(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記情報出力手段は、前記自動販売機に設けられた表示部での画像提供、前記自動販売機に設けられたスピーカでの音声提供、前記自動販売機に設けられた通信手段を用いた情報配信の少なくともいずれかにより前記提供用の情報を外部に出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の自動販売機を利用した決済システム。
前記情報出力手段は、予め設定されたスケジュールに基づいて、前記提供用の情報を外部に出力することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の自動販売機を利用した決済システム。
前記情報出力手段は、前記決済処理が行われたときに前記提供用の情報を外部に出力することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の自動販売機を利用した決済システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のように、付加価値として、単に、所定の割引を適用するといった方法では、店舗などで購入する場合と大差もなく、利用者の購買意欲を掻き立てるだけのインパクト性が薄く、利用者の利用促進を図る新しい構成が求められていた。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、利用者の利用に応じて付加価値を付与可能な自動販売機において、利用者の利用率の向上を図ることが可能な自動販売機を利用した決済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、自動販売機を利用した決済システムであって、識別情報が記録された無線通信媒体を読み取り可能な無線リーダと、前記無線リーダによる前記無線通信媒体の読取結果に基づいて決済処理を行う決済手段と、前記決済手段による前記無線通信媒体に対する決済処理の結果に基づき、前記無線通信媒体の決済履歴を当該無線通信媒体と対応付けて更新可能に記録する記録手段と、前記無線通信媒体と対応付けて提供用の情報を登録可能な登録手段と、前記記録手段において前記無線通信媒体と対応付けて記録された前記決済履歴が所定の許可条件に達したことを条件として、前記登録手段において当該無線通信媒体に対応付けて登録された前記提供用の情報を外部に出力する情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の自動販売機を利用した決済システムでは、決済手段による無線通信媒体に対する決済処理の結果に基づき、無線通信媒体の決済履歴を当該無線通信媒体と対応付けて記録手段により更新可能に記録するようにしている。また、無線通信媒体と対応付けて提供用の情報を登録手段により登録可能に構成されている。そして、記録手段において無線通信媒体と対応付けて記録された決済履歴が所定の許可条件に達したことを条件として、登録手段において当該無線通信媒体に対応付けて登録された提供用の情報を情報出力手段により外部に出力するようにしている。この構成によれば、無線通信媒体を保持する利用者は、決済履歴に応じて提供用の情報を外部に出力することができるといった付加価値を受けることができるので、利用者の利用率の向上を図ることが可能となる。
【0009】
請求項2の発明では、決済履歴は、無線通信媒体による累積決済回数又は累積決済金額の少なくともいずれかであり、情報出力手段は、無線通信媒体と対応付けて記録された累積決済回数又は累積決済金額の少なくともいずれかが所定の許可値に達したことを条件として、登録手段において当該無線通信媒体に対応付けて登録された提供用の情報を外部に出力するようにしている。この構成によれば、提供用の情報を出力するための条件を利用者がより把握しやすくなり、利用者の購買意欲をより掻き立てることができる。
【0010】
請求項3の発明では、当該決済システムは、複数の自動販売機を利用するものであって、決済履歴は、複数の自動販売機で共通してカウントされるようになっている。このように、複数の自動販売機で、累積決済回数や累積決済金額が共通してカウントされることで、利用者の利便性を高めることができ、より利用促進を図ることができる。
【0011】
請求項4の発明では、情報出力手段は、自動販売機に設けられた表示部での画像提供、自動販売機に設けられたスピーカでの音声提供、自動販売機に設けられた通信手段を用いた情報配信の少なくともいずれかにより提供用の情報を外部に出力するようになっている。このように、提供用の情報は、情報出力手段により様々な方法で外部に出力可能となっているため、より利用者の利便性を高めることができる。
【0012】
請求項5の発明では、当該決済システムは、複数の自動販売機を利用するものであって、情報出力手段は、複数の自動販売機において同一の提供用の情報を外部に出力可能に構成されている。このように、同一の提供用の情報が、複数の自動販売機で外部に出力可能に構成されているので、広告効果を高めることが出来るとともに、利用者の利用促進をさらに図ることができる。
【0013】
請求項6の発明では、情報出力手段は、予め設定されたスケジュールに基づいて、提供用の情報を外部に出力するようにしている。このように予め設定されたスケジュールに基づいて提供用の情報を外部に出力するようにすれば、例えば、人通りが多い時間帯などに、より効果的に提供用の情報を広告することができる。
【0014】
