特許第6072279号(P6072279)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6072279バッテリアセンブリの保護装置及び保護システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072279
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】バッテリアセンブリの保護装置及び保護システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20170123BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20170123BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20170123BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20170123BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   H02J7/00 S
   H01M2/10 E
   H01M10/44 P
   H01M10/48 P
   H02H7/18
【請求項の数】12
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-542151(P2015-542151)
(86)(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公表番号】特表2016-504898(P2016-504898A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】CN2013087259
(87)【国際公開番号】WO2014075630
(87)【国際公開日】20140522
【審査請求日】2015年5月28日
(31)【優先権主張番号】201210468019.X
(32)【優先日】2012年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201220611267.0
(32)【優先日】2012年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505327398
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャオピン
(72)【発明者】
【氏名】バイ,チンガン
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−011722(JP,A)
【文献】 特開2006−275928(JP,A)
【文献】 特開2001−157367(JP,A)
【文献】 特開平08−308115(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/132220(WO,A1)
【文献】 特開2012−172992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00−19/32
31/02−31/06
31/36
H01M 2/10
10/42−10/48
H02H 7/00
7/10−7/20
H02J 7/00−7/12
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3以上の整数であるN個のセルを備えるバッテリアセンブリの保護装置であって、
前記N個のセル中のNより小さい正の整数であるM個のセルに夫々並列に接続され、接続されたセルの電圧に従って出力電流を生成するように構成されたM個の第1定電流源を有する定電流源モジュールと、
前記N個のセルに夫々並列に接続され、サンプリング電圧を出力するように構成されたN個の電圧サンプリングユニットを有する電圧サンプリングモジュールと、
該電圧サンプリングモジュールに接続され、前記N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つから出力されるサンプリング電圧が所定値に達した場合に第1切断信号を生成するように構成された判定モジュールと、
該判定モジュールに接続され、前記第1切断信号に従って前記バッテリアセンブリをオフに制御するように構成された保護制御モジュールと
を備え
1番目のセルの第1接続ワイヤは接地されており、
前記定電流源モジュールは、N番目のセルの第1接続ワイヤに接続された第2定電流源、及び前記N番目のセルの第2接続ワイヤに接続された第3定電流源を更に有すること
を特徴とする保護装置。
【請求項2】
前記判定モジュールと前記保護制御モジュールとの間に接続され、前記第1切断信号をレベルシフト信号に変換し、該レベルシフト信号を前記保護制御モジュールへ送信するように構成されたレベルシフトモジュールを備え、
前記保護制御モジュールは前記レベルシフト信号に従って前記バッテリアセンブリをオフに制御すること
を特徴とする請求項1に記載の保護装置。
【請求項3】
N=2M-1であって、
k番目の第1定電流源が(2k-1)番目のセルに並列に接続されており、kは1からMまでの整数であること
を特徴とする請求項2に記載の保護装置。
【請求項4】
Mは3以上の整数であり、
iは2からM-1までの整数であり、
i番目の第1定電流源の出力電流が減少した場合、(2i-1)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が低下し、2i番目及び(2i-2)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が上昇すること
を特徴とする請求項3に記載の保護装置。
【請求項5】
Mは2以上の整数であり、
jは1からM-1までの整数であり、
前記判定モジュールはM-1個のコンパレータを有し、
j番目のコンパレータの第1入力端子は所定電圧に接続されており、
前記j番目のコンパレータの第2入力端子は2j番目の電圧サンプリングユニットに接続されており、
前記2j番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が前記所定電圧より大きい場合、前記j番目のコンパレータは前記第1切断信号を生成すること
を特徴とする請求項3に記載の保護装置。
【請求項6】
前記M-1個のコンパレータのいずれか一つが前記第1切断信号を生成した場合、前記レベルシフトモジュールが前記レベルシフト信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の保護装置。
【請求項7】
前記N個の電圧サンプリングユニット夫々は、直列に接続された第1抵抗器及び第2抵抗器を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の保護装置。
【請求項8】
前記j番目のコンパレータの前記第2入力端子は、前記2j番目の電圧サンプリングユニットの前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間に形成された第1ノードに接続されていることを特徴とする請求項7に記載の保護装置。
【請求項9】
前記定電流源モジュールは、
直列に接続され、且つ前記N番目のセルの前記第1接続ワイヤと前記第2定電流源との間に接続された複数のダイオードと
前記N番目のセルの前記第2接続ワイヤと前記第3定電流源との間に接続され、前記ダイオードと前記第2定電流源との間に形成された第2ノードの電圧により制御されるスイッチングトランジスタと
を備えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の保護装置。
【請求項10】
前記N番目のセルの前記第2接続ワイヤが断線した場合、前記スイッチングトランジスタと前記第3定電流源との間に形成された第3ノードから第2切断信号が出力され、前記保護制御モジュールは前記第2切断信号に従って前記バッテリアセンブリをオフに制御することを特徴とする請求項に記載の保護装置。
