(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Aピラー部、ドアミラー部、Cピラー部、を含む車両形状を検出する車形検知部を備え、被洗浄車両の側面をブラッシングするサイドブラシを用いて被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機の洗車方法であって、
前記サイドブラシは、被洗浄車両の幅方向に移動可能で当該幅方向に相当する左右方向および前後方向に傾動可能で且つ回転可能に支持され、前記サイドブラシを回転させながら被洗浄車両の側面を前方のボンネット部からAピラー部、ドアミラー部、Cピラー部、と後方に向けてブラッシングしていくと共に、
前記サイドブラシは、ドアミラー部を経過するまでは、前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部を経過した後に、サイドブラシの上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位し、ドアミラー部とCピラー部との間は、第1傾斜姿勢を維持してブラッシングすることを特徴とする洗車方法。
前記サイドブラシは、Aピラー部からCピラー部の前までは車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向でブラッシングし、Cピラー部に到達する前に第1回転方向とは逆の第2回転方向に変更してその後のブラッシングを続行することを特徴とする請求項1に記載の洗車方法。
前記サイドブラシは、Cピラー部経過後に第1傾斜姿勢から前後方向正立状態に戻ると共に、この姿勢変位時には前記相対移動の速度を高速にすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗車方法。
前記サイドブラシがCピラー部をブラッシングする際には、前記サイドブラシの傾斜姿勢を、検出されたCピラー部の傾斜角度に合致した傾斜角度に調整することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の洗車方法。
【背景技術】
【0002】
従来、洗車に使用される洗車機としては、給油所などに設置されて、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両に貯液タンクに貯留された液剤や洗浄水を噴射して、また、ブラッシングして洗車を行う構成とされる門型洗車機が知られている。
【0003】
従来の門型洗車機の洗車方法は、先ず、洗浄水を用いて汚れを落とし、次いでシャンプーなどの液剤を用いて洗浄し、さらに洗浄水を用いて水洗いする洗浄工程を実施する。この洗浄工程の後で、各送風ノズルから送風して乾燥する乾燥工程が行われる。また、必要に応じてワックスや撥水コートなどの液剤塗布工程を適宜組み合わせて洗車を行う。また、複数の洗車モードから所望のモードを選択し、使用する液剤の種類を選択して所定の洗車モードに設定する操作パネルやリモートパネルを備えている。操作パネルは洗車機本体に配設しているが、リモートパネルは洗車機本体から離れた位置に設置して、このリモートパネルと操作パネルとを電気的に接続して、リモートパネルに設定された洗車モードにより、洗車機を駆動可能にしている。
【0004】
上記した洗車機においては、被洗浄車両の側面をブラッシングするためのサイドブラシと上面をブラッシングするためのトップブラシと、ブラッシング洗浄した後で乾燥するためのサイド送風ノズルとトップ送風ノズルを備えているものが知られている。また、サイドブラシやトップブラシを被洗浄車両に軽く当接させた状態でブラッシング洗浄するために、例えば、左右一対のサイドブラシを左右方向に移動可能(開閉可能)に支持し、トップブラシを上下に昇降可能に支持して、それぞれのブラシと車体との反発バランスにより、ブラシ位置を車体表面から一定距離に保つようにしている。また、それぞれのブラシを回転駆動するモータの電流値を検知し、この電流値を所定範囲内に抑制するように開閉移動もしくは昇降移動制御することにより、被洗浄車両の形状に沿って洗浄することが行われている。
【0005】
また、被洗浄車両の側面を洗浄するサイドブラシを用いて被洗浄車両の前面や後面を洗浄することも一般に行われている。そのために、被洗浄車両の傾斜した前面や後面を良好に洗浄するために、サイドブラシは前後方向に傾斜可能に構成されている。すなわち、このような洗車機に備えるサイドブラシは、車両の左右方向に加えて前後方向にも移動自在とされている。
【0006】
サイドブラシを用いて洗浄する際には、車体表面から突出して装着されているドアミラーやフェンダーポールやリヤミラーなどの装備品を傷付けることなく洗車するために、種々の工夫がなされている。例えば、車形検出センサを設けてこの車形検出センサが突出した装備品を検出すると、その位置でのブラシの回転数を低速にしているものがある。また、車形検出センサにより検出された装備品部分を退避するように移動させてブラシを直接当接させないようにしているものもある。
【0007】
