特許第6072248号(P6072248)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072248
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】多孔性炭素及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 32/05 20170101AFI20170123BHJP
   C01G 23/00 20060101ALI20170123BHJP
   C01B 32/336 20170101ALI20170123BHJP
【FI】
   C01B31/02 101B
   C01G23/00 Z
   C01B31/10
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-524181(P2015-524181)
(86)(22)【出願日】2013年7月24日
(65)【公表番号】特表2015-526373(P2015-526373A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】KR2013006640
(87)【国際公開番号】WO2014017836
(87)【国際公開日】20140130
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0082717
(32)【優先日】2012年7月27日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501014658
【氏名又は名称】ハンワ ケミカル コーポレイション
(73)【特許権者】
【識別番号】510140700
【氏名又は名称】エスエヌユー・アールアンドディービー・ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シン−ホ・カン
(72)【発明者】
【氏名】ジ−ソン・イム
(72)【発明者】
【氏名】ドン−オク・キム
(72)【発明者】
【氏名】モン−ス・ソ
【審査官】 壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−020907(JP,A)
【文献】 特開2001−089119(JP,A)
【文献】 特開2014−001093(JP,A)
【文献】 米国特許第03066099(US,A)
【文献】 特表2004−513529(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0180209(US,A1)
【文献】 特表2008−536786(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0251565(US,A1)
【文献】 特表2001−510435(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01714942(EP,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0097549(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0213529(US,A1)
【文献】 国際公開第98/034874(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B31/00−31/36
C01B15/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素ソースを混合する段階;
前記混合された混合物を窒素雰囲気下で加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階;
前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させる段階;及び
水素雰囲気下で加熱する段階を含む多孔性炭素の製造方法。
【請求項2】
前記金属ソースと炭素ソースを混合する段階で、水素ソース、ボロンソース及び酸素ソースからなる群より選択される1種以上をさらに添加して混合する請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項3】
前記金属ソースと炭素ソースを混合すると同時に、または混合する段階後に、前記混合物を粉砕する段階をさらに含む請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項4】
前記混合物を粉砕する段階は、アトリターミル(attritor mill)、遊星型ミル(planetary mill)、または水平型ミル(horizontal mill)を含む高エネルギーボールミル(high energy ball mill)を用いて遂行し、BPR(ball−to−power ratio)が10:1以上である、請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項5】
前記混合された混合物を窒素雰囲気下で加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階は、800乃至1,600℃の温度で5分乃至5時間遂行する請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項6】
前記ハロゲン気体は、塩素(Cl)気体である請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項7】
前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させる段階は、400乃至1,200℃の温度で1時間乃至5時間遂行する請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項8】