【請求項11】
前記N番目のセルの前記第1接続ワイヤと前記第2接続ワイヤが互いに接続されている場合、前記スイッチングトランジスタは前記第2ノードの電圧によってオンに制御されることを特徴とする請求項に記載の保護装置。
【請求項12】
複数のセルを備えたバッテリアセンブリの保護システムであって、
前記複数のセルに夫々接続された複数のフィルタリング及び調整モジュールと、
請求項1から1までのいずれか一つに記載の保護装置と、
前記バッテリアセンブリに直列に接続され、前記複数のセルと前記保護装置との間の接続ワイヤが断線した場合に前記保護装置によってオフに制御されるスイッチングモジュールと
を備えることを特徴とする保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的にはバッテリの製造の分野に関し、特にはバッテリアセンブリの保護装置、及びバッテリアセンブリの保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のセルを有するバッテリアセンブリにおいて、その保護装置は、バッテリアセンブリの動作状態を判定するために各セルの電圧をリアルタイムで監視することが要求される。セルが保護装置に異常に接続されているか又は保護装置から切断されている場合に、セルの電圧が適時且つ正確に検知できないとき、保護装置は、充電又は放電状態にあるバッテリアセンブリを正確に保護する事ができず、したがってバッテリアセンブリを損傷させ、又は危険を引き起こしさえする。従来の保護装置の欠陥は検出の正確性が低いことであり、そのためにバッテリアセンブリが損傷する虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2012/0179411号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施形態は、先行技術において存在する課題のうちの少なくとも一つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本開示の第1の目的は、バッテリアセンブリの保護装置であって、充電又は放電状態にあるセルを正確に保護するためにバッテリアセンブリのセルと保護装置との間の異常接続又は切断を適時且つ正確に検知することができ、よってセルへの損傷を軽減又は防止する保護装置を提供することにある。
【0006】
本開示の他の目的は、バッテリアセンブリの保護システムであって、充電又は放電状態にあるセルを正確に保護するためにバッテリアセンブリのセルと保護システムとの間の異常な接続又は切断を適時且つ正確に検知することができ、よってセルへの損傷を軽減又は防止する保護システムを提供することにある。
【0007】
本開示の第1態様の実施形態によると、バッテリアセンブリの保護装置が提供される。該バッテリアセンブリは、N個のセル(Nは3以上の整数)を備え、該保護装置は、前記N個のセル中のM個のセルに夫々並列に接続され、接続されたセルの電圧に従って出力電流を生成するように構成されたM個の第1定電流源を含む定電流源モジュールと、前記N個のセル夫々に並列に接続されサンプリング電圧を出力するように構成されたN個の電圧サンプリングユニットを含む電圧サンプリングモジュールと、該電圧サンプリングモジュールに接続され、前記N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つから出力されたサンプリング電圧が所定値に達した場合に第1切断信号を生成するように構成された判定モジュールと、該判定モジュールに接続され前記第1切断信号に従って前記バッテリアセンブリをオフにするように構成された保護制御モジュールとを備える。
【0008】
本開示の保護装置によれば、セルと保護装置との間の異常接続又は切断が適時且つ正確に検知され得るため、保護装置が、充電又は放電状態にあるセルを正確に保護することができ、よってセルへの損傷を軽減又は防止する。
【0009】
本開示の第2態様の実施形態によると、バッテリアセンブリの保護装置システムも提供される。該バッテリアセンブリは複数のセルを備え、該保護システムは、前記複数のセル夫々に接続された複数のフィルタリング及び調整モジュールと、本開示の第1態様による保護装置と、前記バッテリアセンブリに直列に接続され、前記複数のセルと前記保護装置との間の接続ワイヤが断線した場合にオフになるように前記保護装置に制御されるスイッチングモジュールとを備える。
【0010】
本開示の保護システムよれば、セルと保護装置との間の異常接続又は切断が適時且つ正確に検出されうるため、保護装置が、充電又は放電状態にあるセルを正確に保護することができ、よってセルへの損傷を軽減又は防止する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置の概略的ブロック図である。
図2】本開示のある一つの実施形態に係る直列に接続された5個のセルを有するバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図3】本開示のある一つの実施形態に係る充電器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図4】本開示のある一つの実施形態に係る負荷抵抗器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図5】本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置により生成された様々な信号の波形を示す概略図である。
図6】本開示のある一つの実施形態に係る保護制御モジュールの概略図である。
図7】本開示の他の一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置の概略的ブロック図である。
図8】本開示の他の一つの実施形態に係る直列に接続された5個のセルを有するバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図9】本開示の他の一つの実施形態に係る充電器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図10】本開示の他の一つの実施形態に係る負荷抵抗器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。
図11a】本開示のある一つの実施形態に係るレベルシフトモジュールの概略図である。
図11b】本開示の他の一つの実施形態に係る保護制御モジュールの概略図である。
図12】本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護システムの概略的ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態のその他の態様及び利点は以下の説明により部分的に与えられ、以下の説明により部分的に明らかになり、又は本開示の実施形態による実施から習得される。
【0013】
本開示の上記及び他の態様及び利点は、添付の図を参照した以下の説明により、明らかになり、より容易に認識される。
【0014】
以下の説明において、本開示の実施形態が詳細に述べられる。実施形態の例は添付の図により示され、同じ又は類似の要素、及び同じ又は類似の機能を有する要素は明細書中で同一の参照番号により示される。ここで図面を参照して説明される実施形態は説明及び図解上のものであり、本開示を一般的に理解するために用いられる。実施形態は本開示を限定すると解されるべきものではない。一方、本開示の実施形態は、特許請求の範囲及びその均等物の原理及び趣旨の範囲内での改変、代替、変更をすべて含む。
【0015】
本開示の記述において、「第1」及び「第2」等の用語はここでは説明の目的で用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示することを意図するものではない。本開示の記述において、「接続された」及び「結合された」という用語は、構造物が互いに、強固又は一体的に、若しくは可動な状態で、直接に、又は介在構造を介して間接的に固定又は取り付けられた関係を指す。更に、別に明記しない限り、「接続された」及び「結合された」は物理的又は機械的な接続又は結合に限られない。当業者は、特定の状況に係る本開示の具体的な意味を理解すべきである。本開示の記述においては、別段特定されない限り、「以上」は2つ以上を意味する。
