(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明が適用される無線通信システムを示す。これは、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)またはLTE(Long Term Evolution)/LTE−Aシステムとも呼ばれることができる。
【0024】
E−UTRANは、端末(10;User Equipment、UE)に制御平面(control plane)とユーザ平面(user plane)とを提供する基地局(20;Base Station、BS)を含む。端末10は、固定されるか、移動性を有することができ、MS(Mobile station)、UT(User Terminal)、SS(Subscriber Station)、MT(mobile terminal)、無線機器(Wireless Device)等、他の用語として呼ばれることができる。基地局20は、端末10と通信する固定された地点(fixed station)をいい、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)等、他の用語として呼ばれることができる。
【0025】
基地局20等は、X2インターフェースを介して互いに連結されることができる。基地局20は、S1インターフェースを介してEPC(Evolved Packet Core、30)、より詳細には、S1−MMEを介して、MME(Mobility Management Entity)とS1−Uを介してS−GW(Serving Gateway)と連結される。
【0026】
EPC30は、MME、S−GW、及びP−GW(Packet Data Network−Gateway)で構成される。MMEは、端末の接続情報や端末の能力に関する情報を有しており、このような情報は、端末の移動性管理に主に使用される。S−GWは、E−UTRANを終端点として有するゲートウェイであり、P−GWは、PDNを終端点として有するゲートウェイである。
【0027】
端末とネットワークとの間の無線インターフェースプロトコル(Radio Interface Protocol)の階層は、通信システムにおいて広く知られた開放型システム間の相互接続(Open System Interconnection;OSI)基準モデルの下位3個の階層に基づいて、L1(第1の階層)、L2(第2の階層)、L3(第3の階層)に区分されることができるが、この中で、第1の階層に属する物理階層は、物理チャネル(Physical Channel)を利用した情報伝送サービス(Information Transfer Service)を提供し、第3の階層に位置するRRC(Radio Resource Control)階層は、端末とネットワークとの間に無線資源を制御する役割を果たす。このために、RRC階層は、端末と基地局との間のRRCメッセージを交換する。
【0028】
図2は、ユーザ平面(user plane)に対する無線プロトコル構造(radio protocol architecture)を示したブロック図である。
図3は、制御平面(control plane)に対する無線プロトコル構造を示したブロック図である。ユーザ平面は、ユーザデータ伝送のためのプロトコルスタック(protocol stack)であり、制御平面は、制御信号伝送のためのプロトコルスタックである。
【0029】
図2及び3に示すように、物理階層(PHY(physical) layer)は、物理チャネル(physical channel)を利用して上位階層に情報伝送サービス(information transfer service)を提供する。物理階層は、上位階層であるMAC(Medium Access Control)階層とは伝送チャネル(transport channel)を介して連結されている。伝送チャネルを介してMAC階層と物理階層との間にデータが移動する。伝送チャネルは、無線インターフェースを介してデータがどのように、どのような特徴で伝送されるかによって分類される。
【0030】
互いに異なる物理階層間、すなわち、送信機と受信機の物理階層間は、物理チャネルを介してデータが移動する。前記物理チャネルは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式に変調されることができ、時間と周波数を無線資源として活用する。
【0031】
MAC階層の機能は、論理チャネルと伝送チャネルとの間のマッピング及び論理チャネルに属するMAC SDU(service data unit)の伝送チャネル上に物理チャネルで提供される伝送ブロック(transport block)への多重化/逆多重化を含む。MAC階層は、論理チャネルを介してRLC(Radio Link Control)階層にサービスを提供する。
【0032】
RLC階層の機能は、RLC SDUの連結(concatenation)、分割(segmentation)、及び再結合(reassembly)を含む。無線ベアラ(Radio Bearer;RB)が要求する様々なQoS(Quality of Service)を保障するために、RLC階層は、透明モード(Transparent Mode、TM)、非確認モード(Unacknowledged Mode、UM)、及び確認モード(Acknowledged Mode、AM)の3つの動作モードを提供する。AM RLCは、ARQ(automatic repeat request)を介してエラー訂正を提供する。
【0033】
RRC(Radio Resource Control)階層は、制御平面のみで定義される。RRC階層は、無線ベアラ等の設定(configuration)、再設定(re−configuration)、及び解除(release)と関連して、論理チャネル、伝送チャネル、及び物理チャネル等の制御を担当する。RBは、端末とネットワークとの間のデータ伝達のために、第1の階層(PHY階層)及び第2の階層(MAC階層、RLC階層、PDCP階層)によって提供される論理的経路を意味する。
【0034】
ユーザ平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、ユーザデータの伝達、ヘッダ圧縮(header compression)、及び暗号化(ciphering)を含む。制御平面でのPDCP(Packet Data Convergence Protocol)階層の機能は、制御平面データの伝達及び暗号化/完全性保証(integrity protection)を含む。
【0035】
RBが設定されるとは、特定サービスを提供するために無線プロトコル階層及びチャネルの特性を規定し、それぞれの具体的なパラメータ及び動作方法を設定する過程を意味する。RBはさらに、SRB(Signaling RB)とDRB(Data RB)の2つに分けられることができる。SRBは、制御平面においてRRCメッセージを伝送する通路として使用され、DRBは、ユーザ平面においてユーザデータを伝送する通路として使用される。
【0036】
端末のRRC階層とE−UTRANのRRC階層との間にRRC連結(RRC Connection)が確立されれば、端末は、RRC連結(RRC connected)状態にあるようになり、そうでない場合、RRCアイドル(RRC idle)状態にあるようになる。
【0037】
ネットワークから端末にデータを伝送する下向きリンク伝送チャネルとしては、システム情報を伝送するBCH(Broadcast Channel)と、それ以外に、ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する下向きリンクSCH(Shared Channel)とがある。下向きリンクマルチキャストまたはブロードキャストサービスのトラフィック、或いは制御メッセージの場合、下向きリンクSCHを介して伝送されることができ、または、別の下向きリンクMCH(Multicast Channel)を介して伝送されることもできる。一方、端末からネットワークにデータを伝送する上向きリンク伝送チャネルとしては、初期制御メッセージを伝送するRACH(Random Access Channel)と、それ以外に、ユーザトラフィックや制御メッセージを伝送する上向きリンクSCH(Shared Channel)とがある。
【0038】
伝送チャネル上位にあり、伝送チャネルにマッピングされる論理チャネル(Logical Channel)としては、BCCH(Broadcast Control Channel)、PCCH(Paging Control Channel)、CCCH(Common Control Channel)、MCCH(Multicast Control Channel)、MTCH(Multicast Traffic Channel)などがある。
【0039】
物理チャネル(Physical Channel)は、時間領域において複数個のOFDMシンボルと、周波数領域において複数個の副搬送波(Sub−carrier)とで構成される。1つのサブフレーム(Sub−frame)は、時間領域において複数のOFDMシンボル(Symbol)などで構成される。資源ブロックは、資源割当単位に、複数のOFDMシンボル等と複数の副搬送波(sub−carrier)等とで構成される。また、各サブフレームは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、すなわち、L1/L2制御チャネルのために、当該サブフレームの特定OFDMシンボル(例えば、1番目のOFDMシンボル)の特定副搬送波を用いることができる。TTI(Transmission Time Interval)は、サブフレーム伝送の単位時間である。
【0040】
3GPP TS 36.211 V8.7.0に開示されたように、3GPP LTEにおいて物理チャネルは、データチャネルであるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、及び制御チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)及びPUCCH(Physical Uplink Control Channel)に分けることができる。
【0041】
サブフレームの1番目のOFDMシンボルにおいて伝送されるPCFICHは、サブフレーム内で制御チャネルの伝送に使用されるOFDMシンボルの数(すなわち、制御領域の大きさ)に関するCFI(control format indicator)を運ぶ。端末は、まず、PCFICH上にCFIを受信した後、PDCCHをモニタリングする。
【0042】
PDCCHは、下向きリンク制御チャネルであって、スケジューリング情報を運ぶ点においてスケジューリングチャネルともいう。PDCCHを介して伝送される制御情報を下向きリンク制御情報(downlink control information、DCI)という。DCIは、PDSCHの資源割当(これをDLグラント(downlink grant)ともいう)、PUSCHの資源割当(これをULグラント(uplink grant)ともいう)、任意のUEグループ内の個別UEに対する伝送パワー制御命令の集合及び/又はVoIP(Voice over Internet Protocol)の活性化を含むことができる。
【0043】
3GPP LTEでは、PDCCHの検出のためにブラインドデコーディングを使用する。ブラインドデコーディングは、受信されるPDCCH(これを候補(candidate)PDCCHとする)のCRC(Cyclic Redundancy Check)に所望の識別子をデマスキングし 、CRCエラーをチェックして、当該PDCCHが自分の制御チャネルであるか否かを確認する方式である。
【0044】
基地局は、端末に送ろうとするDCIによってPDCCHフォーマットを決定した後、DCIにCRCを付け、PDCCHの所有者(owner)や用途によって固有の識別子(これをRNTI(Radio Network Temporary Identifier)という)をCRCにマスキングする。
【0045】
以下、端末のRRC状態(RRC state)とRRC連結方法について詳述する。
【0046】
