(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072275
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】植込み型リード
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20170123BHJP
A61N 1/378 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/378
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-540930(P2015-540930)
(86)(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公表番号】特表2015-533340(P2015-533340A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】US2014011479
(87)【国際公開番号】WO2014113385
(87)【国際公開日】20140724
【審査請求日】2015年4月30日
(31)【優先権主張番号】61/752,771
(32)【優先日】2013年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウルフマン、デイビッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】フェリング、マイケル エイ.
【審査官】
井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0249892(US,A1)
【文献】
特表2012−506757(JP,A)
【文献】
特表2013−530013(JP,A)
【文献】
特開平08−229138(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0079423(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0183261(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0069625(US,A1)
【文献】
米国特許第08868208(US,B2)
【文献】
米国特許第06456888(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/05
A61N 1/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在する導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、前記1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、
内腔と内腔内に止め部とを有する管状取付具であって、導電性金属から形成され、前記内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記管状取付具が前記導体を前記コイル電極に対して電気的に接続する、管状取付具と、
を具備し、
前記コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が前記管状取付具の内腔内にあり、前記内腔内の止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記内腔内に延在することができる程度を制限しており、前記コイル電極が、前記内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間の相互作用によって、前記管状取付具に対して機械的に接続されている、植込み型リード。
【請求項2】
前記コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに具備し、前記ポリマースリーブが、除細動治療が該ポリマースリーブを通って送達されるように構成されている、請求項1に記載の植込み型リード。
【請求項3】
前記ポリマースリーブが前記管状取付具の内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記管状取付具に対して機械的に結合するように、前記内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、請求項2に記載の植込み型リード。
【請求項4】
前記ポリマースリーブが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTF)から作製されている、請求項2または3に記載の植込み型リード。
【請求項5】
前記1つまたは複数のファイラが、前記らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを含み、前記隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項6】
前記ねじ切り部が、各ねじ山が前記隣接するファイラの群の各巻きの間の空間内に突出するような寸法である、請求項5に記載の植込み型リード。
【請求項7】
前記管状取付具が、
前記コイル電極と軸方向に位置合せされた内側取付具であって、その少なくとも一部がおねじ切り部を備える、内側取付具と、
外側管状取付具であって、前記内腔を画定し、前記内側取付具が前記内腔内に少なくとも部分的に受け入れられ、前記おねじ切り部および前記1つまたは複数のファイラの両方が、前記内腔のねじ切り部とねじ式に係合している、外側管状取付具と、
を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項8】
前記管状取付具が、前記コイル電極と前記管状取付具との間の溶接を可能にする少なくとも1つの窓を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項9】
前記コイル電極が前記止め部と接触し、その接触によって、前記管状取付具と前記コイル電極との間の電気的接続が提供される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項10】
前記管状取付具が前記内腔内にコネクタをさらに備え、前記導体が、前記コネクタに対して機械的かつ電気的に接続される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項11】
