(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、開示の技術の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、
図1を用いて、実施形態に係るスイッチ装置10の概要を説明する。
【0015】
本実施形態に係るスイッチ装置10は、“ネームサーバ機能を有するファイバーチャネル(FC)スイッチ”に分類される装置である。
図1に示してあるように、スイッチ装置10は、複数のポート、通信制御回路11、CPU(Central Processing Unit)12、フラッシュメモリ13及び管理用LAN(Local Area Network)ポート14を備える。また、スイッチ装置10は、RAM(Random Access Memory;図示略)も備えている。
【0016】
スイッチ装置10が備える各ポートは、ホスト(サーバ)50、ストレージ(テープストレージやディスクストレージ)60等のデバイスと通信を行うためのインタフェース(いわゆる“F-port”)である。各ポートは、各デバイスの通信アダプタ(いわゆる“N-port”)とFCケーブルにより接続される。尚、
図1において、各ポート内に示してある数値(“0”、“19”等)は、各ポートのポート番号(識別情報)である。
【0017】
通信制御回路11は、各ポートが受信した通信データを当該通信データの宛先情報に応じたポート(場合によっては、CPU12)に転送するASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
【0018】
この通信制御回路11は、内蔵するメモリ11a上に幾つかのゾーン指定情報が設定されている場合、同一ゾーンに属するデバイス間での通信データのみを転送する状態(ゾーニングを行う状態)で動作する。ここで、ゾーン指定情報とは、或るゾーンのメンバとする複数のデバイスを、それらのデバイス(の通信アダプタ)のWWN(World Wide Network)、又は、それらのデバイスが接続されているスイッチ装置10のポートのポート番号で指定する情報のことである。以下、ゾーン化するデバイス(或るゾーンのメンバとする複数のデバイス)を、それらのデバイスが接続されるポートのポート番号で指定するタイプのゾーン指定情報のことを、第1種ゾーン指定情報と表記する。また、ゾーン化するデバイスを、それらのWWNにより指定するタイプのゾーン指定情報のことを、第2種ゾーン指定情報と表記する。
【0019】
管理用LANポート14は、スイッチ装置10を構成要素としたSAN(Storage Area Network)の構築時や保守時に、操作用端末40が接続されるポートである。尚、操作用端末40としては、通常、Webブラウザがインストールされているパーソナルコンピュータが使用される。
【0020】
CPU12は、操作用端末40や通信制御回路11からの情報に基づき、スイッチ装置10内の各部を統合的に制御するユニットである。
【0021】
フラッシュメモリ13は、ゾーンDB(DB:データベース)31、ネームサービスDB32及び削除デバイスDB33を記憶した書き換え可能な不揮発性メモリである。このフラッシュメモリ13には、CPU12がRAM上に読み出して実行する制御プログラムも格納されている。
【0022】
ゾーンDB31、ネームサービスDB32及び削除デバイスDB33は、いずれも、制御プログラムを実行しているCPU12(以下、単にCPU12と表記する)が参照/更新するデータベースである。
【0023】
ネームサービスDB32は、スイッチ装置10の各ポートに接続されているデバイス(デバイスの接続アダプタ)のWWN、製造ベンダー名、型名等を、各ポートのポート番号に対応づけた形で保持(記憶)しておくためのデータベースである。尚、CPU12は、スイッチ装置10への接続時に各デバイスが送信(登録)してくる情報を、当該情報が受信されたポートのポート番号に対応づけて形でネームサービスDB32に記憶する。また、CPU12は、或るデバイスとの間の接続が切れた場合には、ネームサービスDB32から、そのデバイスに関する情報(WWN、製造ベンダー名、型名等;以下、デバイス情報と表記する)を消去する。
