(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072074
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】改良した吸気装置を備えた車両
(51)【国際特許分類】
B60K 13/02 20060101AFI20170123BHJP
B62D 25/10 20060101ALI20170123BHJP
F02M 35/12 20060101ALI20170123BHJP
F02M 35/16 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
B60K13/02 C
B62D25/10 D
F02M35/12 M
F02M35/16 E
F02M35/16 S
【請求項の数】24
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-552649(P2014-552649)
(86)(22)【出願日】2013年1月21日
(65)【公表番号】特表2015-505521(P2015-505521A)
(43)【公表日】2015年2月23日
(86)【国際出願番号】EP2013051029
(87)【国際公開番号】WO2013107903
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2014年9月10日
(31)【優先権主張番号】1200938.7
(32)【優先日】2012年1月20日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・フォーティ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・パウエル
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・スミス
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
実開平04−009329(JP,U)
【文献】
特開平09−136551(JP,A)
【文献】
実開昭62−110024(JP,U)
【文献】
特開2010−048234(JP,A)
【文献】
実開平02−021122(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
エンジンを収納するエンジンルームと、
前記車体に対して可動に結合され、前記エンジンルーム用の閉鎖部材となるように構成されたボンネットであって、前記エンジンルームへのアクセスを可能とするように開放状態と閉鎖状態との間で可動である前記ボンネットと、
エンジンに吸い込まれる吸入空気が通るエンジン吸気孔を有するエンジン吸気ダクトと、を備える車両であって、
前記車両は、前記吸気ダクトに空気を供給する第1及び第2の空気流路を備え、
前記第1の流路は、ラムエアを受容するために車両の前部に配置された吸気開口部と、該吸気開口部の後方に排気開口部と、を備え、該排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通するように設けられており、
前記第2の流路は、前記ボンネットの側縁と前記車体との間の隙間を用いて設けられ、前記隙間を介して外気を前記吸気ダクトに吸い込むことができ、
前記エンジン吸気孔は、エンジン吸気孔部材によって形成されており、
前記エンジン吸気孔部材は、前記ボンネットの前記側縁と前記車体の間の前記隙間を通過した前記第2の流路に沿って流れる空気が前記エンジン吸気孔を介して吸い込まれる前に上方に上昇させる必要があるように構成された
ことを特徴とする車両。
【請求項2】
前記第1の流路は、ボンネット吸気管路を用いて設けられ、
前記吸気開口部は、前記ボンネットの前部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記ボンネット吸気管路の前記吸気開口部は、前記ボンネットと前記車体の前部との間の隙間を通過する空気を吸い込むように構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記ボンネット吸気管路の前記吸気開口部は、前記ボンネットと前記車体のヘッドライトクラスタとの間の隙間を通過する空気を吸い込むように構成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の車両。
【請求項5】
前方へ走行中、ラムエアを受容するためのフロントグリルを備え、前記ボンネット吸気管路の前記吸気開口部は、前記フロントグリルを介して中に入れられる空気と流体連通している
ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記ボンネット吸気管路の前記吸気開口部から前記フロントグリルを介して上方に通過するラムエアの少なくとも一部を迂回させるように構成されている
ことを特徴とする請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記エンジン吸気ダクトの前記エンジン吸気孔は、実質的に上方向を向き、それによって前記ボンネット吸気管路から下方に流れる空気を受容するように構成されており、
