特許第6071768号(P6071768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6071768
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   A63F7/02 316D
【請求項の数】1
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2013-122272(P2013-122272)
(22)【出願日】2013年6月10日
(65)【公開番号】特開2014-236936(P2014-236936A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2015年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】内野 勇太
【審査官】 古屋野 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−036571(JP,A)
【文献】 特開2012−183205(JP,A)
【文献】 特開2000−229151(JP,A)
【文献】 特開平11−333073(JP,A)
【文献】 特開2013−059456(JP,A)
【文献】 特開2010−172518(JP,A)
【文献】 特開2011−152169(JP,A)
【文献】 特開2004−283352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が前面に設けられた遊技盤を備えた遊技機において、
前記遊技領域に開口する第1の入賞口への遊技球の入球が可能または容易となる開放状態と第1の入賞口への遊技球の入球が不能または困難になる閉成状態との間で開閉する第1の開閉部材を有する第1の入賞装置と、
前記遊技領域に開口する第2の入賞口への遊技球の入球が可能または容易となる開放状態と第2の入賞口への遊技球の入球が不能または困難になる閉成状態との間で開閉する第2の開閉部材を有し、前記第1の入賞口への遊技球の入賞を契機とする所定の開放条件の成立により該第2の開閉部材を開くよう構成された第2の入賞装置と、
前記遊技領域に突出して上下方向に連通する通過口が設けられ、該通過口を通過する遊技球の検出が前記第1の開閉部材の開放判定の契機とされる球通過ゲートとを備え、
前記球通過ゲートは
記第2の入賞口の上側でかつ該第2の入賞口における左右方向の開口範囲内に前記通過口が位置するように配置され、該通過口を通過した遊技球が第2の開閉部材が開放状態にある第2の入賞口に入賞可能に構成されると共に、
前記遊技盤に貫通形成された装着口を覆うように該遊技盤の前面に取り付けられるゲート取着部と、
前記遊技領域に突出すると共に左右に離間するよう前記ゲート取着部の前面に配置されて、間に前記通過口を画成する一対の側部ガイドと、
通過する遊技球を検出する検出開口を通過口に整合させて一対の側部ガイドの間に設置される球検出手段とを備え、
前記ゲート取着部は、前記球検出手段を挿通する挿通口が前記球検出手段の外形に合わせた形状で前後に貫通するよう形成されると共に、該ゲート取着部の後面に、前記挿通口の上縁および下縁から後方へ突出して前記球検出手段を間に保持する一対の保持片と、前記挿通口の側縁から後方へ前記一対の保持片より小さく突出する突部とが形成され、該突部における前記球検出手段と対向する側面が前記挿通口の側縁に沿うよう形成され、
少なくとも一方の側部ガイドは、内側面が前記球検出手段の側面に沿う形状に形成されると共に外側面が上端から下端まで前記球通過ゲートの左右方向外側へ下方傾斜するよう斜めに形成され、当該側部ガイドにおいて左右幅が上部より広く形成された下部に、前記ゲート取着部の前記突部に後側から挿通させたネジを固定して、該側部ガイドがゲート取着部に固定され
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技領域から遊技球が入賞可能な入賞装置を備えた入賞装置を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
代表的な遊技機であるパチンコ機は、遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状の装飾部材(所謂センター役物)が配設されており、この装飾部材の開口部を介して複数の図柄を変動表示する液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における装飾部材の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での図柄変動を開始させる始動入賞装置や大当り時等に開放する特別入賞装置を配設するよう構成されたものが多数提案されている。このようなパチンコ機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が遊技領域内に植設された遊技釘等との接触により跳ね返りながら次第に自重により流下し、該遊技領域を流下する過程で前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止することにより所謂大当りが発生し、遊技盤に設けられた特別入賞装置が開放して多数の賞球を獲得し得るよう構成される。
【0003】
前記始動入賞装置として、パチンコ球が入賞する入賞口を開閉自在な開閉部材を備えるタイプを用いるパチンコ機では、前記遊技領域に位置する通過口と、該通過口を通過するパチンコ球を検出する検出スイッチとを備えた球通過ゲートが遊技盤に配設されている(例えば、特許文献1参照)。そして、このような球通過ゲートを備えたパチンコ機では、遊技領域を流下して通過口を通過したパチンコ球を検出スイッチが検出することを契機として、遊技盤に設けられた普通図柄表示装置の図柄を変動開始し、該普図柄表示装置に図柄が所定の組み合わせで停止するなどの所定の開放条件の成立に基づき、ソレノイド等の駆動手段を駆動して前記開閉部材を開閉作動するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−283352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では前記遊技盤に配設される図柄表示装置を大型化したり、該遊技盤に可動演出装置や発光演出装置等の各種演出装置を配設することで、遊技演出を多様化して演出効果を向上することが一般的になっており、遊技盤における遊技球が流下可能な遊技領域が狭くなる傾向にある。このため、遊技領域において、球通過ゲートを配設するスペースの確保に苦慮している。
【0006】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、入賞装置と球通過ゲートとを狭いスペースに配設した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の遊技機は、
遊技球(P)が流下する遊技領域(20a)が前面に設けられた遊技盤(20)を備えた遊技機において、
前記遊技領域(20a)に開口する第1の入賞口(39)への遊技球(P)の入球が可能または容易となる開放状態と第1の入賞口(39)への遊技球の入球が不能または困難になる閉成状態との間で開閉する第1の開閉部材(88)を有する第1の入賞装置(38)と、
前記遊技領域(20a)に開口する第2の入賞口(41)への遊技球(P)の入球が可能または容易となる開放状態と第2の入賞口(41)への遊技球(P)の入球が不能または困難になる閉成状態との間で開閉する第2の開閉部材(114)を有し、前記第1の入賞口(39)への遊技球(P)の入賞を契機とする所定の開放条件の成立により該第2の開閉部材(114)を開くよう構成された第2の入賞装置(40)と、
前記遊技領域(20a)に突出して上下方向に連通する通過口(140)が設けられ、該通過口(140)を通過する遊技球(P)の検出が前記第1の開閉部材(88)の開放判定の契機とされる球通過ゲート(44)とを備え、
前記球通過ゲート(44)は
記第2の入賞口(41)の上側でかつ該第2の入賞口(41)における左右方向の開口範囲内に前記通過口(140)が位置するように配置され、該通過口(140)を通過した遊技球(P)が第2の開閉部材(114)が開放状態にある第2の入賞口(41)に入賞可能に構成されると共に、
前記遊技盤(20)に貫通形成された装着口(27b)を覆うように該遊技盤(20)の前面に取り付けられるゲート取着部(141)と、
前記遊技領域(20a)に突出すると共に左右に離間するよう前記ゲート取着部(141)の前面に配置されて、間に前記通過口(140)を画成する一対の側部ガイド(145,145)と、
通過する遊技球(P)を検出する検出開口(SGa)を通過口(140)に整合させて一対の側部ガイド(145,145)の間に設置される球検出手段(SG)とを備え、
前記ゲート取着部(141)は、前記球検出手段(SG)を挿通する挿通口(142)が前記球検出手段(SG)の外形に合わせた形状で前後に貫通するよう形成されると共に、該ゲート取着部(141)の後面に、前記挿通口(142)の上縁および下縁から後方へ突出して前記球検出手段(SG)を間に保持する一対の保持片(143)と、前記挿通口(142)の側縁から後方へ前記一対の保持片(143)より小さく突出する突部とが形成され、該突部における前記球検出手段(SG)と対向する側面が前記挿通口(142)の側縁に沿うよう形成され、
少なくとも一方の側部ガイド(145)は、内側面が前記球検出手段(SG)の側面に沿う形状に形成されると共に外側面が上端から下端まで前記球通過ゲートの左右方向外側へ下方傾斜するよう斜めに形成され、当該側部ガイド(145)において左右幅が上部より広く形成された下部に、前記ゲート取着部(141)の前記突部に後側から挿通させたネジを固定して、該側部ガイド(145)がゲート取着部(141)に固定されたことを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、球通過ゲートが、遊技球の検出して第1の入賞装置の開閉部材の開放判定の契機を得るという本来の機能と、第2の入賞装置の入賞口の上側で遊技球を導くガイドとしての機能とを有している。これにより、遊技釘等などの遊技領域で遊技球を案内する遊技部品に代えて、第2の入賞装置の入賞口の上側に球通過ゲートを配設することが可能となり、第2の入賞装置と球通過ゲートとを遊技領域における狭い範囲に配置することができる。
また、球通過ゲートにおける側部ガイドの外側面で案内された遊技球が第2の入賞口に入賞可能であるから、第2の入賞口の上側に球通過ゲートを配設することにより不利益は生じない。
更に、球通過ゲートは、側部ゲートの幅広な部分でネジ止めしているから、しっかりと固定することができる。
【0010】
本願には、次のような技術的思想が含まれる。
記球通過ゲート(44)は、前記遊技盤(20)に貫通形成された装着口(27b)を覆うように該遊技盤(20)の前面に取り付けられるゲート取着部(141)を介して遊技盤(20)に設置されると共に、前記第2の入賞装置(40)は、前記装着口(27b)を覆うように該遊技盤(20)の前面に取り付けられる入賞装置取着部(110)を介して遊技盤(20)に設置され、
前記ゲート取着部(141)は、前記入賞装置取着部(110)より左右方向の幅が狭く形成され、
前記遊技盤(20)における前記入賞装置取着部(110)の上側で前記ゲート取着部(141)の横側の領域には、前記第2の入賞口(41)の上方でかつ前記球通過ゲート(44)から遊技球(P)の通過を許容する間隔をあけて遊技釘(28A)が植設されたことを要旨とする。
上記構成によれば、第2の入賞口の上側に遊技釘を配置することができ、当該遊技釘により球通過ゲートの横側を流下する遊技球を第2の入賞口へ向けて案内可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る遊技機によれば、遊技領域において入賞装置と球通過ゲートとを狭いスペースで配設できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
図2】(a)は実施例の遊技盤を示す正面図であり、開閉扉が閉成状態にあり、(b)は(a)の要部拡大図であり、開閉扉が開放状態にある。
図3図2のA−A線断面図であって、第2始動入賞装置の開閉部材が閉成状態にある。なお、図柄表示装置は取り外してある。
図4図2のA−A線断面図であって、第2始動入賞装置の開閉部材が開放状態にある。なお、図柄表示装置は取り外してある。
図5図2のB−B線で破断した要部断面図である。なお、図柄表示装置は取り外してある。
図6図2のC−C線で破断した要部断面図である。なお、図柄表示装置は取り外してある。
図7】実施例の遊技盤を後側から見た斜視図である。
図8】実施例の設置部材を示す正面図である。
図9】実施例の設置部材に設置された入賞球通路ユニットの前面を破断して、入賞球通路を示す要部断面図である。
図10】実施例の第2始動入賞装置および入賞球通路ユニットを前側から見た斜視図である。
図11】実施例の第2始動入賞装置を後側から見た斜視図である。
図12】実施例の第2始動入賞装置を示す平面図であって、(a)は開閉部材が閉成状態にあり、(b)は開閉部材が開放状態にある。
図13】(a)は図12(a)のD−D線断面図であり、(b)は図12(b)のE−E線断面図である。
図14】実施例の第2始動入賞装置を前側から見た分解斜視図である。
図15】実施例の第2始動入賞装置を後側から見た分解斜視図である。
図16】実施例の第2始動入賞装置において、始動ソレノイド、始動作動手段および開閉部材の関係を示す説明図であって、(a)は開閉部材が閉成状態にあり、(b)は開閉部材が開放状態にある。
図17図12のF−F線断面図である。
図18】実施例の特別入賞装置を前側から見た斜視図であって、(a)は開閉扉が閉成状態にあり、(b)は開閉扉が開放状態にある。
図19】実施例の特別入賞装置を後側から見た斜視図である。
図20】(a)は図18(a)のG−G線断面図であって、(b)は図18(b)のH−H線断面図である。
図21】(a)は図20(a)のI−I線断面図であって、(b)は図20(b)のJ−J線断面図である。
図22】実施例の特別入賞装置を前側から見た分解斜視図である。
図23】実施例の特別入賞装置を後側から見た分解斜視図である。
図24】実施例の特別入賞装置の特別装置本体を示す正面図であって、開閉扉は取り外してある。
図25】(a)は実施例の特別入賞装置の特別装置本体を示す斜視図であって、開閉扉が開放状態にあり、(b)は(a)から上ケースを取り外した状態を示す。
図26】実施例の入賞球通路ユニットを示す平面図である。
図27】実施例の入賞球球通路ユニットを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0014】