また、洗い残しを生じずに良好に洗車するための洗車方法が模索されており、例えば、被洗浄車両のドアミラー周辺を洗い残しなくブラッシングするために、車形検出センサにより検出したドアミラー部ではサイドブラシを前後方向に傾斜して、ドアミラーの上方および下方をブラッシングする洗車方法が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、被洗浄車両の側面を洗い残しを生じずに良好に洗車するためには、ドアミラー部でサイドブラシを前後方向に傾斜してブラッシングするだけでは、十分とは言えない。例えば、フロントガラスの枠体であり乗車領域の前部枠体を形成するAピラー部や、リヤガラスの枠体であるCピラー部などの曲面部を洗い残しなく良好に洗浄する場合には、さらなる工夫が必要となる。また、ドアミラー部を傾斜した状態で洗浄する際に、ドアミラー部を回避させる構成では、サイドブラシの回避範囲が大きくなってしまい、結果として洗い残しが生じて問題となる。
【0010】
また、車幅から突出して装着されるバイザー(サイドウインドウバイザー)などがある場合には、このバイザー内側などに洗い残しが生じない新たな工夫も必要となる。さらに、曲面部やバイザー内側に洗い残しが生じないだけでなく、洗車時間が長くならず洗車効率が悪化しない洗車方法であることが求められる。
【0011】
そのために、給油所などに設置されて、効率良く、また、良好に洗車することが求められる洗車機の洗車方法は、Aピラー部やCピラー部を良好に洗浄できると共にサイドウインドウバイザー部も良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄を行う洗車方法であることが望まれる。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み、車両の側面をブラッシングするサイドブラシを備える洗車機において、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、Aピラー部、ドアミラー部、Cピラー部、を含む車両形状を検出する車形検知部を備え、被洗浄車両の側面をブラッシングするサイドブラシを用いて被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機の洗車方法であって、前記サイドブラシは、被洗浄車両の幅方向に移動可能で当該幅方向に相当する左右方向および前後方向に傾動可能で且つ回転可能に支持され、前記サイドブラシを回転させながら被洗浄車両の側面を前方のボンネット部からAピラー部、ドアミラー部、Cピラー部、と後方に向けてブラッシングしていくと共に、前記サイドブラシは、ドアミラー部を経過するまでは、前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部を経過した後に、サイドブラシの上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位し、ドアミラー部とCピラー部との間は、第1傾斜姿勢を維持してブラッシングすることを特徴としている。
【0014】
この構成によると、ドアミラー部を経過した後に、サイドブラシを前側に傾倒させてブラッシングするので、ドアミラー部を回避する場合には、所定の回避範囲でよく、ミラー部の上にあるAピラー部を洗い残しなく洗浄することもできる。また、ドアミラー部とCピラー部との間は、上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢によりブラッシングするので、ドア部やサイドウインドウバイザー部などを斜め方向にブラッシングすることにより突出部の外側もしくは内側を良好に洗浄できて、洗車効果を向上させることができる。従って、本発明によれば、Aピラー部とCピラー部との間のドア部やサイドウインドウバイザー部が良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【0015】
また本発明は、上記構成の洗車方法において、前記サイドブラシは、Aピラー部からCピラー部の前までは車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向でブラッシングし、Cピラー部に到達する前に第1回転方向とは逆の第2回転方向に変更してその後のブラッシングを続行することを特徴としている。この構成によると、ドアミラーの近傍にあるAピラー部は車両の前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向により洗浄を行うので、Aピラー部を洗い残すことなく良好に洗浄できる。ドアミラー部とCピラー部との間のドア部やサイドウインドウバイザー部などは、下方から上方に向けてブラッシングすることにより下方に開口した把手部や屋根部の内側を洗浄できる。また、Cピラー部は第1回転方向とは逆の後方から前方に向けてブラッシングするので、Cピラー部の曲面部を良好に洗浄できる。従って、本発明によれば、Aピラー部やCピラー部を良好に洗浄できると共にドア部やサイドウインドウバイザー部も良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【0016】