前記ボンネット吸気管路の前記排気開口部と前記エンジン吸気孔の間にリークパスを設けることにより、前記第2の流路に沿って流れる空気が前記エンジン吸気孔を通過できる
ことを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の車両。
【請求項8】
前記エンジン吸気孔部材は、前記ボンネット吸気管路の排気開口部の中へ上方に突出することで、前記第2の流路に沿って流れる空気が前記エンジン吸気孔に入る前に前記ボンネット吸気管路の前記排気開口部を通過する必要があるように構成された
ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載の車両。
【請求項9】
前記エンジン吸気孔は、前記エンジンルームから流体的に分離して設けられている
ことを特徴とする請求項2から8のいずれか一項に記載の車両。
【請求項10】
前記エンジンルームから前記エンジン吸気孔に空気が流れないように、前記エンジン吸気孔と前記エンジンルームの間の位置にシール手段を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記ボンネット吸気管路は、前記ボンネットのアウタパネルとインナパネルによって形成され、前記アウタパネル及び前記インナパネルは、それらの間の前記ボンネット吸気管路を形成するように互いに結合されている
ことを特徴とする請求項2から10のいずれか一項に記載の車両。
【請求項12】
前記ボンネット吸気管路の前記吸気開口部と前記ボンネット吸気管路の前記排気開口部は、前記インナパネルを用いて形成される
ことを特徴とする請求項11に記載の車両。
【請求項13】
さらに、前記ボンネット吸気管路を介して前記第1の流路に沿って空気が流れる際に生成される音響エネルギを吸収するための共振器装置を備える
ことを特徴とする請求項2から12のいずれか一項に記載の車両。
【請求項14】
前記共振器装置は、ヘルムホルツ共鳴器を備える
ことを特徴とする請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記ボンネットは、共振器装置を備える
ことを特徴とする請求項13または請求項14のいずれか一項に記載の車両。
【請求項16】
前記共振器装置は、前記インナパネル及び前記アウタパネルの一方または両方によって形成される
ことを特徴とする請求項13から15のいずれか一項に記載の車両。
【請求項17】
前記エンジンルームの両側には、一組のエンジン吸気孔がそれぞれ配置され、
前記ボンネットには、対応する一組のボンネット吸気管路が設けられる
ことを特徴とする請求項2から16のいずれか一項に記載の車両。
【請求項18】
前記ボンネットは、クラムシェル型ボンネットである
ことを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の車両。
【請求項19】
車体と、
エンジンを収納するエンジンルームと、
前記車体に対して可動に結合され、前記エンジンルーム用の閉鎖部材となるように構成されたボンネットであって、前記エンジンルームへのアクセスを可能とするように開放状態と閉鎖状態との間で可動である前記ボンネットと、
エンジンに吸い込まれる吸入空気が通るエンジン吸気孔を有するエンジン吸気ダクトと、を備える車両であって、
前記車両は、前記吸気ダクトに空気を供給する第1及び第2の空気流路を備え、
前記第1の流路は、ラムエアを受容するために車両の前部に配置された第1の吸気開口部と、該第1の吸気開口部の後方に第1の排気開口部と、を備え、該第1の排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通するように設けられており、
前記第2の流路は、前記エンジンルームと流体連通する第2の吸気開口部と、前記エンジン吸気孔と流体連通する第2の排気開口部と、を備え、前記エンジンルームから前記吸気ダクトへ前記第2の流路に沿って空気を吸い込むことができ、
前記第2の流路は、そこを通過する気流を許容または制限するための、開位置と閉位置の間で移行可能な弁部材を備え、
前記弁部材は、前記車両が水に浸かりながら走行しているか、まさに水に浸かって走行し始めようとしていることを検出するための少なくとも1つのセンサから出力される信号に応じて前記閉位置から前記開位置へ移行するように動作可能である
ことを特徴とする車両。
【請求項20】
前記第1の流路は、前記ボンネット吸気管路を用いて設けられ、前記第1の吸気開口部は、前記ボンネットの前部に設けられている
ことを特徴とする請求項19に記載の車両。
【請求項21】
前記エンジン吸気孔は、エンジン吸気孔部材によって形成され、前記ボンネットが閉位置にあるとき、前記第1の排気開口部から前記エンジン吸気孔部材までの間にシールを形成するように構成されたシール部材を備える
ことを特徴とする請求項20に記載の車両。
【請求項22】
さらに、前記ボンネットが閉位置にあるとき、前記エンジンルームと前記ボンネットの間にシールを形成するように構成されたシール部材を備える
ことを特徴とする請求項19から21のいずれか一項に記載の車両。
【請求項23】
前記開位置と前記閉位置の間で前記弁部材を移行させるための、ドライバが選択可能なスイッチ手段を備える
ことを特徴とする請求項19から22のいずれか一項に記載の車両。
【請求項24】