前記導体がケーブル導体であり、前記コネクタが、前記ケーブル導体の上に圧着される圧着コネクタである、請求項10に記載の植込み型リード。
【請求項12】
前記管状取付具が、前記植込み型リードの外面の少なくとも一部を画定している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項13】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在するケーブル導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、前記1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、
第1内腔と第1内腔内に第1止め部とを有する基端側管状取付具であって、前記第1内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の基端部が、前記第1内腔内にあり、かつ、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記基端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第1止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第1内腔内に延在することができる程度を制限している、基端側管状取付具と、
第2内腔と第2内腔内に第2止め部とを有する先端側管状取付具であって、前記第2内腔の少なくとも一部が、前記1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、前記コイル電極の先端部が、前記第2内腔内にあり、かつ、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、前記先端側管状取付具に対して機械的に接続されており、前記第2止め部が、前記コイル電極の基端部または先端部が前記第2内腔内に延在することができる程度を制限している、先端側管状取付具と、
を具備する植込み型リード。
【請求項14】
前記基端側管状取付具および前記先端側管状取付具のいずれかまたは両方が、前記ケーブル導体を前記コイル電極に対して電気的に接続する、請求項13に記載の植込み型リード。
【請求項15】
基端部および先端部を有し、かつ、前記コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに具備し、前記ポリマースリーブが、前記除細動治療が前記ポリマースリーブを通って送達されるように構成されている、請求項13または14に記載の植込み型リード。
【請求項16】
前記ポリマースリーブの基端部が、前記基端側管状取付具の第1内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記基端側管状取付具に対して機械的に結合するように、前記第1内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれており、
前記ポリマースリーブの先端部が、前記先端側管状取付具の第2内腔内に延在し、前記ポリマースリーブが、該ポリマースリーブを前記先端側管状取付具に対して機械的に結合するように、前記第2内腔のねじ切り部と前記1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、請求項15に記載の植込み型リード。
【請求項17】
前記1つまたは複数のファイラが、前記らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを備え、前記隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の植込み型リード。
【請求項18】
前記基端側管状取付具および前記先端側管状取付具の各々のねじ切り部が、各ねじ山が前記隣接するファイラの群の各巻きの間の空間内に突出するような寸法である、請求項17に記載の植込み型リード。
【請求項19】
植込み型リードであって、
基端部および先端部を有するリード本体と、
前記リード本体内に延在する導体と、
基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、前記リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に対して除細動治療を送達するように構成されたコイル電極と、
外面、内腔、および前記外面から内腔へのアクセスを提供する窓を有する管状取付具であって、導電性金属から形成されている管状取付具と、
前記コイル電極と前記管状取付具との間の溶接継手であって、前記コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が、前記管状取付具の内腔内にあり、前記溶接継手が前記窓に近接している、溶接継手と、
を具備する植込み型リード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して植込み型リードに関する。より詳細には、本開示は、植込み型リードのコイル電極用の取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの心臓は、適切に機能しているとき、それ自体の内因性リズムを維持し、身体の循環系を通して適切な血液をポンピングすることができる。しかしながら、人によっては、細動または不整脈と呼ばれる不規則な心律動があり、それにより不適切な心律動がもたらされる可能性がある。不適切な心律動を処置する1つの方法は、ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)または心臓再同期(CRT)デバイス等のパルス発生器(PG)の使用を含む。こうしたデバイスは、通常、電気エネルギーを心臓に送達するために使用することができる1つまたは複数の要素を有する1つまたは複数の植込み型リードに結合される。さらにまたは別法として、神経系および/または筋肉系等の身体の他の組織に刺激を与えるために、植込み型リードを使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記した植込み型リードをより向上させた植込み型リードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施例1は、植込み型リードであって、基端部および先端部を有するリード本体と、リード本体内に延在する導体と、基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、内腔を有する管状取付具であって、導電性金属から形成され、内腔の少なくとも一部が、1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、管状取付具が導体をコイル電極に対して電気的に接続する、管状取付具と、を備え、コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が管状取付具の内腔内にあり、コイル電極が、内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの間の相互作用によって、管状取付具に機械的に接続されている、植込み型リードに関する。
