(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記第1コイルの位置を示す情報として取得される第1位置情報と、前記第2コイルの位置を示す情報として取得される第2位置情報と、に基づいて、前記第1計測距離情報として前記第1コイルと前記第2コイルとの距離を算定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線給電装置。
前記第1コイルと、前記可変コンデンサと、前記記憶装置と、前記制御装置とは前記無線給電装置における送電装置として設けられ、前記第2コイルは受電装置として設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の無線給電装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。尚、
図1A〜
図4Dにおいては、同一であるものには同一の引用数字を用いている。
===第1実施形態===
図1Aは、本実施形態にかかる第1実施形態の無線給電装置の構成を示す図である。
図1Bは、本実施形態にかかる第1実施形態の無線給電装置に含まれる制御装置の構成を示す図である。
図1Cは、本実施形態にかかる第1実施形態の無線給電装置に含まれるCPUの構成を示す図である。
図1Dは、本実施形態にかかる第1実施形態の無線給電装置に含まれる記憶装置に記憶される第1データベースの一例を示す表である。
図5Aは、本実施形態にかかる第1実施形態及び第2実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
図5Bは、本実施形態にかかる第1実施形態及び第2実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
【0012】
無線給電装置1Aは、磁界の共鳴を利用して、ワイヤレスで電力を伝達する装置である。無線給電装置1Aは、送電装置2、受電装置3Aを含んで構成されている。無線給電装置1Aは、送電装置2側において、交流電力に基づいて磁界を発生させ、受電装置3A側において、その磁界に共鳴して交流電力を発生させる。つまり、無線給電装置1Aは、送電装置2から空間を隔てて配置されている受電装置3Aに対して、無線で電力を伝達することができる。ここで、磁界の共鳴とは、送電装置2側の第1コイル12と、受電装置3A側の第2コイル20Aとを電磁誘導で結合させて、送電装置2側の回路と、受電装置3A側の回路との共鳴周波数を一致させ、送電装置2に交流電力を加えて、送電装置2の第1コイル12から発生する磁界の近傍界波動が受電装置3Aの第2コイル20Aに到達し、送電装置2から受電装置3Aにエネルギーが伝わる現象である。
<<送電装置>>
送電装置2は、電力から磁界を発生させる装置である。送電装置2は、電源10、インバータ11、第1コイル12、可変コンデンサ13、記憶装置40、制御装置50、調整装置60、距離センサー70、第1送受信部91を含んで構成されている。
【0013】
送電装置2は、後述する電源10から給電される直流電力を、後述するインバータ11を介して交流電力に変換し、さらに、後述する可変コンデンサ13を介して後述する第1コイル12に交流電力を供給する。送電装置2は、交流電力に基づいて第1コイル12から磁界を発生させる。送電装置2は、電源10、インバータ11、可変コンデンサ13、第1コイル12で形成される送電側回路に応じて定まる共鳴周波数(以下、「送電側共鳴周波数」と称する。)を有する。送電側共鳴周波数(f1)は、以下の式(1)で表される。
【0014】
【数1】
式(1)において、f0は、周波数を示し、可変コンデンサ13の静電容量(以下、「可変容量」と称する。)に依存する。又、kは、結合係数を示す。結合係数は、送電装置2側の第1コイル12で発生する磁界が受電装置3A側の第2コイル20Aに影響を及ぼす度合いを示す係数である。結合係数は、第1コイル12と第2コイル20Aとの間の距離、第1コイル12と第2コイル20Aとの間の対向面積、第1コイル12と第2コイル20Aとの角度、第1コイル12と第2コイル20Aのコイル形状に依存する。つまり、送電装置2は、距離、対向面積、角度、コイル形状に応じて可変容量を変化させることで送電側共鳴周波数を調整できる。又、後述する受電装置3Aは、第2コイル20A、コンデンサ23A、負荷設備24Aで作られる回路に応じた共鳴周波数(以下、「受電側共鳴周波数A」と称する。)を有する。送電側共鳴周波数と、受電側共鳴周波数Aとが同じ周波数で共振する場合、受電装置3Aにおいて、リアクタンスとコンダクタンスが打消し合い、リアクタンスが出力電流を抑制することがなくなるため、送電効率が良くなる。そこで、送電装置2は、送電側共鳴周波数を受電側共鳴周波数Aに合わせるために可変容量を変化させる。可変容量を変化させるに際して、送電装置2は、予め後述する記憶装置40にコイル間の距離、対向面積、角度、コイル形状等の情報を記憶させて、計測値と夫々の情報とを比較判定し、送電効率の良い可変容量を算定する。記憶装置40については詳細に後述する。
【0015】
電源10は、送電装置2に直流電力を給電する機能を有する。電源10は、例えば、蓄電池からなる。電源10は、例えば、導線を介してインバータ11に接続される。
【0016】
インバータ11は、電源10から入力される直流電力を交流電力に変換する機能を有する。インバータ11は、電源10と反対側において可変コンデンサ13に接続されている。
<<第1コイル>>
第1コイル12は、交流電力が印加されて磁界を発生させる部分である。第1コイル12は、例えばリッツ線で形成されて表皮効果の影響を軽減し、例えばアルファ巻きコイルである。第1コイル12は、導線を介して後述する可変コンデンサ13に接続され、導線を介して可変コンデンサ13とは反対側でインバータ11に接続されている。第1コイル12は、交流電力が印加されると、リッツ線に電流が流れて、リッツ線の周囲に磁界が発生する。第1コイル12から発する磁界(磁束)が、第2コイル20Aに到達すると磁界の共鳴が起こり、第2コイル20Aに電流が発生する。
<<可変コンデンサ>>
可変コンデンサ13は、送電側共鳴周波数を調整するために、静電容量を任意に調整できるコンデンサである。可変コンデンサ13は、例えば、回動する電極と固定された電極とに挟まれるように誘電体が設けられて構成されている。可変コンデンサ13は、例えば、回動する電極と固定された電極との対向する面積によって静電容量を調整することができる。可変コンデンサ13は、導線を介してインバータ11に接続され、導線を介してインバータ11とは反対側で第1コイル12に接続されている。つまり、可変コンデンサ13は、インバータ11と第1コイル12との間にあって、夫々と直列接続されるように配置されている。可変コンデンサ13は、例えば、回動する電極の回動軸と、後述する調整装置60のサーボモータの回転軸とが同軸で連結されている。つまり、調整装置60は、サーボモータの回転軸を回転させることによって静電容量を調整することができる。