(パチンコ機)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置19(図2参照)が着脱可能に配設されている。また、中枠12の前面側には、遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球P(図3および図4参照)を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前枠13の下部位置に、パチンコ球Pを貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、図柄表示装置19として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の図柄表示装置19を採用し得る。また、上球受け皿14は、前枠13と別体に形成してもよい。
【0015】
前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。操作ハンドル16は、左回転方向に付勢されており、該操作ハンドル16を右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、上球受け皿14に貯留されたパチンコ球Pが遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、操作ハンドル16の回動量に応じて打球発射装置によるパチンコ球Pの打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作ハンドル16の回動量を操作することで、遊技盤20に形成された第1球流下経路21(図2参照)をパチンコ球Pが流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路22(図2参照)をパチンコ球Pが流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
【0016】
(遊技盤)
図2および図7に示すように、前記遊技盤20は、所定板厚の略矩形状に形成された木材板の表面に、各種絵柄等が描かれた合成樹脂シート(図示せず)等を貼付けて装飾した板部材であって、該遊技盤20の表面(盤面)に配設された案内レール24,25,26により、パチンコ球Pが流下可能な遊技領域20aが画成されている。また、遊技盤20の裏面には、図柄表示装置19を着脱可能に保持する設置部材32(図8参照)が配設されている。
【0017】
前記案内レールは、遊技盤20の左下部から右上部に至るよう左方向に膨出する円弧状に形成された外レール24と、該外レール24の内側に配置されて、遊技盤20の右上部、右下部および左上部に至るよう右方向に膨出する円弧状に形成された内レール25,26とから構成されている。内レールは、遊技盤20の右上部から下部に亘って配設され、左端縁が右方に凹む円弧状に形成された盤面飾り部材25と、遊技盤20の下部から左上部に亘って配設されて盤面飾り部材25の下端部に連接し、外レール24の右方に離間して位置するレール部材26とから構成され、該外レール24およびレール部材26により1個のパチンコ球Pが通過可能な発射通路23が画成されている。ここで、内レールを構成するレール部材26は、遊技盤20の左上部に開放端を臨ませるよう構成されて、打球発射装置で発射されたパチンコ球Pが発射通路23の下方開口から上昇して、レール部材26の開放端側から遊技領域20a内に打ち出されるようになっている。
【0018】
図2に示すように、外レール24と盤面飾り部材25との接続位置は、該外レール24および盤面飾り部材25の曲率の相違から段差が形成されており、該段差部分にゴム等の弾力性を有する緩衝部材(図示せず)が配設されている。すなわち、外レール24の終端位置に臨むように緩衝部材が配設されて、打球発射装置から発射されて外レール24に沿って該外レール24の終端位置まで移動したパチンコ球を緩衝部材で減勢するようになっている。なお、緩衝部材は、第2球流下経路22に位置している。
【0019】
図7に示すように、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口27a,27bが遊技領域20a内に複数開設されて、各装着口27a,27bに対して各種部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Pを排出するアウト口30が開設されている。また、遊技盤20には、遊技領域20a内に多数の遊技釘28が植設されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘28に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させるようになっている。なお、装着口27a,27bの形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
【0020】
図7に示すように、実施例の前記遊技盤20には、案内レール23で囲まれた遊技領域20aの略中央の大部分が開口する第1装着口27aに、前後に開口する窓口34aが形成された枠状装飾体34が取り付けられ、該枠状装飾体34の表示窓口34aを介して図柄表示装置19の表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、遊技盤20には、第1装着口27a(枠状装飾体34)の下から左側部に亘って下側に凸になる略円弧状に形成された第2装着口27bが開設されている。第2装着口27bにおける遊技盤20の左右方向中央部に対応する部位には、遊技領域20a(第1球流下経路21)を流下するパチンコ球Pが入賞可能な第1始動入賞口37を有する第1始動入賞装置36が取り付けられている。また、第2装着口27bには、第1始動入賞装置36の右側方に、遊技領域20a(第2球流下経路22)を流下するパチンコ球Pが入賞可能な第2始動入賞口(第1の入賞口)39(図10参照)を有する第2始動入賞装置(第1の入賞装置)38が取り付けられている。更に、第2装着口27bには、第2始動入賞装置38の右上側に、遊技領域20a(第2球流下経路22)を流下するパチンコ球Pが入賞可能な特別入賞口(第2の入賞口)41を有する特別入賞装置(第2の入賞装置)40が取り付けられている。更にまた、第2装着口27bには、第1始動入賞装置36の左側方に、遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが入賞可能な普通入賞口43を有する普通入賞装置42が取り付けられている。なお、実施例では、特別入賞口41の右上側にも普通入賞口43が設けられている(図18参照)。
【0021】
(設置部材)
図5に示すように、前記設置部材32は、前記遊技盤20の外郭形状と略整合する大きさおよび形状に形成された略矩形状の背面板32aと、該背面板32aの外周縁部から前方に突出する画壁部32bとから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部32bの開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材32とがネジにより固定される。そして、設置部材32において遊技盤20との間に画成される空間に、可動演出装置や各種装飾部材や入賞球通路ユニット50(図8参照)等が設置されて、設置部材32をベースとする1つのユニットとして扱い得るようになっている。また、設置部材32の背面板32aには、枠状装飾体34の表示窓口34aを前後に整列する位置に、略矩形状の開口部(図示せず)が前後に開口するよう開設されると共に、該背面板32aの裏側に図柄表示装置19が着脱自在に取り付けられて、該開口部を介して図柄表示装置19の表示面が遊技盤20の前側に臨むようになっている。
【0022】
図8および図9に示すように、前記設置部材32には、第1始動入賞装置36、第2始動入賞装置38、特別入賞装置40および普通入賞装置42の後方位置に、各入賞装置36,38,40,40に入賞したパチンコ球Pを遊技盤20の下方から排出するように案内する入賞球通路46,47,48,49が形成されている。そして、各入賞球通路46,47,48,49を通過したパチンコ球Pを、中枠12に設けられた球回収部(図示せず)を介してパチンコ機10の外部(遊技店側の球循環設備)へ回収するようになっている。なお、第1始動入賞装置36に入賞したパチンコ球Pを案内する入賞球排出通路を第1始動入賞球通路46といい、第2始動入賞装置38に入賞したパチンコ球Pを案内する入賞球排出通路を第2始動入賞球通路(入賞通過路)47といい、特別入賞装置40に入賞したパチンコ球Pを案内する入賞球排出通路を特別入賞球通路48といい、普通入賞装置42に入賞したパチンコ球Pを案内する入賞球排出通路を普通入賞球通路49という。ここで、入賞球通路46,47,48,49は、設置部材32に設置された入賞球通路ユニット50に形成されている。
【0023】
図9に示すように、前記第1始動入賞球通路46には、パチンコ機裏側に配設された制御装置(図示せず)に電気的に接続された球検出手段としての第1始動入賞センサS1が配設されて、第1始動入賞口37に入賞して第1始動入賞球通路46を通過するパチンコ球Pを第1始動入賞センサS1で検出するよう構成されている。そして、第1始動入賞センサS1によるパチンコ球Pの検出(すなわち第1始動入賞口37への入賞)に伴って、前記大当りを発生するか否か(特別入賞口41を開放するか否か)を決定する大当り抽選が前記制御装置で行われるよう設定され、該大当り抽選の結果に基づいて図柄表示装置19において図柄変動演出が行われるようになっている。また、第2始動入賞口39に入賞したパチンコ球Pは、第2始動入賞球通路47に配設された第2始動入賞センサS2で検出するよう構成されており、第2始動入賞センサS2によるパチンコ球Pの検出(すなわち第2始動入賞口39への入賞)に伴って、同様に大当り抽選が前記制御装置において行われて図柄表示装置19での図柄変動演出が行われるよう設定されている。
【0024】
(枠状装飾体)
図2に示すように、前記遊技盤20に配設される枠状装飾体34は、遊技盤20に開設された第1装着口27aに沿って延在する環状に形成された薄板状の固定板部34bと、該固定板部34bの開口内周に沿って設けられて、遊技盤20より前方へ突出する庇状部34cとを備え、遊技盤20に固定板部34bが前側からネジ止めされている。ここで、庇状部34cは、枠状装飾体34(固定板部34b)の左側縁の中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するよう設けられており、図柄表示装置19の前面側を横切ってパチンコ球Pが流下(落下)するのを規制している。庇状部34cは、最上部位置から左右方向に下方傾斜するよう形成されて、遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球Pが庇状部34c上で滞ることなく枠状装飾体34の左側方または右側方へ誘導されるよう形成されている。以下の説明では、庇状部34cについて、枠状装飾体34の最上部から左側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を左傾斜庇部分と指称し、該枠状装飾体34の最上部から右側縁に沿って下方傾斜するよう延在する部分を右傾斜庇部分と指称して便宜上区別することもある。
【0025】
図2に示すように、前記遊技盤20に画成された遊技領域20aには、枠状装飾体34の左側方をパチンコ球Pが流下する第1球流下経路21、および該枠状装飾体34の右側方をパチンコ球Pが流下する第2球流下経路22が設けられており、庇状部34c上の左傾斜庇部分に到来したパチンコ球Pが第1球流下経路21を流下し、該庇状部34c上の右傾斜庇部分に到来したパチンコ球Pが第2球流下経路22を流下するようになっている。換言すると、打球発射装置により遊技領域20a内に発射されたパチンコ球Pは、到達位置に応じて枠状装飾体34およびレール部材26(内レール25,26)の間に形成される第1球流下経路21か、あるいは枠状装飾体34および盤面飾り部材25(内レール25,26)の間に形成される第2球流下経路22の何れかを流下する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第1球流下経路21をパチンコ球Pが流下する場合(左打ちした場合)に、パチンコ球Pが第2球流下経路22を流下する場合に比べて第1始動入賞装置36の第1始動入賞口37にパチンコ球Pが入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路22をパチンコ球Pが流下する場合(右打ちの場合)に、パチンコ球Pが第1球流下経路21を流下する場合に比べて特別入賞装置40の特別入賞口41や第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39へパチンコ球Pが入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
【0026】
前記第1始動入賞装置36に設けられた第1始動入賞口37または第2始動入賞装置38に設けられた第2始動入賞口39に遊技領域20aを流下するパチンコ球Pが入賞することで、図柄表示装置19の表示面において図柄が変動表示されて図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置19の表示面に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂大当りが発生し、大当りの発生に伴って特別入賞装置40の特別入賞口41が開放して多数の賞球を獲得し得る機会が与えられるようになっている。ここで、第1始動入賞装置36は、第1始動入賞口37が遊技領域20aに常時開放する常時開放型の入賞装置とされ、第2始動入賞装置38は、所定の開放条件および閉鎖条件(何れも後述)に従って第2始動入賞口39が後述する開閉部材(第1の開閉部材)88により開閉される開閉型の入賞装置とされている。そして、特別入賞装置40は、開閉扉(開閉部材)により特別入賞口41を常には閉鎖するよう構成され、大当りの発生などの所定の開放条件の成立に伴って特別入賞口41を開放するよう構成されている。
【0027】
実施例のパチンコ機10では、遊技が行われる遊技状態として3つの状態が設定されている。すなわち、パチンコ機10において通常行われる通常状態と、該通常状態に比べて大当りの発生確率が高く、かつ第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39への入賞確率が高く設定された確率変動状態と、通常状態に比べて大当りの発生確率が同等で、かつ第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39への入賞確率が高く設定された時間短縮状態が設定されている。そして、第1始動入賞口37または第2始動入賞口39へパチンコ球Pが入賞した際に、遊技状態を変更するか否かが前記制御装置で決定される。
【0028】
