(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6070982
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20170123BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20170123BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
G09F9/00 359
G03B21/00 F
G02B27/01
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-222138(P2012-222138)
(22)【出願日】2012年10月4日
(65)【公開番号】特開2014-74802(P2014-74802A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 加苗
(72)【発明者】
【氏名】春山 裕輝
【審査官】
小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−317557(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/023681(WO,A1)
【文献】
特開2000−252482(JP,A)
【文献】
特開2003−295105(JP,A)
【文献】
特開2007−065012(JP,A)
【文献】
特開2006−171722(JP,A)
【文献】
特開2008−256973(JP,A)
【文献】
特開2010−107615(JP,A)
【文献】
特開2008−160441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00−46
H01L 27/32
G03B 21/00−21/10
21/12−21/13
21/134−21/30
33/00−33/16
G02B 27/00−27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を発する照明手段と、前記照明光を透過及び反射させる光学部材と、前記光学部材を透過した前記照明光を反射させ、表示光を生成する反射型表示素子と、前記表示光が投影される透過型スクリーンと、前記光学部材で反射された前記照明光の光量を検出する検出手段と、前記光学部材と前記検出手段との間に配置され前記検出手段に入射する赤外線を低減させる赤外線低減手段と、を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第一の色を有する第一の光を発する第一の発光素子及び第二の色を有する第二の光を発する第二の発光素子を有し、前記第一の光及び前記第二の光を含む照明光を発する照明手段と、
前記照明光を透過及び反射させる光学部材と、
前記光学部材を透過した前記照明光を反射させ、表示光を生成する反射型表示素子と、
前記表示光が投影される透過型スクリーンと、
前記光学部材で反射された前記照明光を検出し、光量データを出力する検出手段と、
前記光学部材と前記検出手段との間に配置され前記検出手段に入射する赤外線を低減させる赤外線低減手段と、
前記光量データに基づいて前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子の少なくとも一方に供給する電力を調整する制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記光学部材は、プリズムからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射型表示素子を備えた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用ヘッドアップディスプレイが種々提案されており、例えば特許文献1に開示されている。斯かる車両用ヘッドアップディスプレイ1は、表示光Lを車両のフロントガラス或いはコンバイナと称される半透過板に投影し、虚像を表示するものである。車両用ヘッドアップディスプレイ1は、透光性の窓部2を備えたハウジング3に液晶表示装置4及び反射鏡5を収容したものであり、液晶表示装置4が発した表示光Lは、反射鏡5で反射されてフロントガラス或いはコンバイナに投影される(
図5参照)。
【0003】
液晶表示装置4は、液晶表示パネル6及びこの液晶表示パネル6を透過照明する発光素子7,8を有するものである。発光素子7,8は、図示しない駆動回路から所定の電力を供給されて発光するものであり、発光素子7は緑色光L1を発し、発光素子8は赤色光L2を発する。液晶表示パネル6は、発光素子7が発した緑色光L1と発光素子8が発した赤色光L2とが混色された照明光L3で透過照明される。
【0004】
しかし、周囲温度によって発光素子7,8の発光輝度が各々変化するため、照明光L3が所望の色度ではなく、やや緑色が強かったり、やや赤色が強かったりすることがあるという問題を有していた。
【0005】