また本発明は、上記構成の洗車方法において、前後方向正立状態から第1傾斜姿勢に変位する間は相対移動の速度を低速にすることを特徴としている。この構成によると、傾斜変位部の洗浄性を確保できる。
【0017】
また本発明は、上記構成の洗車方法において、Cピラー部経過後に第1傾斜姿勢から前後方向正立状態に戻ると共に、この姿勢変位時には相対移動の速度を高速にすることを特徴としている。この構成によると、洗浄時間を短縮することができる。また、Cピラー部経過後はトランク部であって、サイドブラシの上部には被洗浄体はなく下部のみにあるので、洗浄性は悪化しない。
【0018】
また本発明は、上記構成の洗車方法において、Cピラー部をブラッシングする際には、検出されたCピラー部の傾斜角度に合致した傾斜角度に調整することを特徴としている。この構成によると、トランク部を備えた形式の車両ではCピラー部を良好に洗浄でき、トランク部を備えていない形式の車両では、Cピラー部を良好に洗浄できることに加えて傾斜したリヤウインドウ部をも良好に洗浄することができる。
【0019】
また本発明は、上記構成の洗車方法において、Cピラー部経過後には、傾斜姿勢を解除して前後方向正立状態に戻ることを特徴としている。この構成によると、車両の後面部を正立状態のサイドブラシを用いてブラッシングして、良好な洗浄性を発揮する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、サイドブラシを用いて被洗浄車両を洗車する際に、ドアミラー部を経過するまでは、前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部を経過した後に、サイドブラシの上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位し、ドアミラー部とCピラー部との間は、第1傾斜姿勢を維持してブラッシングする構成としたので、ドアミラー部の回避範囲を大きくせず、ドアミラー部の上にあるAピラー部を洗い残しなく洗浄でき、Aピラー部とCピラー部の間のドア部やサイドウインドウバイザー部などの突出部の外側もしくは内側を良好に洗浄可能になる。従って、車両の側面をブラッシングするサイドブラシを備える洗車機において、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
【0023】
本実施形態に係る洗車方法は
図6の概略正面図および
図7の概略側面図に示す洗車機WAにより実施される洗車方法であって、被洗浄車両CAと洗車機本体1を前後方向に相対移動させながら洗車を行うものである。洗車機WAは、
図6および
図7に示すように、左右の対向する2つのスタンド部90の上端を連結する天井部91を有して門型に形成される洗車機本体(本体部)1を備える。洗車機本体1の進入経路上にはリモートパネル7Aが配される。被洗浄車両CAはリモートパネル7Aの面前で停車し、リモートパネル7Aの操作によって洗車の受け付け等を行う。
【0024】
洗車機本体1の底面には地面に設けられた左右一対のレール2上に配される車輪3が設けられる。これにより、洗車機本体1はレール2上を走行して被洗浄車両CAに対して前後に相対移動するように立設される。
【0025】
洗車機本体1には被洗浄車両CAをブラッシングする複数の回転するブラシを設けている。ブラシはトップブラシ4、サイドブラシ5及びロッカーブラシ6から成っている。トップブラシ4は被洗浄車両CAの上面をブラッシングして洗浄し、布(織布、編布、不織布等)や樹脂繊維から成るブラシ体を放射状に固着して形成される。
【0026】
サイドブラシ5は左右一対設けられ、被洗浄車両CAの両側面と前後面に摺動して被洗浄車両CAを洗浄する。ロッカーブラシ6は左右一対設けられ、被洗浄車両CAのタイヤを含む側面下部を洗浄する。サイドブラシ5及びロッカーブラシ6もトップブラシ4と同様の回転軸及びブラシ体を有している。
【0027】
洗車機本体1の一方の側方には洗剤やワックス等の各種液剤を貯液する複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部17が配される。タンク収納部17の上方には市水及び各貯液タンクからの液剤を電磁弁等を介して分配する分配配管部18が設けられる。分配配管部18には第1、第2浄水ノズル11、13、第1、第2洗剤ノズル12、15、撥水コートノズル14、ワックスノズル16が導出される。洗車機本体1の後方には洗浄液や高圧空気を供給する供給部(不図示)が設けられ、分配配管部18に接続される。洗浄液は市水だけでなく、洗剤やワックス等の各種液剤と混合されてもよい。
【0028】
第1、第2浄水ノズル11、13は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して市水を噴射する。第1、第2洗剤ノズル12、15は洗車機本体1の手前側及び奥側にそれぞれ配され、被洗浄車両CAに対して洗剤を噴射する。撥水コートノズル14は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対して撥水コート剤を噴射する。ワックスノズル16は洗車機本体1の奥側に配され、被洗浄車両CAに対してワックスを噴射する。