第1及び第2の流路に沿ってエンジン吸気孔を介してエンジンに空気を吸い込み、
前記第1の流路に沿って流れる空気は、車両のボンネット吸気管路に沿って流れ、前記ボンネット吸気管路は、ボンネットの前部に吸気開口部と、吸い込まれた前記空気が通る前記吸気開口部の後部に排気開口部と、を有し、前記排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通しており、
前記第2の流路に沿って流れる流体が前記ボンネットの側縁と車体の間の隙間を通って流れるように構成されており、
前記隙間を介して外気を吸気ダクトに吸い込むことができ、
前記ボンネットの前記側縁と前記車体の間の前記隙間を通過した前記第2の流路に沿って流れる空気が、前記エンジン吸気孔を介して吸い込まれる前に上方に上昇する
ことを特徴とする車両用エンジンへの吸気方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、特に車両用吸気装置に関する。本発明の態様は、車両及び車両用エンジンへの吸気方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンルームから空気を吸い込むように構成されたエンジン用吸気管路を備えた車両を提供することが知られている。また、車両の前面パネルに設けられたグリルを介して空気を吸い込むように構成されたエンジン用吸気管路を備えた車両を提供することが知られている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、添付された特許請求の範囲を参照することによって理解することができる。
【0004】
本発明の態様は、添付された特許請求の範囲に記載されているような車両及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
別の態様において、本発明は、
車体と、
エンジンを収納するエンジンルームと、
前記車体に対して可動に結合され、前記エンジンルーム用の閉鎖部材となるように構成されたボンネットであって、前記エンジンルームへのアクセスを可能とするように開放状態と閉鎖状態との間で可動である前記ボンネットと、
エンジンに吸い込まれる吸入空気が通るエンジン吸気孔を有するエンジン吸気ダクトと、を備える車両であって、
前記車両は、前記吸気ダクトに空気を供給する第1及び第2の空気流路を備え、
前記第1の流路は、ラムエアを受容するために車両の前部に配置された吸気開口部と、該吸気開口部の後方に排気開口部と、を備え、該排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通するように設けられており、
前記第2の流路は、前記ボンネットの側縁と前記車体との間の隙間を用いて設けられ、前記隙間を介して外気を前記吸気ダクトに吸い込むことができる
ことを特徴とする車両を提供する。
【0006】
本発明の実施形態は、ボンネット、ウィングパネル、フロントバンパフェイシア等の車体の一つまたは複数のパネルに開口部を追加で設ける必要がなく、車両のエンジンにエンジン吸気を十分に供給できる利点がある。これは、通常の動作時にラムエアなどのエンジンの吸入空気を第1の流路に沿って車両前方から吸い込むことができるためである。
【0007】
第1の流路が詰まった場合、例えば、水に浸かりながら走行中に第1の流路の吸気開口部が水没した場合、吸入空気は、ボンネットと車体の間の隙間、例えば、ボンネットとウィングパネルの間の隙間を介して第2の流路に沿って吸い込むことができる。したがって、液体が車両前方からエンジン吸気孔へ第1の流路に沿って吸い込まれる危険性が低減される。
【0008】
第1の流路はボンネット吸気管路を用いて設け、吸気開口部はボンネットの前部に設けてもよい。この配置は、吸気開口部を車両の前方のできるだけ高い所に配置することができるので有利であり、これは車両が水に浸かりながら走行できる水深を最大にできる、すなわち、車両が通過可能な最大水深の点で有利である。
【0009】
第2の流路は、エンジン吸気孔を通って吸気ダクトの中へ入ってもよい。あるいは、第2の流路は、吸気ダクトの中の代替開口部を通ってもよい。
【0010】
有利には、ボンネット吸気管路の吸気開口部は、ボンネットと車体の前部との間の隙間を通過する空気を吸い込むように構成してもよい。
【0011】
有利には、ボンネット吸気管路の吸気開口部は、ボンネットと車体のヘッドライトクラスタとの間の隙間を通過する空気を吸い込むように構成してもよい。
【0012】
有利には、車両は前方へ走行時にラムエアを受容するためのフロントグリルを備え、ボンネット吸気管路の吸気開口部は、フロントグリルを介して受け入れた空気と流体連通していてもよい。
【0013】
有利には、車両は、フロントグリルを通過してボンネット吸気管路の吸気開口部に上向きに入るラムエアの少なくとも一部を迂回させるように構成してもよい。
【0014】
例えば、フロントグリルの上部部分等の部分は、ボンネット吸気管路の吸気開口部の中に空気が上昇するように成形してもよい。いくつかの実施形態では、グリルの最上部は、同様に成形してもよい。
【0015】
さらに有利には、エンジン吸気ダクトのエンジン吸気孔は、実質的に上方向を向くことで、ボンネット吸気管路から下方に流れる空気を受容するように構成してもよい。ボンネット吸気管路の排気開口部とエンジン吸気孔との間にリークパスを設けることで、第2の流路に沿って流れる空気がエンジン吸気孔を通過できるようにしてもよい。