前記水素雰囲気下で加熱する段階は、400乃至1,000℃の温度で遂行する請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項9】
前記水素雰囲気下で加熱する段階以後に、気孔を活性化する段階をさらに含む請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【請求項10】
前記気孔を活性化する段階は、
前記多孔性炭素に対して非活性気体及びN気体からなる群より選択された一つ以上の気体雰囲気で加熱する段階;及び
加熱された温度で二酸化炭素気体(CO)を流す段階を含む請求項に記載の多孔性炭素の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔性炭素及びその製造方法に関するものである。より詳しくは、本発明は高気孔及び高比表面積を有する多孔性炭素及びその製造方法に関するものである。本出願は2012年7月27日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2012−0082717号の出願日の利益を主張し、その内容全部は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
炭素材料は、触媒、燃料電池、2次電池電極材料、スーパーキャパシタ、複合材料、ガスセンサー、太陽電池、各種電子素子などの多方面の産業に適用される利用価値の大きい材料である。炭素は非常に多様な形態に応用されている。
【0003】
特に、炭素繊維、炭素ナノチューブなどは高い伝導度を有しながらも機械的物性が非常に高く、比表面積が非常に高い活性炭または非晶質炭素の場合、高い気孔度及び安定な炭素の特性によって燃料電池及び2次電池の電極材料分野で多く研究が行なわれている。また、炭化水素及び水素などの燃料用気体貯蔵物質または汚染された地域や二酸化炭素などの人体に有害な気体を精製できる分離母体としても注目を集めている。
【0004】
最近、多孔性炭素材料としてカーバイド由来炭素(Carbide derived carbon、以下、CDC)物質が研究され大きい関心を集めている(Gogotsiet al. 1997 J. Mater. Chem. 7:1841−1848;Boehm et al. Proc. 12th Biennial Conf. on Carbon149−150(Pergamon, Oxford, 1975)。非晶質相のCDCは大部分2nm以下のマイクロ気孔を有しており、したがって、水素貯蔵に使用できる理想的な気孔の大きさの0.6〜0.9nmの気孔のみを選択的に生成することができると報告した。
【0005】
しかし、2nm以上のメソ気孔も、半導体または大きさの大きい気体貯蔵、医学用治療剤の吸着母体または潤滑油の吸着剤など非常に多様な産業で相対的に大きい気孔の需要が非常に大きい。
【0006】
最近は単純に比表面積、気孔大きさの調節だけでない、気孔体積の調節がさらに重要な特性として注目を集めている。したがって、気孔調節のために多様な原料を用いてCDC合成を試みた。CDCの原料物質としては、TiC、ZrC、WC、SiC、TaC、BC、HfC、Alなど大部分の炭化物が使用されたが、若干の差以外には、炭化物の金属原子種類によって注目を集めるほどの結果を示していないため、まだ2nm以上のメソ気孔まで形成可能なCDCについては報告されたことがない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Gogotsiet al. 1997 J. Mater. Chem. 7:1841−1848
【非特許文献2】Boehm et al. Proc. 12th Biennial Conf. on Carbon149−150(Pergamon, Oxford, 1975)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記のような従来技術の問題点を解決するために、本発明は、マイクロ気孔及びメソ気孔を有する高比表面積の多孔性炭素を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記多孔性炭素の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、下記式1で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する多孔性炭素を提供する。
【0010】
[式1]
M(C
【0011】
上記式1において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
【0012】
また、本発明は、下記式2で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する多孔性炭素を提供する。
【0013】
[式2]
M(C
【0014】
上記式2において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
Aはボロン(B)、水素(H)または酸素(O)であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8であり、zは0.01乃至0.2である。
【0015】
また、本発明は、
Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素ソースを混合する段階;
前記混合された混合物を加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階;
前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させる段階;及び
