(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の区域に分割された場所を走行する、車載器を搭載した車両と前記車載器を搭載していない車両のうち、前記区域の一部分である標本エリアに進入する前記車載器を搭載した車両の台数を前記車載器から受信する情報に基づいて検出する車載器搭載車両台数検出部と、
前記標本エリアに進入する全ての車両の台数を検出する車両総数検出部と、
前記車載器搭載車両台数検出部が検出した前記車載器を搭載した車両の台数と、前記車両総数検出部が検出した前記全ての車両の台数とに基づく比率に関する値を算出する車両比率演算部と、
前記区域に進入する車載器を搭載した車両の台数と、前記車両比率演算部が算出した前記比率に関する値に基づいて、前記区域の車両の総数を算出する車両総数推定演算部と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
車載器搭載車両台数検出部が、複数の区域に分割された場所を走行する、車載器を搭載した車両と前記車載器を搭載していない車両のうち、前記区域の一部分である標本エリアに進入する前記車載器を搭載した車両の台数を前記車載器から受信する情報に基づいて検出し、
車両総数検出部が、前記標本エリアに進入する全ての車両の台数を検出し、
車両比率演算部が、前記車載器搭載車両台数検出部が検出した前記車載器を搭載した車両の台数と、前記車両総数検出部が検出した前記全ての車両の台数とに基づく比率に関する値を算出し、
車両総数推定演算部が、前記区域に進入する車載器を搭載した車両の台数と、前記車両比率演算部が算出した前記比率に関する値に基づいて、前記区域の車両の総数を算出する ことを特徴とする交通情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の交通情報処理システム100を示した概略図である。交通情報処理システム100は、道路を走行する車両2に搭載され一意に識別可能なID(Identifier)が付与された車載器1、無線通信アンテナ31と車両検知カメラ32が接続された情報収集装置3、センターサーバ装置5、GPS(Global Positioning System)衛星85、携帯電話の基地局装置80を備えている。
図2は、車両2が走行する道路をメッシュ状に区分した概略図を説明するための図である。交通情報処理システム100において、車両2が走行する道路が存在する場所は、
図2に示すような複数のメッシュ201、202、…、232、…に分割されている。メッシュは、土地を縦と横に等間隔に分割したそれぞれが正方形の形状の区画であり、1つのメッシュには、複数の道路が含まれる場合もある。例えば、メッシュ232では、右上から左下にわたる2つの道路が含まれている。なお、メッシュの形状は、正方形に限られるものではなく、長方形であってもよい。
なお、本実施形態に係る交通情報処理システム100は、複数の区域に分割された場所を走行する車両台数を、メッシュ単位で算出するものである。この交通情報処理システム100は、メッシュの一部分である標本エリアに進入した車両のうち車載器を搭載した車両台数の割合に基づき、メッシュ内における車両を算出する。言い換えると、標本エリアを含むメッシュ内全体においても、標本エリアに進入した総車両数に対する車載器を搭載した車両台数の割合で、車載器を搭載した車両と車載器を搭載していない車両とが混在しているとみなして、メッシュ単位で総車両総数を算出するものである。つまり、本実施形態において、区域とは、メッシュであって、標本エリアとは、情報収集装置3が設置されるチェックポイントを示す概念である。
【0026】
図3は、車載器1の内部構成を示すブロック図である。車載器1は、車両2に搭載され、様々な情報の検出を行う検出装置である。この車載器1は、電源回路10と、内蔵電池11と、広域通信機12と、位置検出部13と、メッシュコード記憶部14と、メッシュコード取得部15と、メッシュコード変化判定部16と、表示部17と、報知部18と、記憶部19と、制御部20と、無線通信部21とを備えている。また、位置検出部13は、GPS受信機13−1と、GPS補完センサ部13−2と、推測航法処理部13−3とを備えている。
車載器1において、電源回路10は、電源を安定化するレギュレータ、ノイズプロテクタを有しており、車両2から12Vまたは24Vの電源供給を受けて車載器1の各部に供給する。
内蔵電池11は、バックアップバッテリであり、車両2の電源が消失、または瞬断した際に、車載器1の内部に記憶されているデータを保護するため各部に電源を供給する。
広域通信機12は、例えば、携帯電話端末であり、携帯電話通信の通信網を経由して基地局装置80と通信し、センターサーバ装置5との間でデータの送受信を行う。
【0027】
位置検出部13は、GPS受信機13−1と、GPS補完センサ部13−2と、推測航法処理部13−3とにより、車載器1の位置を検出する。
GPS受信機13−1は、GPS衛星85から電波を受信して時刻の情報を読み出すとともに、受信したデータから緯度と経度の情報を測定する。
GPS補完センサ部13−2は、ジャイロセンサと加速度センサを有しており、ジャイロセンサと加速度センサの情報から車載器1の位置を推定する演算を行う。なお、GPS補完センサ部13−2は、例えば、GPS衛星85からの電波の受信感度が好ましくない場合などに用いられる構成部であってもよい。
推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1が受信した電波に含まれる情報の精度に応じて、GPS受信機13−1が測定した緯度と経度の情報と、GPS補完センサ部13−2が推定した車載器1の位置の情報とに基づいて車載器1の位置を補完する演算を行う。
【0028】
メッシュコード記憶部14は、
図2に示す各メッシュに予め割り当てられている一意に識別可能なメッシュコードと、各メッシュの地図上の位置を示す情報とを対応付けて記憶する。各メッシュの地図上の位置は、例えば、各メッシュの対角線上の2点の緯度及び経度によって表される。
また、メッシュコード記憶部14に記憶されるデータは、制御部20が、広域通信機12を経由してセンターサーバ装置5から最新のデータをダウンロードすることにより更新される。
【0029】
メッシュコード取得部15は、位置検出部13によって検出された緯度と経度によって示される位置を含むメッシュをメッシュコード記憶部14から検出し、検出したメッシュに対応するメッシュコードを取得する。
また、メッシュコード取得部15は、取得したメッシュコードと、GPS受信機13−1が受信した電波から読み出した時刻を示す情報と対応付けて出力する。
【0030】
メッシュコード変化判定部16は、記憶部19に記憶されているメッシュコードと、メッシュコード取得部15が出力したメッシュコードとが一致するか否かを判定する。このメッシュコード変化判定部16は、2つのメッシュコードが一致しないと判定した場合、車載器1に付与されているIDと判定に用いた2つのメッシュコードと、メッシュコード取得部15が出力した時刻を示す情報とを対応付けて広域通信機12を通じてセンターサーバ装置5に送信する。また、メッシュコード変化判定部16は、判定が終了するとメッシュコード取得部15が出力したメッシュコードを最新のメッシュコードとして記憶部19に書き込んで記憶させる。
【0031】
表示部17は、車載器1の状態や地図上における位置を示す情報などを表示する。
報知部18は、スピーカを内蔵しており、ブザー音やメロディ音で車両2の運転者に情報を通知する。
記憶部19は、車載器1で用いられるプログラムやデータを記憶し、また、上述したように最新のメッシュコードを記憶する。
制御部20は、車載器1の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。この制御部20は、車載器1が、例えば、カーナビゲーションシステムを兼ねている場合、カーナビゲーションシステムが有する目的地までの経路誘導の処理なども行う。