請求項7の発明では、情報出力手段は、決済処理が行われたときに提供用の情報を外部に出力するようにしている。このように、決済処理が行われたときに提供用の情報を外部に出力するようにすれば、自動販売機の利用者に対して、提供用の情報を確実に広告することができる。
【0015】
請求項8の発明では、人が接近したことを検知可能な検知手段をさらに備えている。そして、情報出力手段は、検知手段により人が接近したことが検知されると、提供用の情報を外部に出力するようにしている。このように、人が接近したときに、提供用の情報を外部に出力するようにすれば、確実に提供用の情報を広告することができるとともに、自動販売機の周囲に人がいないときには、不必要に提供用の情報が出力されないので、省電力化を図ることができる。
【0016】
請求項9の発明では、提供用の情報は、所定のデータ量単位の分割データに分割されて無線通信媒体に記録されている。また、無線リーダは、無線通信媒体を用いて決済処理が行われる毎に、複数の分割データのうちの少なくとも1つを読み取り可能に構成されている。そして、登録手段は、無線通信媒体に記録されている分割データが全て無線リーダによって読み取られたときに、分割データを一つのデータに合成して登録するようにしている。このように、無線通信媒体を用いて決済処理が行われる毎に、複数の分割データのうちの少なくとも一つが読み取られるので、無線通信媒体の使用頻度(決済頻度)に応じて、適切に提供用の情報の登録を行うことができる。
【0017】
請求項10の発明では、通信網と接続された管理サーバを備えている。そして、管理サーバは、登録手段に登録される提供用の情報を予め記録するとともに、この提供用の情報を登録手段へ送信可能に構成されている。そして、登録手段は、管理サーバと通信可能に構成されており、管理サーバから送信された提供用の情報を登録するようになっている。このように、管理サーバに提供用の情報を一旦記録するようにしているので、出力される提供用の情報が広告するのにふさわしい情報か否かを管理者等が予め確認することができ、よりセキュリティ性を高めることができる。
【0018】
請求項11の発明では、情報出力手段により出力される提供用の情報の良し悪しを利用者が評価可能な評価手段をさらに備えている。そして、情報出力手段は、評価手段による良し悪しの評価ポイントが所定の基準値を下回った場合に、提供用の情報の出力を中止するようにしている。このように、評価の悪い提供用の情報は、外部への出力が中止されるので、評価する側の利用者に対しても、商品購入の際に面白みを与えることができ、より利用促進を図ることができる。
【0019】
請求項12の発明では、情報出力手段により出力される提供用の情報の良し悪しを利用者が評価可能な評価手段をさらに備えている。そして、情報出力手段は、評価手段による良し悪しの評価ポイントが所定の基準値を上回った場合に、提供用の情報の出力期間を延長するようにしている。このように、評価の良い提供用の情報は、出力期間が延長されるので、評価する側の利用者に対しても、商品購入の際に面白みを与えることができ、より利用促進を図ることができる。
【0020】
請求項13の発明では、情報を表示可能な表示部を備えている。そして、表示部は、無線リーダにより無線通信媒体の読み取りが行われると、当該無線通信媒体に対応付けされた提供用の情報の評価ポイントを表示するようにしている。この構成によれば、無線通信媒体の保有者は、当該無線通信媒体と対応付けられた提供用の情報の評価を客観的に知ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る自動販売機を利用した決済システムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
本第1実施形態では、当該決済システム1を、缶飲料などの商品を販売する自動販売機30に適用した構成を例に挙げて説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係る自動販売機を利用した決済システム1では、無線リーダ10と、自動販売機30と、管理サーバ40と、登録用コンピュータ50と、クライアント端末60、70とを備えて構成される。
【0024】
無線リーダ10は、基本的には公知のICカードリーダライタとして構成されており、例えば、自動販売機30から処理開始要求が与えられたときに、通信可能なエリア内に存在するICカード20と通信し得る構成をなしている。そして、ICカード20内に記録される識別情報や金銭情報等を読取可能に構成されていると共に、ICカード20内に記録される情報を書き換え可能に構成されている。なお、無線リーダは、
図3に示すように、自動販売機30と一体的に設けられていてもよい。
【0025】
図1に示すように、無線リーダ10は、送信回路11、受信回路12、制御回路13、記憶部14、アンテナ16、表示部18等を備えている。なお、無線リーダ10には図示しない操作部(操作ボタン等)が設けられていてもよい。制御回路13は、無線リーダ10の全体的な制御を司るものであり、例えばマイクロコンピュータ等で構成されている。この制御回路13は、自動販売機30より与えられる指令に応じて、当該無線リーダ10に記憶されている制御プログラムに従い無線リーダ10を制御するようになっている。
【0026】
図1に示す無線リーダ10では、制御回路13によって出力される送信データは送信回路11において符号化されると、更に符号化データによる搬送波の変調が行われ、被変調信号がアンテナ16に出力される。アンテナ16を構成するコイルには共振コンデンサ17が並列に接続されており、被変調信号は、アンテナ16より電波信号として外部に送信される。また、アンテナ16には、受信回路12の入力端子が接続されており、その受信回路12には、アンテナ16によって受信された電波信号が入力される。受信回路12においては、復調処理及び復号化処理が行われ、復号された受信データは制御回路13に出力されるようになっている。
