(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般に油圧ショベルなどの建設機械は、搭載されたコントローラ(情報処理装置)によって各種車載装置や機器の動作が電子的に制御されている。このコントローラには、さらにその内部で各種車載装置や機器が正常に動作しているかを判断する故障判断機能が備わっている。そして、この故障判断機能による故障判定の結果はそのコントローラ内に一旦記憶され、定期的に無線通信端末から情報センタなどへ送信するようになっており、その後車体の故障原因の解析などに利用されている。
【0003】
ところで、このコントローラの故障判断機能は、常時機能しているため、車体が部品交換といったメンテナンス作業中のように、特に車載装置や機器に異常がない場合でも誤って故障と判断してその異常情報を送信する可能性がある。しかし、この異常情報を受信した情報センタでは、その異常情報が故障によるものなのか、あるいはメンテナンス作業などに起因するものなのか、その異常情報の正否を正確に判断できないため、正確なデータを得ることが困難である。
【0004】
このため、例えば以下の特許文献1では、メンテナンス作業が行われるサービス工場とその周辺の位置情報および道路情報などをあらかじめ設定しておくことで、部品交換に伴って発生した異常情報を送受信しないような技術が提案されている。また、以下の特許文献2では、サービス工場などにおいて、異常情報を収集することができる故障診断機を車体に接続しているときは、異常情報を送信しないようにした技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述したような技術では、メンテナンス作業が行われるサービス工場とその周辺の位置情報および道路情報などをあらかじめ設定しておかなければならず、また、顧客現場などのようにサービス工場以外の場所で行われたメンテナンス作業による異常情報についてはその正否を正確に判断することが困難である。また、故障診断機を用いるケースでは、メンテナンス作業中には、常に故障診断機を接続しておかなければならないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その主な目的は、メンテナンス作業に伴って発生する誤った異常情報の出力を防止できる新規な建設機械の保守装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために
本発明は、建設機械に搭載された機器の異常
情報を検出する異常検出手段と、前記異常検出手段で検出された前記機器の異常情報を出力する異常情報出力手段と、
前記異常情報出力手段から出力された異常情報を記憶する記憶手段と、前記異常情報出力手段の出力及び前記記憶手段の記憶を制御する制御手段と、前記機器の保守作業を行うための保守モードを設定する保守モード設定手段
と、前記保守モードが設定された状態のときにエンジンの起動をロックするエンジン起動ロック手段と、前記エンジンの起動ロックを解除するロック解除手段とを備え、
前記制御手段は、前記保守モードが設定されていないときは、前記異常検出手段で検出された異常情報を出力する処理及び前記記憶手段に記憶する処理を実行するとともに、前記保守モードの設定が継続している状態で前記ロック解除手段により前記エンジンの起動がロック解除されたときは、前記異常検出手段で検出された異常情報を出力する処理及び前記記憶手段に記憶する処理を実行しないことを特徴とする建設機械の保守装置である。
【0009】
このような構成によれば、メンテナンス作業の際に事前に建設機械を保守モードへと切り換えておくことで、メンテナンス作業に伴って発生する誤った異常情報を出力することを確実に防止できる。これによって、誤った異常情報を受信することがなくなる上に、通信負荷の低減に寄与することができる。 ここで、本発明でいう「保守モード」とは、後に例示するように建設機械に搭載された各種装置や機器などをメンテナンスするために、エンジンスイッチのキーオンによるバッテリーなどからの給電によって建設機械に搭載された各種装置や機器が可動状態となっているが、原則としてエンジンは停止した状態をいう。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、保守モード設定手段を備え、メンテナンス作業時に事前に建設機械を保守モードへと切り換えておくことで、異常情報出力手段が、メンテナンス作業に伴って発生する誤った異常情報を出力することを確実に防止できる。これによって、誤った異常情報を送受信することがなくなるため、通信データ量を減らすことができ、通信負荷の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る建設機械の1つである油圧ショベル100の実施の一形態を示した斜視図である。
【
図2】制御コントローラ30によって制御される油圧システム200を示す全体図である。
【
図3】本発明に係る保守装置300の構成を示したブロック図である。
【
図4】モニター装置25の一例を示した正面図である。
【
図5】本発明に係る保守装置300による異常情報の処理の流れを示したフローチャートである。
【
図6】保守モードを設定した際の車体の状態遷移図である。
【
図7】保守モードを設定した際の車体の状態遷移図である。
