(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の測定方法では、前記光学測定器により前記計測点を視準することにより、視準された計測点の位置データを三次元座標系で取り込み、前記計測点間の距離及び前記構造物の壁面の変位量を求めている。
【0006】
また、特許文献1に記載の測定方法と異なる内空変位の測定方法として、基準位置に設置したレーザー光源から離れた位置における複数の断面において、同一の断面内に複数の透過ターゲットを設けているものがある(特許文献2参照)。
【0007】
特許文献2に記載の測定方法では、透過ターゲットに横罫及び縦罫から構成されるグリッドが形成されている。そして、レーザー光の光軸が初期位置を通過するように前記透過ターゲットが前記構造物の壁面に取り付けられている。前記構造物の内空変位を測定する際には、透過ターゲットにおける前記初期位置に対する前記グリッドにおける前記レーザー光の光軸が交わる位置の変位を目視で確認し、前記構造物の壁面の変位量を求めている。
【0008】
特許文献1及び特許文献2に記載された発明では、前記内空変位の測定を行う測定担当者が前記内空変位の測定を行った後、前記測定で得られた測定結果を前記構造物における壁面の変位量に応じた安全基準によって定められた管理基準値に基づいて判断し、その後、前記構造物における前記壁の変位状況を前記構造物内で作業している作業者に伝達する必要がある。したがって、前記内空変位の測定から、前記内空変位の測定結果から得られた前記管理基準値に基づいて判断された壁の変位状況を前記作業者へ伝達するまでタイムラグが生じる。
【0009】
その結果、前記構造物の建設作業時において、例えば、危険と判断される前記壁の変位を検出してから前記作業者への安全に関する情報(注意や避難指示等)が伝達されるまで前記作業者は危険な状況を知らずに現場での作業に従事しており、前記作業者の安全性が低下する虞がある。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、土中と空間とを仕切る壁の変位を確認し、前記壁の変位状況に対応する安全に関する情報を作業者へ提供することができる前記壁の変位を確認する確認装置及びその確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために
本発明の第1の態様における基準位置から設定された方向に照射されたレーザー光を受けることにより、第1領域と第2領域とを仕切る壁の前記第1領域側から前記第2領域側への変位を確認する、当該壁に取り付けられる確認装置であって、前記壁からの距離に応じて設けられた複数の受光領域と、前記レーザー光を受けた受光領域からの検出信号に応じて、前記壁の変位に対応する情報を表示する表示手段と、を備え、各受光領域には、壁の変位を検出するための受光器が複数配列され、前記表示手段は、各受光領域からの検出信号にそれぞれ対応する複数の表示部を有し、各表示部は、対応する受光領域内におけるいずれか1つの受光器に前記レーザー光を受けた場合、前記情報を表示することを特徴とする。
また、本発明の第1の態様における基準位置から設定された方向に照射されたレーザー光を受けることにより、第1領域と第2領域とを仕切る壁の変位を確認する確認装置は、前記壁に取り付けられ、前記壁からの距離に応じて設けられた複数の受光領域と、前記レーザー光を受けた受光領域からの検出信号に応じて、前記壁の変位に対応する情報を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、前記壁に取り付けられた確認装置における前記壁からの距離に応じて設けられた複数の受光領域のいずれかにおいて、前記基準位置から設定された方向に照射されたレーザー光を受光すると、前記レーザー光を受けた受光領域からの検出信号に応じて、前記壁の変位に対応する安全に関する情報を表示手段に表示することができる。本態様において、例えば、前記基準位置からのレーザー光を前記受光領域のいずれかで連続的又は極短い時間間隔で受けることにより、前記表示手段に前記壁の変位に対応する安全に関する情報を表示し続けることができる。その結果、前記壁の近傍で作業する作業員は、内空変位の測定担当者に頼らずとも、現在の壁の変位の状況を知ることができ、安全な環境で作業を継続することができる。
【0013】
本発明の第2の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1の態様において、前記表示手段は発光の仕方により前記壁の変位に対応する情報を表示することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記壁の変位に対応する安全に関する情報を発光の仕方により前記表示手段に表示するので、前記壁の近傍で作業する複数の作業者に、視覚的に前記壁の変位状況について知らせることができる。その結果、作業者間で前記安全に関する情報を共有することができ、前記壁の変位に対する対応を迅速化することができる。したがって、前記壁の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0015】
尚、本態様における発光の仕方とは、1つのライトの点灯、点滅、消灯だけでなく、複数のライトにおいて異なる色の発光、点滅、消灯や、LEDランプのように1つのランプで発光の色を複数の色に変化させることや、点滅させることなどを含み、光によって視覚的に作業者の注意を喚起するものであればよい。
【0016】
本発明の第3の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1の態様において、前記表示手段は文字、記号及び図形の少なくとも一つにより前記壁の変位に対応する情報を表示することを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記文字、前記記号及び前記図形の少なくとも一つにより前記壁の変位に対応する安全に関する情報を表示手段に表示するので、前記壁の近傍で作業する複数の作業者に、前記壁の変位の状況について知らせることができるとともに前記変位の状況に対応する指示を与えることができる。その結果、前記壁の変位に対する対応を迅速化させことができるので、前記壁の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0018】
本発明の第4の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1の態様において、前記表示手段は音により前記壁の変位に対応する情報を表示することを特徴とする。
【0019】
本態様によれば、前記壁の変位に対応する安全に関する情報を音により前記表示手段に表示するので、前記壁の近傍で作業する複数の作業者の聴覚に前記壁の変位に対応する安全に関する情報を届けることができ、前記情報の周知を確実にすることができる。その結果、前記壁の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0020】
