(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通信手段は、所定の時間に、前記登録された相手局IDを有する相手局へ、該相手局IDに対応付けられて登録されている成否情報を自局IDと共に送信する、請求項1に記載の無線通信装置。
前記発着呼検出手段は、発着呼を検出した場合に発着呼の発生時間を取得し、前記取得した相手局IDに対応付けて、前記成否情報および取得した発生時間を前記記憶手段に登録し、
前記情報受付手段は、前記相手局IDと共に成否情報および発生時間を受信した場合、前記受信した相手局ID、成否情報および発生時間を前記記憶手段に登録し、
前記通信手段は、前記登録された相手局IDを有する相手局へ、該相手局IDに対応付けられて登録されている成否情報および発生時間を自局IDと共に送信する、
請求項2に記載の無線通信装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態に係る無線通信システムの構成図を
図1に示す。
【0015】
本実施形態に係る無線通信システム10は、
図1に示すように、固定通信端末装置20と基地局通信装置30を備える。固定通信端末装置20と基地局通信装置30は、無線通信システム10が運用中、双方で発着呼の発生と電源断の発生を監視し、発着呼および電源断に関する情報を取得する。そして、双方で取得した該情報をお互いに共有し合うことで、固定通信端末装置20では、CS−ID(Cell Station−ID)毎の発着呼率と、下り側経路および上り側経路で行われる通信を加味した、発着呼および電源断に関する情報を生成する。また、基地局通信装置30では、PS−ID(Personal Station−ID)毎の発着呼率と、下り側経路および上り側経路で行われる通信を加味した、発着呼および電源断に関する情報を生成する。なお、発着呼率とは、発着呼の発生回数に対する呼確立の成功回数の割合のことであり、無線通信システム10の通信品質を評価する一つの指標である。
【0016】
本実施形態に係る固定通信端末装置20のブロック図を
図2に示す。
図2に示すように、固定通信端末装置20は、電源部21と、発着呼監視部22と、電圧監視部23と、タイマー部24と、RSSI監視部25と、記憶部26と、CPU27と、表示部28と、通信部29と、を備える。なお、基地局通信装置30も固定通信端末装置と同様の機能を備える。
【0017】
電源部21は、固定通信端末装置20の電源がオンされると、固定通信端末装置20の各部へ電力の供給を開始する。
【0018】
発着呼監視部22は、発着呼の発生を検出するために、CPU27と通信部29間の制御信号を監視する。そして、発着呼の発生を検出した場合、該発着呼に対する相手局のCS−IDと、発着呼確立の成否情報を取得し、記憶部26に出力するとともに、タイマー部24およびRSSI監視部25に発着呼の発生を通知する。なお、発着呼監視部22の詳細については後述する。
【0019】
電圧監視部23は、電源断の発生を検出するために、電源部21の電圧を監視する。そして、電源断の発生を検出した場合、タイマー部24に電源断の発生を通知する。また、電源断からの復旧を検出すると、電圧監視部23は、タイマー部24に電源断からの復旧を通知する。なお、電圧監視部23は個別に予備バッテリーを備えており、電源断が発生しても動作を継続することができる。
【0020】
タイマー部24は、発着呼監視部22から発着呼発生の通知を受けると発着呼の発生時間を取得し、記憶部26に出力する。また、電圧監視部23から電源断発生の通知を受けると電源断の発生時間を、電源断からの復旧通知を受けると電源断からの復旧時間を取得し、記憶部26に出力する。なお、タイマー部24は個別に予備バッテリーを備えており、電源断が発生しても動作を継続することができる。
【0021】
RSSI監視部25は、相手局のRSSIの監視を行い、発着呼監視部22から発着呼発生の通知を受けると、該発着呼に対する相手局のRSSI情報を記憶部26に出力する。なお、RSSI情報とは
図3に示すように、例えば、閾値1と閾値2を設け、発着呼発生前後の時間において、相手局のRSSIが、閾値1≦RSSI≦閾値2であれば安定、それ以外の値であれば不安定と判定した情報のことを言う。さらに、RSSI監視部25は、後述するCPU27からRSSI判定依頼が入力された場合、その依頼に基づいてRSSIの判定を行う。
【0022】
記憶部26は、発着呼監視部22、タイマー部24、RSSI監視部25、CPU27から出力された発着呼および電源断に関する情報を記憶する。また、記憶部26は、CPU27から発着呼および電源断に関する情報の読み出しを要求された場合、該情報をCPU27に出力する。また、表示部28から後述するテーブル情報の読み出しを要求された場合、該テーブル情報を表示部28に出力する。
【0023】
CPU27は、記憶部26に対し、発着呼および電源断に関する情報の読み出し要求を行い、該情報を記憶部26から取得する。そして、該取得した情報をテーブル化し、
図4に示すようなテーブル情報を生成し、記憶部26と通信部29に出力する。また、CPU27は、通信部29から、通信部29が相手局から受信したテーブル情報を受信すると、該テーブル情報を自局で生成したテーブル情報に追加し、CS−ID毎の発着呼率を算出する。そして、前記自局で生成したテーブル情報に相手局が生成したテーブル情報を追加したテーブル情報と、前記算出した発着呼率を
図5に示すように、記憶部26に出力する。なお、
図5のテーブル情報は、
図4のテーブル情報と比較して、相手局からの着呼の失敗情報と発着呼率を含む点で違いがある。
【0024】
