(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載のパレット交換装置では、エアにより積荷を浮かせるため、比較的軽い積荷にしか適用することができない。また、第1パレットごとに、積荷に対してエア漏れ防止用のガイドを取り付けなければならないため、積荷の種類に応じてガイドを揃えなければならない。さらには、積荷として、同一の第1パレット上に複数の通い箱、例えば多品種の通い箱、を載せる場合、圧送されたエアにより積荷のバランスが崩れ、損傷等が生じる虞がある。したがって、汎用性が低いという問題がある。
【0009】
また、第1パレットごとに、積荷に対してガイドを取り付け、第1パレットに対してエア漏れ防止用のカバーを取り付けなければならない。このように、エア供給装置とともに、ガイドやカバーを取り付ける装置が必要となるため、パレット交換装置の構成が複雑となる。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑み、パレット交換装置において、短いサイクルタイムを簡素な構成で実現しつつ、従来よりも汎用性を高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
開示された発明のひとつは、第1パレット(12)から第2パレット(14)に積荷(16)を載せ替えるパレット交換装置であって、
積荷を載せた第1パレットをストッパ(38)まで搬送する第1コンベア(40)と、
第1コンベアから、積荷を移した後の空状態の第1パレットを排出する排出機構(42)と、
第1コンベアと搬送方向が同じとされ、第2パレットを搬送する第2コンベア(44)と、
第2コンベアの待機部(44a)に、積荷を載せる前の空状態の第2パレットを供給する供給機構(46)と、
第1パレットから第2パレットへ積荷を載せ替えるために、原位置から第2パレットへの積荷の載せ替えが完了する完了位置まで移動して、積荷を搬送方向に押すとともに、積荷を第2パレットへ載せ替えた後は完了位置から原位置に復帰するプッシャ(50)を含んだ積荷移動機構(48)と、
ストッパに隣接しつつ待機部の上方に設けられ、自身の表面をプッシャにより押される積荷が滑走するように、第2パレットよりも積荷との間に生じる摩擦力が小さくされた滑走部材(54)と、
第1コンベア、排出機構、第2コンベア、供給機構、及び積荷移動機構の作動を制御する制御部(56)と、を備え、
プッシャは、搬送方向に直交する第1コンベア及び第2コンベアの幅方向の両側にそれぞれ設けられるとともに、積荷を押す閉状態と、幅方向において積荷に接触しない開状態の配置をとることができるように可動可能に形成され、
滑走部材は、ストッパに対して遠い先端側がストッパに近い後端側よりも薄くされ、先端側に積荷が載ると撓むように形成され、
制御部は、
原位置から完了位置まで移動させる場合に閉状態となり、完了位置から原位置まで
開状態で復帰させ、且つ、次の積荷が
原位置を通過するまで開状態となり、原位置と完了位置との間で往復するように、プッシャを制御するとともに、
プッシャにより押される積荷が、滑走部材から第2パレットに載り移るように、プッシャ及び第2コンベアを制御することを特徴とする。
【0013】
これによれば、構造が簡素なスライド方式を採用しながらも、滑走部材(54)を介して、積荷(16)を第1パレット(12)から第2パレット(14)に載せ替える。したがって、サイクルタイムを短くしても、荷崩れや損傷が生じるのを抑制することができる。
【0014】
さらに、完了位置から原位置に戻る際には、次の積荷(16)と干渉しないように、プッシャ(50)が開状態とされる。これにより、プッシャ(50)が原位置に戻る前に次の第1パレット(12)をストッパ(38)に向けて搬入することができるので、さらにサイクルタイムを短縮することができる。
【0015】
また、プッシャ(50)により積荷(16)を押して載せ替える。したがって、従来のエア方式に較べて重い積荷(16)についても載せ替えることができる。また、積荷(16)として複数の通い箱を載せても、エア方式に較べれば積荷(16)のバランスが崩れ難い。また、第1パレット(12)ごとに、積荷(16)にガイドを取り付けなくても良い。さらには、同一の第1パレット(12)上に複数の通い箱、例えば多品種の通い箱、を載せる場合にも対応することができる。
【0016】