【0005】
実施例2において、壁を有し、かつ、コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに備え、ポリマースリーブの壁が、その壁を通って除細動治療が送達されるように構成されている、実施例1の植込み型リード。
【0006】
実施例3において、ポリマースリーブが、管状取付具の内腔内に延在し、ポリマースリーブの壁が、ポリマースリーブを管状取付具に対して機械的に結合するように、内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、実施例2の植込み型リード。
【0007】
実施例4において、ポリマースリーブが延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTF)から作製されている、実施例2または3のいずれかの植込み型リード。
実施例5において、1つまたは複数のファイラが、らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを含み、隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、先行するいずれかの例の植込み型リード。
【0008】
実施例6において、ピッチが、隣接するファイラの群の各巻きの間の間隔によって画定される、実施例5の植込み型リード。
実施例7において、管状取付具が、コイル電極と軸方向に位置合せされた内側管状取付具であって、内側管状取付具の少なくとも一部がおねじ切り部を備える、内側取付具と、外側管状取付具であって、内腔を画定し、内側取付具が内腔内に少なくとも部分的に受け入れられ、おねじ切り部および1つまたは複数のファイラの両方が、内腔のねじ切り部とねじ式に係合している、外側管状取付具と、を備える、先行するいずれかの例の植込み型リード。
【0009】
実施例8において、管状取付具が、コイル電極と管状取付具との間の溶接を可能にする少なくとも1つの窓を備える、先行するいずれかの例の植込み型リード。
実施例9において、管状取付具が内腔内に止め部をさらに備え、止め部が、コイル電極の基端部または先端部が内腔内に延在することができる程度を制限する、先行するいずれかの例の植込み型リード。
【0010】
実施例10において、コイル電極が止め部と接触し、その接触によって、管状取付具とコイル電極との間の電気的接続が提供される、実施例9の植込み型リード。
実施例11において、管状取付具が内腔内にコネクタをさらに備え、導体が、コネクタに対して機械的かつ電気的に接続される、先行するいずれかの例の植込み型リード。
【0011】
実施例12において、導体がケーブル導体であり、コネクタが、ケーブル導体の上に圧着される圧着コネクタである、実施例11の植込み型リード。
実施例13において、管状取付具が、植込み型リードの外面の少なくとも一部を画定している、先行するいずれかの例の植込み型リード。
【0012】
実施例14は、植込み型リードであって、基端部および先端部を有するリード本体と、リード本体内で延在するケーブル導体と、基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に除細動治療を送達するように構成され、1つまたは複数のファイラが、ピッチを有するようにらせんパターンで巻回されている、コイル電極と、第1内腔を有する基端側管状取付具であって、第1内腔の少なくとも一部が、1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、コイル電極の基端部が、第1内腔内にあり、かつ、第1内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、基端側管状取付具に機械的に接続される、基端側管状取付具と、第2内腔を有する先端側管状取付具であって、第2内腔の少なくとも一部が、1つまたは複数のファイラのピッチに対応するねじ切り部を有し、コイル電極の先端部が、第2内腔内にあり、かつ、第2内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの相互作用によって、先端側管状取付具に機械的に接続される、先端側管状取付具と、を備える植込み型リードに関する。
【0013】
実施例15において、基端側管状取付具および先端側管状取付具のいずれかまたは両方が、導体をコイル電極に対して電気的に接続する、実施例14の植込み型リード。
実施例16において、基端部、先端部および壁を有し、かつ、コイル電極の上に延在するポリマースリーブをさらに備え、ポリマースリーブの壁が、除細動治療が壁を通って送達されるように多孔質である、実施例14または15のいずれかの植込み型リード。
【0014】
実施例17において、ポリマースリーブの基端部が、基端側管状取付具の第1内腔内に延在し、壁が、ポリマースリーブを基端側管状取付具に対して機械的に結合するように、第1内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの間に挟まれており、ポリマースリーブの先端部が、先端側管状取付具の第2内腔内に延在し、壁が、ポリマースリーブを先端側管状取付具に対して機械的に結合するように、第2内腔のねじ切り部と1つまたは複数のファイラとの間に挟まれている、実施例16の植込み型リード。
【0015】
実施例18において、1つまたは複数のファイラが、らせんパターンで渦巻状になる隣接するファイラの群において配置された複数のファイラを備え、隣接するファイラの群の各巻きの間に空間が存在する、実施例14〜17のいずれかの植込み型リード。
【0016】