無線通信部21は、情報収集装置3が設置されている車載器搭載チェックポイントに進入した場合、無線通信アンテナ31が送信する電波を受信し、その応答として車載器1に付与されているIDを含む信号を送信する。
【0032】
図4は、情報収集装置3の内部構成を示すブロック図である。この情報収集装置3は、無線通信部33と、カメラ制御部34と、計時部35と、インターネット通信部36と、制御部37と、記憶部38とを備える。また、無線通信アンテナ31と、車両検知カメラ32とは、情報収集装置3とは別装置であって、情報収集装置3に接続されている。
この情報収集装置3は、車載器搭載チェックポイントとして予め定められた場所に設置され、例えば、
図2に示すようなメッシュに含まれる1つの道路の路肩に設置される。なお、この情報収集装置3は、各メッシュにそれぞれ、1つ以上備えられていることが好ましい。
無線通信アンテナ31及び車両検知カメラ32は、情報収集装置3の周辺であって、上り車線か下り車線の一方の車線の路肩または道路上方に設けられた鉄柱等に設置される。本実施形態において、無線通信部33が無線通信アンテナ31を通じて無線信号を送信している車線の方向と、車両検知カメラ32が撮影する方向は、一致する。
【0033】
無線通信部33は、無線通信アンテナ31を通じて無線信号を送信し、また、車載器1が送信する信号を受信する。この無線通信部33が無線通信アンテナ31を通じて送信する無線信号は、指向性の制御がなされており、車両検知カメラ32が撮影対象としている上りか下りの一方の車線のエリアに向かって送信され、他方の車線を走行する車両2の車載器1が誤反応しないように送信されている。
また、無線通信部33は、車載器1から信号を受信すると、受信した信号に含まれる車載器1のIDと、信号を受信した際に計時部35から取得した時刻を示す情報を対応付けてインターネット通信部36を通じてセンターサーバ装置5に送信する。
【0034】
カメラ制御部34は、車両検知カメラ32の方向の制御や撮影条件の制御を行い、一定の時間の動画を、一定の間隔で繰り返し撮影する。また、カメラ制御部34は、動画の撮影に際して、開始時刻と終了時刻を計時部35から取得し、撮影された動画のファイルと撮影時間を示す情報を対応付けてインターネット通信部36を通じてセンターサーバ装置5に送信する。
【0035】
計時部35は、内部に時計を有しており、要求に応じて現在時刻を出力する。
インターネット通信部36は、インターネットを通じてセンターサーバ装置5に接続され、センターサーバ装置5との間でデータの送受信を行う。
制御部37は、情報収集装置3の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。
記憶部38は、情報収集装置3で用いられるプログラムやデータを記憶する。
【0036】
図5は、センターサーバ装置5の内部構成を示すブロック図である。センターサーバ装置5は、車載器搭載車両台数検出部51と、車両総数検出部52と、車両比率演算部53と、車両総数推定演算部54と、インターネット通信部55と、メッシュコードテーブル56と、メッシュコード記憶部57と、交通情報提供部58と、記憶部59と、制御部60とを備える。
【0037】
制御部60は、センターサーバ装置5の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。この制御部60は、情報収集装置3が送信する車載器1のIDと時刻を示す情報が対応付けられた情報をインターネット通信部55を通じて受信し、受信した情報を記憶部59に書き込んで記憶させる。
また、制御部60は、情報収集装置3が送信する車両検知カメラ32によって撮影された動画ファイルと、当該動画の撮影の開始と終了の時刻を示す情報が対応付けられた情報を受信し、受信した情報を記憶部59に書き込んで記憶させる。なお、本実施形態において、制御部60は、車両検知カメラ32から定期的に送信される動画ファイルを受信して撮影された画像を取得するものであってもよく、動画ファイルの送信を要求するコマンドを車両検知カメラ32に送信して撮影された画像を取得するものであってもよい。
さらに、制御部60は、車載器1が基地局装置80を通じて送信する車載器のIDと新旧2つのメッシュコードが対応付けられた情報を受信してメッシュコードテーブル56に書き込んで記憶させる。
【0038】
記憶部59は、センターサーバ装置5で用いられるプログラムやデータを記憶する。この記憶部59は、
図6(A)に示す車載器のIDと時刻を示す情報の項目を有するテーブルを備え、制御部60によって書き込まれる車載器1のIDと時刻を示す情報が対応づけられた情報を記憶する。
また、記憶部59は、制御部60によって書き込まれる動画ファイルを記憶するとともに、当該動画ファイルを参照するためのテーブルであって
図6(B)に示す動画撮影の開始時刻と終了時刻と動画ファイル名の項目を有するテーブルを備える。このテーブルによって、記憶部59は、制御部60によって書き込まれる動画の撮影の開始と終了の時刻を示す情報と、それに対応する動画ファイル名を記憶する。
【0039】
メッシュコードテーブル56は、
図7に示すように、メッシュコードごとの複数のテーブルを記憶する。
図7において、メッシュ201に対応するテーブルは、テーブル56−201であり、順に、メッシュ202に対応するテーブルは、テーブル56−202のように記憶されている。
各テーブルは、例えば、
図7のメッシュ232に対応するテーブル56−232に示すように、車載器ID、進入時刻、退出時刻、存在検知の項目があり、各メッシュ内に進入した車載器のIDごとにメッシュ232への進入時刻と退出時刻と存在検知を示す情報が記憶される。
なお、当該メッシュを車両が既に退出している場合には、当該メッシュに該当するIDを持つ車載器が存在していないことを示す「−」が、このテーブルの存在検知の項目に記憶されている。また、当該メッシュに車両が進入しているが退出していない場合には、当該メッシュに、該当するIDを持つ車載器が存在することを示す「○」が、このテーブルの存在検知の項目に記憶される。
【0040】
メッシュコード記憶部57は、車載器1のメッシュコード記憶部14に記憶されているデータと同じデータを記憶する。また、メッシュコード記憶部57には、最新のデータが記憶され、上述したように車載器1が、メッシュコード記憶部57に記憶されているデータをダウンロードしてメッシュコード記憶部14のデータを更新する。
【0041】
車載器搭載車両台数検出部51は、記憶部59に記憶されている
図6(A)に示す車載器のIDと時刻が対応づけられた情報から、任意に定められる時間の間に、いくつ車載器のIDが記憶されているかを検出し、検出した数を車載器1を搭載している車両2の台数として出力する。
【0042】
車両総数検出部52は、記憶部59に記憶されている動画ファイルを
図6(B)に示すテーブルを参照して読み出し、読み出した動画ファイルを画像解析して動画に撮影されている車両の台数を検出する。
【0043】
車両比率演算部53は、車載器搭載車両台数検出部51が出力した車載器1を搭載する車両2の台数と、車両総数検出部52が検出した車両の台数に基づいて、車載器1を搭載する車両の台数に対する全ての車両の台数の比率を算出する。
【0044】
車両総数推定演算部54は、メッシュコードテーブル56から任意に定められる時刻に各メッシュに進入している車両2の台数を検出し、車両比率演算部53が算出した比率に基づいて、当該時刻に各メッシュに存在する全ての車両の台数を推定する演算を行う。
【0045】
インターネット通信部55は、インターネット網を経由して基地局装置80に接続されており、車載器1との間でデータの送受信を行う。交通情報提供部58は、例えば、車両総数推定演算部54が算出する交通状態を示す情報を車載器1にインターネット通信部55を通じて送信する。
【0046】
[情報収集装置の動作]
次に、
図8及び
図9のフローチャートを参照しつつ情報収集装置3の動作について説明する。