【0016】
フローチャートに記述されたいかなる方法若しくはプロセス、又は他の手段は、特定の論理機能又はプロセスを達成するための手順の1つ以上の実行可能な命令コードを含むモジュール、セグメント、又は部分と理解されうる。本開示の望ましい実施形態は他の実行方法を含み、該実行方法は示され又は述べられた順序の代わりとなる順序、ほとんど同時に行う方法や逆順序でも達成されることがあってもよく、そのことは本開示の実施形態が属する技術分野の当業者により認められる。
【0017】
図1は、本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置の概略的ブロック図である。図2は、本開示のある一つの実施形態に係る直列に接続された5個のセルを有するバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。図2の保護装置は説明及び図解のためのみのものであり、バッテリアセンブリ中のセル数の限定に用いられるものではない。
【0018】
図1に示されるように、バッテリアセンブリはN個のセルを備える。ここで、Nは3以上の整数である。保護装置は、定電流源モジュール100、電圧サンプリングモジュール200、判定モジュール300、及び保護制御モジュール400を備える。定電流源モジュール100は、M個の第1定電流源を有する。ここで、MはN未満の正の整数である。M個の第1定電流源は、N個のセル中のM個のセルに夫々並列に接続されて、接続されたセルの電圧に従って出力電流を生成するように構成されている。換言すると、ある第1定電流源がセルに接続されている場合、当該第1定電流源は定電流を出力し、当該第1定電流源がセルから切断されている場合、当該第1定電流源から出力される電流は減少する。電圧サンプリングモジュール200はN個の電圧サンプリングユニットを有する。N個の電圧サンプリングユニットは、N個のセルに夫々並列に接続されており、サンプリング電圧を出力するように構成されている。判定モジュール300は、電圧サンプリングモジュール200に接続されており、N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つから出力されるサンプリング電圧が所定値に達した場合に第1切断信号を生成するように構成されている。保護制御モジュール400は、判定モジュール300に接続されており、第1切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御するように構成されている。
【0019】
図2を参照すると、保護装置は、接続ワイヤの端子A1,A2,A3,A4,A5を介してセルV1,V2,V3,V4,V5の電圧を夫々サンプリングする。図2において、抵抗器R1,R2,R3,R4,R5はセルV1,V2,V3,V4,V5夫々に対するローパスフィルタ抵抗器であり、コンデンサC1,C2,C3,C4,C5はセルV1,V2,V3,V4,V5夫々に対するローパスフィルタコンデンサであり、L0,L1,L2,L3,L4,L5はセルV1,V2,V3,V4,V5夫々に対する電圧サンプリング用ワイヤである。
【0020】
本開示の実施形態においては、各セルに対する保護電圧閾値は予め定められている。保護装置がバッテリアセンブリに接続されている場合、セルV1,V2,V3,V4,V5の電圧が接続ワイヤの端子A1,A2,A3,A4,A5を介して夫々サンプリングされ、次いでサンプリングされた電圧がローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5により夫々減衰させられる。N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つによりサンプリングされた電圧が所定電圧閾値に達した場合、バッテリアセンブリと保護装置とが切断されていると判定され、保護制御が実行される。N個の電圧サンプリングユニットによりサンプリングされた電圧のいずれもが所定電圧閾値に達しない場合、保護装置は動作しない。
【0021】
一の実施形態においては、Nは2M-1に等しくてもよく、k番目の第1定電流源が(2k-1)番目のセルに並列に接続されていてもよい。ここで、kは1からMまでの整数である。k番目の第1定電流源の出力電流が減少した場合、(2k-1)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が低下し、2k番目及び(2k-2)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が上昇する。
【0022】
具体的には、図2を参照すると、バッテリアセンブリは5個のセルを備える。定電流源モジュール100は3個の第1定電流源110,120及び130を有する。3個の第1定電流源110,120及び130は5個のセルのうち奇数番のものに夫々並列に接続されている。換言すると、第1定電流源110はセルV1に並列に接続されており、第1定電流源120はセルV3に並列に接続されており、第1定電流源130はセルV5に並列に接続されている。第1定電流源110,120及び130は夫々、接続されているセルの電圧に従って出力電流を生成する。セルの接続ワイヤの1本が断線した場合、第1定電流源110,120又は130の出力電流は減少する。例えば、セルV1とセルV2との間の接続ワイヤが断線した場合、第1定電流源110の出力電流は減少する。再び図2を参照すると、電圧サンプリングモジュール200は、セルV1,V2,V3,V4,V5に夫々並列に接続され、サンプリング電圧を出力するように構成された5個の電圧サンプリングユニット210,220,230,240,250を有する。換言すると、電圧サンプリングユニット210はセルV1に並列に接続され、電圧サンプリングユニット220はセルV2に並列に接続され、電圧サンプリングユニット230はセルV3に並列に接続され、電圧サンプリングユニット240はセルV4に並列に接続され、電圧サンプリングユニット250はセルV5に並列に接続されている。更に、電圧サンプリングユニット210は第1定電流源110に並列に接続され、電圧サンプリングユニット230は第1定電流源120に並列に接続され、電圧サンプリングユニット250は第1定電流源130に並列に接続されている。第1定電流源110,120及び130のいずれか一つの出力電流が減少した場合、第1定電流源110,120及び130の該当する一つに対応する電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が低下し、隣接する電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が上昇する。例えば、第1定電流源120の出力電流が減少した場合、電圧サンプリングユニット230から出力されるサンプリング電圧が低下し、電圧サンプリングユニット220及び240から出力されるサンプリング電圧が上昇する。
【0023】
一の実施形態においては、N個の電圧サンプリングユニット夫々は直列に接続された第1抵抗器及び第2抵抗器を有する。第1ノードが第1抵抗器と第2抵抗器との間に形成されている。
【0024】
具体的には、図2を参照すると、電圧サンプリングユニット210は直列に接続された第1抵抗器R11及び第2抵抗器R12を有し、電圧サンプリングユニット220は直列に接続された第1抵抗器R21及び第2抵抗器R22を有し、電圧サンプリングユニット230は直列に接続された第1抵抗器R31及び第2抵抗器R32を有し、電圧サンプリングユニット240は直列に接続された第1抵抗器R41及び第2抵抗器R42を有し、電圧サンプリングユニット250は直列に接続された第1抵抗器R51及び第2抵抗器R52を有する。
【0025】