【
図8】パスワードの入力を要求するときのモニター装置25の表示例を示した正面図である。
【
図9】保守モードへの移行の際に、認証パスワードの入力を要求する場合の処理の流れを示したフローチャート図である。
【
図10】保守状態から直接エンジンを始動するときの処理の流れを示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係る建設機械の1つである油圧ショベル100の実施の一形態を示したものである。図示するようにこの油圧ショベル100は、クローラによって走行する下部走行体10と、この下部走行体10上に旋回自在に設けられた上部旋回体20とから主に構成されている。この上部旋回体20は、図示しない旋回体フレームの前側に運転席21aを有するキャブ21と、フロント作業機22を備えると共に、その後側にエンジンや熱交換器(図示せず)などを収容したエンジンルーム23を有し、さらにその後方にウェイト24などを備えた構造となっている。
【0018】
フロント作業機22は、ブーム22a、アーム22b、バケット22cおよび各油圧シリンダ46、46…などを有し、キャブ21内の運転席21aの両側に設けられた操作レバー21bを操作して各油圧シリンダ46、46…を伸縮させることによって各部を動作する。なお、図ではアーム22bの先端にバケット22cを装着しているが、バケット22cの代わりにグラップラーなどの各種アタッチメントが装着可能となっている。また、下部走行体10の移動機構はクローラの他にタイヤを用いたものもある。
【0019】
運転席21aの前方には、液晶表示部を備えたモニター装置25が設けられており、後述するような様々な情報を表示するようになっている。また、その運転席21a左側の操作レバー21bの近傍にはゲートロックレバー(GL)21cが設けられている。そして、このゲートロックレバー21cが上がっている状態のときはロック状態になっていてエンジン始動中に操作レバー21bを倒しても車体が動かないようになっており、このゲートロックレバー21cを下げた状態にすることで車体の動作が可能となっている。
【0020】
また、この運転席21aの後方には、制御コントローラ30と、無線通信端末31などが収容されており、この制御コントローラ30によって
図2に示すような全体の油圧システム200が制御されている。図において、符号40はエンジンであり、その出力軸41には可変容量型の第1油圧ポンプ42、第2油圧ポンプ43,第3油圧ポンプ44が接続されている。各油圧ポンプ42,43,44から吐出される圧油は、コントロールバルブを含む油圧回路45へ送られ、油量や方向を制御されて油圧シリンダ46や油圧モータ47などへ供給される。
【0021】
そして、この制御コントローラ30は、エンジンコントロールダイヤル50や各種センサ51および操作レバー21bなどからの入力信号を受けてエンジン制御演算部30aとポンプ制御演算部30bを統括制御している。
【0022】
すなわち、エンジンコントロールダイヤル50は、エンジン回転数の指令値を調整可能となっており、これによって調整された指令回転数はエンジン制御演算部30aへ入力される。エンジン制御演算部30は、その入力値に基づいて目標エンジン回転数を演算し、エンジン制御ユニットであるECU48に目標エンジン回転数を送り、その目標エンジン回転数に従ってECU48はエンジンの回転数を制御している。
【0023】
一方、ポンプ圧などを検出するセンサ51の信号や操作レバー21bの操作信号はエンジン制御演算部30およびポンプ制御演算部30bに入力され、ポンプ制御演算部30bがその入力値に基づいた指令値を演算して油圧ポンプ42,43,44を駆動制御する。具体的には、ポンプ制御演算部30bは、操作レバー21bの操作量に応じたポンプ流量を得られるようにポンプ吐出量を制御するポンプレギュレータ42a、43a、44aへ必要なポンプトルク圧を送るようになっている。
【0024】
図3は、この制御コントローラ30を中心とした本発明に係る保守装置300の構成を示したブロック図である。図示するようにこの保守装置300は、制御コントローラ30と、情報コントローラ60と、無線通信端末61などから構成されている。そして、制御コントローラ30は、入出力インターフェース31,32,CPU33,ROM34,RAM35などのハードウェアからなる情報処理装置によって構成されている。
【0025】
この制御コントローラ30の入出力インターフェース31には、センサ信号S1やエンジンキースイッチ信号S2などの入力要素Sが入力され、その入力要素Sに応じてCPU33で所定の演算処理が行われ、演算された出力信号は指令信号として入出力インターフェース32から前述した油圧ポンプ42乃至44や油圧シリンダ46などのアクチュエータ36へ出力される。なお、このCPU33において所定の演算処理を行わせるための制御プログラムは、ROM34に格納されており、エンジンキースイッチ信号S2が入力されるとRAM35にロードされて後述するような制御が順次実行される。
【0026】
この制御コントローラ30には、その入力信号に基づいて搭載された各種機器の異常を検出する異常検出機能(異常検出プログラム)が備わっており、異常を検出したと判断したならば、運転席21a前方のモニター装置25にそれを表示する。