情報収集装置3は、一定の間隔で一定の時間、動作を行う。例えば、毎時0分と、30分に起動し、10分間動作をして停止するなどの動作を行う。起動と停止の制御は、制御部37が、計時部35から取得する時刻の情報を用いて起動指示と停止指示を各機能部に与えることによって行う。無線通信部33による動作と、カメラ制御部34による動作は並列に行われる。
まず、
図8に示す無線通信部33の動作について説明する。
(ステップST101)
無線通信部33は、制御部37からの起動指示を受けて起動する。
(ステップST102)
次いで、無線通信部33は、無線通信アンテナ31を通じて無線信号を送信する。
(ステップST103)
そして、無線通信部33は、送信した無線信号に応答して車載器1から送信される信号を受信したか否かを判定する。
【0047】
(ステップST104)
無線通信部33は、車載器1から信号を受信したと判定すると、受信した信号に含まれている車載器1のIDを読み出し、計時部35から時刻を取得する。
(ステップST105)
そして、無線通信部33は、車載器1のIDと時刻とを対応付けてインターネット通信部36を通じてセンターサーバ装置5に送信する。このセンターサーバ装置5の制御部60は、インターネット通信部55を通じて、情報収集装置3から、車載器1のIDと時刻とを対応付けた情報を受信すると、記憶部59の
図6(A)に示すテーブルに書き込んで記憶させる。
【0048】
(ステップST106)
一方、無線通信部33は、車載器1から信号を受信していないと判定した場合、ステップST106の処理に進む。そして、無線通信部33は、制御部37から停止の指示を受けているか否かを判定し、指示を受けている場合は終了し、指示を受けていない場合は、ステップST102の処理を繰り返す。
【0049】
次に、
図9に示すカメラ制御部34の動作について説明する。
(ステップST201)
まず、カメラ制御部34は、制御部37からの起動指示を受けて起動する。
(ステップST202)
次いで、カメラ制御部34は、計時部35から時刻を取得し、開始時刻として記憶部38に一時的に記憶させる。
(ステップST203)
そして、カメラ制御部34は、車両検知カメラ32を通じて動画の撮影を開始する。
(ステップST204)
その後、カメラ制御部34は、例えば撮影を開始したときから10分経過すると撮影を終了し、計時部35から時刻を取得して終了時刻とする。
(ステップST205)
次いで、カメラ制御部34は、記憶部38から開始時刻を読み出し、撮影した動画の動画ファイルと開始時刻と終了時刻とを対応付けてインターネット通信部36を通じてセンターサーバ装置5に送信し、動作を終了する。
【0050】
センターサーバ装置5の制御部60は、インターネット通信部55を通じて情報を受信すると、情報から動画ファイルを読み出して記憶部59に書き込む。また、センターサーバ装置5の制御部60は、インターネット通信部55を通じて受信した情報から開始時刻と終了時刻を示す情報を読み出して、
図6(B)に示すテーブルに開始時刻、終了時刻、動画ファイル名を対応づけて書き込む。
上記の情報収集装置3の動作により、車載器搭載チェックポイントを通過する全ての車両を車両検知カメラ32によって撮影し、また、車載器搭載チェックポイントを通過する車載器1を搭載した車両2の台数をカウントするのに必要な情報を収集することができる。
【0051】
[車載器の動作]
次に、車載器1の動作について
図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
(ステップST301)
例えば、車両2が、メッシュ231からメッシュ232に至る道路を走行してメッシュ232に進入したとする。車両2の車載器1のGPS受信機13−1は、GPS衛星85から一定の周期で電波を受信する。GPS受信機13−1は、受信した電波に含まれる情報から緯度と経度を測定し、緯度と経度の情報と、受信した電波に含まれている時刻の情報と、受信した電波に含まれる情報の信頼度を示す情報を出力する。
なお、本実施形態において、GPS受信機13−1は、車載器1−1の位置がポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)であることを示す情報と、位置を検出した時刻が「9:01」であることを示す情報と、信頼度「高」を示す情報とを、それぞれ対応付けた情報を出力する。
【0052】
(ステップST302)
次いで、GPS補完センサ部13−2は、ジャイロセンサから得られる車両2の回転の方向と、加速度センサから得られる車両2の速度の情報に基づいて、GPS受信機13−1が出力した時刻「9:01」に車載器1が存在する位置を推測する演算を行う。本実施形態において、GPS補完センサ部13−2は、車載器1の位置として、ポイントP2(緯度ψ
2,経度λ
2)を示す情報を、演算結果で得たとする。
そして、推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1とGPS補完センサ部13−2から得られた2つの位置の情報を用いて、
図11に示す手法により、車載器1の位置を算出する。
具体的に説明すると、GPS補完センサ部13−2が、演算により推測した車載器1の位置がポイントP2(緯度ψ
2,経度λ
2)で示される位置であり、GPS受信機13−1が出力した緯度と経度の情報による位置がポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)で示される位置であるとする。この場合、推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1が出力する情報の信頼度を重みとして、重み平均の演算によりポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)の位置を車載器1の位置として算出する。つまり、GPS受信機13−1が出力する情報の信頼度が高ければ高いほど、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)の位置は、GPS受信機13−1が出力するポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)の位置に近づくことになる。
この推測航法処理部13−3は、算出した位置の情報(つまり、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)を示す情報)と、GPS受信機13−1が出力した時刻の情報「9:01」を、それぞれ対応付けて、メッシュコード取得部15に出力する。
なお、GPS補完センサ部13−2が、位置を推測する演算を行うときの起点となる位置は、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)で示される位置となる。
【0053】
(ステップST303)
次いで、メッシュコード取得部15は、推測航法処理部13−3から位置の情報であるポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)と時刻の情報「9:01」を受けて、メッシュコード記憶部14に記憶されている各メッシュの位置を示す1組の緯度と経度の情報を読み出し、推測航法処理部13−3から受けた位置が含まれるメッシュを検出し、検出したメッシュに対応するメッシュコードを取得する。
このメッシュコード取得部15は、メッシュコードを取得すると、取得したメッシュコードと時刻を示す情報をメッシュコード変化判定部16に出力する。
(ステップST304)
そして、メッシュコード変化判定部16は、記憶部19に記憶されている1つ前に取得されたメッシュコードを読み出し、読み出したメッシュコードと、メッシュコード取得部15が出力したメッシュコードが一致するか否かを判定する。
【0054】
(ステップST305)