一の実施形態においては、判定モジュール300はM-1個のコンパレータを有し、k番目のコンパレータの第1入力端子は所定電圧に接続され、k番目のコンパレータの第2入力端子は2k番目の電圧サンプリングユニットに接続され、2k番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、k番目のコンパレータは第1切断信号を生成する。
【0026】
具体的には、図2を参照すると、判定モジュール300は2個のコンパレータ310及び320を有する。コンパレータ310及び320夫々の第1入力端子は所定電圧に接続され、コンパレータ310の第2入力端子は、セルV2に並列に接続された電圧サンプリングユニット220の第1ノードに接続され、コンパレータ320の第2入力端子は、セルV4に並列に接続された電圧サンプリングユニット240の第1ノードに接続されている。
【0027】
電圧サンプリングユニット220から出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、コンパレータ310は第1切断信号を生成する。電圧サンプリングユニット240から出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、コンパレータ320は第1切断信号を生成する。次いで、保護制御モジュール400は、第1切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御する(すなわち、バッテリアセンブリの充電又は放電を停止する)。
【0028】
本開示の一の実施形態においては、1番目のセルの第1接続ワイヤは接地されていてもよく、定電流源モジュール100は、N番目のセルの第1接続ワイヤに接続された第2定電流源140及びN番目のセルの第2接続ワイヤに接続された第3定電流源150を更に有していてもよい。定電流源モジュール100は、スイッチングトランジスタ及び複数のダイオードを更に有していてもよい。複数のダイオードは直列に接続され、且つN番目のセルの第1接続ワイヤと第2定電流源140との間に接続されている。スイッチングトランジスタはN番目のセルの第2接続ワイヤと第3定電流源150との間に接続され、ダイオードと第2定電流源140との間に形成された第2ノードの電圧により制御される。N番目のセルの第2接続ワイヤが断線した場合、スイッチングトランジスタと第3定電流源150との間に形成された第3ノードから第2切断信号が出力され、保護制御モジュールは第2切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御する。しかしながら、N番目のセルの第1接続ワイヤ及び第2接続ワイヤが互いに接続されている場合、切断信号は生成されない。すなわち、スイッチングトランジスタは、第2ノードの電圧によりオンとなるように制御されるため、第2切断信号は変わらず、保護装置は作動しない。
【0029】
図2に示されるように、定電流源モジュール100は直列に接続された3個のダイオードD1,D2及びD3を更に有する。3個のダイオードD1,D2及びD3は端子A4と第2定電流源140との間に接続され、第2ノードがダイオードD3と第2定電流源140との間に形成される。スイッチングトランジスタM5は端子A5と第3定電流源150との間に接続され、第2ノードの電圧により制御される。第3ノードが端子A5と第3定電流源150との間に形成される。端子A5が切断された場合、第2切断信号が第3ノードから出力される。
【0030】
幾つかの具体的応用例においては、端子A4及び端子A5は共に接続されていてもよい。斯かる場合においては、誤判定を回避するために、端子A4及びA5が共に接続されている(すなわち、端子A4の電圧が端子A5の電圧と等しい)場合、スイッチングトランジスタM5はオンとなるように制御されるため、第2切断信号は変化せず、本開示の保護装置は作動しない。換言すると、端子A4及びA5が互いに接続されている場合、第2切断信号は生成されない。
【0031】
電圧サンプリングワイヤL1,L2,L3,L4,L5及びローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5がサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5にしっかりと接続されている場合、すなわち端子A1,A2,A3,A4,A5が切断されていない場合、定電流源モジュール100は正常に動作し、電圧サンプリングに影響を与えることなく定電流を取り出す。異常切断又は通常切断が電圧サンプリングワイヤL1,L2,L3,L4,L5とサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5との間で生じた場合、保護装置はバッテリアセンブリをオフに制御する。更に、異常切断又は通常切断がローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5とサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5との間で発生した場合も、保護装置はバッテリアセンブリをオフに制御する。
【0032】
本開示をより明確に理解するために、本開示の実施形態に係る保護装置の複数の動作状態が図2を参照して以下に記述される。
【0033】
(1)端子A1が切断された場合
第1定電流源110は端子A1から端子A0へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A1が切断された場合、端子A1は要求される電流を第1定電流源110へ供給することができない。すなわち第1定電流源110の出力電流は減少し、端子A0と端子A1との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A0及び端子A2が正常に接続されているため、すなわち端子A0と端子A2との間の電圧が一定であるため、端子A0と端子A1との間の電圧が低下した場合、端子A1と端子A2との間の電圧は増加する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310は第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0034】
(2)端子A2が切断された場合
第1定電流源120は端子A3から端子A2へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A2が切断された場合、第1定電流源120に電流を供給する閉回路が端子A2で切断される。すなわち第1定電流源120の出力電流が減少し、端子A2と端子A3との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A1及び端子A3が正常に接続されているため、すなわち端子A1と端子A3との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧が低下した場合、端子A1と端子A2との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との間の接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310が第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0035】
(3)端子A3が切断された場合
第1定電流源120は端子A3から端子A2へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A3が切断された場合、端子A3は要求される電流を第1定電流源120へ供給することができない。すなわち第1定電流源120の出力電流が減少し、端子A2と端A3との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A2及び端子A4が正常に接続されているため、すなわち端子A2と端子A4との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧が低下した場合、端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320が第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0036】