【0027】
ICカード20は、例えば、
図2に示すように、アンテナ21、電源回路22、復調回路23、制御回路24、メモリ25、変調回路26、負荷変調回路27などによって構成されている。尚、アンテナ21には、コンデンサ28が並列に接続されている。ICカード20は、無線リーダ10より送信された搬送波を、アンテナ21を介して受信すると、電源回路22において搬送波を整流して動作用電源を生成し、マイクロコンピュータで構成される制御回路24及びその他の構成要素に供給する。なお、ICカード20は、「無線通信媒体」の一例に相当する。
【0028】
また、搬送波に重畳されている無線リーダ10からの送信データは復調回路23によって復調され、制御回路24に出力される。制御回路24は、動作用電源が供給されて起動すると、無線リーダ10からの送信データを受けてメモリ25に記憶されているデータを読み出し、また、ライトコマンドが送信された場合はデータを書き込む。変調回路26は、受信した搬送波を分周した副搬送波を制御回路24が出力する応答データによって変調する。アンテナ21に対しては、負荷変調回路27を構成する抵抗及びスイッチの直列回路が並列に接続されている。そして、変調回路26より出力される副搬送波の被変調信号により負荷変調回路27のスイッチがオンオフされることで搬送波が負荷変調され、応答(レスポンス)が返信される。
【0029】
自動販売機30は、
図1、3に示すように、当該自動販売機30全体を制御する制御部31を有し、この制御部31には、表示部32、記憶部33、スピーカ34、通信部35、入力部36、センサ37がそれぞれ接続されている。なお、説明の都合上、
図1、
図3等では、自動販売機30を1台のみ示しているが、本実施形態では、複数の自動販売機を利用する構成を例に挙げて説明する。
【0030】
制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インターフェース等を有しており、無線リーダ10で読み取られた情報を取得し得るように構成されており、無線リーダ10によるICカード20の読取結果に基づいて決済処理を行うようになっている。なお、制御部31は、「決済手段」の一例に相当する。
【0031】
表示部32は、例えば、液晶ディスプレイなどから構成されており、制御部31から入力される信号に基づき、商品の価格や、ICカード20の残金、釣銭金額や不足金額を表示するように構成されている。また、所定の情報を外部に出力可能になっている。
【0032】
記憶部33は、公知の記憶媒体(ROM、RAM、不揮発性メモリなどの各種半導体メモリ等)によって構成されている。そして、この記憶部33には、ICカード20と対応付けて提供用の情報(以下、「提供用情報」という。詳細は後述)を登録可能に構成されている。また、記憶部33は、制御部31によるICカード20に対する決済処理の結果に基づき、ICカード20の決済履歴を当該無線通信媒体と対応付けて更新可能に記録するようになっている。なお、記憶部33は、「登録手段」及び「記録手段」の一例に相当する。
【0033】
スピーカ34は、制御部31から与えられる指令に応じて、記憶部33に予め記憶される音データを外部に出力するように構成されている。例えば、制御部31にて行われる決済処理の状況に応じて、「商品を選択してください」、「ICカードをタッチしてください」、「ありがとうございました」などの音声を出力するようになっている。
【0034】
通信部35は、外部装置と通信を行うための通信インターフェースとして構成され、管理サーバ40や図略の電子マネーセンタ(決済管理会社等のサーバなど)とFOMA(Freedom Of Mobile multimedia Access)などの通信網を介して、通信するように構成されている。また、通信部35は、
図3に示すように、中継サーバ90を介して、管理サーバ40と通信するようになっている。なお、中継サーバ90は、例えば、プロキシサーバなどとして機能し、コンピュータとして構成され、図略のCPUや通信部、メモリ、表示部、操作部などを含んで構成されている。また、通信部35は、「通信手段」の一例に相当する。
【0035】
入力部36は、自動販売機30の利用者等が制御部31へ所定の指示を与えることが可能な操作ボタン等として構成されている。この入力部36は、例えば、商品を選択するための商品選択ボタン(図示略)や提供用情報の良し悪しを評価可能な評価ボタン(図示略)等で構成されている。なお、入力部36は、「評価手段」の一例に相当する。
【0036】
センサ37は、例えば、赤外線センサや超音波センサ、可視光センサなどからなる人感センサとして構成されている。そして、自動販売機30に人が接近したことを検知可能となっている。なお、センサ37は、「検知手段」の一例に相当する。
【0037】
管理サーバ40は、インターネットやLANなどの通信網を介して、自動販売機30や登録用コンピュータ50、クライアント端末60、70等と通信可能に構成されている。そして、管理サーバ40は、コンピュータとして構成され、
図1に示すように、CPU41、通信部42、メモリ43、表示部44、操作部45を含んで構成されている。CPU41は、主に当該管理サーバ全体の制御を行うように構成されている。通信部42は、外部装置と通信を行うための通信インターフェースによって構成され、CPU41からの信号に応じて、提供用情報を自動販売機30側へ送信可能に構成されている。メモリ43は、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの半導体メモリやハードディスク等により構成され、自動販売機30側へ送信される提供用情報を予め記録するようになっている。表示部44は、液晶モニタなどであり、当該管理サーバ40の動作状態を表示可能に構成されている。操作部45は、キーボードやマウスなどにより構成され、例えば、システムの管理者が当該操作部45を操作することにより管理サーバ40に対して直接、信号を入力可能に構成されている。