水素雰囲気下で加熱する段階を含む多孔性炭素の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多孔性炭素によれば、2nm未満大きさのマイクロ気孔と共に2nm以上のメソ気孔を共に含むことによって、小さい気孔を必要とする分野だけでなく相対的に大きい気孔が要求される多様な応用分野で有用に使用できる。
【0017】
また、本発明の多孔性炭素の製造方法によれば、カーボナイトライド化合物の各成分の組成比を調節することによって、簡単な方法で用途によって多様な大きさの気孔と比表面積を有する多孔性炭素を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例1乃至3によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
図2】実施例1乃至3によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで(111)ピークシフトを示すグラフである。
図3】実施例4乃至7によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
図4】実施例4乃至7によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで格子定数変化による(111)ピークシフトを示すグラフである。
図5】実施例8乃至10によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
図6】実施例8乃至10によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで(111)ピークシフトを示すグラフである。
図7】実施例11によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態による多孔性炭素は、下記式1で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する。
【0020】
[式1]
M(C
【0021】
上記式1において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
本発明の他の一実施形態による多孔性炭素は、下記式2で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する。
【0022】
[式2]
M(C
【0023】
上記式2において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
Aはボロン(B)、水素(H)または酸素(O)であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8であり、zは0.01乃至0.2である。
【0024】
また、本発明の多孔性炭素の製造方法は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素ソースを混合する段階;前記混合された混合物を窒素雰囲気下で加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階;前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させる段階;及び水素雰囲気下で加熱する段階を含む。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の多孔性炭素及びその製造方法を詳細に説明する。
多孔性炭素
本発明の一側面によれば、本発明は下記式1で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する多孔性炭素を提供する。
【0026】
[式1]
M(C
【0027】
上記式1において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
上記式1の組成において、金属(M)はTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf及びTaからなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、前記金属(M)はTiであり得る。
【0029】
上記式1で示される組成を有するカーボナイトライド化合物は、結晶内で金属と炭素、金属と窒素の大きさまたは結合力程度によって空孔(vacancy)を許容するので、M:(CxNy)は非化学量論的組成を有し得る。
【0030】
上記式1において、xは炭素のモル比であり、yは窒素のモル比である。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記xは0.2乃至0.99、好ましくは0.4乃至0.7であり得る。また、前記yは0.01乃至0.8、好ましくは0.3乃至0.6であり得る。
【0032】
本発明の他の実施形態によれば、前記金属(M)は、Ti及び他の金属(M’)元素、即ち、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される一つ以上を含む複合金属であり得る。この時、上記式1のカーボナイトライド化合物は下記式1aで示される。
【0033】
[式1a]
(Ti1−aM’)(C
【0034】
上記式1aにおいて、M’はV、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
aは0.01乃至0.3であり、xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
【0035】
上記式1aの組成において、aはM’のモル比を示し、xは炭素のモル比を示し、yは窒素のモル比を示す。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、前記aは0.01乃至0.3、好ましくは0.01乃至0.2であり得る。また、前記xは0.2乃至0.99、好ましくは0.4乃至0.7であり得る。また、前記yは0.01乃至0.8、好ましくは0.3乃至0.6であり得る。