【0016】
有利には、エンジン吸気孔はエンジン吸気孔部材によって形成してもよい。設けられたエンジン吸気孔部材は、ボンネットの側縁と車体の間の隙間を通過した第2の流路に沿って流れる空気がエンジン吸気孔を介して吸い込まれる前に上方に上昇させる必要があるように構成されている。
【0017】
この特徴は、吸気の流れに混入したパーティクルがエンジン吸気孔を介して吸い込まれる危険性を低下させる利点がある。例えば、エンジン吸気孔を介して吸い込まれる前に空気を上方に上昇された場合、隙間を通って吸入された後にエンジン吸気孔を通過する空気に混入する雪または水滴のパーティクル数が実質的に減少することが分かっている。
【0018】
当然のことながら、エンジン吸気孔部材は、それが取り付けられる車両の周囲部分から上方に突出しており、例えば、ウィングパネル部材やフェンダーパネル部材であってもよい。
【0019】
さらに有利には、エンジン吸気孔部材は、ボンネット吸気管路の排気開口部の中へ上方に突出することで、第2の流路に沿って流れる空気がエンジン吸気孔部材に入る前にボンネット吸気管路の排気開口部を通過する必要があるように構成してもよい。
【0020】
さらに、この特徴は、パーティクルがエンジン吸気孔を介して吸気の流れに混入する危険性を低減するという利点を有する。
【0021】
有利には、エンジン吸気孔は、エンジンルームから流体的に分離して設けてもよい。
【発明の効果】
【0022】
したがって、エンジンルーム内の空気が吸気ダクトに入ることが防止される。この特徴は、エンジンによって温められた空気が吸気ダクトに入ることができず、比較的冷たい空気のみが吸気ダクトに入ることを確実にするという利点を有する。
【0023】
有利には、エンジン吸気孔とエンジンルームの間にシール手段を設けて、これによってエンジンルームからエンジン吸気孔への気流を防止してもよい。
【0024】
有利には、ボンネット吸気管路は、ボンネットの各アウタパネル及びインナパネルによって形成し、アウタパネル及びインナパネルは、その間に管路を形成するように互いに結合されてもよい。
【0025】
インナパネルは、例えば、ボンネットに構造強度を与えるように構成してもよい。
【0026】
さらに有利には、ボンネット吸気管路の吸気開口部及び/またはボンネット吸気管路の排気開口部は、インナパネルによって形成してもよい。
【0027】
有利には、車両は、ボンネット吸気管路を介して第1の流路に沿って空気が流れる際に生成される音響エネルギを吸収するための共振器装置を備えてもよい。
【0028】
有利には、共振器装置は、ヘルムホルツ共鳴器を備えてもよい。
【0029】
ボンネットは、共振器装置を備えてもよい。
【0030】
さらに有利には、共振器装置は、ボンネットのインナパネル及びアウタパネルの一方または両方によって形成してもよい。
【0031】
有利には、車両は、エンジンルームの両側に一組のエンジン吸気孔がそれぞれ配置され、ボンネットには、対向する一組のボンネット吸気管路を設けてもよい。
【0032】
ボンネットは、クラムシェル型ボンネットであってもよい。
【0033】
保護を受けようとする発明の別の態様において、
車体と、
エンジンを収納するエンジンルームと、
前記車体に対して可動に結合され、前記エンジンルーム用の閉鎖部材となるように構成されたボンネットであって、前記エンジンルームへのアクセスを可能とするように開放状態と閉鎖状態との間で可動である前記ボンネットと、
エンジンに吸い込まれる吸入空気が通るエンジン吸気孔を有するエンジン吸気ダクトと、を備える車両であって、
前記車両は、前記吸気ダクトに空気を供給する第1及び第2の空気流路を備え、
前記第1の流路は、ラムエアを受容するために車両の前部に配置された吸気開口部と、該吸気開口部の後方に排気開口部と、を備え、該排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通するように設けられており、
前記第2の流路は、前記ボンネットの側縁と前記車体との間の隙間を用いて設けられ、前記隙間を介して外気を前記吸気ダクトへ吸い込むことができる
ことを特徴とする車両を提供する。
【0034】
保護を受けようとする発明の別の態様において、
第1及び第2の流路に沿って吸気ダクトの開口部を介してエンジンに空気を吸い込み、
前記第1の流路に沿って流れる空気は、前記車両の前記ボンネット吸気管路に沿って流れ、前記ボンネット吸気管路は、前記ボンネットの前部に吸気開口部と、吸い込まれた空気が通過する前記吸気開口部の後部に前記排気開口部と、を備え、前記排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通しており、
前記第2の流路に沿って流れる流体が前記ボンネットの側縁と前記車体の間の隙間を通って流れるように構成されており、
前記隙間を介して外気を前記吸気ダクトに吸い込むことができる
ことを特徴とする車両のエンジンへの吸気方法を提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、
車体と、
エンジンを収納するエンジンルームと、