以上により、短いサイクルタイムを簡素な構成で実現しつつ、従来よりも汎用性を高くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。なお、各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
【0019】
(第1実施形態)
先ず、
図1を用いて、本実施形態に係るパレット交換装置が適用された製品出荷ラインの概略構成について説明する。
【0020】
製品出荷ライン10は、構内で用いられる構内用パレット12から、トラック等に積載される出荷用パレット14に、積荷16を載せ替えるパレット交換装置18を備えている。ここで、構内用パレット12が、特許請求の範囲に記載の第1パレットに相当し、出荷用パレット14が第2パレットに相当する。また、積荷16とは、少なくとも1つの通い箱16aを有し、通い箱16aの中には製品が収容されている。通い箱16aは、例えば一面が開口する箱状をなしている。
【0021】
製品出荷ライン10は、パレット交換装置18以外にも、製品搬入部20、出荷部22、パレット回収部24、パレット供給部26、及びパレット置き場28などを備えている。
【0022】
製品搬入部20は、パレット交換装置18に対して、積荷16を載せた構内用パレット12を供給する部分である。この製品搬入部20は、ローラコンベアなどの搬送コンベア30を有しており、搬送コンベア30として、後述する第1コンベア40に直結されたものを含んでいる。
【0023】
出荷部22は、パレット交換装置18にて出荷用パレット14に載せ替えられた積荷16、すなわち、積荷16を載せた出荷用パレット14を、出荷場や出荷前の待機場に搬送する部分である。この出荷部22も搬送コンベア30を有しており、搬送コンベア30として、後述する第2コンベア44に直結されたものを含んでいる。
【0024】
パレット回収部24は、積荷16を載せ替えて空状態となった構内用パレット12を、パレット交換装置18から回収する部分である。このパレット回収部24も搬送コンベア30を有しており、搬送コンベア30として、後述する排出用チェーンコンベア42から空状態の構内用パレット12を供給されるものを含んでいる。
【0025】
また、パレット回収部24は、構内用パレット12を段積みし、所定枚数に達すると次の搬送コンベア30に払い出す段積み機32も有している。パレット回収部24は、
図1に示すように、第1コンベア40の搬送方向に対して直交する方向に延設されるとともに、その搬送先端側が、製品搬入部20側に折れた略L字のラインとして構成されている。そして、パレット回収部24の搬送先端側において、例えばフォークリフトにより、段積みされた構内用パレット12が回収されるようになっている。
【0026】
パレット供給部26は、積荷16を載せる前の空状態の出荷用パレット14を、パレット交換装置18に供給する部分である。このパレット供給部26も搬送コンベア30を有しており、搬送コンベア30として、後述する供給用チェーンコンベア46に、空状態の出荷用パレット14を供給するものを含んでいる。
【0027】
本実施形態では、段積みされた出荷用パレット14が、例えばフォークリフトによってパレット置き場28にセットされ、パレット置き場28から、パレット供給部26に出荷用パレット14が自動で供給されるようになっている。パレット供給部26は、段積みされた出荷用パレット14をばらして、次の搬送コンベア30に一枚ずつ供給する段ばらし機34も有している。
【0028】
パレット供給部26は、
図1に示すように、第2コンベア44の搬送方向に対して直交する方向に延設されるとともに、第2コンベア44から遠い側の端部が、出荷部22側に折れた略L字のラインとして構成されている。そして、その端部にパレット置き場28が連結されている。
【0029】
製品出荷ライン10は、さらに手入込コンベア36を有している。この手入込コンベア36は、パレット供給部26のうち、供給用チェーンコンベア46の隣に位置する搬送コンベア30を除く部分、及び、パレット置き場28の故障時に、パレット交換装置18へ出荷用パレット14を供給するためのものである。本実施形態では、
図1に示すように、供給用チェーンコンベア46の隣に位置する搬送コンベア30に対して出荷用パレット14を供給できるように、供給用チェーンコンベア46(第4ローラコンベア44a)の隣に位置する搬送コンベア30と、排出用チェーンコンベア42(第1ローラコンベア40a)の隣に位置する搬送コンベア30との間に設けられている。すなわち、後述する第2ローラコンベア40bの隣に設けられている。