(4)端子A4が切断された場合
第1定電流源130は端子A5から端子A4へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A4が切断された場合、第1定電流源130に電流を供給する閉回路が端子A4で切断される。すなわち第1定電流源130の出力電流が減少し、端子A4と端子A5との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A3及び端子A5が正常に接続されているため、すなわち端子A3と端子A5との間の電圧が一定であるため、端子A4と端子A5との間の電圧が低下した場合、端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320が第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0037】
(5)端子A5が切断された場合
端子A5が切断された場合の処理方法は、端子A1,A2,A3又はA4が切断された場合とは異なる。第3定電流源150はセルV5の第2接続ワイヤを介して端子A5からグラウンドへ流れる定電流を常に取り出すため、端子A5が切断された場合、第3定電流源150はグラウンドへ流れる電流を供給できず、よって第2切断信号が第3ノードから出力される。それによって、保護制御モジュール400は、第2切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0038】
(6)端子A1及び端子A2が共に切断された場合
端子A0及び端子A3が正常に接続されているため、すなわち端子A0と端子A3との間の電圧が一定であるため、端子A0と端子A1との間の電圧及び端子A2及び端子A3との間の電圧が低下した場合、端子A1と端子A2との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310が第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0039】
(7)端子A3及び端子A4が共に切断された場合
端子A2及び端子A5が正常に接続されているため、すなわち端子A2と端子A5との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧及び端子A4と端子A5との間の電圧が低下した場合、端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320が第1切断信号を出力し、それによって保護制御モジュール400がバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0040】
図3は、本開示のある一つの実施形態に係る充電器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。切断が生じた場合、保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よって充電器がバッテリアセンブリを充電することを禁止する。
【0041】
図4は、本開示のある一つの実施形態に係る負荷抵抗器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。切断が生じた場合、保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの放電が禁止される。
【0042】
図5は、本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置により生成された様々な信号の波形を示す概略図である。図5に示されるように、幾つかの実施形態においては、第1切断信号がハイレベルである場合、保護制御モジュールから出力される出力制御信号はローレベルであり、バッテリアセンブリはオフに制御される。幾つかの実施形態においては、図5に示されるように、第2切断信号がローレベルである場合、保護制御モジュールから出力される出力制御信号はローレベルであり、バッテリアセンブリはオフに制御される。本開示の他の実施形態においては、第1切断信号がローレベルである場合、バッテリアセンブリはオフに制御され得る。または、第2切断信号がハイレベルである場合に、バッテリアセンブリはオフに制御され得る。
【0043】
上述の動作状態に加えて、端子A1及び端子A3が共に切断された場合、端子A1及び端子A4が共に切断された場合、並びに端子A1、端子A2及び端子A3が切断された場合等の他の状態も起こり得る。これらの動作原理は上で述べた状態に類似しているため、ここでは説明を省略する。
【0044】
図6は、本開示のある一つの実施形態に係る保護制御モジュール400の概略図である。図6に示されるように、保護制御モジュール400は直列に接続された1個のNANDゲートと2個のNOTゲートを有する。出力C0及び出力D0は共にCMOSの出力であり、出力C0と出力D0との違いは、D0から出力されるローレベルはGNDであり、C0から出力されるローレベルはP-であることである。D0及びC0から出力されるローレベルは夫々、第1スイッチ及び第2スイッチに接続されており、それらをオフに制御する。
【0045】
本開示の保護装置によれば、セルと保護装置との間の異常接続又は切断が適時且つ正確に検出され得るため、保護装置は充電又は放電状態にあるセルを正確に保護することができ、よってセルへの損傷を軽減又は防止することができる。
【0046】
図7は、本開示の他の一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置の概略的ブロック図である。図8は、本開示の他の一つの実施形態に係る直列に接続された5個のセルを有するバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。図8の保護装置は単に説明及び図解のためのものであり、バッテリアセンブリのセルの個数を限定するために用いられるものではない。
【0047】
図7に示されるように、バッテリアセンブリはN個のセルを備える。ここでNは3以上の整数である。保護装置は、定電流源モジュール100、電圧サンプリングモジュール200、判定モジュール300、レベルシフトモジュール500、及び保護制御モジュール400を備える。定電流源モジュール100は、M個の第1定電流源を有する。ここで、MはN未満の正の整数である。M個の第1定電流源は夫々N個のセル中のM個のセルに並列に接続され、接続されたセルの電圧に従って出力電流を生成するように構成されている。換言すると、一つの第1定電流源がセルに接続されている場合、当該第1定電流源は定電流を出力し、当該第1定電流源がセルから切断された場合、当該第1定電流源から出力される電流は減少する。電圧サンプリングモジュール200はN個の電圧サンプリングユニットを有する。N個の電圧サンプリングユニットは夫々、N個のセルに並列に接続されており、サンプリング電圧を出力するように構成されている。判定モジュール300は電圧サンプリングモジュール200に接続されており、N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つから出力されるサンプリング電圧が所定値に達した場合に第1切断信号を生成するように構成されている。レベルシフトモジュール500は判定モジュール300に接続されており、第1切断信号をレベルシフト信号に変換して当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信するように構成されている。保護制御モジュール400はレベルシフトモジュール500に接続されており、レベルシフト信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御するように構成されている。
【0048】