本発明の第5の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1から第4のいずれか一の態様において、各受光領域において、壁の変位を検出するための設定距離に応じた大きさの受光器が複数配列されていることを特徴とする。
【0021】
本態様によれば、各受光領域において壁の変位を検出するための設定距離に応じた大きさの受光器が複数配列されている。例えば、前記壁が設置される地山の状況に応じて前記壁の変位に関する安全基準が設定され、その安全基準に基づいて前記壁の変位を検出するための設定距離が設定されている。したがって、各設定距離に対応した大きさの受光器を前記受光領域に配列することにより、前記設定距離に対応した前記壁の変位を検出することができる。また、前記受光器の大きさを前記設定距離に応じた大きさとすることができるので、前記受光領域に配列される前記受光器の数を最適な数とすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0022】
本発明の第6の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記複数の受光領域が設けられた方向に沿って一定間隔の目盛が設けられていることを特徴とする。
【0023】
本態様によれば、前記複数の受光領域が設けられた方向に沿って一定間隔の目盛が設けられているので、前記壁に前記確認装置を取り付けて最初に前記レーザー光を受光した位置を原点として設定し、その後前記壁が変位した際に前記レーザー光を受光した位置と前記原点との距離を読み取ることで、作業者が容易に前記壁の変位量を確認することができる。また、内空変位の測定者も前記壁の変位量を作業者の作業の支障とならずに、容易に確認することができる。その結果、前記壁における内空変位の精密な測定の間においても前記壁の変位量を把握することができ、前記壁の変位に変化があれば、迅速に対処することが可能であるので前記壁の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0024】
本発明の第7の態様の壁の変位を確認する確認装置は、第1から第6のいずれか一の態様において、前記複数の受光領域と前記表示手段とを前記壁に着脱可能に取り付ける取り付け手段を備えることを特徴とする。
【0025】
本態様によれば、前記複数の受光領域と前記表示手段とを前記壁に着脱可能に取り付ける取り付け手段を備えるので、前記確認装置が取り付けられた前記壁の近傍の地山の変動が収まり、前記壁の変位を確認する必要がなくなった際、前記確認装置を前記壁から取り外して別の位置に再度取り付けて前記別の位置における前記壁の変位を確認することができるので、前記確認装置を再利用することができる。したがって、コストダウンを図ることができる。また、トンネルの作業中に前記確認装置が支障になる場合、一旦取り外し、支障にならない状態となった時点で再度取り付けて継続して変位を確認することができる。
【0026】
本発明の第8の態様における基準位置から照射されたレーザー光を受けることにより、第1領域と第2領域とを仕切る壁の変位を確認する方法は、基準位置に設けられたレーザー照射装置から設定された方向にレーザー光を照射する工程と、前記壁に取り付けられた第1の態様から第7の態様のいずれか一の態様における確認装置の受光領域において前記レーザー光を受光し、前記レーザー光を受光した受光領域からの検出信号に基づいて、前記壁の変位に対応する情報を前記表示手段に表示する工程とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、第1の態様から第7の態様における作用効果を得ることができる。
【0027】
本発明の第9の態様における基準位置から所定の方向に向けて土中に設置される構造物において前記規準位置から前記所定の方向に離れた位置における構造物の断面において第1領域と第2領域とを仕切る壁の変位を確認する方法は、基準位置から所定の方向に沿って複数の第1の変位確認部が配置されており、隣り合う前記第1の変位確認部との間には複数の第2の変位確認部が配置され、前記第2の変位確認部における前記壁に第1の態様から第7の態様のいずれか一の態様における確認装置が少なくとも3つ取り付けられており、基準位置に設けられたレーザー照射装置から設定された方向にレーザー光を照射する工程と、前記各確認装置の受光領域において前記レーザー光を受光し、前記レーザー光を受光した受光領域からの検出信号に基づいて、前記壁の変位に対応する情報を前記表示手段に表示する工程とを備えることを特徴とする。
【0028】
本態様によれば、前記第2の変位確認部において前記壁の変位の確認を行い、前記壁の変位の状態に応じて現在の壁の状態が安全であるか否かを前記表示手段に表示する。これにより前記第2の変位確認部において前記壁の状態が安全であることが確認できる。
【0029】
本発明の第10の態様における壁の変位を確認する方法は、第9の態様において、前記基準位置から前記所定の方向に最も距離が離れた位置に配置された第1の変位確認部に対して、前記基準位置と反対の側に新たな第1の変位確認部と第2の変位確認部とが配置された際、前記基準位置から前記所定の方向に最も距離が近い位置に配置された第1の変位確認部と前記基準位置と反対の側で隣り合う第1の変位確認部との間に配置された複数の第2の変位確認部が撤去される工程を備えることを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、例えば土中の構造物が掘進することにより、基準位置から前記構造物の先端位置がより離れた位置に進行した場合において、新たに掘削した部分においては地山の変動が大きいので、前記壁の変位を常時確認する必要がある。一方で、前記基準位置に近い位置における壁の変位は、地山が落ち着くことにより小さくなるので、確認頻度を減らすことができる。そのため、前記確認装置が取り付けられる前記第2の変位確認部を前記構造物の建築状況に併せて、前記構造物内において再配置することができる。その結果、前記構造物において前記確認装置を再配置しない場合に比べて少ない数の確認装置で前記壁の変位を確認することができ、コストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施例において同一の構成については、同一の符号を付し、最初の実施例においてのみ説明し、以後の実施例においてはその構成の説明を省略する。
【0033】
図1ないし
図7を参照して、第1の実施例に係る第1領域と第2領域とを仕切る壁の変位を確認する確認装置について説明する。
図1を参照するに、第1の実施例における土中の構造物の一例としての掘削状態におけるトンネル10が示されている。
【0034】
トンネル10は、
図1において所定の方向であるX軸方向に構築され、+X軸方向に掘進している。トンネル10には基準位置X0(
