(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070579
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】かご側前垂れ及びかご側前垂れ改修方法
(51)【国際特許分類】
B66B 13/28 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
B66B13/28 D
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-4344(P2014-4344)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-131710(P2015-131710A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年10月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】浦田 大吉
【審査官】
今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−264809(JP,A)
【文献】
実開平06−056073(JP,U)
【文献】
特開2004−099183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00 − 13/30
B66B 11/00 − 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成され、上端部に取付具を備え、下端部にはエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴に左右方向において対応した位置に第1取付穴が形成され、当該上端部が前記取付具により前記前梁の前面に取り付けられる第1前垂れと、
板状に形成され、上端部に第2取付穴が形成され、当該上端部が前記第1前垂れの下端部に取り付けられる第2前垂れと、
前記第1取付穴及び前記第2取付穴を介して前記第1前垂れに前記第2前垂れを取り付ける連結固定具と、
を備え、
前記第2前垂れは、前記第1前垂れが設けられる以前には、前記前梁取付穴及び前記第2取付穴を介して既設固定具により前記前梁の前面に取り付けられていた既設の部材であるかご側前垂れ。
【請求項2】
前記連結固定具は、前記既設固定具である請求項1に記載のかご側前垂れ。
【請求項3】
前記第1前垂れは、前記第1取付穴が形成された下端部が前記取付具を備えた上端部と平行かつ当該上端部よりも後方に位置するように形成され、
前記第2前垂れは、前記第1前垂れの下端部の前面に重なるように取り付けられる請求項1又は2に記載のかご側前垂れ。
【請求項4】
板状に形成され、上端部に取付具を備え、下端部にはエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴に左右方向において対応した位置に第1取付穴が形成され、当該上端部が前記取付具により前記前梁の前面に取り付けられる第1前垂れと、
板状に形成され、上端部に第2取付穴が形成され、当該上端部が前記第1前垂れの下端部に取り付けられる第2前垂れと、
前記第1取付穴及び前記第2取付穴を介して前記第1前垂れに前記第2前垂れを取り付ける連結固定具と、
を備え、
前記前梁は、前面が開放されて形成され、左右方向から見た断面がC形状を呈し、
前記取付具は、
前記第1前垂れに設けられ、下向きの鉤状に形成され、前記前梁の開放された前面の下部に支持される第1取付部材と、
前記第1前垂れに設けられ、前記前梁の開放された前面の上部に支持される第2取付部材と、
を備えたかご側前垂れ。
【請求項5】
前記第2取付部材は、上向きの鉤状に形成され、前記第1前垂れに対して上下方向の位置を調整可能に設けられた請求項4に記載のかご側前垂れ。
【請求項6】
一端部が前記かご床に接続され、他端部が前記第1前垂れの下端部の後面に接続される支持具を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載のかご側前垂れ。
【請求項7】
前記支持具の前記他端部は、前記連結固定具により前記第1前垂れの下端部の後面に接続された請求項6に記載のかご側前垂れ。
【請求項8】
上端部に形成された第2取付穴及びエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴を介して既設固定具により前記前梁の前面に取り付けられている既設の第2前垂れを取り外すステップと、
下端部に第1取付穴が形成された第1前垂れの上端部を前記前梁の前面に取り付けるステップと、
前記前梁の前面から取り外された前記第2前垂れの上端部を前記第2取付穴及び前記第1取付穴を介して連結固定具により前記第1前垂れの下端部に取り付けるステップと、
を備えたかご側前垂れ改修方法。