【0024】
削除デバイスDB33は、スイッチ装置10の各ポートから取り外されたデバイス(デバイスの接続アダプタ)に関するデバイス情報を、各ポートのポート番号に対応づけた形で保持しておくためのデータベースである。この削除デバイスDB33の、CPU12による更新タイミング等については後述することにする。
【0025】
ゾーンDB31は、通信制御回路11(内のメモリ11a)に設定されているものと同じゾーン指定情報(第1ゾーン指定情報又は第2ゾーン指定情報)群を記憶しているデータベースである。
【0026】
CPU12は、所定のHTTP(hypertext transfer protocol)リクエストを操作用端末40から受信した場合、ゾーン設定用Webページを操作用端末40のディスプレイに表示させる。このゾーン設定用Webページは、スイッチ装置10のユーザ(管理者等)が、ゾーンのメンバとする複数のデバイスを、それらのデバイスが接続されているポートのポート番号又はそれらのデバイスのWWNで指定できるものとなっている。CPU12は、ゾーンのメンバとする複数のデバイスが複数のポート番号により指定された場合には、当該複数のポート番号を含む第1種ゾーン指定情報を生成する。また、CPU12は、ゾーンのメンバとする複数のデバイスが複数のWWNにより指定された場合には、当該複数のWWNを含む第2種ゾーン指定情報を生成する。そして、CPU12は、生成したゾーン指定情報を、必要である場合には、ゾーンDB31、通信制御回路11内の既存のゾーン指定情報を削除してから、ゾーンDB31に記憶すると共に通信制御回路11に設定する。
【0027】
尚、CPU12は、telnet(telecommunication network)コマンドによるゾーン指定情報の設定も受け付ける。従って、ユーザは、Webブラウザがインストールされていない操作用端末40を用いて/Webブラウザを利用することなく、ゾーン指定情報を設定することも出来る。
【0028】
また、CPU12は、起動時(スイッチ装置10の電源が投入されたとき)、ゾーン指定情報がゾーンDB31に記憶されているか否かを判断する。そして、CPU12は、幾つかのゾーン指定情報がゾーンDB31に記憶されていていた場合には、ゾーンDB31内の各ゾーン指定情報を通信制御回路11に設定する処理を行う。
【0029】
以上のことを前提に、以下、スイッチ装置10(CPU12)の機能をさらに具体的に説明する。
【0030】
スイッチ装置10のCPU12は、第1〜第3ゾーニング種別変換処理、交換デバイスチェック処理、削除デバイスチェック処理等を実行する機能を有している。
【0031】
以下、各処理の内容を、各処理が利用される状況と共に説明する。
【0032】
《SAN構築時》
スイッチ装置10を用いて新たなSANを構築する場合には、SANの構成要素とする各デバイス(ホスト50、ストレージ60)がFCケーブルによりスイッチ装置10の特定のポート(ユーザが決定したポート)に接続される。また、操作用端末40が、スイッチ装置10の管理用LANポート14に接続される。
【0033】
そして、ユーザは、操作用端末40を操作することにより、作成するゾーン毎に、そのゾーンのメンバとする複数のデバイスを、それらを接続したポートのポート番号により指定する作業(以下、ポートゾーニング設定作業と表記する)を行う。尚、このポートゾーニング設定作業は、既に説明したように、操作用端末40のWebブラウザを利用するか、操作用端末40のキーボードからゾーン指定情報設定用のtelnetコマンドを入力することにより行われる。
【0034】
上記したCPU12、通信制御回路11の機能から明らかなように、ポートゾーニング設定作業が行われると、幾つかの第1種ゾーン指定情報がゾーンDB31に登録される。また、ゾーンDB31に登録されたものと同じ第1種ゾーン指定情報が通信制御回路11(内のメモリ11a)に設定される。従って、スイッチ装置10(通信制御回路11)は、ユーザが指定/設定した内容のポートゾーニングを行う状態となる。
【0035】