<<記憶装置>>
記憶装置40は、例えば、第1コイル12と第2コイル20Aとの間の距離を示す距離情報、第1コイル12と第2コイル20Aの位置を示す位置情報、結合係数を示す係数情報、最も送電効率の良い可変容量を示す可変容量情報を予め記憶している装置である。尚、距離情報位置情報、係数情報及び可変容量情報をまとめて、以下、記憶情報1と称する。記憶装置40は、例えば、ハードディスクで構成されている。記憶装置40は、後述する制御装置50と電気的に接続されている。記憶装置40は、例えば、
図1Dに示す第1データベース41のように記憶情報1を記憶している。具体的には、第1データベース41は、例えば、第1コイル12形状、第2コイル20A形状、距離情報、係数情報、可変容量情報が記憶されている表を示している。第1データベース41は、例えば、
図1で示されるように、第1コイル12と第2コイル20Aとの中心を通る中心軸が一致するとき、すなわち第1コイル12と第2コイル20Aとが直線状に配置されているとき、結合係数は距離のみに依存するため、角度情報及び対向面積情報が排除されて構成されている。
<<制御装置>>
制御装置50は、距離センサー70で計測された計測距離情報、第1送受信部91から取得した計測位置情報を取得し、夫々の情報と記憶情報1とを照合して、調整装置60に信号を出力する装置である。制御装置50は、CPU51、出力部52、入力部53、記憶部54、表示部55を含んで構成されている。
【0017】
CPU51は、後述する記憶部54に記憶されているプログラムを実行する機能を有する。CPU51は、出力部52、入力部53、記憶部54、表示部55に電気的に接続されている。CPU51は、記憶部54に一時的に記憶されている計測距離情報、計測位置情報を読み込む機能を有する。CPU51は、記憶装置40に記憶されている記憶情報1を参照する機能を有する。尚、計測距離情報及び計測位置情報をまとめて、以下、「計測情報1」と称する。CPU51は、例えば比較判定部511、容量算定部512を含んで構成されている。
【0018】
比較判定部511は、計測情報1に最も近い記憶情報1を判定して、可変容量情報を取得する機能を有する。尚、最も近い記憶情報1とは、計測情報1に等しい記憶情報1を含むものとする。具体的には、例えば第1コイル12形状及び第2コイル20A形状がアルファ巻きコイルであって、計測距離情報が20mmであった場合、比較判定部511は、第1データベース41を参照して、第1コイル形状(L0)及び第2コイル形状(L1)がアルファ巻きコイルで、計測距離情報に最も近い(等しい)距離情報(D1)(この場合、20)に対応する可変容量情報(この場合、0.02)を判定し、取得する。
【0019】
容量算定部512は、現時点における可変容量と、比較判定部511から入力される可変容量情報と、を比較して、最も送電効率が高くなるように加減すべき静電容量を示す加減容量情報を算定する。又、可変コンデンサ13の現時点における可変容量が上限値又は下限値であるか否かについても判定する。上限値及び下限値は、可変コンデンサ13の仕様等に基づいて定められている。上限値及び下限値を示す上下限情報は、例えば、記憶部54に記憶される。容量算定部512は、記憶部54を参照して上下限情報を取得する。容量算定部512は、加減容量情報及び上下限情報を後述する表示部55に出力する。又、容量算定部512は、加減容量情報を後述する調整装置60に出力する。尚、夫々の情報の出力は、出力部52を介して行われる。具体的には、容量算定部512は、例えば、現時点における可変容量が0.01μFであり、比較判定部511から入力される可変容量情報が0.02μFである場合、加減容量情報は+0.01μF(0.02μF−0.01μF)と算出される。容量算定部512は、出力部52を介して加減容量情報(+0.01μF)を調整装置60及び表示部55に出力する。
【0020】
出力部52は、例えば、CPU51から出力される各種の情報を調整装置60に出力する機能を有する。出力部52は、少なくともCPU51と電気的に接続されている。
【0021】
入力部53は、例えば、距離センサー70からは計測距離情報が入力され、第1送受信部91からは計測位置情報が入力される部分である。入力部53は、少なくともCPU51と電気的に接続されている。
【0022】
記憶部54は、例えば、CPU51が実行するプログラム、計測情報1が記憶されている部分である。記憶部54は、例えば、RAMで構成されている。記憶部54は、少なくともCPU51と電気的に接続されている。記憶部54は、例えば、計測距離情報、計測位置情報を一時的に記憶する機能を有する。
【0023】
表示部55は、CPU51から出力される情報を表示するディスプレイである。尚、表示部55には、CPU51に対して情報を入力するための例えばキーボード、マウス等(不図示)が含まれるものとする。
<<調整装置>>
調整装置60は、制御装置50から出力される加減容量情報に応じて、可変容量を調整する装置である。調整装置60は、制御装置50に電気的に接続され、可変コンデンサ13に機械的に接続されている。調整装置60は、例えば、入出力処理部(不図示)、サーボモータ(不図示)を含んで構成されている。
【0024】
入出力処理部(不図示)は、制御装置50から出力される加減容量情報に応じて、サーボモータの動作量を算定し、サーボモータに駆動信号を出力する機能を有する。入出力処理部は、例えば、PLCで構成されている。
【0025】
サーボモータ(不図示)は、可変コンデンサ13の回動軸を回動させるために、回動軸と同軸で連結されている回転軸に対して回動力を付与する装置である。つまり、サーボモータは、可変容量を変化させる装置である。サーボモータは、入出力処理部によって制御される。
<<距離センサー>>
距離センサー70は、第1コイル12と第2コイル20Aとの距離を測定する装置である。距離センサー70は、例えば、LED又はレーザーダイオードから照射される光を利用して、測定対象物までの距離を測定する装置である。距離センサー70は、照射される光が測定対象物にあたると、光が反射され、反射された光を評価、演算して距離に換算する機能を有する。測定原理は、三角測距法、タイム・オブ・フライト式など、限定されるものではなく、例えば10mmオーダーで測定できる精度の装置であることが好ましい。距離センサー70は、制御装置50に電気的に接続されている。距離センサー70は、例えば、送電装置2の内部又は外面に附帯され、受電装置3Aの第2コイル20Aに光が照射されるように設けられている。距離センサー70は、測定した計測距離情報を制御装置50に出力する。
<<第1送受信部>>