メッシュコード変化判定部16は、メッシュコードが一致しない、すなわちメッシュコードが変化していると判定した場合、車載器1に付与されているIDと、メッシュコード取得部15が出力した最新のメッシュコードと、記憶部19から読み出したメッシュコードと、時刻を示す情報とを、それぞれ対応付けてセンターサーバ装置5に広域通信機12を通じて送信する。そして、メッシュコード変化判定部16は、最新のメッシュコードを記憶部19に書き込んで記憶させ、ステップST301からの処理を繰り返す。
一方、メッシュコード変化判定部16は、メッシュコードが一致する、すなわち、メッシュコードが変化してないと判定した場合、メッシュコード取得部15が出力した最新のメッシュコードを記憶部19に書き込んで記憶させ、ステップST301からの処理を繰り返す。
【0055】
センターサーバ装置5の制御部60は、インターネット通信部55を通じて車載器1から車載器1のIDと、新旧2つのメッシュコードと時刻を示す情報を受信すると、古いメッシュコードを読み出し、古いメッシュコードに対応するテーブルをメッシュコードテーブル56から検出する。ここでは、古いメッシュコードは、231であるため、テーブル56−231を検出し、テーブル56−231の該当する車載器IDの退出時刻の欄に、受信した時刻を書き込み、存在検知の欄に退出した状態を示す「−」を記録する。
次に、制御部60は、受信した情報から新しいメッシュコードを読み出し、読み出した新しいメッシュコードに対応するテーブルをメッシュコードテーブル56から検出する。ここでは、新しいメッシュコードは、232であるため、テーブル56−232を検出し、テーブル56−232に新たに受信した車載器IDの行を追加し、追加した行の進入時刻の項目に、受信した時刻を書き込み、存在検知の欄に存在している状態を示す「○」を記録する。
【0056】
上記の処理が、複数の車両2に搭載された車載器1によって行われ、複数の車載器1が、他のメッシュに進入する度に、センターサーバ装置5のメッシュコードテーブル56の対応する各テーブルに進入時刻と退出時刻と存在検知が更新されて情報が蓄積されていくことになる。
なお、メッシュコード取得部15が、初めてメッシュコードを取得した場合、記憶部19には、1つ前のメッシュコードは記憶されていない。この場合、メッシュコード変化判定部16は、1つ前のメッシュコードがない状態から、新たにメッシュコードが取得された場合もメッシュコードが変化したと判定するものとする。
上記の車載器1の動作により、センターサーバ装置5は、車載器1を搭載した車両2が、どのメッシュにいつに進入していつ退出したかということに関する情報を収集することができる。
【0057】
[センターサーバ装置の動作]
次に、センターサーバ装置5の動作について
図12を参照しつつ説明する。
(ステップST401)
まず、センターサーバ装置5の車載器搭載車両台数検出部51は、車載器搭載率を算出する対象の時間を選択する。この時間の選択は、センターサーバ装置5の運用者が任意に選択してもよいが、この例では、動画の撮影間隔を、毎時0分と30分に、10分間撮影するとしているので、この中からいずれかの時間を選択する。ここでは、9:00から9:10が選択されたとする。
(ステップST402)
車載器搭載車両台数検出部51は、記憶部59の
図6(A)に示すテーブルから9:00から9:10の間にいくつの車載器1からデータを受信しているかをカウントして車載器を搭載した車両の台数を算出する。
(ステップST403)
次に、車両総数検出部52は、記憶部59の
図6(B)に示すテーブルを参照し、記憶部59から9:00から9:10に撮影された動画ファイルである動画1を読み出す。この車両総数検出部52は、読み出した動画1のファイルを画像解析することにより、9:00から9:10に車載器搭載チェックポイントを走行した車両の台数を算出する。
【0058】
(ステップST404)
次いで、車両比率演算部53は、車載器搭載車両台数検出部51が算出した車載器を搭載した車両の台数と、車両総数検出部52が算出した車両の台数から、車載器を搭載した車両の台数に対する全ての車両の台数の比率を算出する。
(ステップST405)
そして、車両総数推定演算部54は、メッシュにおける総車両台数の確認を行いたい時刻を選択し、当該時刻における車両2の進入台数をメッシュコードテーブル56の各テーブル56−201、56−202、…から検出する。
具体的に説明すると、車両総数推定演算部54は、メッシュコードテーブル56を参照して、選択された時刻に進入しているが退出していない車載器IDの数をカウントすることによっておこなう。
(ステップST406)
次いで、車両総数推定演算部54は、検出した各メッシュの車両の台数と、車両比率演算部53が算出した比率を用いて、各メッシュの車載器を搭載している車両と車載器を搭載していない車両の合計である全ての車両の台数を推定する演算を行う。
例えば、車両比率演算部53による演算が、車載器を搭載した車両の台数を全ての車両台数で除算する演算である場合、車両総数推定演算部54は、ステップST405で算出した各メッシュの車両の台数を、車両比率演算部53が算出した値で除算することによって各メッシュ内の全ての車両の台数を推定する値を算出することができる。
そして、車両総数推定演算部54は、この推定した全ての車両の台数の値を交通情報提供部58に出力する。この交通情報提供部58は、この値をそのまま混雑度を示す情報として車載器1に送信して提供するようにしてもよいし、この値に基づいて、混雑しているメッシュを分かりやすく図示するような画像情報を提供するようにしてもよい。
【0059】
上記の第1実施形態の構成により、車載器を搭載した車両だけではなく車載器を搭載していない車両の台数も考慮したより正確な車両台数を求めることが可能となる。また、求めたメッシュ内の車両の車両台数によって、正確な混雑度を求めることができる。なお、本実施形態では、メッシュ内の全ての車両の台数に基づき混雑度を求める例について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、メッシュ内の全ての車両の台数の変化を時系列に解析することによって、人の流れや動きなどを把握することができる。人の流れや動きを把握する情報は、マーケティング戦略等において有効な情報となる。
また、上記の第1実施形態の構成では、1つの情報収集装置3により、1つのメッシュの更に限られた車載器搭載チェックポイントという限られた範囲における車載器1を搭載している車両の台数と、通過する全ての車両の台数の情報を収集する。そして、センターサーバ装置5において、情報収集装置3によって収集された情報を用いて、それを各メッシュの全ての車両の台数を推定する演算に用いる構成となっている。そのため、全てのメッシュにおいてこれらの台数を検出する装置を設置する必要がなく、システムの設置コストを抑えることが可能となる。
【0060】
なお、上記の第1実施形態では、情報収集装置3を設置する車載器搭載チェックポイントを1箇所にしていたが、車載器を搭載した車両に対する全ての車両の割合が地域によってばらついている場合には、
図13に示すように複数のポイント3−1〜3−4を設けるようにしてもよい。このように複数のポイントを設けた場合には、車両比率演算部53によって、車載器搭載車両台数検出部51が算出した各ポイントの車載器を搭載した車両の台数の合計値と、車両総数検出部52が算出した各ポイントにおける全ての車両の台数の合計値を算出し、これらの合計値により比率を算出してもよい。また、各ポイントの車載器を搭載した車両の台数の平均値と、各ポイントにおける全ての車両の台数の平均値を算出し、これらの値により比率を算出してもよい。また、各ポイントにおいてばらつきがある場合は、その分布に応じた重み付けを考慮して比率を算出するようにしてもよい。
また、上記の第1実施形態の構成では、
図12のステップST405において時刻を選択するようにしていたが、
図12の処理が行われている時点での各メッシュの全ての車両の台数を推定するようにしてもよい。当該時点での各メッシュの全ての車両の台数を推定する場合、メッシュコードテーブル56の各テーブルの存在検知の項目に「○」がついている車載器IDの数をカウントすればよいことになる。これにより、当該時点での各メッシュに進入している車両2の台数を算出することが可能となる。