【0029】
また、洗車機本体1には被洗浄車両CAを乾燥させる送風ノズルとしてトップ送風ノズル21とサイド送風ノズル22とを設けている。洗車機本体1の手前側上部にはトップ送風ノズル21が設けられ、両側方にサイド送風ノズル22が設けられる。トップ送風ノズル21及びサイド送風ノズル22はブロワ20からの送風を被洗浄車両CAに対して吹き付けて乾燥させる。
【0030】
洗車機本体1の前面上部には車両センサ8(車形検知部)が設けられている。車両センサ8は光電センサや超音波センサ等から成り、洗車機本体1に進入する被洗浄車両CAを検知し車体の幅方向突出した装備品も検知する。また、洗車機本体1の入り口部には、被洗浄車両CAの車形を検知する車形検知センサ9(車形検知部)を設けている。この車形検知センサ9は、透過式光電センサからなるエリアセンサであって、洗車機本体1の一方の側部の上下方向に投光器を併設し、これらの投光器に対向する他方の側部の上下方向に受光器を併設することで、洗浄位置に進入してくる被洗浄車両の車形を検知して、その先端部と後端部およびボンネット高さや、Aピラー、Cピラーの位置や形状を検知する。この車両センサ8と車形検知センサ9とが本発明の車形検知部に相当する。
【0031】
洗車機本体1の一方の側方の前面には操作パネル7が配される。操作パネル7はリモートパネル7Aと同様の操作ボタンを備え、被洗浄車両CAから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けや洗車条件の設定を行う。
【0032】
洗車条件の設定としてはシャンプー、ワックス掛け、撥水コート等を水洗いに追加するボタンが操作パネル7及びリモートパネル7Aに設けられる。また、高級なシャンプー、高級なワックス(例えば、艶出しコーティング)、高級な撥水コート、特殊なコート等を行うボタンも設けられている。さらに、フロントガード有り、フェンダーポール有り、ドアミラー有り、リヤワイパー有り、該当装備品無し等の装備品設定ボタンが設けられている。
【0033】
サイドブラシ5は、
図4に示すように、洗車機本体1の上部の幅方向に配設される走行レール30に、被洗浄車両の正面側から見た左右方向に移動自在に吊り下げ状態に支持され、且つ、左右一対のそれぞれのブラシ軸52がそれぞれ走行ホルダー50(50A、50B)に回転自在に支持されて構成されている。例えば、図に示すように、第一の(右)サイドブラシ5が第1走行ホルダー50Aに回転可能に支持され、第二の(左)サイドブラシ5が第2走行ホルダー50Bに回転可能に支持されている。
【0034】
左右一対のサイドブラシ5は、それぞれが揺動支持部51を介して揺動自在に吊り下げられ、それぞれの走行ホルダー50(50A、50B)を介して走行レール30に沿って往復移動自在な構成とされている。また、別に設ける回転駆動用モータによってブラシ軸52が回転可能とされる。そのために、ブラシを被洗浄車両CAの傾斜した側面部に対応して傾斜させて当接させた状態で回転させることができる。つまり、サイドブラシ5を被洗浄車両CAの傾斜した側面部に合致させてブラッシングすることが可能な構成である。
【0035】
また、第1走行ホルダー50Aと第2走行ホルダー50Bとをそれぞれ独立して走行可能としているので、洗車機本体1に対する被洗浄車両の左右方向の位置がずれた位置であっても、第1走行ホルダー50Aを矢印D11方向に移動し、第2走行ホルダー50Bを矢印D12方向にそれぞれ移動して、左右のサイドブラシ5、5を適当な位置に配置して所望の洗浄効果を発揮して、安定した洗車が可能となる。
【0036】
揺動支持部51を介して揺動自在に吊り下げられているサイドブラシ5を用いて被洗浄車両CAの側面を洗浄する際には、例えば、それぞれのサイドブラシ5を被洗浄車両CAの側面に当接させ、さらに少し進めて揺動支持部51を介して所定角度傾斜させた状態で回転させて洗浄する。また、所定角度傾斜させた後、所定距離戻してその傾斜を小さくした位置でそれぞれのサイドブラシ5を回転操作して、車両側面への押し付け強さを緩和してそれぞれの側面の洗車を同時に行うこともある。また、この際にこの洗浄する傾斜した姿勢を維持するために、ウエイトの付勢力を利用して押し付け強さを得る場合もある。
【0037】
揺動支持部51は、ブラシ軸を回転自在且つ揺動自在に支持する構成であれば、どのような構成でもよい。例えば、ブラシ軸52を回転自在に支持する支持部を一体に揺動自在な構成とすることも、ブラシ軸52を、回転軸と固定軸との二重構成とし、固定軸を揺動自在に支持し、この固定軸内部に回転可能に回転軸を装着する構成とすることもできる。
【0038】
また、サイドブラシ5を上下二段式として、それぞれを別個に回転駆動する構成とすることができる。さらに、図示していないが、第1走行ホルダー50A、第2走行ホルダー50Bの開閉方向のそれぞれの限度を規定する開限センサや閉限センサを設けることもできる。
【0039】