第1送受信部91は、基地局90との間において位置情報を送受信する装置である。第1送受信部91は、例えば、RFIDタグを含んで構成されている。第1送受信部91は、基地局90に位置の検索の開始を示す情報を送信し、基地局90から位置情報を受信する機能を有する。第1送受信部91は、制御装置50に電気的に接続されている。第1送受信部91は、基地局90から位置情報を受信すると、位置情報を制御装置50に出力する。尚、基地局90は、第1送受信部91又は後述する第2送受信部92Aから無線信号を受信すると位置を検知することができる装置である。
【0026】
尚、上記において、第1コイル12には中心軸に沿って磁性体のコアを含んでいないように記載したが、これに限定されない。第1コイル12の中心軸に沿って磁性体のコアを備えていてもよい。尚、上記において、第1コイル12はアルファ巻きコイルとして説明したが、これに限定されない。第1コイル12は、矩形コイル又は扇形コイルであってもよく、コイルの形状を限定するものではない。尚、上記において、記憶情報1を列挙して説明したが、これに限定されない。記憶装置40は、上記の記憶情報1の他にコイルの直径等も含めて記憶していてもよく、記憶する項目を限定するものではない。尚、上記において、送電装置2は調整装置60を含んで構成されているとして記載したが、これに限定されない。送電装置2は、調整装置60を含まず構成されていてもよく、尚、その場合は、作業員が、例えば制御装置50の表示部55で加減容量情報を確認して可変コンデンサ13の回転つまみ(不図示)で可変容量を調整すればよい。尚、上記において、送電装置2は距離センサー70を含んで構成されているとして記載したが、これに限定されない。送電装置2は、距離センサー70を含まず構成されていてもよく、尚、その場合は、作業員が、例えば第1コイル12と第2コイル20Aとの距離を計測して、計測した距離情報を制御装置50に入力すればよい。制御装置50は、入力された距離情報を元に可変容量を算定する。尚、上記において、送電装置2は第1送受信部91を含んで構成されているとして記載したが、これに限定されない。送電装置2は、第1送受信部91を含まず構成さていてもよく、作業員が、例えば、距離を計測して、計測した距離情報を制御装置50に入力すればよい。尚、上記において、入出力処理部はサーボモータの動作量を算出するとして記載したが、これに限定されない。入出力処理部においてサーボモータの動作量を算出する必要はなく、例えば制御装置50で当該動作量を算出してもよい。
<<受電装置>>
受電装置3Aは、送電装置2から発する磁界に共鳴して電力を発生させる装置である。受電装置3Aは、負荷設備24A、コンデンサ23A、第2コイル20A、第2送受信部92Aを含んで構成されている。
【0027】
受電装置3Aは、第1コイル12で発生した磁界に第2コイル20Aが共鳴して、第2コイル20Aに電力が発生する。受電装置3Aは、負荷設備24A、コンデンサ23A、第2コイル20Aで形成される直列回路に応じて定まる受電側共鳴周波数Aを有する。受電側共鳴周波数A(f2)は、以下の式(2)で表される。
【0028】
【数2】
式(2)において、Lは、第2コイル20Aのインダクタンスを示し、第2コイル20Aの固有の値である。Cは、コンデンサ23Aの静電容量を示し、コンデンサ23Aの固有の値である。つまり、受電側共鳴周波数Aは、受電装置3Aによって定まる変動しない固有の周波数である。
【0029】
負荷設備24Aは、受電装置3Aから供給される電力に基づいて動作する電気機器等の電力負荷である。負荷設備24Aは、導線を介してコンデンサ23Aに接続され、導線を介してコンデンサ23Aとは反対側で第2コイル20Aに接続されている。
【0030】
コンデンサ23Aは、固定された静電容量を有する。静電容量は、第2コイル20Aのインダクタンスに応じて、受電側共鳴周波数Aを得るために定まる容量である。コンデンサ23Aは、導線を介して第2コイル20Aに接続され、導線を介して第2コイル20Aとは反対側で負荷設備24Aに接続されている。
<<第2コイル>>
第2コイル20Aは、第1コイル12から発する磁界に共鳴して交流電力を発生させる部分である。第2コイル20Aは、例えばリッツ線で形成されて表皮効果の影響を軽減し、例えばアルファ巻きコイルである。第2コイル20Aは、導線を介してコンデンサ23Aに接続され、導線を介してコンデンサ23Aとは反対側で負荷設備24Aに接続されている。第2コイル20Aは、磁界と共鳴すると、リッツ線に電流が流れる。
<<第2送受信部>>
第2送受信部92Aは、基地局90から位置情報を送受信する装置である。第2送受信部92Aは、例えば、RFIDタグを含んで構成されている。第2送受信部92Aは、基地局90に、位置の検索の開始を示す情報を送信し、位置情報を受信する機能を有する。基地局90は、第2送受信部92Aの位置情報を制御装置50に送信する。
【0031】
尚、上記において、受電装置3Aは第2送受信部92Aを含んで構成されているとして記載したが、これに限定されない。受電装置3Aは、第2送受信部92Aを含まず構成さていてもよく、尚、その場合は、作業員が、例えば距離を計測して、計測した距離情報を制御装置50に入力すればよい。
<<動作>>
以下、
図5A、
図5Bを参照しつつ、第1実施形態における無線給電装置1Aの動作について説明する。
【0032】
CPU51は、送電装置2と受電装置3Aとが対向する位置にあるときに、距離センサー70が計測できる状態にあるか否かを判定する(S101)。
【0033】
距離センサー70が計測できる状態にある場合(S101:YES)、距離センサー70は、第1コイル12と第2コイル20Aとの距離を測定する(S102)。距離センサー70は、測定した計測距離情報を制御装置50に送信する。制御装置50は、入力部53で受信した計測距離情報をCPU51で入力処理する(S103)。CPU51は、計測距離情報を記憶部54に送信して、記憶部54で一時的に記憶する(S104)。CPU51は、処理をS105に移行する。
【0034】
距離センサー70が計測できる状態にない場合(S101:NO)、第1送受信部91は、基地局90から位置情報を取得する(S201)。第1送受信部91は、第1コイル12と第2コイル20Aとの位置情報を制御装置50に送信する。制御装置50は、入力部53で受信した計測位置情報をCPU51で入力処理する(S202)。CPU51は、計測位置情報を記憶部54に送信して、記憶部54で一時的に記憶する(S203)。CPU51は、処理をS105に移行する。
【0035】
CPU51は、記憶装置40のデータベースの記憶情報1を参照する(S105、S106)。CPU51は、データベースの記憶情報1と計測距離情報とを照合して記憶情報1に等しい又は最も近い値を示す行の係数情報を特定し(S107)、当該係数情報に対応する可変容量情報を特定する(S108)。CPU51は、記憶部54に記憶されている現時点の可変容量及び上下限情報を取得する(S109、S110)。CPU51は、現時点の可変容量及び係数情報に対応する可変容量情報から加減容量情報を算出する(S111)。CPU51は、加減容量情報がプラスかマイナスかを判定する(S112)。
【0036】
