特許第6071023号(P6071023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6071023
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】ガラス成形装置用の溶解装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 5/167 20060101AFI20170123BHJP
   C03B 5/42 20060101ALI20170123BHJP
   F27B 3/12 20060101ALI20170123BHJP
   F27D 1/14 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C03B5/167
   C03B5/42
   F27B3/12
   F27D1/14 A
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-539728(P2015-539728)
(86)(22)【出願日】2013年10月23日
(65)【公表番号】特表2016-500644(P2016-500644A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】US2013066271
(87)【国際公開番号】WO2014066447
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年9月29日
(31)【優先権主張番号】13/661,732
(32)【優先日】2012年10月26日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】フレイリー,レイモンド ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】マニング,シェイン オー
(72)【発明者】
【氏名】ザウアーズ,ジェイソン
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−184861(JP,A)
【文献】 特開2011−020918(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0024341(KR,A)
【文献】 米国特許第2240361(US,A)
【文献】 特表2011−517485(JP,A)
【文献】 米国特許第2029052(US,A)
【文献】 特開平02−180720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 5/00−5/44
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置において、
外骨格の内部容積を画成する基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを備える剛性の外骨格であって、
前記複数の垂直部材は、前記基礎部分に堅固に取り付けられ、前記基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びており、
前記複数の水平部材は、前記複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びると共に、前記上端部に、前記複数の垂直部材が前記複数の水平部材によって相互結合され、かつ、前記複数の水平部材の前記複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、前記基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように、堅固に取り付けられる、
剛性の外骨格と、
前記基礎部分に配置され、金属製の頂部プレートおよび電気絶縁材料から形成された下部の絶縁プレートを備えた少なくとも1つの絶縁フロアプレートと、
前記外骨格の内部容積内において、前記基礎部分の上に、前記少なくとも1つの絶縁フロアプレートの前記金属製の頂部プレートに配置され、かつ前記剛性の外骨格から間隔をあけるよう配置されるタンクアセンブリであって、前記剛性の外骨格に連結され、前記少なくとも1つの絶縁フロアプレートの前記下部の絶縁プレートにより前記外骨格から電気的に絶縁されたタンクアセンブリと、
を備える、ことを特徴とする溶解装置。
【請求項2】
0.3より大きい動的抵抗を有することを特徴とする請求項1記載の溶解装置。
【請求項3】
前記複数の垂直部材および前記複数の水平部材が管状のビームから形成されることを特徴とする請求項1または2記載の溶解装置。
【請求項4】
前記基礎部分が長方形であり、
前記複数の垂直部材が、複数の主垂直部材および複数の2次的垂直部材を備え、各主垂直部材は、前記基礎部分の隅に堅固に取り付けられ、前記複数の2次的垂直部材は、前記主垂直部材の間において、前記基礎部分に堅固に取り付けられ、
前記複数の水平部材は、複数の上部の縦方向の水平部材と、複数の中央の縦方向の水平部材と、複数の横方向の水平部材とを備え、
前記複数の上部の縦方向の水平部材は、前記主垂直部材の上端部と、2次的垂直部材の上端部とに堅固に取り付けられ、
前記複数の中央の縦方向の水平部材は、前記主垂直部材および前記2次的垂直部材の中央部分に堅固に取り付けられ、
前記複数の横方向の水平部材は、主垂直部材の対の上端部と、2次的垂直部材の対の上端部とに堅固に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の溶解装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの絶縁フロアプレートが複数の絶縁フロアプレートを備え、個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが隣接の絶縁フロアプレートから電気的に絶縁されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の溶解装置。
【請求項6】
前記基礎部分の下側に取り付けられるローラをさらに備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の溶解装置。
【請求項7】
前記ローラが前記基礎部分から電気的に絶縁されることを特徴とする請求項6に記載の溶解装置。
【請求項8】
前記溶解装置が組み込まれた状態にあるときに、前記溶解装置を建物の構造部材に取り付けるために、前記基礎部分の下側に取り付けられる動き制限具をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の溶解装置。
【請求項9】
前記溶解装置が組み込まれた状態にあるときに、前記動き制限具が前記建物の構造部材から電気的に絶縁されることを特徴とする請求項8に記載の溶解装置。、
【請求項10】
ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置において、
タンクアセンブリを受け入れるための外骨格の内部容積を堅固に画成する剛性の外骨格であって、管状のビームから形成される基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを備える剛性の外骨格であり、
前記複数の垂直部材は、前記基礎部分に堅固に取り付けられ、前記基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びており、