走行レール30はその端部軸を軸受け体41に支持され、図示しない駆動装置を介して車両の前後方向に傾動可能な構成とされている。また、前後傾斜検出センサ42を備えており、該センサを介して前後方向の傾斜を検知する構成としている。
【0040】
すなわち、サイドブラシ5は走行レール30を所定角度傾動させることにより前後方向に傾動可能に構成される。従って、サイドブラシ5を被洗浄車両CAの前面と後面の傾斜角度に応じて傾動させることにより、被洗浄車両CAの前面と後面をブラッシングして洗浄可能になる。そのために、Cピラー部が車両の後面フレームを構成する車種、例えば、ワゴンタイプやワンボックスタイプのような車両の後面を、サイドブラシ5を用いて良好に洗浄できる。
【0041】
上記したように、サイドブラシ5は揺動自在に吊り下げ構成とされ、左右方向に移動可能とされるので、サイドブラシ5を移動させて車両側面に当接させることも、当接させた後、左右方向(被洗浄車両の幅方向)に傾かせることも可能である。また、前後方向(被洗浄車両の長さ方向)に傾斜させることも可能である。
【0042】
例えば、
図5に示すように、車両側面を洗浄中は、走行レール30に沿って移動する走行ホルダー50が、図中の矢印D12方向に移動して、サイドブラシ5が車両側面に当接する。この際に、ブラシ軸52は、斜めに傾斜した構成となって、サイドブラシ5が所定の押圧力で車両側面に当接した構成となる。また、車両の幅方向、すなわち、左右方向に傾斜して車両側面に当接した状態であっても、前述した軸受け体41を介して車両の長さ方向、すなわち、前後方向に傾動可能とされる。
【0043】
上記したように、本実施形態に係るサイドブラシ5は、洗車機本体1側に設ける走行レール30に沿ってそれぞれ移動可能な走行ホルダー50(50A、50B)に回転可能および傾動可能に装着される左右一対のサイドブラシ5から成る。この構成であれば、洗車機WAに対する被洗浄車両CAの左右方向の位置がずれた位置であっても、左右の走行ホルダー50(50A、50B)をそれぞれ独立して移動させることで、左右のサイドブラシ5を適当な位置に配置することができ、安定した洗浄効果を発揮可能となる。
【0044】
次に、サイドブラシ5を用いて被洗浄車両CAの側面をブラッシングして洗浄する際に、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な本発明に係る洗車方法について、
図1〜
図3を用いて説明する。
【0045】
図1は本発明に係る洗車方法の第一の例を示す概略説明図であって、トランク部を備えた形式の被洗浄車両CA1をブラッシング洗浄する様子を示している。
図2は本発明に係る洗車方法の第二の例を示す概略説明図であって、トランク部を備えておらず、Cピラーが車体後部となる被洗浄車両CA2をブラッシング洗浄する様子を示している。また、
図3は、サイドブラシ5の回転方向を説明する概略平面図である。
【0046】
そこで、
図1と
図3を用いて実施例1について説明し、
図2と
図3を用いて実施例2について説明する。
【0047】
〈実施例1〉
図1に示す被洗浄車両CA1を洗浄する際には、サイドブラシ5は前後方向正立状態のサイドブラシ5aとして車両側面に当接してブラッシングしながら移動する。また、ドアミラー部62を経過するまで、もしくは、ドアミラー部62の回避範囲を通過するまでは、前後方向正立状態のサイドブラシ5aを車体表面の前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1でブラッシング洗浄する。
【0048】
また、ドアミラー部62とCピラー部63との間は、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などの突出部を良好に洗浄するために、サイドブラシ5を前後方向に傾斜させている。例えば、車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1で且つサイドブラシ5の上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢でブラッシングする構成としている。
【0049】
すなわち、ドアミラー部62を経過した後、もしくは、ドアミラー部62の回避範囲を通過した後、前後方向正立状態のサイドブラシ5bから上部が前側に傾倒した傾斜姿勢のサイドブラシ5cとし、この第1傾斜姿勢を維持してCピラー部63の手前までは第1回転方向R1でブラッシングし、Cピラー部63に到達する前に第1回転方向R1とは逆の車体表面の後方から前方に向けてブラッシングする第2回転方向R2に変更してブラッシングする。
【0050】
また、第1回転方向R1から第2回転方向R2に変更する際には、被洗浄車両CAと洗車機本体1との相対移動を停止するとよい。また、停止した後、少し後進させてもよい。すなわち、
図1に示すように、Cピラー部63の後端開始位置B1より少し手前の位置A1を境界として、位置A1の前方領域が第1回転方向R1でブラッシングする領域SB1となり、位置A1の後方領域が第2回転方向R2でブラッシングする領域SB2となる。
【0051】