【0061】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態による交通情報処理システム300について説明する。
図14は、交通情報処理システム300を示した概略図である。交通情報処理システム300は、道路を走行する車両8に搭載され一意に識別可能なIDが付与された車載器7と、車両検知カメラ32が接続された情報収集装置3aと、センターサーバ装置9と、GPS衛星85と、携帯電話の基地局装置80とを備えている。
この交通情報処理システム300において、車両8が走行する道路はセグメントと呼ばれる複数の区間に予め分割され、一意に識別可能なIDが、例えば、セグメント1、2、3、…のように各セグメントに付与されている。
また、交通情報処理システム300において、情報収集装置3aが設置される車載器搭載チェックポイントは、いずれかのセグメントの上り車線か下り車線の一方であり、車両検知カメラ32が撮影する方向は、対象となるセグメントの対象とする一方の車線となる。ここでは、一例として、セグメント4の上り車線の入口を車載器搭載チェックポイントとし、セグメント4の上り車線の入口を撮影するように車両検知カメラ32が設定されているものとする。
なお、本実施形態に係る交通情報処理システム300は、複数の区域に分割された道路を走行する車両台数を、セグメント単位で算出するものである。この交通情報処理システム100は、例えば複数のセグメントからなる区域の一部分である標本エリアに進入した車両のうち車載器を搭載した車両台数の割合に基づき、メッシュ内における車両を算出する。つまり、本実施形態において、区域とは、複数のセグメントからなる領域であって、標本エリアとは、情報収集装置3が設置されているセグメントを示す概念である。なお、本実施形態において、標本エリアが、1つのセグメントである例を用いて説明しているが、本発明はこれに限られず、複数のセグメントから構成されている領域であってもよい。
【0062】
図15は、車載器7の内部構成を示すブロック図である。第1実施形態の車載器1と同じ機能部については同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
この車載器7において、マップマッチング処理部70は、道路地図データ記憶部71に記憶されているセグメントの位置の情報と、位置検出部13が検出した車載器1の位置の情報とをマッチングさせて、車載器7がどのセグメントに存在するかを検出する。つまり、マップマッチング処理部70は、道路を分割した区間である複数のセグメントから位置検出部13が検出した位置に対応するセグメントを検出するセグメント検出部として機能する構成部の一例である。
【0063】
セグメント変化判定部72は、マップマッチング処理部70の検出処理の結果に基づいて、車載器7が新たなセグメントに進入したか否か等を判定する。また、セグメント変化判定部72は、例えば、車載器7が新たなセグメントに進入したと判定した場合等に、新たに進入したセグメントのIDと、時刻に関する情報と、車載器IDとをそれぞれ対応付けた情報を、広域通信機12を通じてセンターサーバ装置9に送信する。
【0064】
記憶部73は、車載器7で用いられるプログラムやデータを記憶する。この記憶部73は、例えば、
図16に示すように、GPS衛星85からの電波に含まれている時刻の情報に対応付けて、位置検出部13が検出した緯度と経度の情報、マップマッチング処理部70のマッチングの結果として得られるセグメントIDを記憶するテーブルを有している。なお、当該テーブルにおいて、セグメントIDに記録がないもの(「−」となっている項目)は、マップマッチング処理部70において該当するセグメントが検出されなかったことを示す。
【0065】
制御部74は、車載器7の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。この制御部74は、車載器7が、例えば、カーナビゲーションシステムを兼ねている場合、カーナビゲーションシステムが有する目的地までの経路誘導の処理や、センターサーバ装置9から受信した混雑度を示す情報に基づいて目的地までの最適な経路を選択する処理なども行う。
【0066】
道路地図データ記憶部71は、道路の地図データを上述したセグメントの形式で記憶しており、各セグメントの起点と終点の緯度と経度の情報と、各セグメントの連結関係を示す情報とが含まれている。なお、全ての道路がセグメントに分割されて示されているわけではなく、混雑の度合いを検出したい道路についてセグメント形式で記憶されているものとする。また、道路地図データ記憶部71に記憶されるデータは、制御部74が、広域通信機12を経由してセンターサーバ装置9から最新のデータをダウンロードすることにより更新される。
【0067】
図17は、情報収集装置3aの内部構成を示すブロック図である。この情報収集装置3aは、第1実施形態の情報収集装置3において無線通信アンテナ31と無線通信部33が除かれている以外については情報収集装置3と同じ構成を有しているため、詳細な説明は省略する。
【0068】
図18は、センターサーバ装置9の内部構成を示すブロック図である。第1実施形態のセンターサーバ装置5と同じ機能部については同じ符号を付し、以下、異なる構成について説明する。
センターサーバ装置9において、制御部92は、センターサーバ装置9の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。
この制御部92は、情報収集装置3aが送信する車両検知カメラ32によって撮影された動画ファイルと、当該動画の撮影の開始と終了の時刻の情報を受信し、受信した情報を記憶部93に書き込んで記憶させる。
また、制御部92は、車載器7が基地局装置80を通じて送信する新たに進入したセグメントのIDと、時刻に関する情報と、車載器IDを受信してセグメントテーブル90に書き込んで記憶させる。
【0069】
記憶部93は、センターサーバ装置5で用いられるプログラムやデータを記憶する。この記憶部93は、制御部92によって書き込まれる動画ファイルを記憶するとともに、当該動画ファイルを参照するため第1実施形態と同じく
図6(B)に示した動画撮影の開始時刻と終了時刻と動画ファイル名の項目を有するテーブルを記憶する。
【0070】
道路地図データ記憶部91は、上述した車載器7の道路地図データ記憶部71に記憶されているデータと同じデータを記憶する。この道路地図データ記憶部91には、最新のデータが記憶され、上述したように車載器7が、道路地図データ記憶部91に記憶されているデータをダウンロードして道路地図データ記憶部71のデータを更新する。
【0071】
セグメントテーブル90は、例えば、
図19に示す形式のテーブルであり、インターネット通信部55が車載器7から受信するデータを記憶する。このセグメントテーブル90は、最初に車載器IDの項目を有しており、時刻及びSeg(セグメント)の項目を1組とした項目を複数有している。
移動方向判定部94は、セグメントテーブル90に記憶されている情報に基づいて車両8の移動方向を判定する。
【0072】
車載器搭載車両台数検出部51aは、セグメントテーブル90に記憶されているデータに基づいて、車載器7を搭載している車両8の台数を検出する。
車両総数推定演算部54aは、セグメントテーブル90から任意に定められる時刻に各セグメントに進入している車両8の台数を検出し、車両比率演算部53が算出した比率に基づいて、当該時刻に各セグメントに存在する全ての車両の台数を推定する演算を行う。
交通情報提供部58aは、例えば、車両総数推定演算部54aが算出する交通状態を示す情報を車載器7にインターネット通信部55を通じて送信する。
【0073】
次に、情報収集装置3a、車載器7、センターサーバ装置9の動作について説明する。情報収集装置3aは、車両検知カメラ32による
図9に示したフローチャートと同じ処理を行うため、以下、第1実施形態とは異なる車載器7、センターサーバ装置9の動作について説明する。
[車載器の動作]