【0038】
登録用コンピュータ50は、主に、管理サーバ40と通信を行うように構成されており、
図1に示すように、CPU51、通信部52、メモリ53、表示部54、操作部55を含んで構成されている。CPU51は、主に当該登録用コンピュータ50全体の制御を行うように構成されている。通信部52は、メモリ53に登録されている提供用情報を管理サーバ40側へ送信可能に構成されている。表示部54は、液晶モニタなどであり、当該登録用コンピュータ50の動作状態を表示可能に構成されている。そして、操作部55は、システムの管理者等が当該操作部55を操作することにより、メモリ53に登録されている提供用情報を参照できるように構成されている。
【0039】
クライアント端末60、70は、例えば、自動販売機30の利用者等が所有するパーソナルコンピュータ等からなり、主に、管理サーバ40や登録用コンピュータ50等と通信可能に構成されている。そして、クライアント端末60、70は、CPU61、71、通信部62、72、メモリ63、73、表示部64、74、操作部65、75を含んで構成されている。CPU61、71は、主に当該クライアント端末60、70全体の制御を行うように構成されている。通信部62、72は、当該クライアント端末60、70を介して入力された提供用情報を管理サーバ40や登録用コンピュータ50へ送信可能に構成されている。表示部64、74は、当該クライアント端末60、70の動作状態を表示可能に構成されている。そして、操作部65、75は、キーボードやマウスなどにより構成され、例えば、提供用情報を作成したり、加工することができるようになっている。なお、
図1等の例では、説明の都合上、2つのクライアント端末60、70を例示したが、クライアント端末の数は特に限定されない。
【0040】
次に、上述のように構成される自動販売機30を利用した決済システム1において、提供用情報の登録・配信方法について、以下説明する。
本実施形態では、自動販売機30の利用者が、ICカード20を利用して商品の購入を行い、記憶部33に記録される決済履歴が所定の許可条件に達したことを条件として、記憶部33において当該ICカード20に対応付けて登録された提供用情報を外部に出力するように構成されている。ここで、提供用情報とは、例えば、自動販売機30の利用者が外部に広告したい情報であって、例えば、ストリートミュージシャン等の音楽情報や、絵描きや漫画家などの画像情報、店舗等の広告情報などが想定される。すなわち、自動販売機30の利用者は、ICカード20を用いて自動販売機30の商品を所定の許可条件に達するまで購入すると、自身が配信したい提供用情報を外部に出力(広告配信)できるようになっている。
【0041】
例えば、この提供用情報が音楽情報である場合には、スピーカ34での音声提供により外部に出力されるようになっている。また、提供用情報が画像情報である場合には、表示部32での画像提供により外部に出力されるようになっている。また、提供用情報は、自動販売機30に設けられた通信部35を用いた情報配信により外部に出力可能となっている。通信部35では、音楽情報や画像情報のほか、例えば、アプリなどのプログラム情報を外部装置(例えば携帯端末など)へ情報配信できるようになっている。なお、スピーカ34、表示部32及び通信部35は、「情報出力手段」の一例に相当する。
【0042】
そして、この提供用情報は、
図4に示すように、登録用コンピュータ50若しくはクライアント端末60、70、80を介して、保管サーバ100若しくは管理サーバ40に登録されるようになっている。登録用コンピュータ50は、通信網を介して管理サーバ40に直接アクセス可能となっており、当該決済システム1の管理者等により管理されている。例えば、管理者等によって予め承認された提供用情報のみ登録用コンピュータ50から直接管理サーバ40に登録可能となっている。一方、クライアント端末60、70、80から登録される提供用情報は、一旦、保管サーバ100に保管されるようになっている。そして、特定の管理者が定期的に保管サーバ100を監視し、保管サーバ100に保管された提供用情報を管理サーバ40へ登録するようになっている。
【0043】
管理サーバ40では、提供用情報を自動販売機30へ送信するようになっている。ここで、本実施形態では、上述したように、複数の自動販売機30を利用するものであり、提供用情報は、管理サーバ40からこれら複数の自動販売機30へ送信されるようになっている。そして、各自動販売機30では、管理サーバ40から提供用情報を受信すると、記憶部33に登録するようになっている。記憶部33では、提供用情報(例えば、提供用情報データ4)を、
図3に示すように、登録管理ファイル33a(登録情報1、2、3、・・・)と、配信管理ファイル33b(配信情報1、2、3・・・)とに対応付けて登録するようにしている。なお、複数の自動販売機30のいずれかでこれら登録管理ファイル33a及び配信管理ファイル33bが更新されると、ほかの自動販売機30に登録された登録管理ファイル33a及び配信管理ファイル33bも、通信網を介して自動的に更新されるようになっている。
【0044】
登録管理ファイル33aは、例えば、
図5に示すように構成されており、共通情報として、登録管理ファイル33aに登録されている提供用情報数(