ポートゾーニング設定作業を終えたユーザは、各ホスト50から同一ゾーンのストレージ60にアクセスできるか否か等をチェックすることにより、ポートゾーニング設定(及びデバイスのスイッチ装置10への接続)が正しく行えたことを確認する。尚、ポートゾーニング設定が正しく行えていなかった場合、ユーザは、ポートゾーニング設定作業(及び/又は、幾つかのデバイスのスイッチ装置10への接続作業)をやり直す。
【0036】
ポートゾーニング設定が正しく行えたことを確認したユーザは、操作用端末40に対して、CPU12に第1ゾーニング種別変換処理を開始させるための操作(Webブラウザを利用する操作や、キーボードから所定のtelnetコマンドを入力する操作)を行う。
【0037】
当該操作が行われると、CPU12は、
図2に示した手順の第1ゾーニング種別変換処理を実行する。
【0038】
すなわち、この第1ゾーニング種別変換処理を開始したCPU12は、まず、ゾーンDB31から、1つの第1種ゾーン指定情報を読み出す(ステップS101)。尚、CPU12は、ゾーンDB31内に第1種ゾーン指定情報が存在しなかった場合、その旨を記憶して、このステップS101の処理を終了する。
【0039】
ゾーンDB31から第1種ゾーン指定情報を読み出せた場合(ステップS102;YES)、CPU12は、当該第1種ゾーン指定情報に含まれる各ポート番号に対応づけられているWWNをネームサービスDB32から読み出す(ステップS103)。
【0040】
次いで、CPU12は、ネームサービスDB32から読み出した複数のWWNを含めた第2種ゾーン指定情報を生成する(ステップS104)。
【0041】
その後、CPU12は、ネームサービスDB32内、通信制御回路11(メモリ11a)内の各処理対象情報を、生成した第2種ゾーン指定情報に変更する(ステップS105)。尚、ネームサービスDB32内の処理対象情報とは、ネームサービスDB32内の今回、読み出した第1種ゾーン指定情報のことである。また、通信制御回路11内の処理対象情報とは、通信制御回路11(メモリ11a)に設定されている、ネームサービスDB32から今回、読み出した第1種ゾーン指定情報と同内容の第1種ゾーン指定情報のことである。
【0042】
そして、ステップS105の処理を終えたCPU12は、ステップS101以降の処理を再び開始する。
【0043】
CPU12は、上記のような処理を、ゾーンDB31からの第1種ゾーン指定情報の読み出しに失敗する(ステップS102;NO)まで繰り返す。すなわち、CPU12は、上記のような処理を、ゾーンDB31内及び通信制御回路11内の全第1種ゾーン指定情報が第2種ゾーン指定情報に変換されるまで、繰り返す。
【0044】
全第1種ゾーン指定情報の第2種ゾーン指定情報への変換が完了した場合(ステップS102;NO)、CPU12は、WWNゾーニングの設定が完了した旨をユーザに通知する(ステップS106)。より具体的には、CPU12は、このステップS106にて、操作用端末40との間の通信プロトコルに応じた情報、つまり、HTMLデータ又はテキストデータ(telnetレスポンス)を、操作用端末40に送信する処理を行う。
【0045】
ステップS106の処理を終えたCPU12は、第1ゾーニング種別変換処理(
図2の処理)を終了する。また、第1ゾーニング種別変換処理が終了すると、スイッチ装置10(通信制御回路11)は、全てのゾーンに関してWWNゾーニングを行う状態となる。
【0046】
《ゾーン追加時》
上記のようにして構築したSANに、幾つかのゾーンを追加する場合には、各ゾーンのメンバとする各デバイスがFCケーブルによりスイッチ装置10の特定のポート(ユーザが決定したポート)に接続される。また、操作用端末40が、スイッチ装置10の管理用LANポート14に接続される。
【0047】
その後、ユーザは、操作用端末40を操作することにより、追加するゾーン毎に、各ゾーンのメンバとするデバイスを、それらを接続したポートのポート番号で指定するポートゾーニング設定作業を行う。
【0048】
ポートゾーニング設定作業を終えたユーザは、追加した各ゾーンのホスト50から、同一ゾーンのストレージ60へアクセスできるか否か等をチェックすることにより、ポートゾーニング設定が正しく行えたことを確認する。