【0030】
次に、パレット交換装置18について説明する。
【0031】
パレット交換装置18は、ストッパ38、第1コンベア40、排出用チェーンコンベア42、第2コンベア44、供給用チェーンコンベア46、積荷移動機構48、櫛歯プレート54、及び制御部56を備えている。
【0032】
第1コンベア40は、積荷16を載せた構内用パレット12をストッパ38まで搬送する。この第1コンベア40は、
図1及び
図2に示すように、製品搬入部20の搬送コンベア30に直結された第1ローラコンベア40aと、第1ローラコンベア40aに直結された第2ローラコンベア40bを有する。さらに、第1コンベア40は、
図2に示すように、第1ローラコンベア40aの直下に配置された第3ローラコンベア40cを有する。
【0033】
第1ローラコンベア40a及び第2ローラコンベア40bがともに正転すると、積荷16を載せた構内用パレット12は、ストッパ38まで搬送される。第2ローラコンベア40bは、正転だけでなく、逆転することもできる。また、第2ローラコンベア40bは、上昇下降可能に設けられており、上死点で第1ローラコンベア40aと直結し、下死点で第3ローラコンベア40cと直結するようになっている。第2ローラコンベア40bが下死点とされた状態で、第2ローラコンベア40b及び第3ローラコンベア40cがともに逆転すると、第2ローラコンベア40b上の構内用パレット12は、第3ローラコンベア40cまで搬送される。
【0034】
図2に示す排出用チェーンコンベア42は、積荷16を移した後の空状態の構内用パレット12を、第1コンベア40からパレット回収部24に排出する。この排出用チェーンコンベア42は、特許請求の範囲に記載の排出機構に相当する。排出用チェーンコンベア42は、第3ローラコンベア40cの直下に配置され、空状態の構内用パレット12をパレット回収部24に払い出す際に、第3ローラコンベア40cよりも上方であって第1ローラコンベア40aよりも下方の位置まで上昇する。そして、第3ローラコンベア40cは、第1コンベア40の搬送方向に直交する方向に構内用パレット12を搬送し、構内用パレット12は、パレット回収部24を構成する搬送コンベア30に払い出される。
【0035】
第2コンベア44は、第1コンベア40と搬送方向が同じとされ、出荷用パレット14を搬送する。この第2コンベア44は、
図1及び
図2に示すように、積荷16の搬送方向において、第2ローラコンベア40bの隣に配置されるとともに、パレット供給部26から供給される空状態の出荷用パレット14の待機部として機能する第4ローラコンベア44aを有する。さらに、第2コンベア44は、搬送方向を同じとして第4ローラコンベア44aに直結された第5ローラコンベア44bを有する。第4ローラコンベア44a及び第5ローラコンベア44bがともに正転すると、出荷用パレット14は、出荷部22に向けて搬送される。
【0036】
供給用チェーンコンベア46は、
図2に示すように、積荷16を載せる前の空状態の出荷用パレット14を、パレット供給部26の搬送コンベア30から、第2コンベア44の第4ローラコンベア44aに供給する。この供給用チェーンコンベア46は、特許請求の範囲に記載の供給機構に相当する。供給用チェーンコンベア46は、第4ローラコンベア44aの直下に配置されており、出荷用パレット14を第4ローラコンベア44aに移す際に、第4ローラコンベア44aよりも上方まで上昇する。そして、パレット供給部26の搬送コンベア30から送り出された出荷用パレット14を、第2コンベア44の搬送方向に直交する方向に搬送し、下降とともに第4ローラコンベア44aに載せ替えるようになっている。
【0037】
積荷移動機構48は、積荷16を押して、構内用パレット12から出荷用パレット14へ載せ替えるものである。この積荷移動機構48は、
図1及び
図3に示すように、実際に積荷16を押す部分であるプッシャ50と、原位置と完了位置との間でプッシャ50を往復動させるために、プッシャ50のスライドをガイドするガイドレール52を有している。それ以外にも図示しないモータ等を有している。
【0038】
上記した原位置は、ストッパ38に構内用パレット12が接触した状態における積荷16(構内用パレット12)の後端よりも、製品搬入部20側に設定される。一方、完了位置は、第5ローラコンベア44bにおいて、出荷用パレット14上に積荷16が完全に載り移った時点の位置である。プッシャ50は、原位置から完了位置まで移動して積荷16を押すとともに、積荷16を出荷用パレット14へ載せ替えた後は、完了位置から原位置に復帰する。