Cピラー部63の後ろにトランク部を有する被洗浄車両CA1の場合には、Cピラー部63を第2回転方向R2でブラッシングするサイドブラシ5dは、Cピラー部63を通過後前後方向正立状態に戻り(サイドブラシ5e)、そのまま被洗浄車両CA1の後面をブラッシングするサイドブラシ5fとなる。
【0052】
すなわち、
図3に示すように、Aピラー部61からCピラー部63手前までは、車体表面を前方から後方に向かう第1回転方向R1で回転しながらブラッシングし、Cピラー部63では後方から前方に向かう第2回転方向R2で回転しながらブラッシングするので、Aピラー部61とCピラー部63の曲面部を共に良好に洗浄可能になって好ましい。
【0053】
上記したように本実施形態によれば、ドアミラー部62の近傍にあるAピラー部61は車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1により洗浄を行うので、Aピラー部61部分を洗い残すことなく良好に洗浄できる。また、ドアミラー部62を経過した後(ドアミラー部62回避範囲を通過した後も含む)、上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢のサイドブラシ5cに変位してブラッシングするので、ドアミラー部の回避範囲を大きくせず、ドアミラー部62の上にあるAピラー部61を洗い残しなく洗浄でき、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などを下方から斜め上方に向けてブラッシングすることにより下方に開口した把手部や屋根部の内側を洗浄できて、高い洗浄効果を発揮する。従って、本発明によれば、Aピラー部61とCピラー部63との間のドア部64やサイドウインドウバイザー部65の内側も良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【0054】
また、ドアミラー部62を経過した後からCピラー部63の手前までは第1傾斜姿勢で且つ第1回転方向R1で洗浄し、Cピラー部63は第1回転方向R1とは逆の車体表面の後方から前方に向かう第2回転方向R2でブラッシングするので、Cピラー部63の曲面部を良好に洗浄できる。従って、本発明によれば、Aピラー部61やCピラー部63を良好に洗浄できると共にドア部64やサイドウインドウバイザー部65の内側も良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【0055】
前後方向正立状態のサイドブラシ5bから第1傾斜姿勢のサイドブラシ5cに変位する姿勢変位時H1には相対移動の速度を低速にすることが好ましい。すなわち、被洗浄車両CAと洗車機本体1との相対移動をそれまでの速度よりも遅くして姿勢を傾斜させるとよい。もしくは、相対移動を一旦停止してサイドブラシ5を傾斜させてもよい。
【0056】
このように、相対移動の速度を低速にするかもしくは一旦停止することにより、傾斜変位部の洗浄性を確保できる。また、第1傾斜姿勢の傾斜角度は、予め定めておくことが好ましい。例えば、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などの内部を良好に洗浄できる角度に設定しておくとよい。例えば、15〜30°程度が好ましい。
【0057】
Cピラー部63は、傾斜した姿勢を維持して第2回転方向R2でブラッシングするが、この場合の傾斜姿勢は第1傾斜姿勢でよい。また、検知されたCピラー部63の傾斜角度に合致させた傾斜姿勢(第2傾斜姿勢)に調整してもよい。
【0058】
また、Cピラー部63経過後に傾斜した姿勢のサイドブラシ5dから前後方向正立状態のサイドブラシ5eに戻る姿勢変位時H2には、相対移動の速度を高速にしてもよい。これは、Cピラー部63経過後はトランク部となるので、サイドブラシ5の上部には被洗浄体はなく下部のみとなって、洗浄性は悪化しないためである。この構成であれば、洗浄時間を短縮することができて好ましい。また、姿勢変位時H1において低速にした洗浄時間の超過分を清算することも可能になって好ましい。
【0059】
Cピラー部63経過後に傾斜姿勢を前後方向正立状態に戻してトランク部をブラッシングして洗浄する。その後、左右一対のサイドブラシ5fを閉止する方向に移動して車両の後面部をブラッシングして洗浄する。すなわち、サイドブラシ5fは左右一対のサイドブラシを閉止移動して車両後面をブラッシングするサイドブラシを示す。この構成であれば、トランク部を備えた形式の車両の後面部を正立状態のサイドブラシ5fを用いてブラッシングすることにより、良好な洗浄性を発揮する。また、この場合には、リヤウインドウ部は別に設けるトップブラシ4を昇降移動してブラッシング洗浄する。
【0060】
上記したように、本実施形態に係る洗車方法によれば、前後方向正立状態のサイドブラシ5aを用いてブラッシング洗浄開始すると共に、ドアミラー部62の回避範囲を通過した後に傾斜させるので、ドアミラー部62を回避する際には通常の回避操作でよく回避範囲を最小に抑制できると共に、ドアミラー部62の上にあるAピラー部61を洗い残しなく洗浄できる。また、サイドブラシ5の傾斜操作時には相対移動速度を低速または停止させることにより、傾斜動作領域の洗浄性を確保できる。