RRC状態とは、端末のRRC階層がE−UTRANのRRC階層と論理的連結(logical connection)されているか否かをいい、連結されている場合はRRC連結状態、連結されていない場合はRRCアイドル状態と呼ぶ。RRC連結状態の端末は、RRC連結が存在するので、E−UTRANは、当該端末の存在をセル単位で把握することができ、したがって、端末を効果的に制御することができる。それに対し、RRCアイドル状態の端末は、E−UTRANを把握することができず、セルより大きい地域単位であるトラッキング領域(Tracking Area)単位でCN(core network)が管理する。すなわち、RRCアイドル状態の端末は、大きい地域単位で存在可否のみ把握され、音声やデータのような通常の移動通信サービスを受けるためには、RRC連結状態に移動しなければならない。
【0047】
ユーザが端末の電源を最初につけたとき、端末は、まず、適切なセルを探索した後、当該セルでRRCアイドル状態にとどまる。RRCアイドル状態の端末は、RRC連結を結ぶ必要があるときにはじめてRRC連結過程(RRC connection procedure)を介してE−UTRANとRRC連結を確立し、RRC連結状態に遷移する。RRCアイドル状態にあった端末がRRC連結を結ぶ必要がある場合は、種々があるが、例えば、ユーザの通話試みなどの理由で上向きデータ伝送が必要であるとか、それとも、E−UTRANから呼び出し(paging)メッセージを受信した場合、これに対する応答メッセージ伝送などを挙げることができる。
【0048】
RRC階層上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)階層は、連結管理(Session Management)と移動性管理(Mobility Management)などの機能を果たす。
【0049】
NAS統層において端末の移動性を管理するために、EMM−REGISTERED(EPS Mobility Management−REGISTERED)及びEMM−DEREGISTEREDの2つの状態が定義されており、この2つの状態は端末とMMEに適用される。初期端末は、EMM−DEREGISTERED状態であり、この端末がネットワークに接続するために、初期連結(Initial Attach)手順によって当該ネットワークに登録する過程を行う。前記連結(Attach)手順が成功的に行われれば、端末及びMMEはEMM−REGISTERED状態になる。
【0050】
端末とEPCとの間のシグナリング連結(signalingconnection)を管理するために、ECM(EPS Connection Management)−IDLE状態及びECM−CONNECTED状態の2つの状態が定義されており、この2つの状態は端末及びMMEに適用される。ECM−IDLE状態の端末がE−UTRANとRRC連結を結ぶと、当該端末はECM−CONNECTED状態になる。ECM−IDLE状態にあるMMEは、E−UTRANとS1連結(S1 connection)を結ぶと、ECM−CONNECTED状態になる。端末がECM−IDLE状態にあるときには、E−UTRANは、端末の背景(context)情報を有していない。したがって、ECM−IDLE状態の端末は、ネットワークの命令を受ける必要無しにセル選択(cell selection)またはセル再選択(reselection)のような端末基盤の移動性関連手順を行う。それに対し、端末がECM−CONNECTED状態にあるときには、端末の移動性はネットワークの命令によって管理される。ECM−IDLE状態で端末の位置が、ネットワークが知っている位置と変わる場合、端末は、トラッキング領域更新(Tracking Area Update)手順によってネットワークに端末の当該位置を知らせる。
【0051】
次は、システム情報(System Information)に関する説明である。
【0052】
システム情報は、端末が基地局に接続するために知るべき必須情報を含む。したがって、端末は、基地局に接続する前にシステム情報を全て受信していなければならず、また、常に最新のシステム情報を有していなければならない。そして、前記システム情報は、1つのセル内の全ての端末が知っていなければならない情報であるから、基地局は、周期的に前記システム情報を伝送する。システム情報は、MIB(Master Information Block)及び複数のSIB(System Information Block)に分けられる。
【0053】
MIBは、セルから他の情報のために取得されることが要求される最も必須的かつ最も頻繁に伝送されるパラメータの制限された個数を含むことができる。端末は、下向きリンク同期化後に最も先にMIBを探す。MIBは、下向きリンクチャネル帯域幅、PHICH設定、同期化を支援し、タイミング基準として動作するSFN、及びeNB伝送アンテナ設定のような情報を含むことができる。MIBは、BCH上にブロードキャスト伝送されることができる。
【0054】
含まれたSIB等のうち、SIB1(SystemInformationBlockType1)は、「SystemInformationBlockType1」メッセージに含まれて伝送され、SIB1を除いた他のSIB等は、システム情報メッセージに含まれて伝送される。SIB等をシステム情報メッセージにマッピングさせることは、SIB1に含まれたスケジューリング情報リストパラメータによって流動的に設定されることができる。ただし、各SIBは単一システム情報メッセージに含まれ、ただ同じスケジューリング要求値(e.g.周期)を有したSIB等のみが同じシステム情報メッセージにマッピングされ得る。また、SIB2(SystemInformationBlockType2)は、常にスケジューリング情報リストのシステム情報メッセージリスト内の1番目のエントリーに該当するシステム情報メッセージにマッピングされる。同じ周期内に複数のシステム情報メッセージが伝送され得る。SIB1及び全てのシステム情報メッセージは、DL−SCH上に伝送される。
【0055】
ブロードキャスト伝送に加えて、E−UTRANは、SIB1が既存に設定された値と同様に設定されたパラメータを含んだまま、専用シグナリング(dedicated signaling)されることができ、この場合、SIB1は、RRC連結再設定メッセージに含まれて伝送されることができる。
【0056】
SIB1は、端末セル接近と関連した情報を含み、他のSIB等のスケジューリングを定義する。SIB1は、ネットワークのPLMN識別子等、TAC(Tracking Area Code)、及びセルID、セルがキャンプオンできるセルであるか否かを指示するセル禁止状態(cell barring status)、セル再選択基準として使用されるセル内に要求される最低受信レベル、及び他のSIB等の伝送時間及び周期と関連した情報を含むことができる。
【0057】
SIB2は、全ての端末に共通する無線資源設定情報を含むことができる。SIB2は、上向きリンク搬送波周波数及び上向きリンクチャネル帯域幅、RACH設定、ページ設定(paging configuration)、上向きリンクパワー制御設定、サウンディング基準信号設定(Sounding Reference Signal configuration)、ACK/NACK伝送を支援するPUCCH設定、及びPUSCH設定と関連した情報を含むことができる。
【0058】
端末は、システム情報の取得及び変更感知手順をPCellに対してのみ適用することができる。SCellにおいて、E−UTRANは、当該SCellが追加されるとき、RRC連結状態動作と関連のある全てのシステム情報を専用シグナリングを介して提供することができる。設定されたSCellの関連したシステム情報の変更時、E−UTRANは、考慮されるSCellを解除(release)し、向後に追加することができるが、これは、単一RRC連結再設定メッセージとともに行われることができる。E−UTRANは、考慮されるSCell内でブロードキャストされた値と異なるパラメータ値を専用シグナリングを介して設定することができる。
【0059】
端末は、特定タイプのシステム情報に対してその有効性を保障しなければならず、このようなシステム情報を必須システム情報(required system information)という。必須システム情報は、下記のように定義されることができる。
【0060】
・端末がRRCアイドル状態である場合:端末は、SIB2〜SIB8のみならず、MIB及びSIB1の有効なバージョンを有しているように保障しなければならず、これは、考慮されるRATの支援にしたがうことができる。
【0061】
・端末がRRC連結状態である場合:端末は、MIB、SIB1、及びSIB2の有効なバージョンを有しているように保障しなければならない。
【0062】
一般的に、システム情報は、取得後に最大3時間まで有効性が保障され得る。
【0063】
一般的に、ネットワークが端末に提供するサービスは、下記のように3つのタイプに区分することができる。また、どのようなサービスの提供を受けることができるかによって端末はセルのタイプも異なるように認識する。下記において、まず、サービスタイプを叙述し、次いで、セルのタイプを叙述する。
【0064】
1)制限的サービス(Limited service):このサービスは、応急呼出(Emergency call)及び災害警報システム(Earthquake and Tsunami Warning System;ETWS)を提供し、収容可能セル(acceptable cell)で提供することができる。
【0065】
2)正規サービス(Normal service):このサービスは、一般的用途の汎用サービス(public use)を意味し、正規セル(suitable or normal cell)で提供することができる。
【0066】
3)事業者サービス(Operator service):このサービスは、通信網事業者のためのサービスを意味し、このセルは、通信網事業者のみ使用することができ、一般ユーザは使用することができない。
【0067】
セルが提供するサービスタイプと関連して、セルのタイプは、下記のように区分されることができる。
【0068】
1)収容可能セル(Acceptable cell):端末が制限された(Limited)サービスの提供を受けることができるセル。このセルは、当該端末の立場で、禁止(barred)されておらず、端末のセル選択基準を満たすセルである。
【0069】
2)正規セル(Suitable cell):端末が正規サービスの提供を受けることができるセル。このセルは、収容可能セルの条件を満たし、同時に追加条件を満たす。追加的な条件としては、このセルが、当該端末が接続できるPLMN(Public Land Mobile Network)所属でなければならず、端末のトラッキング領域(Tracking Area)更新手順の実行が禁止されていないセルでなければならない。当該セルがCSGセルであるとすれば、端末がこのセルにCSGメンバーとして接続が可能なセルでなければならない。
【0070】
3)禁止された(Barred cell):セルがシステム情報を介して禁止されたセルであるという情報をブロードキャストするセルである。
【0071】
4)予約されたセル(Reserved cell):セルがシステム情報を介して予約されたセルであるという情報をブロードキャストするセルである。
【0072】
図4は、RRCアイドル状態の端末の動作を示すフローチャートである。
図4は、初期電源がついた端末がセル選択過程を経てネットワーク網に登録し、次いで、必要な場合、セル再選択をする手順を示す。
【0073】
図4に示すように、端末は、自分がサービスを受けようとする網であるPLMN(public land mobile network)と通信するためのラジオ接続技術(radio access technology;RAT)を選択する(S410)。PLMN及びRATに関する情報は、端末のユーザが選択することができ、USIM(universal subscriber identity module)に保存されているものを使用することもできる。
【0074】
端末は、測定した基地局と信号強さや品質が特定した値より大きいセルの中で最も大きい値を有するセルを選択する(Cell Selection)(S420)。これは、電源がついた端末がセル選択を行うものであって、初期セル選択(initial cell selection)といえる。セル選択手順については後述する。セル選択後の端末は、基地局が周期的に送るシステム情報を受信する。前記においていう特定した値は、データ送受信での物理的信号に対する品質の保証を受けるためにシステムで定義された値をいう。したがって、適用されるRATによってその値は異なることができる。
