(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を記録する第1の傷病者情報記録部と、該第1の傷病者情報記録部に記録された前記第1の傷病者情報を送信する第1の傷病者情報送信部とを有し、救急隊員端末と通信回線を介して通信可能な救急サーバと、
該救急サーバから通信回線を介して前記第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、該第1の傷病者情報受信部で受信した前記第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、該救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末とを備え、
前記救急サーバは、前記救急隊員端末から通信回線を介して受信した前記救急活動情報を通信回線を介して転送する救急活動情報転送部を有し、
前記救急サーバから受信した救急活動情報に基づいて、救急活動に関する統計資料を作成する資料作成サーバと、
前記救急サーバに、通信回線を介して前記第1の傷病者情報を送信する指令サーバとを備え、
前記救急サーバは、前記指令サーバから通信回線を介して前記第1の傷病者情報を受信し、かつ前記資料作成サーバへ通信回線を介して前記救急活動情報を転送する第1の救急サーバと、該第1の救急サーバが前記指令サーバから受信する前記第1の傷病者情報を同期して受信し、同第1の傷病者情報を前記救急隊員端末に送信する第2の救急サーバとで構成された
救急業務総合支援システム。
【背景技術】
【0002】
急病人やケガ人など、救急車で搬送されるべき傷病者が発生した場合、傷病者または傷病者の介護者によって、指令センターへ傷病者の容態が伝えられる。
そして、指令センターは、傷病者のもとへ救急隊員を派遣する。
【0003】
次に、傷病者のもとへ到着した救急隊員は、傷病者に応急処置を施すと共に、救急車によって傷病者を病院へ搬送する。
【0004】
また、救急隊員は、傷病者の傷病状況を調べ、病院に傷病者の受入れが可能か否かを確認するために、病院ごとに連絡して傷病者受入れを要請する。
また、各病院は、傷病者受入れの要請を受けてから、傷病者の受入れが可能か否かを判断する。
【0005】
そして、救急隊員は、傷病者受入れを了解した病院に傷病者を搬送する。また、病院が傷病者受入れを拒否した場合には、救急隊員は、別の病院に連絡し、その病院に傷病者受入れを要請する。
【0006】
このような状況において、例えば特許文献1には、医師用または患者用携帯電話に患者情報を保持し、容易に参照して、緊急時に治療の継続を可能にし、あるいは診療情報を提供できる電子カルテ情報参照方法が記載されている。
【0007】
すなわち、特許文献1には、医療機関の電子カルテシステムに使用されるプログラムとは別個の携帯電話専用の電子カルテ情報参照プログラムをダウンロードして携帯電話にインストールし、医療機関の電子カルテシステムから必要な限度で1以上の患者の電子カルテ情報を直接取り込んで携帯電話のメモリに記憶し、必要なときにインストールした電子カルテ情報参照プログラムを使用して携帯電話に記憶した個人電子カルテを参照する、電子カルテ情報参照方法が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、救急搬送の現場では、救急隊員から病院などの医療機関への情報伝達は、携帯電話を用いて行われているが、このような情報伝達は、口頭での伝達であるため、迅速かつ正確な情報伝達ができていなかった。
そのため、医師の適切な処置判断が行ないにくかったり、病院の受け入れ準備が遅延したりしていた。
【0010】
また、救急隊員の業務は、単に傷病者を病院に搬送したり、搬送中に処置を施したりするだけではない。救急隊員の業務には、病院へ搬送した際に病院へ提出しなければならない、救急業務メディカルコントロール協議会が定める書類(救急活動について記録した救急活動記録票など)の作成もある。
しかし、書類作成は救急隊員の手書きで行なわれており、この書類作成が救急隊員の業務負担を増大させていた。また、書類に記入された情報は、電子化もされていないので、その情報の二次利用が煩雑となっていた。
【0011】