【0039】
また、プッシャ50は、幅方向に延びる板材乃至棒材を、その長手方向において2分割してなり、第1コンベア40及び第2コンベア44の搬送方向(積荷16の搬送方向)に直交する幅方向の両側にそれぞれ設けられている。また、各プッシャ50は、開閉可能に設けられている。各プッシャ50の長手方向は、開状態で搬送方向及び幅方向の両方向に直交する高さ方向に略平行とされ、閉状態で幅方向に略平行とされる。また、2本のプッシャ50は、その長さが互いに等しくされており、さらに閉状態において互いに連結されるようになっている。詳しくは、
図4に示すように、各プッシャ50は、それぞれの一端が互いに噛み合う凹凸形状をなしている。そして、互いに連結された閉状態で、プッシャ50は、第1コンベア40及び第2コンベア44を幅方向に跨ぎ、高さ方向において構内用パレット12よりも上方に位置する。したがってプッシャ50は、閉状態で積荷16を押すことができる。
【0040】
櫛歯プレート54は、荷崩れ等することなく、構内用パレット12から出荷用パレット14に積荷16を載せ替えるために、出荷用パレット14よりも積荷16との間に生じる摩擦力が小さくなるように設けられている。また、
図1及び
図2に示すように、櫛歯プレート54は、ストッパ38に隣接しつつ第4ローラコンベア44aの上方に配置されている。この櫛歯プレート54が、特許請求の範囲に記載の滑走部材に相当する。
【0041】
櫛歯プレート54は、搬送方向に延設された複数本の歯を有する櫛歯状をなしている。このように、櫛歯状とすると、積荷16との接触面積を小さくすることができる。また、櫛歯プレート54の表面は平滑とされ、積荷16との間の摩擦力が小さくなるようになっている。したがって、積荷16は、プッシャ50に押されつつ櫛歯プレート54の表面を滑走する。
【0042】
また、櫛歯プレート54は、ストッパ38に対して遠い先端側がストッパ38に近い後端側よりも薄くされ、先端側に積荷16が載ると撓むようになっている。この撓みにより、櫛歯プレート54から出荷用パレット14に対して、殆ど段差のない状態で積荷16を載せ替えることができる。
【0043】
制御部56は、
図5に示すように、光電センサ、近接センサなどのセンサ58の検出信号に基づいて、パレット交換装置18を構成する第1コンベア40、排出用チェーンコンベア42、第2コンベア44、供給用チェーンコンベア46、積荷移動機構48の作動を制御する。本実施形態では、制御部56が製品出荷ライン10の制御部として構成されており、制御部56は、各搬送コンベア30、段積み機32、段ばらし機34などの作動も制御する。
【0044】
次に、パレット交換装置18による積荷16の載せ替えについて、
図2(a)〜(h)を用いて説明する。
【0045】
図2(a)は、製品出荷ライン10が稼働し、最初の構内用パレット12がパレット交換装置18に搬入される状態を示している。プッシャ50は原位置とされ、且つ、開状態となっている。
図2(a)では、製品搬入部20の搬送コンベア30及び第1ローラコンベア40aの正転により、積荷16を載せた構内用パレット12が、搬送コンベア30から第1ローラコンベア40aに載り移る途中である。積荷16は、原位置に到達していない。
【0046】
第2ローラコンベア40bは、構内用パレット12が載る前に正転を開始する。そして、第2ローラコンベア40bの正転により、積荷16を載せた構内用パレット12はストッパ38側に搬送され、
図2(b)に示すように積荷16の後端が原位置を通過すると、プッシャ50が幅方向に倒れて閉状態となる。そして、プッシャ50は、
図2(c)に示すように、完了位置に向けて移動し、積荷16を押す。プッシャ50の移動は、構内用パレット12がストッパ38に接触(到達)した状態で、積荷16が構内用パレット12からストッパ38に乗り移るように制御される。このように、積荷16は、プッシャ50に押されることで、ストッパ38に当て止まった構内用パレット12から、ストッパ38を介して、櫛歯プレート54上に載り移る。
【0047】
なお、第2ローラコンベア40bに配置された構内用パレット12の上面、ストッパ38の上面、及び櫛歯プレート54の上面は、ほぼ面一の関係となっている。したがって、積荷16は、構内用パレット12から櫛歯プレート54にスムースに移動する。そして、
図2(d)に示すように、積荷16が櫛歯プレート54に完全に載り移る。