図2に示すように、特別入賞装置40の上方には、遊技領域20a(第2球流下経路22)を流下するパチンコ球Pが通過可能な球通過ゲート44が設けられると共に、パチンコ球Pを検出する球検出手段としてのゲートセンサSGが球通過ゲート44に配設されている。球通過ゲート44のゲートセンサSGは、前記制御装置に電気的に接続されており、該ゲートセンサSGによるパチンコ球Pの検出に伴って第2始動入賞装置38における第2始動入賞口39を開放するか否かの始動口開放抽選が行われ、該始動口開放抽選の結果が当選の場合に、第2始動入賞口39を開放するよう第2始動入賞装置38の開閉部材88が駆動制御されるようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、ゲートセンサSGがパチンコ球Pを検出すること第2始動入賞装置38の開閉部材88の開放判定(始動口開放抽選)の契機となり、始動口開放抽選の結果が当選となることが、第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39を開放する開放条件とされている。
【0029】
前記第2始動入賞口39を開放してから所定の閉鎖条件が成立することで、該第2始動入賞口39が閉鎖されるようになっている。ここで、第2始動入賞口39を閉鎖する閉鎖条件としては、例えば開閉部材88が開放状態に移行してからの経過時間(第2始動入賞口39の開放時間)や、第2始動入賞装置38に設けられた第2始動入賞センサによる設定数のパチンコ球Pの検出等が挙げられるが、これに限られるものではない。
【0030】
(特定条件について)
実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39を開放する開放条件および該第2始動入賞口39を閉鎖する閉鎖条件は、遊技状態に応じて設定されている。すなわち、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に比べて、第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39が開放され易くなるよう前記開放条件や閉鎖条件が設定されて、第2始動入賞口39への入賞確率を高くするよう構成されている。具体的には、実施例では、遊技状態が前記確率変動状態および時間短縮状態の場合には、遊技状態が通常状態の場合に比べて、前記始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が短くなるよう設定されると共に、第2始動入賞口39の1回の開放毎の開放時間を長く設定することで、確率変動状態および時間短縮状態における第2始動入賞口39への入賞確率を高くしている。例えば、遊技状態が通常状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略30秒で、かつ第2始動入賞口39の開放時間が0.1秒/1回に設定されるのに対し、遊技状態が確率変動状態および時間短縮状態の場合には、始動口開放抽選の結果が確定するまでの時間が略2秒で、かつ第2始動入賞口39の開放時間が2秒/1回に設定されている。
【0031】
前記特別入賞装置40および第2始動入賞装置38の夫々を、遊技盤20の右側部に配置したことで、パチンコ球Pが第1球流下経路21を流下する場合に比べて、第2球流下経路22を流下する場合の方が、各入賞装置38,40に入賞し易くなっている。従って、実施例のパチンコ機10は、特定の条件が成立した場合(大当り状態、遊技状態が確率変動遊技状態または時間短縮遊技状態となった場合)に、パチンコ球Pを第2球流下経路22へ打ち出す「右打ち(ゴム打ち)」を実施し、特定条件が不成立の場合には、パチンコ球Pを第1球流下経路21へ打ち出す「左打ち」を実施することで、所定の遊技が行われるよう構成されている。このように、遊技者が遊技状態(特定条件の成立・不成立)に応じて前記操作ハンドル16を操作してパチンコ球Pの打ち出し位置を変更するよう構成することで、遊技者に能動的な遊技参加を促し、遊技の興趣を高めるようになっている。すなわち、実施例において特定条件の成立とは、パチンコ球Pを第2球流下経路22へ打ち出す「右打ち(ゴム打ち)」を実施するのに適した条件の成立をいうものである。
【0032】
前記入賞装置36,38,40,42の入賞口37,39,41,43に入賞したパチンコ球Pを検出する球検出手段としてのセンサS1,S2,ST,SF,SGは、略矩形状の板状本体と、この板状本体の長手方向一側部に偏倚した位置に板厚方向に貫通形成された検出開口S1a,S2a,STa,SFa,SGaとを有し、検出開口S1a,S2a,STa,SFa,SGaを通過するパチンコ球Pを検出し得るよう構成されている。
【0033】
(第2始動入賞装置)
図2に示すように、第2始動入賞装置38は、遊技盤20の下側左右方向中央部に配設された第1始動入賞装置36の右側に配設され、第2始動入賞装置38の第2始動入賞口39は、表示窓口34aの下側において遊技盤20の左右方向中央部で上方に開口する第1始動入賞口37の右下側に、前後方向に開口するように設けられている。図10図15に示すように、第2始動入賞装置38は、遊技盤20の前面に取り付けられる平板状の始動取着部(取着部)51と、該始動取着部51に形成されて前後に開口し、パチンコ球Pが入賞可能な第2始動入賞口(入賞口)39と、当該始動取着部51の後側に配設され、第2始動入賞口39に入賞したパチンコ球Pが移動する収容空間70aが内部画成された始動装置本体(本体部)70と、該始動装置本体70に配設され、遊技領域20aを流下するパチンコ球Pを第2始動入賞口39へ案内する開放状態(入賞許容位置)および第2始動入賞口39へパチンコ球Pが入賞不能な閉成状態(入賞規制位置)に変位可能な開閉部材88と、当該始動装置本体70に配設された始動ソレノイド(駆動手段)108と、開閉部材88と始動ソレノイド108とを接続する第2始動作動手段(作動手段)95とを基本的に備えている。ここで、第2始動入賞装置38は、前述した開放条件の成立に伴って開閉部材88が入賞許容位置に移動し、前述した閉鎖条件の成立に伴って開閉部材88が入賞規制位置に移動するよう始動ソレノイド108が駆動制御される。すなわち、始動ソレノイド108の駆動に伴って作動された始動作動手段95が開閉部材88を入賞許容位置および入賞規制位置に移動させることで、第2球流下経路22を流下するパチンコ球Pの第2始動入賞口39への入賞を制限するよう構成されている。
【0034】
(始動取着部)
前記第2始動入賞装置38は、第2装着口37bに始動装置本体70を前側から挿入すると共に、始動取着部51における第2装着口37bの開口外側に延在する部分を遊技盤20の前面に当接させて当該部分をネジ止めすることで、始動装置本体70が遊技盤20の後方へ突出した状態で取り付けられる(図7参照)。図14および図15に示すように、始動取着部51には、第2始動入賞口39の下方位置に、開閉部材挿通口53が前後に開口するよう形成されて、始動ソレノイド108の駆動に伴って入賞規制位置から入賞許容位置に移動した開閉部材88が、該開閉部材挿通口53を介して始動取着部51の前方へ突出するよう構成されている(図13(b)参照)。すなわち、入賞許容位置に移動した開閉部材88は、第2球流下経路22を流下するパチンコ球Pを受け止め得るようになっている(図4参照)。また、第2始動入賞口39と開閉部材挿通口53とは、上下に連通するよう形成されており、開閉部材88上に受け止められたパチンコ球Pが、第2始動入賞口39へ誘導されるよう構成されている。なお、開閉部材挿通口53は、第2始動入賞口39の左右開口幅より幅広に設定されており、開閉部材88に形成されたガイド突部91,91(図14,図15参照)が始動取着部51に干渉するのを防止している。
【0035】
図14および図15に示すように、前記始動取着部51には、開閉部材挿通口53の下側に、前後に貫通する光透過口54が形成されると共に、この光透過口54に嵌め合わせて、光を透過可能なカバー部材55が取り付けられている。実施例の始動取着部51は、光透過口54が開閉部材挿通口53の下側から右側の領域に亘って左右方向に幅広に形成されている(図17参照)。カバー部材55は、後方に開放する略トレイ形状に形成され、この光透過口54に合わせて形成された該カバー部材55の前板部分に、光拡散処理(実施例ではシボ加工)が施されて、始動装置本体70に配設された後述する始動発光手段(発光手段)67からの光の照射により発光可能な発光飾り部(飾り部)56として構成されている(図13参照)。始動取着部51では、該始動取着部51の前面と発光飾り部56の平坦な前面との前後位置が揃い、始動取着部51および発光飾り部56が遊技領域20aに臨む盤面の一部を構成している。なお、カバー部材55における発光飾り部56の外周縁から後方へ突出する周壁部57は、透明であり、始動発光手段67から照射された光が透過するようになっている。また、始動取着部51における光透過口54(発光飾り部56)の裏面側には、入賞球通路ユニット50の前側に配設された第2ユニット発光手段158が配置されており(図3および図4参照)、第2ユニット発光手段158から照射される光によっても発光飾り部56を照明可能な構成としている。
【0036】
(ガイド手段)
図12図13および図17に示すように、前記始動取着部51の前面には、第2球流下経路22を流下するパチンコ球Pを第2始動入賞口39へ誘導するガイド手段60が設けられている。ガイド手段60は、第2始動入賞口39を挟む左右両側に設けられて始動取着部51の前面から前方へ突出する一対のガイド部61,62から構成される。各ガイド部61,62は、その上面に、対向する他方のガイド部61,62に向けて下方傾斜する傾斜面63が形成されると共に、第2始動入賞口39を挟んで他方のガイド部61,62に対向する側面が上下方向に延在するガイド面64となっている。一対のガイド部61,62におけるガイド面64,64間には、パチンコ球Pが上下方向に通過可能な球流下路60aが画成されており、実施例の球流下路60aは、パチンコ球1個ずつの通過を許容する左右幅で形成されている。すなわち、入賞許容位置に移動した際に球流下路60aに重なるように開閉部材88が臨んで、該球流下路60aを通過するパチンコ球Pを第2始動入賞口39へ案内すると共に(図4,図12(b)および図13(b))、入賞規制位置に移動した際に球流下路60aから開閉部材88が退避すると共に第2始動入賞口39を閉成して入賞を阻止するよう構成されている(図3,図12(a)および図13(a))。第2始動入賞口39の左側に位置する左ガイド部61(すなわち第2球流下経路22の下流側に位置するガイド部)は、該第2始動入賞口39の右側に位置する右ガイド部62よりも上方へ突出するよう構成されている。これにより、第2球流下経路22を流下するパチンコ球Pが左ガイド部61のガイド面64に接触し易くなり、球流下路60aへパチンコ球Pが誘導されるようになっている。
【0037】
図17に示すように、前記ガイド部61,62の下部は、第2始動入賞口39より左右幅が広い開閉部材挿通口53に合わせて、ガイド面64より他方のガイド部61,62から離れる側方(外側方)へ凹むように段状に形成されている。左右のガイド部61,62の下部に形成された段部の間は、左右のガイド面61,62の間隔よりも広く、球流下路60aの下側が左右に広くなっている。
【0038】
(飾りカバー部)
図12に示すように、左右のガイド部61,62の前端には、板状の飾りカバー部65が始動取着部51と略平行となる姿勢で取り付けられている。飾りカバー部65は、始動取着部51の前面からパチンコ球Pを通過可能な間隔をあけて配設されており、実施例では始動取着部51との間にパチンコ球1個ずつの通過を許容する間隔をあけて配設された飾りカバー部65により前記球流下路60aの前側が区画されている。また、飾りカバー部65は、第2始動入賞口39および発光飾り部56の前側を覆うと共に、左右のガイド部61,62の傾斜面63よりも上方へ延出するように配設されている(図10および図13参照)。ここで、飾りカバー部65は、第2始動入賞口39の前側および発光飾り部56における始動発光手段67で照明される発光領域の前側を少なくとも覆うように形成されると共に、少なくとも該発光領域の前側部分が光を透過可能に形成されて、始動発光手段67からの光の照射により該発光領域の前側部分が照明可能に構成されている。実施例の飾りカバー部65は、透明な板材に不透明な装飾線により所要デザインの装飾が施されており、発光飾り部56の前側に重なる部分(光拡散部分)65aに光拡散処理が施されて後側が視認困難に形成される一方、第2始動入賞口39の前側に重なる部分(透明部分)65bが透明のままで形成されて当該透明部分65bを介して前側から第2始動入賞口39を視認可能になっている。
【0039】
図12および図13に示すように、前記飾りカバー部65の後面(第2始動入賞口39に対向する面)には、第2始動入賞口39の前方位置に、後方へ突出する誘導突起66が形成されており、球流下路60aを通過するパチンコ球Pが誘導突起66に接触して第2始動入賞口39側に弾かれることで、パチンコ球Pの第2始動入賞口39への入賞を補助している。誘導突起66は、第2始動入賞口39の左右方向中央部に対応する位置で、その突出端部が第2始動入賞口39の上下方向中央部に対応するように配置されている。また、誘導突起66は、その上面に、後方へ向かうにつれて下方傾斜する傾斜面を有している。
【0040】
(始動装置本体)
図14および図15に示すように、前記第2始動入賞装置38の始動装置本体70は、前後に開口する前側ケース体71と、該前側ケース体71の後方に設けられ、前後および下方に開口する後側ケース体76とから構成されている。前側ケース体71および後側ケース体76は、何れも透明な樹脂成形品であり、実施例の始動装置本体70は、全体して光を透過可能に構成されている。そして、両ケース体71,76を組み付けることで前記収容空間70aが内部画成されて、開閉部材88および始動作動手段95が収容空間70a内に収容される。前側ケース体71は、始動取着部51に形成した第2始動入賞口39の開口形状に整合する開口形状で前後に開口し、該第2始動入賞口39に入賞したパチンコ球Pが通過する本体球通路72と、該本体球通路72の下部に形成されて始動取着部91に形成した開閉部材挿通口53の開口形状に整合する開口形状で前後に開口して、開閉部材88を前後移動可能に案内するガイド溝部73とを備えている。ここで、本体球通路72とガイド溝部73は相互に連通するよう形成されている。すなわち、前側ケース体71は、第2始動入賞口39および開閉部材挿通口53の開口形状に整合する開口形状で前後に開口する筒状に形成されている。また、図14に示すように、前側ケース体71の内底面71aには、後方へ下方傾斜する案内片71bが上方へ突出するよう形成されており、該案内片71bの傾斜に沿ってパチンコ球Pを後方へ案内するようになっている。すなわち、実施例では、前側ケース体71の内底面71aおよび案内片71bが、開閉部材88の球通過開口88aを介して流下したパチンコ球Pを受けると共に、開放状態から閉成状態へ向けて移動する開閉部材88に重なる領域でパチンコ球Pを位置させる本体球通路72の底部として機能する。
【0041】
