(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような室内ユニットの室内熱交換器において、端板から側方に突出するU字部に温度検知部を当接させ、内部を流れる冷媒の温度を検知する構成が考えられる。しかし、室内ユニットでは、室内ファンによって搬送された空気が温度検知部の近傍を通過する。このため、冷媒温度を検知する温度検知部と、周囲の空気との伝熱が促進され、温度検知部の検知精度が低下し易くなる。従って、特許文献2に記載のような断熱部材を温度検知部の周囲に設けたとしても、この断熱部材の断熱性能が不十分である場合、周囲の空気と温度検知部との間で伝熱が生じ、温度検知部の検知精度が低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内ユニットにおいて、室内熱交換器の温度の検知精度を向上できる断熱構造を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、天井に設けられる空気調和機の室内ユニットを対象とし、室内ファン(27)と、端板(70)と、該端板(70)から突出する複数のU字部(71,72)とを有し、上記室内ファン(27)が搬送する空気が通過する室内熱交換器(32)と、
上記U字部(71,72)に当接し冷媒の温度を検知する温度検知部(18)と、上記温度検知部(18)、該温度検知部(18)に当接するU字部(U1)、及び該温度検知部(18)に当接するU字部(U1)と異なる他のU字部(U2,U3,U4)とを収容する空間(S)を内部に形成した断熱部材(82)とを備えている
第1の発明では、断熱部材(82)の空間(S)が形成されることで、温度検知部(18)と断熱部材(82)との間に空気が介在することになる。このため、断熱部材(82)の外側の周囲の空気と温度検知部(18)との間の伝熱が空気によって阻止される。また、断熱部材(82)の空間(S)には、温度検知部(18)が当接するU字部(U1)と、このU字部(U1)とは異なる他のU字部(U2,U3,U4)とが収容される。ここで、これらのU字部(U1,U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度は実質的に互いに同じ温度となる。室内熱交換器(32)の内部では、気液二相状態の冷媒が流れるためである。このため、断熱部材(82)の内部の空間(S)の温度は、U字部(U1,U2,U3,U4)の温度に近くなり、ひいてはU字部(U1,U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度(即ち、温度検知部の検知対象とする冷媒の温度)に近くなる。この結果、断熱部材(82)の外側の空気の影響により、温度検知部(18)の検知温度が変化することを防止でき、温度検知部(18)の検知精度が向上する。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、上記断熱部材(82)の空間(S)には、上記温度検知部(18)、及び温度検知部(18)に当接するU字部(U1)を覆う内断熱部材(81)が収容されていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、温度検知部(18)と、該温度検知部(18)に当接するU字部(U1)とが内断熱部材(81)によって覆われる。この結果、内断熱部材(81)の外側の空気と温度検知部(18)との間の伝熱が阻止される。一方、断熱部材(82)と内断熱部材(81)との間の空間(S)には、他のU字部(U2,U3,U4)が収容される。このため、この空間(S)の温度は、U字部(U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度に近くなる。この結果、内断熱部材(81)の周囲には、温度検知部(18)が検知する冷媒と同等の温度の空気が存在することになる。従って、断熱部材(82)の外側の空気と温度検知部(18)との間での伝熱が一層確実に阻止され、温度検知部(18)の検知精度が向上する。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記断熱部材(82)は、上記温度検知部(18)に当接するU字部(U1)を挟んで両側に隣接する2つのU字部(U2,U3)を収容するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明では、温度検知部(18)が当接するU字部(U1)と、該U字部(U1)の両側の2つのU字部(U2,U3)とが断熱部材(82)の空間(S)に収容される。これにより、断熱部材(82)の内部では、温度検知部(18)を挟んで両側の空気温度が、U字部(U1)を流れる冷媒の温度に近くなる。つまり、本発明では、断熱部材(82)の内部の空間(S)の温度が、全体に亘って冷媒の温度に近くなる。この結果、断熱部材(82)の外側の空気の影響により、温度検知部(18)の検知温度が変化することを防止でき、温度検知部(18)の検知精度が向上する。