前記複数の水平部材は、前記複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びると共に、前記上端部に、前記複数の垂直部材が前記複数の水平部材によって相互結合され、かつ、前記複数の水平部材の前記複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、前記基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように、堅固に取り付けられる、
剛性の外骨格と、
前記タンクアセンブリを前記外骨格の内部容積内に配置するときに、前記タンクアセンブリを前記剛性の外骨格に連結するために前記剛性の外骨格に取り付けられる複数の圧力ボルトと、
前記基礎部分の下側に取り付けられるローラであって、前記基礎部分から電気的に絶縁されるローラと、
前記溶解装置が組み込まれた状態にあるときに前記溶解装置を建物の構造部材に取り付けるために、前記基礎部分の下側に取り付けられる動き制限具と、
を備える、ことを特徴とする溶解装置。
【請求項11】
前記基礎部分が前記タンクアセンブリから電気的に絶縁されるように、前記基礎部分と前記タンクアセンブリとの間に配置される少なくとも1つの絶縁フロアプレートをさらに備え、前記少なくとも1つの絶縁フロアプレートは金属製の頂部プレートと下部の絶縁プレートとを備えることを特徴とする請求項10に記載の溶解装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの絶縁フロアプレートが複数の個々の絶縁フロアプレートを備え、個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが隣接の絶縁フロアプレートから電気的に絶縁されるように、前記個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが前記、隣接する絶縁フロアプレートから間隔をあけて配置されることを特徴とする請求項11記載の溶解装置。
【請求項13】
前記ローラが前記基礎部分から電気的に絶縁されるように、前記ローラと前記基礎部分の下側との間に配置される電気絶縁材をさらに備えることを特徴とする請求項11記載の溶解装置。
【請求項14】
前記溶解装置が組み込まれた状態にあるときに、前記動き制限具が、該動き制限具と前記建物の構造部材との間に配置される電気絶縁材をさらに備えることを特徴とする請求項11記載の溶解装置。
【請求項15】
前記圧力ボルトが、本体と、
前記本体内に配置され、第1端部および第2端部を有するねじ付きロッドと、
前記ねじ付きロッドの前記第1端部に配置された緊張用のナットと、
前記ねじ付きロッドの前記第2端部に配置された係合用足部と、
前記本体と前記係合用足部との間において前記ねじ付きロッドに配置された薄ナットと、
前記本体内に配置され、前記ねじ付きロッドを前記本体外に付勢する複数のディスクスプリングとを備えることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の溶解装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本願は、2012年10月26日付で出願された米国特許出願番号第13/661732号に対する優先権の利益を主張するものであり、この出願の内容は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書は、概してガラス製造装置に関し、より具体的には、ガラスのバッチ材料から溶融ガラスを溶解するための溶解装置と、それを備えたガラス製造装置とに関する。
【背景技術】
【0003】
光学用の高品質ガラスシートは、LCD表示装置、LED表示装置などを含む種々の光学表示装置に通常用いられる。光学用の高品質ガラスシートの製造には、種々の製造プロセスを用いることができる。これらの製造プロセスは、概して、セラミック耐火物の炉内でガラスの前駆材料を溶解するステップと、続いて、ガラスの溶融物を成形体から引き出すことによって、ガラスの溶融物からガラスのリボンを製造するステップとを含む。引き続いて、個々のガラスシートがこのガラスのリボンからカットされる。このリボンはきわめて薄くすることが可能であり、引き出しプロセスの間に(例えば地震活動などから)製造用の機器が動くと、ガラスリボンと、延いてはガラスシートとの平坦性が損なわれる可能性がある。さらに極端な場合には、地震活動によって、製造装置自体、特に、ガラス製造プロセスの溶解装置の破壊が生じることもある。
【0004】
さらに具体的には、通常運転の間、ガラス溶解炉(すなわち溶解装置)は何千キログラムもの溶融ガラス材料を含んでいる。溶解炉が構築される耐火物のブロックはかなりの強度および剛性を有するが、溶解装置の強度は、地震事象の間に放出されるエネルギーによる溶解装置の加速度に抵抗するには十分でない。多くの場合、地震事象の間の溶解装置の加速度は、溶解装置の構造を損傷して、溶融ガラスの制御されない放出をもたらす可能性がある。一旦損傷が生じると、溶解装置の再建には、何か月もの時間が掛かり、かつ何百万ドルもの資本支出と生産の損失とを招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、地震事象に耐えるように構成される溶解装置を有するガラス製造装置は、このような損失および再構築コストに対する有意義な保険を提供するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書においては、ガラスバッチ材料溶解用の溶解装置であって、地震事象などのような動的事象に耐えることが可能な溶解装置を記述する。
【0007】
一実施形態によれば、動的事象に耐え得る、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置が、外骨格の内部容積を画成する基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを備える剛性の外骨格を含むことができる。複数の垂直部材は、基礎部分に堅固に取り付けることができ、その基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びることができる。複数の水平部材は、複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びることができると共に、その上端部に、複数の垂直部材が複数の水平部材によって相互結合され、かつ、複数の水平部材の複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように、堅固に取り付けることができる。タンクアセンブリを、外骨格の内部容積内において、基礎部分の上に、剛性の外骨格から間隔をあけて配置され得る。このタンクアセンブリは、剛性の外骨格に堅固に連結され得る。
【0008】
別の実施形態によれば、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置であって、動的事象に耐え得る溶解装置が、タンクアセンブリを受け入れるための外骨格の内部容積を画成する剛性の外骨格であって、管状のビームから形成される基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを含む剛性の外骨格を含むことができる。複数の垂直部材は、基礎部分に堅固に取り付けることができ、その基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びることができる。複数の水平部材は、複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びることができると共に、その上端部に、複数の垂直部材が複数の水平部材によって相互結合され、かつ、複数の水平部材の複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように、堅固に取り付けることができる。タンクアセンブリをこの外骨格の内部容積内に配置するときに、複数の圧力ボルトは、タンクアセンブリを剛性の外骨格に連結するために剛性の外骨格に取り付けられる。基礎部分の下側にローラを取り付けることができる。このローラは、基礎部分から電気的に絶縁され得る。溶解装置が組み込まれた状態にあるときに溶解装置を建物の構造部材に取り付けるために、基礎部分の下側に動き制限具を取り付けることができる。