CPU51は、加減容量情報がプラスの場合(S112:プラス)、現時点の可変容量が上限値であるか否かを判定する(S113)。CPU51は、加減容量情報が上限値である場合(S113:YES)、処理を終了する。可変コンデンサ13を調整することができないためである。
【0037】
CPU51は、加減容量情報がマイナスの場合(S112:マイナス)、現時点の可変容量が下限値であるか否かを判定する(S114)。CPU51は、加減容量情報が下限値である場合(S114:YES)、処理を終了する。可変コンデンサ13を調整することができないためである。
【0038】
CPU51は、加減容量情報がプラスの場合に上限値でない場合(S113:NO)又は加減容量情報がマイナスの場合に下限値でない場合(S114:NO)、特定された加減容量情報を調整装置60に出力する(S115)。
【0039】
調整装置60は、入出力処置部で加減容量情報を取得する(S116)。入出力処置部は、加減容量情報に応じたサーボモータの動作量を算出する(S117)。入出力処理部は、サーボモータに動作量に応じた動作信号を出力する(S118)。サーボモータは、回動軸と同軸で連結されている可変コンデンサ13の可変容量を変化させる(S119)。CPU51は、処理を終了する。上記の手順によって、無線給電装置1Aは、送電装置から受電装置への送電効率を最も良くするために、可変コンデンサ13の可変容量を変更できる。
【0040】
尚、上記において、送電装置2は距離センサー70を含んだ構成として説明したが、距離センサー70を含まない構成である場合、S101〜S104のステップを、作業員が計測した距離を示す情報を制御装置50に入力するステップに変更する。尚、上記において、送電装置2は第1送受信部91を含んだ構成として説明したが、第1送受信部91を含まない構成である場合、S201〜203のステップを、作業員が計測した距離を示す情報を制御装置50に入力するステップに変更する。
===第2実施形態===
図2は、本実施形態にかかる第2実施形態の無線給電装置の構成を示す図である。
図5Aは、本実施形態にかかる第1実施形態及び第2実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
図5Bは、本実施形態にかかる第1実施形態及び第2実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
【0041】
以下、
図2、
図5A、
図5Bを参照しつつ、無線給電装置1Bの第2実施形態について説明する。尚、第2実施形態の説明において、第1実施形態における構成要素と同一の構成要素については同一の番号を付して記載し、その説明を省略するものとする。
【0042】
無線給電装置1Bは、送電装置2、受電装置3Bを含んで構成されている。
<<送電装置>>
図2に示されている送電装置2は、
図1Aに示されている送電装置2と同一であるため、その説明を省略する。
<<受電装置>>
受電装置3Bは、送電装置2から発する磁界に共鳴して電力を発生させる装置である。受電装置3Bは、負荷設備24B、コンデンサ23B、第2コイル20B、第2送受信部92Bを含んで構成されている。尚、第2実施形態において、第2コイル20Bは第2コイル20Aと同一であり、負荷設備24Bは負荷設備24Aと同一であり、第2送信機92Bは第2送信部92Aと同一であるため、その説明を省略する。
【0043】
受電装置3Bは、第1コイル12で発生した磁界に第2コイル20Bが共鳴して、第2コイル20Bに電力が発生する。受電装置3Bは、負荷設備24B、コンデンサ23B、第2コイル20Bで形成される並列回路に応じて定まる共鳴周波数(以下、「受電側共鳴周波数B」と称する。)を有する。受電側共鳴周波数B(f3)は、以下の式(3)で表される。
【0044】
【数3】
式(3)において、Lは、第2コイル20Bのインダクタンスを示し、第2コイル20Bの固有の値である。Cは、コンデンサ23Bの静電容量を示し、コンデンサ23Bの固有の値である。つまり、受電側共鳴周波数Bは、受電装置3Bによって定まる変動しない固有の周波数である。
【0045】
コンデンサ23Bは、固定された静電容量を有する。静電容量は、第2コイル20Bのインダクタンスに応じて、受電側共鳴周波数Bを得るために定まる容量である。コンデンサ23Bは、導線を介して第2コイル20B及び負荷設備24Bに接続され、第2コイル20Bに並列接続されている。つまり、第2実施形態における並列回路は、第1実施形態における直列回路に含まれるコンデンサ23Bが第2コイル20B及び負荷設備24Bと直列接続されていることに対して、コンデンサ23Bが第2コイル20B及び負荷設備24Bと並列接続されている回路である。
<<動作>>
第2実施形態における無線給電装置1Bの動作手順は、第1実施形態における無線給電装置1Aの動作手順と同じ
図5A、
図5Bに示されるフローチャートであるため、その説明を省略する。
===第3実施形態===
図3Aは、本実施形態にかかる第3実施形態の無線給電装置の構成を示す図である。
図3Bは、本実施形態にかかる第3実施形態の無線給電装置に含まれる制御装置の構成を示す図である。
図3Cは、本実施形態にかかる第3実施形態の無線給電装置に含まれるCPUの構成を示す図である。
図3Dは、本実施形態にかかる第3実施形態の無線給電装置に含まれる記憶装置に記憶される第2データベースの一例を示す表である。
図6Aは、本実施形態にかかる第3実施形態及び第4実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
図6Bは、本実施形態にかかる第3実施形態及び第4実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
【0046】
以下、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、
図6A、
図6Bを参照しつつ、無線給電装置1Cの第3実施形態について説明する。尚、第3実施形態の説明において、第1実施形態における構成と同一の構成要素は同一の番号を付して記載し、その説明を省略するものとする。
【0047】
無線給電装置1Cは、送電装置2C、受電装置3Cを含んで構成されている。尚、第3実施形態は、送電装置2Cの第1コイル12と受電装置3Cの第2コイル20Cとが角度θ3(ズレ)を有して対向している状況において、送電装置2Cから受電装置3Cに送電される態様である。具体的には、角度θ3(ズレ)とは、中心軸に沿う基準軸と、第1コイル12の特定の外縁部分と対向する第2コイル20Cの特定の外縁部分とを結ぶ斜線と、が交差してなす角度をいう。よって、第3実施形態においては、角度θ3を計測できるように、送電装置2Cが角度センサー80を備えて構成されている。
<<送電装置>>
送電装置2Cは、電源10、インバータ11、第1コイル12、可変コンデンサ13、記憶装置40C、制御装置50C、調整装置60、距離センサー70、角度センサー80C、第1送受信部91を含んで構成されている。
