特許第6072041号(P6072041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6072041相変化封止剤を有する抵抗加熱した外科用ステープルカートリッジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072041
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】相変化封止剤を有する抵抗加熱した外科用ステープルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20170123BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】19
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-530716(P2014-530716)
(86)(22)【出願日】2012年9月10日
(65)【公表番号】特表2014-531239(P2014-531239A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012054397
(87)【国際公開番号】WO2013039818
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】13/230,994
(32)【優先日】2011年9月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ブリューワー・ディーン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・コリー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】シュミッド・キャサリン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】スウェンスガード・ブレット・イー
(72)【発明者】
【氏名】ドーンチ・ウィリアム・エイ
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−327684(JP,A)
【文献】 特表2005−514102(JP,A)
【文献】 特表2003−506190(JP,A)
【文献】 特開2009−240798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.エンドエフェクタであって、
(1)下部つかみ具と、
(2)枢動可能なアンビルと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、器具と、
(b)前記エンドエフェクタに挿入可能なステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
(1)前記上部デッキ内に形成され、前記上部デッキの近位端から長手方向に延在する、縦スロットであって、切断エッジが、前記縦スロットを通して長手方向に移動可能である、縦スロットと、
(2)複数のステープルアパーチャと、を備える、カートリッジ本体と、
ii.前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、1つ又は2つ以上のステープルドライバと、
iii.前記1つ又は2つ以上のステープルドライバの上に配設されている複数のステープルであって、前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、複数のステープルと、
iv.前記カートリッジ本体内に配設され、電源に選択的に接続される、抵抗部材と、
v.前記抵抗部材と連通する少なくとも一部分を有する、医療用封止剤と、を備える、ステープルカートリッジと、を備え、
前記抵抗部材に電源が接続されると、前記抵抗部材が前記医療用封止剤を加熱し、前記封止剤を蒸発、液化、噴霧化、又は任意の流体及び/若しくは気体形態に変化させて、前記カートリッジから放出され得るように構成されている、装置。
【請求項2】
前記抵抗部材が、抵抗ストリップを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下部つかみ具が、導体を備え、前記導体が、選択的に電源と連結されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記抵抗ストリップが、ストリップ接点を備え、前記導体が、導体接点を備え、前記ストリップ接点が、前記導体接点に電気的に連結するように動作可能である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ストリップ接点の少なくとも一部分が、前記複数のステープルアパーチャと実質的に垂直方向に整列している、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記医療用封止剤が、複数の封止剤パッドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記封止剤パッドのそれぞれの少なくとも一部分が、前記複数のステープルアパーチャと実質的に垂直方向に整列している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ又は2つ以上のステープルドライバが、前記1つ又は2つ以上のステープルドライバを通して垂直方向に延在するアパーチャを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ又は2つ以上のステープルドライバが、前記1つ又は2つ以上のステープルドライバの一方の側に垂直方向に延在するノッチを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記医療用封止剤が、解重合性シアノアクリレート又は噴霧可能な熱可塑性ウレタンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記医療用封止剤が、蒸発性の薬剤又は調合薬である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記カートリッジ本体が、前記カートリッジ本体のベース部分の中に形成されたチャネルを備え、前記抵抗部材及び前記医療用封止剤が、前記チャネル内に配設されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記抵抗部材に連結され、前記抵抗部材を電源に電気的に連結するように動作可能である接点を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジ本体が、支持部分を有する近位端を備え、前記接点が、前記支持部分上に位置する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記電源が、前記器具内に収容される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
内視鏡外科用装置であって、
(a)上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
i.前記上部デッキ内に形成され、前記上部デッキの近位端から長手方向に延在する、縦スロットと、
ii.複数のステープルアパーチャと、を備える、カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、1つ又は2つ以上のステープルドライバと、
(c)複数のステープルであって、前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、複数のステープルと、
(d)前記カートリッジ本体内に配設され、電源に選択的に接続される、複数の抵抗部材と、
(e)前記複数の抵抗部材と連通する少なくとも一部分を有する、医療用封止剤と、
(f)前記複数の抵抗部材に連結され、前記複数の抵抗部材を電源に電気的に連結するように動作可能である、接点と、を備え、
前記複数の抵抗部材の少なくともいずれかに電源が接続されると、当該抵抗部材が前記医療用封止剤を加熱し、前記医療用封止剤を蒸発、液化、噴霧化、又は任意の流体及び/若しくは気体形態に変化させて、前記カートリッジ本体から放出され得るように構成されている、内視鏡外科用装置。