【0061】
また、Cピラー部63までは傾斜姿勢を維持してブラッシングするので、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65は斜め方向にブラッシングして突出部の外側もしくは内側の洗浄性を向上することができる。また、Aピラー部61は車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1により洗浄し、Cピラー部63は車体表面を後方から前方に向けてブラッシングする第2回転方向R2により洗浄するので、Aピラー部61とCピラー部63の曲面部を共に良好に洗浄できる。
【0062】
また、サイドブラシ5を用いてCピラー部63を洗浄する際には、傾斜した姿勢でブラッシング洗浄し、Cピラー部63経過後に前後方向正立状態に戻るが、トランク部を有しておらずCピラー部63が車両後面を形成する場合は、検出されたCピラー部63の傾斜角度に合致した傾斜角度で、Cピラー部63と車両後面をブラッシング洗浄するとよい。
【0063】
〈実施例2〉
次に、
図2と
図3を用いて、トランク部を備えておらずCピラー部63が車体後部となる被洗浄車両CA2をブラッシング洗浄する実施形態を実施例2として説明する。
【0064】
図2に示す被洗浄車両CA2をブラッシング洗浄する際には、サイドブラシ5は前後方向正立状態のサイドブラシ5aとして車両側面に当接してブラッシングしながら移動する。また、ドアミラー部62を経過するまで、もしくは、ドアミラー部62の回避範囲を通過するまでは、前後方向正立状態のサイドブラシ5aを車体表面の前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1でブラッシング洗浄する。
【0065】
ドアミラー部62を経過した後、前後方向正立状態のサイドブラシ5bから上部が前側に傾倒した姿勢のサイドブラシ5cとされ、この第1傾斜姿勢を維持してCピラー部63の前までは第1回転方向R1でブラッシング洗浄し、Cピラー部63に到達する前に第1回転方向R1とは逆の第2回転方向R2に変更してブラッシング洗浄する。
【0066】
すなわち、
図2に示すように、Cピラー部63の後端開始位置B2より少し前側の位置A2を境界として、位置A2の前方領域が第1回転方向R1でブラッシング洗浄する領域SB1となり、位置A2の後方領域が第2回転方向R2でブラッシング洗浄する領域SB2となる。
【0067】
ここまでは、前述した実施例1と同じである。また、第1回転方向R1から第2回転方向R2に変更する際には、被洗浄車両CAと洗車機本体1との相対移動を停止するとよく、停止した後、少し後進させてもよいことも同じである。
【0068】
ただし、本実施例ではCピラー部63がそのまま車体後部を構成するので、傾斜した姿勢のサイドブラシ5dを用いて被洗浄車両CA2の後面をブラッシング洗浄することができる。また、Cピラー部63の傾斜角度に応じた傾斜角度のサイドブラシ5fに調整してブラッシング洗浄するとより好ましい。
【0069】
Cピラー部63の傾斜角度に応じた車両後面、すなわち、リヤウインドウを備えておれば、サイドブラシ5fを用いてこの傾斜したリヤウインドウ部を洗浄できる。すなわち、本実施形態では、傾斜した姿勢の左右一対のサイドブラシ5fを閉止させるように移動して被洗浄車両CA2のリヤウインドウ部を洗浄する。また、左右一対のサイドブラシ5fを閉止した後は、正立状態のサイドブラシ5gに戻して左右一対のサイドブラシ5gを開きながら移動して車両の後面部をブラッシングして洗浄するとよい。
【0070】
本実施例によっても、
図3に示すように、Aピラー部61は車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1により洗浄し、Cピラー部63は第1回転方向R1とは逆の車体表面の後方から前方に向けてブラッシングする第2回転方向R2により洗浄するので、それぞれの曲面部を良好に洗浄できる。また、ドアミラー部62を経過した後、上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢のサイドブラシ5cに変位して、Cピラー部63の手前まで第1回転方向R1でブラッシングするので、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などを下方から上方に向けてブラッシングすることにより下方に開口した把手部や屋根部の内側を洗浄できて、高い洗車効果を発揮することも同じである。
【0071】
また、前後方向正立状態のサイドブラシ5bから第1傾斜姿勢のサイドブラシ5cに変位する姿勢変位時H1には相対移動の速度を低速にすることが好ましく、Cピラー部63経過後に第1傾斜姿勢から前後方向正立状態に戻る場合には、相対移動の速度を高速にしてもよいことも同じである。
【0072】