実施例19において、基端側管状取付具および先端側管状取付具の各々のねじ切り部が、各ねじ山が隣接するファイラの群の各巻きの間の空間内に突出するような寸法である、実施例18の植込み型リード。
【0017】
実施例20は、植込み型リードであって、基端部および先端部を有するリード本体と、リード本体内に基端部から先端部まで延在する導体と、基端部、先端部および1つまたは複数のファイラを有するコイル電極であって、リード本体の先端部の一部に沿って延在しかつ組織に対して除細動治療を送達するように構成されたコイル電極と、外面、内腔、および外面から内腔へのアクセスを提供する窓を有する管状取付具であって、導電性金属から形成されている管状取付具と、コイル電極と管状取付具との間の溶接継手であって、コイル電極の基端部または先端部のうちの一方が、管状取付具の内腔内にあり、溶接継手が窓に近接している、溶接継手と、を備える植込み型リードに関する。
【0018】
複数の実施形態を開示するが、本開示のさらに他の実施形態が、本開示の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から当業者には明らかとなろう。したがって、図面および詳細な説明は、限定するものではなく本質的に例示的なものとしてみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】パルス発生器および植込み型リードを含む心律動管理システムの概略図である。
【
図2】
図1の植込み型リードの管状取付具の斜視図である。
【
図3A】
図2のコイル電極および管状取付具の断面図である。
【
図3B】
図2のコイル電極および管状取付具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、さまざまな変更形態および代替形態が可能であるが、具体的な実施形態を、図面に例として示しており、かつ、以下詳細に説明する。しかしながら、本発明は、本開示を本明細書に記載する特定の実施形態に限定するものではない。反対に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本開示の範囲内にあるすべての変更形態、均等物および代替形態を包含するように意図されている。
【0021】
図1は、心律動管理(CRM)システム100の概略図を示す。CRMシステムは、心臓104に電気刺激を送達するパルス発生器102を含む。パルス発生器102は、経皮的に、患者の胸部または腹部の植込み位置またはポケット内に植え込まれる。パルス発生器102は、植込み型リード106に接続される。植込み型リード106は、パルス発生器102と心臓104または他の組織との間で電気信号を伝導する。植込み型リード106は、リード本体110、基端部112および先端部114を含む。植込み型リード106の基端部112は、パルス発生器102と機械的にかつ電気的に接続することができる。さまざまな実施形態において、植込み型リード106は、左鎖骨下静脈または他の位置の壁に形成された血管進入部位から血管系に進入することができる。植込み型リード106は、左腕頭静脈および上大静脈を通って延在することができ、それにより、右心房、左心房、右心室、左心室または他の位置のいずれかにまたはそれに沿って、植込み型リード106の先端部114を植え込むことができる。
【0022】
植込み型リード106の先端部114は、生体電気信号を検知しかつ/または電気エネルギーを心臓104に送達する1つまたは複数の電極を含む。たとえば、植込み型リード106の先端部114は、リング電極120を含む。植込み型リード106の先端部114は、固定要素122を含み、先端部114を組織に係留することに加えて、生体電気信号を検知かつ/または電気エネルギーを送達するように、固定要素122を構成することができる。先端部114はコイル電極130を含むことができ、それについては本明細書においてさらに考察する。コイル電極130は、生体電気信号を検知しかつ/または電気エネルギーを送達するように構成することができる。
図1には1つのコイル電極130が示されているが、植込み型リード106のさまざまな実施形態では、2つ以上のコイル電極等、複数のコイル電極を含むことができる。
【0023】
コイル電極130は、リード本体110の先端部114の一部に沿って延在する。いくつかの実施形態では、
図1に示すようにコイル電極130を露出させることができる。いくつかの実施形態では、本明細書においてさらに考察するように、ポリマースリーブによって部分的にまたは完全にコイル電極130を覆うことができる。導体が、パルス発生器102およびコイル電極130を電気的に接続するようにリード本体110内を延在することで、パルス発生器102が電気エネルギーをコイル電極130から心臓104に送達するのを可能にする。コイル電極130は、除細動治療の一部として高エネルギー衝撃を送達するように特に適合させることができる。たとえば、不整脈を停止させて正常洞調律が再度確立されるように、コイル電極130を通して限界量の心臓組織を脱分極する高電圧信号を送達することができる。本明細書では、心臓104に除細動治療を送達するためにコイル電極130を使用することについて主に考察するが、コイル電極130は、心臓104または身体の他の組織に他の治療を送達するために使用することができる。
【0024】
コイル電極130は、本明細書においてさらに考察するように、管状取付具132、134のうちの一方または両方によってリード110に対して機械的かつ電気的に接続することができる。
図1に示すように、コイル電極130の基端側において、管状取付具132をリード本体110に設けることができる。
図1にさらに示すように、コイル電極130の先端側において、管状取付具134をリード本体110に設けることができる。いくつかの実施形態では、リード本体110に管状取付具132、134のうちの一方のみを設けることができる。
【0025】
図2は、管状取付具132の斜視図である。管状取付具132は、白金またはチタン等の導電性材料から形成することができる。管状取付具132は、鋳造プロセス、押出プロセス、打抜き加工プロセスおよび/または機械加工プロセスのうちの1つまたは複数によって形成することができる。管状取付具132は、第1部分124および第2部分126を有する。第1部分124は、第2部分126の外径より大きい外径を有する。第1部分124と第2部分126との間に、第1部分124および第2部分126の異なる直径の間で遷移するように、外側段174を設けることができる。いくつかの実施形態では、第1部分124の外周面は、植込み型リード106の外面の一部を画定し、第2部分126の外周面をリード本体110内で絶縁する。
【0026】