【請求項9】
前記連結固定具は、前記既設固定具である請求項8に記載のかご側前垂れ改修方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、かご側前垂れ及びかご側前垂れ改修方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、エレベータのかご側前垂れが記載されている。このかご側前垂れは、上部パネル及び下部パネルを備えている。上部パネルは、正面からボルト等でかご床に固定されている。下部パネルは、左右方向から取り付けられたガイドボルトにより上部パネルと連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−197103号公報
【特許文献2】実開昭62−157870号公報
【特許文献3】実開昭59−192585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のかご側前垂れにおいて、下部パネルは、かご床に直接取り付けられるように形成されたものではない。このため、かご側前垂れを特許文献1に記載のものに改修する際に、既設のかご側前垂れとしてかご床に取り付けられていた部材を下部パネルとして流用することができない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされた。その目的は、既設の部材を流用して構成できるかご側前垂れを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るかご側前垂れは、板状に形成され、上端部に取付具を備え、下端部にはエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴に左右方向において対応した位置に第1取付穴が形成され、当該上端部が取付具により前梁の前面に取り付けられる第1前垂れと、板状に形成され、上端部に第2取付穴が形成され、当該上端部が第1前垂れの下端部に取り付けられる第2前垂れと、第1取付穴及び第2取付穴を介して第1前垂れに第2前垂れを取り付ける連結固定具と、を備え
、第2前垂れは、第1前垂れが設けられる以前には、前梁取付穴及び第2取付穴を介して既設固定具により前梁の前面に取り付けられていた既設の部材である。
また、本発明に係るかご側前垂れは、板状に形成され、上端部に取付具を備え、下端部にはエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴に左右方向において対応した位置に第1取付穴が形成され、当該上端部が取付具により前梁の前面に取り付けられる第1前垂れと、板状に形成され、上端部に第2取付穴が形成され、当該上端部が第1前垂れの下端部に取り付けられる第2前垂れと、第1取付穴及び第2取付穴を介して第1前垂れに第2前垂れを取り付ける連結固定具と、を備え、前梁は、前面が開放されて形成され、左右方向から見た断面がC形状を呈し、取付具は、第1前垂れに設けられ、下向きの鉤状に形成され、前梁の開放された前面の下部に支持される第1取付部材と、第1前垂れに設けられ、前梁の開放された前面の上部に支持される第2取付部材と、を備えたものである。
【0007】
本発明に係るかご側前垂れ改修方法は、上端部に形成された第2取付穴及びエレベータのかご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴を介して既設固定具により前梁の前面に取り付けられている既設の第2前垂れを取り外すステップと、下端部に第1取付穴が形成された第1前垂れの上端部を前梁の前面に取り付けるステップと、前梁の前面から取り外された第2前垂れの上端部を第2取付穴及び第1取付穴を介して連結固定具により第1前垂れの下端部に取り付けるステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るかご側前垂れにおいて、第1前垂れの下端部には、かご床の前梁の前面に形成された前梁取付穴に対応した位置に第1取付穴が形成されている。このため、既設の部材を流用してかご側前垂れを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1におけるかご側前垂れの正面図である。
【
図2】本発明の実施の形態1におけるかご側前垂れの縦断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態1におけるかご側前垂れの取付方法を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施の形態2におけるかご側前垂れを示す縦断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態3におけるかご側前垂れを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