図14および図15に示すように、前記後側ケース体76は、前面全体が開口する箱状に形成されると共に、後面板77の上部位置に前後に開口する後側開口部77aが開設されている。そして、後側開口部77aを介して収容空間70a内にプランジャ108aを臨ませた姿勢で、始動ソレノイド108が後側ケース体76の後面板77に取り付けられている。また、後側ケース体76の下面板には、パチンコ球Pが通過可能な球導出口79を画成する前方に開放した切欠が形成されており、前側ケース体71と後側ケース体76とを組み付けた際に、前記切欠の前側に前側ケース体71の下面板が延在し、始動装置本体70の下面に、後側ケース体76の切欠と前側ケース体71の後縁により本体球通路72に連通する球導出口79が画成される。第2始動入賞装置38は、第2始動入賞口39を通過して始動装置本体70の球通路72に入ったパチンコ球Pが本体球通路72を通って球導出口79を介して始動装置本体70の外部(下方)に排出されるようになっている。球導出口79は、設置部材32に設けた第2始動入賞球通路47の球導入口47aに連通するよう構成されて、パチンコ球Pが球導出口79から第2始動入賞球通路47へ排出されるようになっている。また、始動装置本体70における球導出口79の上方には、第2始動入賞センサS2を保持可能なホルダ80が形成されている。実施例では、第2始動入賞球通路47に第2始動入賞センサS2が設置され、始動装置本体70から排出されて第2始動入賞球通路47を流下するパチンコ球Pを、第2始動入賞センサS2で検出する構成であるが、第2始動入賞球通路47から始動装置本体70のホルダ80に第2始動入賞センサS2を付け替えて始動装置本体70でパチンコ球Pを検出したり、始動装置本体70および第2始動入賞球通路47の両方に第2始動入賞センサS2を設置することが可能になっている。
【0042】
図13に示すように、前記後側ケース体76には、始動ソレノイド108の下方位置に、前方へ開口するガイド凹部82が形成されて、該ガイド凹部82に開閉部材88の後部が挿入されている。ここで、ガイド凹部82は、始動取着部51に形成された開閉部材挿通口53と前後に整列する位置に形成されている。すなわち、開閉部材88は、前側ケース体71に形成されたガイド溝部73および後側ケース体76に形成されたガイド凹部82により収容空間70a内を前後移動可能に保持されている。
【0043】
前記後側ケース体76には、始動作動手段95の後述する第2作動部材100を揺動可能に支持する長溝84(図14参照)と、該第2作動部材100の揺動を規制する規制ガイド部85(図15参照)とが形成されている。長溝84は、後側ケース体76の左右内側面83,83に、収容空間70aの内方および前方へ開口すると共に前後方向に延在するよう形成され、該長溝84に沿って第2作動部材100の揺動軸103が前後方向に移動可能に支持されている。なお、長溝84の前方開口は、前側ケース体71に形成された遮蔽片74,74が嵌合して塞がれている。ここで、第2作動部材100の揺動軸103は、始動ソレノイド108を駆動停止した状態(プランジャ108aが突出した状態)で長溝84の前端部側(以下、規制位置という)に保持され、始動ソレノイド108を駆動した状態(プランジャ108aが引かれた状態)で長溝84の後端部側(以下、許容位置という)に保持されるようになっている。
【0044】
前記規制ガイド部85は、後側ケース体76の左右内側面に形成されて長溝84の上方に位置し、該長溝84と平行に前後方向に延在する規制溝部85a(図14参照)と、該内側面に形成されて規制溝部の後端部に連通する円弧状の案内孔85b(図15参照)とから構成されて、該規制ガイド部85に第2作動部材100に形成された係合突部106(後述)が挿入されている。ここで、長溝84の前端部側の規制位置に揺動軸103が位置する状態において、揺動軸103と係合突部106との離間距離を半径とする揺動軸103を中心とした円弧軌跡が規制溝部の上下の壁に交差するよう構成されている。すなわち、長溝84の規制位置に揺動軸103が位置する状態では、係合突部106に規制溝部85aが係合(接触)して、該揺動軸103を中心とした第2作動部材100の揺動が規制されるようになっている。また、規制溝部85aは、収容空間70aの内方および前方へ開口する一方で、始動装置本体70(後側ケース体76)の外方へ開口しないよう形成されており、該始動装置本体70(後側ケース体76)の外側から規制溝部85a内にある係合突部106への干渉を防止している。規制ガイド部85を構成する案内孔85bは、長溝84の後端部側の許容位置に揺動軸103が位置する状態において、揺動軸103と係合突部106との離間距離を半径とする揺動軸103を中心とした円弧軌跡に沿って延在している。すなわち、長溝84の許容位置に揺動軸103が位置する状態では、係合突部106と規制溝部85aとの係合(接触)が解除されて、該揺動軸103を中心とした第2作動部材100の揺動が許容されるようになっている。
【0045】
(開閉部材)
図16に示すように、前記開閉部材88は、前後方向に長尺な平板状に形成され、光を透過不能に構成されている。開閉部材88には、左右の側端部に、側方へ突出するガイド突部91,91が形成されている。開閉部材88は、始動装置本体70(前側ケース体71)に形成された左右のガイド溝部73,73に、対応するガイド突部91,91を摺動可能に挿入すると共に、該始動装置本体70(後側ケース体76)に形成されたガイド凹部82に該開閉部材88の後端部を摺動可能に挿入している。開閉部材88は、始動装置本体70のガイド溝部73およびガイド凹部82に摺動可能に支持され、収容空間70a内を前後移動し得るよう構成されている。なお、開閉部材88は、収容空間70aの下部に配置されている。
【0046】
図16に示すように、前記開閉部材88は、該入賞許容位置において第2始動入賞口39(開閉部材挿通口53)から前方に突出する前端部に設けられた球受部89と、この球受部89の上面に突出するよう形成され、後方へ向かうにつれて下方傾斜する球誘導片(誘導部)90とを備えている。球受部89は、第2始動入賞口39の左右開口幅より幅広に形成されると共に、左右のガイド部61,62のガイド面64,64間の幅よりも幅広に形成され、本体球通路72の底部を画成する前側ケース体71の内底面71aに沿って前後方向に移動するようになっている。球誘導片90は、球受部89、第2始動入賞口39の左右の開口幅および左右のガイド面64,64間の幅よりも左右幅が狭く形成されている。開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、球受部89が開閉部材挿通口53の内側に位置すると共に、球受部89から上方へ突出する球誘導片90の少なくとも一部が第2始動入賞口39の内側に重なるように配置されている(図3および図13(a)参照)。そして、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、球誘導片90の上縁と第2始動入賞口39の開口上縁との隙間、球誘導片90の側縁と第2始動入賞口の開口側縁との隙間が、パチンコ球Pの直径より小さくなるように設定されており、球誘導片90により第2始動入賞口39へのパチンコ球Pの通入が阻まれるようになっている。
【0047】
図4および図13(b)に示すように、開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、球受部89が開閉部材挿通口53を介して遊技盤20(始動取着部91)の前面に突出して球流下路60aの下側に臨むと共に、球誘導片90が開閉部材挿通口53および第2始動入賞口39を介して遊技盤20(始動取着部91)の前面に突出して球流下路60aの内側に位置するようになっている。開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、左右のガイド面64,64間より幅広に形成された球受部89が、球流下路60aの下側に左右方向に亘って延在すると共に左右のガイド面64,64の下側に配置される。また、開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、左右のガイド面64,64間に位置する球誘導片90の上縁が、誘導突起66の下側に位置し、誘導突起66の上面の傾斜面から球誘導片90にかけて、後方へ向けて下方傾斜するように連なったパチンコ球Pの誘導面が構成される。このように、第2始動入賞装置38は、開閉部材88が入賞許容位置に移動した状態では、第2球流下経路22(球流下路60a)を流下するパチンコ球Pが球誘導片90で受け止められて、該球誘導片90の傾斜により後方(すなわち第2始動入賞口39側)へ案内するようになっている。
【0048】
図13および図16に示すように、前記開閉部材88には、球誘導片90(球受部89)の後方位置に、パチンコ球Pが通過可能な球通過開口88aが上下方向に開口するよう開設されている。ここで、開閉部材88は、前端部の球受部89と後端部の板状部とを左右に対向する壁片で繋いだ形状になっている。開閉部材88は、入賞許容位置および入賞規制位置の両方に亘って、本体球通路72が該本体球通路72の後部に設けられた球導出口79に連通するように形成され、入賞許容位置および入賞規制位置の何れの状態にあっても、本体球通路72に入ったパチンコ球Pを球通過開口88aを介して球導出口79から排出可能になっている(図13参照)。球通過開口88aは、開閉部材88が入賞許容位置にある状態で、始動装置本体70(前側ケース体71)の内底面71aに形成された案内片71bおよび球導出口79の上方で同時に開口するよう構成されている(図4および図13(b)参照)。すなわち、球誘導片90の傾斜により第2始動入賞口39を通過して本体球通路72に入ったパチンコ球Pは、開閉部材88の球通過開口88aから案内片71b上に落下し、該案内片71bの傾斜に沿って後方に案内されて最終的に球導出口79から排出されるようになっている。また、本体球通路72の案内片71b(内底面71a)は、入賞許容位置にある開閉部材88の球通過開口88aを介して流下したパチンコ球Pを受けると共に、入賞許容位置から入賞規制位置へ向けて移動する開閉部材88の球受部89の移動経路に重なる領域でパチンコ球Pを位置させるよう構成されている。そして、開閉部材88は、入賞許容位置から入賞規制位置へ向けた後方移動に伴って、案内片71b(内底面71a)を転動するパチンコ球Pを、案内片71b(内底面71a)の後側に設けられた球導出口79へ向けて押すようになっている。
【0049】
図4および図13(b)に示すように、前記開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、球通過開口88aの前縁が第2始動入賞口39に位置すると共に、球通過開口88aの後縁が球導出口79の後縁上方に位置するよう設定され、球通過開口88aが案内片71b(内底面71a)における第2始動入賞口39から球導出口79までに亘る略全体に重なっている。すなわち、本体球通路72の内底面を画成する前側ケース体71の透明な下板と本体球通路72の上面を画成する前側ケース体71の透明な上板とが、開閉部材88の球通過開口88aを介して対向し、本体球通路72(前側ケース体71)を上下に光が透過可能になっている。図3および図13(a)に示すように、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、球受部89が案内片71b(内底面71a)に対して第2始動入賞口39から球導出口79の前縁までの前側領域上方に重なる一方、第2始動入賞口39から球導出口79の前縁までの後側領域上方に球通過開口88aが重なっている。すなわち、開閉部材88が入賞規制位置にある状態において、本体球通路72(前側ケース体71)における球受部89が重なる前側領域は、光を透過しない球受部89により上下の光の透過が規制されている。
【0050】
図14および図15に示すように、前記開閉部材88における左右の側端部には、ガイド突部91,91の後方位置に、側方へ突出する突片92,92が前後方向に離間して設けられており、前後一対の突片92,92の間に、上下および側方に開放した作動溝93が開閉部材88における左右の側端部に形成されている。第2作動部材100に形成された作動軸104が、各作動溝93に挿入されて、第2作動部材100と開閉部材88とを連繋接続し、作動手段94の作動(第2作動部材100の揺動)に伴って開閉部材88が入賞規制位置および入賞許容位置の間で前後移動するよう構成されている。なお、開閉部材88が入賞許容位置に移動した際に、前側に位置する突片92,92が前側ケース体71のガイド溝部73に当接し、該開閉部材88が入賞規制位置に移動した際に、後側に位置する突片92,92が後側ケース体76の後面板77に当接するよう構成されており、一対の突片92,92が開閉部材88を入賞許容位置および入賞規制位置で位置決めする位置決め手段として機能するようになっている。
【0051】
(始動作動手段)
図16に示すように、前記始動作動手段135は、始動ソレノイド108のプランジャ108aに接続される第1作動部材96と、該第1作動部材96に接続すると共に開閉部材88に接続する第2作動部材100とから構成されている。第1作動部材96には、プランジャ108aが係合する係合溝97aが基部97に形成されて、始動ソレノイド108の通電・非通電の切り替えに伴ってプランジャ108aと一体的に第1作動部材96が前後移動するよう構成されている。また、第1作動部材96には、基部97の前面側に左右方向に開口する連繋孔98aが上下方向に延在するよう形成された連繋部98が形成されて、該連繋部98の連繋孔98aに第2作動部材100の連繋軸101が上下方向に摺動可能に挿通されている。なお、実施例の連繋部98は、連繋孔98aが上方開口するU字状に形成されて、該連繋孔98aの上方開口を介して連繋軸101が挿入されている。
【0052】
(第2作動部材)
図16に示すように、前記第2作動部材100は、第1作動部材96に連繋接続される連繋軸101と、該連繋軸101の左右両端部に設けられて開閉部材88に連繋接続されると共に始動装置本体70に揺動可能に支持された揺動アーム102,102と、始動装置本体70に形成された規制ガイド部85(規制溝部85a)に係脱可能に係合する係合突部106とを備えている。そして、始動ソレノイド108の非駆動時に、第2作動部材100の係合突部106が規制ガイド部85に係合して該第2作動部材100の揺動動作を規制し、始動ソレノイド108の駆動時に、第2作動部材100の揺動動作を許容するよう係合突部106および規制ガイド部85の係合状態が解除されるよう構成されて、始動ソレノイド108の駆動以外の手段によって開閉部材88が入賞許容位置および入賞規制位置に移動するのを防止している。連繋軸101は、第1作動部材96の連繋部98に形成された連繋孔98aに挿入されて、該第1作動部材96と一体的に連繋軸101が前後移動されることで揺動アーム102(第2作動部材100)を揺動するよう構成されている。また、連繋軸101には、連繋孔138aに挿入した状態で連繋部98の左右側端部に当接する環状突部が左右に離間して形成されており、両環状突部が連繋部98に当接することで、連繋部98と連繋軸101とが位置決めされるようになっている。
【0053】