図5の例では、「5(件)」)と、情報登録可能カウント数(
図5の例では、「100(回)」)が登録されている。この情報登録可能カウント数は、上述した所定の許可条件に相当し、ICカード20の決済履歴が所定の許可値(ここでは100回)に達したことを条件として、提供用情報が外部に出力されるようになっている。
【0045】
また、登録管理ファイル33aには、対応付けされたICカードの固有情報と、累積決済回数(情報登録累積カウント数)、情報登録可否情報とが登録されている。例えば、登録情報1では、ICカードの固有情報は、「01234567」であり、累積決済回数は、「90(回)」であり、情報登録可否情報は、累積決済回数が所定の許可値(100回)に達していないので「否」となっている。そして、「01234567」の固有情報を有したICカードと対応付けられた提供用情報を特定する情報が、これら情報と共に、登録情報1に登録されている。また、登録情報4では、累積決済回数が「100(回)」となっており、所定の許可値に達しているので、情報登録可否情報は、「可」となっており、提供用情報の出力が可能となっている(提供用情報の出力のタイミングについては、後で述べる)。
【0046】
次に、配信管理ファイル33bについて説明する。配信管理ファイル33bには、出力(配信)中の提供用情報に対応する情報が登録されている。そして、配信管理ファイル33bは、例えば、
図6に示すように構成されており、共通情報として、配信情報数(10(件))、情報配信延長カウント数(500(回))、情報配信削除カウント数(100(回))、情報配信トリガ(商品購入時)、情報配信日数(7日))が登録されている。
【0047】
また、自動販売機30には、出力される提供用情報の良し悪しを評価可能な評価ボタン(図示略)が設けられており、自動販売機30の利用者によって提供用情報の評価ができるようになっている。情報配信延長カウント数は、提供用情報の出力期間を延長するための基準値であって、利用者によって「良い」と評価された回数のことであり、例えば、提供用情報の出力期間は予め定められたデフォルト期間に設定されるようになっており、この出力期間では提供用情報が提供される毎に一定時間(例えば数分)評価ボタンの操作を受け付けるようになっている。そして、「良い」と評価された回数が500(回)を超えたときに、提供用情報の出力期間が延長されるようになっている。また、情報配信削除カウント数は、提供用情報の出力を削除するための基準値であって、利用者によって「悪い」と評価された回数のことであり、例えば、「悪い」と評価された回数が100(回)を超えたときに、提供用情報の出力が中止されるようになっている。なお、提供用の情報の良し悪しは、「良い」、「悪い」の評価ではなく、利用者が気に入った提供用情報に評価ポイントを付けるといった構成であってもよく、評価ポイントが所定の基準値を上回った場合に、提供用情報の出力期間の延長を行い、評価ポイントが所定の基準値を下回った場合に、提供用情報の出力を中止するようにしてもよい。また、無線リーダ10によりICカード20の読み取りが行われると、当該ICカード20に対応付けされた提供用情報に対応した情報が配信管理ファイル33bに登録されている場合には、この提供用情報の評価(評価ポイント)の状況が、表示部32に表示されるようになっている。
【0048】
また、いずれかの利用者の決済履歴が許可条件に達した場合に、当該利用者の提供用情報を配信するときの「情報配信トリガ」は、当該提供用情報の出力タイミング(出力時期)であり、
図6の例では、「商品購入時」となっているので、制御部31にて決済処理が行われたときに、提供用情報を外部に出力するようになっている。情報配信日数とは、提供用情報が外部に出力される期間のことであり、
図6の例では、「7(日)」となっているので、7日間、提供用情報が出力されることとなる。そして、配信管理ファイル33bには、カード固有情報、データ形式、情報データ名、情報配信開始日、情報配信延長カウント数、情報配信削除カウント数とともに、登録情報1、2、3、・・・10として登録されている。
【0049】
提供用情報の出力タイミングは、
図6の例では、各配信情報(許可条件に達した利用者の提供用情報)を配信するときのトリガ条件は「商品購入時」に設定されているが、これに限定されず、例えば、提供用情報の出力スケジュールを予め記憶部33に記憶しておき、設定されたスケジュールに基づいて、提供用情報を外部に出力するようにしてもよい。また、センサ37によって、自動販売機30に人が接近したことが検知されると、提供用情報を外部に出力するようにしてもよい。そして、複数の自動販売機30では、同一の提供用の情報を外部に出力可能となっている。
【0050】
次に、上述のように構成される自動販売機30を利用した決済システム1において、実施される決済処理について、
図7を用いて説明する。
まず、商品を購入する予定の利用者が、ICカード20を無線リーダ10に翳すか接触させると、無線リーダ10側では、ICカード20の捕捉処理を行う(ステップS1)。この捕捉処理では、ICカード20が無線リーダ10の通信可能なエリア内に入ると、ICカード20は無線リーダ10からの捕捉用のコマンドに応じた応答信号を返信し、無線リーダ10では、この応答信号を受信することでICカード20を認識するようになっている。
【0051】
次に、ステップS2にて、ICカード20が無線リーダ10の通信可能なエリア内に存在するか否かが判定される。例えば、ステップS1でのICカード20の捕捉後に、ICカード20が、無線リーダ10から外されるなど、通信可能なエリア外となった場合には、ステップS2にてNoと判定され、ステップS1での処理が再び行われることとなる。一方、ステップS2にてYesと判定されると、続くステップS3にて、ICカード20内に記録されている情報(カード残高や固有情報など)を読み出す。