【0037】
上記式1aで示されるカーボナイトライド化合物は化合物で金属(M)でTiを含みながらTi原子が部分的にTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群のうちのいずれか一つ以上で置換(substitutional)形態に挿入された置換型固溶体であり得る。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、上記式1または式1aのカーボナイトライド化合物は、金属(M)、炭素(C)及び窒素(N)のみからなる固溶体(solid solution)化合物であり得る。
【0039】
また、本発明の他の実施形態によれば、前記カーボナイトライド化合物は上記式1の化合物で、窒素または炭素原子が部分的に水素(H)、ボロン(B)及び酸素(O)からなる群より選択されるいずれか一つ以上で置換(substitutional)または侵入(interstitial)形態に挿入された置換型固溶体または侵入型固溶体であり得る。
【0040】
窒素または炭素原子が部分的に水素(H)、ボロン(B)または酸素(O)のうちのいずれか一つ以上で置換または侵入形態に置換される場合、カーボナイトライド化合物は下記式2で示される組成を有し得る。これにより、本発明の一実施形態による多孔性炭素は下記式2で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する多孔性炭素であり得る。
【0041】
[式2]
M(C
【0042】
上記式2において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
Aはボロン(B)、水素(H)または酸素(O)であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8であり、zは0.01乃至0.2である。
【0043】
上記式2の組成において、xは炭素のモル比を示し、yは窒素のモル比を示し、zはボロン、水素、または酸素のモル比を示す。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、前記xは0.2乃至0.99、好ましくは0.4乃至0.7であり得る。また、前記yは0.01乃至0.8、好ましくは0.3乃至0.6であり得る。また、前記zは0.01乃至0.2、好ましくは0.01乃至0.1であり得る。
【0045】
本発明の多孔性炭素は、カーボナイトライド由来炭素(Carbonitride derived carbon、CDC)である。カーボナイトライド由来炭素は、カーボナイトライド化合物をハロゲン元素含有気体と熱化学反応させてカーボナイトライド化合物内の炭素を除いた残りの元素を抽出することによって製造される炭素であって、水素貯蔵物質及び電極材料として既存の活性炭素(activated carbon)に比べて良好な物性を示すので、関心を引いている。
【0046】
カーボナイトライド由来炭素において、2nm以下のマイクロ気孔を有する多孔性炭素は知られているが、2nm以上の大きさを有するメソ気孔まで多様な大きさの気孔を形成することは容易でない。
【0047】
本発明において、マイクロ気孔(micropores)は直径が約2nm未満である気孔を意味し、メソ気孔(mesopores)は直径が約2nm以上、例えば約2乃至約50nmである気孔を意味する。
【0048】
本発明の多孔性炭素は、表面に多数の気孔が形成されており、マイクロ気孔及びメソ気孔を全て含む。
【0049】
前記のように、本発明の多孔性炭素は、2nm未満のマイクロ気孔と2nm以上のメソ気孔を共に有することによって、水素のような大きさが小さい気体の貯蔵や吸着だけでなく相対的に大きい気孔が要求される領域、例えば、水素より大きさが大きい気体の貯蔵、医学用治療剤の吸着母体または潤滑油の吸着剤、触媒、スーパーキャパシター(supercapacitor)の電極、フィルターなど多様な応用分野で有用に使用できる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、前記メソ気孔の体積比率はマイクロ気孔及びメソ気孔を全て含む全体気孔の総体積に対して約50%以上、例えば約50乃至約99%、好ましくは約80%乃至約99%であり得る。前記気孔の体積は特定温度を維持した状態で、例えば液体窒素を用いて77Kを維持しながら、窒素気体を0気圧から1気圧まで入れながら吸着した窒素の量を体積に換算して測定する。この時、気孔に気体が満ちた状態を基準に気孔の体積を全体体積で割れば気孔の体積比率が分かる。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、本発明の多孔性炭素において、直径が2nm未満であるマイクロ気孔は約0.001乃至約1.5cm/g、好ましくは約0.01乃至約1.2cm/gであり得、直径が2nm以上であるメソ気孔は約0.1乃至約5.0cm/g、好ましくは約0.2乃至約4.5cm/gであり得る。
本発明の一実施形態によれば、本発明の多孔性炭素の比表面積は約90m/g以上であり、例えば約90乃至約2,000m/g、好ましくは約200乃至約2,000m/gであり得る。前記比表面積は、特定温度を維持した状態で、例えば液体窒素を用いて77Kを維持しながら、窒素気体を0気圧から1気圧まで入れながらそれぞれの圧力条件で吸着した窒素の量を単分子層で窒素が吸着したという仮定の下に下記計算式1を通じて求められる。
【0052】
[計算式1]
SSA=Vmono/22400*σ*N=4.35Vmono
(SSA=比表面積[m/g]、Vmono=気孔体グラム当り窒素の単分子層吸着測定体積[m/g]、22400=窒素1molの体積[m/mol]、σ=窒素の断面積(cross sectional area)[m/atom]、N=アボガドロ数[atom/mol])