図1参照)から距離L0離れた位置に第1の変位確認部S1−1が設けられている。また、本実施例では、第1の変位確認部S1−1から+X軸方向に距離L1離れた位置に第1の変位確認部S1−2が配置され、第1の変位確認部S1−2から+X軸方向に距離L1離れた位置に第1の変位確認部S1−3が配置されている。つまり、本実施例ではトンネル10において距離L1を間隔として複数の第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nが配置されている。
【0035】
また、隣り合う第1の変位確認部S1−nと第1の変位確認部S1−n+1との間には、複数の第2の変位確認部S2−nが配置されている。例えば、
図1において、第1の変位確認部S1−2と第1の変位確認部S1−3との間に第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3が設けられている。本実施例では、各第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3の間隔は、距離L2となるように設定されている。また、トンネル10の掘削方向に沿って隣り合う第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−n間に複数の第2の変位確認部S2−nが配置されるように、トンネルの基準位置X0に近い側から順に第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nが配置されている。
【0036】
また、
図2(A)に示すように、トンネル10において「第1領域」としての土中12と「第2領域」としての空間14とを仕切る壁16が設けられている。トンネル10において第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nが設けられた位置における壁16には、少なくとも複数の計測点18(18a、18b、18c、18d、18e)が設けられている。本実施例では、5つの計測点18a、18b、18c、18d、18eが設けられている。各計測点18a、18b、18c、18d、18eには、一例として光反射部として構成されたターゲット(図示せず)が配置される。
【0037】
図3に示すように、トンネル10内の内空変位を計測する担当者は、必要に応じてトンネル10内に光波測距器20を設置し、各第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nにおける計測点18(18a、18b、18c、18d、18e)に配置されたターゲット(図示せず)を目標として測距・測角を行い、各第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nにおける壁16の変位量及び変位状況を確認する。
【0038】
尚、本実施例において、第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nにおける光波測距器20を用いての変位確認は、変位の状態に応じて決められた頻度で、トンネル作業を中断するか、又は作業に支障にならないように配慮しながら実施される。
【0039】
<<<第1の実施例>>>
次いで、再度
図1を参照するに、トンネル10の基準位置X0における天端近傍にはレーザー光を設定された複数の方向に順番に照射可能な「レーザー照射装置」としてのトータルステーション22が設けられている。本実施例において、トータルステーション22は、
図1における+X軸方向側の予め設定された複数の方向にレーザー光を照射するように構成されている。また、本実施例において、トータルステーション22は、予め設定された複数の方向に順次切り換えて順番にレーザー光を照射することを繰り返すように設定されている。尚、トータルステーション22(レーザー照射装置)は、第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nの変位測定にも利用されることがあり、さらに自動視準による遠隔操作も可能な機能を有することもある。
【0040】
図2(B)を参照するに、第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nにおける壁16には、少なくとも複数の計測点26(26a、26b、26c)が設けられている。本実施例では、3つの計測点26a、26b、26cが設けられている。
【0041】
3つの計測点26a、26b、26cには、土中12と空間14とを仕切る壁16の変位を確認するための確認装置28が取り付けられている。
図4に示すように、一例として第2の変位確認部S2−nにおける計測点26bの位置に確認装置28が取り付けられている。
【0042】
確認装置28は、装置本体28aと、取り付け手段34とを備えている。また、装置本体28aは、壁16からの距離に応じて設けられた複数の受光領域30と、表示手段32と、目盛り40とを備えている。受光領域30及び表示手段32は取り付け手段34を介して壁16の壁面16aに取り付けられている。確認装置28は、壁16の壁面16aから壁16の変位の方向(
図4における矢印)に沿って延びている。取り付け手段34については受光領域30及び表示手段32の説明の後に説明する。
【0043】
本実施例では、受光領域30は4つの受光領域30a、30b、30c、30dを備えている。受光領域30aは、確認装置28が壁16に取り付けられた状態において、壁16から最も離れた位置に配置され、受光領域30b、30c、30dの順に壁16に近づくように配置されている。本実施例において、受光領域30a、30b、30c、30dは壁16の変位の方向(
図4における矢印)においてそれぞれ長さL3の領域として構成されている。
【0044】
各受光領域30a、30b、30c、30dには壁16の変位の方向(
図4における矢印)に沿って複数の受光器38が前記変位の方向に沿って配列されている。
【0045】
また、本実施例では表示手段32は、複数の表示部36を備えている。本実施例では、表示手段32は、4つの表示部36a、36b、36c、36dを備えている。また、本実施例において各表示部36a、36b、36c、36dは、LED発光部として構成されている。各表示部36a、36b、36c、36dは、受光領域30a、30b、30c、30dにそれぞれ対応するように構成されている。
【0046】
具体的には、受光領域30aの受光領域に配列された受光器38にトータルステーション22からのレーザー光が照射されると、レーザー光が入射した受光器38において検出信号が発せられる。そして、この検出信号に基づいて、入射した受光器38が配置された受光領域30aに対応する表示手段32の表示部36aが点灯するように構成されている。尚、受光領域30bに入射した際には表示部36bが点灯し、受光領域30cに入射した際には表示部36cが点灯し、受光領域30dに入射した際には表示部36dが点灯する。
【0047】