【0048】
プッシャ50に押された積荷16が、櫛歯プレート54上を先端側に移動すると、積荷16の重さにより櫛歯プレート54の先端側が下方に撓む。一方、積荷16が櫛歯プレート54上に載り移ると、プッシャ50の移動に同期して第4ローラコンベア44aが正転する。これにより、櫛歯プレート54から積荷16が押し出される時点で、出荷用パレット14の一部が第5ローラコンベア44b上に移動している。したがって、
図2(e)に示すように、撓んだ櫛歯プレート54の先端が出荷用パレット14の上面に接触し、第2コンベア44の正転にともなって搬送される出荷用パレット14上に、プッシャ50に押された積荷16が載り移る。
【0049】
一方、プッシャ50が積荷16を押すことで構内用パレット12が空状態となると、第2ローラコンベア40bは
図2(e)に示すように下降する。
図2(f)に示すように、第2ローラコンベア40bが下死点となり、第3ローラコンベア40cと直結されると、両コンベア40b,40cはともに逆転し、これにより、構内用パレット12は、第2ローラコンベア40bから第3ローラコンベア40cに搬送される。そして、第3ローラコンベア40c上に構内用パレット12が載り移ると、第2ローラコンベア40b及び第3ローラコンベア40cの回転が停止し、第3ローラコンベア40c上に構内用パレット12が保持される。
【0050】
すると、
図2(g)に示すように、排出用チェーンコンベア42が上昇し、構内用パレット12を持ち上げる。そして、排出用チェーンコンベア42が回転して、パレット回収部24の搬送コンベア30に対し、空状態の構内用パレット12を払い出す。構内用パレット12を払い出すと、排出用チェーンコンベア42は、
図2(h)に示すように、上昇前の元の位置に下降する。
【0051】
図2(f)に示すように、積荷16が出荷用パレット14に完全に載り移ると、
図2(f)に示すように、櫛歯プレート54は、弾性変形状態から元に戻る。また、
図2(g)に示すように、倒れていたプッシャ50が立ち上がって開状態となり、この開状態でプッシャ50は原位置に戻る。
【0052】
また、第3ローラコンベア40c上に構内用パレット12が載り移ると、
図2(g)に示すように、第2ローラコンベア40bは上死点に向けて上昇する。次の積荷16を載せた構内用パレット12は、
図2(f),(g)に示すように、製品搬入部20の搬送コンベア30及び第1ローラコンベア40aの正転により搬送される。第2ローラコンベア40bが上死点に戻り、正転するまで、次の積荷16を載せた構内用パレット12は、第1ローラコンベア40aにて待機する。そして、第2ローラコンベア40bが上死点に達し、第1ローラコンベア40aに直結されて正転すると、次の積荷16を載せた構内用パレット12は、
図2(h)に示すように、第2ローラコンベア40bによりストッパ38に向けて搬送される。
【0053】
なお、第1ローラコンベア40aにて次の積荷16を載せた構内用パレット12が待機するよりも早く、第2ローラコンベア40bが上死点に戻って正転する場合には、第1ローラコンベア40aにて待機することなく、ストッパ38まで搬送される。
【0054】
ここで、プッシャ50は、開状態で完了位置から原位置に復帰する。したがって、プッシャ50が原位置に戻る前に、積荷16が原位置を通過することができる。換言すれば、積荷16の搬送とプッシャ50の復帰とを交差させることができる。
【0055】
また、プッシャ50は原位置に復帰したあとも、積荷16が原位置を通過するまでは開状態を維持する。したがって、積荷16が原位置を通過するよりも先に、プッシャ50が原位置に戻る場合には、プッシャ50に接触すること無く、積荷16が原位置を通過することができる。そして、上記した
図2(b)〜
図2(h)が切り返し実行される。
【0056】
次に、本実施形態に係るパレット交換装置18の効果について説明する。
【0057】
本実施形態では、プッシャ50により押すことで、構内用パレット12から出荷用パレット14へ積荷16を載せ替えるスライド方式を採用している。このようにスライド方式を採用するため、クランプ方式に較べて構成を簡素化することができる。また、スライド方式を採用しながらも、構内用パレット12から出荷用パレット14に直接載せ替えるのではなく、出荷用パレット14よりも積荷16との摩擦力が小さい櫛歯プレート54を介して載せ替える。したがって、サイクルタイムを短縮しても、荷崩れや損傷が生じるのを抑制することができる。すなわち、サイクルタイムを短縮することができる。