【0053】
本発明の多孔性炭素は、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素を含む炭素ソースを混合した後に加熱して還元及び炭窒化しカーボナイトライド化合物を形成した後、炭素を除いた残りの元素を抽出することによって収得でき、後述する多孔性炭素の製造方法でより詳しく説明する。
【0054】
多孔性炭素の製造方法
本発明の他の一側面によれば、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素ソースを混合する段階、前記混合された混合物を窒素雰囲気下で加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階、前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させる段階、及び水素雰囲気下で加熱する段階を含む多孔性炭素の製造方法を提供する。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、前記カーボナイトライド化合物は下記式1で示される組成を有し得る。
【0056】
[式1]
M(C
【0057】
上記式1において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
【0058】
上記式1の組成において、金属(M)はTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf及びTaからなる群より選択される一つ以上であり得る。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、前記金属(M)はチタニウム(Ti)であり得る。
【0060】
本発明の他の実施形態によれば、前記金属(M)はTi及び他の金属(M’)元素、即ち、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される一つ以上を含む複合金属であり得る。
【0061】
この時、上記式1のカーボナイトライド化合物は下記式1aで示される。
【0062】
[式1a]
(Ti1−aM’)(C
【0063】
上記式1aにおいて、M’はV、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
aは0.01乃至0.3であり、xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8である。
【0064】
上記式1aの組成において、aはM’のモル比を示し、xは炭素のモル比を示し、yは窒素のモル比を示す。
【0065】
上記式1または1aのカーボナイトライド化合物で、前記カーボナイトライド化合物は固溶体粉末であり得る。
【0066】
本発明の一実施形態によれば、前記金属またはこれらの酸化物と炭素ソースを混合する段階で、水素ソース、ボロンソース及び酸素ソースからなる群より選択される1種以上をさらに添加して混合することができる。前記水素ソース、ボロンソースまたは酸素ソースは水素、ボロンまたは酸素を含む気体、液体、または固体状態の元素、分子であり得る。また、水素、ボロンまたは酸素を含む酸化物、水和物、または金属化合物などいずれも制限なく使用することができる。
【0067】
前記金属またはこれらの酸化物と炭素ソースを混合する段階で、水素ソース、ボロンソース及び酸素ソースからなる群より選択される1種以上をさらに添加して混合する場合、前記カーボナイトライド化合物は下記式2で示される組成を有し得る。これにより、本発明の一実施形態による多孔性炭素は下記式2で示される組成を有するカーボナイトライド化合物に由来する多孔性炭素であり得る。
【0068】
[式2]
M(C
【0069】
上記式2において、MはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Hf、及びTaからなる群より選択される1種以上の金属であり;
Aはボロン(B)、水素(H)または酸素(O)であり;
xは0.2乃至0.99であり、yは0.01乃至0.8であり、zは0.01乃至0.2である。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、金属及びこれらの酸化物からなる群より選択される1種以上の金属ソースと炭素ソースを混合する段階以後に、または混合と同時に、粉砕する工程を遂行することができる。前記粉砕工程は、例えば高エネルギーボールミル(high energy ball mill)を用いて遂行できる。前記高エネルギーボールミルを用いることによって、金属ソース及び炭素ソースの混合物をより均一に混合することができ、また、一般的なボールミルより混合物に高いエネルギーでを加えて粉砕するので欠陥(defect)の量を増加させカーボナイトライド固溶体粉末を通常のカーボナイトライド粉末の製造温度の約1,700乃至約2,200℃より低い温度の約800乃至約1,600℃で安定的に製造することができる。
【0071】
前記高エネルギーボールミル(high energy ball mill)を用いて粉砕する時、例えば、アトリターミル(attritor mill)、遊星型ミル(planetary mill)、または水平型ミル(horizontal mill)などの手段を用いることができ、BPR(ball−to−power ratio)が約10:1以上、ミリング速度は約50rpm以上として乾式に粉砕することが好ましい。
【0072】
前記混合された混合物を窒素雰囲気下で加熱してカーボナイトライド化合物を形成する段階は、約800乃至約1,600℃、好ましくは約1,300乃至約1,500℃の温度で、加熱時間は約5分乃至約5時間、好ましくは約1時間乃至約2時間遂行できる。
【0073】