【請求項17】
前記カートリッジ本体内に形成された複数のチャネルを更に備え、前記複数の抵抗部材が、前記複数のチャネル内に配設されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
ポートを更に備え、前記ポートが、前記複数のチャネルのうちの2つ又は3つ以上の間で流体連通を提供するように構成される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記医療用封止剤の少なくとも一部分が、前記複数のチャネルのうちの1つ又は2つ以上のチャネルと流体連通するリザーバ内に収容される、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適していることがある。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを有することがある。そのようなシャフトは、所望の深さへの挿入とシャフトの縦軸のまわりの回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。エンドエフェクタの位置決めは、シャフトの長手方向軸に対してエンドエフェクタを選択的にジョイント曲げ又は偏向することを可能にする1つ又は2つ以上のアーティキュレーションジョイント若しくは機構を含めることによって、更に促進することができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例としては外科用ステープラーが挙げられる。かかるステープラーのいくつかは、組織層をクランプし、クランプした組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって組織層の切断された端の近くで組織層をともに実質的に封着するように動作可能である。あくまで例としての外科用ステープラーは、米国特許第4,805,823号(1989年2月21日発行の「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」)、同第5,415,334号(1995年5月16日発行の「Surgical Stapler and Staple Cartridge」)、同第5,465,895号(1995年11月14日発行の「Surgical Stapler Instrument」)、同第5,597,107号(1997年1月28日発行の「Surgical Stapler Instrument」)、同第5,632,432号(1997年5月27日発行の「Surgical Instrument」)、同第5,673,840号(1997年10月7日発行の「Surgical Instrument」)、同第5,704,534号(1998年1月6日発行の「Articulation Assembly for Surgical Instruments」)、同第5,814,055号(1998年9月29日発行の「Surgical Clamping Mechanism」)、同第6,978,921号(2005年12月27日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−Beam Firing Mechanism」)、同第7,000,818号(2006年2月21日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」)、同第7,143,923号(2006年12月5日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」)、同第7,303,108号(2007年12月4日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi−Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」)、同第7,367,485号(2008年5月6日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」)、米同第7,380,695号(2008年6月3日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」)、同許第7,380,696号(2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two−Piece E−Beam Firing Mechanism」)、同第7,404,508号(2008年7月29日発行の「Surgical Stapling and Cutting Device」)、同第7,434,715号、(2008年10月14日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」)、同第7,721,930号(2010年5月25日発行の「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」)に開示されている。これらの米国特許のそれぞれの開示内容を本願にその全容にわたって援用するものである。参考として上述した外科用ステープラーは、内視鏡手技において使用されるものとして記載されているが、かかる外科用ステープラーは、開口手技及び/又は他の非内視鏡手技でも使用することができることを理解されたい。
【0003】
様々な種類の外科用ステープル器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、付属の請求項に記載されている本発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書に組み込まれると共に本明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
図1A】関節動作位置にあるエンドエフェクタを有する関節動作外科器具の斜視図を示す。
図1B】関節動作していない位置にあるエンドエフェクタを有する図1Aの手術器具の斜視図を示す。
図2図1A図1Bの手術器具の開いたエンドエフェクタの斜視図を示す。
図3A】発射バーが近位位置にある、図2の線3−3に沿った図2のエンドエフェクタの側断面図を示す。
図3B図2の線3−3に沿った図2のエンドエフェクタの側断面図であるが、発射バーが遠位位置にある状態を示している。
図4図2の線4−4に沿った図2のエンドエフェクタの端断面図を示す。
図5図2のエンドエフェクタの分解斜視図を示す。
図6】組織に位置づけ、かつ組織内で1回作動された後の、図2のエンドエフェクタの斜視図を示す。
図7】例示のステープルカートリッジの斜視図を示す。
図8A図7のカートリッジの部分側断面図を示す。
図8B】ステープルドライバを垂直方向にカムするウェッジスレッドを示す、図8Aの側断面図の一部分を示す。
図8C】封止剤を蒸発させる抵抗ストリップを示す、図8Aの側断面図の一部分を示す。
図8D】ステープルドライバチャネルを通じて放出される蒸発した封止剤を示す、図8Aの側断面図の一部分を示す。
図9】ステープルカートリッジの例示の代替配置の部分側断面図を示す。
図10】ステープルカートリッジの更に別の例示の配置の部分側断面図を示す。
図11】ステープルカートリッジ本体内に形成された一対の例示のチャネルの部分斜視図を示す。
図12図1A〜1Bの器具の下部つかみ具に連結するチャネルを有する、例示のステープルカートリッジの部分斜視図を示す。
図13】ステープルドライバアパーチャを有する例示のステープルドライバの斜視図を示す。
図14】一対のノッチを有する代替の例示のステープルドライバの斜視図を示す。
図15】複数の統合された抵抗ストリップ及び封止剤を有する、更に別の例示のステープルドライバの側断面図を示す。
図16図1A〜1Bの器具のエンドエフェクタの部分側断面図を示す。
【0005】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0007】
I.例示の外科用ステープラー