【0011】
図1は、本実施の形態におけるかご側前垂れの正面図である。
図1は、エレベータの乗場側から見たかご側前垂れの状態を示している。
図1において、紙面手前側は前方、紙面奥側は後方である。
【0012】
かご1のかご床の前側には、前梁2が設けられている。前梁2の前面の上部には、2つの前梁取付穴が形成されている。前梁取付穴は、前梁2の前面を前後方向に貫通して形成されている。2つの前梁取付穴は、上下方向において同じ高さに位置している。かご側前垂れは、前梁2に取り付けられている。かご側前垂れは、前梁2の前面から下方に延びるように設けられている。かご側前垂れは、第1前垂れ3及び第2前垂れ4を備えている。
【0013】
第1前垂れ3は、板状に形成されている。第1前垂れ3は、第2前垂れ4よりも上下方向に長く形成されている。第1前垂れ3の上端部には、長穴5が形成されている。長穴5は、上下方向に長く形成されている。長穴5は、第1前垂れ3の左端付近及び右端付近に1つずつ形成されている。長穴5は、左右方向において、前梁取付穴に対応した位置に形成されている。2つの長穴5は、上下方向において同じ高さに位置している。
【0014】
第1前垂れ3は、上端部に取付具6を備えている。取付具6は、第1取付部材6a及び第2取付部材6bを備えている。第1取付部材6aは、長穴5の下方に固定されている。第1取付部材6aは、第1前垂れ3の左端付近及び右端付近に1つずつ形成されている。第1取付部材6aは、左右方向において、前梁取付穴に対応した位置に設けられている。2つの第1取付部材6aは、上下方向において同じ高さに位置している。第2取付部材6bは、長穴5に沿って移動可能に設けられている。第2取付部材6bは、長穴5が形成されている範囲で、第1前垂れ3に対して固定可能に設けられている。つまり、第2取付部材6bは、第1前垂れ3に対して上下方向の位置を調整可能に設けられている。第2取付部材6bは、第1前垂れ3の左端付近及び右端付近に1つずつ形成されている。第2取付部材6bは、左右方向において、前梁取付穴に対応した位置に設けられている。
【0015】
第1前垂れ3の下端部には、第1取付穴7が形成されている。第1取付穴7は、第1前垂れ3を前後方向に貫通して形成されている。第1取付穴7は、第1前垂れ3の左端付近及び右端付近に1つずつ形成されている。第1取付穴7は、左右方向において、前梁取付穴に対応した位置に形成されている。2つの第1取付穴7は、上下方向において同じ高さに位置している。
【0016】
第2前垂れ4は、板状に形成されている。第2前垂れ4の左右方向の長さは、第1前垂れ3と同じである。第2前垂れ4の上端部には、第2取付穴8が形成されている。第2取付穴8は、第2前垂れ4を前後方向に貫通して形成されている。第2取付穴8は、第2前垂れ4の左端付近及び右端付近に1つずつ形成されている。第2取付穴8は、左右方向において、前梁取付穴に対応した位置に形成されている。第2取付穴8は、左右方向において、第1取付穴7に対応した位置に形成されている。2つの第2取付穴8は、上下方向において同じ高さに位置している。第2前垂れ4は、上端部が第1前垂れ3の下端部に重なるように設けられている。第2取付穴8は、前後方向から見て第1取付穴7と重なっている。
【0017】
かご側前垂れは、連結固定具9を備えている。1つの連結固定具9は、前方から見て重なる第1取付穴7及び第2取付穴8に取り付けられている。つまり、連結固定具9により、第1前垂れ3の下端部に第2前垂れ4の上端部が取り付けられている。連結固定具9は、例えば、ネジ及びナット等である。
【0018】
図2は、本実施の形態におけるかご側前垂れの縦断面図である。
図2は、
図1に示すかご側前垂れのA−A断面を示している。
図2において、右側は前方、左側は後方である。
【0019】
かご1の下方には、かご床10が設けられている。前梁2は、かご床10の前方に設けられている。前梁2は、前面の上下方向における中央部が開放されて形成されている。前梁2は、前面の上部、上面、後面、下面及び前面の下部を備えた中空の部材である。前面の上部及び前面の下部は、前後方向における位置が同じである。このため、左右方向から見た前梁2の断面は、C形状を呈している。前梁取付穴は、前梁2の前面の上部に形成されている。
【0020】
取付具6は、第1前垂れ3の後面側において、鉤状に形成されている。第1取付部材6aは、下向きの鉤状に形成されている。第1取付部材6aは、前梁2の開放された前面の下部に支持されている。第2取付部材6bは、上向きの鉤状に形成されている。第2取付部材6bは、前梁2の開放された前面の上部に支持されている。このようにして、第1前垂れ3が前梁2に支持されている。取付具6は、例えば、ネジに取り付けられた鉤状のクリップ等である。この場合、第2取付部材6bは、ネジによって第1前垂れ3に固定される。
【0021】