前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させて多孔性炭素を形成する段階は、約400乃至約1,200℃、好ましくは約400乃至約800℃の温度で、加熱時間は約1時間乃至約5時間、好ましくは約1時間乃至約3時間加熱して遂行できる。この時、使用されるハロゲン気体は塩素気体を使用することが好ましい。
【0074】
前記のようにカーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させることによって前記カーボナイトライド化合物において炭素を除いた大部分の金属、窒素、酸素、ボロン及び水素のような元素は抽出され、これら元素があった位置に気孔が生成され、多孔性炭素を収得することができる。
【0075】
前記カーボナイトライド化合物をハロゲン気体と反応させた後、水素雰囲気下で加熱する段階を行う。前記水素雰囲気下で加熱する段階は、約400乃至約1,000℃、好ましくは約400乃至約800℃の温度で遂行でき、前記加熱によって残余ハロゲン気体を除去することができる。
【0076】
また、本発明の一実施形態によれば、前記水素雰囲気下で加熱して残余ハロゲン気体を除去する段階後に、気孔を活性化(activation)する段階をさらに遂行できる。
前記気孔を活性化する段階を遂行することによって、表面にさらに多くの気孔を発生させたり気孔の直径を増加させ単位質量当り表面積をより増加させることができる。しかし、従来の二酸化炭素を用いた気孔活性化工程は、活性化工程中に炭素が分解されるので相当な質量損失が起こることがある。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、気孔を活性化する段階は、前記多孔性炭素粉末に対してHeまたはArのような非活性気体及びN気体からなる群より選択された一つ以上の気体雰囲気で一定の温度、例えば約25乃至約1,000℃に到達するまで加熱した後、前記到達した目標温度で二酸化炭素気体(CO)を流し一定時間、例えば約10分乃至約2時間加熱することによって遂行できる。前記のように二酸化炭素を投入する以前に非活性気体を用いた気孔活性化を行うことによって、炭素の損失を減らしながら気孔活性化を効果的に達成することができる。
【0078】
以下、次の実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。しかし、次の実施例に対する説明は本発明の具体的な実施の可能性を特定して説明しようとするものに過ぎず、本発明の権利範囲をこれらに記載された内容で限定したり制限解釈しようと意図するものではない。
【実施例】
【0079】
実施例1
TiO18.5749gと炭素粉末6.4251gを準備して混合した。
これらを遊星型ミル(Planetary mill)で250rpm条件でBPR(Ball−to−Powder Ratio)30:1の条件で20時間乾式にYSZ(Yittrium Stabilized Zirconia)ボールを用いて粉砕した。
【0080】
ミリングを完了した後、黒鉛真空炉を用いて窒素雰囲気(10torr)で1,500℃、2時間熱処理し還元及び炭窒化過程を経てTi(C0.3570.670)の組成を有するカーボナイトライド化合物粉末を製造した。
【0081】
製造されたカーボナイトライド化合物粉末3.00gを800℃で3時間塩素気体で処理した後、600℃で2時間水素雰囲気で熱処理することによって残余塩素気体を除去し、多孔性炭素粉末を収得した。
【0082】
実施例2乃至3
TiOと炭素粉末の量をそれぞれ異にしたことを除いては実施例1と同様な方法で多孔性炭素粉末を製造した。
【0083】
使用された原料の量とこれによるカーボナイトライド化合物の組成は下記表1に示した。
また、各実施例による多孔性炭素の比表面積(SSA)、マイクロ気孔の体積及びメソ気孔の体積を測定して下記表1に共に示した。
【0084】
比較例1
商用TiC粉末3.00g(Aldrich、1−3μm)を用いて前記実施例1と同様な方法で800℃で3時間塩素気体で処理した後、600℃で2時間水素雰囲気で熱処理することによって残余塩素気体を除去し、多孔性炭素粉末を製造した。
【0085】
【表1】
【0086】
上記表1を参照すれば、総比表面積(SSA)はマイクロ気孔の体積と比例的な関係にあることが分かる。
【0087】
また、大体カーボナイトライド化合物内のメソ気孔の体積が増加することによってマイクロ気孔の体積は減少する傾向を示す。
【0088】
メソ気孔の最大値はC:Nが0.421:0.452である実施例2で得られた。即ち、窒素のモル分率が炭素とほぼ類似している場合に最大の気孔体積を示し、比表面積はマイクロ気孔の発達と同様の傾向を示しメソ気孔との関係は殆どないことを確認することができた。
【0089】
図1は実施例1乃至3によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
【0090】
図1を参照すれば、Ti(CxNy)が存在するということが分かる。
【0091】
図2は実施例1乃至3によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで(111)ピークシフトを示すグラフである。
【0092】
図2を参照すれば、多孔性炭素内の炭素と窒素の分率に比例して結晶の格子定数が変わるが、カーボナイトライド組成内の窒素の含量が約0.3から約0.7まで増加しても結晶構造が変わらず、結晶内の間隔のみ変わることが分かる。
【0093】
実施例4乃至7
ボロン(B)が置換型に挿入された固溶体であるカーボナイトライド化合物から多孔性炭素を製造するために、TiO18.4194g、B0.3211gと炭素粉末6.2595gを準備して混合した。
【0094】
以後、残り工程は実施例1と同様な方法で行なって実施例4の多孔性炭素粉末を製造した。
【0095】
実施例5乃至7についても、原料の含量を変化させながらカーボナイトライド化合物を製造した後、実施例1と同様な方法で多孔性炭素粉末を製造した。
