特許第6071431号(P6071431)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6071431
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】ガートル台
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/16 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   A61J1/16 D
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-242137(P2012-242137)
(22)【出願日】2012年11月1日
(65)【公開番号】特開2014-90808(P2014-90808A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】390022541
【氏名又は名称】アトムメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】松原 一雄
(72)【発明者】
【氏名】松原 照巳
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】小林 心一
(72)【発明者】
【氏名】若林 啓介
【審査官】 今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05458305(US,A)
【文献】 特開2003−000707(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/070260(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102010051399(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第1882485(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台重ねて収納することが可能なガートル台であって、支柱部が取り付けられた中央部から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように傾斜した少なくとも3本以上の脚部が放射状に延びるとともに、周方向に等間隔に配置され、各脚部の基端部間の間隔が該脚部の幅よりも大きく形成されており、
各脚部の基端部間には、該脚部よりも幅が大きく、斜め下方に向けて開放状態とされるガイド溝がそれぞれ形成されていることを特徴とするガートル台。
【請求項2】
前記ガイド溝は、水平面に対する前記脚部上面の傾斜角度と同じ傾斜角度で形成された受け面を有することを特徴とする請求項記載のガートル台。
【請求項3】
前記ガイド溝に、ゴム又は樹脂により形成されたストッパー部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガートル台。
【請求項4】
前記脚部が5本設けられており、各脚部の先端部から基端部までの高さが68mm以上108mm以下に設定されるとともに、前記脚部の上面の水平面からの傾斜角度が25°以上45°以下に設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のガートル台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者等の使用車が輸液バッグ等を吊り下げて移動することができるガートル台に関し、特に、複数台を重ねてコンパクトに収納可能なガートル台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガートル台は、点滴の輸液バッグなどを吊り下げた状態で患者等の使用者が円滑に移動できるようにするために複数の脚部が放射状に設けられ、この脚部にキャスタが設けられている。このようなガートル台を複数収納する場合、放射状の脚部同士が隣接するガートル台の脚部に接触することで各脚部の設置面積が必要になるため、通常は設置スペースが広くなる。
【0003】