実施例1、実施例2で説明した本発明に係る洗車方法は、被洗浄車両CAの側面をブラッシングするサイドブラシ5を用いて被洗浄車両CAと洗車機本体1を前後方向に相対移動させながら洗車を行う洗車機WAの洗車方法である。また、サイドブラシ5は、被洗浄車両CAの幅方向に移動可能で当該幅方向に相当する左右方向および前後方向に傾動可能で且つ回転可能に支持され、サイドブラシ5を回転させながら被洗浄車両CAの側面を前方のボンネット部からAピラー部61、ドアミラー部62、Cピラー部63、と後方に向けてブラッシングしていくと共に、ドアミラー部62を経過するまでは、前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部62を経過した後に、サイドブラシ5の上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位し、ドアミラー部62とCピラー部63との間は、第1傾斜姿勢を維持してブラッシングすることを特徴としている。
【0073】
また、サイドブラシ5がドアミラー部62を回避するように駆動される場合には、ドアミラー部62を回避し、再び車両側面と接触した後、第1傾斜姿勢に変位することが好ましい。すなわち、サイドブラシ5がドアミラー部62を回避し、再び車両側面と接触して側面洗浄を開始してからサイドブラシ前後傾斜洗浄を開始するとよい。
【0074】
この構成であれば、ドアミラー部62を経過した後に、サイドブラシ5を前側に傾倒させてブラッシングするので、ドアミラー部62の回避範囲を大きくせず、ドアミラー部62の上にあるAピラー部61を洗い残しなく洗浄できる。また、ドアミラー部62とCピラー部63との間は、上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢でブラッシングして洗浄するので、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などを斜め方向にブラッシングすることにより突出部の外側もしくは内側を良好に洗浄できて、洗車効果を向上させることができる。特に、第1傾斜姿勢で且つ第1回転方向R1でドア部64やサイドウインドウバイザー部65などを下方から上方に向けてブラッシングすることにより下方に開口した把手部や屋根部の内側を洗浄できて、洗車効果を向上させることができる。
【0075】
また、サイドブラシ5は、ドアミラー部62を経過するまでは、車体表面を前方から後方に向けてブラッシングする第1回転方向R1で且つ前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部62を経過した後に、サイドブラシ5の上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位することが好ましく、第1傾斜姿勢を維持してCピラー部63の前までは第1回転方向R1でブラッシング洗浄し、Cピラー部63に到達する前に第1回転方向R1とは逆の第2回転方向R2に変更してその後のブラッシング洗浄を続行することが好ましい。
【0076】
また、前後方向正立状態のサイドブラシ5bから第1傾斜姿勢のサイドブラシ5cに変位する姿勢変位時H1には相対移動の速度を低速にすることが好ましく、Cピラー部63経過後に第1傾斜姿勢から前後方向正立状態に戻る姿勢変位時H2には、相対移動の速度を高速にすることが好ましい
【0077】
また、上記構成の洗車方法において、Cピラー部63をブラッシングする際には、検出されたCピラー部63の傾斜角度に合致した傾斜角度に調整することが好ましく、Cピラー部63経過後には、傾斜姿勢を解除して前後方向正立状態に戻ることが好ましい。また、Cピラー部63の傾斜角度が車両の後面に進むに従って変化している場合には、この変化度合に応じて変化させてもよく、トランク部を有しない被洗浄車両CA2のリヤウインドウ部を洗浄する際には、当該リヤウインドウ部の傾斜角度に応じた姿勢のサイドブラシ5fにしてブラッシング洗浄するとよい。
【0078】
上記したように、本発明によれば、サイドブラシ5を用いて被洗浄車両CAを洗車する際に、ドアミラー部62を経過するまでは、前後方向正立状態で駆動され、ドアミラー部62を経過した後に、サイドブラシ5の上部が前側に傾倒した第1傾斜姿勢に変位し、ドアミラー部62とCピラー部63との間は、第1傾斜姿勢を維持してブラッシングする構成としたので、ドアミラー部62の回避範囲を大きくせず、ドアミラー部62の上にあるAピラー部61を洗い残しなく洗浄でき、ドア部64やサイドウインドウバイザー部65などの突出部の外側もしくは内側を良好に洗浄可能になる。特に、第1傾斜姿勢で且つ第1回転方向R1でブラッシングすることにより下方に開口した把手部や屋根部の内側を洗浄できて、洗車効果を向上させることができる。従って、車両の側面をブラッシングするサイドブラシ5を備える洗車機WAにおいて、Aピラー部61とCピラー部63との間のドア部64やサイドウインドウバイザー部65も良好に洗浄できて、洗車効率を悪化せず洗い残しも生じないブラッシング洗浄が可能な洗車方法を得ることができる。
【0079】
すなわち、サイドブラシを備えた洗車機と被洗浄車両を相対移動させながら洗車する際に、サイドブラシの傾斜と回転方向と相対移動速度を、被洗浄車両の車両形状や洗浄部位により適宜切り替えることにより、洗浄性を向上できる。