<<記憶装置>>
記憶装置40Cは、例えば、第1コイル12と第2コイル20Cとの間の距離を示す距離情報、第1コイル12と第2コイル20Cとの間の角度を示す角度情報、第1コイル12と第2コイル20Cとの間の対向面積を示す対向面積情報、第1コイル12と第2コイル20Cの位置を示す位置情報、結合係数を示す係数情報、最も送電効率の良い可変容量を示す可変容量情報を予め記憶している装置である。尚、距離情報、角度情報、対向面積情報、位置情報、係数情報及び可変容量情報をまとめて、以下、「記憶情報2」と称する。第3実施形態では、記憶装置40Cは、
図3Dに示す第2データベース42を利用して動作する。具体的には、第2データベース42は、例えば、第1コイル12形状、第2コイル20C形状、距離情報、角度情報、対向面積情報、係数情報、可変容量が記憶されている表を示している。第2データベース42は、例えば、
図3Aで示されるように、第1コイル12と第2コイル20Cとの中心軸がずれているとき、すなわち第1コイル12と第2コイル20Cとが直線状に配置されていないとき、結合係数は距離、角度、対向面積に依存するため、それらの項目を含んで構成されている。
<<制御装置>>
制御装置50Cは、距離センサー70で計測された計測距離情報、角度センサー80Cで計測された計測角度情報、第1送受信部91から取得した計測位置情報を取得し、夫々の情報と記憶情報2とを照合して、調整装置60に信号を出力する装置である。制御装置50Cは、CPU51C、出力部52C、入力部53C、記憶部54C、表示部55Cを含んで構成されている。
【0048】
CPU51Cは、後述する記憶部54Cに記憶されているプログラムを実行する機能を有する。CPU51Cは、出力部52C、入力部53C、記憶部54C、表示部55Cに電気的に接続されている。CPU51Cは、記憶部54Cに一時的に記憶されている計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報を読み込む機能を有する。CPU51Cは、記憶装置40Cに記憶されている記憶情報2を参照する機能を有する。CPU51Cは、計測角度情報から計測対向面積情報を算出する機能を有する。尚、計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報及び計測対向面積情報をまとめて、以下、「計測情報2」と称する。CPU51Cは、例えば比較判定部511C、容量算定部512Cを含んで構成されている。
【0049】
比較判定部511Cは、計測情報2に最も近い記憶情報2を判定して、可変容量情報を取得する機能を有する。尚、最も近い記憶情報2とは、計測情報2に等しい記憶情報2を含むものとする。具体的には、例えば第1コイル12形状及び第2コイル20C形状がアルファ巻きコイルであって、計測距離情報が20mmで、計測角度情報が5度であった場合、比較判定部511Cは、第2データベース42を参照して、第1コイル形状(L0)及び第2コイル形状(L1)がアルファ巻きコイルで、計測距離情報及び計測角度情報に最も近い(等しい)距離情報(D3)(この場合、20)及び角度情報(θ3)(この場合、5)に対応する可変容量情報(この場合、0.02)を判定し、取得する。
【0050】
容量算定部512Cは、現時点における可変容量と、比較判定部511Cから入力される可変容量情報と、を比較して、最も送電効率が高くなるように加減すべき静電容量を示す加減容量情報を算定する。又、可変コンデンサ13の現時点における可変容量が上限値又は下限値であるか否かについても判定する。上限値及び下限値は、可変コンデンサ13の仕様等に基づいて定められている。上限値及び下限値を示す上下限情報は、例えば、記憶部54Cに記憶される。容量算定部512Cは、記憶部54Cを参照して上下限情報を取得する。容量算定部512Cは、加減容量情報及び上下限情報を後述する表示部55Cに出力する。又、容量算定部512Cは、加減容量情報を後述する調整装置60に出力する。尚、夫々の情報の出力は、出力部52を介して行われる。具体的には、容量算定部512Cは、例えば、現時点における可変容量が0.01μFであり、比較判定部511Cから入力される可変容量情報が0.02μFである場合、加減容量情報は+0.01μF(0.02μF−0.01μF)と算出される。容量算定部512Cは、出力部52Cを介して加減容量情報(+0.01μF)を調整装置60及び表示部55Cに出力する。
【0051】
出力部52Cは、例えば、CPU51Cから出力される各種の情報を調整装置60に出力する機能を有する。出力部52Cは、少なくともCPU51Cと電気的に接続されている。
【0052】
入力部53Cは、例えば、距離センサー70からは計測距離情報が入力され、角度センサー80Cからは計測角度情報が入力され、第1送受信部91からは計測位置情報が入力される部分である。入力部53Cは、少なくともCPU51Cと電気的に接続されている。
【0053】
記憶部54Cは、例えば、CPU51Cが実行するプログラム、計測情報2が記憶されている部分である。記憶部54Cは、例えば、RAMで構成されている。記憶部54Cは、少なくともCPU51Cと電気的に接続されている。記憶部54Cは、例えば、計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報を一時的に記憶する機能を有する。
【0054】
表示部55Cは、CPU51Cから出力される情報を表示するディスプレイである。尚、表示部55Cには、CPU51Cに対して情報を入力するための例えばキーボード、マウス等(不図示)が含まれるものとする。
<<角度センサー>>
角度センサー80は、第1コイル12と第2コイル20Cとの角度(ズレ)を測定する装置である。角度センサー80は、制御装置50Cに電気的に接続されている。角度センサー80は、例えば、レーザーダイオードから照射される光を利用して、測定対象物との角度を測定する装置である。具体的には、角度センサー80は、第1コイル12の中心軸に沿う基準軸を基準にして、第1コイル12の外縁部分から、対向する第2コイル20Cの外縁部分に光を照射し、基準軸に対する角度を計測する。角度センサー80は、例えば、送電装置2Cの内部又は外面に附帯され、受電装置3Aの第2コイル20Cにレーザーが照射されるように設けられている。角度センサー80は、測定した計測角度情報を制御装置50Cに出力する。
【0055】
尚、上記において、送電装置2Cは、角度センサー80を含んで構成されているとして記載したが、これに限定されない。送電装置2Cは、角度センサー80を含まず構成されていてもよく、尚、その場合は、作業員が、例えば基準軸に対する第2コイル20Cの角度を計測して、計測した角度情報を制御装置50Cに入力すればよい。制御装置50Cは、入力された角度情報を元に可変容量を算定する。
<<受電装置>>
図3Aに示されている受電装置3Cは、
図1Aに示されている受電装置3Aと同一であるため、その説明を省略する。
<<動作>>
以下、