【0012】
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記断熱部材(82)は、上記端板(70)と対向する対向壁部(83)と、該対向壁部(83)の上縁部、下縁部、及び空気流れの上流側の縁部とそれぞれ連続する3つの隔壁部(84,85,86)とを有し、上記対向壁部(83)と上記3つの隔壁部(84,85,86)と上記端板(70)との間に上記空間(S)を形成していることを特徴とする。
【0013】
第4の発明では、対向壁部(83)と3つの隔壁部(84,85,86)と端板(70)の間に断熱部材(82)の空間(S)が形成される。断熱部材(82)では、空気流れの下流側に隔壁部が形成されないが、この面には室内ファン(27)が搬送する空気がほとんど流れない。また、断熱部材(82)の内部の空間(S)は端板(70)によって閉塞される。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、上記各隔壁部は、上記対向壁部(83)の周縁に沿って折り返して形成された折り返し部(84,85,86)によってそれぞれ構成されることを特徴とする。
【0015】
第5の発明では、対向壁部(83)の周縁に沿うように折り返して形成された折り返し部により、断熱部材(82)の各隔壁部(84,85,86)が構成される。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、隣接する上記折り返し部(85,86)の間には、温度検知部(18)に接続する電気配線(18a)が挿通されることを特徴とする。
【0017】
第6の発明では、隣接する折り返し部(85,86)の間に電気配線(18a)がされ、この電気配線(18a)が断熱部材(82)の内部の温度検知部(18)と接続される。
【0018】
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記U字部(72)の内縁開口部(72a,72b)に挿通されるとともに、上記断熱部材(82)を外部から締め付ける取付部材(90)を備えていることを特徴とする。
【0019】
第7の発明では、U字部(72)の内縁開口部(72a,72b)に挿通された取付部材(90)が、断熱部材(82)を外部から締め付けることで、室内熱交換器(32)に断熱部材(82)が固定される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、断熱部材(82)の内部に、温度検知部(18)が当接するU字部(U1)と、該U字部(U1)と異なるU字部(U2,U3,U4)とを収容する空間(S)を形成することで、空気による断熱効果を得るとともに、この空気の温度をU字部(U1,U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度に近づけることができる。この結果、室内ファン(27)が搬送する空気の影響により温度検知部(18)の検知精度が低下してしまうことを防止できる。
【0021】
また、本発明によれば、上記のように室内ファン(27)の搬送する空気の影響による温度検知部(18)の検知精度の低下を防止できるため、断熱部材(82)の薄型化を図ることができ、この断熱部材(82)が周囲の部品と干渉してしまうことを防止できる。
【0022】
第2の発明によれば、温度検知部(18)を2つの断熱部材(82)で覆うとともに、これらの断熱部材(82)の間に冷媒の温度に近い空間(S)を形成している。この結果、室内ファン(27)が搬送する空気の影響により温度検知部(18)の検知精度が低下してしまうことを確実に防止できる。
【0023】
また、第3の発明によれば、温度検知部(18)を中心とし、その両側の空気の温度をU字部(U2,U3)を流れる冷媒の温度に近づけることができる。従って、室内ファン(27)が搬送する空気の影響により温度検知部(18)の検知精度が低下してしまうことを確実に防止できる。
【0024】
第4の発明によれば、断熱部材(82)のうち下流側の面と、端板(70)側の面に隔壁部を形成しないため、断熱部材(82)の部品点数を削減できる。
【0025】
第5の発明によれば、折り返し部によって3つの隔壁部(84,85,86)を容易に成形できる。また、第6の発明によれば、隣接する折り返し部(85,86)の間の隙間を温度検知部(18)の電気配線を引き回すための挿通部として利用できる。
【0026】
第7の発明によれば、取付部材(90)が挿通する穴を別に設けることなく、断熱部材(82)を室内熱交換器(32)に簡便に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0029】
本発明の実施形態は、室内の冷房及び暖房を行う空気調和機(10)である。
図1に示すように、空気調和機(10)は、室外に設置される室外ユニット(11)と、室内に設置される室内ユニット(20)とを有する。室外ユニット(11)と室内ユニット(20)とは、2本の連絡配管(2,3)によって互いに接続される。これにより、空気調和機(10)では、冷媒回路(C)が構成される。冷媒回路(C)では、充填された冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。