図1図6は、外科手術を行うために、図1Aに示すような非関節動作状態でトロカールカニューレ通路を通って患者の体内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示的な外科ステープル用及び切断用の器具(10)を図示している。外科手術、ステープル留め、及び切断する器具(10)は、実施部分(22)に接続されたハンドル部分(20)を含み、実施部分は、アーティキュレーション機構(11)において遠位に終端するシャフト(23)と、遠位に取り付けられたエンドエフェクタ(12)と、を更に備える。アーティキュレーション機構(11)及び遠位のエンドエフェクタ(12)がトロカールのカニューレ通路を通じて挿入された後、図1Bに図示されているように、アーティキュレーションコントロール(13)によってアーティキュレーション機構(11)を遠隔的にアーティキュレーション操作することができる。そのようにして、エンドエフェクタ(12)は、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達する若しくは組織に近づくことができる。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位のハンドル部分(20)に対して遠位である。便宜上、また説明を明確にするため、本願では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、手術器具は、多くの配向及び配置において使用され、これらの用語は、制限的及び絶対的であることが意図されない。
【0008】
この例のエンドエフェクタ(12)は下部つかみ具(16)及び枢動可能なアンビル(18)を含む。ハンドル(20)はピストル把持部(24)を含み、臨床医がピストル把持部(24)に向かって閉鎖トリガー(26)を枢動して引くことにより、エンドエフェクタ(12)の下部つかみ具(16)に向かってアンビル(18)のクランプすなわち閉鎖が引き起こされる。そのようなアンビル(18)の閉鎖は、ピストル把持部(24)に対する閉鎖トリガー(26)の枢動に応じてハンドル部分(20)に対して長手方向に移動する最も外側の閉鎖スリーブ(32)を通じてもたらされる。閉鎖スリーブ(32)の遠位の閉鎖リング(33)は、実施部分(22)の枠(34)によって間接的に支持される。アーティキュレーション機構(11)にて、閉鎖スリープ(32)の近位側の閉鎖管(35)は遠位部分(閉鎖リング)(33)と連通している。枠(34)は、アーティキュレーション機構(11)を介して下部つかみ具(16)に偏向可能に取り付けられて、単一の平面でのアーティキュレーションを可能にする。枠(34)はまた、発射トリガー(28)からの発射運動を発射バー(14)に伝えるためにシャフト(23)を通じて延在する発射駆動部材(図示せず)を長手方向に摺動可能に支持する。発射トリガー(28)は、閉鎖トリガー(26)より更に外側寄りにあり、以下に詳細に説明するように、これが臨床医によって枢動式するように引かれると、エンドエフェクタ(12)にクランプされている組織にステープルが打ち込まれ、組織が切断される。その後、開放ボタン(30)を押してエンドエフェクタ(12)から組織を開放する。
【0009】
図2図5は、数多くの機能を実行するために光線発射バー(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を図示している。図3A〜3Bに最もわかりやすく図示されているように、発射バー(14)は横断方向に配向された上方のピン(38)と、発射バーキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位側に提供された切断エッジ(48)と、を含む。上方のピン(38)は、アンビル(18)のアンビルポケット(40)の内部に位置づけられており、平行に移動可能である。発射バーキャップ(44)は、下部つかみ具(16)を通じて形成されたチャネルスロット(45)(図3Bに図示)を通じて延在する発射バー(14)を有することによって、下部つかみ具(16)の下側表面と摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射バーキャップ(44)と協動する下部つかみ具(16)の上面と摺動可能に係合する。そのようにして、発射バー(14)は、発射中にエンドエフェクタ(12)の間隔を確実的に取り、クランプされる組織の量が最低限の状態でのアンビル(18)と下部つかみ具(16)の間に生じる場合のあるピンチングを克服し、クランプされた組織の量が多過ぎる状態でのステープルの不良形成を克服する。
【0010】
図2は、近接して配置されている発射バー(14)、及び、未使用のステープルカートリッジ(37)を下部つかみ具(16)のチャネルの中に着脱可能に装着できるように、開放位置まで旋回しているアンビル(18)を示す。図4〜5に最もわかりやすく示されているように、この例のステープルカートリッジ(37)はカートリッジ本体(70)を含み、カートリッジ本体は上部デッキ(72)を提供し、下方のカートリッジトレー(74)と連結されている。図2に最もわかりやすく示されているように、ステープルカートリッジ(37)の部分を通じて縦スロット(49)が形成されている。また、図2には、縦スロット(49)の一方の側に上部デッキ(70)を通じて形成された3列のステープルアパーチャ(51)及び、縦スロット(49)のもう一方の側に上部デッキ(70)を通じて形成された3列のステープルアパーチャ(51)が図示されている。再び図3〜5を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)がカートリッジ本体(70)とトレー(74)の間に捉えられており、ステープルドライバ(43)に対して近位に楔形スレッド(41)が位置づけられている。楔形スレッド(41)はステープルカートリッジ(37)の内部で長手方向に移動可能であり、一方、ステープルドライバ(43)はステープルカートリッジ(37)の内部で垂直方向に移動可能である。ステープル(47)もまたカートリッジ本体(70)の内部に、対応するステープルドライバ(43)の上に位置づけられる。具体的には、それぞれのステープル(47)はステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)の内部で垂直方向に駆動されて、関連付けられたステープルアパーチャ(51)を通してステープル(47)を外へと駆動する。図3A〜3B及び図5に最もよく図示されているように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通じて遠位方向に駆動されるにつれてステープルドライバ(43)を上方に促すように傾斜したカム表面を呈する。
【0011】
図3Aに示されるようにエンドエフェクタ(12)が閉じられている状態で、上方のピン(38)を長手方向のアンビルスロット(42)に入れることによって、発射バー(14)がアンビル(18)と係合して前進する。押しブロック(80)は、発射バー(14)の遠位端に配置され、発射バー(14)がステープルカートリッジ(37)を通じて遠位側に前進するにつれて押しブロック(80)が楔形スレッド(41)を遠位側に押すように、楔形スレッド(41)と係合するように構成される。そのような発射中に、発射バー(14)の切断エッジ(48)がステープルカートリッジ(37)の縦スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)の間にクランプされている組織を切断する。図3A〜3Bに示すように、中間ピン(46)と押しブロック(80)とがともにステープルカートリッジ(37)内の発射スロット内に入ることによってステープルカートリッジ(37)を作動し、楔形スレッド(41)をステープルドライバ(43)との上向きのカム接触へと駆動すると、ステープル(47)は、ステープルアパーチャ(51)を通して外へと駆動され、アンビル(18)の内面のステープル形成ポケット(53)との形成接触へと駆動される。図3Bは、組織を完全に切断及びステープルした後に遠位方向に完全に移動された発射バー(14)を図示する。
【0012】