図4は、このモニター装置25の一例を示したものであり、矩形状をしたモニター本体25aの前面に液晶表示部25bを備えると共に、その下部に複数の入力スイッチからなる入力部25cを備えた構成となっている。
【0027】
入力部25cを構成する複数の入力スイッチF1〜F7のなかには車体を保守モードに切り換えるための保守モードスイッチF6が設けられている。そして、エンジンキースイッチオンにしてからこの保守モードスイッチF6をメンテナンス作業員などが押す(スイッチオン)と車体が後述するような保守モードに切り変わると共に、液晶表示部25bのアイコン25dが点灯するなどして保守モードに切り変わったことを表示するようになっている。また、この保守モードへの切り換え信号は、制御コントローラ30に入力され、制御コントローラ30は、車体の状態を保守モードに切り換える。
【0028】
オペレータは、このモニター装置25に表示された異常情報を確認することで車体にどのような異常が発生しているのかを運転席21aにおいて目視によって把握できるようになっている。なお、制御コントローラ30は、その異常が重大なときは、モニター装置25による表示だけでなく音響警報処理を行い、ブザー装置26を鳴動するなどして緊急事態であることをオペレータなどに確実に報知できるようになっている。
【0029】
この異常情報は、同時に情報コントローラ60に記憶され、情報コントローラ60は、その記憶した異常情報を無線通信機61を介して随時または定期的にサーバ70に無線送信する処理を行う。そして、この信号を受信したサーバ70は、この異常情報を情報データベース71に記憶し、各営業所や工場などの端末72がこのサーバ70に接続することで異常情報の確認ができるようになっている。
【0030】
図5は、このような構成をした本発明に係る保守装置300による異常情報の処理の流れを示したフローチャートである。図示するようにこの保守装置300は、最初のステップS100において各種センサなどの入力要素Sからの入力信号に基づき異常が検出されたか否かの判断を行い、異常が検出されたと判断したとき(YES)は、次のステップS102に移行する。この異常の検出としては、例えばセンサ信号間での断線やショートが起きた場合、そのセンサ信号の電圧値はある閾値を超えて制御コントローラ30側に入力されてくる。そのため、この制御コントローラ30はそのセンサ信号の電圧値が上限閾値を超えていればセンサ高電圧異常として検出する。反対にそのセンサ信号の電圧値が下限閾値未満であればセンサ低電圧異常として検出する。
【0031】
ステップS102では、その異常が検出されたときに車体が保守モードになっているか否かを判断し、保守モードとなっていると判断したとき(YES)は、情報コントローラ60がその異常情報を記憶せずに無効化して処理を終了する。一方、車体が保守モードでない(NO)、すなわち通常の稼働状態であると判断したときは、次のステップS104に移行する。ステップS104では、モニター装置25の液晶表示部25bにその異常を警告する表示をすると同時に、ステップS106では、情報コントローラ60がその異常情報を記憶して次のステップS108に移行する。ステップS108では、記憶されたその異常情報を所定時間経過後に無線通信機61からサーバ70へ送信する処理が行われる。
【0032】
このように本発明は、モニター装置25などに車体を保守モードに切り換える保守モードスイッチ25cを設け、部品交換などのメンテナンス作業時に事前に車体を保守モードへと切り換えておくことで、メンテナンス作業に伴って発生する誤った異常情報を出力することを確実に防止できる。これによって、誤った異常情報を送受信することがなくなるため、通信データ量を減らすことができ、通信負荷の低減に寄与することができる。なお、この保守モードスイッチ25cによる切り換え操作の代わりにタッチパネルやダイヤル操作などを用いたものであっても良い。
【0033】
図6および
図7は、前述したような保守モードを設定した際の車体の状態遷移を示したものである。まず、
図6に示すように、車体が停止状態S1にあるときは、エンジンキースイッチがオフとなっており、エンジン停止状態になっている。この状態からエンジンキースイッチを回してキーオンにすると、バッテリーからの電源ラインが制御コントローラ30などに行き渡り、制御コントローラ30は、動作状態になってエンジン始動待ちの準備状態S2と遷移する。
【0034】
そして、この準備状態S2からさらにエンジンキースイッチを回してスタートにすると、エンジンが始動し、車体は待機状態S4に遷移する。この状態のときはゲートロックレバー21bがロックした状態となっているが、このゲートロックレバー21bをロックから解除すると車体は作業状態S5に遷移し、フロント作業機22の操作や下部走行体10の走行操作が可能となる。そして、この作業状態S5からエンジンキースイッチを最初の位置に戻してキーオフにすると、エンジンが停止して停止状態に戻る。
【0035】
一方、準備状態S2からモニター装置25の保守モードスイッチF6を押すと車体が保守状態(保守モード)S3に移行するが、このとき認証パスワードの入力を要求し、その認証パスワードが一致すれば車体が保守状態S3に移行するようにしても良い。
図8は、パスワードの入力を要求するときのモニター装置25の表示例を示したものである。認証用のパスワードを要求するときは、例えば、図のようにパスワードが8桁であること、および「パスワードを入力して下さい。」などのメッセージが表示部25aに表示される。