【0030】
〈冷媒回路の構成〉
室外ユニット(11)には、圧縮機(12)、室外熱交換器(13)、室外膨張弁(14)、及び四方切換弁(15)が設けられる。圧縮機(12)は、低圧の冷媒を圧縮し、圧縮後の高圧の冷媒を吐出する。圧縮機(12)では、スクロール式、ロータリ式等の圧縮機構が圧縮機モータ(12a)によって駆動される。圧縮機モータ(12a)は、インバータ装置によって、その回転数(運転周波数)が可変に構成されている。
【0031】
室外熱交換器(13)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。室外熱交換器(13)の近傍には、室外ファン(16)が設置される。室外熱交換器(13)では、室外ファン(16)が搬送する空気と冷媒とが熱交換する。室外ファン(16)は、室外ファンモータ(16a)によって駆動されるプロペラファンによって構成される。室外ファンモータ(16a)は、インバータ装置によって、その回転数が可変に構成される。
【0032】
室外膨張弁(14)は、開度が可変な電子膨張弁で構成される。四方切換弁(15)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(15)では、第1ポートが圧縮機(12)の吐出側に接続し、第2ポートが圧縮機(12)の吸入側に接続し、第3ポートが室外熱交換器(13)のガス側端部に接続し、第4ポートがガス側閉鎖弁(5)に接続している。四方切換弁(15)は、第1状態(
図1の実線で示す状態)と第2状態(
図1の破線で示す状態)とに切り換わる。第1状態の四方切換弁(15)では、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する。第2状態の四方切換弁(15)では、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する。
【0033】
2本の連絡配管は、液連絡配管(2)及びガス連絡配管(3))によって構成される。液連絡配管(2)は、一端が液側閉鎖弁(4)に接続され、他端が室内熱交換器(32)の液側端部に接続される。ガス連絡配管(3)は、一端がガス側閉鎖弁(5)に接続され、他端が室内熱交換器(32)のガス側端部に接続される。
【0034】
室内ユニット(20)には、室内熱交換器(32)と室内膨張弁(39)とが設けられる。室内熱交換器(32)は、フィン・アンド・チューブ式の熱交換器である。室内熱交換器(32)の近傍には、室内ファン(27)が設置される。室内ファン(27)は、室内ファンモータ(27a)によって駆動される遠心式の送風機である。室内ファンモータ(27a)は、インバータ装置によって、その回転数が可変に構成されている。室内膨張弁(39)は、冷媒回路(C)において室内熱交換器(32)の液端部側に接続される。室内膨張弁(39)は、開度が可変な電子膨張弁で構成される。
【0035】
〈室内ユニットの詳細構造〉
空気調和機(10)の室内ユニット(20)の詳細構造について
図2〜
図4を参照しながら説明する。本実施形態の室内ユニット(20)は、天井埋込式に構成されている。つまり、室内ユニット(20)は、
図3に示すように、室内空間(R)に面する天井(U)の開口部(O)に嵌め込まれて取り付けられる。室内ユニット(20)は、室内ユニット本体(21)と、該室内ユニット本体(21)の下部に取り付けられる化粧パネル(40)とを有している。
【0036】
−室内ユニット本体−
図2及び
図3に示すように、室内ユニット本体(21)は、略直方体形状の箱形のケーシング(22)を有している。ケーシング(22)は、平面視において略正方形状の天板(23)と、該天板(23)の周縁部から下方に延びる略矩形状の4枚の側板(24)とを有し、下面に開口が形成されている。
図2に示すように、4つの側板(24)のうちの1つの側板(24a)には、縦長の箱形の電装品箱(25)が取り付けられる。また、この側板(24a)には、室内熱交換器(32)と接続する液側接続管(6)とガス側接続管(7)とが貫通している。液側接続管(6)には、液連絡配管(2)が接続され、ガス側接続管(7)には、ガス連絡配管(3)が接続される。
【0037】
ケーシング(22)の内部には、室内ファン(27)と、ベルマウス(31)と、室内熱交換器(32)と、ドレンパン(36)とが収容されている。
【0038】
図3及び
図4に示すように、室内ファン(27)は、ケーシング(22)の内部中央に配置されている。室内ファン(27)は、室内ファンモータ(27a)と、ハブ(28)と、シュラウド(29)と、羽根車(30)とを有している。室内ファンモータ(27a)は、ケーシング(22)の天板(23)に支持されている。ハブ(28)は、室内ファンモータ(27a)の回転駆動される駆動軸(27b)の下端に固定されている。ハブ(28)は、室内ファンモータ(27a)の径方向外方に形成される環状の基部(28a)と、該基部(28a)の内周縁部から下方に膨出する中央膨出部(28b)とを有している。