前記車体に対して可動に結合され、前記エンジンルーム用の閉鎖部材となるように構成されたボンネットであって、前記エンジンルームへのアクセスを可能とするように開放状態と閉鎖状態との間で可動である前記ボンネットと、
エンジンに吸い込まれる吸入空気が通るエンジン吸気孔を有するエンジン吸気ダクトと、を備える車両であって、
前記車両は、前記吸気ダクトに空気を供給する第1及び第2の空気流路を備え、
前記第1の流路は、ラムエアを受容するために車両の前部に配置された第1の吸気開口部と、該第1の吸気開口部の後方に第1の排気開口部と、を備え、該第1の排気開口部は、前記エンジン吸気孔と流体連通するように設けられており、
前記第2の流路は、前記エンジンルームと流体連通する第2の吸気開口部と、前記エンジン吸気孔と流体連通する第2の排気開口部と、を備え、前記エンジンルームから前記吸気ダクトへ前記第2の流路に沿って空気を吸い込むことができる。
【0036】
例えば、水に浸かって走行中に車両の前方が浸水した際、万一、第1の流路の第1の吸気開口部が一時的に詰まった状態になる場合には、エンジンで吸気が不足するのを防ぐために、エンジンルームから空気を吸い込んでもよい。
【0037】
第1の流路は、ボンネット吸気管路を用いて設け、吸気開口部は、ボンネットの前部に設けてもよい。
【0038】
エンジン吸気孔は、エンジン吸気孔部材によって形成してもよく、車両は、ボンネットが閉位置にあるとき、エンジン吸気孔部材と第1の排気開口部の間にシールを形成するように構成されたシール部材を備えてもよい。
【0039】
車両は、ボンネットが閉位置にあるとき、エンジンルームとボンネットの間にシールを形成するように構成されたシール部材をさらに備えてもよい。
【0040】
第2の流路は、そこを通過する気流を許容または制限するための開位置と閉位置の間で移行可能な弁部材を備えてもよい。
【0041】
車両は、開位置と閉位置の間で弁部材を移行させるための、ドライバが選択可能なスイッチング手段を備えてもよい。
【0042】
弁部材は、車両が水に浸かりながら走行しているか、まさに水に浸かって走行し始めようとするのを検知する少なくとも1つのセンサからの信号出力に応じて、閉位置から開位置までの間を移行可能であってもよい。車両は、車両上の予め決定された位置での水の存在を検出するための湿度センサを備えてもよい。
【0043】
本出願の範囲内では、先の段落、特許請求の範囲及び/または以下の説明及び図面に記載されたさまざまな態様、実施例及び代替実施形態、特に、個別の特徴は、単独または任意の組み合わせで実施できることが、明示的に意図されている。例えば、一実施形態に関して説明された特徴は、このような特徴が両立しない場合を除いて、全ての実施形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
添付図面を参照しながら、ほんの一例としてのみ、本発明の実施形態について以下に説明する。
【0045】
【
図1】本発明の実施形態に係る車両のボンネット・エンジン吸気ダクトアセンブリの概略図である。
【
図2】
図1のボンネット・吸気ダクトアセンブリと共に、車両のウィングパネルを示す図である。
【
図3】
図1のボンネット・吸気ダクトアセンブリを、明確にするためにボンネットのアウタパネルを除いて上から見た図である。
【
図5】ボンネットのアウタパネルを省略した車両の前方左側部分を示す、本発明の実施形態に係る車両の平面図である
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明の実施形態に係る吸気装置103を備えた車両の一部を示す。車両は、エンジンルーム105(
図4)のための閉鎖部材を提供するボンネット110を有する。ボンネット110は、アウタパネル(または「A」パネル)110Aとインナパネル(または「B」パネル)110Bとから構成されている。アウタパネル及びインナパネル110A、110Bは、溶接により接合されており、他の接合技術も利用できる。アウタパネル110Aに接合されたとき、インナパネル110Bは(車両の運転席から見て)ボンネット100の左右両側に一対の空気管路110C、110C’を形成するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の空気管路を設けてもよいが、いくつかの代替実施形態では、単数の空気管路が設けられている。
【0047】
各管路110C、110C’は、ボンネット110の各前方コーナに一対の吸気開口部110IN、110IN’と、ボンネット110の後部に向かって各前方コーナの後方に一対の排気開口部110OUT、110OUT’と、を備える。同様に、吸気開口部と排気開口部は、他の個数であってもよい。吸気開口部110IN、110IN’は、空気が各管路110C、110C’に吸い込まれるように構成されている。排気開口部110OUT、110OUT’は、吸気開口部110IN、110IN’を介して吸い込まれた空気がエンジン吸気ダクトアセンブリ150へ供給可能に構成されている。ボンネット吸気管路110C、110C’を介してエンジン吸気ダクトアセンブリ150へ流れる空気の流路は、第1の流路F1と呼ぶことができる。
【0048】