図6A、
図6Bを参照しつつ、第3実施形態における無線給電装置1Cの動作について説明する。
【0056】
CPU51Cは、送電装置2Cと受電装置3Cとが対向する位置にあるときに、距離センサー70及び角度センサー80が計測できる状態にあるか否かを判定する(S301)。
【0057】
距離センサー70及び角度センサー80が計測できる状態にある場合(S301:YES)、距離センサー70及び角度センサー80は、第1コイル12と第2コイル20Cとの距離及び角度を測定する(S302、S305)。距離センサー70は、測定した計測距離情報を制御装置50Cに送信する。制御装置50Cは、入力部53Cで受信した計測距離情報をCPU51Cで入力処理する(S303)。CPU51Cは、計測距離情報を記憶部54Cに送信して、記憶部54Cで一時的に記憶する(S304)。角度センサー80は、測定した計測角度情報を制御装置50Cに送信する。制御装置50Cは、入力部53Cで受信した計測角度情報をCPU51Cで入力処理する(S306)。CPU51Cは、計測角度情報を記憶部54Cに送信して、記憶部54Cで一時的に記憶する(S307)。CPU51Cは、計測角度情報から計測対向面積情報を算出する(S308)。計測対向面積情報は、受電装置3Cのコイル形状、計測角度情報から算出される。CPU51Cは、処理をS309に移行する。
【0058】
距離センサー70及び角度センサー80が計測できる状態にない場合(S301:NO)、第1送受信部91は、基地局90から位置情報を取得する(S401)。第1送受信部91は、第1コイル12と第2コイル20Cとの位置情報を制御装置50Cに送信する。制御装置50Cは、入力部53Cで受信した計測位置情報をCPU51Cで入力処理する(S402)。CPU51Cは、計測位置情報を記憶部54Cに送信して、記憶部54Cで一時的に記憶する(S403)。CPU51Cは、処理をS309に移行する。
【0059】
CPU51Cは、記憶装置40Cのデータベースの記憶情報2を参照する(S309、S310)。CPU51Cは、データベースの記憶情報2と、計測距離情報、計測角度情報及び計測対向面積情報と、を照合して記憶情報2に等しい又は最も近い値を示す行の係数情報を特定し(S311)、当該係数情報に対応する可変容量情報を特定する(S312)。CPU51Cは、記憶部54Cに記憶されている現時点の可変容量及び上下限情報を取得する(S313、S314)。CPU51Cは、現時点の可変容量及び係数情報に対応する可変容量情報から加減容量情報を算出する(S315)。CPU51Cは、加減容量情報がプラスかマイナスかを判定する(S316)。
【0060】
CPU51Cは、加減容量情報がプラスの場合(S316:プラス)、現時点の可変容量が上限値であるか否かを判定する(S317)。CPU51Cは、加減容量情報が上限値である場合(S317:YES)、処理を終了する。可変コンデンサ13を調整することができないためである。
【0061】
CPU51Cは、加減容量情報がマイナスの場合(S316:マイナス)、現時点の可変容量が下限値であるか否かを判定する(S318)。CPU51Cは、加減容量情報が下限値である場合(S318:YES)、処理を終了する。可変コンデンサ13を調整することができないためである。
【0062】
CPU51Cは、加減容量情報がプラスの場合に上限値でない場合(S317:NO)又は加減容量情報がマイナスの場合に下限値でない場合(S318:NO)、特定された加減容量情報を調整装置60に出力する(S319)。
【0063】
調整装置60は、入出力処置部で加減容量情報を取得する(S320)。入出力処置部は、加減容量情報に応じたサーボモータの動作量を算出する(S321)。入出力処理部は、サーボモータに動作量に応じた動作信号を出力する(S322)。サーボモータは、回動軸と同軸で連結されている可変コンデンサ13の可変容量を変化させる(S323)。CPU51Cは、処理を終了する(S324)。上記の手順によって、無線給電装置1Cは、送電装置から受電装置への送電効率を最も良くするために、可変コンデンサ13の可変容量を変更できる。
【0064】
尚、上記において、送電装置2Cは距離センサー70を含んだ構成として説明したが、距離センサー70を含まない構成である場合、S301〜S304のステップを、作業員が計測した距離を示す情報を制御装置50Cに入力するステップに変更する。尚、上記において、送電装置2Cは角度センサー80を含んだ構成として説明したが、角度センサー80を含まない構成である場合、S301、S305〜307のステップを、作業員が計測した角度を示す情報を制御装置50Cに入力するステップに変更する。尚、上記において、送電装置2Cは第1送受信部91を含んだ構成として説明したが、第1送受信部91を含まない構成である場合、S401〜403のステップを、作業員が計測した距離及び角度を示す情報を制御装置50Cに入力するステップに変更する。
===第4実施形態===
図4Aは、本実施形態にかかる第4実施形態の無線給電装置の構成を示す図である。
図4Bは、本実施形態にかかる第4実施形態の無線給電装置に含まれる制御装置の構成を示す図である。
図4Cは、本実施形態にかかる第4実施形態の無線給電装置に含まれるCPUの構成を示す図である。
図4Dは、本実施形態にかかる第4実施形態の無線給電装置に含まれる記憶装置に記憶される第3データベースの一例を示す表である。
図6Aは、本実施形態にかかる第3実施形態及び第4実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
図6Bは、本実施形態にかかる第3実施形態及び第4実施形態の無線給電装置の動作を示すフローチャートである。
【0065】
以下、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図6A、
図6Bを参照しつつ、無線給電装置1Dの第4実施形態について説明する。尚、第4実施形態の説明においては、第1実施形態又は第3実施形態における構成要素と同一の構成要素は同一の番号を付して記載し、その説明を省略するものとする。尚、
図4Aは、説明の便宜上、受電装置3Dに含まれる負荷設備(不図示)、コンデンサ(不図示)、第2送受信部(不図示)を省略し、第2コイル20D1及び第2コイル20D2のみが示されている。尚、
図4Aは、説明の便宜上、受電装置3Dが2台で構成されて示されているが、受電装置3Dが3台以上で構成されていてもよい。
【0066】
無線給電装置1Dは、送電装置2D、受電装置3Dを含んで構成されている。尚、第4実施形態は、例えば、送電装置2Dと複数の受電装置3Dとが角度θ4A、角度θ4Bを有する状況において、送電装置2Dから複数の受電装置3Dに送電する態様である。尚、角度θ4A及び角度θ4Bは、角度θ3と同一の考え方で用いられるものであるため、その説明を省略する。
<<送電装置>>