図16に示すように、前記揺動アーム102は、連繋軸101の両端部から下方へ延出するよう形成されると共に、該揺動アーム102における連繋軸101に近接する端部側に、始動装置本体70に形成された長溝84に支持される揺動軸103が外方へ突出するよう形成されている。すなわち、第2作動部材100は、長溝84に支持された揺動軸103を中心として始動装置本体70に対して揺動可能に支持されている。また、各揺動アーム102における連繋軸101から離間する端部側(下端部側)には、開閉部材88に連繋接続する作動軸104が形成されている。すなわち、第2作動部材100を始動装置本体70に揺動可能に支持する揺動軸103は、該第2作動部材100における開閉部材88に連繋する作動軸104から離間した位置に設けられている。なお、各揺動アーム102に形成された作動軸104の夫々は、対向する揺動アーム102側に突出しており、開閉部材88の作動溝93に外側から挿入されている。
【0054】
前記始動ソレノイド108を駆動していない状態(開閉部材88が入賞規制位置にある状態)では、始動装置本体70の長溝84の前端部よりも前方に連繋軸101が位置するよう構成されて、揺動アーム102が揺動軸103を中心に後方へ向けて下方傾斜して作動軸104が揺動軸103よりも後側に位置するようになっている。そして、始動ソレノイド108を駆動した状態(開閉部材88が入賞許容位置にある状態)では、始動装置本体70の長溝84の後端部よりも後方に連繋軸101が位置するよう構成されて、揺動アーム102が揺動軸103を中心に前方へ向けて下方傾斜して作動軸104が揺動軸103よりも前側に位置するよう構成されている。すなわち、始動ソレノイド108の駆動を切り替えて連繋軸101を前後移動することで、開閉部材88が入賞規制位置および入賞許容位置に前後移動される。そして、始動ソレノイド108を駆動していない状態では、長溝84の前端部よりも前方に前記連繋軸101が位置することにより、揺動軸103が長溝84の規制位置に保持される。図16に示すように、前記揺動アーム102の夫々には、連繋軸101の左右両端部から揺動アーム102に交差(実施例では直交)する後方へ延在する突出片105が形成されている。そして、各突出片105の突出端部に、係合突部106が外方へ突出するよう形成されて、該係合突部106が始動装置本体70に形成された規制ガイド部85(規制溝部85aおよび案内孔85b)に挿入されている。すなわち、係合突部106は、第2作動部材100において揺動軸103を挟んで開閉部材88の連繋部98とは反対側に設けられている。
【0055】
前記揺動軸103が規制位置にある状態では、規制ガイド部85の規制溝部85a内に係合突部106が位置している。すなわち、始動ソレノイド108を駆動していない状態では、第2作動部材100を揺動しようとしても、係合突部106が規制溝部85aに係合して移動規制され、該揺動軸103を中心とした第2作動部材100の揺動が阻止されて、開閉部材88が入賞規制位置に保持される。また、揺動軸103が規制位置にある状態では、該揺動軸103と係合突部106との結ぶ直線に対して連繋軸101の移動方向が交差するよう構成されており、始動ソレノイド108を駆動して連繋軸101が後方移動した際に、揺動軸103が長溝84に沿って後方移動されると共に、係合突部106が規制溝部85aに沿って後方移動される。そして、揺動軸103が規制溝部85aの後端部側の許容位置まで移動することで、係合突部106が案内孔87に臨んで、該揺動軸103を中心とした第2作動部材100の揺動が許容されて、更に連繋軸101が後方移動することで開閉部材88が入賞許容位置に移動されるようになっている。
【0056】
(始動発光手段)
図13に示すように、始動装置本体70には、本体球通路72に向けて光を照射し得る始動発光手段(発光手段)67が配設されている。始動発光手段67は、発光体としてのLED68が実装された基板69からなり、前側ケース体71における上板の上側に、LEDを下側へ向けた姿勢で基板69が取り付けられている。そして、始動発光手段67は、LED68から下方へ向けて光を照射し得るようになっている。前述したように、始動装置本体70は、前側ケース体71が透明に形成されて、前側ケース体71における上板の上側に配設された始動発光手段67の光照射方向前側(下側)の部分となる上板および下板が光を透過可能に構成されている。すなわち、始動発光手段67は、LED68から照射した光により本体球通路72における第2始動入賞口39を介して前側から視認可能な内側領域を照明し得ると共に、本体球通路72(前側ケース体71)を透過する光により始動取着部51における本体球通路72(前側ケース体71)の下側に延在する発光飾り部56を照明可能に構成されている。ここで、始動装置本体70の下側で発光飾り部56の後側には、光を反射し得る反射面を備えた反射部86が、始動発光手段67の光照射方向前側に配置され(図13参照)、反射部86は、始動発光手段67から下方へ照射された光を反射面で前方へ向けて反射するよう構成されている。そして、第2始動入賞装置38は、始動発光手段67により照明される発光飾り部56を透過した光によって、該発光飾り部56の前側に重なる飾りカバー部65も照明可能になっている。ここで、第2始動入賞装置38は、飾りカバー部65の透明部分65bを介して第2始動入賞口39を前側から視認可能になっており、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、第2始動入賞口39と球誘導片90との隙間から始動発光手段57からの光の照射による発光が視認でき、開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、第2始動入賞口39より始動発光手段57からの光の照射による発光が視認できるようになっている。
【0057】
図13に示すように、前記前側ケース体71の上板における左右方向中央部で第2始動入賞口39側に偏倚した位置に、始動発光手段67のLED68が配置されている。開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、光を透過しない球受部89が始動発光手段67のLED68の光照射方向前側に重なり、該始動発光手段67による本体球通路72の照明を許容する一方で発光飾り部56側への光の通過を規制するよう構成される(図3および図13(a)参照)。また、開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、球受部89が始動発光手段67のLED68の光照射方向前側から外れて該LED68の光照射方向前側に球通過開口88aが重なり、該始動発光手段67による本体球通路72の照明を許容すると共に発光飾り部56側への光の通過を許容するよう構成される(図4および図13(b)参照)。すなわち、始動発光手段67から光を照射した際に、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、本体球通路72が照明されるものの発光飾り部56が照明されず、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、本体球通路72および発光飾り部56が照明される。このように、第2始動入賞装置38は、開閉部材88の位置によって、照明可能な部分を切り替えることができる。
【0058】
(配線保持部)
図11に示すように、第2始動入賞装置38は、始動取着部51の後面から後方へ突出する支持片58により始動装置本体70の左横側に支持され、始動装置本体70に配設された電気部品である始動ソレノイド108に接続する配線および電気部品である始動発光手段67に接続する配線Hをまとめて保持する配線保持部59を備えている。配線保持部59は、上下に連通すると共に後方に開放した凹溝形状に形成され、後方開口を画成する左右の側壁後縁に該後方開口内側に向けて突出する配線保持片59aが互い違いに設けられている。
配線保持部59には、始動ソレノイド108の上部に接続した配線Hが上から下に挿通されると共に、始動装置本体70の上部に配設された始動発光手段67の基板69に接続した配線Hが上から下に挿通され、配線Hを上下方向に延在するように保持するようになっている。配線保持部59は、第2始動入賞装置38を遊技盤20に取り付けた際に、第2装着口27bに挿入されて遊技盤20の後側に配置される。そして、図5に示すように、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた際に、設置部材32に設置された入賞球通路ユニット50の第1ユニット発光手段156と第2ユニット発光手段158との間に設けられた収容段部154に収容される。このように、配線保持部59は、設置部材32に配設された設置部品である第1ユニット発光手段156と第2ユニット発光手段158との間に位置付けられ、該配線保持部59で保持した配線Hを遊技盤20の下側から取り出し得るようになっている。
【0059】
(特別入賞装置)
図2に示すように、前記特別入賞装置40は、遊技盤20の右下側に配設された第2始動入賞装置38の右上側に配設され、特別入賞装置40の特別入賞口41は、表示窓口34aの下側において遊技盤20の左右方向中央部より右側に偏倚した位置に開口する第2始動入賞口39の右上側に、前後方向に開口するように設けられている。図18図23に示すように、特別入賞装置40は、前方に開放してパチンコ球Pが通過可能な横長矩形状の特別入賞口41を備えた特別取着部(入賞装置取着部)110の後側に配設された特別装置本体(本体部)112と、該特別装置本体112に設けられ、特別入賞口41を開閉する開閉扉(第2の開閉部材)114と、特別装置本体112に設けられ、特別ソレノイド(駆動手段)116により作動されて開閉扉114を開閉動作させる連繋部材(作動手段)118とから基本的に構成されている。
【0060】
(特別取着部)
図22および図23に示すように、前記特別取着部110は、板状に形成されており、前後方向に貫通する特別入賞口41が設けられている。特別入賞口41は、左右方向に幅広に形成され、前後幅がパチンコ球1個ずつの通過を許容する寸法で設定されると共に、左右幅が複数個のパチンコ球Pを並べることでできる寸法で設定されている。そして、特別入賞装置40は、第2装着口27bに特別装置本体112を前側から挿入すると共に、特別取着部110における第2装着口27bの開口外側に延在する部分を遊技盤20の前面に当接させて当該部分をネジ止めすることで、特別装置本体112が遊技盤20の後方へ突出した状態で取り付けられる(図7参照)。
【0061】
(特別装置本体)
図22および図23に示すように、前記特別装置本体112は、特別ソレノイド116や特別入賞センサ(球検出手段)ST等が取付けられる下ケース120と、該下ケース120に対して上側から組付けられる上ケース122とから構成され、該上ケース122に設けた上下方向に開口する通孔を介して下ケース120の固定ボス121にネジ止めすることで、下ケース120および上ケース122が組み付けられる。特別装置本体112には、上ケース122および下ケース120を組み付けた際に、前方に開放する入賞空間124が画成され(図24参照)、入賞空間124の前方開口部を、特別取着部110の特別入賞口41に後側から整合させた状態で特別取着部110および特別装置本体112が組み付けられている(図20参照)。入賞空間124は、特別入賞口41に合わせて前方開口部の前後および左右幅が設定され、特別入賞口41から入賞したパチンコ球Pを複数受け入れ可能に構成されている。実施例の下ケース120および上ケース122は、透明な樹脂成形品であり、特別装置本体112は光を透過可能に構成されている。入賞空間124の奥側には、該入賞空間124の前方開口部に対向する部位に、該入賞空間124に入賞したパチンコ球Pの通過を許容する球通過口130が設けられている。なお、球通過口130は、パチンコ球1個ずつの通過を許容する開口寸法で前後方向に開口し、入賞空間124の右側に偏倚した位置に配置されている(図21および図24参照)。
【0062】
(下ケース)
図21および図22に示すように、前記下ケース120は、入賞空間124の底をなす底板125と、この底板125の左後側に設けられ、特別ソレノイド116が設置される部材設置部126と、底板125の後側に前方および下方に開口するトンネル状に形成され、入賞空間124の奥側に連通する通路画成部127と、入賞空間124と通路画成部127との間に設けられ、特別入賞センサSTを保持するセンサ保持部128とを備えている。下ケース120には、底板125を挟む左右側部と、部材設置部126および通路画成部127の間との夫々に、上方へ突出する固定ボス121が設けられている。
【0063】
図20図21および図25に示すように、前記底板125は、通路画成部127の前側に、入賞空間124における前方開口部の下縁をなす前端部から後方へ向かうにつれて下方傾斜するよう形成された傾斜底面部125aを有し、該傾斜底面部125aを挟む左右の底面部125b,125bが、左右方向外側から傾斜底面部125a側に向かうにつれて下方傾斜している。なお、傾斜底面部125aと左右の底面部125b,125bとの連設部は、前側から後側へ向かうにつれて段差が大きくなっている。傾斜底面部125aは、上ケース122に設けられた後述する縦壁129に、下ケース120および上ケース122を組み付けた際に前記通路画成部127の前方開口および特別入賞センサSTの検出開口STaに整合するように設けられる球通過口130の前側に延在し、前側から球通過口130へ向けて下方傾斜するように形成されている。なお、傾斜底面部125aは、球通過口130の左右幅と略同一の左右幅で形成されている。
【0064】
図21に示すように、前記通路画成部127は、入賞空間124の左右方向中央より右側に偏倚した部位に、前方開口が連通するように設けられている。通路画成部127は、左右の側壁片127a,127aと、一対の側壁片の間を塞ぐ案内壁片127bとから構成され、案内壁片127bが両側壁片127a,127aの上縁から後縁にかけて円弧状に延在している(図20参照)。通路画成部127は、パチンコ球1個ずつの通過を許容するよう形成されて、前方開口から受け入れたパチンコ球Pを、下方に向けて開口する球導出口から該球導出口に連通する特別入賞球通路48へ排出するようになっている。
【0065】
図20および図21に示すように、前記センサ保持部128は、底板125の後縁部と通路画成部127の前方開口との間に設けられ、底板125の上面よりも下方へ凹むように形成されている。センサ保持部128は、特別入賞センサSTの長手が左右方向に延在すると共に検出開口STaが前後方向に開口する姿勢で、検出開口STaを通路画成部127の前方開口および前記球通過口130に前後に重なるように保持している。センサ保持部128に配設された特別入賞センサSTは、その後面が、通路画成部127の前方開口を画成する両側壁片127a,127aおよび案内壁片127bの前縁に当接し、その前面下部が、底板125の後面に当接するようになっている。また、センサ保持部128に配設された特別入賞センサSTの前面上部は、下ケース120と上ケース122とを組み付けた際に、上ケース122の縦壁129の後面に当接するようになっている。すなわち、特別入賞センサSTは、通路画成部127と底板125および縦壁129との間に挟まれて前後の姿勢が規定されている。通路画成部127における側壁片127aの前縁は、下から上に向かうにつれて後傾するように形成されて、これに対応して、底板125の後面および縦壁129の後面が、下から上に向かうにつれて傾斜する傾斜面で構成されている(図21参照)。従って、センサ保持部128に保持された特別入賞センサSTは、検出開口STaの開口方向が、前から後に向かって下方傾斜する傾斜底面部125aの傾斜に沿った姿勢になるように配設される。また、センサ保持部128は、特別入賞センサSTにおける検出開口STaの開口下縁が、傾斜底面部125aの後縁の高さに整合するように保持しており、入賞空間124に延在する傾斜底面部125aから特別入賞センサSTの検出開口STaの内面に亘って一連なりの傾斜面が形成されている。