吸気ダクトアセンブリ150は、その左右の各吸気タレット152、152’を介して車両のエンジンに「汚れた」(フィルタリングされていない)空気を吸い込むための、実質的に対称的な形状を有する部品組立体である。各エンジン吸気孔部材152、152’を通過する空気は、左右の各吸気マニホールド150M、150M’の中に入る。その後、空気は、左右の各エアフィルタボックス155、155’を介して共通のクリーン(フィルタリングされた)エンジン吸気供給ライン158に流れるように案内される。
【0049】
図2は、1つのウィングパネルを追加で図示していることを除いて、
図1と同様の図である。
図3は、左側のボンネット吸気管路110Cを通る空気の第1の流路F1を上方から示すインナボンネットパネル110Bの側面図である。
【0050】
図4は、
図3の車両の一部のX−X線に沿う断面図である。
図4から分かるように、エンジン吸気孔部材、すなわち吸気タレット152、152’は、左右のウィングパネル120も結合された車両の左右の各構造部材125に結合されている。また、左右のフロントサスペンションストラットは、左右の各支持部材125に結合されている。
【0051】
図示の実施形態では、ボンネット110は、クラムシェルタイプのものであり、ボンネット110の外周縁の周りに下方に垂下するリップ110Lを有する。ボンネット110が閉じた状態で、リップ110Lの下縁と車体との間には隙間120Gが設けられている。本実施形態では、隙間が幅6ミリメートル程度であるが、他の配置も有用である。当然のことながら、他のボンネットタイプも有用である。
【0052】
ボンネット110のリップ110Lの内側であってエンジンルーム105の外側には、合流ボリュームまたは領域150C、150C’が吸気タレット152、152’上に設けられている。各空気管路110C、110C’を介して吸い込まれた空気は、合流領域150C、150C’の中に入り、その後、各エンジン吸気孔部材152、152’を介して吸い込まれる。
【0053】
また、
図4に示すように、合流領域150C、150C’の中へ空気を吸い込むことにより、ボンネット110と左右の各ウィングパネル120との間の隙間120Gを介して各吸気タレット152、152’の中へ空気を吸い込んでもよい。すなわち、ボンネット吸気管路110C、110C’だけではなく、吸気タレット152、152’の周囲からも吸気タレット152、152’の中へ入る空気の漏れ経路が存在する。このような空気の流路は第2の流路と呼んでもよく、
図2及び
図4には矢印F2で示されている。したがって、合流領域150C、150C’は、各ボンネット吸気管路110C、110C’を通る空気流路がボンネット110と左右の各ウィングパネル120との間の隙間120Gを通る空気流路と合流する領域である。
【0054】
第2の流路が存在することで、例えば一時的な水中走行の際の浸水により、管路110C、110C’が詰まっても、まだ合流領域150C、150C’に空気を供給することができるという利点がある。例えば最初に車両の先端部が水に入って、ボンネット110の前部が水に浸かった場合、管路110C、110C’が詰まってしまうことがある。
【0055】
合流領域150C、150C’の正確な位置は、車が水に浸かる際に吸気タレット152、152’に水が浸入するのを防止することができるように、空気ダクトアセンブリ150の1つまたは複数の構成部品の配置構成と、車両が入水する最大浸水深度及び最大入水角度等の要素とに関する要件を満たすように決定してもよい。他の配置も有用である。
【0056】
図4に示すように、隙間120Gを介していずれか一方の合流領域150C、150C’に向かって流れる空気が各合流領域150C、150C’に入る前に支持部材125から上向きに上昇させるように、吸気タレット152、152’は、各支持部材125から上方に突出している。この特徴は、間隙120Gを通る気流に混入したパーティクルが吸気タレット152、152’を介して吸い込まれることで吸気ダクトアセンブリ150に入る危険性を低減できる利点を有する。むしろ、水滴や雪片等の混入したパーティクルは、吸気開口部品152、152’に入ることができず、吸気開口部品152、152’から後方へ遠くに吹き飛ばされる。
【0057】
また、水滴や雪片が吸気タレット152、152’の周囲に蓄積することで、空気の吸気タレット152、152’への第2の流路が詰まるのを防止できる。
【0058】
吸気タレット152、152’が各支持部材125から上方へ突出しているという事実は、車が水に浸かる際に水が吸気開口部152、152’に入る危険性を低減できるというさらなる利点を有する。
【0059】
図4に示された実施形態では、ボンネット吸気管路排気開口部110OUT、110OUT’と吸気タレット152、152’の間に鉛直方向の隙間が存在するため、第1の流路に沿って供給された空気は、吸気開口部152、152’に入る前にボンネット吸気管路110C、110C’へ送出される。いくつかの代替の実施形態では、吸気タレット152、152’は、各ボンネット吸気管路110C、110C’の排気口110OUT、110OUT’の中へ上方に突出するように構成されている。一実施形態では、吸気タレット152、152’は、
図4の破線152Hの輪郭で実質的に図示するように、ボンネット吸気管路排気開口部110OUT、110OUT’の中まで上方に突出している。吸気タレット152、152’の高さは、タレット152、152’に至る空気流のうち第1及び第2の流路F1、F2のそれぞれを通る空気流の所望のバランスが得られるように選択してもよい。