第4実施形態は、送電装置2Dと複数の受電装置3Dとが角度を有して対向している点において第3実施形態と異なり、それに伴って、第3実施形態の記憶装置40C及び制御装置50Cのみが異なる動作を要するため、以下、第4実施形態における記憶装置40D及び制御装置50Dについて説明をし、その他の送電装置2Dにおける構成要素については説明を省略する。
<<記憶装置>>
記憶装置40Dは、例えば、第1コイル12と第2コイル20Dとの間の距離を示す距離情報、第1コイル12と第2コイル20Dとの間の角度を示す角度情報、第1コイル12と第2コイル20Dとの間の対向面積を示す対向面積情報、第1コイル12と第2コイル20Dの位置を示す位置情報、結合係数を示す係数情報、最も送電効率の良い可変容量を示す可変容量情報を予め記憶している装置である。尚、距離情報、角度情報、対向面積情報、位置情報、係数情報及び可変容量情報をまとめて、以下、「記憶情報3」と称する。第4実施形態では、記憶装置40Dは、
図4Dに示される第3データベース43を利用する。具体的に、第3データベース43は、例えば、第1コイル12形状、第2コイル(20D1、20D2)形状、距離情報、角度情報、面積情報、係数情報、可変容量情報が記憶されている表を示している。第3データベース43は、例えば、
図4Aで示されるように、第1コイル12と、第2コイル20D1及び第2コイル20D2との夫々の中心軸がずれているとき、すなわち複数のコイルが直線状に配置されていないとき、結合係数は距離、角度、対向面積に依存するため、それらの項目を含んで構成されている。
<<制御装置>>
制御装置50Dは、CPU51D、出力部52D、入力部53D、記憶部54D、表示部55Dを含んで構成されている。
【0067】
CPU51Dは、後述する記憶部54Dに記憶されているプログラムを実行する機能を有する。CPU51Dは、出力部52D、入力部53D、記憶部54D、表示部55Dに電気的に接続されている。CPU51Dは、記憶部54Dに一時的に記憶されている計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報を読み込む機能を有する。CPU51Dは、記憶装置40Dに記憶されている記憶情報3を参照する機能を有する。CPU51Dは、計測角度情報から計測対向面積情報を算出する機能を有する。尚、計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報及び計測対向面積情報をまとめて、以下、「計測情報3」と称する。CPU51Dは、例えば比較判定部511D、容量算定部512Dを含んで構成されている。
【0068】
比較判定部511Dは、計測情報3に最も近い記憶情報3を判定して、可変容量情報を取得する機能を有する。尚、最も近い記憶情報3とは、計測情報3に等しい記憶情報3を含むものとする。具体的には、例えば第1コイル12形状、第2コイル20D1形状及び第2コイル20D2がアルファ巻きコイルであって、第1コイル12と第2コイル20D1との計測した距離を示す計測距離情報が20mmで、計測した角度を示す計測角度情報が5度で、第1コイル12と第2コイル20D2との計測した距離を示す計測距離情報が25mmで、計測した角度を示す計測角度情報が10度でであった場合、比較判定部511Dは、第3データベース43を参照して、第1コイル形状(L0)、第2コイル形状(L4A)及び第2コイル形状(L4B)がアルファ巻きコイルで、夫々の計測距離情報に最も近い(等しい)距離情報(D4A)(この場合、20)及び距離情報(D4B)(この場合、25)を判定し、夫々の計測角度情報に最も近い(等しい)角度情報(θ4A)(この場合、5)及び角度情報(θ4B)(この場合、10)を判定し、距離情報(D4A、D4B)及び角度情報(θ4A、θ4B)に対応する可変容量情報(この場合、0.02)を判定し、取得する。
【0069】
容量算定部512Dは、現時点における可変容量と、比較判定部511Dから入力される可変容量情報と、を比較して、最も送電効率が高くなるように加減すべき静電容量を示す加減容量情報を算定する。又、可変コンデンサ13の現時点における可変容量が上限値又は下限値であるか否かについても判定する。上限値及び下限値は、可変コンデンサ13の仕様等に基づいて定められている。上限値及び下限値を示す上下限情報は、例えば、記憶部54Dに記憶される。容量算定部512Dは、記憶部54Dを参照して上下限情報を取得する。容量算定部512Dは、加減容量情報及び上下限情報を後述する表示部55Dに出力する。又、容量算定部512Dは、加減容量情報を後述する調整装置60に出力する。尚、夫々の情報の出力は、出力部52Dを介して行われる。具体的には、容量算定部512Dは、例えば、現時点における可変容量が0.01μFであり、比較判定部511Dから入力される可変容量情報が0.02μFである場合、加減容量情報は+0.01μF(0.02μF−0.01μF)と算出される。容量算定部512Dは、出力部52Dを介して加減容量情報(+0.01μF)を調整装置60及び表示部55Dに出力する。
【0070】
出力部52Dは、例えば、CPU51Dから出力される各種の情報を調整装置60に出力する機能を有する。出力部52Dは、少なくともCPU51Dと電気的に接続されている。
【0071】
入力部53Dは、例えば、距離センサー70からは計測距離情報が入力され、角度センサー80Dからは計測角度情報が入力され、第1送受信部91からは計測位置情報が入力される部分である。入力部53Dは、少なくともCPU51Dと電気的に接続されている。
【0072】
記憶部54Dは、例えば、CPU51Dが実行するプログラム、計測情報2が記憶されている部分である。記憶部54Dは、例えば、RAMで構成されている。記憶部54Dは、少なくともCPU51Dと電気的に接続されている。記憶部54Dは、例えば、計測距離情報、計測角度情報、計測位置情報を一時的に記憶する機能を有する。
【0073】
表示部55Dは、CPU51Dから出力される情報を表示するディスプレイである。尚、表示部55Dには、CPU51Dに対して情報を入力するための例えばキーボード、マウス等(不図示)が含まれるものとする。
<<受電装置>>
受電装置3Dは、2台以上の受電装置3Dで構成されている。
図4Aに示される夫々の受電装置3Dは、
図3Aに示される受電装置3Cと同一であるため、その説明を省略する。
<<動作>>
第4実施形態における無線給電装置1Dの動作手順は、第3実施形態における無線給電装置1Cの動作手順(
図6A、
図6B)と同一であるため、その説明を省略する。ただし、S102、S105において、距離センサー70及び角度センサー80が、第1コイル12と第2コイル20Cとの距離及び角度を測定するステップは、第1コイル12と複数の第2コイル(20D1、20D2)との距離及び角度を測定するステップに変更して適用するものとする。
【0074】