管状取付具132内には内腔160が延在する。管状取付具132はコネクタ150を含む。
図2に示すように、コネクタ150は、内腔160内において第2部分126に沿って配置される。他のいくつかの実施形態では、コネクタ150は、第2部分126の外面、第1部分124に沿った内腔160の内面、または他の位置に配置することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ150は、管状取付具132と一体的に形成することができる。たとえば、コネクタ150は、管状取付具132と同じ材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ150は、管状取付具132とは別個に形成し、その後、管状取付具132に機械的かつ電気的に接続することができる。
【0027】
コネクタ150は、ケーブル導体等の導体に対して機械的かつ電気的に接続される。
図2に示すコネクタ150の実施形態では、導体の周囲に圧着することによって導体に対して機械的かつ電気的に接続することができる。しかしながら、溶接継手等、導体および管状取付具132を機械的かつ電気的に接続する他のさまざまなタイプのコネクタ150が企図される。
【0028】
管状取付具132は、第1部分124に沿って1つまたは複数の窓136を含む。1つまたは複数の窓136により、本明細書においてさらに考察するように、管状取付具132の内腔160内で溶接を行うことが可能になる。管状取付具132は、第2部分126に沿って1つまたは複数の取付機構を含むことができる。
図2に示すように、1つまたは複数の取付機構は穴128を含む。ポリマー材料を加熱して穴128または他の取付機構に一体化して、管状取付具132に機械的に接続することができる。1つまたは複数の取付機構は、さらにまたは別法として、機械的固定を支持するようにポリマー材料によって封入することができる、第2部分126に沿った1つまたは複数の突起を含む。
【0029】
図3Aは、管状取付具132の断面図を示す。
図3Aに示すように、管状取付具132をポリマーチューブ138に取り付ける。ポリマーチューブ138を押出プロセスによって形成して、その後、外側段174と係合するように管状取付具132の第2部分126の上に配置する。そして、熱を加えることにより、ポリマーチューブ138のポリマー材料を管状取付具132の(
図2に示す)1つまたは複数の取付機構128に一体化させる。いくつかの実施形態では、接着剤によってポリマーチューブ138を管状取付具132に取り付ける。いくつかの実施形態では、射出成形によってポリマーチューブ138を第2部分126の上に形成する。
【0030】
いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ138は、リード本体110の外面を画定する。たとえば、ポリマーチューブ138は、管状取付具132と植込み型リード106の基端部112との間で、リード本体110の外面を画定する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ138を相対的に短くすることができる。たとえば、リード本体110の長さの大部分に沿って延在する別のポリマーチューブ(たとえば、押出チューブ)に対して、ポリマーチューブ138を接合する。いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ138は、管状取付具132の第1部分124の外径に略等しい外径を有する。同様の外径を有するポリマーチューブ138および第1部分124によって、植込み型リード106の相対的に平滑な外面を可能にする。第2部分126に対して第1部分124の外径の方が大きいことによって、第1部分124の外面と整列するように第2部分126の上にポリマーチューブ138を配置して、植込み型リード106の一貫した外形を画定する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ポリマーチューブ138の外径は、第1部分124の外径と同様でない場合もある。
【0031】
図3Aに示すように、管状取付具132の内腔160は、管状取付具132の全体を通って延在する。他のいくつかの実施形態では、内腔160が、第1部分124と第2部分126との間に延在していない場合もある。
図3Aに示すように、内腔160の内径は、第1部分124に沿って相対的に大きく、第2部分126に沿って相対的に小さくすることができる。
【0032】
図3Aは、コイル電極130をさらに示す。コイル電極130は、ポリマースリーブ170内に延在する。ポリマースリーブ170は、たとえば延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)から形成される。ポリマースリーブ170は、押出プロセスまたは成形プロセスによって形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブの壁を多孔質にすることによって、電気エネルギーをコイル電極130からポリマースリーブ170の壁を通して、ポリマースリーブ170の外側の組織に送達することができる。たとえば、ポリマースリーブ170の多孔性によって、体液がポリマースリーブ170の壁を浸透して、壁を通る電気エネルギーの伝導を支援する。いくつかの実施形態では、電気エネルギーがポリマースリーブ170の壁を通過してポリマースリーブ170の外側の組織まで進むのを支援するために、ポリマースリーブ170の壁を導電性材料(たとえば、導電性ポリマー)によって形成する。ポリマースリーブ170は、コイル電極130内への組織内部成長を防止し、組織内部成長は、本来、植込み型リード106を非意図的に係留しかつ/または電気エネルギーのコイル電極130からの送達を阻止する。
【0033】
ポリマースリーブ170の内径をコイル電極130の外径と略等しくする。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170の内径をコイル電極130の外径より大きくすることによって、コイル電極130がポリマースリーブ170内で移動することができる。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170の内径を弛緩状態にあるコイル電極130の外径より小さくして、コイル電極130の外径を一時的に減少させるようにコイル電極130を長手方向に伸長させることで、ポリマースリーブ170をコイル電極130の上に配置させることができる。
【0034】