図8を参照すると、保護装置は、接続ワイヤの端子A1,A2,A3,A4,A5を介してセルV1,V2,V3,V4,V5の電圧を夫々サンプリングする。図8において、抵抗器R1,R2,R3,R4,R5は夫々のセルV1,V2,V3,V4,V5のローパスフィルタ抵抗器であり、コンデンサC1,C2,C3,C4,C5は夫々のセルV1,V2,V3,V4,V5のローパスフィルタコンデンサであり、L0,L1,L2,L3,L4,L5は夫々のセルV1,V2,V3,V4,V5の電圧サンプリングワイヤである。
【0049】
本開示の実施形態においては、各セルの保護電圧閾値は予め決定されている。保護装置がバッテリアセンブリに接続されている場合、セルV1,V2,V3,V4,V5の電圧は接続ワイヤの端子A1,A2,A3,A4,A5を介して夫々サンプリングされ、次いでサンプリングされた電圧はローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5により夫々減衰させられる。N個の電圧サンプリングユニットのいずれか一つによりサンプリングされた電圧が所定電圧閾値に達した場合、バッテリアセンブリと保護装置とが切断されていると判定され、保護制御が実行される。N個の電圧サンプリングユニットによりサンプリングされた電圧のいずれも所定電圧閾値に達しない場合、保護装置は動作しない。
【0050】
一の実施形態においては、Nは2M-1に等しくてもよく、k番目の第1定電流源は(2k-1)番目のセルに並列に接続されていてもよい。ここで、kは1からMまでの整数である。k番目の第1定電流源の出力電流が減少した場合、(2k-1)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が低下し、2k番目及び(2k-2)番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が上昇する。
【0051】
具体的には、図8を参照すると、バッテリアセンブリは5個のセルを備える。定電流源モジュール100は、3個の第1定電流源110,120及び130を有する。3個の第1定電流源110,120及び130は5個のセルの奇数番目のものに夫々並列に接続されている。換言すると、第1定電流源110はセルV1に並列に接続されており、第1定電流源120はセルV3に並列に接続されており、第1定電流源130はセルV5に並列に接続されている。第1定電流源110,120及び130は夫々、接続されているセルの電圧に従って出力電流を生成する。セルの接続ワイヤの1本が断線した場合、第1定電流源110,120又は130の出力電流が減少する。例えば、セルV1とセルV2との間の接続ワイヤが断線した場合、第1定電流源110の出力電流が減少する。再び図を参照すると、電圧サンプリングモジュール200は、セルV1,V2,V3,V4,V5に夫々並列に接続され、サンプリング電圧を出力するように構成された5個の電圧サンプリングユニット210,220,230,240,250を有する。換言すると、電圧サンプリングユニット210はセルV1に並列に接続され、電圧サンプリングユニット220はセルV2に並列に接続され、電圧サンプリングユニット230はセルV3に並列に接続され、電圧サンプリングユニット240はセルV4に並列に接続され、電圧サンプリングユニット250はセルV5に並列に接続されている。更に、電圧サンプリングユニット210は第1定電流源110に並列に接続され、電圧サンプリングユニット230は第1定電流源120に並列に接続され、電圧サンプリングユニット250は第1定電流源130に並列に接続されている。第1定電流源110,120及び130のいずれか一つの出力電流が減少した場合、第1定電流源110,120及び130の該当する一つに対応する電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が低下し、隣接する電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が上昇する。例えば、第1定電流源120の出力電流が減少した場合、電圧サンプリングユニット230から出力されるサンプリング電圧が低下し、電圧サンプリングユニット220及び240から出力されるサンプリング電圧が上昇する。
【0052】
一の実施形態においては、N個の電圧サンプリングユニット夫々は直列に接続された第1抵抗器及び第2抵抗器を有する。第1ノードが第1抵抗器と第2抵抗器との間に形成されている。
【0053】
具体的には、図8を参照すると、電圧サンプリングユニット210は直列に接続された第1抵抗器R11及び第2抵抗器R12を有し、電圧サンプリングユニット220は直列に接続された第1抵抗器R21及び第2抵抗器R22を有し、電圧サンプリングユニット230は直列に接続された第1抵抗器R31及び第2抵抗器R32を有し、電圧サンプリングユニット240は直列に接続された第1抵抗器R41及び第2抵抗器R42を有し、電圧サンプリングユニット250は直列に接続された第1抵抗器R51及び第2抵抗器R52を有する。
【0054】
一の実施形態においては、判定モジュール300はM-1個のコンパレータを有し、k番目のコンパレータの第1入力端子は所定電圧に接続され、k番目のコンパレータの第2入力端子は2k番目の電圧サンプリングユニットに接続され、2k番目の電圧サンプリングユニットから出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、k番目のコンパレータは第1切断信号を生成する。
【0055】
具体的には、図8を参照すると、判定モジュール300は2個のコンパレータ310及び320を有する。コンパレータ310及び320夫々の第1入力端子は所定電圧に接続され、コンパレータ310の第2入力端子はセルV2に並列に接続された電圧サンプリングユニット220の第1ノードに接続され、コンパレータ320の第2入力端子はセルV4に並列に接続された電圧サンプリングユニット240の第1ノードに接続されている。
【0056】
電圧サンプリングユニット220から出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、コンパレータ310は第1切断信号を生成する。電圧サンプリングユニット240から出力されるサンプリング電圧が所定電圧より大きい場合、コンパレータ320は第1切断信号を生成する。次いで、レベルシフトモジュール500が第1切断信号をレベルシフト信号に変換することにより、保護制御モジュール400はレベルシフト信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御する(すなわち、バッテリアセンブリの充電又は放電を停止する)。
【0057】
本開示の一の実施形態においては、1番目のセルの第1接続ワイヤは接地されていてもよく、定電流源モジュール100は、N番目のセルの第1接続ワイヤに接続された第2定電流源140及びN番目のセルの第2接続ワイヤに接続された第3定電流源150を更に有していてもよい。定電流源モジュール100はスイッチングトランジスタ及び複数のダイオードを更に有していてもよい。複数のダイオードは直列に接続され、且つN番目のセルの第1接続ワイヤと第2定電流源140との間に接続されている。スイッチングトランジスタはN番目のセルの第2接続ワイヤと第3定電流源150との間に接続され、ダイオードと第2定電流源140との間に形成された第2ノードの電圧により制御される。N番目のセルの第2接続ワイヤが断線した場合、スイッチングトランジスタと第3定電流源150との間に形成された第3ノードから第2切断信号が出力され、保護制御モジュールは第2切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフに制御する。しかしながら、N番目のセルの第1接続ワイヤ及び第2接続ワイヤが互いに接続されている場合、切断信号は生成されない。すなわち、スイッチングトランジスタは第2ノードの電圧によりオンに制御されるため、第2切断信号は変化せず、保護装置は作動しない。
【0058】
図8に示されるように、定電流源モジュール100は直列に接続された3個のダイオードD1,D2,及びD3を更に有する。3個のダイオードD1,D2,及びD3は端子A4と第2定電流源140との間に接続され、第2ノードがダイオードD3と第2定電流源140との間に形成される。スイッチングトランジスタM5が端子A5と第3定電流源150との間に接続され、第2ノードの電圧により制御される。第3ノードが端子A5と第3定電流源150との間に形成される。端子A5が切断された場合、第2切断信号が第3ノードから出力される。