【0075】
端末は、網登録の必要がある場合、網登録手順を行う(S430)。端末は、網からサービス(例えば、Paging)を受けるために、自分の情報(例えば、IMSI)を登録する。端末は、セルを選択する度に接続する網に登録をするものではなく、システム情報から受けた網の情報(例えば、Tracking Area Identity;TAI)と、自分の知っている網の情報とが異なる場合に網に登録をする。
【0076】
端末は、セルから提供されるサービス環境または端末の環境などに基づいてセル再選択を行う(S440)。端末は、サービスを受けている基地局から測定した信号の強さや品質の値が隣接したセルの基地局から測定した値より低ければ、端末が接続した基地局のセルよりさらに良い信号特性を提供する他のセルのうちの1つを選択する。この過程を2番目の過程の初期セル選択(Initial Cell Selection)と区分してセル再選択(Cell Re−Selection)という。このとき、信号特性の変化によって頻繁にセルが再選択されることを防止するために、時間的な制約条件をおく。セル再選択手順については、後述する。
【0077】
図5は、RRC連結を確立する過程を示したフローチャートである。
【0078】
端末は、RRC連結を要請するRRC連結要請(RRC Connection Request)メッセージをネットワークに送る(S510)。ネットワークは、RRC連結要請に対する応答としてRRC連結設定(RRC Connection Setup)メッセージを送る(S520)。RRC連結設定メッセージを受信した後、端末はRRC連結モードに進入する。
【0079】
端末は、RRC連結確立の成功的な完了を確認するために使用されるRRC連結設定完了(RRC Connection Setup Complete)メッセージをネットワークに送る(S530)。
【0080】
図6は、RRC連結再設定過程を示したフローチャートである。RRC連結再設定(reconfiguration)は、RRC連結を修正するのに使用される。これは、RB確立/修正(modify)/解除(release)、ハンドオーバー実行、測定セットアップ/修正/解除するために使用される。
【0081】
ネットワークは、端末にRRC連結を修正するためのRRC連結再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージを送る(S610)。端末は、RRC連結再設定に対する応答として、RRC連結再設定の成功的な完了を確認するために使用されるRRC連結再設定完了(RRC Connection Reconfiguration Complete)メッセージをネットワークに送る(S620)。
【0082】
以下において、PLMN(public land mobile network)について説明する。
【0083】
PLMNは、モバイルネットワーク運営者によって配置及び運用されるネットワークである。各モバイルネットワーク運営者は、1つまたはそれ以上のPLMNを運用する。各PLMNは、MCC(Mobile Country Code)及びMNC(Mobile Network Code)で識別されることができる。セルのPLMN情報は、システム情報に含まれてブロードキャストされる。
【0084】
PLMN選択、セル選択、及びセル再選択において、様々なタイプのPLMNが端末により考慮され得る。
【0085】
HPLMN(Home PLMN):端末IMSIのMCC及びMNCとマッチングされるMCC及びMNCを有するPLMN。
【0086】
EHPLMN(Equivalent HPLMN):HPLMNと等価で取り扱われるPLMN。
【0087】
RPLMN(Registered PLMN):位置登録が成功的に終えられたPLMN。
【0088】
EPLMN(Equivalent PLMN):RPLMNと等価で取り扱われるPLMN。
【0089】
各モバイルサービス需要者は、HPLMNに加入する。HPLMNまたはEHPLMNによって端末に一般サービスが提供されるとき、端末は、ローミング状態(roaming state)にない。それに対し、HPLMN/EHPLMN以外のPLMNによって端末にサービスが提供されるとき、端末は、ローミング状態にあり、そのPLMNは、VPLMN(Visited PLMN)と呼ばれる。
【0090】
端末は、初期に電源がつくと使用可能なPLMN(public land mobile network)を検索し、サービスを受けることができる適切なPLMNを選択する。PLMNは、モバイルネットワーク運営者(mobile network operator)により配置されるか(deploy)、運営されるネットワークである。各モバイルネットワーク運営者は、1つまたはそれ以上のPLMNを運営する。それぞれのPLMNは、MCC(mobile country code)及びMNC(mobile network code)によって識別されることができる。セルのPLMN情報は、システム情報に含まれてブロードキャストされる。端末は、選択したPLMNを登録しようと試みる。登録が成功した場合、選択されたPLMNは、RPLMN(registered PLMN)になる。ネットワークは、端末にPLMNリストをシグナリングすることができるが、これは、PLMNリストに含まれたPLMNをRPLMNと同様なPLMNであると考慮することができる。ネットワークに登録された端末は、常時ネットワークによって接近されることができ(reachable)なければならない。もし、端末がECM−CONNECTED状態(同じくは、RRC連結状態)にある場合、ネットワークは、端末がサービスを受けていることを認知する。しかし、端末がECM−IDLE状態(同じくは、RRCアイドル状態)にある場合、端末の状況がeNBでは有効でないが、MMEには保存されている。この場合、ECM−IDLE状態の端末の位置は、TA(tracking Area)等のリストの粒度(granularity)でただMMEにのみ知られる。単一TAは、TAが所属されたPLMN識別子で構成されたTAI(tracking area identity)及びPLMN内のTAを唯一表現するTAC(tracking area code)により識別される。
【0091】
次いで、選択したPLMNが提供するセルの中で前記端末が適切なサービスの提供を受けることができる信号品質と特性を有したセルを選択する。
【0092】
次は、端末がセルを選択する手順について詳しく説明する。
【0093】
電源がつくか、セルにとどまっているとき、端末は、適切な品質のセルを選択/再選択してサービスを受けるための手順を行う。
【0094】
RRCアイドル状態の端末は、常に適切な品質のセルを選択して、このセルを介してサービスの提供を受けるための準備をしていなければならない。例えば、電源がちょうどついた端末は、ネットワークに登録するために適切な品質のセルを選択しなければならない。RRC連結状態にあった前記端末がRRCアイドル状態に進入すれば、前記端末は、RRCアイドル状態でとどまるセルを選択しなければならない。このように、前記端末がRRCアイドル状態のようなサービス待機状態にとどまっているために、ある条件を満たすセルを選ぶ過程をセル選択(Cell Selection)という。重要な点は、前記セル選択は、前記端末が前記RRCアイドル状態にとどまっているセルを現在決定できなかった状態で行うことであるから、なるべく速やかにセルを選択することが何より重要である。したがって、所定基準以上の無線信号品質を提供するセルであれば、たとえ、このセルが端末に最も良い無線信号品質を提供するセルでないとしても、端末のセル選択過程で選択されることができる。
【0095】
これから、3GPP TS 36.304 V8.5.0(2009−03)「User Equipment(UE) procedures in idle mode(Release8)」を参照して、3GPP LTEにおいて端末がセルを選択する方法及び手順について詳述する。
【0097】
まず、初期セル選択過程であって、この過程では、前記端末が無線チャネルに対する事前情報がない。したがって、前記端末は、適切なセルを探すために全ての無線チャネルを検索する。各チャネルにおいて前記端末は最も強いセルを探す。その後、前記端末がセル選択基準を満たす適切な(suitable)セルを探しさえすれば、当該セルを選択する。
【0098】
次に、端末は、保存された情報を活用したり、セルで放送している情報を活用してセルを選択することができる。したがって、初期セル選択過程に比べてセル選択が迅速でありうる。端末がセル選択基準を満たすセルを探しさえすれば、当該セルを選択する。もし、この過程を介してセル選択基準を満たす適切なセルを探すことができなければ、端末は、初期セル選択過程を行う。
【0099】
セル選択基準は、下記の数式1のように定義され得る。
【0101】
ここで、前記数式1の各変数は、下記の表1のように定義され得る。
【0103】
シグナリングされた値であるQ
rxlevminoffset及びQ
qualminoffsetは、端末がVPLMN内の正規セルにキャンプしている間、より高い優先順位のPLMNに対する周期的探索の結果としてセル選択が評価される場合に限って適用されることができる。上記のように、より高い優先順位のPLMNに対する周期的探索の間、端末は、このようなより高い優先順位のPLMNの他のセルから保存されたパラメータ値を使用してセル選択評価を行うことができる。
【0104】
前記端末が一応セル選択過程を介してあるセルを選択した後、端末の移動性または無線環境の変化などで端末と基地局との間の信号の強さや品質が変わることができる。したがって、もし、選択したセルの品質が低下する場合、端末は、より良い品質を提供する他のセルを選択することができる。このようにセルを再度選択する場合、一般的に、現在選択されたセルよりさらに良い信号品質を提供するセルを選択する。このような過程をセル再選択(Cell Reselection)という。前記セル再選択過程は、無線信号の品質の観点で、一般的に端末に最も良い品質を提供するセルを選択するのに基本的な目的がある。
【0105】
無線信号の品質の観点以外に、ネットワークは、周波数別に優先順位を決定して端末に知らせることができる。このような優先順位を受信した端末は、セル再選択過程でこの優先順位を無線信号品質基準より優先的に考慮するようになる。
【0106】
上記のように、無線環境の信号特性によってセルを選択または再選択する方法があり、セル再選択の際、再選択のためのセルを選択するのにあたって、セルのRATと周波数(frequency)特性によって次のようなセル再選択方法がありうる。
【0107】
・イントラ−周波数(Intra−frequency)セル再選択:端末がキャンプ(camp)中であるセルと同様なRATと同様な中心周波数(center−frequency)を有するセルを再選択
【0108】
・インター−周波数(Inter−frequency)セル再選択:端末がキャンプ中であるセルと同様なRATと相違した中心周波数を有するセルを再選択
【0109】
・インター−RAT(Inter−RAT)セル再選択:端末がキャンプ中であるRATと相違したRATを使用するセルを再選択
【0110】
セル再選択過程の原則は、次のとおりである。
【0111】
第1に、端末は、セル再選択のためにサービングセル(serving cell)及び隣接セル(neighboring cell)の品質を測定する。
【0112】
第2に、セル再選択は、セル再選択基準に基づいて行われる。セル再選択基準は、サービングセル及び隣接セルの測定に関連して下記のような特性を有している。
【0113】
イントラ−周波数セル再選択は、基本的にランキング(ranking)に基づく。ランキングとは、セル再選択評価のための指標値を定義し、この指標値を用いてセルを指標値の大きさ順に順序を付ける作業である。最も良い指標を有するセルを普通最高順位セル(highest ranked cell)と呼ぶ。セル指標値は、端末が当該セルに対して測定した値を基本として、必要に応じて周波数オフセットまたはセルオフセットを適用した値である。
【0114】