以上説明したように、磁場の共鳴を利用して電力を伝達する第1コイル12と、第1コイル12に接続される可変コンデンサ13と、第1コイル12と、第1コイル12に対して磁場と共鳴する位置に配置された第2コイル(20A〜20D2)と、の距離を示す距離情報と、当該距離において磁場の共鳴によって発生する電流が最大になる可変コンデンサ13の容量を示す可変容量情報と、を対応付けて予め記憶している記憶装置(40A〜40D)と、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との間の計測された距離を示す計測距離情報に基づいて、記憶装置(40A〜40D)を参照して、計測距離情報に最も近い距離情報に対応付けられている可変容量情報を特定する制御装置(50A〜50D)と、を備えることを特徴とする無線給電装置(1A〜1D)。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)の送電効率は、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との距離と、コンデンサ容量と、によって変化するが、予め送電効率が最も良くなる距離と可変容量との関係を示したデータベースを記憶装置(40A〜40D)に記憶させておくことで、無線給電装置(1A〜1D)における特定の回路に生じる電圧等の検出結果に基づいて可変コンデンサ13の容量を調整するようなフィードバック手段が不要になる。
【0075】
制御装置(50A〜50D)で特定された可変容量情報に基づいて可変コンデンサ13の可変容量を調整する調整装置60を、さらに備えている。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、制御装置(50A〜50D)が自動制御をするため、ヒューマンエラーの防止を図ることができる。
【0076】
第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との間の距離を計測して計測距離情報を出力する距離センサー70を、さらに備えている。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との間の距離を距離センサー70が計測するため、計測精度の向上及びヒューマンエラーの防止を図ることができる。
【0077】
制御装置(50A〜50D)は、第1コイル12の位置を示す情報として取得される位置情報と、第2コイル(20A〜20D2)の位置を示す情報として取得される位置情報と、に基づいて、計測距離情報として第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との距離を算定する。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との間に物体が介在すると距離センサー70は距離を計測できないが、位置情報を送受信する第1送受信部91を備えることで、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との位置を位置情報として取得し、当該位置情報から第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との距離を算定することができる。
【0078】
第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との角度(ズレ)を表す計測された角度を示す計測角度情報を出力する角度センサー80をさらに備え、記憶装置(40A〜40D)は、距離情報と、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)とのズレを表す角度を示す角度情報と、計測距離情報及び計測角度情報において磁気の共鳴によって発生する電流が最大になる可変コンデンサ13の容量を示す可変容量情報と、を対応付けて予め記憶し、制御装置(50A〜50D)は、計測距離情報と、計測角度情報と、に基づいて、記憶装置(40A〜40D)を参照して、計測距離情報及び計測角度情報に最も近い距離情報及び角度情報に対応付けられている可変容量情報を特定する。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との距離の計測に加えて、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との角度を計測することで、さらに送電効率の向上を図ることができる。
【0079】
制御装置(50A〜50D)は、第1コイル12の位置情報と、第2コイル(20A〜20D2)の位置情報と、に基づいて、計測角度情報として第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)とのズレを表す角度を算定する。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との間に物体が介在すると角度センサー80は角度を計測できないが、位置情報を送受信する第1送受信部91及び第2送信部(92A〜92D)を備えることで、第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との位置を位置情報として取得し、当該位置情報から第1コイル12と第2コイル(20A〜20D2)との角度を算定することができる。
【0080】
第1コイル12と、可変コンデンサ13と、記憶装置(40A〜40D)と、制御装置(50A〜50D)とは無線給電装置(1A〜1D)における送電装置(2、2C、2D)として設けられ、第2コイル(20A〜20D2)は受電装置(3A〜3D)として設けられている。本実施形態によれば、無線給電装置(1A〜1D)は、送電装置(2、2C、2D)に第1コイル12、可変コンデンサ13、記憶装置(40A〜40D)、制御装置(50A〜50D)を備えるため、受電装置毎に可変コンデンサ13、記憶装置(40A〜40D)、制御装置(50A〜50D)を設ける必要がないためコスト縮減が図られる。
【0081】
無線給電装置1Dは、受電装置3Dが複数設けられている。本実施形態によれば、無線給電装置1Dは、複数台の受電装置3Dに対応した制御装置50D、記憶装置40Dが設けられることで、使用態様を広げることができる。
【0082】
尚、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
磁場の共鳴を利用して電力を伝達する第1コイルと、前記第1コイルに接続される可変コンデンサと、前記第1コイルと、前記第1コイルに対して前記磁場と共鳴する位置に配置された第2コイルと、の距離を示す第1距離情報と、前記距離において前記磁場の共鳴によって発生する電流が最大になる前記可変コンデンサの容量を示す第1容量情報と、を対応付けて予め記憶している記憶装置と、前記第1コイルと前記第2コイルとの間の計測された距離を示す第1計測距離情報に基づいて、前記記憶装置を参照して、前記第1計測距離情報に最も近い前記第1距離情報に対応付けられている前記第1容量情報を特定する制御装置と、を備えることを特徴とする無線給電装置。