【0059】
幾つかの具体的応用例においては、端子A4及び端子A5は互いに接続されていてもよい。斯かる場合においては、誤判定を回避するために、端子A4及び端子A5が互いに接続されている(すなわち、端子A4の電圧が端子A5の電圧に等しい)場合、スイッチングトランジスタM5はオンに制御されるため、第2切断信号は変化せず、本開示の保護装置は作動しない。換言すると、端子A4及び端子A5が互いに接続されている場合、第2切断信号は生成されない。
【0060】
電圧サンプリングワイヤL1,L2,L3,L4,L5及びローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5がサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5にしっかりと接続されている場合、すなわち端子A1,A2,A3,A4,A5が切断されていない場合、定電流源モジュール100は正常に動作し、電圧サンプリングに影響を与えることなく定電流を取り出す。換言すると、通常のセルの電圧を減衰させた後に得られた電圧は所定電圧閾値に達することができず、そのため保護装置は動作せず、セルの通常の充電及び放電に影響を与えない。異常切断又は通常切断が電圧サンプリングワイヤL1,L2,L3,L4,L5とサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5との間で生じた場合、保護装置はバッテリアセンブリをオフに制御する。更に、異常切断又は正常切断がローパスフィルタ抵抗器R1,R2,R3,R4,R5とサンプリング端子A1,A2,A3,A4,A5との間で生じた場合も、保護装置はバッテリアセンブリをオフに制御する。
【0061】
本開示をより明確に理解するために、本開示の実施形態に係る保護装置の複数の動作状態が図8を参照して以下に記述される。
【0062】
(1)端子A1が切断された場合
第1定電流源110は端子A1から端子A0へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A1が切断された場合、端子A1は要求される電流を第1定電流源110へ供給することができない。すなわち第1定電流源110の出力電流が減少し、端子A0と端子A1との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A0及び端子A2が正常に接続されているため、すなわち端子A0と端子A2との間の電圧が一定であるため、端子A0と端子A1との間の電圧が低下した場合、端子A1と端子A2との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0063】
(2)端子A2が切断された場合
第1定電流源120は端子A3から端子A2へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A2が切断された場合、第1定電流源120に電流を供給する閉回路が端子A2で切断される。すなわち第1定電流源120の出力電流が減少し、端子A2と端子A3との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A1及び端子A3が正常に接続されているため、すなわち端子A1と端子A3との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧が低下した場合、端子A1と端子A2との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0064】
(3)端子A3が切断された場合
第1定電流源120は端子A3から端子A2へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A3が切断された場合、端子A3は要求される電流を第1定電流源120へ供給することができない。すなわち、第1定電流源120の出力電流が減少し、端子A2と端子A3との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A2及び端子A4が正常に接続されているため、すなわち端子A2と端子A4との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧が低下した場合に端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0065】
(4)端子A4が切断された場合
第1定電流源130は端子A5から端子A4へ流れる定電流を常に取り出すため、端子A4が切断された場合、第1定電流源130に電流を供給する閉回路が端子A4で切断される。すなわち、第1定電流源130の出力電流が減少し、端子A4と端子A5との間の電圧も低下する。しかしながら、端子A3及び端子A5が正常に接続されているため、すなわち端子A3と端子A5との間の電圧が一定であるため、端子A4と端子A5との間の電圧が低下した場合、端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0066】
(5)端子A5が切断された場合
端子A5が切断された場合の処理方法は、端子A1,A2,A3又はA4が切断された場合とは異なる。第3定電流源150はセルV5の第2接続ワイヤを介して端子A5からグラウンドへ流れる定電流を常に取り出すため、端子A5が切断された場合、第3定電流源150はグラウンドへ流れる電流を供給できず、よって第2切断信号が第3ノードから出力される。次いで、レベルシフトモジュール500が第2切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信するため、保護制御モジュール400は、第2切断信号に従ってバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0067】
(6)端子A1及び端子A2が共に切断された場合
端子A0及び端子A3が正常に接続されているため、すなわち端子A0と端子A3との間の電圧が一定であるため、端子A0と端子A1との間の電圧及び端子A2と端子A3との間の電圧が低下し、端子A1と端子A2との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット220の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R21と第2抵抗器R22との接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット220の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ310は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0068】
(7)端子A3及び端子A4が共に切断された場合
端子A2及び端子A5が正常に接続されているため、すなわち端子A2と端子A5との間の電圧が一定であるため、端子A2と端子A3との間の電圧及び端子A4と端子A5との間の電圧が低下し、端子A3と端子A4との間の電圧が上昇する。換言すると、電圧サンプリングユニット240の第1ノード(すなわち、第1抵抗器R41と第2抵抗器R42との間の接続点)の電圧が上昇する。電圧サンプリングユニット240の第1ノードの電圧が所定電圧に達した場合、コンパレータ320は第1切断信号を出力し、レベルシフトモジュール500は第1切断信号をレベルシフト信号へと変換し、当該レベルシフト信号を保護制御モジュール400へ送信する。保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの保護が達成される。
【0069】
図9は、本開示の他の一つの実施形態に係る充電器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。切断が生じた場合、保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よって充電器がバッテリアセンブリを充電することを禁止する。