インター−周波数セル再選択は、ネットワークにより提供された周波数優先順位に基づく。端末は、最も高い周波数優先順位を有した周波数にとどまる(camp on)ことができるように試みる。ネットワークは、ブロードキャストシグナリング(broadcast signaling)を介してセル内の端末が共通的に適用するか、または周波数優先順位を提供したり、端末別シグナリング(dedicated signaling)を介して端末別に各々周波数別優先順位を提供することができる。ブロードキャストシグナリングを介して提供されるセル再選択優先順位を共用優先順位(common priority)ということができ、端末別にネットワークが設定するセル再選択優先順位を専用優先順位(dedicated priority)ということができる。端末は、専用優先順位を受信すれば、専用優先順位と関連した有効時間(validity time)を共に受信することができる。端末は、専用優先順位を受信すれば、共に受信した有効時間として設定された有効性タイマー(validity timer)を開始する。端末は、有効性タイマーが動作する間、RRCアイドルモードで専用優先順位を適用する。有効性タイマーが満了すれば、端末は専用優先順位を廃棄し、再度共用優先順位を適用する。
【0115】
インター−周波数セル再選択のためにネットワークは、端末にセル再選択に使用されるパラメータ(例えば、周波数別オフセット(frequency−specific offset))を周波数別に提供することができる。
【0116】
イントラ−周波数セル再選択またはインター−周波数セル再選択のためにネットワークは、端末にセル再選択に使用される隣接セルリスト(Neighboring Cell List、NCL)を端末に提供することができる。このNCLは、セル再選択に使用されるセル別パラメータ(例えば、セル別オフセット(cell−specific offset))を含む。
【0117】
イントラ−周波数またはインター−周波数セル再選択のためにネットワークは、端末にセル再選択に使用されるセル再選択禁止リスト(black list)を端末に提供することができる。禁止リストに含まれたセルに対して端末は、セル再選択を行わない。
【0118】
次いで、セル再選択評価過程で行うランキングに関して説明する。
【0119】
セルの優先順位を与えるのに使用されるランキング指標(ranking criterion)は、数式2のように定義される。
【0121】
ここで、R
sは、サービングセルのランキング指標、R
nは、隣接セルのランキング指標、Q
meas、sは、端末がサービングセルに対して測定した品質値、Q
meas、nは、端末が隣接セルに対して測定した品質値、Q
hystは、ランキングのためのヒステリシス(hysteresis)値、Q
offsetは、2つのセル間のオフセットである。
【0122】
イントラ−周波数において、端末がサービングセルと隣接セルとの間のオフセット(Q
offsets、n)を受信した場合、Q
offset=Q
offsets、nであり、端末がQ
offsets、nを受信しなかった場合には、Q
offset=0である。
【0123】
インター−周波数において、端末が当該セルに対するオフセット(Q
offsets、n)を受信した場合、Q
offset=Q
offsets、n+Q
frequencyであり、端末がQ
offsets、nを受信しなかった場合、Q
offset=Q
frequencyである。
【0124】
サービングセルのランキング指標(R
s)と隣接セルのランキング指標(R
n)とが互いに類似した状態で変動すれば、変動結果、ランキングの順位が頻りに変わり、端末が2つのセルを交互に再選択することができる。Q
hystは、セル再選択においてヒステリシスを与えて、端末が2つのセルを交互に再選択することを防止するためのパラメータである。
【0125】
端末は、上記の式によってサービングセルのR
s及び隣接セルのR
nを測定し、ランキング指標値が最も大きい値を有したセルを最高順位(highest ranked)セルと見なし、このセルを再選択する。
【0126】
前記基準によれば、セルの品質がセル再選択において最も主な基準として作用することを確認することができる。もし、再選択したセルが正規セル(suitable cell)でなければ、端末は、当該周波数または当該セルをセル再選択対象から除外する。
【0127】
セル再選択評価によって端末がセル再選択を行うのにあたって、端末は、前記セル再選択基準が特定時間の間、満たされる場合、セル再選択基準が満たされたと決定し、選択されたターゲットセルにセル移動をすることができる。ここで、特定時間は、Treselectionパラメータであって、ネットワークから与えられることができる。Treselectionは、セル再選択タイマー値を特定し、E−UTRANの各周波数に対して、及び他のRATに対して定義され得る。
【0128】
以下では、端末のセル再選択のために使用されるセル再選択情報について説明する。
【0129】
セル再選択情報は、セル再選択パラメータの形式でネットワークからブロードキャストされるシステム情報に含まれて伝送され、端末に提供されることができる。端末に提供されるセル再選択パラメータは、下記のような種類のもの等がありうる。
【0130】
セル再選択優先順位(cellReselectionPriority):cellReselectionPriorityパラメータは、E−UTRANの周波数、UTRANの周波数、GERAN周波数等のグループ、CDMA2000 HRPDのバンドクラスまたはCDMA2000 1×RTTのバンドクラスに対する優先順位を特定する。
【0131】
Q
offsets、n:2つのセル間のオフセット値を特定する。
【0132】
Q
offsetfrequency:同じ優先順位のE−UTRAN周波数に対する周波数特定オフセットを特定する。
【0133】
Q
hyst:ランク指標に対するヒステリシス値を特定する。
【0134】
Q
qualmin:最小に要求される品質レベルを特定し、dB単位で特定される。
【0135】
Q
rxlevmin:最小に要求されるRxレベルを特定し、dB単位で特定される。
【0136】
Treselection
EUTRA:E−UTRANのためのセル再選択タイマー値を特定し、E−UTRANの各周波数に対して設定されることができる。
【0137】
Treselection
UTRAN:UTRANのためのセル再選択タイマー値を特定する。
【0138】
Treselection
GERA:GERANのためのセル再選択タイマー値を特定する。
【0139】
Treselection
CDMA_HRPD:CDMA HRPDのためのセル再選択タイマー値を特定する。
【0140】
Treselection
CDMA_1×RTT:CDMA 1×RTTのためのセル再選択タイマー値を特定する。
【0141】
Thresh
x、HighP:サービング周波数よりさらに高い優先順位のRAT/周波数へのセル再選択の際、端末により使用されるSrxlev域値をdB単位で特定する。特定域値がE−UTRAN及びUTRANの各周波数、GERAN周波数の各グループ、CDMA2000 HRPDの各バンドクラス及びCDMA2000 1×RTTの各バンドクラスに対して個別的に設定されることができる。
【0142】
Thresh
x、HighQ:サービング周波数よりさらに高い優先順位のRAT/周波数へのセル再選択の際、端末により使用されるSqual域値をdB単位で特定する。特定域値がE−UTRAN及びUTRAN FDDの各周波数に対して個別的に設定されることができる。
【0143】
Thresh
x、LowP:サービング周波数よりさらに低い優先順位のRAT/周波数へのセル再選択の際、端末により使用されるSrxlev域値をdB単位で特定する。特定域値がE−UTRAN及びUTRANの各周波数、GERAN周波数の各グループ、CDMA2000 HRPDの各バンドクラス及びCDMA2000 1×RTTの各バンドクラスに対して個別的に設定されることができる。
【0144】
Thresh
x、LowQ:サービング周波数よりさらに低い優先順位のRAT/周波数へのセル再選択の際、端末により使用されるSqual域値をdB単位で特定する。特定域値がE−UTRAN及びUTRAN FDDの各周波数に対して個別的に設定されることができる。
【0145】
Thresh
Serving、LowP:より低いRAT/周波数へのセル再選択の際、サービングセル上の端末により使用されるSrxlev域値をdB単位で特定する。
【0146】
Thresh
Serving、LowQ:より低いRAT/周波数へのセル再選択の際、サービングセル上の端末により使用されるSqual域値をdB単位で特定する。
【0147】
S
IntraSerachP:イントラ−周波数測定に対するSrxlev域値をdB単位で特定する。
【0148】
S
IntraSerachQ:イントラ−周波数測定に対するSqual域値をdB単位で特定する。
【0149】
S
nonIntraSerachP:E−UTRANインター−周波数及びインター−RAT測定に対するSrxlev域値をdB単位で特定する。
【0150】
S
nonIntraSerachQ:E−UTRANインター−周波数及びインター−RAT測定に対するSqual域値をdB単位で特定する。
【0151】
一方、前述したセル再選択パラメータは、端末の移動性によってスケーリングされることができる。端末の移動性は、特定時間区間の間、端末がセル再選択及び/又はハンドオーバーによって移動した回数に基づいて推定されることができるが、これをMSE(Mobility State Estimation)という。MSEによって端末の移動性は、一般移動性状態(normal mobility state)、中間移動性状態(medium mobility state)、及び高い移動性状態(high mobility state)のうち、1つの状態に推定されることができる。
【0152】
MSEにおいて端末の移動性状態推定のための基準として使用され得るパラメータが提供されることができる。T
CRmaxは、MSEに他の端末の移動実行カウントのための特定時間区間を特定する。N
CR_Hは、高い移動性に進入するためのセル再選択最大回数を指示する。N
CR_Mは、中間移動性に進入するためのセル再選択最大回数を指示する。T
CRmaxHystは、端末が一般移動性状態に進入できる前の追加時間区間を特定する。
【0153】
RRC_IDLE状態にある端末は、セル再選択条件が満たされると、セル再選択を行う。端末がT
CRmaxの間、セル再選択を行った回数が第1の域値であるN
CR_Hを超過すれば、端末の移動性状態は、高い移動性状態の条件が満たされる。一方、T
CRmaxの間、セル再選択を行った回数が第2の域値であるN
CR_Mを超過し、第1の域値であるN
CR_Hを超過しなければ、端末の移動性状態は、中間移動性状態の条件が満たされる。端末がT
CRmaxの間、セル再選択を行った回数が第2の域値であるN
CR_Mを超過しなければ、端末の移動性状態は、一般移動性状態の条件が満たされる。例えば、端末が追加時間区間(T
CRmaxHyst)の間、高い移動性状態及び一般移動性状態に感知されないと、端末は、一般移動性状態に推定されることができる。ただし、端末が2つの同じセル間で連続的にセル再選択を行った場合、セル再選択を行った回数にカウントされないことがある。
【0154】
MSEによる端末の移動性状態によってスケーリング因子が特定され得るし、スケーリング因子は、1つ以上のセル再選択パラメータに適用されることができる。例えば、中間移動性及び高い移動性によるスケーリング因子であるsf−Medium及びsf−Highは、Qhyst、Treselection
EUTRA、Treselection
UTRA、Treselection
GERA、Treselection
CDMA_HRPD、及びTreselection
CDMA_1×RTTに適用されることができる。
【0155】
一方、セル再選択情報は、ネットワークと端末との間のRRC連結解除のために伝送されるRRCメッセージであるRRC連結解除メッセージに含まれて端末に提供されることもできる。例えば、RRC連結解除メッセージには、E−UTRANの副搬送波周波数リスト及びセル再選択優先順位、UTRA−FDDの副搬送波周波数リスト及びセル再選択優先順位、UTRA−TDDの副搬送波周波数リスト及びセル再選択優先順位、GERANの副搬送波周波数リスト及びセル再選択優先順位、CDMA2000 HRPDのバンドクラスリスト及びセル再選択優先順位、CDMA2000 1×RTTのバンドクラスリスト及びセル再選択優先順位などを含むことができる。