図6は、組織(90)を貫通する1回のストロークを介して作動されたエンドエフェクタ(12)を示す。図では、切断エッジ(48)が組織(90)を貫通して切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断エッジ(48)が作り出している切断線のそれぞれの側で、組織(90)を通じてステープル(47)の3本の交互の列を駆動している。この例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は任意の好適な配向で位置づけられ得ることを理解されたい。この例では、最初のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから後退し、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換し、その後に、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通して挿入して、ステープル留めする部位に到達し、更なる切断及びステープルを行う。所望の量の切断及びステープル(47)が提供されるまでこのプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通じた挿入及び後退を可能にするためにアンビル(18)を閉じる必要がある場合があり、ステープルカートリッジ(37)の交換を可能にするためにアンビル(18)を開く必要がある場合がある。
【0013】
それぞれの作動ストローク中に、ステープル(47)が組織を通じて駆動されるのとほぼ同時に切断エッジ(48)が組織を切断することができることを理解されたい。この例では、切断エッジ(48)はステープル(47)の駆動にごくわずかに遅れて進むので、ステープル(47)は、切断エッジ(48)が組織の同じ区域を通過する直前に組織を通じて打ち込まれるが、この順序を逆にすることができること、又は、切断エッジ(48)が隣接するステープルと直接同期されてもよいことを理解されたい。図6は、2層(92、94)の組織(90)で作動されているエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)が単層の組織(90)を通じて又は2層(92、94)以上の組織を通じて作動されてもよいことを理解されたい。また、切断エッジ(48)が作り出した切断線に隣接するステープル(47)の形成及び位置づけが、切断線で組織を実質的に封着することができ、したがってその切断線での出血及び/又は他の体液の漏出を低減若しくは予防することができることも理解されたい。器具(10)が使用され得る他の好適な設定と手順は、本明細書の教示に鑑みれば、当業者には明らかとなろう。
【0014】
米国特許第4,805,823号、同第5,415,334号、同第5,465,895号、同第5,597,107号、同第5,632,432号、同第5,673,840号、同第5,704,534号、同第5,814,055号、同第6,978,921号、同第7,000,818号、同第7,143,923号、同第7,303,108号、同第7,367,485号、同第7,380,695号、同第7,380,696号、同第7,404,508号、同第7,434,715、及び/又は同第7,721,930号の教示のいずれかに従って器具(10)が構成され得る及び動作可能であり得ることを理解されたい。上述のように、それらの特許のそれぞれの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。器具(10)に提供することができる更に他の例示的な修正例は、後でより詳しく述べられる。以下の教示が器具(10)に採用される種々の適切な方法は、当業者に明らかであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用された特許の様々な教示と組み合わせることができる種々の適切な方法は、当業者に明らかであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用された特許に教示された器具(10)又は装置に限定されないことを理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラーとして分類されない器具を含む様々な他の種類の器具に容易に適用することができる。以下の教示を適用することができる種々の他の適切な装置及び環境は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであろう。
【0015】
II.例示の代替ステープルカートリッジ
図7は、器具(10)とともに使用するための例示の代替ステープルカートリッジ(100)を示す。カートリッジ(100)は、カートリッジ本体(102)と、カートリッジトレー(104)と、縦スロット(106)と、上部デッキ(110)と、上部デッキ(110)内に形成された複数のステープルアパーチャ(112)と、を備える。縦スロット(106)は、カートリッジ本体(102)及び上部デッキ(110)を通じて長手方向に延在し、発射バー(14)及び切断エッジ(48)が、カートリッジ本体(102)の少なくとも一部分を通過するようにする。縦スロット(106)は、カートリッジ本体(102)の一部のみを通じて、又はカートリッジ本体(102)の全長に沿って長手方向に延在してもよい。本実施例のカートリッジ(100)は、支持部分(122)を含む近位端(120)を有する。支持部分(122)は、本実施例においては、本明細書で以下に記載される通り、カートリッジ(100)がエンドエフェクタ(12)に挿入されるときに、カートリッジ(100)を電源(98)と電気的に連結するためのカートリッジ接点(130)を更に含む。当業者であれば、カートリッジ接点(130)が、カートリッジ(100)の近位端(120)に限定されないことを理解するであろう。実際に、カートリッジ接点(130)は、カートリッジ(100)の底面上、例えば、カートリッジトレー(104)の上若しくはそれを通じて、又はカートリッジ本体(102)上の任意の場所に位置してもよい。カートリッジ接点(130)は、代替として、電力が誘導的、容量的、及び/又は任意の他の適した様式で伝えられるように構成されてもよい。更に、カートリッジ接点(130)は単に任意である。
【0016】
A.導体及び抵抗ストリップを有する代替ステープルカートリッジの例示の構成及び操作
図8A〜8Dは、エンドエフェクタ(12)の下部つかみ具(16)に挿入され、図6の組織(90)等の組織を切断及びステープルするために使用されるときの、例示のカートリッジ(100)の順次の内部ビューを示す。まず図8Aを参照すると、複数のステープル(114)及びステープルドライバ(180)は、カートリッジ(100)内に配設されて示されている。本実施例においては、下部つかみ具(16)は、導体(150)の上面から延在する複数の導体接点(152)を有する、導体(150)を備える。導体(150)は、畝状の接点を有する金属部材、埋め込み型金属部材を有するプラスチック部材、及び該プラスチック部材から突出する複数の接点、薄い導電性チャネル及び接点(例えば、露出したトレース等)を持つプリント基板(若しくはPCB)、又は電力を導体接点(152)に伝送する任意の他の適した構成要素及び/若しくは機能を備えてもよい。導体接点(152)は、ストリップ接点(162)の対応する複数の隆起部分と電気的に連結するように構成された複数の隆起部分として示されているが、他の適した接触構成が、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。ストリップ接点(162)を有する薄い抵抗ストリップ(160)は、カートリッジ(100)が下部つかみ具(16)に挿入されるときに、ストリップ接点(162)と導体接点(152)とが電気的に連結するように、カートリッジ本体(102)に連結される。一代替例において、ストリップ接点(162)は、カートリッジトレー(104)を通じて延在し得るか、又はストリップ接点(162)を有する抵抗ストリップ(160)は、カートリッジトレー(104)に統合されてもよい。別の単なる例示の代替例においては、ストリップ接点(162)及び導体接点(152)は省略されてもよく、抵抗ストリップ(160)及び導体(150)は、カートリッジトレー(104)内、カートリッジ本体(102)内、又は下部つかみ具(16)上の一体型部品であってもよい。本実施例に示されるように、複数のストリップ接点(162)及び導体接点(152)は、それぞれのステープルアパーチャ(112)とそれぞれ整列し、導体(150)に電荷が印加されたときに、抵抗ストリップ(160)が、各ステープルアパーチャ(112)の下の抵抗ストリップ(160)の対応する部分を加熱する。以下で更に説明されるように、カートリッジ(100)、導体(150)、及び抵抗ストリップ(160)の代替構成が用いられてもよい。