【0009】
さらに別の実施形態においては、動的事象に耐え得る、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置が、基礎部分と、複数の水平部材および前記基礎部分と相互結合される複数の垂直部材とを含む剛性の外骨格を含むことができる。この剛性の外骨格は、外骨格の内部容積を略画成することができる。タンクアセンブリを、外骨格の内部容積内において基礎部分の上に配置して、剛性の外骨格に連結することができる。溶解装置は、0.3より大きい動的抵抗を有することができる。
【0010】
本明細書に記述する実施形態のさらなる特徴および利点を、以下の詳細説明において述べるが、この特徴および利点は、部分的には、当業者にはその説明から容易に明らかになるか、または、以下の詳細説明と、請求項と、添付の図面とを含む本明細書に記述する実施形態を実践することによって認められるであろう。
【0011】
前記の一般的な説明および以下の詳細説明は、種々の実施形態を説明するものであり、特許請求される主題事項の本質および特性を理解するための概観または枠組みを提供するように意図されていることが理解されるべきである。添付の図面は、種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれると共に、本明細書の一部を構成する。図面は、本明細書に記述する種々の実施形態を図解し、かつ、説明と共に、特許請求される主題事項の原理および操作を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態によるガラス製造装置の概略図である。
図2】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態によるガラス製造装置用の溶解装置の等角後面図の概略図である。
図3】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態によるガラス製造装置用の溶解装置の等角前面図の概略図である。
図4図2の溶解装置の剛性の外骨格なしのタンクアセンブリの断面図の概略図である。
図5】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による図2の溶解装置の断面図の概略図である。
図6】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による溶解装置用の外骨格の基礎部分の概略図である。
図7】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による、絶縁用フロアプレートを含む溶解装置用の外骨格の基礎部分の概略図である。
図8】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による溶解装置用の剛性の外骨格の概略図である。
図9】本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による、溶解装置のタンクアセンブリを剛性の外骨格に連結するための圧力ボルトの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、ガラス成形装置用の溶解装置の実施形態を詳細に参照する。この実施形態の例が添付の図面に表現されている。可能な場合は必ず、同じものまたは類似の部分に言及するのに、全図面にわたって同じ参照符号を用いる。溶解装置の一実施形態が図2に模式的に表現されている。この溶解装置は、概して、基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを含む剛性の外骨格を備え、これらは、外骨格の内部容積を画成するように相互結合されている。タンクアセンブリを、外骨格の内部容積内において、基礎部分の上に、外骨格から間隔をあけて配置することができる。複数の圧力ボルトが、剛性の外骨格をタンクアセンブリに連結する。いくつかの実施形態においては、この溶解装置は0.3より大きい動的抵抗を有することができる。この溶解装置およびこの溶解装置の種々の構成要素について、特に添付の図面を参照して、本明細書においてさらに詳細に説明する。
【0014】
ガラスシートのようなガラスの素材は、概して、ガラスのバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成し、その溶融ガラスを、ガラスリボンのようなガラスの最終製品に成形することによって形成することができる。例示的なプロセスとして、フロートガラス法、スロットドロー法、およびフュージョンダウンドロー法が含まれる。
【0015】
例として図1を参照すると、溶融ガラスからガラスリボンを成形する例示的なガラス製造装置100であって、溶融ガラスをガラスリボンに成形するのにフュージョンドロー機が使用されるガラス製造装置100が模式的に表現されている。このガラス製造装置100は、溶解装置101と、清澄容器103と、混合容器104と、供給容器108と、フュージョンドロー機(fusion draw machine:FDM)120とを含む。ガラスのバッチ材料は、入口ポート102から溶解装置101の中に導入される。バッチ材料は溶解装置内で溶解され、溶融ガラス106を形成する。清澄容器103は、高温の処理領域であって、溶解装置101から溶融ガラス106を受け入れ、その溶融ガラス106から気泡を除去する処理領域を有する。清澄容器103は、結合管105によって混合容器104に流体連結される。すなわち、清澄容器103から混合容器104に流れる溶融ガラスは、結合管105を通って流れる。次に、混合容器104は、結合管107によって供給容器108に流体連結される。すなわち、混合容器104から供給容器108に流れる溶融ガラスは、結合管107を通って流れる。
【0016】
供給容器108は、溶融ガラス106を、ダウンカマー109を通してFDM120の中に供給する。FDM120は筐体122を含み、その中に、流入口110および成形容器111が配置される。図1に示すように、ダウンカマー109からの溶融ガラス106は、成形容器111に繋がる流入口110の中に流入する。成形容器111は、溶融ガラス106を受け入れる開口112を含み、溶融ガラス106は、トラフ113に流入し、続いてオーバフローし、2つの集合する側壁114aおよび114bの上を流下して、その後、2つの側壁が近接する根元において一緒に融合し、かつ、接触して下流側の方向121に引き出され、連続的なガラスリボン128を形成する。
【0017】
図1は、フュージョンドロー機を用いてガラスリボンを成形するガラス製造装置100を模式的に表現しているが、ガラスリボンの成形には、他のプロセスを用いることもできることが理解されるべきである。このプロセスには、フロートグラス法、スロットドロー法が含まれるが、これに限定されない。さらに、ガラス製造装置100がガラスリボン成形用として用いられることが図示されているが、同様のガラス製造装置を、ガラスシート以外のガラス素材成形用として用い得ることが理解されるべきである。このガラスシート以外のガラス素材としては、ガラス管などが含まれるが、これに限定されない。
【0018】