この対策として、例えば、特許文献1の点滴スタンドが開示されている。この点滴スタンドでは、基部に対して複数のセグメント部材が同一平面内に設けられ、これらのセグメント部材よりも高い位置に張出部材が設けられ、この張出部材に柱部が設けられている。このような構成とすることで、セグメント部材同士を同一平面内で重ね合わせるようにし、複数の点滴スタンドを互いに近接した状態で格納しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011‐505962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の点滴スタンドでは、セグメント部材同士を重ね合わせることで近接させて格納することはできるものの、使用時にはセグメント部材が同一平面内に設けられていることで、このセグメント部材が歩行の邪魔になって移動しにくくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用していないときには複数台を重ねてコンパクトに収納でき、使用時には脚部が歩行の邪魔になることのないガートル台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数台重ねて収納することが可能なガートル台であって、支柱部が取り付けられた中央部から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように傾斜した少なくとも3本以上の脚部が放射状に延びるとともに、周方向に等間隔に配置され、各脚部の基端部間の間隔が該脚部の幅よりも大きく形成されており、各脚部の基端部間には、該脚部よりも幅が大きく、斜め下方に向けて開放状態とされるガイド溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0008】
このガートル台によれば、各脚部の基端部間の間隔が、それぞれの脚部の幅よりも大きく形成されていることから、被挿入側のガートル台の2本の脚部同士の間に設けられる空間部に、挿入側のガートル台の1本の脚部を挿入して中央部の下方に格納することが可能となり、コンパクト化を図りながら複数台を収納可能となる。
また、各脚部は、周方向に均等配置されていることから、被挿入側のガートル台がいかなる方向で配置されていたとしても、いずれか2本の脚部同士の間に挿入側のガートル台の脚部を格納することができる。
さらに、使用時においては、中央部の下方の空間内に使用者の足を入れることができ、この場合、脚部は中央部から低い位置に向けて放射状に延び、中央部が高い位置にあることから、中央部下方の空間が大きくなり、足を入れるスペースを大きく確保することができる。このため、脚部が使用者の邪魔になることがなく無理のない姿勢でスムーズな歩行が可能となる。
【0009】
この場合、各脚部の基端部間には、該脚部よりも幅が大きく、斜め下方に向けて開放状態とされるガイド溝がそれぞれ形成されている。
また、前記ガイド溝は、水平面に対する前記脚部上面の傾斜角度と同じ傾斜角度で形成された受け面を有するとよい
ガイド溝に脚部を挿入することで、被挿入側のガートル台と挿入側のガートル台とのガタつきを小さくして安定した状態で保持することができるとともに、挿入側のガートル台の脚部を被挿入側のガートル台の中央部下方のより深い位置まで挿入することが可能となる。そして、ガイド溝の受け面を、脚部の上面と同じ傾斜角度で形成することにより、各ガートル台を最大限近接させた状態でコンパクトに収納できる。
また、前記ガイド溝に、ゴム又は樹脂により形成されたストッパー部材を設け、衝撃緩和や音対策を施すようにしてもよい。
【0010】
本発明のガートル台において、前記脚部が5本設けられており、各脚部の先端部から基端部までの高さを68mm以上108mm以下に設定するとともに、前記脚部の上面の水平面からの傾斜角度を25°以上45°以下に設定することが望ましい。
この場合、脚部の先端部により決定されるガートル台の外周の大きさをコンパクトにしながらも、支柱部を安定した状態で支持することができる。
脚部の先端部から基端部までの高さが68mm未満では、被挿入側のガートル台の中央部の下方に、挿入側のガートル台の脚部を挿入するスペースを十分に確保することが難しい。また、108mmを超える場合には、ガートル台の重心位置が高くなり、設置が不安定になるおそれがある。そして、脚部の上面の水平面からの傾斜角度が25°未満では、ガートル台の設置面積が大きくなるし、傾斜角度が45°を超える場合には重心位置が高くなり、設置が不安定になるおそれがある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用していないときには脚部を重ね合わせながら複数台をコンパクトに収納でき、使用時には脚部が歩行の邪魔にならずに円滑に歩行することができる。また、各脚部及びガイド溝部を周方向に均等配置したので、被挿入側のガートル台がいかなる方向で配置されていたとしても、いずれか2本の脚部同士の間に挿入側のガートル台の脚部を収納することができ、収納時の作業性向上を図ることできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のガートル台の一実施形態を示す斜視図である。