【0156】
以下では、複数の事業者によるRAN共有について説明する。
【0157】
複数の事業者達は、個別的にRANを構築してサービスを提供することができるが、特定事業者により構築されたセルを共有して加入者にサービスを提供することもできる。これをRAN共有という。このとき、複数の事業者により共有されているセルは、PLMNリストをブロードキャストすることができる。PLMNリストは、セルがブロードキャストするシステム情報のSIB1に含まれて伝送されることができる。一方、SIB1に含まれたPLMNリストにおいて最も先にリストされたPLMN識別子が主PLMN(Primary PLMN)を指示できるように実現されることができる。
【0158】
1個のセルが複数の事業者から共有される状況で、共有されるセルにより提供されるセル再選択情報は、PLMNリスト内の全てのPLMNに対して共通的に適用されることができる。一般的に共有されるセルにより提供されるセル再選択情報は、主PLMNの政策に主に符合するように設定されるようになる。したがって、副PLMNによるサービスの提供を受ける端末は、サービス提供のための最適化されたセル再選択情報でない情報に基づいてセル再選択を行うようになる。
【0159】
以下では、RRC連結状態での端末の移動と関連したハンドオーバーについて説明する。
【0160】
図7は、ハンドオーバー過程を示したフローチャートである。
【0161】
端末(UE)は、ソース基地局(Source BS)に測定報告(Measurement Report)を伝送する(S710)。ソース基地局は、受信した測定報告を利用してハンドオーバー可否を決定する。ソース基地局が隣接セルへのハンドオーバーを決定した場合、前記隣接セルがターゲットセル(Target Cell)になり、ターゲットセルに属した基地局がターゲット基地局(Target BS)になる。
【0162】
ソース基地局は、ターゲット基地局にハンドオーバー準備(Handover Preparation)メッセージを伝送する(S711)。ターゲット基地局は、ハンドオーバーの成功可能性を増加させるために、承認制御(Admission Control)を行う。
【0163】
ターゲット基地局は、ソース基地局にハンドオーバー準備ACK(Acknowledgement)メッセージを伝送する(S712)。ハンドオーバー準備ACKメッセージは、C−RNTI(Cell−Radio Network Temporary Identifier)及び/又は専用(dedicated)ランダムアクセスプリアンブル(preamble)を含むことができる。C−RNTIは、セル内で端末を区別するための識別子である。専用ランダムアクセスプリアンブルは、端末が所定期間の間、独占使用できるプリアンブルであって、非−競争(non−contention)基盤のランダムアクセス過程を行うときに使用される。ランダムアクセス過程は、端末が任意のランダムアクセスプリアンブルを使用する競争基盤のランダムアクセス過程と、端末が専用ランダムアクセスプリアンブルを使用する非−競争基盤のランダムアクセス過程とに分けることができる。非−競争基盤のランダムアクセス過程は、競争基盤のランダムアクセス過程に比べて他の端末との競争によるハンドオーバーの遅延を防止することができる。
【0164】
ソース基地局は、端末にハンドオーバー命令(Handover Command)メッセージを伝送する(S713)。ハンドオーバー命令メッセージは、RRC(Radio Resource Control)連結再設定(RRC Connection Reconfiguration)メッセージの形態で伝送されることができる。ハンドオーバー命令メッセージは、ターゲット基地局から受けたC−RNTI及び専用ランダムアクセスプリアンブルを含むことができる。
【0165】
端末は、ソース基地局からハンドオーバー命令メッセージを受信した後、ターゲット基地局と同期化(synchronization)する(S714)。端末は、ターゲット基地局のPSSとSSSを受信して同期化し、PBCHを受信してシステム情報を取得する。
【0166】
端末は、ターゲット基地局にランダムアクセスプリアンブルを伝送して、ランダムアクセス過程を開始する(S715)。端末は、ハンドオーバー命令メッセージに含まれた専用ランダムアクセスプリアンブルを使用することができる。または、専用ランダムアクセスプリアンブルが割り当てられていなければ、端末は、ランダムアクセスプリアンブル集合から任意に選択されたランダムアクセスプリアンブルを使用することができる。
【0167】
ターゲット基地局は、端末にランダムアクセス応答メッセージを伝送する(S716)。ランダムアクセス応答メッセージは、上向きリンク資源割当及び/又は時間オフセット(timing advance)を含むことができる。
【0168】
ランダムアクセス応答メッセージを受信した端末は、時間オフセットに基づいて上向きリンク同期を調整し、前記上向きリンク資源割当を利用してターゲット基地局にハンドオーバー確認(Handover Confirm)メッセージを伝送する(S717)。ハンドオーバー確認メッセージは、ハンドオーバー過程が完了することを指示し、上向きリンクバッファ状態報告(Buffer Status Report)とともに伝送されることができる。
【0169】
ターゲット基地局は、MME(Mobility Management Entity)に経路変更要請(Path Switch Request)メッセージを伝送して、MMEに端末のセルが変更されたことを知らせる(S718)。
【0170】
MMEは、S−GW(Serving−Gateway)にユーザ平面アップデート要請(User Plane Update Request)メッセージを伝送する(S719)。
【0171】
S−GWは、ターゲット基地局に下向きリンクデータ経路を変更(Switch)する(S720)。
【0172】
S−GWは、MMEにユーザ平面アップデート応答(UserPlane Update Response)メッセージを伝送する(S721)。
【0173】
MMEは、ターゲット基地局に経路変更要請ACK(PathSwitch Request ACK)メッセージを伝送する(S722)。
【0174】
ターゲット基地局は、ソース基地局に資源解除(Resource Release)メッセージを伝送してハンドオーバーの成功を知らせる(S723)。
【0175】
ソース基地局は、前記端末に関連した資源を解除する(S724)。
【0176】
以下において、RLM(Radio Link Monitoring)について説明する。
【0177】
端末は、PCellの下向きリンク無線リンク品質を感知するために、セル特定参照信号(cell−specific reference signal)に基づいて下向きリンク品質をモニタリングする。端末は、PCellの下向きリンク無線リンク品質のモニターリングを目的として下向きリンク無線リンク品質を推定し、それを域値Qout及びQinと比較する。域値Qoutは、下向きリンク無線リンクが安定的に受信され得ない水準として定義され、これは、PDFICHエラーを考慮して仮想のPDCCH伝送(hypothetical PDCCH transmission)の10%ブロックエラー率に相応する。域値Qinは、Qoutのレベルよりさらに安定的に受信され得る下向きリンク無線リンク品質レベルとして定義され、これは、PCFICHエラーを考慮して仮想のPDCCH伝送の2%ブロックエラー率に相応する。
【0178】
これから、無線リンク失敗(Radio Link Failure;RLF)について説明する。
【0179】
端末は、サービスを受信するサービングセルとの無線リンクの品質維持のために、持続的に測定を行う。端末は、サービングセルとの無線リンクの品質悪化(deterioration)のため、現在状況で通信が不可能であるか否かを決定する。もし、サービングセルの品質があまり低くて通信がほとんど不可能な場合、端末は、現在状況を無線連結失敗として決定する。
【0180】
もし、無線リンク失敗が決定されれば、端末は、現在のサービングセルとの通信維持を放棄し、セル選択(または、セル再選択)手順を介して新しいセルを選択し、新しいセルへのRRC連結再確立(RRC connection re−establishment)を試みる。
【0181】
3GPP LTEのスペックでは、正常な通信ができない場合として下記のような例示を挙げている。
【0182】
・端末の物理階層の無線品質測定結果に基づいて、端末が下向き通信リンク品質に深刻な問題があると判断した場合(RLM実行中、PCellの品質が低いと判断した場合)。
【0183】
・MAC副階層でランダムアクセス(random access)手順が失敗し続けて、上向きリンク伝送に問題があると判断した場合。
【0184】
・RLC副階層で上向きデータ伝送が失敗し続けて、上向きリンク伝送に問題があると判断した場合。
【0185】
・ハンドオーバーを失敗したことと判断した場合。
【0186】
・端末が受信したメッセージが完全性検査(integrity check)を通過できなかった場合。
【0187】
以下では、RRC連結再確立(RRC connectionre−establishment)手順についてより詳細に説明する。
【0188】
図8は、RRC連結再確立手順を示す図である。
【0189】
図8に示すように、端末は、SRB 0(SignalingRadio Bearer #0)を除外した設定されていた全ての無線ベアラ(radio bearer)の使用を中断し、AS(Access Stratum)の各種副階層を初期化させる(S810)。また、各副階層及び物理階層を基本構成(default configuration)として設定する。このような過程中に端末は、RRC連結状態を維持する。
【0190】
端末は、RRC連結再設定手順を行うためのセル選択手順を行う(S820)。RRC連結再確立手順のうち、セル選択手順は、端末がRRC連結状態を維持しているにもかかわらず、端末がRRCアイドル状態で行うセル選択手順と同様に実行され得る。
【0191】
端末は、セル選択手順を行った後、当該セルのシステム情報を確認して、当該セルが適したセルであるか否かを判断する(S830)。もし、選択されたセルが適切なE−UTRANセルであると判断された場合、端末は、当該セルにRRC連結再確立要請メッセージ(RRC connection reestablishment request message)を伝送する(S840)。
【0192】
一方、RRC連結再確立手順を行うためのセル選択手順を介して選択されたセルがE−UTRAN以外の他のRATを使用するセルであると判断された場合、RRC連結再確立手順が中断され、端末は、RRCアイドル状態に進入する(S850)。
【0193】
端末は、セル選択手順及び選択したセルのシステム情報受信を介してセルの適切性確認を制限された時間内に終えるように実現されることができる。このために、端末は、RRC連結再確立手順を開始することにより、タイマーを駆動させることができる。タイマーは、端末が適したセルを選択したと判断された場合、中断されることができる。タイマーが満了した場合、端末は、RRC連結再確立手順が失敗したとみなし、RRCアイドル状態に進入することができる。このタイマーを以下において無線リンク失敗タイマーと言及する。LTEスペックTS36.331では、T311という名前のタイマーが無線リンク失敗タイマーとして活用され得る。端末は、このタイマーの設定値をサービングセルのシステム情報から取得することができる。
【0194】
端末からRRC連結再確立要請メッセージを受信し、要請を受諾した場合、セルは、端末にRRC連結再確立メッセージ(RRC connection reestablishment message)を伝送する。
【0195】
セルからRRC連結再確立メッセージを受信した端末は、SRB1に対するPDCP副階層とRLC副階層を再構成する。また、保安設定と関連した各種キー値を再度計算し、保安を担当するPDCP副階層を新しく計算した保安キー値で再構成する。これにより、端末とセルとの間のSRB1が開放され、RRC制御メッセージをやり取りすることができるようになる。端末は、SRB1の再開を完了し、セルにRRC連結再確立手順が完了したというRRC連結再確立完了メッセージ(RRC connection reestablishment complete message)を伝送する(S860)。