従来型の溶解装置の設計においては、溶解装置101は、概して耐火物のブロックから構築され、この耐火物のブロックは、いくつかの場合には、耐火物ブロックのせん断質量によって一緒に保持することができ、かつ、外部の支持体で補強することができる。しかし、このような設計は、特に、溶解装置が地震活動を受けた場合には溶解装置の構造的一体性を維持するには不十分であることが判明している。具体的には、従来型の溶解装置の設計における外部の支持体が、縦方向、横方向および垂直方向のそれぞれにおいて、耐火物のブロックを十分に保持することができない。その結果、溶解装置が大きな地震活動(すなわち、縦方向、横方向および/または垂直方向の1つ以上において、0.3gより大きい溶解装置の加速度が生じる地震活動)を受けた場合、溶解装置の外部の支持体およびレンガ造りの耐火物は、曲がるか、座屈するか、および/または機能しなくなる傾向を有することになり、これによって、耐火物のブロックが破損し、溶解装置から溶融ガラスが制御されずに漏出する可能性が生じる。溶解装置からガラスが漏出すると、ガラス製造装置における損傷と、プロセスの停止時間と、大きな資本的損失とが生じる場合がある。本明細書において提示かつ記述する実施形態の溶解装置は、上記の従来型の溶解装置の設計の欠陥を軽減する。
【0019】
ここで図2および3を参照すると、ガラス製造装置に使用する溶解装置101が、背面から(図2)および前面から(図3)模式的に表現されている。溶解装置101は、基礎部分170を含む剛性の外骨格130を備えている。剛性の外骨格130は、概して外骨格の内部容積132を画成する。溶解装置101は、さらに、外骨格の内部容積132内において基礎部分170の上に支持されるタンクアセンブリ200をも含む。タンクアセンブリ200は、基礎部分170の上に、剛性の外骨格130から間隔をあけて配置される。タンクアセンブリ200は、複数の入口ポート102を有する背面218を含み、この入口ポート102から、ガラスのバッチ材料を、タンクアセンブリ200の内部に溶解用として導入することができる。タンクアセンブリ200は、さらに、流出ポート222を含む前面220を有する。この流出ポート222を通って、溶融ガラスがタンクアセンブリから流出する。外骨格130は、圧力ボルト150によってタンクアセンブリ200に連結され、この圧力ボルト150は、いくつかの実施形態においてはスプリング付勢される圧力ボルトとすることができる。具体的には、圧力ボルト150は、C形フレーム160およびスタンション152のような支持部材に配置され、これらの支持部材は剛性の外骨格130に堅固に取り付けられる。
【0020】
本明細書に記述する溶解装置101の実施形態においては、溶解装置が、溶解装置の構造的一体性を損なう可能性がある地震活動および他の動的事象に対して、強力かつ延性に富む抵抗を有する。このような事象のために溶解装置に負荷される加速度によって惹起される損傷に対する溶解装置の抵抗は、動的抵抗の用語で定義することができる。動的抵抗は、横方向、縦方向および垂直方向の任意の方向において、タンクアセンブリ200が剛性の外骨格130とそれが取り付けられる基礎部分170とに対して移動することなく、特定のg加速度の印加加速度に耐え得る溶解装置の能力を示すものである。本明細書に記述する溶解装置101の実施形態においては、横方向は、図2に示す座標軸の+/−xの方向であり、縦方向は、図2に示す座標軸の+/−yの方向であり、垂直方向は+/−zの方向である。本明細書に記述する溶解装置の実施形態においては、溶解装置は0.3より大きい動的抵抗を有する。例えば、溶解装置が0.3より大きい動的抵抗を有すると、その溶解装置は、横方向、縦方向および/または垂直方向の任意の方向において、タンクアセンブリ200が剛性の外骨格130と基礎部分170とに対して移動することなく、0.3gより大きい動的力、速度および加速度に耐えることが可能である。本明細書に記述するいくつかの実施形態においては、溶解装置は、0.5(すなわち0.5gの加速度)以上の動的抵抗を有し、あるいは場合によっては1.0(すなわち1.0gの加速度)以上の動的抵抗を有する。溶解装置の動的抵抗は、溶解装置の構造のコンピュータモデルを工学解析することによって評価することができる。代わりの方式として、溶解装置の動的抵抗を、溶解装置のモデル(縮小サイズまたは実際サイズ)の地震試験によって評価することができる。
【0021】
ここで図4を参照すると、図2のタンクアセンブリ200の断面図が、剛性の外骨格を取り除いた状態で模式的に表現されている。図4に示す断面図は、タンクアセンブリ200の背面218の図である。タンクアセンブリ200は、概して、ガラス接触部分204と、上部構造部分202とを備える。ガラス接触部分204はタンクアセンブリ200の下部部分であり、そこでは、ガラスバッチ材料が加熱され、溶融ガラスに転換される。上部構造部分202は、ガラス接触部分204の上部に配置され、略アーチ形の屋根またはクラウン206を含む。タンクアセンブリ200内で溶解されるべきガラスバッチ材料を受け入れるための入口ポート102は、上部構造部分202に配置される。
【0022】
タンクアセンブリ200の壁部分は耐火物ブロックを積み重ねて構築される。耐火物ブロックは、アルミナ、ジルコニアまたは他の適切なセラミック耐火物材料のような耐火物材料から形成される。図4に示すタンクアセンブリ200の実施形態においては、ガラス接触部分204は、下張りフロア208とフロア210とを有する。下張りフロア208は比較的小型の耐火物ブロック209から構成され、フロア210は、下張りフロア208の上部に構築されると共に、比較的大型の耐火物ブロック211を備える。本明細書に記述する実施形態においては、フロア210の耐火物ブロック211と、下張りフロア208の耐火物ブロック209とは、タンクアセンブリ200が加熱された際の膨張を可能にするために、モルタルを使用せずに層に配列される。下張りフロア208およびフロア210の耐火物ブロックは、剛性の外骨格に取り付けられる圧力ボルトによって、相互に接触させられるが、これについては以下においてさらに詳述する。
【0023】
下張りフロア208およびフロア210の他に、ガラス接触部分204は、同様に耐火物ブロック213から構築される少なくとも1つの側壁212をも含む。側壁212の耐火物ブロック213は、図4に示すようにフロア210の上に載っているか、あるいは、代わりの方式として下張りフロア208の上に載っている。下張りフロア208およびフロア210の場合と同様に、少なくとも1つの側壁212の耐火物ブロック213は、フロア210または下張りフロア208の上に、モルタルを使用せずに組み立てられる。フロア210および下張りフロア208の場合と同様に、側壁212の耐火物ブロックも、剛性の外骨格に取り付けられる圧力ボルトによって、相互に接触させられる。
【0024】
前記のように、タンクアセンブリ200は、ガラスバッチ材料を加熱して、タンクアセンブリのガラス接触部分204内に溶融ガラスを形成するために用いられる。タンクアセンブリ200のガラス接触部分204を加熱するために種々の技術を利用することができる。例えば、図4に示すタンクアセンブリ200の実施形態においては、タンクアセンブリが電気的に加熱される。この実施形態においては、タンクアセンブリ200のガラス接触部分204は、さらに、少なくとも1つの側壁212の耐火物ブロック213の間に散在する複数の電極214を備える。電極214は、少なくとも1つの側壁212を貫通して延びており、タンクアセンブリ200の内部に包含される溶融ガラスおよび/またはガラスバッチ材料に電気エネルギーを供給するために用いられる。いくつかの実施形態においては、電極214は、タンクアセンブリ200のフロア210の上に直接載っており、他の実施形態においては、電極214は、タンクアセンブリ200のフロア210を貫通して延びて、下張りフロア208の上に直接載ることができる。さらに別の実施形態においては、電極を、フロア210および/または下張りフロア208の中に配置することができる。従って、タンクアセンブリ200のガラス接触部分204を加熱するために、種々の形態の電極214を利用し得ることが理解されるべきである。