【0066】
(上ケース)
図22および図24に示すように、前記上ケース122は、入賞空間124の天井を構成する天井板の下面から下方へ突出するように形成され、入賞空間124の周面を構成する縦壁129を備えている。縦壁129は、上ケース122の前縁左側部(特別入賞口41の左側縁に対応する側)から入賞空間124における前方開口部の開口内側(右側)へ向かうにつれて後側に傾斜するように延在する傾斜縦壁部129aと、入賞空間124の奥側を画成し、左右方向に延在する後面縦壁部129bと、上ケース122の前縁右側部(特別入賞口41の右側縁に対応する側)から後側へ延在する側面縦壁部129cとから構成される(図21参照)。縦壁129は、傾斜縦壁部129aの後端部が後面縦壁部129bの左端部に連なり、後面縦壁部129bの右端部が側面縦壁部129cの後端部に連なっている。実施例の側面縦壁部129cは、上ケース122の前縁右側部から入賞空間124における前方開口部の開口内側(左側)へ向かうにつれて後側に傾斜するように延在しており、前後方向の仮想直線との間でなす傾斜角度が、側面縦壁部129cよりも傾斜縦壁部129aのほうが大きくなっている。
【0067】
図21に示すように、下ケース120と上ケース122とを組み付けた際に、傾斜縦壁部129aが部材設置部126の前側に延在し、特別装置本体112において入賞空間124と部材設置部126とを傾斜縦壁部129aにより区画している。また、下ケース120と上ケース122とを組み付けた際に、後面縦壁部129bおよび側面縦壁部129cがセンサ保持部128に保持され特別入賞センサSTの前側に延在している。下ケース120と上ケース122とを組み付けた際に、斜めに延在する傾斜縦壁部129aの前後差により、特別装置本体112の外郭左側面を構成する外横壁112aとの間に左空間部(空間部)112bが画成され、この左空間部112bに少なくとも一部が収容されるように前記連繋部材118が配設されている。また実施例では、特別装置本体112の左空間部112bに、左側の固定ボス121が収容配置されている。このように、特別装置本体112では、傾斜縦壁部129aの後側において、該傾斜縦壁部129aの後端部に連なる後面縦壁部129bより前側に広がる左空間部112bに、固定や作動のための部材を収容可能に構成されている。更に、特別装置本体112には、斜めに延在する側面縦壁部129cの前後差により、特別装置本体112の外郭右側面を構成する外横壁112aとの間に右空間部112cが画成され、この右空間部112cに右側の固定ボス121が収容配置されている。
【0068】
図22に示すように、前記縦壁129の後面縦壁部129bには、下方に開放した切り欠き形状で前記球通過口130が形成されており、傾斜縦壁部129aと繋がる左端部の屈曲部位から右側の所定範囲に亘って球通過口130が開設されている。傾斜縦壁部129aおよび側面縦壁部129cは、入賞空間124に入賞したパチンコ球Pを、該入賞空間124の奧側に開口する球通過口130に向けて案内するよう傾斜している。また、後面縦壁部129bは、下ケース120と上ケース122とを組み付けた際に傾斜底面部125aに相対すると共に球通過口130を画成する部位下端面が、傾斜底面部125aに沿って前から後に向かうにつれて下方傾斜するよう形成され、球通過口130が後傾するように開口している。そして、特別入賞センサSTは、縦壁129に後傾するように開口した球通過口130の後側に、通過するパチンコ球Pを検出可能な検出開口117aを整合させて配設されている。
【0069】
図22図24および図25に示すように、前記特別装置本体112(下ケース120)の前部には、入賞空間124の前方開口部を挟むよう左右に離間して一対の支持部132,132が前方に突出して設けられている。各支持部132には、左右方向に貫通した支持孔が形成され、開閉扉114を軸支する左右の支軸ピン133,133が対応する側の支持孔に夫々挿入される。
【0070】
(連繋部材)
図25(b)に示すように、前記下ケース120の左側部に設けられた部材設置部126には、バネ部材116bが巻装されたプランジャ116aを前方へ延出させた状態で特別ソレノイド116が設置されている。プランジャ116aには、下ケース120に設けられた支持受部120aに左右方向の軸周りに回転可能に支持され、該プランジャ116aの前後移動に伴って上下方向に揺動する連繋部材118が連結されている。連繋部材118には、プランジャ116aに連結する本体部分から前方へ延出する揺動アーム119が一体形成されており、該揺動アーム119の先端部が開閉扉114の連繋受部115に連繋するよう構成される。連繋部材118は、本体部分の前部が前記左空間部112bに収容配置され、特別ソレノイド116によるプランジャ116aの前後移動に伴う揺動に際して、左空間部112bにかかる領域が大小するように該本体部分が姿勢変位される。すなわち、左空間部112bは、連繋部材118の一部を収容するだけでなく、連繋部材118の姿勢変位を許容するスペースとしても用いられている。また、連繋部材118は、本体部分の左側部から前方へ突出する揺動アーム119が左空間部112bを通って前後方向に延在し、傾斜縦壁部129aの前端部と左側の外横壁112aとの間に、揺動アーム119の略U字状に形成された先端部が臨んでいる。なお、連繋部材118は、特別ソレノイド116が非励磁状態では、揺動アーム119の先端部を下方に指向させた姿勢となり、特別ソレノイド116が励磁状態では、揺動アーム119の先端部を上方に指向させた姿勢となる。
【0071】
(開閉扉)
図18に示すように、前記開閉扉114は、特別入賞口41の開口形状に略合致する横長矩形板状に形成されている。開閉扉114の左側下端部および右側下端部には、前記支持部132の支持孔に整合する位置に、軸孔114aが側方へ開放するよう設けられている。そして、開閉扉114を両支持部132,132の間に臨ませて、支持孔および軸孔114aに支軸ピン133を挿入することで、開閉扉114が特別装置本体112に回動自在に支持される。また、開閉扉114の裏面(特別入賞口41を閉鎖した状態で入賞空間124に臨む面)における左側下端部には、前記連繋部材118側に開放したU字状の連繋受部115が形成されており、該連繋受部115に連繋部材118の揺動アーム119の先端部が連繋している。そして、連繋部材118が揺動することで、連繋受部115が揺動アーム119により上下に変位して、開閉扉114が支軸ピン133を中心として回動するよう構成されている。
【0072】
前記開閉扉114は、特別ソレノイド116が非励磁状態にあっては、バネ部材116bの付勢下に先端部が下方へ指向する揺動アーム119により連繋受部115が下方へ押され、支軸ピン133を中心に開閉扉114の開放端部を後方へ回動する方向へ力がかかり、開閉扉114が特別入賞口41を閉鎖する閉鎖姿勢となり、特別入賞装置40は特別入賞口41からのパチンコ球Pの入賞が規制される閉成状態となる。一方、特別ソレノイド116が励磁状態にあっては、揺動アーム119により連繋受部115が上方へ押され、支軸ピン133を中心に開閉扉114の開放端部を前方へ回動する方向へ力がかかり、開閉扉114が特別入賞口41を開放する開放姿勢となり、特別入賞装置40は特別入賞口41からのパチンコ球Pの入賞が許容される開放状態となる。開閉扉114は、開放姿勢において、特別入賞口41の下側から前方(遊技領域20a)に延出し、遊技領域20a(第2球流通経路22)を流下するパチンコ球Pを受け止めて、特別入賞口41に案内するようになっている。なお、開閉扉114は、プランジャ116aに設けられたバネ部材116bの弾性力により、常には特別入賞口41を閉鎖する方向へ付勢されている。
【0073】
前記特別装置本体112は、通路画成部127の後側に配設され、前側へ光を照射し得る特別発光手段136を備えている。特別発光手段136は、発光体としてのLED137が実装された基板138からなり、下ケース120の後方に突出形成された爪部120bと部材設置部126の外壁面との間に基板138を挟むと共に、通路画成部127における案内壁片127bの下部に後方へ突出形成された受片120cに基板138が載置される。特別発光手段136は、案内壁片127bにおける上下方向に延在する部位に、LED137が相対するように配置され、LED137から照射した光により、所要の光拡散処理が施された案内壁片127bを通して通路画成部127の内側および特別入賞センサSTの検出通口STaを介して入賞空間124の内側を照明し得るようになっている。なお、特別取着部110および開閉扉114には、光を透過可能に構成された光透過部110a,114bが設けられ、入賞空間124を照らす光により開閉扉114の光透過部114bを照明すると共に、透明な特別装置本体112を透過した光により特別取着部110の光透過部110aを照明し得るようになっている。
【0074】
(球通過ゲート)
図2に示すように、特別入賞装置40の上側には、パチンコ球Pが通過可能なゲート通過口(通過口)140を遊技領域20aに臨ませて球通過ゲート44が配設され、ゲート通過口140を通過するパチンコ球Pをゲート球検出手段45により検出するようになっている。球通過ゲート44は、特別入賞口(第2の入賞口)41の上側で、かつ特別入賞口41における左右方向の開口範囲内に前記ゲート通過口140が配置され、該ゲート通過口140を通過したパチンコ球Pが開閉扉114が開放状態にある特別入賞口41に入賞可能に構成されている。実施例では、ゲート通過口140が特別入賞口41における左右方向開口範囲の中央部で、特別入賞口41の直上に配置されている。球通過ゲート44は、特別入賞口41に近接して配置されており、ゲート通過口140の直下から特別入賞口41に至るまでの間に、遊技釘28や風車などのパチンコ球Pの流下方向に変化を与える遊技部品が設けられていない。ここで、ゲート通過口140は、上下方向に貫通形成されると共に、パチンコ球1個ずつの通過を許容する大きさに設定されている。
【0075】
図18および図19に示すように、球通過ゲート44は、板状のゲート取着部141と、このゲート取着部141の前側に設けられ、前記ゲート通過口140を画成するゲート飾り部142と、パチンコ球Pが通過可能な検出開口SGaをゲート通過口140に整合させて、ゲート取着部141およびゲート飾り部144に保持されるゲートセンサSGとを備えている。
【0076】
(ゲート取着部)
図22および図23に示すように、ゲート取着部141は、前後に貫通するように形成され、ゲートセンサSGを挿通可能なセンサ挿通口142と、該ゲート取着部141の後面から後方へ突出すると共に、センサ挿通口142を上下に挟んで対向するよう形成された一対のセンサ保持片143,143とを備えている。センサ挿通口142は、ゲートセンサSGの外形に合わせて矩形状に形成され、センサ挿通口142の開口上縁に沿って延在するように上側のセンサ保持片143が設けられると共に、センサ挿通口142の開口下縁に沿って延在するように下側のセンサ保持片143が設けられる。ゲート取着部141は、センサ挿通口142に挿入して該ゲート取着部141の後側に突出するゲートセンサSGの後部を上下のセンサ保持片143,143で挟持し、該ゲートセンサSGの検出開口SGaが開設された前部を該ゲート取着部141の前側に臨ませた状態で保持するようになっている。ゲート取着部141は、遊技盤20に開設された第2装着口27bに、上下のセンサ保持片143,143およびゲートセンサSGの後部を挿入し、遊技盤20の前面に重なる部位をネジ止めすることで、該第2装着口27bを覆うように遊技盤20に設置される。
【0077】
図18および図19に示すように、前記ゲート取着部141は、特別入賞装置40の特別取着部110の上側に設けられている。また、ゲート取着部141は、その左右方向の幅が、特別取着部110の左右方向の幅より狭く形成され、特別入賞口の左右方向の幅よりも狭くなっている。ゲート取着部141は、特別入賞口41の上側で、その左右方向の位置が該特別入賞口41の左右の開口範囲内になるように配置されている。そして、ゲート取着部141は、その下縁が特別取着部110の上縁に繋がっており、ゲート取着部141と特別取着部110とが一体形成されている。すなわち、特別入賞装置40と球通過ゲート44とは、1つのユニットとして構成されており、遊技盤20に対する着脱など、一体的に取り扱い可能になっている。このように、ゲート取着部141が特別取着部110(特別入賞口41)より幅狭に形成されているので、特別取着部110(特別入賞口41)の上側でかつゲート取着部141の横側の領域に、遊技盤20の盤面を露出させることができ、特別取着部110(特別入賞口41)の上側でかつゲート取着部141の横側の領域に遊技釘28を植設することが可能となる(図2(b)参照)。そして、遊技盤20には、特別取着部110の上側でかつゲート取着部141の横側の領域に、特別入賞口41の上方でかつ球通過ゲート44のゲート飾り部144からパチンコ球Pの通過を許容する間隔をあけて遊技釘28(他の遊技釘28と区別する場合は案内遊技釘28Aという)が植設されている。実施例では、特別入賞口41の上方でかつゲート飾り部144の左横側に、案内遊技釘28Aが配置されている。また、実施例では、ゲート取着部141の左側縁が、上から下に向かうにつれて右側へ偏倚するように延在しており、ゲート取着部141の左側縁上端と特別取着部110の左側縁上端とを結んだ線で囲われる遊技領域20aの範囲内または当該範囲にかかるように前記案内遊技釘28Aが配置されている。
【0078】
(ゲート飾り部)
図18に示すように、前記ゲート飾り部144は、ゲート取着部141の前側に遊技領域20aに突出するように設けられ、センサ挿通口142の前側に配置されている。ゲート飾り部144は、センサ挿通口142を左右に挟んで離間配置され、ゲート取着部141の前面から前方に突出する一対の側部ガイド145,145と、両側部ガイド145,145の前端部間を繋ぐ前部飾り146とから、上下に開口するゲート通過口140を画成する略門型に形成されている(図22および図23参照)。ゲート飾り部144は、センサ挿通口142からゲート取着部141の前側に突出するゲートセンサSGの前部を左右の側部ガイド145,145および前部飾り146で位置決めし、ゲートセンサSGの検出開口SGaをゲート通過口140に整合させた状態で保持するよう構成されている。側部ガイド145は、上方から下方へ向かうにつれて左右幅が広くなるように外側面が斜めに形成されている。ゲート飾り部144は、左右幅(一対の側部ガイド145,145の外側面間の寸法)が、特別入賞口41の左右幅より狭く設定されると共に、その左右方向の位置が該特別入賞口41の左右の開口範囲内になるように配置されている。ゲート飾り部144における左外側面下端から直下へ延ばした延長線と特別入賞口41の開口左縁とは、パチンコ球1個以上離間するよう配置され、左側の側部ガイド145の外側面で案内したパチンコ球Pが特別入賞口41に入賞可能に構成されている。同様に、ゲート飾り部144における右外側面下端から直下へ延ばした延長線と特別入賞口41の開口右縁とは、パチンコ球1個以上離間するよう配置され、右側の側部ガイド145の外側面で案内したパチンコ球Pが特別入賞口41に入賞可能に構成されている。ゲート飾り部144は、外側面を斜めにすることで上部と比べて幅広に形成された側部ガイド145の下部に、ゲート取着部141の後側からネジ止めすることで、ゲート取着部144に設置されている(図23参照)。