図2図1のガートル台の脚部を示す平面図である。
図3図2の脚部の斜視図である。
図4図2の脚部のA矢視図である。
図5図2のB‐B線に沿う断面図である。
図6図2の脚部の背面図である。
図7】脚部を重ね合わせた状態を示すガートル台の全体斜視図である。
図8図7に示すガートル台の脚部の重なり状態を示す正面図である。
図9図8の上面図である。
図10図9のC‐C線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るガートル台10について、図1図10を参照しながら説明する。
図1において、ガートル台10は、金属製又は樹脂製の複数の脚部20、支柱部21を備え、各脚部20の中央部22に支柱部21が垂直に取り付けられている。
【0014】
脚部20は、中央部22から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように放射状に延びて周方向に等間隔に配置されており、少なくとも3本以上設けられている。脚部20の基端部側、すなわち中央部22が床面側から最も高い位置にあり、各脚部20は先端側に向かうにしたがって床面側からの高さが低くなる形状になっている。
本実施形態では、図1図10に示すように、全体で5本の脚部20が中央部22からほぼ均等角度に設けられている。また、ガートル台10の各脚部20の先端部から基端部までの高さHは68mm以上108mm以下に設定されるとともに、各脚部20の上面の水平面からの傾斜角度θが25°以上45°以下に設定されている。そして、各脚部20の先端部の下面には、キャスタ23がそれぞれ取り付けられ、このキャスタ23によってガートル台10全体を移動可能になっている。
【0015】
各脚部20は、図2図5及び図6に示すように、各脚部20の基端部間の間隔w0が、それぞれの脚部20の幅w1よりも大きく形成され、隣接する2本の脚部20同士の間には、空間部30が設けられている。そして、この空間部30から、隣接する別のガートル台10の脚部20を挿入することにより、中央部22の下方に格納することが可能になっている。
また、2本の脚部20の基端部間には、下方から繰り抜くようにして斜め下方に向けて開放状態とされるガイド溝25が設けられており、このガイド溝25には、水平面に対する脚部20の上面の傾斜角度θと同じ傾斜角度で形成された受け面25sが設けられている。そして、ガイド溝25の幅w2は、脚部20の幅w1よりも大きく形成されている。なお、ガイド溝25の幅w2は、各脚部20の基端部間の間隔w0以下に形成される。
また、ガイド溝25には、衝撃緩和や音対策のために、ゴム又は樹脂により形成されたストッパー部材(図示略)が設けられている。このストッパー部材は、ガイド溝25の表面に樹脂又はゴムの被覆を固着したもの、あるいは、樹脂又はゴムのコーティングを施したものにより構成することができる。
【0016】
なお、支柱部21は、外筒部40と内筒部41とからなる二重筒構造であり、外筒部40が中央部22に固定され、この外筒部40に内筒部41が上下動可能に挿入されている。外筒部40には、内筒部41を固定するための固定ねじ部42が設けられ、内筒部41を伸縮させて高さを調節した状態で固定ねじ部42を締め付けることにより、その高さ位置を固定することができる。
【0017】
内筒部41の上端には2つのフック部45が180°反対側に設けられ、このフック部45に図示しない輸液バック等を掛けることが可能になっている。フック部45に輸液バッグ等を掛ける場合、上記の内筒部41を任意の高さに調節すれば使用者の邪魔になることがない。フック部45は、先端側が内側に曲げられた形状であるため、輸液バッグ等の吊り下げが容易になり、かつ輸液バッグ等が外部側に露出することが防止されるため、外部に干渉したり引っ掛かったりするおそれがない。
【0018】
支柱部21の外筒部40には、固定ねじ部50により握り部51が取付けられている。固定ねじ部50を緩めることで握り部51を回転方向及び高さ方向に位置調節可能であり、固定ねじ部50を締め付けることにより所定の位置で握り部51を固定可能になっている。
握り部51の下方位置には第2フック部52が設けられ、この第2フック部52にも輸液バックを掛けたり、或は図示しない医療機器のケーブルや重量物を掛けることもできる。この場合、第2フック部52は中心部位となる支柱部21の近くに設けられていることで、重量物を掛けたときにもガートル台10全体を安定状態に維持しながら歩行可能となる。
【0019】
図7は、ガートル台10に別のガートル台10を重ねて格納した状態を示し、図8図10では、その格納状態における各脚部20(20a〜20e)の重なり状態を示している。なお、図7図10においては、2台のガートル台10を区別するために、被挿入側のガートル台を符号10Aで示し、挿入側のガートル台を符号10Bで示している。また、均等配置され同形状に設けられた各脚部20についても、20a〜20eの符号で区別している。