【0060】
当然のことながら、吸気タレット152、152’が各排気開口部110OUT、110OUT’から突出する実施形態において、合流領域150C、150C’は、各空気管路150C、150C’内に少なくとも部分的に設けられていてもよい。この特徴は、吸気に混入した水滴または雪片が吸気開口部152、152’を介して空気ダクトアセンブリ150の中へ吸い込まれる危険性をさらに低減できる利点がある。
【0061】
図4に示すように、バッフル壁125Bには、その内側縁部に沿って支持部材125が設けられている。バッフル壁125Bは、ボンネット110が閉位置にあるとき、ボンネット110と対向するように上方に延びている。ボンネット110のインナパネル110Bとバッフル壁125Bとの間には、シール部材110Sが設けられている。シール部材110Sの目的は、エンジンルーム105から合流領域150C、150C’の中に空気が流れるのを防止することである。したがって、エンジンルーム105内の空気は、吸気ダクトアセンブリ150に入ることが防止される。そのため、比較的冷たい外気のみが吸気ダクトアセンブリ150に入ることができる。
【0062】
上述したように、ボンネット110が閉状態にあるとき、ボンネット110と車両のウィングパネル120との間には、間隙120Gが設けられている。隙間120Gは、外気が隙間120Gを通って合流領域150C、150C’に吸い込まれるように十分に広い。さらに、間隙120Gは、車両が濡れた状態で動作しているとき、雨水などの水が隙間120Gを詰まらせるのを防ぐのに十分に広い。そのため、隙間120Gは十分に広いため、例えば、車両が雨天走行中、ボンネット110の上を流れて隙間120Gを横切る雨水により、隙間120Gからの空気の吸い込みが妨げられることはない。また、隙間120Gは、過剰な量の雨水が隙間120Gを通る気流によって合流領域150C、150C’に吸い込まれてしまう危険性を低減させるのに十分に大きな幅を有する。
【0063】
図5は、本発明の実施形態に係る車両100の前方の左側部分であって、
図1〜4に示す部分の平面図である。車両100のボンネット110のアウタパネル110A(
図1)は、インナパネル110Bを明確にするために省略されている。
【0064】
図6は、
図5のA−A線から見た車両100の前方部分の断面図である。
【0065】
図5、
図6から分かるように、ボンネット110の吸気開口部110INは、車両100の左側の照明クラスタ107の直ぐ後方に設けられている。吸気開口部110IN及び照明クラスタ107についても同様に、車両100の右側前部(
図5に図示しない)は、ほぼ対称に配置されている。
【0066】
当然のことながら、いくつかの代替的な構成において、ボンネットと照明クラスタの間の隙間に加えて、またはその代わりに、車両100のフロントグリル106を介して空気を吸い込むための吸気開口部110IN、110IN’を構成してもよい。フロントグリルは、車両100のラジエーターパックを介してラムエアを案内するように構成された中央のフロントグリル106であってもよい。また、他のグリルの配置も有用である。いくつかの実施形態では、吸気開口部110IN、110IN’は、一つまたは複数の各専用のグリルを介して空気を吸い込むように構成してもよい。吸気開口部110IN、110IN’に供給される空気が通過するグリルは、特に吸気開口部110IN、110IN’に向けて空気を案内するように構成してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、グリルは、グリルを介して吸気開口部110IN、110IN’に向かって流れる空気の少なくとも一部を案内するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、グリルの上部領域または部分は、吸気開口部110IN、110IN’の中へ空気を案内するように構成してもよい。専用のグリルが設けられた実施形態において、グリルは、グリルを介して吸気開口部110IN、110IN’の中へ流れる空気の実質的に全てを導くように構成してもよい。グリルは、吸気開口部110IN、110IN’へ上向き方向に空気を偏向するように構成してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、ボンネットには、ヘルムホルツ共鳴器装置の形で減音部が設けられている。ヘルムホルツ共鳴器装置は、ボンネット吸気管路110C、110C’を通る第1の流路に沿った空気の通過に伴う騒音を減衰するように構成してもよい。いくつかの構成において、共振器の空洞(キャビティ)は、アウタボンネットパネル110A及びインナボンネットパネル110Bによって形成され、これによって第1の流路に沿った気流によって生み出された音響エネルギを吸収する。他の配置も有用である。
【0068】