次に、車載器7の動作について、
図20のフローチャートを参照しつつ説明する。
(ステップST501)
例えば、
図14においてある車両8が、セグメント1に至る道路でセグメントが割り当てられていない領域を走行している状態から、セグメント1に進入したとする。この車両8の車載器7のGPS受信機13−1は、GPS衛星85から一定の周期で電波を受信している。このGPS受信機13−1は、受信した電波に含まれる情報から緯度と経度を測定し、測定した緯度と経度の情報と、受信した電波に含まれている時刻の情報と、受信した電波に含まれる情報の信頼度を示す情報を出力する。なお、本実施形態において、GPS受信機13−1は、車載器1−1の位置がポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)であることを示す情報と、位置を検出した時刻が「8:26」であることを示す情報と、信頼度「高」を示す情報とを、それぞれ対応付けた情報を出力する。
【0074】
(ステップST502)
次いで、GPS補完センサ部13−2は、ジャイロセンサから得られる車両8の回転の方向と、加速度センサから得られる車両8の速度の情報に基づいて、GPS受信機13−1が出力した時刻「8:26」において、車載器7が存在する位置を推測する演算を行う。本実施形態において、GPS補完センサ部13−2は、車載器1−1の位置として、ポイントP2(緯度ψ
2,経度λ
2)を示す情報を、演算結果で得たとする。
そして、推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1とGPS補完センサ部13−2から得られた2つの位置の情報を用いて、上述した
図11に示した手法により、車載器7の位置であるポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)を算出する。
次いで、推測航法処理部13−3は、算出した位置の情報(つまり、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)を示す情報)と、GPS受信機13−1が出力した時刻の情報「8:26」を
図16に示す記憶部73のテーブルに書き込んで記憶させるとともに、マップマッチング処理部70に出力する。ここでは、
図16の時刻が8:26のデータが書き込まれたデータであるとする。
【0075】
(ステップST503)
次いで、マップマッチング処理部70は、推測航法処理部13−3から位置の情報であるポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)と時刻の情報「8:26」を受けて、記憶部73のテーブルに記憶されている過去の車載器7の位置の情報と、当該位置の情報に対応付けられている時刻の情報を読み出し、時系列に並べて車両8の軌跡、すなわち車載器7の軌跡を求める。
例えば、車載器7の軌跡が、
図21の点線で示されるような軌跡Iであるとする。マップマッチング処理部70は、この軌跡Iに基づき、求めた軌跡Iに対応する経路の候補として、経路候補C1、C2、C3の3つの経路を道路地図データ記憶部71に記憶されているデータから抽出する。そして、マップマッチング処理部70は、求めた軌跡Iと経路候補C1、C2、C3のそれぞれの経路とによって囲まれた領域の面積(
図21の網掛けの領域)から誤差量の最も少ない経路候補を判定する。本実施形態において、マップマッチング処理部70は、軌跡Iと経路候補とによって囲まれた領域の面積(
図21の網掛けの領域)が一番小さい経路候補C2を、車載器7の軌跡Iに対応する経路として判定する。
【0076】
そして、マップマッチング処理部70は、軌跡Iの経路であると判定した経路C2と、最新の位置の情報をマッチングさせて、車載器7が存在するセグメントを検出する。このマップマッチング処理部70は、検出したセグメントのセグメントIDを、当該セグメントIDに対応する時刻の情報に基づいて、記憶部73の位置と時刻の情報に対応づけて記録するとともにセグメント変化判定部72に出力する。
本実施形態において、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)が、セグメント1に対応するエリアに含まれる位置であるとする。この場合、マップマッチング処理部70は、車載器1が時刻「8:26」において、セグメント1に進入したことを判定する。そして、マップマッチング処理部14は、時刻「8:26」に対応するSeg(セグメント)の項目に、「1」を書き込む。なお、マップマッチング処理部70は、該当するセグメントIDが検出できなかった場合、前述したように記憶部73のテーブルのSegの項目に「−」を書き込む。
【0077】
(ステップST504)
次いで、セグメント変化判定部72は、マップマッチング処理部70からセグメントID「1」と時刻の情報「8:26」を受けて、記憶部73のテーブルから、1つ前の時刻のセグメントIDの情報を読み出し、セグメントIDが変化しているか否かを判定する。
ここでは、車両8は、セグメントが割り当てられていない領域を走行していてセグメント1に進入しているので、1つ前の時刻(
図16の「8:25」)に対応するSegの項目には、該当するセグメントIDがないことを示す「−」が記録されている。セグメント変化判定部72は、セグメントIDが記録されていない状態から新たにセグメントIDが検出された場合、および、対象時刻のセグメントIDと異なる値が1つ前の時刻に対するセグメントIDに記録されている場合、セグメントIDが変化したとして判定する。
一方、セグメント変化判定部72は、マップマッチング処理部70からセグメントのIDと、1つ前の時刻のセグメントIDが同じ場合、変化なしとして判定し、ステップST501の処理に戻る。
【0078】
(ステップST505)
そして、セグメント変化判定部72は、セグメントIDが変化したと判定した場合、マップマッチング処理部70から受けたセグメントID「1」と、当該セグメントID「1」に対応する時刻の情報「8:26」と、車載器ID「12340001」とを、広域通信機12を介してセンターサーバ装置9に送信する。
センターサーバ装置9の制御部92は、インターネット通信部55を通じて車載器7からデータを受信すると、受信したデータを、
図19に示すようにセグメントテーブル90に書き込んで記憶させる。ここでは、車載器7が車載器ID「12340001」に対応し、車載器ID「12340001」の行の時刻1の項目に「8:26」が書き込まれ、対応するSegの項目にセグメント1を示す「1」が書き込まれる。
【0079】
図14において車両8が移動していくにつれて、車載器7は、位置を測定する度に記憶部73のテーブルにデータを書き込んでいく。そして、セグメント変化判定部72が、セグメントIDが変化したと判定した場合、車載器7は、センターサーバ装置9にデータを送信して、センターサーバ装置9のセグメントテーブル90にデータが書き込まれる。
このようにして、車載器7が、例えば、セグメント1、2、4、6の順に動いていくと、1つ前の時刻に対するセグメントIDと対象時刻のセグメントIDとが変化する。この場合、セグメント変化判定部72は、ステップST504において、セグメントが変化したものとして判定し、マップマッチング処理部70から受けたセグメントIDと、当該セグメントIDに対応する時刻の情報と、車載器ID「12340001」とを、それぞれ対応付けた情報をセンターサーバ装置9に送信する。センターサーバ装置9は、受信した情報を、セグメントテーブル90に書き込む。具体的に説明すると、センターサーバ装置3は、セグメントテーブル90において、
図19の車載器ID「12340001」の行に示されるようなデータを記録する。
【0080】
次いで、車両8が、セグメント6を退出する場合、マップマッチング処理部70は、ステップST503の処理において該当するセグメントIDを検出できないことになるため、車載器7の記憶部73の時刻が「9:23」の項目に対応するSegの項目に示すように、該当するセグメントIDがないものとして「−」を書き込む。