【0020】
複数台のガートル台10を重ねて収納するには、例えば図7図10に示すように、挿入側のガートル台10Bの脚部20aを、被挿入側のガートル台10Aの2本の脚部20c,20d同士の間に設けられる空間部30から中央部22の下方に向けて挿入する。各脚部20a〜20bは、中央部22から先端側に向かうにつれて隣接する脚部20との間隔が拡がるように放射状に設けられており、逆を言えば各脚部20の間隔は基端部側に向かうにしたがって狭くなる。したがって、挿入側の脚部20aは、被挿入側の脚部20c,20dに沿って脚部20c,20dの基端部間に設けられたガイド溝25に自然と案内され、脚部20aの上面が受け面25sに当接することにより、被挿入側のガートル台10Aに挿入側のガートル台10Bが重ねて配置されるようになっている。
このとき、挿入側のガートル台10Bの脚部20aは、その先に配置されている被挿入側のガートル台10Aの脚部20aとぶつからずに近接した状態で配置される。また、挿入側のガートル台10Bの脚部20aの両隣に配置される脚部20b,20eは、被挿入側のガートル台10A2本の脚部20c,20dの上方に間隔をあけて重ねられた状態となる。
【0021】
以上説明したように、このガートル台10によれば、各脚部20の基端部間の間隔w0が、それぞれの脚部20の幅w1よりも大きく形成されていることから、被挿入側のガートル台10(10A)の2本の脚部20(20c,20d)同士の間に設けられた空間部30に、挿入側のガートル台10(10B)の1本の脚部20(20a)を挿入して中央部22の下方に格納することが可能となる。そして、脚部20同士を重ね合わせた状態で格納することができるため、脚部を重ねない場合に比較して同じスペースにより多くの台数を収納可能となる。
また、各脚部20は、周方向に均等配置されていることから、被挿入側のガートル台10(10A)がいかなる方向で配置されていたとしても、いずれか2本の脚部同士の間に挿入側のガートル台10(10B)の脚部20を格納することができる。
【0022】
さらに、脚部20は中央部22から低い位置に向けて放射状に延び、中央部22が高い位置にあることから、中央部22の下方の空間が大きくなり、使用者の足を入れるスペースを大きく確保することができる。このため、使用時に、支柱部21を手で引き寄せながら歩行したときにも脚部20が使用者の邪魔になることがなく無理のない姿勢でスムーズな歩行が可能となる。
【0023】
また、本実施形態のガートル台10には、各脚部20の基端部間にガイド溝25が設けられており、ガイド溝25に脚部20(20a)を挿入することにより、被挿入側のガートル台10(10A)と挿入側のガートル台10(10B)とのガタつきを小さくして安定した状態で保持することが可能になっている。さらに、ガイド溝25の受け面25sを、水平面に対する脚部20上面の傾斜角度θと同じ傾斜角度で形成したので、挿入側のガートル台10(10B)の脚部20(20a)を被挿入側のガートル台10(10A)の中央部22下方のより深い位置まで挿入することが可能となり、各ガートル台10を最大限近接させた状態でコンパクトに収納することができる。
【0024】
なお、上記実施形態において、各脚部20の先端部から基端部までの高さHを68mm以上108mm以下に設定するとともに、脚部20の上面の水平面からの角度θを25°以上45°以下に設定したが、この場合、脚部20の先端部により決定されるガートル台10の外周の大きさをコンパクトにしながらも、支柱部21を安定した状態で支持することができる。
脚部20の先端部から基端部までの高さHが68mm未満では、被挿入側のガートル台10(10A)の中央部22の下方に、挿入側のガートル台10(10B)の脚部20を挿入するスペースを十分に確保することが難しい。また、108mmを超える場合には、ガートル台10の重心位置が高くなり、設置が不安定になるおそれがある。そして、脚部20の上面の水平面からの傾斜角度θが25°未満では、ガートル台10の設置面積が大きくなるし、傾斜角度θが45°を超える場合には重心位置が高くなり、設置が不安定になるおそれがある。
【0025】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
10,10A,10B ガートル台
20,20a〜20e 脚部
21 支柱部
22 中央部
23 キャスタ
25 ガイド溝
25s 受け面
30 空間部
40 外筒部
41 内筒部
42 固定ねじ部
45 フック部
50 固定ねじ部
51 握り部
52 第2フック部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10