【0017】
封止剤(170)の層は、抵抗ストリップ(160)の上に配設される。本実施例においては、封止剤(170)は、カートリッジ本体(102)内に配設された実質的に均質の連続体である。封止剤(170)は封止剤に限定されず、むしろ本開示の範囲から逸脱することなく、多様な蒸発性製品が使用されてよいことを理解されたい。例えば、封止剤(170)は、解重合性シアノアクリレート、噴霧可能な熱可塑性ウレタン、ポリウレタンプレポリマー、薬剤、止血剤、粘膜付着性ポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(SCMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及び他のセルロース誘導体、アニオン性ヒドロゲル、カチオン性ヒドロゲル、中性ヒドロゲル(例えば、カルバポール、ポリアクリレート、キトサン、若しくはオイドラギット)、ポリアクリル−ポリエチレングリコールコポリマー(いわゆる頬側接着剤)、トロンビン、凍結乾燥したトロンビン(例えば、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)のSurgiflo(登録商標)中に使用されるもの)、乏血小板血漿(PPP)、多血小板血漿(PRP)、イガイ系若しくはイガイ由来の接着剤、アルギン酸カルシウム、フィブリン、接着剤、画像補正剤、壊死剤、硬化剤、凝固剤、治療薬、蘇生薬、麻酔薬、抗利尿薬、鎮痛薬、防腐剤、鎮痙薬、強心剤、抗鬱薬、利尿薬、ホルモン剤、鎮静剤、刺激剤、血管剤、徐放剤、薬物、吸収性材料、着色剤、可塑化剤、増量剤、タンポナーデ材料、揺変性剤、抗菌剤、緩衝剤、触媒、充填剤、微粒子、増粘剤、溶媒、天然若しくは合成ゴム、安定剤、pH調整剤、生活性剤、架橋剤、連鎖移動剤、繊維性増強剤、着色剤、保存剤、ホルムアルデヒド低減若しくは除去剤、及び/又は液体、ゲル、ペースト等を含む任意の他の流体、あるいは本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう任意の他の適した医療用流体若しくは止血剤を含んでもよい。
【0018】
更に、封止剤(170)は、様々な薬剤(鎮痛薬若しくは他の適した薬剤を含む)、マーキング材料(例えば、X線不透過性若しくはエコー輝度マーカー及び/若しくは流体)、又は封止剤(170)とともに分散され得る任意の他の適した材料等の追加の材料を含浸させてもよい。封止剤(170)は更に、抵抗ストリップ(160)から熱的加熱に供されるときに蒸発し得る固化材料であり得るか、又は封止剤(170)は、液体若しくは半固体であってもよい。封止剤(170)が液体又は半固体である場合、封止剤は、抵抗ストリップ(160)内に形成されたリザーバ若しくはチャネル内、又はカートリッジ本体(102)の一部分等の抵抗ストリップ(160)の上に位置する代替構造内に収容されてもよい。このような1つの代替チャネル型構造は、図11を参照して以下で論じられる。
【0019】
複数のステープルドライバ(180)は、封止剤(170)の上に位置する。本実施例においては、ステープルドライバ(180)はそれぞれ、ステープル(114)がステープルアパーチャ(112)を通じて射出されると、蒸発した材料がステープルドライバ(180)を通過し得るように、各ステープルドライバ(180)を通じて形成されたそれぞれのステープルドライバチャネル(182)を画定する。ステープルドライバチャネル(182)は、図13に示されるドライバアパーチャ(510)等のステープルドライバ(180)を通じて形成されたアパーチャを含み得るか、又は図14に示される半円形のノッチ(610)等のステープルドライバ(180)の1つ又は2つ以上の側面内に形成されたノッチ、又はステープルドライバチャネル(182)に適した他の構成を含んでもよい。ステープル(114)は、ステープルドライバ(180)の上に位置し、図8Aでは、ステープル(114)及びステープルドライバ(180)の両方が未展開の構成で示されている。ステープル(114)は更に、ステープル(114)が整列して、ステープルドライバ(180)の上にあり続けることを保証するように、例えば、接着剤を介してステープルドライバ(180)に取り外し可能に固定されてもよい。
【0020】
ここで図8Bを参照すると、ウェッジスレッド(41)及び発射バー(14)が、組織(90)を切断しつつ、組織(90)を通じてステープル(114)を打ち込むところが示されている。上記の通り、アンビル(18)が組織(90)を上部デッキ(110)に対して圧迫する一方で、ステープルドライバ(180)は、ウェッジスレッド(41)によって垂直方向にカムされ、組織(90)を通じてステープル形成ポケット(53)の中にステープル(114)を打ち込む。ステープル(114)が組織(90)を通じて打ち込まれる一方で、導体(150)及び抵抗ストリップ(160)は、作動していなくてもよいが、これは単に任意であることを理解されたい。実際に、一構成においては、導体(150)は、切断エッジ(48)が組織(90)を切断した直後に連続して作動され得る。例えば、ウェッジスレッド(41)及び/又は発射バー(14)は、電源(98)から電力を提供するように、導体(150)及び/又は抵抗ストリップ(160)に電気的に連結し得る導電性部分を備えてもよい。あるいは、導体(150)及び/又は抵抗ストリップ(160)並びに封止剤(170)は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるように、ステープルドライバ(180)の側面上、又はカートリッジ本体(102)の内部の他の場所に配設されてもよい。
【0021】
再び本実施例を参照すると、図8Cに示されるように、アンビル(18)は依然として組織(90)を圧迫しているが、電源(98)は作動し、導体(150)に印加されている。電源(98)は、器具(10)のハンドル部分(20)上に位置するトグルスイッチ若しくはボタンを通じて、又は限定するものではないが、第3のトリガー若しくは発射バー(14)の前進を示すセンサーからの信号を受信する自動化システムを含む、別の制御機構を通じて作動されてもよい。更に、電源(98)は器具(10)の外部にあり得るか、又は電源(98)は器具(10)内に収容されてもよい。内部電源を有する器具(10)の1つの単なる例示の構成は、2010年6月15日に発行された「Post−Sterilization Programming of Surgical Instruments」という表題の米国特許第7,738,971号によって開示され、この開示は、参照により本明細書に組み込まれる。代替として、電源(98)は外部電源であってもよい。
【0022】
電源(98)が電力を導体(150)に送ると、導体(150)は、その電力を導体接点(152)及びストリップ接点(162)を通じて抵抗ストリップ(160)に伝達する。次に抵抗ストリップ(160)は、抵抗ストリップ(160)の適切な部分及び封止剤(170)の部分を加熱し、封止剤(170)を蒸発させて液滴(172)にする。封止剤(170)は、封止剤(170)がカートリッジ(100)から放出され得るように、液化、噴霧化され得るか、又は任意の流体及び/若しくは気体形態に変化され得ることを理解されたい。本実施例においては、抵抗加熱が封止剤(170)を蒸発させて、急速な圧力波を生成し、これが封止剤(170)をカートリッジ(100)から放出する。このような抵抗加熱は更に、熱インクジェットと実質的に同様の方法で達成されてもよい。代替として、液滴(172)は、圧電性インクジェット技術等の振動又は圧力機構を通じて形成されてもよい。液滴(172)が形成されると、液滴(172)は、図8Dに示されるように、ステープルドライバチャネル(182)を通じて、ステープルアパーチャ(112)から放出される。本構成においては、ステープルドライバ(180)は、上部デッキ(110)に当接して示されているが、代替として、封止剤(170)を蒸発させる前に、ステープルドライバ(180)が封止剤(170)の上で再び静止し得ることを理解されたい。代替構成においては、液滴(172)が通って放出され得る、別個のアパーチャが提供されてもよい。ステープル(114)が組織(90)を貫通してそこに連結した後、封止剤(170)の液滴(172)は、ステープル(114)及び組織(90)上で止まり得る。次に液滴(172)は、ステープル(114)及び/又は組織(90)上で再構成する。そのような再構成は、再重合(例えば、シアノアクリレート若しくはポリアクリレートの場合)、付加重合(例えば、ポリウレタンプレポリマーの場合)、及び/又は液体ポリマーから固体ポリマーへの固化を含み得る。一旦、液滴(172)が再構成すると、ステープル(114)及び組織(90)上で形成された封止剤(170)は更に、組織(90)を封止する助けとなり得る。器具(10)のユーザは、液滴(172)が組織(90)及びステープル(114)上で封止剤(170)を十分に再構成するように、既定の時間までアンビル(18)の放出を遅延させてもよい。上記の通り、ユーザは、次にカートリッジ(100)を変え、プロセスを繰り返して組織(90)の付加部分を切断及び封止してもよい。