図3Aに示すように、内腔160はねじ切り部162を含む。ねじ切り部162は、内腔160の内面から内側に突出する1つまたは複数の渦巻機構によって形成される。ねじ切り部162はピッチを有する。いくつかの実施形態では、ねじ切り部162のピッチは、管状取付具132に沿った長手方向距離に基づいて測定され、そこでは、ねじ切り部162は完全な1つの渦巻(たとえば、360度回転)を完成させる。いくつかの実施形態では、ねじ切り部162のピッチは、各ねじ切り部162の間の長手方向距離に基づいて測定される。いくつかの実施形態では、ねじ切り部162のピッチは、単位距離当りのねじ山の数(たとえば、ねじ山/インチ)に基づいて測定される。
【0035】
コイル電極130は、1つまたは複数のファイラ(filar)によって形成される。
図3Aに示すコイル電極130の特定の実施形態は、3つのファイラ144〜146によって形成されているが、他の実施形態はそれより多いかまたは少ないファイラを有する。ファイラ144〜146は、らせんパターンで巻回させられる。たとえば、コイル電極130は、ファイラ144〜146をマンドレルの周囲にらせんパターンで巻き付けることによって形成することができる。ファイラ144〜146は、らせんパターンを保持するように付勢されて熱処理される。ファイラ144〜146は、白金またはチタン等、導電性材料から形成することができる。
【0036】
図3Aに示すように、ファイラ144〜146はファイラ群156を形成する。ファイラ群は、互いに隣接しかつらせんパターンにおいて共に渦巻状になる、一組の別個のファイラを含む。ファイラ群156の隣接する巻きのファイラ間に空間168が存在する。
【0037】
ファイラ144〜146の渦巻パターンはピッチを有する。いくつかの実施形態では、ピッチは、各隣接するファイラ巻きの間の距離(たとえば、ファイラ144とファイラ145との間の長手方向距離)によって測定される。いくつかの実施形態では、ピッチは、コイル電極130に沿った長手方向距離に基づいて測定され、そこでは、特定のファイラは1つの完全な渦巻(たとえば、群156のファイラ144の360度回転)を完成させる。いくつかの実施形態では、ピッチは、隣接する空間168の間のコイル電極130に沿った長手方向距離に基づいて測定される。いくつかの実施形態では、ピッチは、単位距離当りのファイラの巻きの数(たとえば、ファイラ/インチ)に基づいて測定される。
【0038】
ファイラ144〜146のらせんパターンは、コイル電極130の外側に沿ったらせん輪郭パターンを形成する。コイル電極130のらせん輪郭パターンは、管状取付具132の内腔160のねじ切り部162に対応することによって、コイル電極130の端部(たとえば、基端部)が内腔160内に受け入れられる際に、ファイラ144〜146およびねじ切り部162を噛み合わせるように、コイル電極130の端部を内腔160内へ回転式に前進させることができる。
【0039】
図3Bは、管状取付具132の内腔160内に受け入れられたコイル電極130の基端部を示す断面図である。
図3Bの構成は、ファイラ144〜146をねじ切り部162と噛み合わせるように、コイル電極130および管状取付具132の一方または両方を回転させながら、コイル電極130を管状取付具132の内腔160内に挿入した結果である。
図3Bに示すように、ねじ切り部162は、ファイラ群156の巻きの間の空間168を通る。ねじ切り部162とコイル電極130のファイラ144〜146との間の相互作用によって、コイル電極130を管状取付具132に対して機械的に接続することができる。この相互作用は、コイル電極130のファイラ144〜146のピッチとねじ切り部162のピッチとが類似することによって容易にすることができる。たとえば、ファイラ144〜146のピッチは、ねじ切り部162のピッチに対応することができる。場合によっては、ファイラ144〜146のピッチは、ねじ切り部162のピッチと略同じかまたは等しくすることができる。群156で形成されたファイラ144〜146の全体の幅を、ねじ切り部162の間の長手方向距離(たとえば、距離「Y」)と略同じであるかそれよりわずかに小さくすることができ、それにより、群156において形成されたファイラ144〜146はねじ切り部162の間に適合する。場合によっては、各ねじ切り部162の幅は、群156の各巻きの間の空間168の幅(たとえば、距離「X」)と略同じであるかまたはそれよりわずかに小さい。
【0040】
コイル電極130の基端部は、管状取付具132の止め部176と係合する。止め部176は、管状取付具132の内腔60の狭窄部である。コイル電極130と止め部176との係合により、コイル電極130および管状取付具132を電気的に接続する。コイル電極130と止め部176との係合によって、コイル電極130が管状取付具132内に前進する程度を制限することができる。
【0041】
コイル電極130と管状取付具132との間の回転式係合の前に、ポリマースリーブ170がコイル電極130の上に延在する。
図3Bに示すように、コイル電極130と内腔160の内面との間において、ポリマースリーブ170の壁を挟む。たとえば、コイル電極130とねじ切り部162との間において、ポリマースリーブ170の壁を挟む。ポリマースリーブ170の壁を挟むことによって、ポリマースリーブ170を管状取付具132に対して機械的に固定することができる。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170の壁を挟むことによって、ねじ山162とファイラ144〜146との間の締まり嵌めが増強し、コイル電極130と管状取付具132との間の機械的接続を強化することができる。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170は、管状取付具132に対して機械的に取り付けられるにも関らず、管状取付具132に対して撓曲する。いくつかの実施形態では、コイル電極130はポリマースリーブ170内で移動する。
【0042】
図1においてコイル電極130の先端側に示されている管状取付具134は、本明細書において記載し例示した管状取付具132と同様の構成を有することができる。いくつかの実施形態では、管状取付具134を管状取付具132と構造的に同一とすることができる。コイル電極130の先端部は、コイル電極130の基端部を管状取付具132に接続するために本明細書で記載したあらゆる方法で、管状取付具134に取り付けることができる。たとえば、ポリマースリーブ170によって覆われるコイル電極130の先端部は、管状取付具134の内腔内に受け入れられ、ファイラ144〜146と内腔のねじ山との間の相互作用によって、コイル電極130およびポリマースリーブ170を管状取付具134に固定する。ケーブル導体172は、