【0025】
運転中、タンクアセンブリ200のガラス接触部分204に、側壁212に沿う所定のレベルまで溶融ガラスを充満する。ガラスをその溶解状態に維持するために、ガラス接触部分204の内部を、多くの場合1500℃を超える相対的な高温に維持しなければならない。熱は、上部構造部分202によってタンクアセンブリ200の中に閉じ込められる。前記のように、上部構造部分202はガラス接触部分204の上部に配置される。本明細書に記述する実施形態においては、上部構造部分202はガラス接触部分204の上に直接載っているのではなく、上部構造部分202は、剛性の外骨格によって支持される1つ以上の支持体(すなわち支持アングル部材)の上に構築される。しかし、他の実施形態においては、上部構造部分202をガラス接触部分204の上に直接載せることも可能であることが理解されるべきである。
【0026】
さらに図4を参照すると、上部構造部分202は、多重層の耐火物ブロック216から構築される。本明細書に提示しかつ記述する実施形態においては、耐火物ブロック216は、アルミナ、ジルコニアなどのような耐火物材料から形成されるモルタルによって接合される。しかし、耐火物モルタルの使用は、場合によって任意選択されるものであり、いくつかの実施形態においては、上部構造部分202が、いかなるモルタルも使用せずに形成されることが理解されるべきである。
【0027】
クラウン206も耐火物ブロック219から構築される。クラウン206の耐火物ブロック219は、アーチおよび/または丸天井形成用の伝統的なレンガ積み技術を用いて、アーチ形状に形成することができる。
【0028】
本明細書に記述する溶解装置101の実施形態においては、耐火物ブロックは、剛性の外骨格と、取り付けられた基礎部分とによって支持されかつ補強される。
【0029】
ここで図5〜7を例として参照すると、タンクアセンブリ200が、溶解装置101の外骨格の基礎部分170の上に配置される。本明細書に提示しかつ記述する溶解装置の実施形態においては、基礎部分170は管状のビームから構成され、基礎部分の各部材は、円形断面、長方形断面または任意の他の適切な閉止型壁面形状を有することができる。しかし、他の実施形態においては、開放型の断面形状(すなわちIビーム)を有するビームを基礎部分の形成に使用することができ、あるいは代わりの方式として、開放型の断面形状および閉止型の断面形状を有するビームの組み合わせを、基礎部分の形成に使用し得ることが理解されるべきである。基礎部分170は、縦方向の側面部材177、178と、横方向の側面部材179、180とを含み、この両側面部材は、相互結合されて基礎部分170の周囲を形成する。図に示す基礎部分170の実施形態においては、縦方向の側面部材177、178と横方向の側面部材179、180とは一緒に溶接されている。しかし、縦方向の側面部材177、178と横方向の側面部材179、180とは、溶接に加えて、または溶接に代わる方式として、ボルトなどのような機械的な固定具によって一緒に連結し得ることが理解されるべきである。図5〜7に示す基礎部分170の実施形態においては、基礎部分170は略長方形である。しかし、基礎部分を、正方形などのような他の幾何学的形状に形成し得ることが理解されるべきである。
【0030】
外骨格の基礎部分170は、さらに複数の内部支持部材181を含み、これらの内部支持部材181は、格子型に配置され、かつ、溶接および/またはボルトなどのような機械的な固定具によって、相互に接合されると共に、縦方向の側面部材177、178と横方向の側面部材179、180とに接合される。内部支持部材181は管状のビームから形成されるが、基礎部分の各部材は、円形断面、長方形断面または任意の他の適切な開放型または閉止型形状を有することができる。いくつかの実施形態においては、タンクアセンブリ200の側壁に対する支持を強化するために、多重の内部支持部材が、縦方向の側面部材に沿って、互いに近接してあるいは互いに直接接触して配置される。
【0031】
基礎部分170は、さらに複数のスタブブラケット182を含むことができる。スタブブラケット182は、管状のビームの一部分から形成することができ、溶接および/または機械的な固定具によって、縦方向の側面部材177、178と横方向の側面部材179、180とに取り付けられる。スタブブラケット182には、圧力ボルトがタンクアセンブリ200のフロアおよび下張りフロアの耐火物ブロックと係合できるように、かつ、それによって耐火物ブロックを相互に接触させることができるように、圧力ボルト150が配置される。
【0032】
図5〜7をさらに参照すると、基礎部分170が、さらに、内部支持部材181によって形成される格子の上に配置される少なくとも1つの絶縁フロアプレート172を含む。この絶縁フロアプレート172は、概して、鋼または類似の構造用金属から形成される金属製の頂部プレート174と、下部の絶縁プレート176とを含む。下部の絶縁プレート176は、タンクアセンブリ200を基礎部分170から電気的に絶縁するように、電気絶縁材料から形成することができる。基礎部分170をタンクアセンブリ200から電気的に絶縁することによって、次のような場合、すなわち、タンクアセンブリ200のフロアおよび/または下張りフロアが損傷を受け、荷電された溶融ガラスがタンクアセンブリ200から基礎部分の上に漏出するような事態が生じた場合に、基礎部分が荷電されることが防止される。下部の絶縁プレート176を形成するのに適した材料として、BNZマテリアル社(BNZ Materials Inc.)の製造に関わるCS85のようなケイ化カルシウムボードが含まれるが、これに限定されない。しかし、下部の絶縁プレート176を他の類似の電気絶縁材料から形成し得ることが理解されるべきである。
【0033】
いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの絶縁フロアプレート172は、図7に模式的に示すように、複数の絶縁フロアプレートを含むことができる。この複数の絶縁フロアプレートは、個々のそれぞれの絶縁フロアプレート172が隣接の絶縁フロアプレートから電気的に絶縁されるような態様に、基礎部分の上に配置することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、複数の絶縁フロアプレートの個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが、隣接する絶縁フロアプレートを相互に絶縁するために、隣接する絶縁フロアプレートから間隔をあけて配置される。この配置によって、荷電された溶融ガラスが1つの単一の電気絶縁フロアプレート上に漏出した事態において、すべての絶縁フロアプレートが荷電されることが防止される。
【0034】
図5を参照すると、基礎部分170は、さらに、基礎部分170の下側に取り付けられる複数のローラ184(図5に1つが示される)を含むことができる。このローラ184によって、清澄容器およびガラス製造装置における他の下流側の処理機器に対する溶解装置の位置決めが容易になる。具体的には、溶解装置がガラス製造装置内に組み込まれる場合、溶解装置は、建物のIビームなどのような構造部材の上に直接配置される。ローラ184によって、特に溶解装置が加熱されて膨張した際に、清澄容器との溶解装置の芯合わせを容易にするように、溶解装置を構造部材に沿って動かすことが簡易になる。本明細書に記述する溶解装置の実施形態においては、ローラ184は基礎部分170から電気的に絶縁される。これは、荷電された溶融ガラスがタンクアセンブリ200から基礎部分170の上に漏出した事態において、ローラ184および構造部材が荷電されるのを防止するためである。いくつかの実施形態においては、基礎部分170からのローラの電気的絶縁は、基礎部分170とローラ184との間に電気絶縁材186を配置することによって行われる。適切な電気絶縁材として、BNZマテリアル社(BNZ Materials Inc.)の製造に関わるCS85のようなケイ化カルシウムボードが含まれるが、これに限定されない。しかし、他の電気絶縁材料も利用し得ることが理解されるべきである。