【0049】
ポートゾーニング設定が正しく行えたことを確認したユーザは、操作用端末40を操作することにより、CPU12に第1ゾーニング種別変換処理(
図2)を実行させる。
【0050】
既に説明したように、第1ゾーニング種別変換処理は、ゾーンDB31内及び通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報に対しては何ら変更を加えない処理である。従って、上記作業後に、CPU12に第1ゾーニング種別変換処理を行わせると、スイッチ装置10は、全てのゾーンに関してWWNゾーニングを行う状態となる。
【0051】
《デバイス交換時(その1)》
スイッチ装置10を用いて構築したSANの或るデバイスを交換する場合、ユーザは、操作用端末40を操作することにより、当該デバイスが属しているゾーン(以下、処理対象ゾーン)を指定した形でCPU12に第2ゾーニング種別変換処理を開始させる。
【0052】
CPU12が実行する第2ゾーニング種別変換処理は、
図3に示した手順の処理である。
【0053】
すなわち、この第2ゾーニング種別変換処理を開始したCPU12は、まず、処理対象ゾーンに関する第2種ゾーン指定情報をゾーンDB31から読み出す(ステップS201)。次いで、CPU12は、読み出した第2種ゾーン指定情報に含まれる各WWNに対応づけられているポート番号をネームサービスDB32から読み出す(ステップS202)。
【0054】
その後、CPU12は、ネームサービスDB32から読み出した複数のポート番号を含めた第1種ゾーン指定情報を生成する(ステップS203)。そして、CPU12は、ネームサービスDB32内の各処理対象情報(ネームサービスDB32内の今回、読み出した第2種ゾーン指定情報)を生成した第1種ゾーン指定情報に変更する(ステップS204)。また、CPU12は、通信制御回路11内の処理対象情報(ネームサービスDB32から今回、読み出した第2種ゾーン指定情報に対応する通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報)を、生成した第1種ゾーン指定情報に変更する(ステップS204)。
【0055】
要するに、CPU12は、ステップS201〜204にて、処理対象ゾーンに関するゾーニング種別をWWNゾーニングからポートゾーニングに変更する処理を行う。
【0056】
その後、CPU12は、処理完了をユーザに通知する(ステップS205)。具体的には、CPU12は、操作用端末40との間の通信プロトコルに応じた形式の情報、つまり、HTMLデータ又はテキストデータ(telnetレスポンス)を、操作用端末40に送信する処理を行う。そして、CPU12は、この第2ゾーニング種別変換処理(
図3の処理)を終了する。
【0057】
処理完了が通知されたユーザは、故障等により交換が必要となったデバイス(以下、旧デバイスと表記する)を新デバイスに交換する。この交換作業は、旧デバイスが接続されていたポートに新デバイスを接続する形で行われる。
【0058】
旧デバイスの新デバイスへの交換を終えたユーザは、新デバイス(イニシエータ/ターゲット)と同一ゾーンのデバイスとの間のアクセスが可能なことを確認する。尚、処理対象ゾーンに関するゾーニング種別がWWNゾーニングのままだと、この確認作業を行えないことになるが、処理対象ゾーンに関するゾーニング種別がポートゾーニングに変更されている。そのため、ユーザは、新デバイスと同一ゾーンのデバイスとの間のアクセスが可能であるか否かを確認でき、必要である場合には、新デバイスを接続するポートを正しいポートに変更する作業等を行う。
【0059】
接続に問題のないことを確認したユーザは、操作用端末40を操作することによりCPU12に第1ゾーニング種別変換処理(
図2)を実行させる。すなわち、ユーザは、デバイスを交換したゾーン(処理対象ゾーン)に関するゾーニング方式を、ポートゾーニングよりもセキュリティの高いWWNゾーニングに戻す。
【0060】
《SAN全体の結線変更時》