さらに、救急隊員の業務には、搬送業務を終えて消防署に持ち帰った救急活動記録票の写しを基に、消防署のサーバシステム(消防支援情報管理システム)に、救急活動記録票の記入情報を手入力する業務もある。しかし、この入力作業も、救急隊員の業務負担を増大させていた。
【0012】
また、近年、救急隊員は出動機会も多く、搬送件数も年々増加傾向にあり、救急隊員の業務負担は増すばかりである。
従って、救急隊員の業務負担を軽減できるシステムが求められていた。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、救急隊員の業務負担を軽減できる救急業務総合支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明の救急業務総合支援システムは、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を記録する第1の傷病者情報記録部と、該第1の傷病者情報記録部に記録された前記第1の傷病者情報を送信する第1の傷病者情報送信部とを有し、救急隊員端末と通信回線を介して通信可能な救急サーバと、該救急サーバから通信回線を介して前記第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、該第1の傷病者情報受信部で受信した前記第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、該救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末とを備える。
【0015】
また、上記の目的を達成するために、本発明の救急業務総合支援システムは、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、該第1の傷病者情報受信部で受信した前記第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、該救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備える。
【0016】
ここで、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部によって、第2の傷病者情報が入力されるだけで救急活動情報が作成されるので、搬送先の医療機関に提出される、救急活動情報が記録された書類の作成作業を軽減することができる。
【0017】
また、救急サーバから通信回線を介して第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部によって、救急隊員は、救急活動情報を作成するために必要な情報を救急隊員端末に入力する作業を省くことができる。
【0018】
また、本発明の救急業務総合支援システムにおいて、救急サーバは、救急隊員端末から通信回線を介して受信した救急活動情報を通信回線を介して転送する救急活動情報転送部を有し、救急サーバから受信した救急活動情報に基づいて、救急活動に関する統計資料を作成する資料作成サーバを備えるものとすることができる。
【0019】
この場合、資料作成サーバが、救急サーバから救急活動情報を受信して、統計資料を作成するので、救急隊員が消防署に戻った後の救急隊員による統計資料作成のための入力業務を軽減することができる。
【0020】
さらに、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバに、通信回線を介して第1の傷病者情報を送信する指令サーバを備える場合、最初に救急情報を受ける指令センターの指令サーバの第1の傷病者情報が、救急サーバを介して救急隊員端末に間接的に伝えられるので、指令センターと連携でき、救急隊員端末は救急活動情報を作成しやすい。
【0021】
また、本発明の救急業務総合支援システムにおいて、救急サーバは、救急隊員端末から通信回線を介して受信した救急活動情報を通信回線を介して転送する救急活動情報転送部を有し、救急サーバから受信した救急活動情報に基づいて、救急活動に関する統計資料を作成する資料作成サーバと、救急サーバに、通信回線を介して第1の傷病者情報を送信する指令サーバとを備え、救急サーバは、指令サーバから通信回線を介して第1の傷病者情報を受信し、かつ資料作成サーバへ通信回線を介して救急活動情報を転送する第1の救急サーバと、第1の救急サーバが指令サーバから受信する第1の傷病者情報を同期して受信し、第1の傷病者情報を救急隊員端末に送信する第2の救急サーバとで構成されたものとすることができる。