本実施例において、表示部36a、36b、36c、36dは後述する安全基準に基づいて、例えば表示部36aは安全な状態である通常体制として青色に発光・点灯し、表示部36bは注意が必要な状態である注意体制として緑色に発光・点灯し、表示部36cはより注意が必要な状態である要注意体制として黄色に発光・点灯し、表示部36dは厳重な注意が必要な状態である厳重注意体制として赤色に発光・点灯するように構成されている。
【0048】
また、各受光領域30a、30b、30c、30dに沿って、つまり壁16の変位の方向(
図4における矢印)に沿って一定間隔の目盛り40が設けられている。
【0049】
次いで
図5(A)及び
図5(B)を参照して取り付け手段34について説明する。取り付け手段34は、保持部42と、位置調整機構44と、壁面取り付け部46とを備えている。保持部42は、確認装置28において受光領域30が設けられた装置本体28aの端部(
図5における+Y軸方向側の端部)を保持する。また、保持部42は装置本体28aを着脱可能に保持しており、装置本体28aに対して取り付け手段34は交換可能に構成されている。
【0050】
また、位置調整機構44は、ハンドル部48とねじ50とを備えている。ねじ50には、雄ねじが形成されている。また、ハンドル部48には、ねじ50の雄ねじと噛み合う雌ねじが形成されている。つまり、ハンドル部48及びねじ50は送りねじ機構として構成されている。したがって、ハンドル部48をねじ50に対して回転させるとハンドル部48とねじ50との位置関係が変化し、装置本体28aの位置を調整することができる。
【0051】
また、壁面取り付け部46は、本実施例において磁石として構成されている。したがって、トンネル10の壁16の一部を構成する鋼製支保工52に着脱可能に取り付けることができる。
【0052】
この構成により、確認装置28が取り付けられた壁16の近傍の地山の変動が収まり、壁16の変位を確認する必要がなくなった際、確認装置28を前記壁から取り外して別の位置に再度取り付けて前記別の位置における壁16の変位を確認することができるので、確認装置28を再利用することができる。したがって、コストダウンを図ることができる。
【0053】
次いで、再度
図4を参照して確認装置28における壁16の変位の確認について説明する。
図4に示すように、受光領域30aにおいて壁16から最も離れた位置に配置された受光器を符号38aで示す。符号38aが付された黒丸の受光器は、トータルステーション22からのレーザー光を受光している状態である。
【0054】
この状態が壁16に取り付けた確認装置28における確認状態の初期状態である。尚、壁16に確認装置28が取り付けられる際、符号38aが付された受光器にトータルステーション22からのレーザー光が入射するように装置本体28aの壁16からの距離が取り付け手段34の位置調整機構44により調整される。
【0055】
次いで、トンネル10の壁16が土中12つまり地山からの圧力により
図4におけるY軸方向に変位すると、壁16の−Y軸方向への変位とともに確認装置28もY軸方向に変位する。具体的には、トンネル10の壁16が−Y軸方向に変位すると、確認装置28も−Y軸方向に変位する。
【0056】
ここで、トータルステーション22からのレーザー光は設定された方向へ照射されているので、前記レーザー光に対して受光領域30が−Y軸方向において変位することとなる。具体的には、トータルステーション22からのレーザー光に対する受光領域30の変位に伴って、レーザー光を受光する受光器38が、受光領域30aにおける受光器38aから受光領域30bにおける受光器38b、受光領域30cにおける受光器38c、受光領域30dにおける受光器38dと順に切り替わっていく。
【0057】
その結果、受光領域30aにトータルステーション22からのレーザー光が入射した状態で点灯していた表示部36aが、トータルステーション22からのレーザー光が受光領域30bの受光器38bに相対的に変位することにより、消灯する。次いで、トータルステーション22からのレーザー光が受光領域30bの受光器38bに入射することにより、表示部36bが点灯する。つまり、受光領域30a、30b、30c、30dがトータルステーション22からのレーザー光に対して変位することにより、表示部36a、36b、36c、36dの順に点灯状態が切り替わることとなる。
【0058】
したがって、本実施例では、壁16の変位に応じて確認装置28の表示手段32における表示部36が青色、緑色、黄色、赤色の順番に点灯状態が切り替わることとなるので、壁16の近傍で作業する複数の作業者に、視覚的に壁16の変位状況について知らせることができる。その結果、作業者間で安全に関する情報を共有することができ、壁16の変位に対する対応を迅速化することができる。したがって、壁16の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0059】
また、各受光領域30a、30b、30c、30dに沿って一定間隔の目盛り40が設けられているので、受光器38aに対応する目盛り40の位置を原点として設定し、その後壁16の変位によりレーザー光を受光する受光器が受光器38aから受光器38b、38c、38dのいずれかに切り替わった際、目盛り40において前記原点として設定した位置とレーザー光を受光する受光器38b、38c、38dのいずれかに対応する目盛り40上の位置との距離を容易に読み取ることができる。つまり、壁16における変位量を容易に確認することができる。
【0060】
また、トンネル10における内空変位の測定者も壁16の変位量を壁16の近傍で作業する作業者の作業の支障とならずに、容易に確認することができる。その結果、第1の変位確認部S1−nにおける壁16における内空変位の精密な測定の間においても壁16の変位量を把握することができ、壁16の変位に変化があれば、迅速に対処することが可能であるので壁16の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0061】
次いで
図6(A)、
図6(B)及び表1を参照して受光領域30における壁16の変位を検出するための設定距離L3について説明する。
【0063】
ここで、表1の縦軸に示すD3−aないしC1−aは、トンネル10が設置される地山の地盤の固さに応じて設定されている基準である。また、横軸に示すレベル1ないしレベル3は、トンネル10における壁16の変位量に応じた安全基準である。具体的に、レベル1とは通常体制を示し、レベル2とは注意体制を示し、レベル3とは要注意体制を示している。そして、表1内の数字は壁16の変位量(mm)を示している。
【0064】
また、D3−aを例に示すと、壁16が変位する際、壁16の変位量が0mmから19mmまでの間ではレベル1(通常体制)であり、壁16の変位量が19mmから38mmまでの間ではレベル2(注意体制)であり、壁16の変位量が38mmから56mmまでの間ではレベル3(要注意体制)あり、壁16の変位量が56mmを超えるとレベル4として厳重注意体制となるように設定されている。また、D3−aにおける各レベル間の変位量は19mmに設定されており、この19mmがレベル変更のための設定距離に設定されている。