SAN全体の結線(各デバイスのスイッチ装置10へのFCケーブルの配置等)を大幅に変更する場合、ユーザは、操作用端末40を操作することにより、CPU12に第3ゾーニング種別変換処理を実行させる。
【0061】
CPU12が実行する第3ゾーニング種別変換処理は、
図4に示した手順の処理である。
【0062】
すなわち、この第3ゾーニング種別変換処理を開始したCPU12は、まず、ゾーンDB31から、1つの第2種ゾーン指定情報を読み出す(ステップS301)。尚、CPU12は、ゾーンDB31内に第2種ゾーン指定情報が存在しなかった場合、その旨を記憶して、このステップS301の処理を終了する。
【0063】
ゾーンDB31から第2種ゾーン指定情報を読み出せた場合(ステップS302;YES)、CPU12は、当該第2種ゾーン指定情報に含まれる各WWNに対応づけられているポート番号をネームサービスDB32から読み出す(ステップS303)。
【0064】
次いで、CPU12は、ネームサービスDB32から読み出した各ポート番号を含めた第1種ゾーン指定情報を生成する(ステップS304)。その後、CPU12は、ネームサービスDB32内、通信制御回路11内の各処理対象情報(ネームサービスDB32内の今回、読み出した第2種ゾーン指定情報、それに対応する通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報)を生成した第1種ゾーン指定情報に変更する(ステップS305)。
【0065】
ステップS305の処理を終えたCPU12は、ステップS301以降の処理を再び開始する。
【0066】
CPU12は、上記のような処理を、ゾーンDB31からの第2種ゾーン指定情報の読み出しに失敗する(ステップS302;NO)まで、つまり、全てのゾーンに関するゾーニング種別がポートゾーニングに変更されるまで、繰り返す。
【0067】
そして、CPU12は、ゾーンDB31からの第2種ゾーン指定情報の読み出しに失敗したとき(ステップS302;NO)に、処理完了をユーザに通知(ステップS306)してから、この第3ゾーニング種別変換処理を終了する。
【0068】
第3ゾーニング種別変換処理の完了が通知されたユーザは、各デバイスとスイッチ装置10との間の結線状態を所望のものに変更する。また、ユーザは、操作用端末40を操作することにより、各ゾーンのメンバとする複数のデバイスを、それらのデバイスが接続されているポートのポート番号で指定するポートゾーニング設定作業を行う。
【0069】
ポートゾーニング設定作業を終えたユーザは、各ホスト50からの同一ゾーンのストレージ60へのアクセス等を試みることにより、ゾーニング設定(及びデバイスのスイッチ装置10への接続)が正しく行えたことを確認する。
【0070】
ゾーニング設定が正しく行えたことを確認したユーザは、CPU12に第1ゾーニング種別変換処理(
図2)を実行させることにより、各ゾーンに関するゾーニング種別を、ポートゾーニングよりもセキュリティの高いWWNゾーニングに変更する。
【0071】
《デバイス交換時(その2)》
交換デバイスチェック処理は、スイッチ装置10に接続されているデバイスを交換するときに利用する処理である。
【0072】
交換デバイスチェック処理を利用してデバイスを交換する場合、ユーザは、操作用端末40に対して、交換するデバイスが接続されているポートの指定操作を含む交換デバイスチェック処理の開始指示操作を行う。要するに、ユーザは、Webページ上の各種アイテムを選択する開始指示操作や、オペランド付きのコマンドを入力する開始指示操作を、操作用端末40に対して行う。
【0073】
上記開始指示操作がなされると、CPU12は、
図5に示した手順の交換デバイスチェック処理を開始して、まず、削除デバイス情報登録処理(ステップS401)を行う。
【0074】
この削除デバイス情報登録処理は、デバイスのリンクダウンを監視して、リンクダウンデバイス(以下、削除デバイスと表記する)に関するデバイス情報を削除デバイスDB33に登録する処理である。具体的には、例えば、ポート2(ポート番号2のポート)に接続されていたデバイスがリンクダウンした場合、ステップS401では、削除デバイスDB33の内容を