【0039】
シュラウド(29)は、ハブ(28)の基部(28a)に対向するように、該基部(28a)の下側に配置される。シュラウド(29)の下部には、ベルマウス(31)の内部と連通する円形の中央吸込口(29a)が形成される。羽根車(30)は、ハブ(28)とシュラウド(29)との間の羽根収容空間(29b)に配置されている。羽根車(30)は、駆動軸(27b)の回転方向に沿うように配列された複数のターボ翼(30a)によって構成されている。
【0040】
ベルマウス(31)は、室内ファン(27)の下側に配置されている。ベルマウス(31)は、上端及び下端にそれぞれ円形の開口を有し、化粧パネル(40)に向かうにつれて開口面積が拡大した筒状に形成される。ベルマウス(31)の内部空間(31a)は、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)に連通している。
【0041】
図4に示すように、室内熱交換器(32)は、室内ファン(27)の周囲を囲むように冷媒配管(伝熱管)が曲げられて配設されている。室内熱交換器(32)は、上方に起立するようにドレンパン(36)の上面に設置されている。室内熱交換器(32)には、室内ファン(27)から側方へ吹き出された空気が通過する。室内熱交換器(32)は、冷房運転時に空気を冷却する蒸発器を構成し、暖房運転時に空気を加熱する凝縮器(放熱器)を構成する。
【0042】
図3及び
図4に示すように、室内熱交換器(32)の下側には、ドレンパン(36)が配置される。ドレンパン(36)は、内壁部(36a)と外壁部(36b)と水受部(36c)とを有している。内壁部(36a)は、室内熱交換器(32)の内周縁部に沿って形成され、上方に立設する環状の縦壁によって構成される。外壁部(36b)は、ケーシング(22)の4枚の側板(24)に沿って形成され、上方に立設する環状の縦壁によって構成される。水受部(36c)は、内壁部(36a)と外壁部(36b)との間に形成され、室内熱交換器(32)で発生した凝縮水を回収するための溝によって構成される。また、ドレンパン(36)の外壁部(36b)には、各々が4枚の側板(24)に沿って延びる4つの本体側吹出流路(37)が上下に貫通して形成される。各本体側吹出流路(37)は、室内熱交換器(32)の下流側の空間と、化粧パネル(40)の4つのパネル側吹出流路(43)とを連通させる。
【0043】
また、室内ユニット本体(21)には、本体側断熱部材(38)が設けられている。本体側断熱部材(38)は、下側が開放する略箱状に形成される。本体側断熱部材(38)は、ケーシング(22)の天板(23)に沿って形成される天板側断熱部(38a)と、ケーシング(22)の側板(24)に沿って形成される側板側断熱部(38b)とを有している。天板側断熱部(38a)の中央部には、室内ファンモータ(27a)の上端部が貫通する円形の貫通穴(38c)が形成される。側板側断熱部(38b)は、ドレンパン(36)の外壁部(36b)のうち本体側吹出流路(37)の外側部位に設置される。
【0044】
−化粧パネル−
化粧パネル(40)は、ケーシング(22)の下面に取り付けられる。化粧パネル(40)は、パネル本体(41)と吸込グリル(60)とを備えている。
【0045】
パネル本体(41)は、平面視において矩形の枠状に形成されている。パネル本体(41)には、1つのパネル側吸込流路(42)と、4つのパネル側吹出流路(43)とが形成される。
【0046】
図3に示すように、パネル側吸込流路(42)は、パネル本体(41)の中央部に形成されている。パネル側吸込流路(42)の下端には、室内空間(R)に臨む吸込口(42a)が形成される。パネル側吸込流路(42)は、吸込口(42a)とベルマウス(31)の内部空間(31a)とを連通させる。パネル側吸込流路(42)には、枠状の内側パネル部材(44)が内嵌している。また、パネル側吸込流路(42)の内部には、吸込口(42a)から吸い込んだ空気中の塵埃を捕捉する集塵フィルタ(45)が設けられる。
【0047】
各パネル側吹出流路(43)は、パネル側吸込流路(42)の周囲を囲むように、該パネル側吸込流路(42)の外側に形成される。各パネル側吹出流路(43)は、各パネル側吸込流路(42)の四辺に沿ってそれぞれ延びている。各パネル側吹出流路(43)の下端には、室内空間(R)に臨む吹出口(43a)がそれぞれ形成される。各パネル側吹出流路(43)は、対応する吹出口(43a)と、対応する本体側吹出流路(37)とを連通させる。
【0048】
図3に示すように、パネル側吹出流路(43)の内側(パネル本体(41)の中央部側)には、内側断熱部(46)が設けられている。また、パネル側吹出流路(43)の外側(パネル本体(41)の外縁部側)には、外側断熱部(47)が設けられている。内側断熱部(46)及び外側断熱部(47)の上面には、パネル本体(41)とドレンパン(36)との間に介設される内側シール部材(48)が設けられる。