図3Aおよび
図3Bにおいて管状取付具132のコネクタ150に取り付けられるように示されている。しかしながら、ケーブル導体172は、さらにまたは別法として、管状取付具134のコネクタ(または他の取付機構)に結合させることができる。いくつかの実施形態では、管状取付具134は、ケーブル導体172に取り付けるためのコネクタを含まない場合もある。
【0043】
内腔160を有する管状取付具132と内腔160内に延在するポリマースリーブ170の端部との使用により、さまざまな利点を提供することができる。たとえば、コイル電極用の従来の取付具は、相対的に小さい外径を有することで、コイル電極の内腔内に挿入することができる。そして、コイル電極の下の取付具を除細動コイルに溶接する。しかしながら、コイル電極の上に延在しているポリマースリーブは、溶接ステップのためにコイル電極へアクセスできるように、コイル電極の少なくとも一部を露出しておかなければならない場合がある(たとえば、コイル電極を従来の取付具に溶接できるように、ポリマースリーブに切り込みを入れて窓を形成する場合がある)。したがって、コイル電極の少なくとも一部が露出されたままである可能性がある。本開示は、コイル電極130の全長をポリマースリーブ170および管状取付具132、134で覆うことができる実施形態を提供する。したがって、コイル電極130全体にわたるポリマースリーブ170によって、組織付着からの保護を提供することができる。
【0044】
図2に戻ると、内腔160内に受け入れられたコイル電極130を管状取付具132に対して溶接するために、1つまたは複数の窓136を使用することができる。いくつかの実施形態では、窓136を通してポリマースリーブ170の一部を除去して、窓136内にコイル電極130の一部を露出させる。そして、溶接工具が、コイル電極130を管状取付具132に対して電気的かつ機械的に接続するように、窓136内で溶接する。コイル電極130のファイラ144〜146と管状取付具132のねじ切り部162との係合によって、機械的接続を形成することができる一方で、上述したような溶接部によって、コイル電極130が管状取付具132の内腔160からねじれて外れることを防止することができる。いくつかの実施形態では、管状取付具132の内腔160内にねじ切り部162を設けない場合もある。こうした実施形態では、管状取付具132の内腔160内にコイル電極130の基端部を受け入れることができ、窓136のうちの1つまたは複数を通してコイル電極130を管状取付具132に対して溶接することによって、管状取付具132に機械的かつ電気的に取り付けることができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170をコイル電極130より短くすることによって、コイル電極130の基端部および先端部のいずれかまたは両方の幾分かの部分が、ポリマースリーブ170によって覆われない場合がある。こうした実施形態では、コイル電極130の基端部および/または先端部は、管状取付具132、134それぞれの内面と直接接触することができる。しかしながら、ポリマースリーブ170が管状取付具132、134の一方または両方内に受け入れられ、かつ、植込み型リード106の外側にコイル電極130のいずれの部分も露出しないように、ポリマースリーブ170を十分長くして、管状取付具132、134の間に延在するようにできる。たとえば、ポリマースリーブ170は、コイル電極130の全長に沿って延在しないが、コイル電極130の外側と管状取付具132の内面との間で挟むことができる。いくつかの実施形態では、ポリマースリーブ170を含まない場合がある。したがって、植込み型リード106の外側に沿ってコイル電極130を露出させることができる。こうした場合、コイル電極130のファイラ144〜146は、管状取付具124の内面と直接係合することができる。
【0046】
1つまたは複数の導体は、パルス発生器102をリング電極120および/または固定要素122に電気的に接続することができる。
さまざまな構成要素が、管状取付具132、134のうちの一方または両方を通してリード本体110内を延在することができる。たとえば、1つまたは複数の通路が、ポリマーチューブ138、管状取付具132およびコイル電極130を通って(たとえば、管状取付具132の内腔160に沿って)延在し、1つまたは複数の長尺状構成要素が、1つまたは複数の通路内に延在する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の導体を収容する1つまたは複数の内腔を有する長尺状ポリマー部材(図示せず)は、植込み型リード106の基端部112から先端部114まで延在する。長尺状ポリマー部材は、管状取付具132の内腔160内にかつコイル電極130内に延在する。長尺状ポリマー部材は、たとえば、1つまたは複数のケーブル導体および/またはコイル導体を収容する3腔チューブである。長尺状ポリマー部材内の1つまたは複数の導体は、たとえば、リング電極120および/または固定要素122に電気的に接続することができる。場合によっては、ケーブル導体172は、管状取付具132の基端側で長尺状ポリマー部材の内腔内で延在し、長尺状ポリマー部材の外側に延在して管状取付具132と機械的かつ電気的に接続し、管状取付具132の先端側で長尺状ポリマー部材の内腔に再度入る。ケーブル導体172は、管状取付具134の基端側ではあるが管状取付具132の先端側の位置において、長尺状ポリマー部材の外側に再び延在して、管状取付具134と機械的かつ電気的に接続する。
【0047】
図2〜
図3Bは、単体の管状取付具132に関するが、他のいくつかの実施形態は、複数の部品から形成された取付具に関する。
図4および
図5は、ケーブル導体272およびコイル電極230を機械的かつ電気的に接続することができる継手200を示す。
図4は、継手200の組立分解図を示す。継手200は、内側取付具280および外側管状取付具282を含む。内側取付具280は、管状体である。内側取付具280は、その全長にわたって延在する内腔260を有する。内側取付具280は、第1部分224および第2部分226を有する。おねじ切り部240が、第1部分224に沿って延在する。第2部分226は、おねじ切り部がない内側取付具280の長手方向区間である。第2部分226に沿って、ポリマー材料への接続を容易にする穴228および/または他の取付機構を設けることができる。内側取付具280は、白金またはチタン等の金属から形成することができる。内側取付具280は、たとえば、鋳造プロセス、押出プロセス、打抜き加工プロセスおよび/または機械加工プロセスのうちの1つまたは複数によって形成することができる。