第1前垂れ3は、上下方向における中央よりも下側で屈曲されて形成されている。第1前垂れ3は、下端部が上端部よりも後方に位置するように屈曲されている。第1前垂れ3は、下端部と上端部とが平行になるように屈曲されている。つまり、第1前垂れ3は、2箇所で逆向きに屈曲されている。このため、左右方向から見た第1前垂れ3の断面は、Z形状を呈している。第1前垂れ3は、前後方向における上端部と下端部との間隔が第2前垂れ4の厚み程度となるように屈曲されている。第1取付穴7は、第1前垂れ3の下端部において、上側寄りの位置に形成されている。
【0022】
第2前垂れ4は、下端部が後方に屈曲されて形成されている。第2前垂れ4は、上端部の後面が第1前垂れ3の下端部の前面に重なるように設けられている。第2前垂れ4は、第1取付穴7及び第2取付穴8を介して、連結固定具9により第1前垂れ3に取り付けられている。例えば、連結固定具9がネジ及びナットである場合、1つのネジが前方から第2取付穴8、第1取付穴7、ナットの順に挿入されることで、第2前垂れ4が第1前垂れ3に固定される。
【0023】
図3は、本実施の形態におけるかご側前垂れの取付方法を示す模式図である。
図3では、長穴5が形成されている範囲を斜線で示している。以下、
図3を参照して、取付具6により第1前垂れ3を前梁2に取り付ける方法を説明する。
【0024】
まず、(a)に示すように、第1取付部材6aを前梁2の前面の下部に引っ掛ける。このとき、第2取付部材6bは、長穴5の下端側に位置している。次に、(b)に示すように、第1前垂れ3を前梁2の前面の上部に押し当てる。そして、(c)に示すように、第1前垂れ3を(b)の状態に維持したまま、第2取付部材6bを長穴5の上端側に移動させる。その後、前梁2の前面の上部に引っ掛けた状態で、第2取付部材6bを第1前垂れ3に固定する。このようにして、第1前垂れ3が前梁2に取り付けられる。
【0025】
本実施の形態では、第2前垂れ4の上端部には、左右方向において前梁取付穴に対応した位置に第2取付穴8が形成されている。つまり、第2前垂れ4は、前梁取付穴及び第2取付穴8を介して、既設固定具により前梁2の前面に取り付け可能な部材である。既設固定具は、例えば、連結固定具9と同形状の別部材である。このため、既設のかご側前垂れとして前梁2に取り付けられていた部材をそのまま第2前垂れ4として流用することができる。つまり、本実施の形態によれば、既設の部材を流用してかご側前垂れを構成することができる。その結果、例えば、既設のかご側前垂れを上下方向に長いものに改修する場合に、廃材を減らすことができる。
【0026】
既設のかご側前垂れの改修方法の一例を説明する。第1ステップでは、前梁取付穴及び第1取付穴7を介して既設固定具により前梁2の前面に取り付けられている既設の第2前垂れ4を取り外す。第2ステップでは、下端部に第2取付穴8が形成された第1前垂れ3の上端部を取付具6により前梁2の前面に取り付ける。第3ステップでは、第1ステップで取り外された第2前垂れ4の上端部を第1取付穴7及び第2取付穴8を介して連結固定具9により第1前垂れ3の下端部に取り付ける。既設固定具と連結固定具9とが同形状である場合は、既設固定具をそのまま連結固定具9として流用することができる。なお、第2ステップと第3ステップは、互いに順序を入れ替えてもよい。
【0027】
本実施の形態では、第1前垂れ3は、第2取付穴8が形成された下端部が取付具6を備えた上端部と平行かつ当該上端部よりも後方に位置するように形成されている。第1前垂れ3は、前後方向における上端部と下端部との間隔が第2前垂れ4の厚み程度となるように屈曲されている。第2前垂れ4は、上端部の後面が第1前垂れ3の下端部の前面に重なるように設けられている。このため、第2前垂れ4の前面は、第1前垂れ3の前面と面一になっている。これにより、かご側前垂れの前面における凹凸を最小限に抑えることができる。
【0028】
本実施の形態では、前梁2は、前面が開放されて形成されている。前梁2は、左右方向から見た断面がC形状を呈している。第1取付部材6aは、下向きの鉤状に形成されている。第1取付部材6aは、前梁2の開放された前面の下部に支持される。第2取付部材6bは、前梁2の開放された前面の上部に支持される。本実施の形態によれば、第1取付部材6aを前梁2の前面の下部に引っ掛けることで、第1前垂れ3を支持できる。このため、かご側前垂れを着脱する際に、第1前垂れ3を支持する役割の作業者は必要ない。その結果、2人作業の必要性をなくし、かご側前垂れの着脱作業を効率化することができる。
【0029】
本実施の形態では、第2取付部材6bは、上向きの鉤状に形成されている。第2取付部材6bは、第1前垂れ3に対して上下方向の位置を調整可能に設けられている。本実施の形態によれば、連結固定具9を使用せずに第1前垂れ3を前梁2に取り付けることができる。このため、例えば、既設のかご側前垂れを改修する際に、前梁2に新たな前梁取付穴を形成する必要がない。その結果、かご側前垂れの改修作業を効率化することができる。
【0030】
実施の形態2.