【0022】
この場合、救急サーバとして、2つの別個のサーバを使用し、指令サーバからの受信と、資料作成サーバへの転送を一方のサーバのみで行なっているので、不具合時の原因究明を行ないやすい。
また、救急隊員端末と、指令サーバおよび資料作成サーバとは、直接通信せずに、救急サーバを介して通信する構成なので、指令サーバや資料作成サーバのセキュリティを確保することができる。
【0023】
また、本発明の救急業務総合支援システムにおいて、救急隊員端末が、傷病者の傷病の原因となる動物に関する情報を記録する動物情報記録部を有する場合、傷病者に、救急隊員端末の画面を見せて、どのような動物が原因で傷病を負ったのかを直接聞き出すことができる。
【0024】
また、本発明の救急業務総合支援システムにおいて、救急隊員端末は、医師に関する情報である医師情報を専門分野別に記録する医師情報記録部と、傷病者の傷病の種類と医師情報記録部に記録された専門分野とを照合して、傷病者の傷病の種類に対応する専門分野の医師が所属する医療機関を選択する医療機関選択部とを有し、救急隊員端末の救急活動情報作成部は、さらに医療機関選択部が選択した医療機関に関する情報である医療機関情報に基づいて救急活動情報を作成し、救急サーバは、救急隊員端末の医療機関選択部が選択した医療機関の医療機関端末から閲覧可能に構成された領域ごとに、医療機関に対応する救急活動情報を記録する救急活動情報記録部を有するものとすることができる。
【0025】
この場合、救急隊員端末の医療機関選択部が選択した医療機関の医療機関端末から閲覧可能に構成された領域ごとに、医療機関に対応する救急活動情報を記録するので、傷病者の傷病の種類に対応する専門分野の医師が所属する医療機関と連絡をとりやすくなり、救命率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る救急業務総合支援システムは、救急隊員の業務負担を軽減できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明に係る救急業務総合支援システムの全体の構成の一例を示す概略図である。また、
図2は、本発明に係る救急業務総合支援システムの流れの一例を説明する概略フロー図である。
【0029】
図1に示す本発明の救急業務総合支援システム1は、救急サーバ2と、救急隊員が使用する救急隊員端末3と、消防署の資料作成サーバ10と、消防署の指令センターに設置された指令サーバ11とを備える。
【0030】
また、資料作成サーバ10と救急サーバ2、指令サーバ11と救急サーバ2はそれぞれ、専用通信回線を介して通信可能である。
また、救急サーバ2と救急隊員端末3は、専用通信回線を介して通信可能である。
【0031】
また、救急サーバ2は、第1の救急サーバ2Aと、第2の救急サーバ2Bとで構成されている。
【0032】
また、指令サーバ11は、第1の救急サーバ2Aに、専用通信回線を介して、救急車(救急移動体の一例である。)で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を送信する。
ここで、「第1の傷病者情報」とは、具体的には例えば、傷病者の氏名、住所、生年月日、性別、傷病に関する情報(打撲、骨折、外傷、内臓疾患など)、救急車の行先である傷病者が現在いる場所の情報、傷病者のことを通報した通報者の情報である。
【0033】
また、第2の救急サーバ2Bは、第1の傷病者情報データベース4に記録された第1の傷病者情報を、救急隊員端末3からの要求に応じて専用通信回線を介して救急隊員端末3に送信する第1の傷病者情報送信部5を有する。
【0034】
ここで、第1の救急サーバ2Aは、指令サーバ11から専用通信回線を介して受信した第1の傷病者情報を記録する第1の傷病者情報データベース(第1の傷病者情報記録部の一例である。)4を有する。
【0035】
また、第2の救急サーバ2Bも、第1の救急サーバ2Aが指令サーバ11から受信した第1の傷病者情報を第1の救急サーバ2Aから同期して受信し、受信した第1の傷病者情報を記録する第1の傷病者情報データベース4を有する。
【0036】
また、第2の救急サーバ2Bは、第1の傷病者情報データベース4に記録された第1の傷病者情報を、救急隊員端末3に専用通信回線を介して送信する第1の傷病者情報送信部5を有する。
