配線73は、上記したように、電池モジュール20やサーミスタ51等と接続されているため、突出部71の短手方向への移動も規制されている。なお、収容部72の開口部74は、突出部71の厚み方向に開口してもよい。この場合でも、電池モジュール20を積層したときに、電池ホルダ30の一部が、開口部74を閉塞するように電池ホルダ30を構成することで配線73を拘束することができる。同様に、突出部71の短手方向に開口部74が開口してもよい。また、収容部72は、電池ホルダ30の脚部39など、他の場所に設けられていてもよい。
【0032】
○ 拘束部材として、バスバーカバー60以外を用いてもよい。例えば、角型電池21から排出される気体が通るダクトを設ける場合には、このダクトを拘束部材として用いてもよい。なお、拘束部材として、ダクトやバスバーカバー60など、電池モジュール20を構成するモジュール構成部材を用いることで、電池モジュール20を利用して開口部45を閉塞することができる。
【0033】
○ 弾性体として、ゴムなどを用いてもよい。
○ 電池セルとして円筒形電池やラミネート型の電池を用いてもよい。
○ 角型電池21の個数は増やしてもよいし、減らしてもよい。角型電池21は、単数であってもよい。
【0034】
○ 収容部41は、角型電池21の幅方向に開口部45が開口するように構成しても、角型電池21の厚み方向に開口部45が開口するように構成してもよい。
○ サーミスタ51と角型電池21は、接触していなくてもよい。例えば、サーミスタ51と角型電池21の間に、絶縁シート等の介在物が介在されていてもよい。
【0035】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記拘束部材は、モジュール構成部材であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電池モジュール。
【符号の説明】
【0036】
20…電池モジュール、21…角型電池、30…電池ホルダ、41,72…収容部、43…抜け防止部、45,74…開口部、51…サーミスタ、60…バスバーカバー、64…スポンジ、73…配線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7