当然のことながら、本発明の実施形態は、車両100の1つまたは複数のアウタパネルに開口部を設ける必要がなく、空気を吸気ダクト構造150の中へ複数の空気源から吸い込むことができるという利点を有する。むしろ、ボンネット110とウィングパネルの間の隙間120G、またはボンネット110と照明クラスタ107の間の隙間120G等、ボンネット110と車体100の間の隙間120Gを介して吸気ダクト構造150に空気を吸い込むことができる。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態は、ボンネット、ウィング、バンパフェイシアまたは他のパネルなどの一つまたは複数の車両のパネルにエンジン吸気孔を組み込む必要がなく、車両のスタイリングを設計できる利点を有する。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、エンジン吸気アセンブリに、車両のボンネットより下の比較的高い位置から吸気を吸い込むように構成された吸気口を設けることができる利点を有する。したがって、車両が走行しうる最大浸水深度を既知の吸気口の位置に対して増加させることができる。
【0070】
前述のように、管路110C、110C’は、車両が水に浸かりながら走行中、浸水によって詰まることがある。多くの場合、管路110C、110C’は一時的にしか詰まらない。例えば、水に浸かって走行し始めるとき、特に車両が下り坂で水に入る場合、水面に対する車両ボンネットの傾斜角度が大きくなる。これは、車両の最大浸水深度は通常、吸気開口部110IN、110IN’の高さ(車両が平地上にある場合)よりも低いためである。さらに、車両が水をかき分けながら前進すると、船首波が車両の前方に形成され、吸気開口部110IN、110IN’の近傍での水面の高さが下がるため、管路が浸水することはない。
【0071】
本発明の一実施形態では、吸気開口部110IN、110IN’が浸水している間にエンジンが吸気不足に陥るのを防止するため、第1の流路の吸気開口部110IN、110IN’が詰まっているとき、エンジンルームから空気が吸い込まれるようにする第2の流路がエンジンルーム105と各吸気口タレット152、152’の間に設けられている。例えば、第2の流路は、バッフル壁125Bに吸気開口部と、各吸気口タレット152、152’の隣接する側壁に形成された排気開口部と、を有するダクトまたは管路(図示せず)を用いて設けてもよい。この場合、ボンネット110の閉鎖時に、ウィングパネル120とボンネット110の間の隙間120Gを通過した空気が合流ボリューム150C、150C’に入らないように、各吸気タレット152、152’は、各排気開口部110OUT、110OUT’に対して密封されてもよい。したがって、ウィングパネル120とボンネット110の間の隙間120Gを介してエンジン吸気に水、雪または埃が入る危険性が低減される。
【0072】
エンジンルーム105から吸入された空気は、新鮮な空気ではなく、エンジンからの熱によって暖められるであろうが、第1の流路が一時的に詰まっている間にエンジンが吸気不足に陥るのを防止するのに十分である。また、車両が入水して水に浸かりながら走行し始めるとき、通常、非常にゆっくりとしか走行しないので、吸気の需要量は比較的に小さくなる。
【0073】
車両が水に浸かった状態で走行しない場合、第2の流路を閉じて、空気がエンジンルーム105から吸い込まれて吸気タレット152、152’に入らないように弁部材(図示せず)を設けて、本当に必要な場合にのみ、空気がエンジンルームから吸い込まれるようにしてもよい。弁部材は、各吸気タレット152、152’内に配置されてもよい。空気がエンジンルーム105から吸い込まれるようにする開口部に加えて、各バルブ部材はまた、各ボンネット吸気管路110C、110C’の隣接する排気開口部110OUT、110OUT’を同時に閉鎖するように構成されてもよく、それによって、開口部110IN、110IN’が浸水するとき、液体が第1の流路に沿ってエンジン吸気孔に吸い込まれる危険性が低減される。弁部材の開閉は、運転者が操作可能なスイッチによって制御してもよい。代わりに、車両が水中にあるときか、水に入ろうとしているときを検出することができる1つまたは複数のセンサからの信号出力に応じて弁が自動的に開閉するものであってもよい。例えば、弁部材は、各吸気口に隣接して配置され、開口部110IN、110IN’の一方またはそれらの両方が水没したことを示す水分センサからの信号に応じて開いてもよい。あるいは、サイドミラに実装されたパーキングセンサなどのセンサは、車両の周囲の水の存在及び深さを決定するために使用してもよい。
【0074】
本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」及び「含む(contain)」なる用語と、例えば「含有する(comprising)」及び「含む(comprises)」などの用語の変形は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味し、他の部分、添加物、成分、整数または工程を除外することを意図していない(除外しない)。
【0075】
特に断りのない限り、本明細書の詳細な説明及び特許請求の範囲を通じて、単数は複数を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈が他を要求しない限り、明細書は単数と同様に複数を検討するものと理解されたい。
【0076】
当然のことながら、本発明の特定の態様、実施形態または実施例と併せて説明された特徴、整数、特性、化合物、化学部分または基は、互いに矛盾しない限り、本明細書に記載された他の態様、実施形態または実施例のいずれにも適用可能である。