【0023】
カートリッジ(100)の1つの単なる例示の構成が説明されたが、抵抗加熱部分を有するカートリッジ(100)の他の適した代替構成は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。例えば、図9に示されるように、カートリッジ(100)の代替配置は、複数の個別の封止剤パッド(174)に分割された封止剤(170)を示す。本実施例の封止剤パッド(174)は、ストリップ接点(162)及び導体接点(152)の上、並びにステープルアパーチャ(112)の下で整列される。代替として、導体接点(152)を有する導体(150)は、カートリッジトレー(104)上又はその中に位置し得るが、抵抗ストリップ(160)及びストリップ接点(162)は、カートリッジ本体(102)上又はその中に位置する。更に依然として、単一のストリップ接点(162)が、支持部分(122)上に位置してもよく、単一の導体接点(152)が、カートリッジ(100)及び下部つかみ具(16)上の複数の接点の代わりに、下部つかみ具(16)の対応する部分上に位置してもよい。なおも更なる構成においては、下部つかみ具(16)は、電源(98)に連結された抵抗ストリップ(160)を備え得るが、カートリッジトレー(104)及び/又はカートリッジ本体(102)は、その中に封止剤(170)が収容された複数のアパーチャを備える。したがって、カートリッジ(100)が下部つかみ具(16)に連結されると、その中に封止剤(170)が収容された複数のアパーチャは、抵抗ストリップ(160)が電源(98)に連結されたときに封止剤(170)を抵抗加熱するために、抵抗ストリップ(160)の部分と整列する。更に、本明細書に開示されるカートリッジは、片面ステープルカートリッジを参照して説明されたが、そのようなカートリッジは、両面ステープルカートリッジを含むように改変されてもよいことを理解されたい。
【0024】
B.例示の代替抵抗アセンブリ
更に別の構成においては、図10に示されるように、複数の個別の抵抗アセンブリ(200)は、上部デッキ(110)内に形成された各ステープルアパーチャ(112)の下に配置される。この構成においては、抵抗アセンブリ(200)はそれぞれ、導体(202)と、抵抗ストリップ(206)と、封止剤(210)と、ストリップ接点(208)と、導体接点(204)と、を備える。封止剤(210)は、封止剤に限定されないが、医療用流体及び/又は封止剤(170)について列挙される他の製品のいずれかを含んでもよい。本実施例に示されるように、導体接点(204)を有する導体(202)は、カートリッジトレー(104)内に配設されるが、封止剤(210)及び露出したストリップ接点(208)を有する抵抗ストリップ(206)は、カートリッジ本体(102)内に配設される。したがって、カートリッジ本体(102)がカートリッジトレー(104)に連結されると、ストリップ接点(208)は導体接点(204)に電気的に連結する。一代替構成においては、導体(202)は、下部つかみ具(14)内に埋め込まれてもよいが、封止剤(210)及び抵抗ストリップ(206)は、カートリッジ本体(102)及び/又はカートリッジトレー(104)内にある。電気リード線(220)は、上記のように、導体(202)及び抵抗ストリップ(206)から1つ又は2つ以上のリード線アパーチャ(222)を通じて延在し、電源(98)に電気的に連結している。代替として、電気リード線(220)は、PCBと同様の方法で、又は本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなる任意の他の適した方法で、下部つかみ具(16)、カートリッジトレー(104)、及び/又はカートリッジ本体(102)に統合されてもよい。
【0025】
C.例示の封止剤チャネル
更にステープルカートリッジの更なる構成が図11に示される。複数のチャネル(300)は、カートリッジ本体(102)内に形成される。各チャネル(300)は、チャネルヘッド(302)と、チャネル本体(304)と、を備える。チャネル本体(304)は、ステープルアパーチャが異なる場所に分散されているとき、各チャネルヘッド(302)が、ステープルアパーチャ(51、112)等のステープルアパーチャに対応するように、様々な距離で延在し得る。例えば、図7に示される例示のカートリッジ(100)においては、ステープルアパーチャ(112)は、ねじれたステープルアパーチャ(112)を持つ縦スロット(106)のいずれかの側に3つの列を形成する。本実施例の複数のチャネル本体(304)は、ポート(306)を介して1つ又は2つ以上の他のチャネル本体(304)と流体連通するように更に構成される。ポート(306)を使用して、アセンブリ作業中に封止剤(320)をチャネル(300)に注入し、封止剤(320)が固化する前に、封止剤(320)を複数のチャネル(300)全体に分散させ得るか、又は液体若しくは半固体の封止剤(320)が使用される場合は、ポート(306)は、複数のチャネル(300)が封止剤(320)の共通リザーバから引き出すことを可能にし得る。封止剤(320)は、封止剤に限定されないが、医療用流体及び/又は封止剤(170)について列挙される他の製品のいずれかを含んでもよい。しかしながら、ポート(306)は単に任意であり、チャネル(300)は互いから独立し得るか、又は複数のチャネル(300)のサブセットがポート(306)によって接続されてもよいことを理解されたい。
【0026】
抵抗チャネルプレート(310)は、該抵抗チャネルプレート(310)が、ステープルされた組織に射出するために、対応するステープルアパーチャの下の封止剤(320)を加熱して蒸発させ得るように各チャネルヘッド(302)内に位置する。抵抗チャネルプレート(310)は、抵抗アセンブリ(200)等の独立したアセンブリとして構成され得るか、又は抵抗チャネルプレート(310)は、抵抗ストリップ(160)等の抵抗ストリップのみを備えてもよい。チャネルプレート(310)が抵抗ストリップを備える場合、1つ又は2つ以上のチャネルプレートコネクタ(312)は、抵抗チャネルプレート(310)を導体及び/又は電源に電気的に連結するように提供され得る。本構成においては、プレートコネクタ(312)は、カートリッジ本体内に埋め込まれて、単一の導体を電気的に連結するが、チャネルプレートコネクタ(312)は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるような種々の他の方法で構成されてよいことを理解されたい。
【0027】