【0052】
そして、ステップS4にて、カード残高が商品の購入金額以上であるか否かが判定される。ここで、カード残高が購入金額よりも少ない場合には(ステップS4でNo)、商品を購入することができないため、エラー終了となる(ステップS11)。一方、カード残高が購入金額以上である場合には(ステップS4でYes)、ICカード20に記憶されている残金額より購入金額を減算する処理(決済処理)を行い、カード残高を更新する(ステップS5)。
【0053】
続くステップS6では、自動販売機30の記憶部33に登録されている登録管理ファイル33aから該当のカード固有情報を検索する。ステップS7では、該当するカード固有情報が存在するか否かが判定され、該当するカード固有情報が登録されていない場合には(ステップS7でNo)、このICカード20の登録情報を追加する(ステップS12)。
【0054】
そして、該当するカード固有情報が登録されているか(ステップS7でYes)、ステップS12にて新たに登録情報が登録された場合には、続くステップS8にて、該当する登録情報の累積決済回数(情報登録累積カウント数)を+1とする。例えば、カード固有情報が「01234567」のICカード20であった場合には、累積決済回数のカウント数に1を加え、「91(回)」とする。
【0055】
続くステップS9では、累積決済回数が情報登録可能カウント数以上となったか否かについて判定する。ここで、累積決済回数が情報登録可能カウント数に満たない場合には、当該処理を終了する(ステップS9でNo)。一方、累積決済回数が情報登録可能カウント数以上(例えば、100回以上)となった場合には(ステップS9でYes)、該当する登録情報の情報登録可否情報を「可」に書き換え、当該決済処理を終了する。なお、この決済履歴(累積決済回数)は、複数の自動販売機30で共通してカウントされるようになっている。例えば複数の自動販売機30間で定期的に情報送受信を行い、複数の自動販売機30の情報を同期させてそれぞれの登録内容を最新の情報に保つようにしてもよい。
【0056】
以上説明したように、本第1実施形態に係る自動販売機30を利用した決済システム1では、決済手段(制御部31)によるICカード20に対する決済処理の結果に基づき、ICカード20の決済履歴を当該ICカード20と対応付けて記憶部33により更新可能に記録するようにしている。また、ICカード20と対応付けて提供用情報を記憶部33に登録可能に構成されている。そして、記憶部33においてICカード20と対応付けて記録された決済履歴が所定の許可条件に達したことを条件として、記憶部33において当該ICカード20に対応付けて登録された提供用情報を情報出力手段(表示部32、スピーカ34、通信部35)により外部に出力するようにしている。この構成によれば、ICカード20を保持する利用者は、決済履歴に応じて提供用情報を外部に出力することができるといった付加価値を受けることができるので、利用者の利用率の向上を図ることが可能となる。
【0057】
また、決済履歴は、ICカード20による累積決済回数であり、情報出力手段は、ICカード20と対応付けて記録された累積決済回数が所定の許可値に達したことを条件として、記憶部33において当該ICカード20に対応付けて登録された提供用情報を外部に出力するようにしている。この構成によれば、提供用情報を出力するための条件を利用者がより把握しやすくなり、利用者の購買意欲をより掻き立てることができる。
【0058】
また、当該決済システム1は、複数の自動販売機30を利用するものであって、決済履歴は、複数の自動販売機30で共通してカウントされるようになっている。このように、複数の自動販売機30で、累積決済回数が共通してカウントされることで、利用者の利便性を高めることができ、より利用促進を図ることができる。
【0059】
また、情報出力手段は、自動販売機30に設けられた表示部32での画像提供、自動販売機30に設けられたスピーカ34での音声提供、自動販売機30に設けられた通信部35を用いた情報配信の少なくともいずれかにより提供用情報を外部に出力するようになっている。このように、提供用情報を様々な方法で外部に出力可能となっているため、より利用者の利便性を高めることができる。
【0060】
また、当該決済システム1は、複数の自動販売機30を利用するものであって、情報出力手段は、複数の自動販売機30において同一の提供用情報を外部に出力可能に構成されている。このように、同一の提供用情報が、複数の自動販売機30で外部に出力可能に構成されているので、広告効果を高めることが出来るとともに、利用者の利用促進をさらに図ることができる。
【0061】
また、情報出力手段は、予め設定されたスケジュールに基づいて、提供用情報を外部に出力するようにしている。このように予め設定されたスケジュールに基づいて提供用情報を外部に出力するようにすれば、例えば、人通りが多い時間帯などに、より効果的に提供用情報を広告することができる。
【0062】
また、情報出力手段は、決済処理が行われたときに提供用情報を外部に出力するようにしている。このように、決済処理が行われたときに提供用情報を外部に出力するようにすれば、自動販売機30の利用者に対して、提供用情報を確実に広告することができる。
【0063】