【0065】
つまり、D3−aの地山に設置されるトンネル10において安全基準に基づいて各レベル間において19mm以上変位すると警戒態勢が1レベル引き上げられる構成となっている。したがって、このトンネル10においてレベル1からレベル4にそれぞれ対応する受光領域30a、30b、30c、30dにおける受光領域の長さL3は19mmに設定されている。
【0066】
そして、D2−a、D1−a、C2−a、C1−aに対応する地山に設置されるトンネル10における安全基準に基づく設定距離は、それぞれ15mm、9mm、4mm、4mmである。そして、受光領域30a、30b、30c、30dにおける受光領域の長さL3は、設定距離に対応してそれぞれ15mm、9mm、4mm、4mmに設定されている。
【0067】
したがって、確認装置28において、トンネル10の設置される地山の地盤の固さに応じて設定距離すなわち各受光領域30の長さL3の値が設定されることとなる。つまり、各受光領域30における長さL3は、設置されるトンネル10の地盤の固さに応じて異なる距離に設定される。尚、前記設定距離はあくまで、一例であり、前記設定距離は、トンネル10の設置される地山の地盤の固さの他、諸条件を考慮した上で設定される値である。
【0068】
図6(A)は、一例として設定距離(L3)を19mmに設定した際の受光器38eの配列を示している。また
図6(B)は、一例として設定距離(L3)を4mmに設定した際の受光器38fの配列を示している。ここで、確認装置28において受光領域30に配列される受光器38の大きさは、各設定距離(L3)に応じた大きさとすることができる。
【0069】
つまり、
図6(A)における受光領域30に配置可能な受光器38eの大きさは19mmを上限として設定されている。したがって、
図6(A)では受光器の大きさを19mmとし、壁16の変位方向(
図6(A)におけるY軸方向)において一列の配置としたが19mmよりも小さいサイズの受光器38を用いて壁16の変位方向(
図6(A)におけるY軸方向)において複数列の配置とすることもできる。
【0070】
また、
図6(B)においては、受光領域30に配置可能な受光器38fの大きさは4mmを上限として設定されており、その範囲内であれば、小さいサイズの受光器38を用いてもよい。尚、本実施例において、受光器38はフォトダイオードとして構成されている。
【0071】
つまり、各設定距離(L3)に対応した大きさの受光器38を受光領域30に配列することにより、設定距離(L3)に対応した壁16の変位を検出することができる。また、受光器38の大きさを設定距離(L3)に応じた大きさとすることができるので、受光領域30に配列される受光器38の数を最適な数とすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0072】
次いで
図7を参照して、第1の実施例における確認装置28を用いた壁16の変位の確認方法について説明する。
【0073】
図1及び
図4に示すように第2の変位確認部S2−nにおける壁16の計測点26a、26b及び26cにそれぞれ確認装置28が取り付けられている状態において、ステップS1として、基準位置X0(
図1参照)に配置されたトータルステーション22からトンネル10の掘進方向(
図1における+X軸方向)に沿って予め設定された方向にレーザー光が照射される。
【0074】
尚、本実施例においてトータルステーション22のレーザー光の設定された方向とは、1つの方向のみを指しているのではなく、各第2の変位確認部S2−nにおける確認装置28において変位を確認できるように複数の方向が設定されている。つまり、トータルステーション22は、複数の設定方向を順次切り換えてレーザー光を照射する。尚、トータルステーション22におけるレーザー光の複数の設定方向における照射の切換時間を短くすることにより、各確認装置28におけるレーザー照射間隔を短くすることができるので、1つの確認装置28において常時レーザー光を受光し続けて壁16の変位を確認することとほぼ同じ効果を得ることができる。
【0075】
次いでステップS2は、トータルステーション22からのレーザー光が確認装置28の受光領域30において受光した際、その受光領域30がレベル1の受光領域30aであるか否かにおいてステップS3又はステップS5を選択する。受光した受光領域30がレベル1の受光領域30aである場合、ステップ3において、レベル1として通常体制に対応する情報が表示部36に表示される。本実施例では、表示部36aが青色に点灯し、近傍の作業者に対して壁16の変位状況が通常体制であると知らせる。
【0076】
ステップ4として、壁16の変位状況が通常体制であるので、トータルステーション22から一定時間毎にレーザー光が照射され、各第2の変位確認部S2−nにおける確認装置28において定時計測が実施される。そして、壁16の変位がレベル1の設定距離(L3)を超えなければ、ステップS1からステップS4を繰り返す。
【0077】
ステップS2において、トータルステーション22からのレーザー光が確認装置28の受光領域30において受光した際、その受光領域30がレベル1の受光領域30aでない場合、ステップS5が選択される。そしてステップS5として受光領域30がレベル2の受光領域30bであるか否かにおいてステップS6又はステップS10を選択する。
【0078】
受光した受光領域30がレベル2の受光領域30bである場合、ステップS6において、レベル2として注意体制に対応する情報が表示部36に表示される。本実施例では、表示部36bが緑色に点灯し、近傍の作業者に対して壁16の変位状況が注意体制であると知らせる。
【0079】
次いでステップS7として、トータルステーション22及び確認装置28における定時計測の回数を増やして計測頻度の強化を行う。更にステップS8において、現場点検としてトンネル10の内空変位の計測担当者が、
図3に示すように光波測距器20を用いて第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、S1−nにおける壁16の変位を確認する。また、ステップ9において、確認装置28の表示手段32だけでなく、現場責任者等から壁16の変位状況について作業者への注意を強化する。その後、ステップ1に戻り、壁16の変位を再度、確認する。
【0080】
ステップS5において、トータルステーション22からのレーザー光が確認装置28の受光領域30において受光した際、その受光領域30がレベル2の受光領域30bでない場合、ステップS10が選択される。そしてステップS10として受光領域30がレベル3の受光領域30cであるか否かにおいてステップS11又はステップS14を選択する。
【0081】
受光した受光領域30がレベル3の受光領域30cである場合、ステップS11において、レベル3として要注意体制に対応する情報が表示部36に表示される。本実施例では、表示部36cが黄色に点灯し、近傍の作業者に対して壁16の変位状況が要注意体制であると知らせる。