【0037】
また、救急隊員端末3は、第2の救急サーバ2Bから専用通信回線を介して第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部6を有する。
また、救急隊員端末3は、第1の傷病者情報受信部6で受信した第1の傷病者情報に、救急車内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部7を有する。
【0038】
ここで、「第2の傷病者情報」とは、具体的には例えば、心電図データなどの計測データ、傷病者の画像(静止画、動画)情報、処置情報である。
また、心電図データなどの計測データは、専用の計測機器で計測したデータであり、救急隊員端末3は、計測機器で計測したデータを受け取る機能を有する。
【0039】
また、救急隊員端末3は、傷病者などを撮像できる撮像機能を有する。
また、救急隊員端末3は、救急活動に必要な資料等のデータをアップロードしたり、ダウンロードしたりできる機能を有する。ここで、アップロード先やダウンロード元となるサイトは、例えば、救急業務フローや救急処置ガイドといった情報が掲示された情報共有サイトである。
【0040】
また、救急隊員端末3は、第1の傷病者情報を受信したとき、もしくは第2の傷病者情報が入力されたときに、傷病者の搬送および受入れに関する実施基準に基づいて、搬送先である医療機関に関する情報をピックアップして選定できる医療機関選定機能を有する。
また、ピックアップされる医療機関の情報は、救急隊員端末3に記録されていてもよいし、医療機関を選定するシステムのサーバに記録されていて適宜、救急隊員端末3にダウンロードされてもよい。
【0041】
また、救急隊員端末3は、傷病者の個人情報が記録されたICチップ付きカード(免許証、保険証など)から傷病者の個人情報(個人IDなど)を読取り、読取った個人IDに基づき住民基本台帳ネットワークシステムなど他のシステムのサーバから、さらに詳細な個人情報や、病歴など救急活動に必要とされる基本情報をダウンロードする傷病者情報参照機能を有する。
【0042】
また、「救急活動情報」は、具体的には例えば、「傷病者の住所、氏名、性別および生年月日」、「救急隊員が出動する先の住所」、「いつ、どこで、どうして傷病が発生したかという現場状況」、「現場の静止画像」、「呼吸回数、脈拍回数、血圧、心電図データなどのバイタルデータ」、「傷病者の頭部、頸部、胸部、腹部などの観察結果」、「酸素投与、気道確保、薬剤投与などの処置情報」、「傷病者の静止画像」を含む情報である。
また、このような救急活動情報は、例えば、病院へ搬送した際に病院へ提出しなければならない、救急業務メディカルコントロール協議会が定める書類例えば救急活動記録票に記入すべき情報と対応している。
【0043】
また、救急隊員端末3は、救急活動情報作成部7で得られた救急活動情報を第2の救急サーバ2Bへ専用通信回線を介して送信する救急活動情報送信部8を有する。
【0044】
また、第1の救急サーバ2Aは、第2の救急サーバ2Bから救急活動情報を同期して受信し、資料作成サーバ10へ専用通信回線を介して救急活動情報を転送する救急活動情報転送部9を有する。
【0045】
また、救急隊員端末3は、傷病者の傷病の原因となる動物例えばヘビ、ハチに関する情報を記録する動物情報データベース(動物情報記録部の一例である。)12を有する。
【0046】
また、救急隊員端末3は、医師に関する情報である医師情報を専門分野別に記録する医師情報データベース(医師情報記録部の一例である。)13を有する。
【0047】
また、救急隊員端末3は、傷病者の傷病の種類と医師情報データベース13に記録された専門分野とを照合して、傷病者の傷病の種類例えば心臓疾患に対応する専門分野例えば心臓外科の医師が所属する病院(医療機関の一例である。)を選択する病院選択部(医療機関選択部の一例である。)14を有する。
【0048】
また、救急隊員端末3の救急活動情報作成部7は、病院選択部14が選択した病院に関する情報である病院情報に基づいて救急活動情報を作成する。
【0049】
また、図示していないが、救急隊員端末3は、作成した救急活動情報を紙媒体に出力する出力機能も有している。
また、救急活動情報は、搬送先の病院に提出しなければならない書類例えば救急活動記録票に記入すべき情報と対応しているので、救急活動情報作成部7は、救急活動記録票と同じ様式で救急活動情報を作成する。