そして、セグメント変化判定部72は、ステップST504において、セグメントIDがある状態から該当するセグメントIDがない状態に変化した場合もセグメントが変化したものとして判定し、センターサーバ装置9にデータを送信する。センターサーバ装置9は、セグメントテーブル90に、
図19の時刻5のSegの項目に示すように該当するセグメントIDがない状態(「−」)が書き込む。セグメントテーブル90のSegの項目に「−」が書き込まれている場合、車載器7が、その1つ前の時刻までに存在していたセグメントを退出したことを表すことになる。
このように、本実施形態に係る車載器7は、セグメント変化判定部72によってセグメントIDが変化したと判定された場合、車載器7が存在するセグメントIDと、このセグメントIDが示すセグメントに車載器7が存在し始めた時刻とを対応付けて、センターサーバ装置9に送信する。これにより、
図16に示すような時刻と位置情報をすべてセンターサーバ装置9に送信する場合に比べて、送信回数を低減させることができる。
【0081】
[センターサーバ装置の動作]
次に、センターサーバ装置9の動作について
図22から
図25を参照しつつ説明する。なお、
図22と
図23は、符号Aにより接続される一続きの処理を示し、
図24は、ステップST603とステップST608から呼び出されるサブルーチンを示す。
(ステップST601)
まず、センターサーバ装置5の車載器搭載車両台数検出部51aは、車載器搭載率を算出する対象の時間を選択する。第1実施形態と同じく、この例においても動画の撮影時間に応じて9:00から9:10が選択されたとする。
(ステップST602)
車載器搭載車両台数検出部51aは、情報収集装置3aが設置された車載器搭載チェックポイントのセグメントを選択する。ここでは、
図14に示すようにセグメント4が選択される。
(ステップST603)
車載器搭載車両台数検出部51aは、9:00から9:10の間にセグメント4の上り車線に進入した車両8の台数を検出するため
図24に示すサブルーチンを呼び出す。
【0082】
図25は、
図19に示したセグメントテーブル90に記憶されているデータを視覚的に分かりやすく示した図である。例えば、
図25において、車載器ID「12340001」の車載器1は、8:26にセグメント1に進入し、8:34にセグメント2に進入し、8:46にセグメント4に進入し、9:06にセグメント6に進入し、9:23にセグメント6から退出したことを示している。
【0083】
ここで、
図24を参照して、サブルーチンの処理フローの一例について説明する。
(ステップST701)
このセグメントテーブル90から、所定の時刻、または所定の時間の間に、いずれか1つのセグメントに存在する車両8の台数を検出するため、車載器搭載車両台数検出部51aは、対象となる時刻、または時間の選択を行う。
ここでは、メインルーチンのステップST601の処理において、既に9:00から9:10の時間が選択されているため、同じ9:00から9:10の時間が選択される。
(ステップST702)
次いで、車載器搭載車両台数検出部51aは、対象となるセグメントを選択する。このセグメントについてもメインルーチンのステップST602の処理で既に選択されており、セグメント4が選択される。
(ステップST703)
そして、車載器搭載車両台数検出部51aは、選択した時間帯(9:00から9:10)に対応付けられたセグメントIDを、セグメントテーブル90から、車載器7ごとに読み出す。
【0084】
(ステップST704)
そして、車載器搭載車両台数検出部51aは、読み出した情報に基づき、選択した時間に、選択したセグメント4に車載器7が進入していたか否かを判定する。
最初に読み出される車載器ID「12340001」の車載器7については、8:46にセグメント4に進入し、9:06にセグメント4を退出している。このため、車載器搭載車両台数検出部51aは、車載器ID「12340001」の車載器7がセグメント4に進入していたと判定する。
【0085】
(ステップST705)
車載器搭載車両台数検出部51aは、対象の車載器7が、9:00から9:10にセグメント4に進入していたと判定した場合、車両検知カメラ32が撮影対象としている上り車線に進入している車両8の台数を算出するため、移動方向判定部94に移動方向の判定を行わせる。車載器搭載車両台数検出部51aは、対象の車載器7の車載器ID「12340001」と選択中のセグメントID「4」を移動方向判定部94に出力する。
そして、移動方向判定部94は、車載器搭載車両台数検出部51aが出力した車載器ID「12340001」に対応するデータを、セグメントテーブル90から読み出す。この移動方向判定部94は、読み出したデータの中から車載器搭載車両台数検出部51aが出力したセグメントID「4」に相当する項目を検出し、検出した項目の1つ前の時刻のセグメントIDを読み出す。
図19に示す例では、移動方向判定部94が、検出したセグメントID「4」の項目の1つ前の時刻「8:34」のセグメントID=2を読み出す。
次いで、移動方向判定部94は、道路地図データ記憶部91に記憶されているセグメントの連結関係を示すデータに基づいて、車両2の移動方向を判定する。ここで、移動方向判定部94は、セグメントIDが、2から4の順に変わっている経路を、道路地図データ記憶部91から検出し、検出した経路が上り車線であることを判定する。そして、車載器搭載車両台数検出部51aに、車載器ID「12340001」とともに判定結果「上り車線であること」を出力する。
【0086】
(ステップST706)
一方、車載器搭載車両台数検出部51aは、対象の車載器7が、9:00から9:10にセグメント4に進入していないと判定した場合、ステップST706の処理に進む。この車載器搭載車両台数検出部51aは、全ての車載器7のデータを読み出したか否かを判定する。
そして、車載器搭載車両台数検出部51aは、全ての車載器7のデータを読み出していない場合は、ステップST703からの処理を繰り返する。
(ステップST707)
一方、全ての車載器7のデータを読み出した場合、車載器搭載車両台数検出部51aは、セグメント4の上り車線に進入した車両8の台数を算出して、車両比率演算部53に出力する。
【0087】
図25に示す例では、車載器IDが12340001、12340008、12340015、12340003、12340020、12340006、12340030の7台がセグメント4に進入しており、それぞれが、上り車線、下り車線、下り車線、上り車線、下り車線、上り車線、下り車線である。このため、車載器搭載車両台数検出部51aは、上り車線に進入している台数として「3」を出力する。
なお、移動方向判定部94による判定において、1つ前の時刻の項目が存在しない場合、例えば、対象とするセグメントとしてセグメント1が選択された場合、車載器IDが12340001の車載器7については、
図19に示すように1つ前の時刻の項目が存在しないことになる。このような場合、道路地図データ記憶部91に、セグメントIDが存在しない状態からセグメント1に進入している場合は上り車線に進入していることを記憶させておくことで移動方向判定部94に方向を判定させることができる。
【0088】
ここで、
図22に戻って、メイン処理の説明を続ける。
(ステップST604)
車両総数検出部52によるステップST604の処理は、上述した
図12のステップST403による処理と同じであり、ここでも9:00から9:10の動画ファイルを読み出して車載器搭載チェックポイントを走行した車両の台数を算出する。
(ステップST605)
また、車両比率演算部53によるステップST605の処理も、上述した
図12のステップST404による処理と同じであり、これにより、車両比率演算部53は、車載器搭載車両台数検出部51aが算出した車載器を搭載した車両の台数と、車両総数検出部52が算出した車両の台数から、車載器を搭載した車両の台数に対する全ての車両の台数の比率を算出する。
【0089】
(ステップST606)