【0082】
次いでステップS12として、トータルステーション22及び確認装置28における定時計測の回数を増やして計測頻度の強化を行う。更に、ステップS13として壁16の変位を抑制すべく対策工が実施される。本実施例では、一例として増しロックボルト及びレッグボルトの少なくとも1つの対策が実施される。その後、ステップ1に戻り、壁16の変位を再度、確認する。
【0083】
ステップS10において、トータルステーション22からのレーザー光が確認装置28の受光領域30において受光した際、その受光領域30がレベル3の受光領域30cでない場合、ステップS14が選択される。受光した受光領域30がレベル4の受光領域30dである場合、ステップS14において、レベル4として厳戒注意体制に対応する情報が表示部36に表示される。本実施例では、表示部36dが赤色に点灯し、近傍の作業者に対して壁16の変位状況が厳戒注意体制であると知らせる。
【0084】
次いで、ステップS15としてトンネル10の施工が停止される。そして、ステップS16として少なくとも3つの確認装置28の表示手段32に表示された情報に基づいて変位の方向及び変位量を確認し、これらの情報とステップS8で得られた情報に基づいてトンネル10内における壁16の変状要因・傾向について解析される。そしてステップS17としてトンネル10の補強が検討され、ステップS18としてトンネル10において前記検討された補強が実施される。本実施例では、一例としてインバート早期併合が実施される。その後、ステップ1に戻り、壁16の変位を再度、確認する。
【0085】
上記説明をまとめると、壁16に取り付けられた確認装置28における壁16からの距離に応じて設けられた複数の受光領域30a、30b、30c、30dのいずれかにおいて、基準位置X0から設定された方向に照射されたレーザー光を受光すると、該レーザー光を受けた受光領域30からの検出信号に応じて、壁16の変位に対応する安全に関するレベル1からレベル4のいずれかの情報を表示手段32に表示することができる。また、例えば、基準位置X0からのレーザー光を受光領域30a、30b、30c、30dのいずれかで連続的又は極短い時間間隔で受けることにより、表示手段32に壁16の変位に対応する安全に関する情報を表示し続けることができる。その結果、壁16の近傍で作業する作業員は、内空変位の測定担当者に頼らずとも、現在の壁16の変位状況を知ることができ、安全な環境で作業を継続することができる。
【0086】
また、トータルステーション22からレーザー光を連続的又は極短い時間間隔で照射することにより、表示手段32に壁16の変位状況のレベルの変化を速やかに表示することができる。その結果、内空変位の担当者はレベルの変化の表示から時間をおかずに異変の生じた壁16における変位を再確認することができる。そして、再確認した壁16の変位状況の情報に基づいて壁16の変位を抑制する工程を行うことができるので、壁16の変位の異変を検出してから迅速に抑制することができ、壁16の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施例では、第2の変位確認部S2−nにおいて壁16の変位の確認を行い、壁16の変位の状態に応じて現在の壁16の状態が安全であるか否かを表示手段32に表示する。
【0088】
また、再度
図1を参照するに、トンネル10は工事の進捗とともにその先端が掘削されて、基準位置X0から+X軸方向に沿って基準位置X0から離れていく。したがって、トンネル10が完成するまで、基準位置X0から離れる方向に新たな第1の変位確認部S1−n及び新たな第2の変位確認部S2−nが配置されていくこととなる。ここで、新たに掘削した部分では、地山の変動が大きいことから新たに配置した第1の変位確認部S1−n及び第2の変位確認部S2−nにおいては、壁の変位の測定を頻繁に行う必要がある。
【0089】
これに対し、基準位置X0に近い側のトンネル10の部分では、掘削されてから時間が経過することにより壁16に作用する地山の応力が緩和され、地山が安定してくるので基準位置X0に近い側のトンネルの壁16に作用する力が減少し、壁16の変位は減少していくこととなる。したがって、基準位置X0に近い側における第2の変位確認部S2−nにおける壁16の変位確認の頻度を減らすことができる。
【0090】
また、基準位置X0に近い側における壁16の変位が大きく減少し、ほぼ変位がなくなったと思われる場合には、例えば、基準位置X0に近い側における第2の変位確認部S2−1、S2−2及びS2−3に設けられた確認装置28を壁16から取り外して、新たにトンネル10の先端部分に配置された複数の第2の変位確認部S2−nに取り付け、再配置することができる。その結果、トンネル10において確認装置28を再配置しない場合に比べて少ない数の確認装置28で壁16の変位を確認することができ、コストダウンを図ることができる。
【0091】
<<<第1の実施例の変更例>>>
(1)本実施例において、受光領域30は4つのレベルに対応するように構成したが、この構成に代えて、さらに複数の受光領域を設けて多くのレベルに対応するように構成してもよい。この場合、表示手段32においても、増加した受光領域に対応するように表示部36の数を増やしてもよい。
(2)また、本実施例において、表示部36はLED発光部として構成したが、回転灯やライト等で構成してもよく、単に点灯するだけでなく、点滅や光の強弱等視覚に訴える発光の仕方をするように構成してもよい。
【0092】
(3)本実施例において、受光器38はフォトダイオードとして構成したが、この構成に代えて、フォトダイオードに集光レンズを組み合わせたものや光ファイバー等であってもよい。すなわち、本実施例における受光器38とは、トータルステーション22からのレーザー光を受光した際に前記レーザー光の受光を検出できる構成であればよい。
(4)本実施例において、表示手段32は表示部36の発光の仕方により壁16の変位に対応する安全に関する情報を表示する構成としたが、この構成に代えて、表示手段32は
文字、記号及び図形の少なくとも一つにより前記壁の変位に対応する情報を表示するものであってもよく、音により前記壁の変位に対応する情報を表示するものであってもよい。
【0093】
表示手段32が文字、記号及び図形の少なくとも一つにより前記壁の変位に対応する情報を表示する場合、壁16の近傍で作業する複数の作業者に、壁16の変位状況について知らせることができるとともに壁16の変位状況に対応する指示を与えることができる。その結果、壁16の変位に対する対応を迅速化させことができるので、壁16の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0094】