【0079】
(入賞球通路ユニット)
図8に示すように、前記入賞球通路ユニット50は、第1始動入賞装置36から排出されたパチンコ球Pが流下する第1始動入賞球通路46と、第2始動入賞装置38から排出されたパチンコ球Pが流下する第2始動入賞球通路47と、特別入賞装置40から排出されたパチンコ球Pが流下する特別入賞球通路48と、特別入賞装置40における特別取着部110に設けられた普通入賞口43に入賞したパチンコ球Pが流下する普通入賞球通路49とを備えている。ここで、普通入賞球通路49は、特別入賞球通路48の途中に合流するよう形成されている。入賞球通路ユニット50は、設置部材32における開口部の下側に配置して背面板32aの前面に取り付けられている。遊技盤20と設置部材32とを組み付け状態では、第1始動入賞装置36の第1始動入賞口37に第1始動入賞球通路46の導入口46aが連通するようになっている。また、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた状態では、第2始動入賞装置38における遊技盤20の後側に突出する始動装置本体70に下方に開口するように設けられた球導出口79に、第2始動入賞球通路47の球導入口47aが連通するようになっている。更に、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた際では、特別入賞装置40における遊技盤20の後側に突出する特別装置本体112に下方に開口するように設けられた球導出口113に、特別入賞球通路48の球導入口48aが連通すると共に、特別取着部110に一体形成された普通入賞口43に、普通入賞球通路49の球導入口49aが連通するようになっている。
【0080】
図9に示すように、前記第1始動入賞球通路46は、遊技領域20aの左右方向中央部に開口する始動入賞口37に対応して設置部材32の左右方向中央部に配置され、前方に開口する球導入口46aから受け入れたパチンコ球Pを後方へ導いた後に下方へ直線的に流下するよう案内して、再び前方へ導いた後に下方へ排出するよう形成されている。なお、第1始動入賞球通路46の途中には、第1始動入賞センサ(球検出手段)S1が設けられ、該第1始動入賞球通路46を流下するパチンコ球Pが第1始動入賞センサS1で検出されるようになっている。第2始動入賞球通路47は、第1始動入賞球通路46の右側に配置され、上方に開口する球導入口47aから受け入れたパチンコ球Pを、略直線的に案内して下方に排出するように形成されている。また、第2始動入賞球通路47の途中には、第2始動入賞センサ(球検出手段)S2が設けられ、該第2始動入賞球通路47を流下するパチンコ球Pが第2始動入賞センサS2で検出されるようになっている。特別入賞球通路48は、第2始動入賞球通路47の右側に配置され、上方に開口する球導入口48aからパチンコ球Pを右側に案内した後に直線的に流下するように案内し、左側に案内した後に前記第2始動入賞球通路47の排出部に隣接した位置から下方へパチンコ球Pを排出するように形成されている。普通通入賞球通路49は、特別入賞球通路48の右側に配置され、前方に開口する球導入口49aから受け入れたパチンコ球Pを直線的に流下するよう案内した後に、右方に延在して特別入賞球通路48の直線部分に繋げるように形成されている。なお、普通入賞球通路49の途中には、普通入賞センサ(球検出手段)SFが設けられ、該普通入賞球通路49を流下するパチンコ球Pが普通入賞センサSFで検出されるようになっている。
【0081】
図26および図27に示すように、入賞球通路ユニット50は、入賞球通路46,47,48,49の後面および左右の側面を規定する壁部が設けられたユニットベース150と、このユニットベース150の前側に取り付けられ、入賞球通路46,47,48,49の前面を規定する壁部となるユニットカバー151とから構成されている。なお、ユニットベース150およびユニットカバー151は、透明な樹脂成形品であり、入賞球通路ユニット50の本体部分は光を透過可能に構成されている。ユニットベース150は、第2始動入賞球通路46の上側に、後方へ凹む箱状に形成された収容凹部150aを有し、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた際に、遊技盤20の後側に突出する第2始動入賞装置38の始動装置本体70が収容凹部150aに収容される(図3および図4参照)。なお、入賞球通路ユニット50(ユニットベース150)には、磁気センサ148や不正検出センサ149などの不正検出手段が配設されている。
【0082】
図8に示すように、前記入賞球通路ユニット50(ユニットカバー151)の前側には、第1始動入賞装置36の後側に配置される第1ユニット発光手段156と、第2始動入賞装置38および特別入賞装置40の後側に配置される第2ユニット発光手段158とが取り付けられている。ユニット発光手段156,158は、発光体としてのLED156a,158aが前面に実装された基板156b,158bからなり(図27参照)、該基板156b,158bの前側は、ユニットカバー151に取り付けられた発光手段カバー157,159により覆われている。第1ユニット発光手段156の基板156bは、ユニットカバー151の左部分に前側に突出するように形成された第1設置台部152に取り付けられ、第2ユニット発光手段158の基板158bは、ユニットカバー151の右部分に前側に突出するように形成された第2設置台部153に取り付けられている。ユニットカバー151には、第1設置台部152と第2設置台部153との間に後方へ凹むと共に下方に開放した収容段部154が設けられている。収容段部154は、第2始動入賞球通路47の右側に設けられ、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた状態で、第2始動入賞装置38において遊技盤20の後側に突出する配線保持部59が収容段部154に収容される。発光手段カバー157,159は、LED156a,158aの前側に対応して発光開口157a,159aが開設されている。なお、第1ユニット発光手段156の基板156bを覆う第1発光手段カバー157は、光を透過不能に構成されるのに対し、第2ユニット発光手段158の基板158bを覆う第2発光手段カバー159は、透明であって光を透過可能に構成されている。
【0083】
前記第1ユニット発光手段156は、LED156aから前方へ照射した光により、第1始動入賞装置36において始動入賞口37の下側に設けられた発光飾り部36aを照明し得るようになっている。図3および図4に示すように、第2ユニット発光手段158は、第2始動入賞装置38の始動装置本体70の下側に位置すると共に、第2始動入賞口39の下側に設けられた発光飾り部56の後側に位置し、LED158aから前方へ照射した光により、発光飾り部56および該発光飾り部56の前側に重なる飾りカバー部65を照明し得るようになっている。更に、図6に示すように、第2ユニット発光手段158は、特別入賞装置40の特別装置本体112から右側にかけて位置すると共に、特別取着部110における特別入賞口41の下側から右側にかけての領域の後側に位置し、LED158aから前方へ照射した光により、特別取着部110の光透過部110aを照明し得るようになっている。
【0084】
(第2始動入賞球通路)
図3および図4に示すように、第2始動入賞球通路47は、設置部材32に設置される入賞球通路ユニット50に上下方向に延在するように設けられ、遊技盤20と設置部材32とを組み付けた際に、第2始動入賞装置38の始動装置本体70の下方に開口する球導出口79に、球導入口47aが連通するよう構成されている。第2始動入賞装置38は、第2始動入賞口39に入賞したパチンコ球Pを、始動装置本体70の本体球通路72で前から後側に案内して、本体球通路72の後部で開口する球導出口79から排出し、第2始動入賞球通路47は、球導出口79から流下するパチンコ球Pを球導入口47aから受け入れて、球導入口47aから下方に直線的に延びる流路を介して下方に開口する排出端から排出するようになっている。第2始動入賞球通路47は、ユニットベース150の板面により該第2始動入賞球通路47の後面をなす後通路壁部160が構成されると共に、ユニットベース150の板面から前方に延出する一対の横通路壁部161,161により左右の側面が構成されている(図27参照)。ユニットベース150には、後通路壁部160および左右に対向配置された一対の横通路壁部161,161により前方および上下に開放する凹溝が画成されており、該凹溝の上方開口が収容凹部150aの底面を切り欠いている。また、第2始動入賞球通路47は、ユニットベース150の両横通路壁部161,161の前縁に当接するユニットカバー151の板面により該第2始動入賞球通路47の前面をなす前通路壁部162が構成されている。
【0085】
図3および図4に示すように、前記第2始動入賞球通路47の途中には、第2始動入賞センサS2を着脱可能に保持し得る取付部163が設けられ、実施例では取付部163により該第2始動入賞球通路47の上下方向略中央位置で第2始動入賞センサS2を保持するようになっている。取付部163は、後通路壁部160に開設された取付開口163aと、左右の横通路壁部161,161の夫々に通路内側へ突出するように形成され、取付開口163aの上下を挟んで前後に延在する一対の取付片163b,163bとか構成されている。取付部163は、取付開口を介して後方から通路内側に挿入された第2始動入賞センサS2の前部を上下左右の取付片163bの間で挟持し、通過するパチンコ球Pを検出する検出開口S2aを通路内側に整合させた状態で第2始動入賞センサS2を保持するようになっている。球導入口47aの前縁辺(一縁辺)を画成する前通路壁部162の上端部には、パチンコ球1個ずつの通過を許容する大きさで形成された球導出口79を通過したパチンコ球Pが接触可能な位置に規制片164が形成されている。規制片164は、ユニットカバー151における前通路壁部162の上端部に、後方へ突出するように形成されて、その突出端部が球導出口79の開口前縁より後方に位置している。すなわち、規制片164は、球導出口79の開口面の下側に重なるように配置され、球導出口79から流下するパチンコ球Pの軌跡によっては、パチンコ球Pが規制片164に接触するようになっている。なお、規制片164の突出端部には、前から後へ向かうにつれて下方傾斜するテーパ面が形成されている。
【0086】
図3および4に示すように、前記球導入口47aは、規制片164と対向する後縁辺(対向縁辺)が球導出口79より後側(外側)に位置して、該球導出口79より大きくなるように形成されている。球導入口47aは、球導出口79の左右幅と同じ(実施例)か、または僅かに大きくなるように形成されて、球導入口47aの左右方向の開口中心と球導出口79の左右方向の開口中心とが上下に揃うようになっている。すなわち、球導入口47aは、球導出口79に対して後方へずれて一部の領域が互いに上下に重なると共に、球導出口79に対して左右方向の位置が整合するよう構成されている。第2始動入賞球通路47は、球導入口47aにおける後縁辺に連なる後通路壁部(対向縁辺に連なる壁部)160が、下方へ向かうにつれて規制片164に連なる前通路壁部(壁部)161側へ傾斜するように形成されて、取付部163の上流側でパチンコ球1個ずつの流下を許容する通路幅となるよう構成されている。なお、後通路壁部160において、球導入口47aの開口後縁をなす上縁から下側に向かうにつれて前側へ傾く傾斜面を、傾斜誘導面160aという。実施例では、球導出口79の開口中心から、取付部163に保持された第2始動入賞センサS2における検出開口S2aの開口中心に引いた仮想的な鉛直ライン上を通るように、第2始動入賞球通路47が基本的に形成されている。そして、規制片164は、取付部163に保持された第2始動入賞センサS2における検出開口S2aの開口前縁よりも後方へ突出しており、検出開口S2aの上側に一部重なっている(図26参照)。図27に示すように、球導入口47の開口後縁辺に連なる後通路壁部160の傾斜誘導面と横通路壁部161とがなす角隅部には、第2始動入賞球通路47の通路内側へ突出する突条片165が、上下方向に離間して複数条(実施例では3条)形成されている。
【0087】
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。第2始動入賞装置38は、始動装置本体70の上部に配設された始動発光手段67から下方に照射する光により、始動装置本体70の上面を構成する透明な上板を介して本体球通路72を照明することができる。第2始動入賞装置38は、第2始動入賞口39の前側に飾りカバー部65で覆われているが、前記始動発光手段67により本体球通路72に伴って明るくなる第2始動入賞口39を、飾りカバー部65と始動取着部51との上側の隙間や該飾りカバー部65の透明部分65bを介して前側から視認することができる。そして、開閉部材88が入賞許容位置に移動した状態では、始動発光手段67によって照明された本体球通路72の内側を視認可能となり、開放した第2始動入賞口39や第2始動入賞口39から入賞するパチンコ球Pの動きが判り易く、第2始動入賞装置38に遊技者の注意を惹き付けることができる。また、第2始動入賞装置38は、始動発光手段67から照射した光が、開閉部材88の球通過開口88aおよび始動装置本体70の下面を構成する透明な下板を透過して、発光飾り部56の後側に設けられた反射部86により反射された光により第2始動入賞口39の下方に設けられた発光飾り部56を照明することができる。更に、発光飾り部56が照明されることで、発光飾り部56の前側を覆う飾りカバー部65の光拡散部分65aが発光される。第2始動入賞装置38は、始動発光手段67の光照射方向前側にある始動装置本体70が光を透過可能に構成されているから、始動装置本体70の内側に設けられた本体球通路72だけでなく、始動発光手段67から照射した光によって第2始動入賞口39の周辺部に配置された発光飾り部56および飾りカバー部65を発光させることができる。このように、第2始動入賞装置38は、本体球通路72、発光飾り部56および飾りカバー部65といった、異なる部分を発光させることができるから、発光による高い装飾性や演出効果を得られる。そして、第2始動入賞装置38は、本体球通路72の内側を照明する1つの始動発光手段67によって、第2始動入賞口39の周辺部の発光飾り部56および飾りカバー部65を照明可能な構成であるので、発光飾り部56または飾りカバー部65を照明するための別の発光手段を設置する必要はなく、当該別の発光手段を設置するために始動装置本体70が大型化するような不具合を回避することができる。
【0088】