例えば、プレートコネクタ(312)は、図8A〜8D、9、及び10のストリップ導体(162)と同様の方法で構成され、カートリッジ本体(102)及び/又はカートリッジトレー(104)の底部から突出し得る(ないしは別の方法でそこから露出する)。そのような1つの構成は、図12に示される。プレートコネクタ(312)を有する抵抗プレート(310)を有するチャネル(300)は、カートリッジ(400)のカートリッジ本体(402)内にあるように構成されて示される。カートリッジ(400)は、構造的にカートリッジ(100)及びカートリッジ(37)と実質的に同様であり、カートリッジ(400)は、複数のステープルアパーチャ(412)と、上部デッキ(410)と、カートリッジ本体(402)と、縦スロット(406)と、を備える。チャネル(300)は、対応するステープルアパーチャ(412)と整列する。本実施例においては、下部つかみ具(16)は、相補的エンドエフェクタ接点(420)を備え、カートリッジ(400)が下部つかみ具(16)に挿入されると、プレートコネクタ(312)に電気的に連結する。代替として、上記実装のいくつかで述べたように、下部つかみ具(16)は、カートリッジ(400)上の単一の接点に電気的に連結するように単一の接点を備えてもよい。別の代替例においては、下部つかみ具(16)は、プレートコネクタ(312)に電気的に連結するように単一の導体プレートを含み得るか、又は下部つかみ具(14)自体が、プレートコネクタ(312)に電気的に連結する部分を有し得る。
【0028】
チャネル(300)及びカートリッジ(400)の様々な構成が開示されたが、他の適した構成は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。
【0029】
D.例示のステープルドライバ
ここで図13〜14を参照すると、異なるステープルドライバは、蒸発した封止剤を放出するために、前述の構成とともに用いられてもよい。図13は、ドライバアパーチャ(510)がその中に形成されたステープルドライバ本体(502)を有するステープルドライバ(500)、及び一対の整列タブ(520)を示す。ドライバアパーチャ(510)は、ステープルドライバ本体(502)を通って垂直方向に延在し、蒸発した封止剤がカートリッジのステープルアパーチャを通って放出されることを許容するように構成される。ステープル整列タブ(520)は、ステープルドライバ本体(520)から垂直方向に延在し、展開する前にステープルドライバ(500)上のステープルを整列させるように構成される。整列タブ(520)は更に、例えば、接着剤又は取り外し可能な機械的接続を通じて、ステープルを取り外し可能に保持するように構成され得る。なおも更なる構成においては、整列タブ(520)は、発射バー(14)が引き抜かれたとしても、ステープルドライバ(500)が上部デッキに連結し、当接したままであるように、上部デッキ(110)等のカートリッジの上部デッキ内で形成された受入ノッチ(図示せず)に連結するように構成されてもよい。そのような構成においては、次に前述の構成のいずれかを作動させて、封止剤をドライバアパーチャ(510)を通して放出してもよい。代替ステープルドライバ(600)は図14に示される。代替ステープルドライバ(600)は、ステープルドライバ(600)が、封止剤がノッチを通過してステープルドライバ(600)を越えることを許容するように、ステープルドライバ本体(602)の側に形成された一対の半円形ノッチ(610)を備えることを除いて、構成的にステープルドライバ(500)と実質的に同様である。当然のことながら、本明細書に記載されている他の構成要素と同様に、ステープルドライバ(500、600)の他の適した構成は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。
【0030】
図15に示されるなおも更なる構成においては、1つ又は2つ以上の抵抗ストリップ(712)及び封止剤(714)は、ステープルドライバ(700)内の対応するチャンバ(710)内に埋め込まれるか、又はステープルドライバ(700)のステープルドライバ本体(702)に連結される。封止剤(714)は、封止剤に限定されないが、医療用流体及び/又は封止剤(170)について列挙される他の製品のいずれかを含んでもよい。この構成においては、ステープルドライバ(700)は、ステープルドライバ(700)の底面上に複数のステープルドライバ接点(708)を有するが、ステープルドライバ接点(708)は、ステープルドライバ(700)上の任意の場所に位置してもよいことを理解されたい。コネクタ(722)は、ドライバ接点(708)を抵抗ストリップ(712)に電気的に連結するが、これは単に任意であり、抵抗ストリップ(712)は、ドライバコンタクト(708)に統合的に連結されてもよいことを理解されたい。ステープルドライバ本体(702)内に形成された1つ又は2つ以上のアパーチャ(720)は、ステープル留め及び組織を封止するために、蒸発した封止剤(716)の放出を許容するように構成される。本構成においては、ドライバ接点(708)は、発射バー(14)及び/又はウェッジスレッド(41)上に位置する1つ又は2つ以上の接点に電気的に連結するように構成される。発射バー(14)が完全に延在するとき(及びしたがって、カートリッジからのステープルがステープルアパーチャから射出されたとき)、電源(98)を発射バー(14)上の1つ又は2つ以上の接点に適用し、それによって抵抗ストリップ(712)をトリガーして、アパーチャ(720)を通じて射出されるように封止剤(714)を蒸発させる。代替として、ウェッジスレッド(41)が接点を含む場合、又はウェッジスレッド(41)が導体材料を含む場合は、電源(98)は、ウェッジスレッド(41)に連結され得る一方で、ウェッジスレッド(41)は、ステープルドライバ(700)を垂直方向にカム運動させる。理解されるように、これは、ステープルが組織を通じて打ち込まれている間に封止剤(714)を蒸発させ得る。これは、封止剤(714)がステープル留め及び組織を封止するように再構成するために必要な時間を低減し得る。なおも更なる構成においては、ドライバ接点(708)は、ステープルドライバ(700)が通って移動するポケットの側壁上の対応する接点に電気的に連結するように、ステープルドライバ本体(702)の1つ又は2つ以上の側にあってもよい。
【0031】
ステープルドライバ(500、600、700)の様々な構成が開示されたが、他の適した構成は、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。
【0032】
E.エンドエフェクタ電気的連結のための例示の構成
図16は、コネクタ(810)を介して、電源(98)等の遠隔電源に連結された1つ又は2つ以上の電気的接点(800)を有するエンドエフェクタ(12)を示す。前述の通り、電源(98)は、ハンドル部分(20)内に位置し得るか(図1A〜1Bに示される)、又は電源(98)は、器具(10)の外部にあってもよい。本配列における電気的接点(800)は、カートリッジが下部つかみ具(16)に挿入されると、カートリッジ(100)のカートリッジ接点(130)等の対応するカートリッジ接点に連結する。電気的接点(800)は、器具(10)の使用中に複数のステープルカートリッジとともに複数回使用されるように構成されてもよい。単一の電気的接点(800)のみが示されているが、複数の電気的接点(800)が利用されてもよいことを理解されたい。実際に、例えば、血液又は他の体液が、電気的接点(800)のうちの1つ又は2つ以上を干渉し得る場合等、冗長な電気的接点(800)を提供することが有用であり得るが、この冗長は単に任意であることを理解されたい。更に、電気的接点(800)は、下部つかみ具(16)の近位端付近に位置して示されているが、下部つかみ具(16)、アンビル(18)、又は発射バー(14)上の電気的接点(800)の他の適した位置が、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかとなるであろう。
【0033】
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0034】
前述の装置の変形物は、ロボット支援された医療及び処置での用途だけでなく、医療専門家によって行われる従来の医療及び処置での用途を有することができる。
【0035】
前述した変形物は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することができる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整することは、装置を分解すること、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換すること、並びにその後の再組み立てすることの任意の組み合わせを含んでもよい。特に、装置の幾つかの変形物は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の幾つかの変形物は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてもよい。デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0036】