【0058】
特に第2パレットとして採用する出荷用パレット14は、トラックなどによる搬送時の荷崩れ等を防ぐために、積荷16との間に生じる摩擦力が非常に大きい。しかしながら、櫛歯プレート54を介して載せ替えるため、サイクルタイムを短縮しても、荷崩れや損傷が生じるのを抑制することができる。
【0059】
また、プッシャが2分割されておらず、閉状態しかとることができないと、プッシャが原位置に戻り、その上でプッシャが下降するか、コンベアが上昇した状態となってから、積荷を載せた第1パレットが原位置を通過することとなる。これに対し、本実施形態によれば、プッシャ50が幅方向において2分割されており、完了位置から原位置まで復帰させ、且つ、原位置を次の積荷16が通過するまでは開状態とされる。したがって、積荷16の搬送とプッシャ50の復帰とを交差させることができるため、サイクルタイムをさらに短縮することができる。
【0060】
また、閉状態のプッシャ50により積荷16を押して載せ替えるので、エア方式に較べて、重い積荷16についても載せ替えることができる。例えば100kg以上の積荷16を載せ替えることもできる。また、プッシャ50により積荷16を押すので、
図6に示すように、同一の構内用パレット12に積荷16として複数の通い箱16aを載せた状態でも、出荷用パレット14に載せ替えることができる。さらには、
図6に示すように複数種類の通い箱16aを積荷16として載せた状態でも、出荷用パレット14に載せ替えることができる。また、エア方式のように、構内用パレット12ごとにカバーなどを被せる必要がないため、構成を簡素化することができる。なお、
図6に示すように、結束バンド60によって複数の通い箱16aを固定すると、積荷16の安定感を増すことができる。
【0061】
以上により、短いサイクルタイムを簡素な構成で実現しつつ、従来よりも汎用性を高くすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、滑走部材として櫛歯プレート54を採用している。これによれば、平板状の滑走部材に較べて、積荷16との接触面積を減らし、積荷16を滑走させやすくすることができる。また、櫛歯状とすることで、積荷16の重みにより撓みやすくなるため、滑走部材から出荷用パレット14への載せ替えを容易とすることができる。しかしながら、滑走部材としては櫛歯状(櫛歯プレート54)に限定されるものではない。例えば平板状の滑走部材を採用することもできる。
【0063】
また、本実施形態では、上記に加えて、幅方向両側のプッシャ50の長さを、互いにほぼ等しくしている。したがって、一方(長い方の)のプッシャ50に荷重が偏るのを抑制することができる。すなわち、プッシャ50の折曲を抑制することができる。しかしながら、プッシャ50の長さを異ならせた構成とすることもできる。
【0064】
さらに本実施形態では、閉状態でプッシャ50同士を連結するため、プッシャ50の折曲をより効果的に抑制することができる。しかしながら、閉状態で、プッシャ50同士を連結されない、例えばプッシャ50の間に所定の間隙がある構成とすることもできる。
【0065】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0066】
製品出荷ライン10において、パレット交換装置18を除く部分の構成は、上記例に限定されるものではない。例えば、手入込コンベア36を有さない構成としても良い。
【0067】
また、パレット交換装置18の構成も上記例に限定されるものではない。例えば第4ローラコンベア44aの隣に位置する搬送コンベア30と、第1ローラコンベア40aの隣に位置する搬送コンベア30との間に、手入込コンベア36を有さない場合には、排出用チェーンコンベア42のある位置まで、ストッパ38から構内用パレット12を戻さなくても良い。したがって、例えば
図7に示すように、第1コンベア40として第1ローラコンベア40aのみを有する構成としても良い。
図7では、第1ローラコンベア40aの直下に排出用チェーンコンベア42が配置され、第1ローラコンベア40aが下降するか、排出用チェーンコンベア42が上昇することで、排出用チェーンコンベア42により構内用パレット12が払い出されるようになっている。
【0068】
第1パレットとして構内用パレット12、第2パレットとして出荷用パレット14の例を示したが、それ以外の組み合わせにも適用することができる。