【0049】
外側断熱部(47)の内縁部には、外側パネル部材(49)が内嵌している。外側パネル部材(49)は、本体側吹出流路(37)の内壁面を構成する内壁部(50)と、該内壁部(50)の下端部からパネル本体(41)の外縁部に向かって延出する延出部(51)とを有している。延出部(51)は、天井(U)の下面に沿った矩形枠状に形成されている。延出部(51)の上面には、該延出部(51)と天井(U)の間に介設される外側シール部材(52)が設けられる。
【0050】
また、各本体側吹出流路(37)には、本体側吹出流路(37)を流れる空気(吹出空気)の風向を調節するための風向調節羽根(53)が設けられている。風向調節羽根(53)は、ケーシング(22)の側板(24)に沿うように本体側吹出流路(37)の長手方向の両端に亘って形成される。風向調節羽根(53)は、その長手方向に延びる回動軸(53a)を軸心として回動自在に構成される。
【0051】
吸込グリル(60)は、パネル側吸込流路(42)の下端(即ち、吸込口(42a))に取り付けられる。吸込グリル(60)は、吸込口(42a)に面するグリル本体(61)と、グリル本体(61)から各吹出口(43a)側に向かって外側に延出する矩形状の延長部(65)とを有している。グリル本体(61)は、平面視において略正方形状に形成されている。グリル本体(61)には、多数の吸込孔(63)が格子状に配列される。これらの吸込孔(63)は、グリル本体(61)を厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通孔によって構成される。吸込孔(63)は、その開口断面の形状が正方形状に形成される。
【0052】
吸込グリル(60)の延長部(65)は、グリル本体(61)から吹出口(43a)に向かって外方に延出する矩形枠状に形成される。延長部(65)は、内側断熱部(46)の下面と重なるように、パネル本体(41)と上下方向にオーバーラップしている。また、延長部(65)の側方端部は、吹出口(43a)の内側縁部よりも吸込口(42a)寄りにシフトしている。
【0053】
−運転動作−
次いで、本実施形態に係る空気調和機(10)の運転動作について説明する。空気調和機(10)では、冷房運転と暖房運転とが切り換えて行われる。
【0054】
〈冷房運転〉
冷房運転では、
図1に示す四方切換弁(15)が実線で示す状態となり、圧縮機(12)、室内ファン(27)、室外ファン(16)が運転状態となる。これにより、冷媒回路(C)では、室外熱交換器(13)が凝縮器となり、室内熱交換器(32)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0055】
具体的には、圧縮機(12)で圧縮された高圧冷媒は、室外熱交換器(13)を流れ、室外空気と熱交換する。室外熱交換器(13)では、高圧冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(13)で凝縮した冷媒は、室内ユニット(20)へ送られる。室内ユニット(20)では、冷媒が室内膨張弁(39)で減圧された後、室内熱交換器(32)を流れる。
【0056】
室内ユニット(20)では、室内空気が吸込口(42a)、パネル側吸込流路(42)、ベルマウス(31)の内部空間(31a)を順に上方に流れ、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)へ吸い込まれる。羽根収容空間(29b)の空気は、羽根車(30)によって搬送され、ハブ(28)とシュラウド(29)の間から径方向外方へ吹き出される。この空気は、室内熱交換器(32)を通過し、冷媒と熱交換する。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発し、空気が冷媒によって冷却される。
【0057】
室内熱交換器(32)で冷却された空気は、各本体側吹出流路(37)に分流した後、パネル側吹出流路(43)を下方に流れ、吹出口(43a)より室内空間(R)へ供給される。また、室内熱交換器(32)で蒸発した冷媒は、圧縮機(12)に吸入され再び圧縮される。
【0058】
〈暖房運転〉
暖房運転では、
図1に示す四方切換弁(15)が破線で示す状態となり、圧縮機(12)、室内ファン(27)、室外ファン(16)が運転状態となる。これにより、冷媒回路(C)では、室内熱交換器(32)が凝縮器となり、室外熱交換器(13)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
【0059】
具体的には、圧縮機(12)で圧縮された高圧冷媒は、室内ユニット(20)の室内熱交換器(32)を流れる。室内ユニット(20)では、室内空気が吸込口(42a)、パネル側吸込流路(42)、ベルマウス(31)の内部空間(31a)を順に上方に流れ、室内ファン(27)の羽根収容空間(29b)へ吸い込まれる。羽根収容空間(29b)の空気は、羽根車(30)によって搬送され、ハブ(28)とシュラウド(29)の間から径方向外方へ吹き出される。この空気は、室内熱交換器(32)を通過し、冷媒と熱交換する。室内熱交換器(32)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮し、空気が冷媒によって加熱される。