また、表示手段32が音により前記壁の変位に対応する情報を表示する場合、壁16の近傍で作業する複数の作業者の聴覚に壁16の変位に対応する安全に関する情報を届けることができ、前記情報の周知を確実にすることができる。その結果、壁16の近傍における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0095】
(5)本実施例において、取り付け手段34は、鋼製支保工52に着脱可能に取り付けるため、壁面取り付け部46を磁石として構成したが、この構成に代えて
図8(A)及び
図8(B)に示すようにトンネルの壁16に吹き付けられた吹付けコンクリート54に打ち込んで取り付ける構成としてもよい。この構成では壁面取り付け部46に代えてアンカー56が取り付け手段34に設けられる。
(6)また、本実施例では、レベル3の要注意体制において増しロックボルト及びレッグボルトの少なくとも1つの対策が実施される構成であるが、この構成に代えてレベル2の注意体制において増しロックボルト及びレッグボルトの少なくとも1つの対策が実施される構成としてもよい。また、本実施例では、トンネル10の壁16の変位を抑制する対策を増しロックボルト、レッグボルト及びインバート早期併合としたが、これらの工法以外の工法をトンネル10の壁16の変位を抑制する対策としてもよい。
【0096】
(7)また、本実施例において第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nの間隔を一定の距離L1として設定したが、この構成に代えて、第1の変位確認部間の距離をそれぞれ別々の距離としてもよい。また、同様に第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−n間においても一定の距離L2に代えて、それぞれ別々の距離としてもよい。
(8)また、本実施例において、確認装置28は、第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nにおける壁16において3つの計測点26a、26b、26c、すなわち壁16の天頂部と側面部とに取り付けられる構成としたが、この構成に代えて、確認装置28をトンネル10の床面部に取り付ける構成としてもよい。
(9)また、本実施例では、第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nにおける壁16の変位に応じて、第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nに光反射部として構成されたターゲット(図示せず)を設置して第1の変位確認部S1−1、S1−2、S1−3、・・・S1−nとして壁16の変位を詳細に確認する工程を実施するように構成してもよい。
(10)また、本実施例において、第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nにおける壁16の天頂部に確認装置28を設けることにより、
図4におけるZ軸方向、つまり、トンネル10の基準位置X0におけるZ軸方向の高さを基準としてトンネル10の沈下を確認することができる。
【0097】
<<<第2の実施例>>>
図9及び
図10を参照して、第2の実施例に係る確認装置について説明する。トンネル10において基準位置X0(
図1参照)から掘進によりトンネル10の先端部が離れた際、トンネル10の先端部が
図1におけるZ軸方向に変位することがある。つまり、トンネル10の基準位置X0におけるZ軸方向における高さを0基準とした際、トンネル10の先端部が−Z軸方向に沈下することがある。本実施例では確認装置70によりトンネル10の壁の変位に加えてトンネル10の沈下も併せて確認する。
【0098】
図9及び
図10を参照するに、第2の実施例に係る確認装置70が示されている。第1の実施例に係る確認装置28が所定の方向(
図4の例ではY軸方向)における変位の状況を確認する構成に対して、第2の実施例に係る確認装置70は複数の方向(
図9及び
図10におけるY軸方向、Z軸方向及びYZ軸方向)における変位の状況を確認することができる点で第1の実施例と異なる。
【0099】
本実施例における確認装置70も第2の変位確認部S2−1、S2−2、S2−3、・・・S2−nにおける壁16に設けられた3つの計測点26a、26b、26cに着脱可能に取り付けられている。
図9に示すように、一例として確認装置70は第2の変位確認部S2−nにおける壁16の計測点26bの位置に取り付けられている。
【0100】
確認装置70は、装置本体70aと、取り付け手段34とを備えている。また、装置本体70aは、複数の受光領域72a、72b、72c、72dと、表示手段32と、目盛り40、40とを備えている。受光領域72及び表示手段32は取り付け手段34を介して壁16の壁面16aに取り付けられている。本実施例において確認装置70は、
図9及び
図10におけるY軸方向の長さとZ軸方向の長さが同じに設定されている。尚、確認装置70におけるY軸方向の長さとZ軸方向の長さは適宜自由に設定でき、一例としてY軸方向の長さに対してZ軸方向の長さを2倍と設定することも可能である。
【0101】
確認装置70において受光領域72aは、複数の受光器38を備えている。本実施例において受光領域72aは、正方形状に形成されている。つまり、受光領域72aには
図9及び
図10におけるY軸方向及びZ軸方向にそれぞれ同じ数の受光器38が取り付けられている。次いで、本実施例では受光領域72b、72c、72dは、それぞれクランク状に形成されている。
図9及び
図10において、受光領域72aは、+Y軸方向及び+Z軸方向において受光領域72bと隣接し、受光領域72bは+Y軸方向及び+Z軸方向において受光領域72cと隣接し、受光領域72cは+Y軸方向及び+Z軸方向において受光領域72dと隣接している。
【0102】
また、本実施例においても確認装置70における受光領域72a、72b、72c、72dは、壁16の変位を確認するため、壁16の変位方向(
図9及び
図10におけるY軸方向)において壁16からの距離に応じて前記安全基準に基づいて配置されている。
【0103】
また、本実施例においても、受光領域72a、72b、72c、72dは、表示部36a、36b、36c、36dと対応し、受光領域72aでトータルステーション22からのレーザー光を受光した際、表示部36aが点灯し、受光領域72bでトータルステーション22からのレーザー光を受光した際、表示部36bが点灯し、受光領域72cでトータルステーション22からのレーザー光を受光した際、表示部36cが点灯し、受光領域72dでトータルステーション22からのレーザー光を受光した際、表示部36dが点灯するように構成されている。
【0104】
さらに、本実施例において目盛り40、40は、装置本体70aにおいて
図9におけるY軸方向に延びるように配置されているだけでなく、
図9におけるZ軸方向にも延びるように配置されている。つまり、本実施例では、Y軸方向における変位量だけでなく、Z軸方向における変位量も確認することができる。
【0105】
次いで、