単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び/又は後に、滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。装置はまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0037】
本開示の様々な形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきであり、本明細書及び図面において示し、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)器具であって、
i.ハンドル部分と、
ii.エンドエフェクタであって、
(1)下部つかみ具と、
(2)枢動可能なアンビルと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、器具と、
(b)前記エンドエフェクタに挿入可能なステープルカートリッジであって、
i.上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
(1)前記上部デッキ内に形成され、前記上部デッキの近位端から長手方向に延在する、縦スロットであって、切断エッジが、前記縦スロットを通して長手方向に移動可能である、縦スロットと、
(2)複数のステープルアパーチャと、を備える、カートリッジ本体と、
ii.前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、1つ又は2つ以上のステープルドライバと、
iii.前記1つ又は2つ以上のステープルドライバの上に配設されている複数のステープルであって、前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、複数のステープルと、
iv.前記カートリッジ本体内に配設されている抵抗部材と、
v.前記抵抗部材と連通する少なくとも一部分を有する、医療用流体と、を備える、ステープルカートリッジと、を備える、装置。
(2) 前記抵抗部材が、抵抗ストリップを備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記下部つかみ具が、導体を備え、前記導体が、選択的に電源と連結されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記抵抗ストリップが、ストリップ接点を備え、前記導体が、導体接点を備え、前記ストリップ接点が、前記導体接点に電気的に連結するように動作可能である、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記ストリップ接点の少なくとも一部分が、前記複数のステープルアパーチャと実質的に垂直方向に整列している、実施態様4に記載の装置。
【0039】
(6) 前記医療用流体が、複数の封止剤パッドを含む、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記封止剤パッドのそれぞれの少なくとも一部分が、前記複数のステープルアパーチャと実質的に垂直方向に整列している、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記1つ又は2つ以上のステープルドライバが、前記1つ又は2つ以上のステープルドライバを通して垂直方向に延在するアパーチャを備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記1つ又は2つ以上のステープルドライバが、前記1つ又は2つ以上のステープルドライバの一方の側に垂直方向に延在するノッチを備える、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記医療用流体が、解重合性シアノアクリレート又は噴霧可能な熱可塑性ウレタンを含む、実施態様1に記載の装置。
【0040】
(11) 前記医療用流体が、蒸発性の薬剤又は調合薬である、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記カートリッジ本体が、前記カートリッジ本体のベース部分の中に形成されたチャネルを備え、前記抵抗部材及び前記医療用流体が、前記チャネル内に配設されている、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記抵抗部材に連結され、前記抵抗部材を電源に電気的に連結するように動作可能である接点を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記カートリッジ本体が、支持部分を有する近位端を備え、前記接点が、前記支持部分上に位置する、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記電源が、前記器具内に収容される、実施態様13に記載の装置。
【0041】
(16) 内視鏡外科用装置(apparatus for endosurgical use)であって、
(a)上部デッキを有するカートリッジ本体であって、前記上部デッキが、
i.前記上部デッキ内に形成され、前記上部デッキの近位端から長手方向に延在する、縦スロットと、
ii.複数のステープルアパーチャと、を備える、カートリッジ本体と、
(b)前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、1つ又は2つ以上のステープルドライバと、
(c)複数のステープルであって、前記カートリッジ本体に対して垂直方向に移動可能である、複数のステープルと、
(d)前記カートリッジ本体内に配設された複数の抵抗部材と、
(e)前記複数の抵抗部材と連通する少なくとも一部分を有する、医療用流体と、
(f)前記複数の抵抗部材に連結され、前記複数の抵抗部材を電源に電気的に連結するように動作可能である、接点と、を備える、内視鏡外科用装置。
(17) 前記カートリッジ本体内に形成された複数のチャネルを更に備え、前記複数の抵抗部材が、前記複数のチャネル内に配設されている、実施態様16に記載の装置。
(18) ポートを更に備え、前記ポートが、前記複数のチャネルのうちの2つ又は3つ以上の間で流体連通を提供するように構成される、実施態様17に記載の装置。
(19) 前記医療用流体の少なくとも一部分が、前記複数のチャネルのうちの1つ又は2つ以上のチャネルと流体連通するリザーバ内に収容される、実施態様17に記載の装置。
(20) 器具、ステープルカートリッジ、及び電源を使用して、組織をステープル留め及び封止するための方法であって、前記器具が、ステープルカートリッジを受け入れるように構成されたエンドエフェクタを備え、前記エンドエフェクタが、1つ又は2つ以上のステープル形成ポケットを備え、前記ステープルカートリッジが、1つ又は2つ以上のステープルアパーチャを有する上部デッキと、前記ステープルカートリッジ内に配設された1つ又は2つ以上のステープルドライバと、前記1つ又は2つ以上のステープルドライバによって移動可能な1つ又は2つ以上のステープルと、前記電源に選択的に連結された1つ又は2つ以上の抵抗部材と、前記1つ又は2つ以上の抵抗部材と少なくとも部分的に連通する医療用流体と、を備え、前記方法が、
(b)前記エンドエフェクタを前記組織に位置づけることと、
(c)前記1つ又は2つ以上のステープルドライバを使用して、前記1つ又は2つ以上のステープルを前記1つ又は2つ以上のステープルアパーチャから押し出し、前記組織を通して、前記1つ又は2つ以上のステープル形成ポケットの中に少なくとも部分的に入れることと、
(d)前記1つ又は2つ以上の抵抗部材に連結された前記電源を作動させることと、
(e)前記抵抗部材を使用して、前記医療用流体の少なくとも一部を加熱することと、
(f)前記医療用流体の少なくとも一部を前記上部デッキを通して放出することと、を含む、方法。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16