【0060】
室内熱交換器(32)で加熱された空気は、各本体側吹出流路(37)に分流した後、パネル側吹出流路(43)を下方に流れ、吹出口(43a)より室内空間(R)へ供給される。また、室内熱交換器(32)で凝縮した冷媒は、室外膨張弁(14)で減圧された後、室外熱交換器(13)を流れる。室外熱交換器(13)では、冷媒が室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(13)で蒸発した冷媒は、圧縮機(12)に吸入され再び圧縮される。
【0061】
〈冷媒温度センサ、及びその周辺構造〉
次いで、本実施形態に係る冷媒温度センサ(18)、及びこの冷媒温度センサ(18)の周辺構造について、
図4〜
図9を参照しながら詳細に説明する。
【0062】
室内ユニット(20)には、室内熱交換器(32)を流れる冷媒の温度を検知するための冷媒温度センサ(温度検知部(18))と、冷媒温度センサ(18)の周囲に設けられる断熱ユニット(80)とが設けられる。冷媒温度センサ(18)及び断熱ユニット(80)は、室内熱交換器(32)の長手方向の両側端に設けられる一対の端板のうち、ヘッダー管(8)や分流器(9)が接続されていない方の端板(70)の近傍に設けられる(
図4を参照)。
【0063】
図5〜
図7に示すように、室内熱交換器(32)には、該室内熱交換器(32)の長手方向の側端に設けられる端板(70)と、該端板(70)から側方へ突出する複数のU字部(71,72)とが設けられる。本実施形態の室内熱交換器(32)には、端板(70)の長手方向に並設される複数の直管部(73)の列が、端板(70)の幅方向に向かって3列配列される。つまり、室内熱交換器(32)は、3列の冷媒パス(P1,P2,P3)を有する熱交換器で構成される。
図5に示すように、室内熱交換器(32)では、最も内側(空気流れの最も上流側)から最も外側(空気流れの最も下流側)に向かって順に、第1パス(P1)、第2パス(P2)、及び第3パス(P3)が形成される。
【0064】
室内熱交換器(32)には、内側寄りに複数の内側U字部(71)が設けられ、外側よりに複数の外側U字部(72)が設けられる。複数の内側U字部(71)は、第1パス(P1)において上下に隣接する直管部(73)を互いに接続するように構成される。複数の外側U字部(72)は、端板(70)の幅方向に隣接する第2パス(P2)及び第3パス(P3)の各直管部(73)を互いに接続するように構成される。これらのU字部(71,72)は、外形が略Uの字状に湾曲した冷媒配管である。
【0065】
冷媒温度センサ(18)は、1本の外側U字部(72)に当接するように配設される。具体的に、冷媒温度センサ(18)は、外側U字部(72)の頂部の近傍であって、上下方向の端面(
図5における外側U字部(72)の下面)に当接する状態で、保持部材(図示省略)によって外側U字部(72)に固定される。冷媒温度センサ(18)は、室内熱交換器(32)を流れる気液二相状態の冷媒の温度を検出する。空気調和機(10)では、この冷媒温度センサ(18)の検出温度に基づいて冷房能力や暖房能力が調節される。また、冷媒温度センサ(18)には、ハーネス(電気配線(18a))が接続される。
【0066】
断熱ユニット(80)は、冷媒温度センサ(18)の温度の検知精度を向上させるためのものである。断熱ユニット(80)は、内断熱部材(81)と、外断熱部材(82)とによって構成される。
【0067】
内断熱部材(81)は、冷媒温度センサ(18)と、この冷媒温度センサ(18)が当接するU字部(以下、第1U字部(U1)という)とを覆う第1の断熱部材である。内断熱部材(81)は、中空の箱形に形成され、その内部に冷媒温度センサ(18)及び第1U字部(U1)が収容される。
【0068】
外断熱部材(82)は、内断熱部材(81)の外側に形成される第2の断熱部材である、外断熱部材(82)は、その内部に空間(S)を形成する略箱状に形成される。具体的に、外断熱部材(82)は、端板(70)に対向する対向壁部(83)と、該対向壁部(83)に連続する3つの隔壁部(84,85,86)とを有している。3つの隔壁部(84,85,86)は、対向壁部(83)の上縁に連続する第1隔壁部(84)と、対向壁部(83)の下縁に連続する第2隔壁部(85)と、対向壁部(83)の空気流れの上流側の側縁に連続する第3隔壁部(86)とによって構成される。つまり、外断熱部材(82)では、空気流れの下流側の側面に隔壁部が形成されておらず、この側面に開口面(87)が形成されている。また、外断熱部材(82)では、端板(70)側に隔壁部が形成されておらず、この面が端板(70)によって閉塞される。対向壁部(83)は、略矩形の板状に形成される。より詳細には、対向壁部(83)は、端板(70)の厚さ方向に視た形状が、上辺部が下辺部よりも短い台形状に形成される。3つの隔壁部(84,85,86)は、厚さ方向の一端側が対向壁部(83)と接続する直方体板状に形成される。