図9を参照して、確認装置70におけるZ軸方向の変位の確認について説明する。尚、確認装置70におけるY軸方向の変位の確認については、第1の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0106】
図9において確認装置70が壁16に取り付けられ、最初にトータルステーション22からのレーザー光を受光した受光器を受光器38gとする。トンネル10における基準位置X0におけるZ軸方向の高さを0基準とした際、確認装置70が取り付けられた第2の変位確認部S2−nが−Z軸方向に変位すると、確認装置70も併せて−Z軸方向に変位する。これに対して、トータルステーション22からのレーザー光は確認装置70に対して相対移動するので+Z軸方向に移動する。
【0107】
これにより、−Z軸方向の変位量に応じてトータルステーション22からのレーザー光を受光する受光器が受光器38g、受光器38h、受光器38i、受光器38jのように変化する。したがって、確認装置70はZ軸方向における変位を受光領域72a、72b、72c、72dで確認して、対応する表示部36a、36b、36c、36dにおいて前記安全基準に基づく情報を表示することができる。
【0108】
トンネル10において、壁16の変位及び−Z軸方向におけるトンネル10の沈下が同時に生じる場合がある。この場合における確認装置70におけるYZ軸方向の変位の確認について
図10を参照して説明する。
図10においても確認装置70が壁16に取り付けられ、最初にトータルステーション22からのレーザー光を受光した受光器を受光器38gとする。
【0109】
壁16が−Y軸方向に変位すると確認装置70も−Y軸方向に変位し、確認装置70が設けられた第2の変位確認部S2−nがトンネル10の基準位置X0におけるZ軸方向の高さを0基準とした際、−Z軸方向に変位すると確認装置70も−Z軸方向に変位する。したがって、−Y軸方向の変位と−Z軸方向の変位とが合成され、確認装置70は−YZ軸方向に変位する。これに対して、トータルステーション22からのレーザー光は確認装置70に対して相対移動するのでYZ軸方向に移動する。
【0110】
つまり、YZ軸方向の変位量に応じてトータルステーション22からのレーザー光を受光する受光器が受光器38g、受光器38k、受光器38m、受光器38nのように変化する。したがって、確認装置70はZ軸方向における変位を受光領域72a、72b、72c、72dで確認して、対応する表示部36a、36b、36c、36dにおいて前記安全基準に基づく情報を表示することができる。
【0111】
したがって、本実施例における確認装置70は、壁16の変位に加えて、トンネル10の沈下も併せて、つまり受光領域72における二次元的な変位を確認することができる。また、受光領域72で得られた壁16の変位及びトンネル10における沈下の発生を表示手段32により前記安全基準に基づいた情報を作業者に提示することができる。
【0112】
<<<第3の実施例>>>
図11を参照して、第3の実施例に係る「第1領域」としての土中と「第2領域」としての空間とを仕切る壁の変位を確認する確認装置について説明する。
図11を参照するに、第3の実施例における土中の構造物の一例としての掘削状態における縦坑60が示され、更に土中と空間とを仕切る壁として土留め壁62が示されている。第1の実施例が横坑における壁の変位を確認する構成に対して、第3の実施例は縦坑における壁の変位を確認する点で第1の実施例と異なる。
【0113】
図11において、縦坑入口から地中に向けて延びる土留め壁62、62が設けられている。土留め壁62と土留め壁62との間には、地上から適宜距離を置いた位置で複数の切梁材64が設けられている。切梁材64は、土留め壁62が地山から受ける応力に抗して土留め壁62を支えている。そして、縦坑60が
図11における−Z軸方向に掘削して深くなるにつれて、切梁材64も−Z軸方向に適宜距離を置きながら新たに配置され、土留め壁62の応力による変位を抑制する。
【0114】
また、本実施例において確認装置28は、縦坑入口から縦坑の掘削先端部に向けて適宜距離を置いて土留め壁62に複数設けられている。確認装置28は土留め壁62の変位方向すなわち
図11におけるY軸方向に沿って延びている。
【0115】
また、本実施例においてトータルステーション22は、縦坑入口の近傍において土留め壁62の外側に配置され、さらに土留め壁62の変位の影響を受けない基礎構造物66上に配置されている。また、本実施例では、縦坑入口の外側にトータルステーション22が配置されているので、1つのトータルステーション22では縦坑60内においてレーザー光を照射できない領域が生ずる。
【0116】
このため、本実施例では、2つのトータルステーション22が縦坑入口において互いに対向する位置に設けられている。そして、各トータルステーション22は、対向するトータルステーション22側に位置する土留め壁62において設定された方向または設定された位置にレーザー光を照射する。このレーザー光を土留め壁62に設けられた確認装置28の受光領域30が受光し、土留め壁62の変位に対応して安全に関する情報を表示手段32に表示するように構成されている。
【0117】
本実施例でも、各確認装置28における表示手段32に安全に関する情報が表示されるので、縦坑60内における作業環境の安全性を向上させることができる。
【0118】
<<<第3の実施例の変更例>>>
(1)本実施例では、トータルステーション22を2つ設ける構成としたが、トータルステーション22を縦坑60の中央部近傍において縦坑入口より上方(
図11における+Z軸方向)に設ける構成とすることにより1つのトータルステーション22で縦坑60内の全ての確認装置28において土留め壁62の変位を確認する構成としてもよい。
(2)本実施例ではで縦坑60内に確認装置28を配置する構成としたが、この構成に代えて第2の実施例に係る確認装置70を配置する構成としてもよい。
【0119】
<<<第4の実施例>>>
図12を参照して、第4の実施例について説明する。第4の実施例において確認装置28は、ビルディング等の建造物68の壁に設けられている。具体的には、確認装置28は「第1領域」としての建造物の内部と「第2領域」としての建造物の外部とを仕切る壁の変位を確認するように建造物68に取り付けられている。
【0120】
本実施例では、建造物68の外部に設置されたトータルステーション22から設定された方向に照射されたレーザー光を確認装置の受光領域30が受光し、表示手段32に前記壁の変位が表示されるように構成されている。
【0121】
<<<第4の実施例の変更例>>>
(1)本実施例では、確認装置28をビルディング等の建造物68に取り付ける構成としたが、この構成に代えて橋梁や鉄塔等に取り付ける構成としてもよい。
(2)本実施例ではでビルディング等の建造物68に確認装置28を取り付ける構成としたが、この構成に代えて第2の実施例に係る確認装置70を取り付ける構成としてもよい。
【0122】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。