【0196】
それに対し、端末からRRC連結再確立要請メッセージを受信し、要請を受諾しなかった場合、セルは、端末にRRC連結再確立拒絶メッセージ(RRC connection reestablishment reject message)を伝送する。
【0197】
RRC連結再確立手順が成功的に行われれば、セルと端末は、RRC連結再設定手順を行う。これにより、端末は、RRC連結再確立手順を行う前の状態を回復し、サービスの連続性を最大限保障する。
【0198】
以下では、3GPP基盤のアクセスネットワークと他のアクセスネットワークとの間のインターワーキング(interworking)について説明する。
【0199】
3GPPでは、Rel−8から非−3GPPアクセスネットワーク(e.g.WLAN)との連動を導入しつつ接続可能なアクセスネットワークを発見し、選択するためのANDSF(Access Network Discovery and Selection Functions)を規格化した。ANDSFは、端末の位置で接続可能なアクセスネットワーク発見情報(e.g.WLAN、WiMAX位置情報等)、事業者の政策を反映させることができるシステム間移動性政策(Inter−System Mobility Policies;ISMP)、システム間ルーティング政策(Inter−System Routing Policy;ISRP)を伝達し、この情報に基づいて端末は、あるIPトラフィックをあるアクセスネットワークを経由して伝送するかを決定することができる。ISMPは、端末が1つの活性化された(active)アクセスネットワーク連結(例えば、WLANまたは3GPP)を選択することに対するネットワーク選択規則を含むことができる。ISRPは、端末が潜在的な1つ以上の活性化されたアクセスネットワーク連結(例えば、WLANと3GPPの両方)を選択することに対するネットワーク選択規則を含むことができる。システム間ルーティング政策には、MAPCON(Multiple Access PDN Connectivity)、IFOM(IP Flow Mobility)、非−シームレスWLANオフロード(non−seamless WLAN offloading)が含まれる。ANDSFと端末との間の動的な伝達(dynamic provision)のために、OMA DM(Open Mobile Alliance Device Management)などが使用される。
【0200】
MAPCONは、3GPPアクセスネットワークと非−3GPPアクセスネットワークとを経由して同時に複数のパケットデータネットワークに連結(multiple PDN connectivity)を設定、維持、及び全体活性化されたPDN連結(active PDN connection)単位のシームレストラフィックオフロード(seamless traffic offloading)が可能な技術を規格化したものである。このために、ANDSFサーバは、オフロードを行うAPN(Access Point Name)情報、アクセスネットワーク間の優先順位(routing rule)、オフロード方法が適用される時間(Time of Day)、そしてオフロードをするアクセスネットワーク(Validity Area)情報などを提供する。
【0201】
IFOMは、MAPCONよりは融通性があり、細分化された単位のIPフロー単位の移動性及びシームレスオフロード(seamless offloading)を支援する。IFOMの技術的特徴は、MAPCONと異なり、端末が同じアクセスポイントネーム(APN)を使用してパケットデータネットワークに連結される場合でも、互いに異なるアクセスネットワークを介して接続可能であり、移動性及びオフロードの単位がパケットデータネットワーク(PDN)でない、特定サービスIPトラフィックフロー単位で移動が可能なようにすることにより、サービス提供の柔軟性を有する。このために、ANDSFサーバは、オフロードを行うIPフロー情報、アクセスネットワーク間の優先順位(routing rule)、オフロード方法が適用される時間(Time of Day)、そしてオフロードをするアクセスネットワーク(Validity Area)情報などを提供する。
【0202】
非−シームレスWLANオフロードは、ある特定IPトラフィックの経路をWLANに変えることだけでなく、EPCを経由しないようにトラフィックを完全にオフロードさせる技術をいう。これは、移動性支援のために、P−GWにアンカーリング(anchoring)をしないので、オフロードされたIPトラフィックを再度3GPPアクセスネットワークに途切れることなく移動させることができない。このために、ANDSFサーバは、端末にIFOMを行うために提供する情報と類似した情報を提供する。
【0203】
図9は、3GPPアクセスネットワーク及びWLANアクセスネットワークが共存する環境の例示を示す図である。
【0204】
図9に示すように、3GPPアクセスネットワークとして、基地局1(910)を中心とするセル1と、基地局2(920)を中心とするセル2とが展開されている。また、WLANアクセスネットワークとして、セル1内に位置するアクセスポイント(Access Point;AP)1(930)を中心とするBSS(Basic Service Set)1、AP2(940)を中心とするBSS2が展開されており、セル2内に存在するAP3(950)を中心とするBSS3が展開されている。セルのカバレッジは、実線で図示されており、BSSのカバレッジは、点線で図示されている。
【0205】
端末900は、3GPPアクセスネットワーク及びWLANアクセスネットワークを介した通信を行えるように設定されたことと仮定する。この場合、端末900は、ステーション(station)と呼ばれることができるであろう。
【0206】
最初に、端末900は、セル1内でBS1(910)と連結を確立して3GPPアクセスネットワークを介したトラフィック処理をすることができる。
【0207】
端末900がセル1のカバレッジ内で移動中にBSS1のカバレッジ内に進入し、スキャニングを介してBSS1を発見することができる。この場合、端末900は、BSS1のAP1(930)と結合(association)及び認証(authentication)手順を行うことにより、WLANアクセスネットワークと連結することができる。これにより、端末900は、トラフィックを3GPPアクセスネットワーク及びWLANアクセスネットワークを介して処理することができる。一方、端末900が移動してBSS1のカバレッジを外れる場合、WLANアクセスネットワークとの連結が終了し得る。
【0208】
端末900がセル1のカバレッジ内で移動し続けて、セル1及びセル2の境界近傍に移動することができ、BSS2のカバレッジ内に進入して、スキャニングを介してBSS2を発見することができる。この場合、端末900は、BSS2のAP2(940)と結合及び認証手順を行ってWLANアクセスネットワークと連結することができる。一方、BSS2のカバレッジ内の端末900は、セル1及びセル2の境界に位置するので、3GPPアクセスネットワークを介したサービス品質が良好でないことがある。この場合、端末900は、WLANアクセスネットワークを介して集中的にトラフィックを処理するように動作することができる。
【0209】
端末900が移動してBSS2のカバレッジを外れ、セル2の中心部に進入すれば、端末900は、WLANアクセスネットワークとの連結を終了し、セル2を基盤として3GPPアクセスネットワークを介してトラフィックを処理することができる。
【0210】
端末900がセル2のカバレッジ内で移動中にBSS3のカバレッジ内に進入し、スキャニングを介してBSS1を発見することができる。この場合、端末900は、BSS3のAP3(950)と結合及び認証手順を行うことにより、WLANアクセスネットワークと連結することができる。これにより、端末900は、トラフィックを3GPPアクセスネットワーク及びWLANアクセスネットワークを介して処理することができる。
【0211】
図9の例示のように、3GPPアクセスネットワークと非−3GPPアクセスネットワークとが共存する無線通信環境において、端末は、適応的に3GPPアクセスネットワーク及び/又は非−3GPPアクセスネットワークを介してトラフィックを処理することができる。
【0212】
3GPPアクセスネットワークと非−3GPPアクセスネットワークとの間のインターワーキングのための1つの方案であるANDSFを事業者または端末が支援しない場合にも、3GPPアクセスネットワークのトラフィック状況に応じて当該トラフィックを他のアクセスネットワークに分散する必要がある。このような必要のために、ANDSFを支援しない非−3GPPアクセスネットワークとの効果的なインターワーキング方案が提案される必要がある。
【0213】
また、ANDSFが動的に変化する無線チャネルの特性(e.g.WLAN信号品質、WLAN負荷、RAN信号品質等)を考慮しないことにより発生するユーザ経験品質の低下が発生し得る。これを防止するために、基地局が無線チャネルの特性を考慮したアクセスネットワーク間のインターワーキング方案が提案される必要がある。
【0214】
基地局によりアクセスネットワーク間のインターワーキングが支援されることにあったて、ANDSFサーバとは異なり、既存の基地局は、APN、IPフローなどのような特定トラフィックのルーティングと関連した情報を端末に提供しなかった。したがって、端末は、アクセスネットワーク間のインターワーキングが支援される環境でトラフィックをオフロードする場合、全てのトラフィックを非−3GPPアクセスネットワークにルーティングして処理することができた。これは、特定トラフィックを選択的にルーティングさせて、非−3GPPアクセスネットワークを介して処理することを希望する事業者の要求事項を満たすことができない。また、全てのトラフィックの非−3GPPアクセスネットワークへのルーティングは、非−3GPPアクセスネットワークにオーバーロードを引き起こす問題点を発生させることができる。
【0215】
したがって、本発明では、トラフィックを選択的にルーティングさせて処理できるようにする基地局がトラフィックルーティング情報を端末に提供し、端末は、これを活用してトラフィックを処理させるトラフィック処理方法を提案する。以下では、本発明の実施形態に係るトラフィック処理方法を説明するにあたって、非−3GPPアクセスネットワークがWLANアクセスネットワークであることを例示として説明する。ただし、本発明の範囲は、これに限定されず、その他の異なるアクセスネットワークと関連した端末のトラフィック処理実行にも適用されることができる。
【0216】
図10は、本発明の実施形態に係るトラフィック処理方法の一例を示す図である。
【0217】
図10に示すように、端末は、WLANサービス情報を受信する(S1010)。WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワークから伝送されることができる。
【0218】
WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワークからのブロードキャストシグナリングを介して端末に提供されることができる。例えば、3GPPアクセスネットワークは、WLANサービス情報を含むシステム情報をブロードキャストすることができる。
【0219】
WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワークからの専用シグナリングを介して端末に提供されることができる。例えば、3GPPアクセスネットワークは、WLANサービス情報を含むRRCメッセージを端末に伝送することができる。
【0220】
WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックを処理することが許容されるWLANアクセスネットワークと関連した情報でありうる。すなわち、端末がWLANアクセスネットワークエンティティーを発見し、当該WLANアクセスネットワークエンティティーが3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックを処理できるか否かを決定するのにWLANサービス情報が使用され得る。WLANサービス情報に含まれ得る細部的な情報は、下記のとおりでありうる。
【0221】