【0069】
図8及び
図9に示すように、外断熱部材(82)は、略面一に形成された平板状の断熱部材の外縁部を折り返すことで成形される。具体的には、平板状の断熱部材(82)は、対矩形状の基部(83a)の周縁(3つの側辺)に、切れ込み部(88,88,88)を介して3つの隔壁部(84,85,86)が連続している。外断熱部材(82)では、この切れ込み部(88)に沿うように、基部(83a)に対して各隔壁部(84,85,86)を折り返すことで、
図9に示すように対向壁部(83)に略垂直な状態の3つの隔壁部(84,85,86)が形成される。つまり、各隔壁部(84,85,86)は、対向壁部(83)の周縁に沿って折り返して形成された折り返し部によって構成される。なお、
図9の状態の外断熱部材(82)には、3つの隔壁部(84,85,86)に跨がるようにシート状の防露材(89)が貼り付けられる。これにより、外断熱部材(82)では、対向壁部(83)と隔壁部(84,85,86)との相対位置が
図9に示す状態に保持される。
【0070】
外断熱部材(82)では、対向壁部(83)と各隔壁部(84,85,86)と端板(70)との間に上記空間(S)が形成される。外断熱部材(82)の空間(S)は、空気で満たされる空気断熱層を構成する。また、外断熱部材(82)の空間(S)には、冷媒温度センサ(18)と、冷媒温度センサ(18)が当接する第1U字部(U1)と、内断熱部材(81)とが収容される。加えて、外断熱部材(82)の空間(S)には、第1U字部(U1)に隣接する両側のU字部(U2,U3)も収容される。つまり、外断熱部材(82)の内部の空間(S)には、第1U字部(U1)の上側に隣接するU字部(以下、第2U字部(U2)という)と、第1U字部(U1)の下側に隣接するU字部(以下、第3U字部(U3)という)とが収容される。加えて、外断熱部材(82)には、1本の内側U字部(71)(以下、第4U字部(U4)という)も収容される。第4U字部(U4)は、第1U字部(U1)に対向する位置に配置される。このように、外断熱部材(82)の内部の空間(S)には、冷媒温度センサ(18)に当接するU字部(U1)とは異なる他のU字部(U2,U3,U4)(本実施形態では3つのU字部)が収容される。
【0071】
外断熱部材(82)は、結束バンド((取付部材(90))により、室内熱交換器(32)に固定される。具体的には、
図5及び
図7に示すように、結束バンド(90)の取り付け状態では、結束バンド(90)が、外断熱部材(82)の内部の3つのU字部(U1,U2,U3)の内縁開口部(72a)に挿通されるとともに、外断熱部材(82)の上下の1つずつのU字部(72)の内縁開口部(72b)に挿通される。そして、結束バンド(90)は、外断熱部材(82)を外側から囲む状態で、該結束バンド(90)の両端部が保持具(90a)によって固定される。この結果、U字部(72)に締結された結束バンド(90)の内部に外側断熱部(82)が保持される。
【0072】
また、本実施形態では、上述した第2隔壁部(85)と第3隔壁部(86)の間の隙間(89)に、冷媒温度センサ(18)のハーネス(18a)が挿通される。これにより、ハーネス(18a)が外断熱部材(82)によって保持される。
【0073】
−断熱ユニットの作用−
実施形態の室内ユニット(20)では、室内ファン(27)によって搬送された空気が、室内熱交換器(32)を内側から外側に向かって通過する。このため、この空気は、冷媒温度センサ(18)の近傍を通過する。このような空気の影響により、冷媒温度センサ(18)の表面の温度が変化してしまうと、室内熱交換器(32)を流れる冷媒の温度を正確に検出できず、空気調和機(10)を適切に制御できなくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、このような冷媒温度センサ(18)の検出精度の低下を防止するために、上述した断熱ユニット(80)を設けている。
【0074】
具体的に、本実施形態では、冷媒温度センサ(18)を内断熱部材(81)で覆うとともに、この内断熱部材(81)を外断熱部材(82)で覆っている。このため、室内ファン(27)が搬送する空気と冷媒温度センサ(18)の表面との間での伝熱が抑制される。
【0075】
また、本実施形態では、内断熱部材(81)と外断熱部材(82)との間の空気が存在する空間(S)を形成している。このため、外断熱部材(82)と内断熱部材(81)との間に空気断熱層が形成され、断熱ユニット(80)の断熱性能が向上する。
【0076】