従って、出力機能は、作成された救急活動情報を単に出力するだけで、救急活動記録票が得られる。
【0050】
また、第2の救急サーバ2Bは、救急隊員端末3の病院選択部14が選択した病院の病院端末16から閲覧可能に構成された領域ごとに、病院選択部14が選択した病院に対応する救急活動情報を記録する救急活動情報データベース(救急活動情報記録部の一例である。)15を有する。
【0051】
また、第2の救急サーバ2Bは、救急隊員端末3から受信した救急活動情報を、即時、病院端末16へ伝送する救急活動情報伝送部17を有する。
また、救急活動情報伝送部17は、医師個人の携帯端末に、救急活動情報、特に心電図データなどを伝送することもできる。
【0052】
また、病院端末16で、救急活動情報データベース15に記録された救急活動情報を閲覧する場合は、病院端末16でIDとパスワードを入力してログインする。
ログインした後の病院端末16の画面には、傷病者の氏名、性別、生年月日、バイタルデータ、処置情報、救急車が到着するまでの時間などが表示される。
【0053】
また、救急移動体の例として救急車を挙げて説明したが、救急移動体の他の例としては、消防ヘリコプター、救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)が挙げられる。
【0054】
ここで、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備えていれば、必ずしも資料作成サーバを備えていなくてもよい。
【0055】
しかし、本発明の救急業務総合支援システムが資料作成サーバを備えていれば、資料作成サーバが、救急サーバから救急活動情報を受信して、統計資料を作成するので、救急隊員が消防署に戻った後の救急隊員による統計資料作成のための入力業務を軽減することができ、好ましい。
【0056】
また、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備えていれば、必ずしも指令サーバを備えていなくてもよい。
【0057】
しかし、本発明の救急業務総合支援システムが指令サーバを備えていれば、最初に救急情報を受ける指令センターの指令サーバの第1の傷病者情報が、救急サーバを介して救急隊員端末に間接的に伝えられるので、指令センターと連携でき、救急隊員端末は救急活動情報を作成しやすい。
よって、好ましい。
【0058】
また、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備えていれば、必ずしも救急サーバは、指令サーバから通信回線を介して第1の傷病者情報を受信し、かつ資料作成サーバへ通信回線を介して救急活動情報を転送する第1の救急サーバと、第1の救急サーバが指令サーバから受信する第1の傷病者情報を同期して受信し、第1の傷病者情報を救急隊員端末に送信する第2の救急サーバとで構成されていなくてもよい。
【0059】
しかし、救急サーバが、第1の救急サーバと第2の救急サーバとで構成されていれば、救急サーバとして、2つの別個のサーバを使用し、指令サーバからの受信と、資料作成サーバへの転送を一方のサーバのみで行なっているので、不具合時の原因究明を行ないやすい。
また、救急サーバが、第1の救急サーバと第2の救急サーバとで構成されていれば、救急隊員端末と、指令サーバおよび資料作成サーバとは、直接通信せずに、救急サーバを介して通信する構成なので、指令サーバや資料作成サーバのセキュリティを確保することができる。
よって、好ましい。
【0060】
また、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備えていれば、必ずしも救急隊員端末は、傷病者の傷病の原因となる動物に関する情報を記録する動物情報記録部を有していなくてもよい。
【0061】
しかし、救急隊員端末が動物情報記録部を有していれば、傷病者に、救急隊員端末の画面を見せて、どのような動物が原因で傷病を負ったのかを直接聞き出すことができるので好ましい。
【0062】