1)WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックを処理することが許容されるWLANアクセスネットワークの識別子リストを含むことができる。識別子リストに含まれる識別子は、下記のとおりでありうる。
【0222】
・WLAN SSID(Service Set Identifier):SSIDは、複数のBSS内で重複して使用されることができる。
【0223】
・WLAN BSSID(Basic Service Set Identifier):BSSIDは、特定APにより管理されるBSSを識別させる情報であって、一般的に、当該APのMAC住所として設定されることができる。
【0224】
・HESSID(Homogeneous ExtendedService Set Identifier):AP等のうち、1つのBSSIDと同じ値としてホットスポット事業者(hotspot operator)により設定された識別子であって、MAC住所の形態で設定されることができる。ホットスポットネットワークでの全てのAPは、同じHESSID値の設定を受けることができる。
【0225】
・ドメイン名前リスト(domain name list):WLANアクセスネットワークエンティティーの1つ以上のドメイン名前を含むことができる。
【0226】
2)WLANサービス情報は、3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックを処理することが許容されるWLANアクセスネットワークに対する条件として少なくとも1つの域値を含むことができる。WLANサービス情報に含まれ得る域値は、下記のとおりでありうる。
【0227】
・WLANアクセスネットワークの信号品質域値
【0228】
・WLANアクセスネットワークの負荷域値
【0229】
端末は、上記のようなWLANサービス情報を受信し、発見されたWLANアクセスネットワークエンティティーが3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックを処理できるか否かを判断することができる。
【0230】
端末は、トラフィックルーティング情報(traffic routing information)を受信する(S1020)。トラフィックルーティング情報は、3GPPアクセスネットワークから伝送されることができる。
【0231】
トラフィックルーティング情報は、3GPPアクセスネットワークからのブロードキャストシグナリングによって端末に提供されることができる。例えば、3GPPアクセスネットワークは、トラフィックルーティング情報を含むシステム情報をブロードキャストすることができる。
【0232】
トラフィックルーティング情報は、3GPPアクセスネットワークからの専用シグナリングによって端末に提供されることができる。例えば、3GPPアクセスネットワークは、トラフィックルーティング情報を含むRRCメッセージを端末に伝送することができる。
【0233】
トラフィックルーティング情報は、端末がWLANアクセスネットワークにルーティングして処理できるトラフィックと、そうでないトラフィックとを区別するために使用され得る情報として実現されることができる。端末が3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックをルーティングしてWLANアクセスネットワークを介して処理することと決定したとき、端末は、トラフィックルーティング情報によってルーティングが許容されることと判断されたトラフィックをWLANアクセスネットワークを介して処理することができる。
【0234】
トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークへのルーティングを介して処理され得るトラフィックと関連した無線ベアラのリストを含むことができる。無線ベアラは、当該無線ベアラのベアラIDを含むことができる。
【0235】
トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークへのルーティングを介して処理されることが許容されない、すなわち、3GPPアクセスネットワークを介してのみ処理されるトラフィックと関連した無線ベアラのリストを含むことができる。無線ベアラリストは、当該無線ベアラのベアラIDを含むことができる。
【0236】
トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークへのルーティングを介してトラフィックが処理され得ることを指示する情報を含むことができる。
【0237】
端末は、WLAN探索を行い、発見されたWLANアクセスネットワークエンティティーが3GPPアクセスネットワーク上のトラフィックの処理が許容されるか否かを判断することができる(S1030)。端末がWLAN探索を行うことは、端末がWLANサービス情報を受信した場合に限って実行され得る。すなわち、端末は、WLANサービス情報を受信すれば、WLAN探索のためのWLANモジュールを駆動させることができ、これにより、WLAN探索を開始することができる。
【0238】
端末は、トラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであるか否かを判断するにあたって、WLANサービス情報を活用することができる。例えば、端末は、発見されたBSSのBSSIDがWLANサービス情報に含まれたBSSIDリストに含まれていると、当該BSSは、3GPPトラフィック処理が許容されたことと決定することができる。さらに他の例として、端末は、発見されたBSSの無線信号品質及び/又は負荷状況がWLANサービス情報に含まれた域値による条件を満たすか否かを判断し、満たしたときに、当該BSSは、3GPPトラフィック処理が許容されたことと決定することができる。発見されたBSSの無線信号が信号品質域値より高く、及び/又はBSSの負荷が負荷域値より低いと、条件が満たされたことと決定されることができる。端末は、前述した2つの条件のうち、1つのみ考慮するか、または2つの条件の両方を考慮してトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであるか否かを判断することができる。
【0239】
発見されたWLANアクセスネットワークエンティティーが3GPPトラフィックの処理が許容されることと決定されれば、端末は、当該WLANアクセスネットワークに接近することができる。ここで、WLANアクセスネットワークに接近することは、BSSのAPと認証/結合手順を行うことでありうる。
【0240】
発見されたWLANアクセスネットワークエンティティーが3GPPトラフィックの処理が許容されないことと決定されれば、端末は、全ての3GPPトラフィックを3GPPアクセスネットワークを介して処理することができる(S1060)。
【0241】
端末は、処理すべきトラフィックがWLANアクセスネットワークを介して処理が可能であるか否かを判断する(S1040)。端末は、WLANアクセスネットワークを介して処理が許容されるトラフィックであるか否かを判断するにあたって、トラフィックルーティング情報を活用することができる。
【0242】
端末は、トラフィックルーティング情報によってWLANアクセスネットワークを介した処理が可能なことと指示されるトラフィックをWLANアクセスネットワークにルーティングして処理することができる(S1050)。
【0243】
端末は、トラフィックルーティング情報によってWLANアクセスネットワークを介した処理が許容されないことと指示されるトラフィックを3GPPアクセスネットワークを介して処理することができる(S1060)。
【0244】
トラフィックルーティング情報が無線ベアラリストを含んでいる場合、端末は、現在処理すべきトラフィックと関連した無線ベアラIDが無線ベアラリストに含まれていると、当該トラフィックは、WLANアクセスネットワークを介した処理が可能なことと決定することができる。それに対し、無線ベアラIDが無線ベアラリストに含まれていないと、当該トラフィックは、WLANアクセスネットワークを介した処理が許容されないことと決定することができる。
【0245】
一方、端末が接近しているWLANアクセスネットワークエンティティーが、それ以上3GPPトラフィックの処理が許容されないようになると、端末は、WLANアクセスネットワークを介した3GPPトラフィックの処理を中断し、3GPPアクセスネットワークを介して全てのトラフィックを処理することができる。
【0246】
図10に示されたトラフィック処理方法において、トラフィックルーティング情報の受信は、WLANサービス情報受信後に行われることと図示されているが、これに限定されない。端末は、WLANサービス情報とともにトラフィックルーティング情報を受信することができる。端末は、3GPPトラフィックが可能なWLANアクセスネットワークを発見し、これに接近した後にトラフィックルーティング情報を受信することもできる。
【0247】
図11は、本発明の実施形態に係るトラフィック処理方法の一例を示す図である。
【0248】
図11に示すように、端末は、LTEを基盤とした通信及びWLANを基盤とした通信の両方を支援することと仮定し、LTE及びWLAN通信は、独立的になされることができると仮定する。端末は、LTE基盤のセル1にキャンプオンしているか、及び/又はセル1と連結を確立してサービスの提供を受けていることと仮定する。BSS1は、セル1のカバレッジ内に展開されたことと仮定する。
【0249】
端末は、セル1からWLANサービス情報を受信する(S1110)。WLANサービス情報は、セル1がブロードキャストするシステム情報に含まれて伝送されることができる。WLANサービス情報は、セル1からRRCメッセージに含まれて伝送されることができる。
【0250】
WLANサービス情報は、3GPPトラフィックの処理が許容されるWLANアクセスネットワークエンティティーリストを含むことができる。リストは、BSSIDリストとして少なくとも1つのBSSIDを含むことができる。本例示においてBSSIDリストは、BSS1のIDを含むことと仮定する。
【0251】
端末は、セル1からトラフィックルーティング情報を受信する(S1120)。トラフィックルーティング情報は、セル1がブロードキャストするシステム情報に含まれて伝送されることができる。トラフィックルーティング情報は、セル1からRRCメッセージに含まれて伝送されることができる。
【0252】
トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークを介して処理され得るトラフィックと関連した無線ベアラリストを含むことができる。無線ベアラリストは、WLANアクセスネットワークを介して処理され得るトラフィックと関連した無線ベアラのベアラIDが含まれ得る。
【0253】
図示されたところによれば、WLANサービス情報及びトラフィックルーティング情報は、別のシグナリングを介して端末に提供されるが、実施形態によっては、2つの情報は、端末に単一シグナリングを介して同時に提供されることができる。
【0254】
端末は、WLANアクセスネットワーク探索のためにスキャニングを行う(S1130)。端末によるWLANアクセスネットワーク探索は、端末がWLANサービス情報を受信した場合に限ってトリガーされ得る。端末は、WLANサービス情報を受信すれば、WLAN通信のためのWLANモジュールを駆動させることができる。
【0255】
WLAN探索のために端末は、手動スキャニングを行うことができる。手動スキャニングを介して端末は、BSS1のAPから伝送されるビーコンフレームを受信することにより、BSS1を発見することができる。ビーコンフレームには、BSS1のBSSID及びBSS1での運営のためのシステム情報が含まれ得る。
【0256】
端末は、WLANサービス情報に基づいてBSS1が3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであるか否かを判断する(S1140)。BSS1のBSSIDがWLANサービス情報に含まれたBSSIDリストに含まれているので、端末は、BSS1が3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであることと決定することができる。
【0257】