この問題を解決するため、発光素子の光量を調整して、ホワイトバランスを維持する表示装置が提案されており、例えば特許文献2に開示されている。斯かる表示装置は、赤または緑または青の色光を発する発光素子からなる光源と、液晶デバイスを用いた光変調素子と、投射光学系と、光変調素子と投射光学系の間に配置された検出部と、制御部とを有しており、検出部にて各々の発光素子から発せられた光量を測定し、制御部によって赤、緑、青各色の発光素子の光量を比較・調整することにより各色のバランスを保つので、発光素子が長期間の使用によって劣化し光量が低下しても、最適なホワイトバランスの表示画像を維持することが可能となる。なお、ホワイトバランスとは、白色を表示するための赤、緑、青各色の発光素子から射出される光量の比率(バランス)を意味する。
【0006】
この表示装置は光変調素子として液晶デバイスを用いるため、そこから射出される光は直線偏光光である。検出部には偏光分離面を有する偏光分離手段が設置されており、液晶デバイスから射出された直線偏光光がP偏光の場合偏光分離面を透過し、S偏光の場合偏光分離面で反射する。光の検出は、偏光分離面で反射したS偏光光を、反射光路上に設置した受光素子に導くことで行われる。
【0007】
検出部にて光量を測定するためには、光変調素子よりS偏光光を射出する必要があるが、その間はP偏光光が射出されない。そのため、光量測定時間が長いほど投射光学系へ向かう光の量が少なくなり、光利用効率が低下する。また、光変調素子としてDMD(Digital Micromirror Device)等の反射型表示素子を用いた場合には、そこから射出される光は非偏光光となる。そのため、特許文献2に開示された表示装置では、検出部の偏光分離面の影響により投射光学系に向かう光の量が約半分となってしまい、更なる光利用効率の低下を招くという問題を有していた。
【0008】
この問題を解決するため、本願出願人は、光学部材で反射された照明光を検出する光センサから出力された光量データに基づいて、発光素子に供給する電力を調整する表示装置を提案している(特願2012−184713)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−295105号公報
【特許文献2】特開2007−65012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、表示装置に太陽光が入射したとき、光センサが照明光の光量だけでなく、太陽光の光量も検出してしまうことがあり、表示画像の色バランスが良好ではなくなる虞があった。特に、光センサの感度特性のピーク波長が赤外線領域にある場合は、表示画像の色バランスが悪化するという問題を有していた。
本発明は、太陽光が入射したときであっても、表示画像の最適な色バランスを保ち、高品位な画質が得られる表示装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、照明光を発する照明手段と、前記照明光を透過及び反射させる光学部材と、前記光学部材を透過した前記照明光を反射させ
、表示光を生成する反射型表示素子と、
前記表示光が投影される透過型スクリーンと、前記光学部材で反射された前記照明光の光量を検出する検出手段と、前記光学部材と前記検出手段との間に配置され前記検出手段に入射する赤外線を低減させる赤外線低減手段と、を備えたものである。
【0012】
また、本発明は、第一の色を有する第一の光を発する第一の発光素子及び第二の色を有する第二の光を発する第二の発光素子を有し、前記第一の光及び前記第二の光を含む照明光を発する照明手段と、前記照明光を透過及び反射させる光学部材と、前記光学部材を透過した前記照明光を反射させ
、表示光を生成する反射型表示素子と、
前記表示光が投影される透過型スクリーンと、前記光学部材で反射された前記照明光を検出し、光量データを出力する検出手段と、前記光学部材と前記検出手段との間に配置され前記検出手段に入射する赤外線を低減させる赤外線低減手段と、前記光量データに基づいて前記第一の発光素子及び前記第二の発光素子の少なくとも一方に供給する電力を調整する制御手段と、
を備えたものである。
【0013】
また、本発明は、前記光学部材は、プリズムからなるものである。
【発明の効果】
【0014】
赤外線低減手段によって、検出手段に入射する赤外線を低減できるため、表示光の色度が所望の色度になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態を示すヘッドアップディスプレイの概観図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態について説明する。
【0017】
ヘッドアップディスプレイ11は車両のダッシュボード12内に配設されている(
図1参照)。ヘッドアップディスプレイ11は、表示装置15,反射器16等をハウジング17に収容したものである。ヘッドアップディスプレイ11が投射する表示光Lはフロントガラス13により観察者14に反射される。観察者14は虚像Vを風景と重畳させて視認することができる。
【0018】
表示装置15は、光源部(照明手段)41,ミラー部42,反射鏡43,DMD(反射型表示素子)44,プリズム(光学素子)45,光センサ(検出素子)46,投射レンズ47,透過型スクリーン48,赤外線フィルタ(赤外線低減手段)49を有しており、フィールドシーケンシャル方式によって画像を表示するものである。表示装置15の光源部41は、青色発光ダイオード(発光素子)41B,赤色発光ダイオード(発光素子)41R,緑色発光ダイオード(発光素子)41Gからなるものである。表示装置15の光源部41は、青色発光ダイオード41B,赤色発光ダイオード41R,緑色発光ダイオード41Gが個別に点灯して、順次、青色,赤色,緑色の光を発する。