実施例の第2始動入賞装置38は、発光飾り部56の後側に配置される第2ユニット発光手段158から前方へ照射した光によっても、発光飾り部56および飾りカバー部65を発光させることができる。ここで、始動発光手段67から下方へ向けて照射された光が入射することで発光飾り部56等が発光する態様と、第2ユニット発光手段158から直接的に照射された光により発光飾り部56等が発光態様とを異ならせることができる。すなわち、始動発光手段67と第2ユニット発光手段158との発光の組み合わせにより、発光飾り部56および飾りカバー部65を多彩な発光演出することがでできる。
【0089】
前記第2始動入賞装置38は、開閉部材88が入賞規制位置にある状態では、光を透過しない球受部89が始動発光手段67の光照射方向前側に重なり、また球誘導片90が第2始動入賞口39の内側に位置している。すなわち、開閉部材88が入賞規制位置にある状態において、始動発光手段67から光を照射しても、球受部89により始動装置本体70の下側への光の透過が阻まれて、発光飾り部56および飾りカバー部65が発光せず、第2始動入賞口39と球誘導片90との隙間(第2始動入賞口39の開口縁)から光が漏れるように見える。これに対して、開閉部材88が入賞許容位置にある状態では、該開閉部材の上下に開口した球通過開口88aが始動発光手段67の光照射方向前側に重なり、また球誘導片90が第2始動入賞口39から外れて該第2始動入賞口39が開放されている。すなわち、開閉部材88が入賞許容位置にある状態において、始動発光手段67から光を照射すると、球通過開口88aを介して始動装置本体70の下側への光の透過が阻まれて、発光飾り部56および飾りカバー部65が発光され、第2始動入賞口39から照明された本体球通路72が視認可能になる。このように、第2始動入賞装置38は、開閉部材88を開閉することによっても、発光する部分および発光態様を切り替えることができ、すなわち、始動発光手段67の発光と開閉部材88の開閉状態との組み合わせにより、多彩な発光演出をすることができる。
【0090】
前記第2始動入賞装置38は、開閉部材88が入賞許容位置にある際に、飾りカバー部65の誘導突起66とこの誘導突起66の下側に傾斜上端が位置する開閉部材88の球誘導片90により、遊技領域20aにおいて飾りカバー部65と始動取着部51との間に流下するパチンコ球Pを、第2始動入賞口39に向けて誘導することができる。また、第2始動入賞装置38は、第2始動入賞口39を左右に挟んで設けられた一対のガイド部61,62のガイド面64,64によって、遊技領域20aを流下するパチンコ球Pを第2始動入賞口39に向けて案内し得ると共に、左右のガイド面64,64で案内されたパチンコ球Pを入賞許容位置で両ガイド面64,64に位置する球誘導片90によって、第2始動入賞口39へ向けてより確実に誘導することができる。
【0091】
前記第2始動入賞口39から入賞したパチンコ球Pは、開閉部材88の球通過開口88aを介して本体球通路72の内底面71aに流下し、内底面71aに設けられた案内片71bの傾斜に案内されて後方へ転動し、本体球通路72の後部において下方に開口する球導出口79から第2始動入賞球通路47に流下する。ここで、開閉部材88は、入賞規制位置および入賞許容位置の何れの状態にあっても、球通過開口88aが球導出口79の上側に重なるように構成されているから、第2始動入賞口39から本体球通路72に入ったパチンコ球Pを、開閉部材88の位置の如何にかかわらず球通過開口88aおよび球導出口79を介して第2始動入賞球通路47に流下させることができる。すなわち、本体球通過路72でパチンコ球Pが滞ることを回避し得る。また、入賞許容位置にある開閉部材88の球通過開口88aを介して本体球通路72の内底面71a(案内片71b)に落ち込んだパチンコ球Pは、入賞許容位置から入賞規制位置へ向けた開閉部材88の移動経路に重なる領域に位置する。すなわち、入賞許容位置にある開閉部材88が入賞規制位置に移動する際に、内底面71a(案内片71b)にあるパチンコ球Pを開閉部材88で球導出口79に向けて押すことができ、これにより本体球通路72でパチンコ球Pが滞ることを回避し得る。
【0092】
前述したように、第2始動入賞装置38の球導出口79と第2始動入賞センサS2の検出開口S2aとが上下の関係で配置されると共に、第2始動入賞球通路47が上下に延在するように形成されているので、球導出口79からパチンコ球Pが壁部等に接触することなく直線的に落下すると検出開口S2aを通過するパチンコ球Pのスピードが早くなり過ぎ、第2始動入賞センサS2において連なって流下する複数のパチンコ球Pを1個として検出するような誤検出が生じるおそれがある。ここで、第2始動入賞口39に入賞して本体球通路72の球導出口79から流下するパチンコ球Pを受け入れる球導入口47aには、球導出口79の下側に重なるように規制片164が設けられているから、球導出口79から第2始動入賞球通路47に流下するパチンコ球Pが規制片164にぶつかることで、流下速度を落とすことができる。また、規制片164にぶつかることで、連なった状態で流下する複数のパチンコ球Pを互いに分離させることができる。しかも、第2始動入賞球通路47における球導入口47aの近傍には、規制片164と反対側の壁部に、該球導入口47aの開口内側に突出する突条片165が設けられているので、第2始動入賞球通路47を流下するパチンコ球Pに突条片165が干渉することで、パチンコ球Pの勢いを弱めることができる。従って、第2始動入賞センサS2において、第2始動入賞球通路47を流下するパチンコ球Pの誤検出を防止し得る。
【0093】
前記球導入口47aは、規制片164が設けられる前縁辺に対向する後縁辺を球導出口79の後側に位置させて該球導出口79より広く形成されているので、規制片164でパチンコ球Pが後方へ弾かれても球導入口47aでパチンコ球Pが滞ることを回避できる。しかも、遊技盤20と設置部材32とを組み付けることで、第2始動入賞装置38の球導出口79と第2始動入賞球通路47の球導入口47aとが連通する構成であるが、球導入口47aが球導出口79よりも大きいので球導出口79と球導入口47aとの位置ズレを吸収し得る。第2始動入賞装置38は、始動装置本体70に配設された始動ソレノイド108および始動発光手段67に繋がる配線Hを配線保持部59で保持しているので、遊技盤20と設置部材32とを組み付ける際に、配線Hの噛み込みを防止し得る。
【0094】
前記球通過ゲート44は、特別入賞装置40の特別入賞口41の上側でかつ該特別入賞口41における左右方向の開口範囲内に、ゲート通過口140が位置するように配置されている。特別入賞装置40の開閉扉114が閉成状態にある場合には、球通過ゲート44のゲート通過口140を通ったパチンコ球Pは、特別取着部110および開閉扉114の前面を通って 第2球流通経路22を流下し、そのパチンコ球Pの検出により第2始動入賞装置38の開閉部材88の開放判定(始動口開放抽選)が行われる。特別入賞装置40の開閉扉114が開放状態にある場合には、球通過ゲート44のゲート通過口140を通過したパチンコ球Pは、遊技領域20aに延出する開閉扉114に受け止められて特別入賞口41へ向けて案内され、該特別入賞口41に入賞可能になっている。特別入賞装置40の開閉扉114が閉成状態にある場合には、球通過ゲート44のゲート飾り部144に当たったり、該ゲート飾り部144における側部ガイド145の外側面に案内されたパチンコ球Pについても、特別入賞口41が左右幅広であるので、遊技領域20aに延出する開閉扉114に受け止められて特別入賞口41へ向けて案内され、該特別入賞口41に入賞可能になっている。すなわち、球通過ゲート44を特別入賞口41の上側に配設しても、球通過ゲート44のゲート通過口140を通ったパチンコ球Pや球通過ゲート44のゲート飾り部144に接触したパチンコ球Pが、開放状態にある特別入賞口41から入賞可能に構成されているから、遊技者に不利益は生じない。このように、球通過ゲート44は、該球通過ゲート44のゲート通過口140を通過するパチンコ球Pの検出して第2始動入賞装置38の開閉部材88の開放判定の契機を得るという本来の機能と、特別入賞装置40の特別入賞口41の上側でパチンコ球Pを導くガイドとしての機能とを有している。これにより、遊技釘28や風車等などの遊技領域20aでパチンコ球Pを案内する遊技部品に代えて、特別入賞装置40の特別入賞口41の上側に球通過ゲート44を配設することが可能となり、特別入賞装置40と球通過ゲート44とを遊技領域20aにおける狭い範囲に配置することができる。
【0095】
前記球通過ゲート44は、遊技盤20の前面を覆うように固定されるゲート取着部141を、特別入賞装置において遊技盤20の前面を覆うように固定される特別取着部110よりも左右方向の幅が狭く形成している。すなわち、特別取着部110の上側でゲート取着部141の横側の領域には、遊技盤20の前面が露出することになり、当該領域に案内遊技釘28Aを植設することが可能となる。そして、特別取着部110の上側でゲート取着部141の横側の領域に、特別入賞口41の上方でかつ球通過ゲート44のゲート飾り部144からパチンコ球Pの通過を許容する間隔をあけて案内遊技釘28Aを植設してあるので、ゲート飾り部144の横側を流下するパチンコ球Pやゲート飾り部144における側部ガイド145の外側面に案内されるパチンコ球Pを、案内遊技釘28Aとの接触により特別入賞口41に向けて案内することができる。ここで、球通過ゲート44のゲート飾り部144は、側部ゲート145の幅広な部分でゲート取着部141にネジ止めしているから、ゲート取着部141とゲート飾り部144とをしっかりと固定することができる。従って、特別入賞口41の上側にゲート飾り部144を配置することで、特別入賞口41を狙ったパチンコ球Pがゲート飾り部144に接触する頻度が高くなっても不具合が生じ難い。
【0096】
前記特別入賞装置40は、特別入賞本体112において入賞空間124の周面を画成する縦壁129の一部が、特別入賞口41の左側縁から開口内側(右側)に向かうにつれて後側に傾斜するように延在する傾斜縦壁部129aで構成されている。傾斜縦壁部129aは、特別入賞口41から入賞したパチンコ球Pを左側から開口内側へ向けて案内し、入賞空間124の奥側で特別入賞口41に対して左右方向略中央部で開口する球通過口130に向けて傾斜縦壁部129aによりパチンコ球Pを導くことができる。また、傾斜縦壁部129aの後側には、該傾斜縦壁部129aの傾斜前端と傾斜後端との前後差によって、球通過口130が開口する入賞空間124の奥側(後面縦壁部129b)より前側で、特別装置本体112の左側の外横壁112aとの間に左空間部112bが画成される。そして、特別入賞装置40は、特別ソレノイド108の駆動を開閉扉114の開閉変位に変換する連繋部材118の前部が、左空間部112bに収容されているので、特別装置本体112において連繋部材118をより前側に配置することが可能となり、特別装置本体112の前後幅を小さく設定することができる。すなわち、特別入賞装置40を前後にコンパクトにすることができる。
【0097】
前記特別入賞装置40は、 縦壁129における後面縦壁部129bに後傾するように開口した球通過口130の後側に、通過するパチンコ球を検出可能な検出開口STaを整合させて、特別入賞センサSTを配設しているので、特別入賞口41から入賞したパチンコ球Pを、入賞空間124で滞留することを抑えて、特別入賞センサSTの検出開口STaにスムーズに通過させることができる。また、入賞空間124の底板125には、前側から球通過口130へ向けて下方傾斜するように形成された傾斜底面部125aが設けられ、特別入賞センサSTは、検出開口STaの開口方向が傾斜底面部125aの傾斜に沿った姿勢で配設されているから、特別入賞口41から入賞したパチンコ球Pを、傾斜底面部125aにより球通過口130に誘導することができると共に、傾斜底面部125aで誘導されたパチンコ球Pを特別入賞センサSTの検出開口STaにスムーズに通過させることができる。これにより、特別入賞口41から入賞したパチンコ球Pが入賞空間124で滞留することを抑えることができ、遊技の消化スピードを向上させることができる。
【0098】
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1)実施例の第2始動入賞装置は、閉成状態において開閉部材により第2始動入賞口への入賞が阻止される構成であるが、閉成状態において入賞口へパチンコ球が入賞することが可能であるが開放状態にあるときよりも入賞口へのパチンコ球の入賞が困難になる入賞装置であってもよい。
(2)閉成状態の開閉部材のみで入賞口への入賞を阻む構成に限定されず、開閉部材が閉成状態になることで、入賞口の周辺に配置された遊技釘などの遊技部品との位置関係で入賞口へのパチンコ球の入賞が阻止または困難になる構成であってもよい。
(3)入賞装置に配設される発光手段の光照射方向は、実施例の方向に限られず、例えば下から上であっても、横向きなどその他の方向であってもよい。また、始動発光手段の光照射方向前側に発光飾り部を配置し、始動発光手段から照射した光が、始動入賞本体を挟んで反対側に位置する発光飾り部に直接入射する構成であってもよい。
(4)実施例の開閉部材は、光を透過しないように構成したが、始動発光手段から照射した光を透過するように構成してもよい。この場合は、始動発光手段から照射した光が球通過開口を通過するときと比べて、開閉部材を透過することで、光を弱めたり、光を拡散したり、発光色を変えたりするなど、光の態様が変化する構成であればよい。
(5)実施例では、始動発光手段から照射した光を反射部により発光飾り部側に反射する構成を例示したが、発光飾り部から後方へ延出して始動発光手段の光照射方向前側に延在する周壁部を導光部として構成し、始動発光手段から照射した光が周壁部に入射した際に該周壁部を通して発光飾り部を発光させる構成であっても、その他の構成であってもよい。
(6)球通過ゲートは、一対の側部ガイドのうちの一方の側部ガイドの外側面だけを傾斜形状に形成する構成であってもよい。
(7)入賞装置から流下するパチンコ球を受け入れる球導入口に設けられる規制片は、該球導入口の開口前縁に設ける構成に限定されず、球導入口の開口後縁または開口側縁であってもよい。
(8)遊技盤は、ベニヤ板等の木製であっても、透明または不透明の合成樹脂製であってもよい。
(9)遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。
【符号の説明】
【0099】
20 遊技盤
20a 遊技領域
27b 第2装着口(装着口)
8 第2始動入賞装置(第1の入賞装置)
39 第2始動入賞口(第1の入賞口)
40 特別入賞装置(第2の入賞装置)
41 特別入賞口(第2の入賞口)
44 球通過ゲート
88 開閉部材(第1の開閉部材)
14 開閉扉(第2の開閉部材)
140 ゲート通過口(通過口)
145 側部ガイド
141 ゲート取着部
142 センサ挿通口(挿通口)
143 センサ保持片(保持片)
P パチンコ球(遊技球)
SG ゲートセンサ(球検出手段)
SGa 検出開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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