図6に示したように変更する処理が行われる。
【0075】
ステップS401の処理を終えたCPU12は、削除デバイス正否確認処理(ステップS402)を行う。この削除デバイス正否確認処理は、操作用端末40のディスプレイ上に、削除デバイスに関するデバイス情報等を表示させて削除デバイスが正しいものであるか否かをユーザに問い合わせる処理である。
【0076】
そして、CPU12は、ユーザから削除デバイスが正しいものでない旨の回答が得られた場合(ステップS403;NO)には、削除デバイスが元のポートに再接続されるのを待機する復旧待機処理(ステップS404)を行う。この復旧待機処理は、削除デバイスが元のポートに再接続されたときに終了する処理(削除デバイスが他ポートに再接続されても終了しない処理)である。また、復旧待機処理は、ステップS401の処理で削除デバイスDB33に登録されたデバイス情報を消去してから終了する処理ともなっている。
【0077】
ユーザから削除デバイスが正しいものである旨の回答が得られた場合(ステップS403;YES)、CPU12は、新デバイスが接続されるのを待機する(ステップS405)。より具体的には、CPU12は、自身が行っている別処理により、ネームサービスDB32に、新デバイスのデバイス情報(WWN等)が登録されるのを待機する。
【0078】
そして、CPU12は、新デバイスが接続された場合には、新デバイス正否確認処理(ステップS406)を行う。この新デバイス正否確認処理は、操作用端末40のディスプレイ上に、削除デバイス及び新デバイスに関するデバイス情報の差分を表示させて新デバイス(又は、削除デバイスと新デバイスとの組み合わせ)が正しいものであるかをユーザに問い合わせる処理である。
【0079】
CPU12は、ユーザから新デバイスが正しいものでない旨の回答が得られた場合(ステップS407;NO)には、新デバイスが取り外されるのを待機(ステップS408)してから、ステップS405以降の処理を再び開始する。
【0080】
一方、ユーザから新デバイスが正しいものである旨の回答が得られた場合(ステップS407;YES)、CPU12は、削除デバイスのWWNを含む第2種ゾーン指定情報をゾーンDB31から検索する(ステップS409)。
【0081】
次いで、CPU12は、検索した第2種ゾーン指定情報の削除デバイスのWWNを新デバイスのWWNに置換した第2種ゾーン指定情報を生成する(ステップS410)。その後、CPU12は、ネームサービスDB32内、通信制御回路11内の各処理対象情報(ネームサービスDB32内の今回、読み出した第2種ゾーン指定情報、それと同じ通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報)を生成した第2種ゾーン指定情報に変更する(ステップS411)。
【0082】
次いで、CPU12は、処理完了をユーザに通知する(ステップS412)。具体的には、CPU12は、操作用端末40との間の通信プロトコルに応じた形式の情報(HTMLデータ又はテキストデータ)を操作用端末40に送信する処理を行う。
【0083】
そして、CPU12は、この第3ゾーニング種別変換処理を終了する。
【0084】
第3ゾーニング種別変換処理の完了が通知されたユーザは、一応、新デバイスと同一ゾーンのデバイスとの間のアクセスが可能なことを確認する。そして、ユーザは、デバイス交換作業を終える。
【0085】
《デバイス削除時》
削除デバイスチェック処理は、スイッチ装置10からデバイスを削除する(取り外す)ときに利用する処理である。
【0086】
削除デバイスチェック処理を利用してデバイスを削除する場合、ユーザは、操作用端末40に対して、デバイスを削除する(取り外す)ポートの指定操作を含む削除デバイスチェック処理の開始指示操作を行う。
【0087】
上記開始指示操作がなされると、CPU12は、
図7に示した手順の削除デバイスチェック処理を実行する。
【0088】
この削除デバイスチェック処理のステップS501〜S504の処理は、それぞれ、交換デバイスチェック処理(
図5)のステップS401〜S404の処理と同内容の処理である。