【0035】
さらに図5を参照すると、外骨格の基礎部分170が、さらに、1つ以上の動き制限具188(図5に1つが示される)を備える。この動き制限具188は、外骨格が垂直および/または水平方向に動くのを制限する。動き制限具188は、基礎部分170の下側に、例えば溶接および/または機械的な固定具によって取り付けられ、かつ、溶解装置を、構造部材(例えばIビーム500など)に、および/または溶解装置が組み込まれる建物の構造スラブに連結する。動き制限具188は、溶解装置が、地震事象の間、建物に対して垂直および水平(すなわち、+/−z、+/−yおよび+/−xの方向)に変位するのを防止する。その結果、地震事象の間、溶解装置の位置は、溶解装置が組み込まれている建物の構造と共に変動し、それによって、溶解装置を損傷する可能性が低減する。この損傷の可能性には剛性の外骨格に対するタンクアセンブリの変位が含まれるが、それに限定されない。
【0036】
本明細書に記述する溶解装置の実施形態においては、動き制限具188は、基礎部分170の下側に溶接された構造用鋼から形成される。動き制限具は、動き制限具の構造用鋼がIビームと接触することなく、(すなわち動き制限具188がIビームから電気的に絶縁された状態で、)Iビーム500のフランジ部分502補うような方位に向けられる。動き制限具188とIビーム500との間の物理的な結合を完全にするために、動き制限具は、動き制限具188とIビーム500との間に配置される電気絶縁材190をさらに含む。これは、動き制限具188とIビームとが物理的には相互に連結されるが、電気的には相互に絶縁されるようにするためである。本明細書に記述する溶解装置の実施形態においては、動き制限具188が建物のIビームと係合するが、それは、溶解装置が概略的に清澄容器と芯合わせされ、かつ、溶解装置が、電気絶縁材190が動き制限具188とIビーム500との間にくさび状に嵌入され、これによって、溶解装置と、ガラス製造装置が据え付けられる建物の構造部材との間の物理的な結合が完全になる温度まで加熱された後(すなわち、溶解装置が「組み込まれた状態(installed condition)」にあるとき)である。図5においては、動き制限具188が建物の構造用鋼の部材に連結されるものとして表現されているが、他の実施形態(図示されていない)においては、動き制限具を、コンクリートスラブなどのような建物の別の構造要素に連結し得ることが理解されるべきである。
【0037】
ここで図5および8を参照すると、剛性の外骨格130が、基礎部分170に堅固に連結され、概して、複数の垂直部材(例えば、複数の主垂直部材134および複数の2次的垂直部材136)と、複数の水平部材(例えば、複数の横方向の水平部材138、1つ以上の中央の横方向の水平部材144、複数の上部の縦方向の水平部材140および複数の中央の縦方向の水平部材142)とを含む。本明細書に記述する実施形態においては、複数の垂直部材は、外骨格の内部容積132を取り囲む剛性の外骨格130を形成するように、複数の水平部材と相互結合される。複数の垂直部材134、136と、複数の横方向の水平部材138、144と、複数の縦方向の水平部材140、142とは、概して、外骨格の強度および剛性を改善する鋼製の管状のビームのような管状のビームから形成される。各管状のビームは、円形断面、長方形断面または任意の他の適切な閉止型壁面形状を有することができる。しかし、他の実施形態においては、開放型の断面形状を有するビーム(すなわちIビーム)を外骨格の形成に使用することができ、あるいは代わりの方式として、開放型の断面形状および閉止型の断面形状を有するビームの組み合わせを、外骨格の形成に使用し得ることが理解されるべきである。
【0038】
複数の垂直部材134、136は、溶接および/または機械的な固定具によって基礎部分170に堅固に取り付けられ、基礎部分170から実質的に垂直方向(すなわち、図8に示す座標軸の+zの方向)において上向きに延びる。一実施形態においては、主垂直部材134のそれぞれは、基礎部分170の隅に堅固に取り付けられ、一方、2次的垂直部材136は、主垂直部材134の間において、基礎部分の縦方向の側面部材177、178に堅固に取り付けられる。複数の水平部材138、140、142、144は、垂直部材134、136の間に延びると共に、例えば、溶接および/または機械的な固定具によって垂直部材134、136に堅固に取り付けられる。
【0039】
本明細書に記述する実施形態においては、複数の垂直部材の少なくとも2つが、その垂直部材の上端部において水平部材によって結合される。例えば、いくつかの実施形態においては、複数の上部の縦方向の水平部材140が、図8に示すように、主垂直部材134の上端部と2次的垂直部材136の上端部との間に延びると共に、その両者に堅固に取り付けられる。同様に、複数の上部の縦方向の水平部材140のいくつかが、図8に示すように、2次的垂直部材136の上端部の間に延びると共に、その両上端部に堅固に取り付けられ、それによって、2次的垂直部材136の上端部が結合される。横方向の水平部材138は、主垂直部材134の対の上端部の間に延びると共に、その両上端部に堅固に取り付けられ、かつ、2次的垂直部材136の対の上端部の間に延びると共に、その両上端部に堅固に取り付けられる。
【0040】
いくつかの実施形態においては、剛性の外骨格130の強度および剛性をさらに高めるために、垂直部材の中央部分をも、縦方向および/または横方向の水平部材によって結合することができる。例えば、中央の縦方向の水平部材142は、図8に示すように、主垂直部材134の中央部分と2次的垂直部材136の中央部分との間に延びると共に、その両中央部分に堅固に取り付けられる。同様に、複数の中央の縦方向の水平部材142のいくつかは、図8に示すように、2次的垂直部材136の中央部分の間に延びると共に、その中央部分に堅固に取り付けられ、それによって、2次的垂直部材136の中央部分を結合する。中央の横方向の水平部材144が設けられる場合は、その水平部材144は、主垂直部材の中央部分の間に延びることができ、それによって、主垂直部材の中央部分を連結する。
【0041】
複数の垂直部材134、136を複数の横方向および縦方向の水平部材138、140、142、144で相互結合することによって、剛性および延性が改善された剛性の外骨格が形成される。さらに具体的には、横方向の水平部材138および上部の縦方向水平部材140の主垂直部材134および/または2次的垂直部材136の上端部との交差点が、基礎部分に対して横方向(すなわち+/−x)、縦方向(すなわち+/−y)および垂直方向(すなわち+/−z)に動かないように拘束される複数の結節点146を形成するのである。これによって、外骨格130の剛性が増大し、地震活動の間の曲りおよび/または座屈への抵抗力が高まる。
【0042】
剛性の外骨格130が、隣り合う主垂直部材134の中央部分に取り付けられると共にそれに隣接する中央の横方向の水平部材をさらに備える実施形態においては、主垂直部材と、中央の横方向の水平部材と、中央の縦方向の水平部材との交差点が、同様に、基礎部分に対して横方向(すなわち+/−x)、縦方向(すなわち+/−y)および垂直方向(すなわち+/−z)に動かないように拘束される結節点146を生成する。これによって、外骨格130の剛性および延性がさらに増大する。
【0043】