また、人が接近したことを検知可能なセンサ37をさらに備えている。そして、情報出力手段は、センサ37により人が接近したことが検知されると、提供用情報を外部に出力するようにしている。このように、人が接近したときに、提供用情報を外部に出力するようにすれば、確実に提供用情報を広告することができるとともに、自動販売機30の周囲に人がいないときには、不必要に提供用情報が出力されないので、省電力化を図ることができる。
【0064】
また、通信網と接続された管理サーバ40を備えている。そして、管理サーバ40は、記憶部33に登録される提供用情報を予め記録するとともに、この提供用情報を記憶部33へ送信可能に構成されている。そして、記憶部33は、管理サーバ40と通信可能に構成されており、管理サーバ40から送信された提供用情報を登録するようになっている。このように、管理サーバ40に提供用情報を一旦記録するようにしているので、出力される提供用情報が広告するのにふさわしい情報か否かを管理者等が予め確認することができ、よりセキュリティ性を高めることができる。
【0065】
また、情報出力手段により出力される提供用情報の良し悪しを利用者が評価可能な評価手段(入力部36)をさらに備えている。そして、情報出力手段は、評価手段による良し悪しの評価ポイントが所定の基準値を下回った場合に、提供用情報の出力を中止するようにしている。このように、評価の悪い提供用情報は、外部への出力が中止されるので、評価する側の利用者に対しても、商品購入の際に面白みを与えることができ、より利用促進を図ることができる。
【0066】
また、情報出力手段は、評価手段による良し悪しの評価ポイントが所定の基準値を上回った場合に、提供用情報の出力期間を延長するようにしている。このように、評価の良い提供用情報は、出力期間が延長されるので、評価する側の利用者に対しても、商品購入の際に面白みを与えることができ、より利用促進を図ることができる。
【0067】
また、表示部32は、無線リーダ10によりICカード20の読み取りが行われると、当該ICカード20に対応付けされた提供用情報の評価ポイントを表示するようにしている。この構成によれば、ICカード20の保有者は、当該ICカード20と対応付けられた提供用情報の評価を客観的に知ることができる。
【0068】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る自動販売機30を利用した決済システム1について説明する。本第2実施形態では、提供用情報が、所定のデータ量単位の分割データに分割されてICカード20に予め記録されている点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態の決済システム1と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0069】
第2実施形態に係る自動販売機30を利用した決済システム1では、例えば、
図8に示すように、例えば、無線リーダ210が接続されたクライアント端末60に予め提供用情報を記憶させておき、無線リーダ210を介してICカード20のメモリ25へ提供用情報を記録するようになっている。なお、クライアント端末60に限らず、登録用コンピュータ50等が無線リーダ210に接続されていてもよい。そして、この提供用情報は、所定のデータ量単位の分割データに分割されて、メモリ25に記録されるようになっている。例えば、提供用情報の全情報サイズが100000(バイト)である場合、1000(バイト)毎に分割された分割データがメモリ25に記録されている(すなわち、この場合、100個の分割データがメモリ25に記録されている)。そして、当該ICカード20を用いて決済処理が行われる毎に、これら分割データのうちの少なくとも1つが無線リーダ10によって読み取られ記憶部33に登録されるようになっている。さらに、これら100個の分割データが全て無線リーダ10によって読み取られたとき、記憶部33では、これら分割データを1つのデータに合成して配信管理ファイル33bに登録するようにしている。なお、購入金額に応じて、無線リーダ10により読み取る分割データの数を変更するようにしてもよい。
【0070】
図9は、ICカード20に記録される情報の一例であり、情報ヘッダとして、情報配信有無「1(有)」、カード固有情報「01234567」、データ形式「0(音声ファイル)」、情報データ名「KojinSound.wav」、全情報サイズ「100000(バイト)」等の情報が記録されている。また、情報データとして、実情報データ(配信したい情報(提供用情報)のバイナリデータ)が記録されている。
【0071】
次に、上述のように構成される自動販売機30を利用した決済システム1において、実施される決済処理について、
図10〜
図12を用いて説明する。
まず、上記第1実施形態と同様に、ICカード20の捕捉処理がなされ(ステップS21)、ステップS22にて、ICカード20が無線リーダ10の通信可能なエリア内に存在すると判定されると(ステップS22でYes)、カード残高が購入金額以上である場合には(ステップS24でYes)、ICカード20に記憶されている残金額より購入金額を減算する処理(決済処理)を行い、カード残高を更新する(ステップS25)。ここで、カード残高が購入金額よりも少ない場合には(ステップS24でNo)、商品を購入することができないため、エラー終了となる(ステップS36)。
【0072】
次にステップS26にて、ICカード20に記録される情報ヘッダの情報配信有無が「1」であるか否かが判定される。ここで、情報配信有無が「1」である場合は(ステップS26でYes)、ICカード20に提供用情報が記録されているため、続くステップS27からの処理を行う。一方、情報配信有無が「0」である場合は(ステップS26でNo)、ICカード20に提供用情報が記録されていないため、ステップS27からの処理を行うことなく当該決済処理を終了する。