図23に進み、車両総数推定演算部54aは、セグメントにおける総車両台数の確認を行いたい時刻を選択する。
(ステップST607)
車両総数推定演算部54aは、当該時刻における各セグメントの車両8の進入台数をセグメントテーブル90から検出するため、セグメント1から順に選択する。
(ステップST608)
次いで、車両総数推定演算部54aは、時刻とセグメントを選択して
図24に示すサブルーチンを呼び出す。
【0090】
ステップST701からST707の処理を行うことにより、車両総数推定演算部54aは、対象の時刻に対象のセグメントに進入した車両8の台数を求めることができる。
なお、車両総数推定演算部54aが
図24のサブルーチンを呼び出す場合、上り車線に進入した車両であるか、または下り車線に進入した車両であるかという情報は必須ではないため、ステップST705の処理は行わないようにしてもよい。
【0091】
(ステップST609)
車両総数推定演算部54aは、全てのセグメントを選択したか否かを判定する。
この車両総数推定演算部54aは、全てのセグメントを選択していない場合、ステップST607からの処理を繰り返す。なお、全てのセグメントとは、セグメント4が標本エリアであると決められている区域に含まれる全てのセグメントである。本実施形態において、この区域はセグメント1〜6であって、標本エリアはセグメント4である。
(ステップST610)
一方、車両総数推定演算部54aは、全てのセグメントの選択が終了している場合、算出した各セグメントの車両の台数と、車両比率演算部53が算出した比率を用いて、各セグメントの車載器を搭載している車両と、車載器を搭載していない車両の総数を推定する演算を行う。
例えば、車両比率演算部53による演算が、車載器を搭載した車両の台数を全ての車両台数で除算する演算である場合、各セグメントの車両の台数を、車両比率演算部53が算出した値で除算することによって各セグメントの全ての車両の台数を推定する値を算出することができる。車両総数推定演算部54aが、この推定した全ての車両の台数の値を交通情報提供部58aに出力し、交通情報提供部58aが、この値をそのまま混雑度を示す情報として車載器7に送信して提供するようにしてもよいし、この値に基づいて、混雑しているセグメントを分かりやすく図示するような画像情報を提供するようにしてもよい。
【0092】
上記の第2実施形態の構成により、車載器を搭載した車両だけではなく車載器を搭載していない車両の台数も考慮したより正確な車両台数を求めることが可能となる。また、第1実施形態では、一定の面積を有するメッシュ単位で全ての車両の台数を推定する構成になっていたのに対して、第2実施形態の構成では、道路を分割したセグメント単位で全ての車両の台数を推定する構成になっている。このため、第2実施形態の構成によると、道路を通過する車両の台数をより正確に求め、より詳細な混雑度を示す情報を得ることが可能となる。
また、第2実施形態においても第1実施形態と同じく、1つの情報収集装置3aにより、1つのセグメントという限られた範囲における車載器7を搭載している車両の台数と、通過する全ての車両の台数の情報を収集する。そして、センターサーバ装置9において、情報収集装置3aによって収集された情報を用いて、それを他のセグメントの全ての車両の台数を推定する演算に用いる構成となっている。そのため、全てのセグメントにおいてこれらの台数を検出する装置を設置する必要がなく、システムの設置コストを抑えることが可能となる。
【0093】
なお、上記の第2実施形態においても、第1実施形態と同じく情報収集装置3aを設置する車載器搭載チェックポイントを1箇所にしていたが、車載器を搭載した車両に対する全ての車両の割合が地域によってばらついている場合には、複数のセグメントに情報収集装置3aを設置してもよい。
また、第2実施形態の例では、セグメント4の上り車線を対象としていたが、車両検知カメラ32を2台設置して、セグメント4の下り車線も対象に含めて比率を求めるようにしてもよい。この場合、センターサーバ装置9においてステップSd103における処理は、上り車線と下り車線のそれぞれの車載器7を搭載した車両8を検出することになる。
また、比較的短い距離のセグメントを設定し、1台の車両検知カメラ32によって、上り車線と下り車線の両方を撮影し、撮影した画像から上り車線と下り車線のそれぞれを走行する車両の台数を検出して比率を求めるようにしてもよい。
これらの手法により、車載器搭載車両台数検出部51aが算出した各ポイントの車載器を搭載した車両の台数の値と、車両総数検出部52が算出した各ポイントにおける全ての車両の台数の値が複数得られる場合は、第1実施形態と同じく、それぞれの合計値を算出し、これらの合計値により比率を算出してもよい。また、車載器を搭載した車両の台数の平均値と、全ての車両の台数の平均値を算出し、これらの値により比率を算出してもよい。また、各ポイントにおいてばらつきがある場合は、その分布に応じた重み付けを考慮して比率を算出するようにしてもよい。
【0094】
また、上記の第2実施形態では、車載器搭載チェックポイントを通過する車載器7を搭載した車両8の台数を、センターサーバ装置9のセグメントテーブル90に記憶されている情報を用いて算出しており、第1実施形態に比べて無線通信アンテナ31や無線通信部33のコストを削減することが可能となる。ただし、本発明は、当該実施形態に限られない。第2実施形態の構成においても、第1実施形態と同じく、情報収集装置3aに無線通信アンテナと無線通信部を備えさせて、第1実施形態と同様の手順によって車載器搭載チェックポイントを通過する車載器7を搭載した車両8の台数を算出するようにしてもよい。
【0095】
また、上記の第1及び第2実施形態では、情報収集装置3及び情報収集装置3aは、一定の間隔で一定の時間、動作を行うとしているが、この構成に限られず、連続して動作する構成であってもよい。また、情報収集装置3及び情報収集装置3aの車両検知カメラ32が、撮影する画像は、動画に限られず、車両が通過するときのみ撮影を行うことによって得られる複数の静止画であってもよい。
また、上記の第1実施形態では、車載器を搭載した車両の台数の算出は、センターサーバ装置5に備えられた車載器搭載車両台数検出部51が行う構成となっているが、情報収集装置3が車載器搭載車両台数検出部51を備えるようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態では、全ての車両の台数の算出は、センターサーバ装置5及び9に備えられた車両総数検出部52が行う構成となっているが、情報収集装置3及び3aがこれらの構成を備えるようにしてもよい。
【0096】
また、上記の第1及び第2実施形態では、車載器を搭載した車両の台数を全ての車両の台数で除算することにより車載器を搭載した車両の台数に対する全ての車両の台数の比率を求めるとしているが、当該構成に限られるわけではない。例えば、全ての車両の台数を車載器を搭載した車両の台数で除算した比率であってもよく、また、車載器を搭載していない車両の台数に対する全ての車両の台数の比率、全ての車両の台数に対する車載器を搭載していない車両の台数に対する比率を求めるようにしてもよい。
また、上記の第1及び第2実施形態の情報収集装置3及び3aは、車両検知カメラ32により撮影を行い、撮影した画像を解析して車両の台数を検出する構成を有していたが、車両の台数の検出は、画像解析による手法に限られず、車両が通過する地点に踏み板を設置し、当該踏み板により走行車両の台数をカウントしてもよく、また、赤外線センサや超音波センサによって進入する車両の台数をカウントする構成であってもよい。
【0097】
なお、本発明における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりアセンブリプログラムの変換を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0098】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。