【0036】
このように保守モードへの移行の際に、認証パスワードの入力を要求し、その認証パスワードが一致したときに保守状態(保守モード)S3に移行するようにすれば、作業資格を有する者だけにメンテナンス作業を制限することが可能となる。そして、この保守状態S3からエンジンを始動するには、一旦エンジンキースイッチをオフにして停止状態S1に戻してから準備状態S2にした後にエンジンキースイッチをさらに回してエンジンスタートすることで待機状態S4に遷移することになる。
【0037】
図9は、このように保守モードへの移行の際に、認証パスワードの入力を要求する場合の処理の流れを示したフローチャートである。まず、制御コントローラ30は、最初のステップS200で保守モードスイッチF6が押されたか否かを判断し、押されていなければ(NO)そのまま処理を終了するが、押されていると判断したとき(YES)は、次のステップS202に移行する。ステップS202では、そのときエンジンが起動しているか否かを判断し、エンジンが起動しているとき(YES)は、そのまま処理を終了するが、エンジンが起動していない、すなわち停止中であると判断したとき(NO)は、次のステップS204に移行して認証パスワードの入力を要求する処理を行って次のステップS206に移行する。
【0038】
ステップS206では、入力されたパスワードの判定を行い、パスワードが一致していれば(YES)次のステップS208に移行して保守状態に移行するが、一致していないと判断したとき(NO)は、ステップS210に移行してブザー警報を鳴らして入力ミスがあったことを通知させる処理を行って次のステップS212に移行する。なお、このようなブザー警報の代わりに、あるいはブザー警報と共にモニター装置25に所定の警告を表示させても良い。また、このパスワードに入力回数制限を設定し、入力に失敗しても設定した回数までならパスワードを再入力可能として入力し直せるようにし、それを越えると入力を受け付けないように設定しても良い。
【0039】
ステップS212では、エンジンキースイッチオフ待ち状態としてから次のステップS214に移行してエンジンキースイッチがオフになったか否かを判断する。エンジンキースイッチがオフになっていないと判断したとき(NO)は、ステップS212に戻るが、エンジンキースイッチがオフになったと判断したとき(YES)は、次のステップS216に移行して車体を停止状態に移行して処理を終了する。
【0040】
ここで、
図7に示すように保守状態S3からエンジンスタートして待機状態S4に遷移する場合に認証パスワードの入力を要求するようにしても良い。すなわち、保守状態S3のときにメンテナンス作業関係者以外の者がうっかりエンジンスタートすると不測の事態が生じる可能性がある。そのため、保守状態S3から直接エンジンスタートする場合には、認証パスワードの入力を要求し、入力されたパスワードが一致した場合のみ直接エンジンが始動するようにする。これによって、メンテナンス作業中にエンジンスタートするといった不測の事態を回避できる。
【0041】
また、このメンテナンス作業をエンジンをスタートさせた状態で行う必要がある場合には、この保守状態S3から直接待機状態S4に遷移させることでその保守モードが継続されるようにしておけば、エンジン起動時のメンテナンス作業に伴う異常情報の記憶、送信といった不都合を回避できる。なお、この場合、エンジンキースイッチがオフ(停止状態)になると保守状態S3もリセットされるようにしておく。
【0042】
図10は、このように保守状態S3から直接エンジンを始動するときの処理の流れを示したフローチャートである。まず、制御コントローラ30は、最初のステップS300では現在車体が保守状態S3であるか否かを判断し、保守状態S3中でないとき(NO)は処理を終了するが、保守状態S3中であると判断したとき(YES)は、次のステップS302に移行する。ステップS302では、エンジンキースイッチがエンジンスタートまで回されたか否かを判断し、回されていないと判断したとき(NO)は、そのまま処理を終了するが、回されていると判断したとき(YES)は、次のステップS304に移行して認証用のパスワードを要求して次のステップS306に移行する。
【0043】
ステップS306では、入力されたパスワードが一致しているか否かの判定を行い、一致していなければそのまま処理を終了するが、一致していると判断したとき(YES)は、次のステップS308に移行して待機状態S4に移行して処理を終了する。
【0044】
メンテナンス作業中に別の作業員がメンテナンス中であると気づかずに車体を動かそうとするケースが多々あり、エンジンを始動する際には、ホーンを鳴らすなどして車体を動かす合図を通知するなどの決まりがあるが、オペレータによってはこの決まりを守らなかったり、失念してしまうことがある。従って、前記のようにメンテナンス作業中にエンジンを始動する際には、認証パスワードを要求するようにすれば、メンテナンス作業関係者以外の者に車体を操作されるおそれがなくなり、メンテナンス作業時の安全性を確保することができる。なお、本実施の形態では、建設機械として油圧ショベルの例を上げたが、他にホイールローダやダンプトラック、ブルトーザなどであっても同様である。