【0073】
ステップS26にてYesと判定されると、続くステップS27にて、自動販売機30の記憶部33に登録されている配信管理ファイル33bから該当のカード固有情報を検索する。ステップS27では、該当するカード固有情報が存在するか否かが判定され、該当するカード固有情報が登録されていない場合には(ステップS27でNo)、このICカード20の配信情報を配信管理ファイル33bに追加する(ステップS37)。
【0074】
そして、該当するカード固有情報が登録されているか(ステップS28でYes)、ステップS37にて新たに配信情報が登録された場合には、続くステップS29にて、該当する配信情報の情報配信可否が「否」であるか否かについて判定がなされる。ここで、自動販売機30の記憶部33に登録されている配信管理ファイル33bは、例えば、
図12に示す構成になっており、このステップS29では、各配信情報1、2、3・・・10の情報配信可否が「否」であるか否かが判定される。
【0075】
ここで、情報配信可否が「可」の場合は(ステップS29でNo)、分割データが全て読み取られて1つのデータに合成され、外部に出力可能な状態(若しくは出力中)であるため、ステップS29以降の処理が行われることなく、当該決済処理を終了する。例えば、
図12の配信情報2では、全情報サイズが200000(バイト)であり、情報取得オフセットも200000(バイト)であり(「情報取得オフセット=全情報サイズ」の場合、分割データが全て読み取られたことを表している(後述のステップS34参照))、情報配信可否は「可」となっており、すでに提供用情報が外部に出力されている。
【0076】
一方、該当する配信情報の情報配信可否が「否」である場合は(ステップS29でYes)、続くステップS30にて、ICカード20に記録される分割データを配信管理ファイル33bの該当配信情報のオフセット位置から、共通情報の情報取得サイズ分読み出す。ここで、共通情報の情報取得サイズとは、一回の決済処理で読み取り可能な分割データのサイズのことであり、
図12に示す例では、「1000(バイト)」に設定されている。例えば、配信情報1の例では、全情報サイズが100000(配信情報1の提供用情報と対応したICカード20で100回決済処理を行うことで、情報配信可否が「可」となるようになっている。また、
図12の情報取得オフセットとは、これまでに読み取られた分割データの総データ数を示しており、決済される毎に、このオフセットが1000(バイト)ずつ加算されるようになっている。また、このオフセットの位置をもとに、次回の分割データの読み取り位置を決定するようにしている。
【0077】
続く、ステップS31では、分割データの読み出しに成功したか否かが判定される。ここで、例えば、ICカード20に記録されている分割データが壊れているなど、読み出しに失敗した場合には(ステップS31でNo)、当該決済処理を終了する。一方、読み出しに成功した場合には(ステップS31でYes)、続くステップS32にて、ICカード20から読み出した分割データを配信情報の情報データ名の情報データ(提供用情報のフォルダ)に追記する。例えば、配信情報1の分割データが読み出された場合には、対応する情報データ名「KojinSound.wav」の情報データにこの読み出された分割データを追記する。
【0078】
そして、ステップS33では、配信情報の情報取得オフセットに読み出したデータ数を加算する。例えば、配信情報1では、20000(バイト)に1000(バイト)が加算され、21000(バイト)となる。
【0079】
次に、ステップS34にて、情報取得オフセット=全情報サイズであるか否かが判定される。ここで、情報取得オフセットが全情報サイズと等しい場合には、分割データが全て読み取られたことを表している。そして、情報取得オフセット=全情報サイズで無い場合(すなわち、情報取得オフセットが全情報サイズ未満の場合)には(ステップS34でNo)、当該決済処理を終了する。一方、情報取得オフセット=全情報サイズであった場合には(ステップS34でYes)、続くステップS35にて、配信情報の情報配信可否を「可」へ更新するとともに、読み取った全分割データを一つのデータに合成し、当該決済処理を終了する。
【0080】
以上説明したように、本第2実施形態に係る自動販売機30を利用した決済システム1では、提供用の情報は、所定のデータ量単位の分割データに分割されてICカード20に記録されている。また、無線リーダ10は、ICカード20を用いて決済処理が行われる毎に、複数の分割データのうちの少なくとも1つを読み取り可能に構成されている。そして、記憶部33は、ICカード20に記録されている分割データが全て無線リーダ10によって読み取られたときに、分割データを一つのデータに合成して登録するようにしている。このように、ICカード20を用いて決済処理が行われる毎に、複数の分割データのうちの少なくとも一つが読み取られるので、ICカード20の使用頻度(決済頻度)に応じて、適切に提供用の情報の登録を行うことができる。
【0081】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
上記実施形態では、複数の自動販売機30を利用する構成を例示したが、これに限定されず、当該決済システム1を一台の自動販売機30に適用する構成としてもよい。
【0083】
上記実施形態では、累積決済回数が所定の許可値に達したことを条件として、提供用情報を外部に出力するようにしたが、これに限定されず、累積決済金額が所定の許可値(例えば、1万円など)に達したことを条件として、提供用情報を外部に出力するようにしてもよい。