【0089】
図7に示してあるように、ユーザから削除デバイスが正しいものである旨の回答が得られた場合(ステップS503;YES)、CPU12は、削除デバイスのWWNを含む第2種ゾーン指定情報をゾーンDB31から検索する(ステップS505)。
【0090】
その後、CPU12は、検索した第2種ゾーン指定情報中のWWN数が3以上であるか否かを判断する(ステップS506)。そして、CPU12は、WWN数が3以上ではなかった場合(ステップS506;NO)には、ネームサービスDB32内、通信制御回路11内の各処理対象情報(ネームサービスDB32内の今回、読み出した第2種ゾーン指定情報、それと同じ通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報)を消去する(ステップS507)。
【0091】
要するに、削除デバイスのWWNを含む第2種ゾーン指定情報中のWWN数が、3以上ではない(2であった)場合、削除デバイスを削除すると1つしかデバイスが残らない。そして、1つのデバイスをゾーン化しておいても意味がないので、CPU12は、ネームサービスDB32内、通信制御回路11内の各処理対象情報を消去する(ステップS507)。
【0092】
ステップS507の処理を終えたCPU12は、処理完了をユーザに通知(ステップS508)してから、この削除デバイスチェック処理を終了する。
【0093】
一方、検索した第2種ゾーン指定情報中のWWN数が3以上であった場合(ステップS506;YES)、CPU12は、検索した第2種ゾーン指定情報から削除デバイスのWWNを除去した第2種ゾーン指定情報を生成する(ステップS508)。次いで、CPU12は、ネームサービスDB32内、通信制御回路11内の各処理対象情報(ネームサービスDB32内の今回、読み出した第2種ゾーン指定情報、それと同じ通信制御回路11内の第2種ゾーン指定情報)を生成した第2種ゾーン指定情報に変更する(ステップS509)。
【0094】
そして、CPU12は、処理完了をユーザに通知(ステップS508)してから、この削除デバイスチェック処理を終了する。
【0095】
以上、説明したように、スイッチ装置10は、ポート番号の組み合わせでゾーンを指定する第1種ゾーン指定情報を、ネームサービスDB32内の情報に基づき、WWNの組み合わせでゾーンを指定する第2種ゾーン指定情報に変換する機能を有している。従って、スイッチ装置10は、各デバイスのWWNを調査するという煩雑な作業を行わなくても、セキュリティの高いWWNゾーニングを行わせることが可能な装置となっていることになる。
【0096】
また、スイッチ装置10は、ネームサービスDB32内の情報に基づき、第2種ゾーン指定情報を第1種ゾーン指定情報に変換する(WWNゾーニングをポートゾーニングに変換する)機能も有している。従って、スイッチ装置10を用いておけば、ポートゾーニングに一旦変換して、デバイスの交換及び交換したデバイスの接続確認を行った後、WWNゾーニングに戻すという作業が、容易に(煩雑な設定作業が不必要な形で)、行えることにもなる。
【0097】
さらに、スイッチ装置10は、削除デバイス/新デバイスのデバイス情報をユーザに提示する機能も有している。従って、スイッチ装置10を用いておけば、デバイスを誤って削除/交換しまうことを抑止できることにもなる。
【0098】
《変形形態》
上記した実施形態に係るスイッチ装置10は、各種の変形を行えるものである。例えば、スイッチ装置10を、第2種ゾーン指定情報として、デバイスのIP(internet protocol)アドレスやMAC(media access control)アドレスの組み合わせが使用される装置に変形することが出来る。
【0099】
また、スイッチ装置10を、ハードウェア構成が上記したものとは異なる装置、(例えば、メモリ11aが通信制御回路11に内蔵されていない装置)に変形することも出来る。さらに、スイッチ装置10を、ソフトウェア構成が上記したものとは異なる装置(例えば、DB31〜33の構成(データ構造)が上記したものとは異なる装置や、各種情報の読み出し順が上記したものとは異なる装置)に変形することも出来る。