また、本発明の救急業務総合支援システムが、救急サーバから通信回線を介して、救急移動体で搬送される前の傷病者に関する情報である第1の傷病者情報を受信する第1の傷病者情報受信部と、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する救急活動情報作成部と、救急活動情報作成部で得られた救急活動情報を前記救急サーバへ通信回線を介して送信する救急活動情報送信部とを有する救急隊員端末を備えていれば、必ずしも救急サーバは、救急隊員端末の医療機関選択部が選択した医療機関の医療機関端末から閲覧可能に構成された領域ごとに、医療機関に対応する救急活動情報を記録しなくてもよい。
【0063】
しかし、救急サーバが、救急隊員端末の医療機関選択部が選択した医療機関の医療機関端末から閲覧可能に構成された領域ごとに、医療機関に対応する救急活動情報を記録するので、傷病者の傷病の種類に対応する専門分野の医師が所属する医療機関と連絡をとりやすくなり、救命率を向上させることができるので好ましい。
【0064】
次に、本発明の救急業務総合支援システムの流れを説明する。
急病人やケガ人など、救急車で搬送されるべき傷病者が発生した場合、傷病者または傷病者の介護者は、消防署の指令センターへ、電話で傷病者の容態を伝える。
【0065】
このとき、指令サーバ11には、傷病者または傷病者の介護者から伝えられた、傷病者の氏名、住所、生年月日、性別、傷病に関する情報(打撲、骨折、外傷、内臓疾患など)、救急車の行先である傷病者が現在いる場所の情報、傷病者のことを通報した通報者の情報といった第1の傷病者情報が記録される。
【0066】
次に、指令サーバ11は、第1の救急サーバ2Aに専用通信回線を介して、第1の傷病者情報を送信する(ステップS1)。
【0067】
また、第2の救急サーバ2Bも、第1の救急サーバ2Aが指令サーバ11から受信した第1の傷病者情報を第1の救急サーバ2Aから同期して受信する(ステップS2)。
【0068】
そして、第2の救急サーバ2Bは、第1の傷病者情報を、救急隊員端末3からの要求に応じて救急隊員端末3に専用通信回線を介して送信する(ステップS3)。
【0069】
さらに、救急隊員端末3は、第1の傷病者情報受信部6で受信した第1の傷病者情報に、救急車内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成する(ステップS4)。
【0070】
次に、救急隊員端末3は、作成した救急活動情報を第2の救急サーバ2Bへ専用通信回線を介して送信する(ステップS5)。
【0071】
そして、第2の救急サーバ2Bは、救急活動情報を、即時、病院端末16へ伝送する(ステップS6−1)。
また、第2の救急サーバ2Bが受信した救急活動情報を、第1の救急サーバ2Aも第2の救急サーバ2Bから同期して受信する(ステップS6−2)。
【0072】
そして、第1の救急サーバ2Aは、資料作成サーバ10へ専用通信回線を介して救急活動情報を転送する(ステップS7)。
【0073】
以上のように、本発明の救急業務総合支援システムは、救急隊員端末が、第1の傷病者情報受信部で受信した第1の傷病者情報に、救急移動体内の傷病者に基づいた情報である第2の傷病者情報を加えて、救急活動に関する情報である救急活動情報を作成するので、第2の傷病者情報が入力されるだけで救急活動情報が作成され、搬送先の医療機関に提出される、救急活動情報が記録された書類の作成作業を軽減することができる。
【0074】
また、救急隊員端末が救急サーバから通信回線を介して第1の傷病者情報を受信するので、救急隊員は、救急活動情報を作成するために必要な情報を救急隊員端末に入力する作業を省くことができる。
【0075】
従って、本発明の救急業務総合支援システムは、救急隊員の業務負担を軽減できる。
【0076】
また、救急活動記録票に記載される情報に対応する救急活動情報が、救急隊員端末から第2の救急サーバへ送信され、さらに第2の救急サーバから病院端末へ即時に伝送されるので、救急隊員が携帯電話にて病院に最初に連絡する際に、病院の医師などは、目視確認をしながら救急活動情報を受け取ることが可能となる。
【0077】
また、救急活動情報は、傷病者の静止画像や現場の静止画像を含むので、救急隊員や病院の医師などは、より正確に情報を把握でき、その後の検証にも利用できる。
【0078】
従って、病院へ迅速かつ正確な情報伝達が可能となり、適切な処置判断を病院から得られたり、病院の受け入れ準備がスムーズになったりする。
そして、病院の受け入れ準備がスムーズになることで、救命率を向上させることができる。
また、救急活動自体が短縮化され、救急隊員の帰署時間を早くすることができる。