【0070】
図10は、本開示の他の一つの実施形態に係る負荷抵抗器に接続されたバッテリアセンブリの保護装置の概略図である。切断が生じた場合、保護制御モジュール400はバッテリアセンブリをオフにするように制御し、よってバッテリアセンブリの放電を禁止する。
【0071】
図5は、本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護装置により生成された様々な信号の波形を示す概略図である。図5に示されるように、幾つかの実施形態においては、第1切断信号がハイレベルである場合、保護制御モジュールから出力される出力制御信号はローレベルであり、バッテリアセンブリはオフに制御される。第2切断信号がローレベルである場合、保護制御モジュールから出力される出力制御信号はローレベルであり、バッテリアセンブリはオフに制御される。本開示の他の実施形態においては、第1切断信号がローレベルである場合、バッテリアセンブリはオフに制御され得る。または、第2切断信号がハイレベルである場合、バッテリアセンブリはオフに制御され得る。
【0072】
上述の動作状態に加えて、端子A1及び端子A3が共に切断された場合、端子A1及び端子A4が共に切断された場合、並びに端子A1、端子A2及び端子A3が切断された場合等の他の状態も起こり得る。これらの動作原理は上で述べた状態に類似しているため、ここでは説明を省略する。
【0073】
図11aは、本開示のある一つの実施形態に係るレベルシフトモジュール500の概略図である。図11bは、本開示の他一つの実施形態に係る保護制御モジュール400の概略図である。図11aに示されるように、Irefはチップ全体の基本電流源であり、他の構成要素は互いに鏡像関係にある。図11bに示されるように、保護制御モジュール400は直列に接続された1個のNANDゲートと2個のNOTゲートを有する。出力C0及び出力D0は共にCMOSの出力であり、出力C0と出力D0との違いは、D0から出力されるローレベルはGNDであり、C0から出力されるローレベルはP-であることである。D0及びC0から出力されるローレベルは夫々、第1スイッチ及び第2スイッチに接続されており、それらスイッチをオフに制御する。
【0074】
本開示の保護装置によれば、セルと保護装置との間の異常接続又は切断が適時且つ正確に検出され得るため、保護装置は充電又は放電状態にあるセルを正確に保護することができ、よってセルの損傷を軽減又は防止する。
【0075】
図12は、本開示のある一つの実施形態に係るバッテリアセンブリの保護システムの概略的ブロック図である。保護システムは、バッテリアセンブリ1000、複数のフィルタリング及び調整モジュール2000、保護装置3000、及びスイッチングモジュール4000を備える。
【0076】
バッテリアセンブリ1000は複数のセルを有する。複数のフィルタリング及び調整モジュール2000は複数のセルに夫々接続されており、複数のフィルタリング及び調整モジュール2000の個数はセルの個数に等しい。図2及び図8に示されるように、5個のフィルタリング及び調整モジュール2000があり、それら5個のフィルタリング及び調整モジュール2000夫々は、ローパスフィルタ抵抗器及びローパスフィルタコンデンサを有する。具体的には、第1フィルタリング及び調整モジュール2000はローパスフィルタ抵抗器R1及びローパスフィルタコンデンサC1を有し、第2フィルタリング及び調整モジュール2000はローパスフィルタ抵抗器R2及びローパスフィルタコンデンサC2を有し、第3フィルタリング及び調整モジュール2000はローパスフィルタ抵抗器R3及びローパスフィルタコンデンサC3を有し、第4フィルタリング及び調整モジュール2000はローパスフィルタ抵抗器R4及びローパスフィルタコンデンサC4を有し、第5フィルタリング及び調整モジュール2000はローパスフィルタ抵抗器R5及びローパスフィルタコンデンサC5を有する。セルV1の正電極はローパスフィルタ抵抗器R1の一端に接続されており、ローパスフィルタ抵抗器R1の他端は電圧サンプリング端子A1及びローパスフィルタコンデンサC1の一端に夫々接続されており、ローパスフィルタコンデンサC1の他端は、電圧サンプリング端子A0及び電圧サンプリングワイヤL0に夫々接続されており、すなわち、セルV1の負電極に接続されている。しかしながら、セルV2の正電極はローパスフィルタ抵抗器R2の一端に接続されており、ローパスフィルタ抵抗器R2の他端は電圧サンプリング端子A2及びローパスフィルタコンデンサC2の一端に夫々接続されており、ローパスフィルタコンデンサC2の他端は接地されている。セルV3,V4,V5とそれらに対応するフィルタリング及び調整モジュール2000との間の接続(すなわち、セルV3と第3フィルタリング及び調整モジュール2000との接続、セルV4と第4フィルタリング及び調整モジュール2000との接続、及びセルV5と第5フィルタリング及び調整モジュール2000との接続)はセルV2と第2フィルタリング及び調整モジュール2000との接続と同様である。
【0077】
保護装置3000は図1から図11までに示されている。スイッチングモジュール4000はバッテリアセンブリ1000に直列に接続され、保護装置3000に制御され、第1スイッチ4100及び第2スイッチ4200を有する。バッテリアセンブリ1000と保護装置3000との間の接続ワイヤが断線した場合、スイッチングモジュール4000は保護装置3000によりオフに制御される。
【0078】
本開示のいずれの部分も、ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア、又はそれらの組み合わせによって達成されてもよいことが認められる。本開示の上記実施形態においては、複数の手順又は方法が記憶装置に記憶されたソフトウェア及びファームウェアにより達成され、適切な命令実行システムにより実行されてもよい。例えば、上記手順又は方法がハードウェアにより達成される場合、他の一つの実施形態においても同じであり、次に挙げる公知の従来技術のうちの一つ又はそれらの組み合わせが適用されてもよい。公知の従来技術は、論理ゲート回路を有しデータ信号の論理機能を実現するように構成された離散論理回路、組み合わせ論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含む。
【0079】
本明細書を通して、「ある一つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「一の実施形態」、「他の例」、「ある一つの例」、「具体例」、又は「幾つかの例」に対する参照は、実施形態若しくは例に結び付けられた特定の特徴、構造、材料、又は性質が本開示の少なくとも一つの実施形態又は例に含まれることを意味する。よって、「幾つかの実施形態においては」、「一の実施形態においては」、「ある一つの実施形態においては」、「他の例においては」、「ある一つの例においては」、「具体例においては」、又は「幾つかの例においては」といった、本明細書を通して幾つもの箇所で現れる語句は、必ずしも本開示の同一の実施形態又は例を参照するものではない。更に、特定の特徴、構造、物質、又は性質は、1つ以上の実施形態又は例において、任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
【0080】
説明のための実施形態が示され記述されたが、上述の実施形態は本開示を限定するために解釈されるべきではなく、本開示の範囲及び原理から逸脱しない範囲での改変、代替、変更が可能であることが、当業者によって認められる。
【0081】
関連出願の相互参照
本出願は、共に2012年11月19日に中華人民共和国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201210468019.X号及び中国特許出願第201220611267.0号の優先権及び利益を主張している。その全開示は参照によって本明細書に組み込まれている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11a
図11b
図12