【0096】
使用された原料の量とこれによるカーボナイトライド化合物の組成は下記表2に示した。
【0097】
また、各実施例による多孔性炭素の比表面積(SSA)、マイクロ気孔の体積及びメソ気孔の体積を測定して下記表2に共に示した。
【0098】
【表2】
【0099】
上記表2を参照すれば、ボロンが置換型に存在するTi(CxNy)カーボナイトライド化合物である実施例4乃至7で多孔性炭素を得る場合、メソ気孔の体積が比較例1のTiCから得られる多孔性炭素に比べて顕著に増加した。
【0100】
実施例4乃至7を比較する時、メソ気孔の体積はカーボナイトライド化合物内に窒素の量に反比例することが確認され、組成がTi(C0.7680.040.192)である実施例7でメソ気孔が最大値を示した。また、実施例6及び7では比較例1に比べてメソ気孔の体積が大きく増加しただけでなく、マイクロ気孔の体積も比較例1と類似の程度に高く示された。
【0101】
図3は実施例4乃至7によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
【0102】
図4は実施例4乃至7によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで格子定数変化による(111)ピークシフトを示すグラフである。
【0103】
図3及び4を参照すれば、実施例4乃至7でカーボナイトライド化合物内で炭素と窒素の比率が変更されても結晶構造が変わらず、結晶内間隔のみ変わることが分かる。したがって、ボロンが置換型に挿入された固溶体であることが分かる。
【0104】
実施例8乃至10
水素(H)が侵入型に挿入された固溶体であるカーボナイトライド化合物から多孔性炭素を製造するために、TiO18.1364g、TiH0.2904g及び炭素粉末6.5731gを準備して混合した。
【0105】
以後、残り工程は実施例1と同様な方法で行なって多孔性炭素粉末を収得し、実施例9乃至10についても、原料の含量を変化させながらカーボナイトライド化合物を製造した後、実施例1と同様な方法で多孔性炭素粉末を製造した。
【0106】
使用された原料の量とこれによるカーボナイトライド化合物の組成は下記表3に示した。
【0107】
【表3】
【0108】
上記表3を参照すれば、水素が侵入型に存在するTi(CxNy)カーボナイトライド化合物である実施例8乃至10で多孔性炭素を得る場合、メソ気孔の体積が比較例1のTiCから得られる多孔性炭素に比べて顕著に増加した。
【0109】
また、ボロンが置換型に存在する実施例4乃至7とは異なり、水素が侵入した実施例8乃至10の場合、メソ気孔の体積はカーボナイトライド化合物内に窒素の量に比例する傾向を示し、組成がTi(C0.358<0.05>0.694)である実施例8でメソ気孔が最大値の4.4034cm/gを示した。また、実施例10では比較例1に比べてメソ気孔の体積が大きく増加しただけでなく、マイクロ気孔の体積も比較例1より高く示された。
【0110】
図5は実施例8乃至10によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
【0111】
図6は実施例8乃至10によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRDで(111)ピークシフトを示すグラフである。
【0112】
図5及び6を参照すれば、実施例8乃至10でカーボナイトライド化合物内で炭素と窒素の比率が変更されても結晶構造が変わらず、結晶内間隔のみ変わることが分かる。
【0113】
実施例11
タングステン(W)がチタニウム(Ti)位置に置換型に挿入された固溶体であるカーボナイトライド化合物から多孔性炭素を製造するために、TiO13.3137g、WO5.2701g及び炭素粉末6.4161gを準備して混合した。
【0114】
以後、残り工程は実施例1と同様な方法で行なってカーボナイトライド化合物を製造した後、実施例1と同様な方法で多孔性炭素粉末を製造した。
【0115】
使用された原料の量とこれによるカーボナイトライド化合物の組成及びこれによる多孔性炭素の比表面積(SSA)、マイクロ気孔の体積及びメソ気孔の体積を下記表4に示した。
【0116】
実施例12
前記実施例11で得られた多孔性炭素粉末をN雰囲気で熱処理を始めて970℃に到達すれば、30分間30sccmでCOを流すことによって気孔活性化工程を実施した。これによる多孔性炭素の比表面積(SSA)、マイクロ気孔の体積及びメソ気孔の体積を下記表4に示した。
【0117】
実施例13
前記実施例11で得られた多孔性炭素粉末をHe雰囲気で熱処理を始めて970℃に到達すれば、30分間30sccmでCOを流すことによって気孔活性化工程を実施した。これによる多孔性炭素の比表面積(SSA)、マイクロ気孔の体積及びメソ気孔の体積を下記表4に示した。
【0118】
【表4】
【0119】
表4を参照すれば、タングステンが置換されない実施例3と比較して、実施例11の場合にマイクロ気孔の体積が増加することが分かった。
【0120】
また、実施例11、12及び13を比較した場合、気孔活性化(activation)工程をさらに行うことによってメソ気孔を顕著に増加させることができるということと、気孔活性化工程時にNよりはHeを雰囲気気体として用いた場合にマイクロ気孔及びメソ気孔を同時に発達させることができるのが確認された。したがって、本発明の活性化工程によれば、He、Nなどのような非活性気体を昇温雰囲気として使用することによって炭素の損失を低めることができ、メソ気孔を増加させるのに顕著なCO活性化(CO activation)効果があった。
【0121】
図7は実施例11によって製造されたカーボナイトライド化合物のXRD結果を示すグラフである。
【0122】
図7を参照すれば、TiW(CxNy)が存在するということが分かる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7