【0019】
ミラー部42は、反射ミラー42a,ダイクロイックミラー42b,42cからなるものである。反射ミラー42aと、ダイクロイックミラー42bと、ダイクロイックミラー42cとは、互いに平行に配置されている。反射ミラー42aは、青色発光ダイオード41Bが発した光Bを反射させる。ダイクロイックミラー42bは、赤色発光ダイオード41Rが発した光Rを反射させ、反射ミラー42aで反射された光L1を透過させる。ダイクロイックミラー42cは、緑色発光ダイオード41Gが発した光Gを反射させ、反射ミラー42bで透過または反射された光L2を透過させる。
【0020】
反射ミラー43は、平面鏡からなるものであり、ミラー部12からの光L3をプリズム45に向けて反射させる。DMD44は、多数の微小な鏡面を平面に配列した表示素子であり、表示光Lを生成する。プリズム45は、三角柱形状になっており、反射ミラー43とDMD44の間に配置されている。プリズム45は、傾斜面45aによって、光L3の一部を光センサ46に反射させると共に、他の一部をDMD44に透過させる。なお、プリズム45の傾斜面45aには、反射防止膜が形成されていない。
【0021】
光センサ46は、フォトダイオード,フォトトランジスタ等であり、プリズム45の傾斜面45aで反射された光を受光して、光量データをマイコン52に出力する。光センサ46の感度特性のピーク波長は、赤外線領域にある。投射レンズ47は、表示光Lを透過型スクリーン48に投射する。投射レンズ15は、1枚のレンズで構成しても良いし、複数のレンズで構成しても良い。透過型スクリーン48には、表示光Lが投影され、画像が生成される。赤外線フィルタ49は、プリズム45と光センサ46との間に配置される。
【0022】
反射器16は、凹面鏡30,保持部材31及びステッピングモータ32を有している。凹面鏡30は、樹脂(例えばポリカーボネート)に金属(例えばアルミニウム)を蒸着させ反射面30aを形成したものである。反射面30aは凹面となっており
、表示装置15が発した表示光Lが拡大されて虚像Vが表示される。凹面鏡30は保持部材31に両面粘着テープにより接着されている。保持部材31は樹脂(例えばABS)からなるものであり、歯車部34及び軸部35が一体に形成されている。保持部材31の軸部35はハウジング17に軸支されている。
【0023】
ステッピングモータ32の回動軸には歯車37が取付けられており、この歯車37は、保持部材31の歯車部34と噛合されている。凹面鏡30は保持部材31と共に回動可能な状態で支持されており、ステッピングモータ32により凹面鏡30を回動させ、表示光Lの投射方向を調整することができる。観察者14は、押ボタンスイッチ(図示しない)を操作し表示光Lが目の位置に反射されるように(即ち、虚像Vを視認できるように)凹面鏡30の角度を調整する。
【0024】
ハウジング17に
は表示装置15及び反射器16が収容される。ハウジング17には表示光Lが出射する窓部44が設けられている。この窓部44は透光性樹脂(例えばアクリル)からなるものであり、湾曲形状になっている。ハウジング17には遮光壁17cが設けられており、太陽光
が表示装置15に入射し虚像Vが見えにくくなる現象(ウォッシュアウト)を防止している。遮光壁17cは平板形状になっており、ハウジング17の上部から斜めに垂下するように形成されている。
【0025】
図4は表示装置15の電気的構成を示すブロック図である。51は速度センサであり、この速度センサ51は車両の速度を検出し、マイコン52に速度データを出力する。光センサ46はマイコン52に光量データを出力する。マイコン52は、駆動回路53を介して、DMD44に駆動信号を出力し、透過型スクリーン48に車両の速度を表示させると共に、駆動回路54,55,56を介して、青色発光ダイオード41B,赤色発光ダイオード41R,緑色発光ダイオード41Gに駆動信号を出力し、青色発光ダイオード41B,赤色発光ダイオード41R,緑色発光ダイオード41Gを順次発光させる。
【0026】
制御手段58は、マイコン52と駆動回路54,55,56とからなるものであり、光センサ46が出力した光量データに基づいて、表示光Lが所望の色度になるように、青色発光ダイオード41B,赤色発光ダイオード41R,緑色発光ダイオード41Gに印加する駆動電圧を夫々調整する。
【0027】
本実施形態は、プリズム45で反射した光を光センサ46にて検出するものであり、光センサ46が出力した光量データに基づいて、発光ダイオード41B,41R,41Gに供給する電力を調整することででき、且つ、太陽光の赤外線IRが凹面鏡30で反射されても、赤外線IRが赤外線フィルタ49で低減されるため、表示光Lの色度が所望の色度になる。
【0028】
本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、プリズムは、直角プリズムの他、RTIRプリズム,TIRプリズムであっても良い。また、本実施形態は、発光色が異なる3種類の発光ダイオード41B,41R,41Gを用いたものであったが、例えば、発光色が異なる2種類の発光ダイオードを用いても良い。
【符号の説明】
【0029】
41B 発光ダイオード(発光素子)
41R 発光ダイオード(発光素子)
41G 発光ダイオード(発光素子)
41 光源部(照明手段)
45 プリズム(光学部材)
44 DMD(反射型表示素子)
46 光センサ(検出手段)
49 赤外線フィルタ(赤外線低減手段)
58 制御手段