図4は、本実施の形態におけるかご側前垂れを示す縦断面図である。以下、実施の形態1と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
本実施の形態において、かご側前垂れは、支持具11を備えている。支持具11は、細長い棒状又は板状に形成されている。支持具11は、かご床10と第1前垂れ3との間に斜めに設けられている。支持具11の一端部は、かご床10に接続されている。支持具11の他端部には、前後方向に貫通した図示しない支持具取付穴が形成されている。支持具11の他端部は、連結固定具9により第1前垂れ3の下端部の後面に接続されている。例えば、連結固定具9がネジ及びナットである場合、1つのネジが前方から第2取付穴8、第1取付穴7、支持具取付穴、ナットの順に挿入されることで、支持具11が第1前垂れ3に固定される。つまり、支持具11の他端部は、左右方向において、第1取付穴7及び第2取付穴8に対応した位置に接続されている。このため、支持具11は、第1前垂れ3の左端付近及び右端付近に1本ずつ接続されている。
【0032】
本実施の形態によれば、かご側前垂れは、支持具11を介してかご床10に支持される。このため、かご側前垂れの強度を向上することができる。その結果、例えば、かご1の昇降に伴うかご側前垂れの揺れを抑制できる。また、支持具11は、連結固定具9を利用して第1前垂れ3に接続されている。このため、簡単な構成でかご側前垂れを補強することができる。
【0033】
実施の形態3.
図5は、本実施の形態におけるかご側前垂れを示す縦断面図である。以下、実施の形態2と同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
第1前垂れ3は、支持具取付部12を備えている。支持具取付部12は、第1前垂れ3の下端部の後面に形成されている。支持具取付部12は、第1取付穴7よりも下方に形成されている。支持具取付部12は、第1前垂れ3と一体に形成されている。支持具取付部12は、例えば、第1前垂れ3の下端部に切れ込みを入れて後方へ屈曲させることで形成される。支持具取付部12は、左右方向において任意の位置に形成可能である。支持具11の一端部は、かご床10に接続されている。支持具11の他端部は、支持具取付部12に接続されている。
【0035】
本実施の形態によれば、かご側前垂れは、支持具取付部12に接続された支持具11を介してかご床10に支持される。支持具取付部12は、第1取付穴7よりも下方の位置で第1前垂れ3と一体に形成されている。このため、かご側前垂れをより安定的に支持することができる。また、支持具取付部12は、左右方向において任意の位置に形成可能である。このため、必要に応じて、支持具取付部12の数及び位置を選択することができる。
【0036】
本発明において、取付具6は、第1取付部材6a及び第2取付部材6bの一方の代わりにネジ及びナット等を備えたものでもよい。この場合、より簡単な構成で、既設の部材を流用してかご側前垂れを改修することができる。
【0037】
本発明において、第1前垂れ3は、第1取付部材6a及び第2取付部材6bを備えなくともよい。例えば、第1前垂れ3は、前梁取付穴及び長穴5を介してネジ及びナット等により前梁2の前面の上部に取り付けられてもよい。この場合、より簡単な構成で、既設の部材を流用してかご側前垂れを改修することができる。また、第1前垂れ3は、前梁2の前面の上部及び下部の双方に対してネジ及びナット等により固定されてもよい。この場合、より安定的にかご側前垂れを前梁2に取り付けることができる。
【0038】
本発明に係るかご側前垂れは、上昇時のかご1が乗場側出入口の上枠とかご1内の床面との垂直距離が100cm以上となる位置に停止したとき、第2前垂れ4の下端部における屈曲の開始点から乗場の床面までの垂直距離が11cm以下となるように形成されている。
【符号の説明】
【0039】
1 かご、2 前梁、3 第1前垂れ、4 第2前垂れ、5 長穴、6 取付具、6a 第1取付部材、6b 第2取付部材、7 第1取付穴、8 第2取付穴、9 連結固定具、10 かご床、11 支持具、12 支持具取付部