図8をさらに参照すると、剛性の外骨格130は、外骨格の内部容積132内に配置されかつ垂直部材134、136に取り付けられる支持アングル部材149をさらに備えることができる。前記のように、タンクアセンブリの上部構造部分202を、支持アングル部材149の上に構築し、それによって支持することができる。この方式により、タンクアセンブリ200のガラス接触部分204における応力が低下する。
【0044】
ここで図2、3および5を参照すると、タンクアセンブリ200は、基礎部分170の絶縁フロアプレート172の上に、タンクアセンブリ200が外骨格の内部容積132の内部に位置して剛性の外骨格130から間隔を開けて離れるように構築される。タンクアセンブリ200が構築されると、タンクアセンブリ200を剛性の外骨格130に連結してタンクアセンブリを補強する。本明細書に記述する実施形態においては、タンクアセンブリ200の剛性の外骨格130への連結は、剛性の外骨格130に取り付けられる圧力ボルト150によって行われる。
【0045】
図9を参照すると、本明細書に提示しかつ記述する1つ以上の実施形態による圧力ボルト150が模式的に表現されている。圧力ボルト150は、概して、本体354を貫通して延びるねじ付きロッド351を含む。本体354は、ねじ付きロッドを矢印356の方向に付勢する皿ばねなどのような複数のディスクスプリング355を含む。ねじ付きロッド351の第1端部は緊張用のナット353を含み、ねじ付きロッド351の第2端部は係合用足部352を含む。圧力ボルト150は、さらに、ねじ付きロッド351上に配置される薄ナット357を含むことができる。この薄ナット357は、ディスクスプリング355の圧縮を防止するために、本体354に対して前進させることができる。
【0046】
図2、3および5を参照すると、本明細書に記述する実施形態においては、圧力ボルト150を、剛性の外骨格130および/または基礎部分170に溶接および/または機械的固定具によって取り付けられる保持器内に配置することによって、圧力ボルト150が剛性の外骨格130に連結される。保持器としては、例えば、(前記のような)スタブブラケット182、スタンション152および/またはC形フレームが含まれ得る。本明細書に記述する実施形態においては、圧力ボルト150は、各圧力ボルトの本体が保持器内に固定され、保持器に対する本体の回転が防止されるように、保持器を貫通して延びる。保持器は、また、スプリング付勢される各圧力ボルトの係合足部をタンクアセンブリ200の方に前進させることができるように、圧力ボルト150を剛性の外骨格130に対して固定する。
【0047】
圧力ボルト150によってタンクアセンブリ200に印加される力を均等に分布させるために、支持パネルを、圧力ボルト150とタンクアセンブリ200との間に配備することができる。例えば、いくつかの実施形態においては、この支持パネルは、鋼または類似材料のような金属材料のプレート164を備えることができる。金属材料のプレート164は、(図5に示すように)直接タンクアセンブリ200の耐火物ブロックに対して配置され、圧力ボルトのねじ付きロッドを、圧力ボルト150の係合足部がプレート164に接触するまで前進させる。これによって、図2および3に示すように、プレート164が、圧力ボルト150と耐火物ブロックとの間に挟み込まれる。
【0048】
いくつかの実施形態においては、支持パネルは、鋼または類似材料のような金属材料のグリル166を備えることができる。これらの実施形態においては、金属材料のグリル166を、(図5に示すように)直接タンクアセンブリ200の耐火物ブロックに対して配置し、圧力ボルトのねじ付きロッドを、圧力ボルト150の係合足部がグリル166に接触するまで前進させる。これによって、図2および3に示すように、グリル166が、圧力ボルト150と耐火物ブロックとの間に挟み込まれる。
【0049】
圧力ボルト150がタンクアセンブリ200と係合する状態になると、圧力ボルトは、タンクアセンブリ200の耐火物ブロックに、さらに具体的にはタンクアセンブリのガラス接触部分の耐火物ブロックに圧縮力を印加し、それによって、耐火物ブロックが合わされて、隣接するブロック間の継ぎ目が閉止される。同時に、圧力ボルト150は、タンクアセンブリおよび剛性の外骨格が1個の単一のアセンブリとして動いて、タンクアセンブリが剛性の外骨格に対して移動することがないように、タンクアセンブリ200を剛性の外骨格130に堅固に連結する。
【0050】
再度図1〜3、5および9を参照すると、溶解装置101の組み込みおよび起動の間、溶解装置101は、当初、建物の構造部材(例えばIビーム500)上に組み込まれ、ローラ184上で清澄容器103との概略的な芯合わせ位置に動かされる。圧力ボルト150も、係合足部が耐火物ブロックおよび/または支持プレートに接触するまで、タンクアセンブリ200の方に前進させる。支持プレートは耐火物ブロックと圧力ボルト150との間に配置され、圧力ボルト150は、耐火物ブロックを横方向および縦方向の両方向において合わせられ、耐火物ブロック間のいかなる空間をも閉止する。組み込みおよび起動の間、各圧力ボルト150上の薄ナット357(図9)は、本体354内部のディスクスプリング355が、加熱の間のタンクアセンブリ200の耐火物ブロックの膨張を吸収し得るように、本体354から間隔を開けて離される。
【0051】
溶解装置101のタンクアセンブリ200が完全に加熱されると、圧力ボルトの薄ナット357を各圧力ボルトの本体354に対して前進させて、ディスクスプリング355のさらなる圧縮を防止すると共に、タンクアセンブリが、中程度の地震事象の間、剛性の外骨格130に対して移動しないように、タンクアセンブリ200を剛性の外骨格130に堅固に連結する。さらに、溶解装置101が建物の構造部材に物理的に連結されて、溶解装置101が「組み込まれた状態(installed condition)」になるように、動き制限具188とIビーム500との間に電気絶縁材190が配置される。
【0052】
ここで、本明細書に記述する溶解装置は、横方向、縦方向および垂直方向のそれぞれにおいてタンクアセンブリが剛性の外骨格に対して移動することなく、0.3gより大きい力、速度および/または加速度に耐えることができると理解されるべきである。これは、部分的には、タンクアセンブリを剛性の外骨格に連結することによって実現される。この外骨格においては、垂直部材の上端部が、横方向の水平部材と上部の縦方向の水平部材とに連結され、それによって、その交差結節点が、横方向、縦方向および垂直方向のそれぞれにおいて、基礎部分に対して拘束されることになる。さらに、溶解装置は、それが組み込まれる建物の構造に物理的に連結され得るように構築され、それによって、溶解装置が、地震事象の間、構造の振動に「追随する(follow)」ことが可能になる。
【0053】
第1の態様において、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置が、外骨格の内部容積を画成する基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを備える剛性の外骨格を含む。複数の垂直部材は、基礎部分に堅固に取り付けられ、その基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びている。複数の水平部材は、複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びると共に、その上端部に、複数の垂直部材が複数の水平部材によって相互結合され、かつ、複数の水平部材の複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように堅固に取り付けられる。タンクアセンブリが、外骨格の内部容積内において、基礎部分の上に、剛性の外骨格から間隔をあけて配置され得、剛性の外骨格に連結される。
【0054】