【0048】
内側取付具280はコネクタ250を含む。
図4に示すように、コネクタ250は、内腔260内にあってかつ第2部分226に沿っている。他のいくつかの実施形態では、コネクタ250は、第1部分224または他の位置に沿って配置することができる。コネクタ250は、本明細書に記載するようにケーブル導体272と(たとえば、コネクタ250をケーブル導体272の上に圧着することにより)接続する。
【0049】
外側管状取付具282は、植込み型リード106の外面を画定する。外側管状取付具282は内腔264を有する。内腔264は、外側管状取付具282の両側に開口部があるように、外側管状取付具282を通って延在する。外側管状取付具282および内側取付具280は、内側取付具280を外側管状取付具282の内腔264内に受け入れることができるような寸法に設定される。外側管状取付具282は、白金またはチタン等の金属から形成される。外側管状取付具282は、鋳造プロセス、押出プロセス、打抜き加工プロセスおよび/または機械加工プロセスのうちの1つまたは複数によって形成される。
【0050】
外側管状取付具282の内腔264は、めねじ切り部262を含む。めねじ切り部262は、内腔264の内面から内側に突出する1つまたは複数の渦巻機構によって形成される。めねじ切り部262はピッチを有する。めねじ切り部262は、内側取付具280のおねじ切り部240と同じピッチを有する。めねじ切り部262は、回転によっておねじ切り部240を受け入れるように、おねじ切り部240に対して相補的である。めねじ切り部262とおねじ切り部240との係合により、内側取付具280を外側管状取付具282に対して機械的に接続する。内側取付具280は、別法としてまたはさらに、溶接により、外側管状取付具282に対して機械的に接続される。たとえば、外側管状取付具282は窓234を含む。窓234により、内側取付具280が内腔264内に受け入れられるときに、内腔264内での内側取付具280の外側管状取付具282への溶接を可能にする。
【0051】
図4は、コイル電極230の端部をさらに示す。コイル電極230は、
図1〜
図3Bのコイル電極130と同様である。コイル電極230は、らせんパターンで巻回されたファイラ244〜246を有し、らせんパターンはピッチを有している。ファイラ244〜246のピッチは、おねじ切り部240およびめねじ切り部262のピッチと同様である。ファイラ244〜246のらせんパターンは、コイル電極230の外側に沿ってらせん輪郭パターンを形成する。らせん輪郭パターンは、外側管状取付具282の内腔264のめねじ切り部262と相補的にできる。たとえば、コイル電極230の端部(たとえば、基端部)が内腔264内に受け入れられる際に、コイル電極230の端部は、ファイラ244〜246およびめねじ切り部262を噛み合わせるように内腔264内で回転式に前進することができる。
【0052】
コイル電極230の外径は、内側取付具280の第1部分224の外径と略同じである。同様に、コイル電極230の外径と内径280との間の類似性は、コイル電極230のらせん輪郭パターンのピッチと内側取付具280のおねじ切り部240のピッチとの間の相関性と同様に、コイル電極230および内側取付具280が、軸方向に位置合せされたときにコイル電極230および内側取付具280の各々の上に延在する連続したねじ山パターンを形成するのを可能にする。たとえば、コイル電極230および内側取付具280の各々は、外側管状取付具282の内腔264内に同時に少なくとも部分的に受け入れられる。さらに、内側取付具280のおねじ切り部240およびファイラ244〜246のらせんパターンの両方は、外側管状取付具282のめねじ切り部262と同時に係合する。
【0053】
いくつかの実施形態では、コイル電極230は、外側管状取付具282の内腔264内に受け入れられる前に、内側取付具280に対して機械的に取り付けることができる。たとえば、コイル電極230および内側取付具280が軸方向に位置合せされている間に、コイル電極230の端部(たとえば、基端部)は、内側取付具280の端部(たとえば、先端部)と接触させる。そして、コイル電極230を内側取付具280に溶接する。溶接によって、コイル電極230と内側取付具280との間に電気的接続を提供する。コイル電極230および内側取付具280を機械的に結合する代替技法を行うことができる。内側取付具280に対してコイル電極230を機械的に接続した後で、コイル電極230および内側取付具280の組立体は、めねじ切り部262がおねじ切り部240およびファイラ244〜246の両方と係合するまで、回転により内腔264内を移動する。
【0054】
図5は、組み立てられた形態にある継手200の断面図を示す。
図5に示すように、コイル電極230および内側取付具280は、外側管状取付具282がコイル電極および内側取付具280の各々の少なくとも一部の上に重なることができるように、外側管状取付具282内に受け入れられる。
図5はさらに、めねじ切り部262が内側取付具280のおねじ切り部240およびコイル電極230のらせん輪郭パターンの各々とねじ式に係合することを示す。ケーブル導体272は、
図5の実施形態では、コイル電極230と直接接触しない可能性があるが、ケーブル導体272およびコイル電極230の各々は、さまざまな実施形態では、電気エネルギーをケーブル導体272からコイル電極230に伝導するように、内側取付具280および外側管状取付具282の一方または両方と接触する。
【0055】
図5は、ポリマースリーブ270をさらに示す。ポリマースリーブ270は、本明細書で考察したポリマースリーブ170と同様である。たとえば、ポリマースリーブ270は、外側管状取付具282の内面(たとえば、めねじ262)とファイラ244〜246との間に挟むことによって、外側管状取付具282に固定することができる。
【0056】
本開示の範囲から逸脱することなく、考察した例示的な実施形態に対して、さまざまな変更および追加を行うことができる。たとえば、上述した実施形態は特定の特徴について言及しているが、本開示の範囲は、特徴の異なる組合せを有する実施形態、および記載した特徴のすべては含まない実施形態も含む。したがって、本開示の範囲は、請求項の範囲内にあるこうした代替形態、変更形態および変形形態のすべてを、そのすべての均等物とともに合わせて包含するように意図されている。