図示されていないが、端末は、追加的にBSS1の信号品質及び/又は負荷レベルとWLANサービス情報の域値とを比較してBSS1の3GPPトラフィック処理許容可否を決定することができる。このような追加的な判断は、WLANサービス情報に3GPPトラフィック処理のための無線環境と関連した域値がさらに含まれている場合に実行されるか、または域値が端末に予め提供/設定されている場合に実行され得る。BSS1の負荷レベルは、スキャニングを介して受信したBSS1のビーコンフレームのBSS負荷情報要素(BSS load information element)を介して端末に提供されることができる。例えば、BSS1の負荷レベルがWLANサービス情報の負荷域値より高ければ、端末は、BSS1が3GPPトラフィック処理が許容されないWLANアクセスネットワークであることと決定することができる。
【0258】
端末は、BSS1内でWLAN通信を行うために結合/認証手順を行う(S1150)。端末は、BSS1のAPと認証フレームを送受信し、結合要請フレーム、結合応答フレームを交換することにより、認証、結合手順を行うことができる。
【0259】
端末は、セル1及び/又はBSS1のAPを介してトラフィックを処理する(S1160)。端末は、トラフィックルーティング情報によってWLANアクセスネットワークを介して処理が許容されるトラフィックはAPを介して処理することができる。例えば、端末は、無線ベアラリスト内のベアラIDの無線ベアラと関連したトラフィックをWLANアクセスネットワークにルーティングさせてAPとのフレーム交換を介して処理することができる。それに対し、無線ベアラリストに含まれないベアラIDの無線ベアラと関連したトラフィックを3GPPアクセスネットワークを介して処理することができる。
【0260】
図11の例示は、3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワーク発見の際、端末が自動的に3GPP/WLANアクセスネットワークを介してトラフィックを処理する実施形態を図示した。
図11の例示においてトラフィックルーティング情報は、端末に予め提供されるので、端末は、3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワーク発見の際、自動的にトラフィック処理を開始することができた。
【0261】
図11の例示とは異なり、トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークを介したトラフィック処理が可能であると判断した端末の要請に対応して端末に提供されることができる。このような例示を
図12とともに説明する。
【0262】
図12は、本発明の実施形態に係るトラフィック処理方法の他の例示を示す図である。
【0263】
図12に示すように、端末は、LTEを基盤とした通信及びWLANを基盤とした通信の両方を支援することと仮定し、LTE及びWLAN通信は、独立的になされ得ることと仮定する。端末は、LTE基盤のセル1にキャンプオンしているか、及び/又はセル1と連結を確立してサービスの提供を受けていることと仮定する。BSS1は、セル1のカバレッジ内に展開されたことと仮定する。
【0264】
端末は、セル1からWLANサービス情報を受信する(S1210)。WLANサービス情報は、セル1がブロードキャストするシステム情報に含まれて伝送されることができる。WLANサービス情報は、セル1からRRCメッセージに含まれて伝送されることができる。
【0265】
WLANサービス情報は、3GPPトラフィックの処理が許容されるWLANアクセスネットワークエンティティーリストを含むことができる。リストは、BSSIDリストとして少なくとも1つのBSSIDを含むことができる。本例示においてBSSIDリストは、BSS1のIDを含むことと仮定する。
【0266】
端末は、WLANアクセスネットワーク探索のためにスキャニングを行う(S1220)。端末によるWLANアクセスネットワーク探索は、端末がWLANサービス情報を受信した場合に限ってトリガーされ得る。端末は、WLANサービス情報を受信すれば、WLAN通信のためのWLANモジュールを駆動させることができる。
【0267】
WLAN探索のために端末は、能動スキャニングを行うことができる。能動スキャニングのために端末は、プローブ要請フレームをブロードキャストすることができる(S1221)。プローブ要請フレームを受信したBSS1のAPは、これに対する応答としてプローブ応答フレームを端末に伝送する(S1222)。これにより端末は、BSS1を発見することができる。プローブ応答フレームには、BSS1のBSSID及びBSS1内のWLAN運営のためのシステム情報が含まれ得る。
【0268】
端末は、WLANサービス情報に基づいてBSS1が3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであるか否かを判断する(S1230)。BSS1のBSSIDがWLANサービス情報に含まれたBSSIDリストに含まれているので、端末は、BSS1が3GPPトラフィック処理が許容されるWLANアクセスネットワークであることと決定することができる。
【0269】
図示されていないが、端末は、追加的にBSS1の信号品質及び/又は負荷レベルとWLANサービス情報の域値とを比較してBSS1の3GPPトラフィック処理許容可否を決定することができる。このような追加的な判断は、WLANサービス情報に3GPPトラフィック処理のための無線環境と関連した域値がさらに含まれている場合に実行されるか、または域値が端末に予め提供/設定されている場合に実行され得る。BSS1の負荷レベルは、スキャニングを介して受信したBSS1のビーコンフレームのBSS負荷情報要素を介して端末に提供されることができる。例えば、BSS1の負荷レベルがWLANサービス情報の負荷域値より高ければ、端末は、BSS1が3GPPトラフィック処理が許容されないWLANアクセスネットワークであることと決定することができる。
【0270】
WLANアクセスネットワークにトラフィックをルーティングさせて処理できるように準備された端末は、3GPPアクセスネットワークにトラフィックルーティング情報を要請する(S1240)。このために、端末は、セル1にトラフィックルーティング情報要請を伝送する。トラフィックルーティング情報要請は、端末がWLANアクセスネットワークを介したトラフィック処理が準備されたことを指示することができる。
【0271】
3GPPアクセスネットワークは、端末からトラフィックルーティング情報要請を受信し、これに対する応答としてトラフィックルーティング情報を端末に伝送する(S1250)。この場合、トラフィック情報は、ブロードキャストされるシステム情報には含まれないことがある。トラフィックルーティング情報は、セル1から伝送されるRRCメッセージに含まれて専用シグナリングを介して端末に提供されることができる。
【0272】
トラフィックルーティング情報は、WLANアクセスネットワークを介して処理され得るトラフィックと関連した無線ベアラリストを含むことができる。無線ベアラリストは、WLANアクセスネットワークを介して処理され得るトラフィックと関連した無線ベアラのベアラIDが含まれ得る。
【0273】
端末は、BSS1内でWLAN通信を行うために結合/認証手順を行う(S1260)。端末は、BSS1のAPと認証フレームを送受信し、結合要請フレーム、結合応答フレームを交換することにより認証、結合手順を行うことができる。
【0274】
トラフィックルーティング情報を受信した端末は、直ちにセル1及び/又はBSS1のAPを介してトラフィックを処理することができる(S1270)。端末は、トラフィックルーティング情報によってWLANアクセスネットワークを介して処理が許容されるトラフィックをAPを介して処理することができる。例えば、端末は、無線ベアラリスト内のベアラIDの無線ベアラと関連したトラフィックをWLANアクセスネットワークにルーティングさせてAPとのフレーム交換を介して処理することができる。それに対し、無線ベアラリストに含まれないベアラIDの無線ベアラと関連したトラフィックを3GPPアクセスネットワークを介して処理することができる。
【0275】
本発明の実施形態に係るトラフィック処理方法によれば、基地局が無線ベアラのようなトラフィックルーティング情報を端末に提供し、端末は、トラフィックルーティング情報に基づいてトラフィックを選択的に処理することができる。既存の3GPPアクセスネットワークと非−3GPPアクセスネットワークとのインターワーキング方案であるANDSFを設置しなかった事業者またはANDSFを支援しない端末も、トラフィック別に3GPPアクセスネットワークまたは非−3GPPアクセスネットワークを介した選択的処理が可能でありうる。これは、より高いQoSを要求する端末のトラフィックに対しては3GPPアクセスネットワークを介して、そうでないトラフィックに対しては非−3GPPアクセスネットワークへのルーティングを介して処理させることにより、ユーザのQoSを保障し、3GPPアクセスネットワークの負荷を効果的に制御することを可能とすることができる。
【0276】
図13は、本発明の実施形態が実現され得る無線装置を示すブロック図である。この装置は、
図10〜
図12の実施形態において端末及び/又はネットワーク(基地局または他のネットワークエンティティー)を実現することができる。
【0277】
図13に示すように、無線装置1300は、プロセッサ1310、メモリ1320、及びRF部(radio frequency unit、1330)を備える。
【0278】
プロセッサ1310は、提案された機能、過程、及び/又は方法を実現する。プロセッサ1310は、本発明の実施形態に係る非−3GPPアクセスネットワークに対するサービス情報及びトラフィックルーティング情報を受信するように設定される。プロセッサ1310は、発見された非−3GPPアクセスネットワークエンティティーが3GPPトラフィックの処理が許容されるか否かを非−3GPPアクセスネットワークサービス情報を介して判断するように設定される。プロセッサ1310は、トラフィックルーティング情報に基づいて3GPPトラフィックを3GPP/非−3GPPアクセスネットワークを介して処理するように設定される。プロセッサ1310は、
図10〜
図12を参照して上述した本発明の実施形態を実行するように設定され得る。
【0279】
RF部1330は、プロセッサ1310と連結されて無線信号を送受信する。RF部1330は、3GPP基盤のアクセスネットワークの通信及び非−3GPP基盤のアクセスネットワークの通信のための1つ以上のRF部を備えることができる。
【0280】
プロセッサ1310は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、及び/又はデータ処理装置を備えることができる。
図13において単一プロセッサ1310は、各アクセスネットワーク通信のための全てのRF部に対して制御管理するように図示されているが、本発明に係る無線装置はこれに限定されない。各アクセスネットワーク通信のためのそれぞれのRF部は、それぞれのプロセッサと機能的に結合される実施形態も可能でありうる。
【0281】
メモリ1320は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、保存媒体、及び/又は他の保存装置を備えることができる。RF部1330は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を備えることができる。実施形態がソフトウェアで実現されるとき、上述した技法は、上述した機能を果たすモジュール(過程、機能など)で実現されることができる。モジュールはメモリ1320に保存され、プロセッサ1310により実行されることができる。メモリ1320は、プロセッサ1310の内部または外部にありうるし、よく知られた様々な手段でプロセッサ1310と連結されることができる。
【0282】
上述した例示的なシステムにおいて、方法は、一連のステップまたはブロックとして順序図に基づいて説明されているが、本発明は、ステップ等の順序に限定されるものではなく、あるステップは、上述したところと異なるステップと異なる順序でまたは同時に発生することができる。また、当業者であれば、順序図に示したステップが排他的でなく、他のステップが含まれたり、順序図の1つまたはそれ以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除され得ることが理解できるであろう。