第2の態様において、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置が、タンクアセンブリを受け入れるための外骨格の内部容積を堅固に画成する剛性の外骨格であって、管状のビームから形成される基礎部分と、複数の垂直部材と、複数の水平部材とを備える剛性の外骨格を含む。複数の垂直部材は、基礎部分に堅固に取り付けられ、その基礎部分から、略垂直方向に上向きに延びている。複数の水平部材は、複数の垂直部材の少なくとも2本の上端部の間に延びると共に、その上端部に、複数の垂直部材が複数の水平部材によって相互結合され、かつ、複数の水平部材の複数の垂直部材の上端部との交差点に形成される結節点が、基礎部分に対して縦方向、横方向および垂直方向に動かないように拘束されるように、堅固に取り付けられる。タンクアセンブリをこの外骨格の内部容積内に配置するときに、複数の圧力ボルトは、タンクアセンブリを剛性の外骨格に連結するために剛性の外骨格に取り付けられる。基礎部分の下側にローラを取り付けられ得る。このローラは、基礎部分から電気的に絶縁され得る。溶解装置が組み込まれた状態にあるときに溶解装置を建物の構造部材に取り付けるために、基礎部分の下側に動き制限具が取り付けられ得る。
【0055】
第3の態様において、ガラスのバッチ材料を溶解するための溶解装置が、基礎部分と、複数の水平部材および前記基礎部分と相互結合される複数の垂直部材とを含む剛性の外骨格を含む。この剛性の外骨格は、外骨格の内部容積を画成する。タンクアセンブリが、外骨格の内部容積内において、基礎部分の上に配置され、剛性の外骨格に連結され得る。溶解装置は、0.3より大きい動的抵抗を有する。
【0056】
第4の態様において、第1または第2の態様のいずれかの溶解装置が、0.3より大きい動的抵抗を有する。
【0057】
第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかの溶解装置であって、複数の垂直部材および複数の水平部材が管状のビームから形成される、溶解装置を含む。
【0058】
第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかの溶解装置であって、基礎部分が実質的に長方形であり、かつ、複数の垂直部材が、複数の主垂直部材および複数の2次的垂直部材を備える、溶解装置を含む。各主垂直部材は、基礎部分の隅に堅固に取り付けられ、複数の2次的垂直部材は、主垂直部材の間において、基礎部分に堅固に取り付けられる。複数の水平部材は、複数の上部の縦方向の水平部材と、複数の中央の縦方向の水平部材と、複数の横方向の水平部材とを備え、複数の上部の縦方向の水平部材は、主垂直部材の上端部と、2次的垂直部材の上端部とに堅固に取り付けられる。複数の中央の縦方向の水平部材は、主垂直部材および2次的垂直部材の中央部分に堅固に取り付けられる。複数の横方向の水平部材は、主垂直部材の対の上端部と、2次的垂直部材の対の上端部とに堅固に取り付けられる。
【0059】
第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかの溶解装置であって、基礎部分が、少なくとも1つの絶縁フロアプレートによって、タンクアセンブリから電気的に絶縁される、溶解装置を含む。
【0060】
第8の態様は、第7の態様の溶解装置であって、少なくとも1つの絶縁フロアプレートが複数の絶縁フロアプレートを備え、個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが隣接の絶縁フロアプレートから電気的に絶縁される、溶解装置を含む。
【0061】
第9の態様は、第1または第3〜第8の態様の溶解装置であって、基礎部分の下側に取り付けられるローラをさらに備える溶解装置を含む。
【0062】
第10の態様は、第9の態様の溶解装置であって、ローラが基礎部分から電気的に絶縁される、溶解装置を含む。
【0063】
第11の態様は、第2または第9〜第10の態様の溶解装置であって、ローラが基礎部分から電気的に絶縁されるように、ローラと基礎部分の下側との間に配置される電気絶縁材をさらに備える溶解装置を含む。
【0064】
第12の態様は、第1または第3〜第11の態様の溶解装置であって、溶解装置が組み込まれた状態にあるときに溶解装置を建物の構造部材に取り付けるために、基礎部分の下側に取り付けられる動き制限具をさらに備える溶解装置を含む。
【0065】
第13の態様は、第12の態様の溶解装置であって、溶解装置が組み込まれた状態にあるときに、動き制限具が建物の構造部材から電気的に絶縁される、溶解装置を含む。
【0066】
第14の態様は、第1〜第6の態様または第8〜第13の態様のいずれかの溶解装置であって、基礎部分がタンクアセンブリから電気的に絶縁されるように、基礎部分とタンクアセンブリとの間に配置される少なくとも1つの絶縁フロアプレートをさらに備え、少なくとも1つの絶縁フロアプレートは金属製の頂部プレートと下部の絶縁プレートとを備える、溶解装置を含む。
【0067】
第15の態様は、第14の態様の溶解装置であって、少なくとも1つの絶縁フロアプレートが複数の個々の絶縁フロアプレートを備え、個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが隣接の絶縁フロアプレートから電気的に絶縁されるように、個々のそれぞれの絶縁フロアプレートが、隣接する絶縁フロアプレートから間隔をあけて配置される、溶解装置を含む。
【0068】
第16の態様は、第1〜第15の態様のいずれかの溶解装置であって、タンクアセンブリがガラス接触部分と上部構造部分とを備える、溶解装置を含む。
【0069】
第17の態様は、第16の態様の溶解装置であって、ガラス接触部分が、圧力ボルトによって剛性の外骨格に連結される、溶解装置を含む。
【0070】
第18の態様は、第17の態様の溶解装置であって、圧力ボルトが、剛性の外骨格に固定されるC形フレームを貫通して延びる、溶解装置を含む。
【0071】
第19の態様は、第17または第18の態様のいずれかの溶解装置であって、圧力ボルトが、剛性の外骨格に固定されるスタンションを貫通して延びる、溶解装置を含む。
【0072】
第20の態様は、第16〜第19の態様のいずれかの溶解装置であって、タンクアセンブリのガラス接触部分が、耐火物ブロックから形成されるフロアと、耐火物ブロックから形成される少なくとも1つの側壁とを備える、溶解装置を含む。
【0073】
第21の態様は、第16〜第20の態様のいずれかの溶解装置であって、タンクアセンブリのガラス接触部分が複数の電極を備える、溶解装置を含む。
【0074】
第22の態様は、第16〜第21の態様のいずれかの溶解装置であって、剛性の外骨格が、垂直部材に取り付けられる少なくとも1つの支持アングル部材をさらに備え、上部構造部分が、その少なくとも1つの支持アングル部材の上に支持される、溶解装置を含む。
【0075】
第23の態様は、第16〜第22の態様のいずれかの溶解装置であって、上部構造部分が、耐火物ブロックの複数の層を備える、溶解装置を含む。
【0076】
第24の態様は、第16〜第23の態様のいずれかの溶解装置であって、上部構造部分が、耐火物ブロックから構築されるアーチ形クラウンを備える、溶解装置を含む。
【0077】
本明細書に記述した、実施形態に対して、特許請求される主題事項の趣旨および範囲から離れることなく、種々の修正および変更を加え得ることは当業者には明らかであろう。従って、本明細書に記述する種々の実施形態の修正形態および変更形態が、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に含まれる場合は、本明細書は、それらの修正形態および変更形態を包含することが意図されている。
図1
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図9