しかも、外断熱部材(82)の内部の空間(S)には、冷媒温度センサ(18)が当接しない第2〜第4U字部(U2,U3,U4)が収容されている。この結果、この空間(S)の空気の温度は、これらのU字部(U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度と実質的に同じ温度となる。ここで、第1U字部(U1)を流れる冷媒の温度と、第2〜第4U字部(U2,U3,U4)を流れる冷媒の温度とは、概ね同じ温度である。凝縮器や蒸発器として機能する室内熱交換器(32)では、基本的に気液二相状態の冷媒が流れるためである。このため、外断熱部材(82)の空間の温度は、冷媒温度センサ(18)の検出対象である第1U字部(U1)を流れる冷媒の温度と実質的に同じとなる。この結果、冷媒温度センサ(18)の周囲には、検知対象となる冷媒の温度とほぼ同じ温度の空気断熱層が形成される。従って、外断熱部材(82)の周囲の空気の影響により、冷媒温度センサ(18)の温度が変化してしまうことを防止でき、ひいては冷媒温度センサ(18)の検出精度を向上できる。
【0077】
−実施形態の効果−
本実施形態では、冷媒温度センサ(18)を2つの断熱部材(81,82)で覆うとともに、これらの断熱部材(81,82)の間の空間(S)に、冷媒温度センサ(18)と当接しない他の3本のU字部(U2,U3,U4)を収容している。この結果、空気による断熱効果を得るとともに、この空間(S)の温度を第1U字部(U1)を流れる冷媒の温度に近づけることができる。この結果、室内ファン(27)が搬送する空気の影響により冷媒温度センサ(18)の検知精度が低下してしまうことを防止できる。
【0078】
また、本実施形態では、例えば
図6に示すように、2つの断熱部材(81,82)の間にU字部(U1,U2,U3,U4)を収容するスペースを十分に確保でき、各断熱部材(81,82)がU字部(71,72)と干渉してしまうことを防止できる。
【0079】
また、本実施形態では、第1U字部(U1)に隣接する両側の第2及び第3U字部(U2,U3)を外断熱部材(82)の内部の空間(S)に収容している。つまり、本実施形態では、2つのU字部(U2,U3)によって冷媒温度センサ(18)及び内断熱部材(81)が挟まれる状態となる。このため、冷媒温度センサ(18)の周囲の空気の温度が均一化され、冷媒温度センサ(18)の検知精度の低下を防止できる。
【0080】
また、本実施形態の外断熱部材(82)の内部の空間(S)は、端板(70)によっても区画される。この結果、外断熱部材(82)の部品点数を削減しつつ、外断熱部材(82)の内部に空間を形成できる。
【0081】
また、本実施形態では、外断熱部材(82)の下流側の側面に開口面(87)を形成している。この結果、外断熱部材(82)の部品点数を更に削減できる。一方、この開口面(87)は、空気流れの下流側に形成されるため、外断熱部材(82)の周囲を流れる空気が、開口面(87)を通じて外断熱部材(82)の内部へ流入することはほとんどない。なお、外断熱部材(82)の下流側の開口面(87)の近傍には、ケーシング(22)の側板(24)の一部が形成されており、これにより、開口面(87)からの空気の流入を防止できる。なお、外断熱部材(82)の下流側の開口面(87)を断熱性を有する隔壁部によって閉塞するようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、各隔壁部(84,85,86)を対向壁部(83)に対する折り返し部によって構成することで、内部に空間(S)を形成する外断熱部材(82)を容易に成形することができる。また、本実施形態では、隣接する隔壁部(85,86)の間の隙間(89)を、ハーネス(18a)を保持するための挿通穴として利用できる。更に、本実施形態では、U字部(72)の内縁開口部(72a,72b)に結束バンド(90)を挿通することで、外断熱部材(82)を室内熱交換器(32)に簡便に取り付けることができる。
【0083】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0084】
上記実施形態の内断熱部材(81)を省略した構成にしてもよい。この場合、外断熱部材(82)の内部の空間(S)には、冷媒温度センサ(18)が当接するU字部(U1)と、他のU字部(U2,U3,U4)とが収容されることになる。この構成においても、外断熱部材(82)の内部に空気断熱層を形成するとともに、この空間(S)の温度が冷媒の温度に近づくため、外断熱部材(82)の周囲の空気と冷媒温度センサ(18)との間での伝熱を防止でき、冷媒温度センサ(18)の検知精度の低下を防止できる。また、外断熱部材(82)の内部の空間(S)には、2つ以下又は4つ以上の他のU字部を収容してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、
図6に示すように、外断熱部材(82)と内断熱部材(81)とが完全に離間しているが、内断熱部材(81)が外断熱部材(82)の一部と接する構成であってもよい。この場合にも、外断熱部材(82)の内部に空間(S)を形成することで、この空間(S)を空気断熱層として利用できる。
【0086】
また、上記実施形態では、空気調和機(1)の室内ユニット(20)は、天井(U)の開口部(O)に嵌め込まれる天井埋込式に構成されていた。しかしながら、室内ユニット(20)は、天井に吊り下げられ、室内空間(R)に配置される天井吊下式に構成されていてもよい。