表示部28は、ユーザからテーブル情報の表示要求を受けると、記憶部26に対し、テーブル情報の読み出し要求を行い、該テーブル情報を記憶部26から取得する。そして該取得したテーブル情報をディスプレイ上に表示させる。
【0025】
通信部29は、CPU27からテーブル情報を受信すると、該テーブル情報内のCS−ID宛に該テーブル情報を送信する。また、相手局からテーブル情報を受信すると、該テーブル情報をCPU27に出力する。
【0026】
発着呼監視部22について詳細に説明する。
図6は発着呼監視部22のブロック構成図である。本実施形態の発着呼監視部22は、発着呼検出部221と相手局ID検出部222を有する。
【0027】
発着呼検出部221は、CPU27と通信部29間の制御信号を監視し、発着呼の発生を検出した場合、タイマー部24およびRSSI監視部25に発着呼の発生を通知する。さらに、発着呼検出部221は、発着呼が成功したか否かの判定を行い、発着呼確立の成否情報を取得する。そして、該発着呼確立の成否情報を記憶部26に出力する。
【0028】
相手局ID検出部222は、発着呼検出部221において発着呼の発生が検出されると、該発着呼に対する相手局のCS−IDを取得する。そして、該CS―IDを記憶部26に出力する。
【0029】
ここで、基地局通信装置30の構成および動作に関しては、発着呼発生時に取得する相手局のIDが固定通信端末装置20固有のIDであるPS−IDになるだけで、それ以外は、上記で説明した固定通信端末装置20と同様であるため、説明は省略する。なお、基地局通信装置30で生成されるテーブル情報の一例を
図7に示す。
【0030】
次に本実施形態の無線通信システム10における固定通信端末装置20および基地局通信装置30の動作例を説明する。
【0031】
まずはじめに、
図8を参照しながら、電源断発生の監視動作について詳細に説明する。
【0032】
電源部21は、電源がオンされると固定通信端末装置の各部に電力を供給し、各部の動作を開始させる(S100)
電力が供給されると、電源監視部23は電源オフの状態から電源断監視状態へ移行し、電源部21の電圧の監視を開始する(S101)。
【0033】
電源断の発生が検出されると(S102のYES)、電源監視部23は、電源断の発生をタイマー部24に通知する。タイマー部24は該通知を受けると、電源断の発生時間を取得し(S103)、記憶部26に出力する。なお、電源監視部23は、電源断の発生後も、電源部21の電圧を継続して監視する。
【0034】
電源断からの復旧が検出されると(S104のYES)、電源監視部23は、電源断からの復旧をタイマー部24に通知する。タイマー部24は該通知を受けると、電源断からの復旧時間を取得し(S105)、記憶部26に出力する。そして、動作フローはS102へ戻り、電源監視部23は電源断発生の監視を再開する。
【0035】
なお、電源断が発生すると電源部21からの電力供給はストップするが、電源監視部23、タイマー部24は予備バッテリーにより、動作を行うことができる。
【0036】
次に、
図9を参照しながら、発着呼発生の監視動作について、詳細に説明する。
【0037】
電源部21は、電源がオンされると固定通信端末装置の各部に電力を供給し、各部の動作を開始させる(S200)。
【0038】
電力が供給されると、発着呼監視部22は電源オフの状態から発着呼監視状態へ移行し、CPU27と通信部29間の制御信号の監視を開始する(S201)。
【0039】
発着呼の発生が検出されると(S202のYES)、発着呼監視部22は、該発着呼に対する相手局のCS−IDと発着呼確立の成否情報を取得し(S203)、記憶部26に出力するとともに、発着呼の発生をタイマー部24およびRSSI監視部25に通知する。
【0040】
タイマー部24は、発着呼監視部22から前記通知を受けると、発着呼の発生時間を取得し(S204)、記憶部26に出力する。
【0041】
また、RSSI監視部25は、発着呼監視部22から前記通知を受けると、相手局のRSSIを計測し、安定か否かの判定を行い、その判定結果を記憶部26に出力する(S205)。そして、動作フローはS202に戻り、発着呼監視部22は、CPU27と通信部29間の制御信号の監視を開始する。
【0042】
次に、
図10を参照しながら、自局で取得した発着呼および電源断の情報を相手局へ送信する動作を詳細に説明する。なお、ここでは、自局を固定通信端末装置、相手局を基地局通信装置として説明を行うが、自局を基地局通信装置、相手局を固定通信端末装置としても同様の動作が行われる。
【0043】
タイマー部24は、上記発着呼および電源断の監視が一定時間行われたか否かを判定する(S300)。なお、一定時間とは10分間隔であったり1時間間隔であったりと、ユーザが適宜変更することができる。
【0044】
一定時間、発着呼および電源断の監視が行われると(S300のYES)、CPU27は、記憶部26に対して、発着呼および電源断に関する情報の読み出し要求を行い、該要求を受けた記憶部26は、発着呼および電源断に関する情報をCPU27に出力する(S301)。そして、CPU27は、前記記憶部26から出力された発着呼および電源断に関する情報をテーブル化し、
図4に示すようなテーブル情報を生成し(S302)、記憶部26に出力するとともに、RSSI判定依頼をRSSI監視部25へ出力する。
【0045】
RSSI監視部25は、前記RSSI判定依頼を受け取ると、S302で生成したテーブル情報内に記憶されているCS−IDの現時点でのRSSIを取得し、安定しているか否かを判定する(S303)。具体的には、テーブル情報内に記憶されているCS−IDの現時点でのRSSIが、
図3に示す閾値3以上ならば安定、閾値3未満ならば不安定と判定する。なお、閾値3の値および判定基準はユーザが適宜変更できる。例えば、取得したRSSIが、閾値3≦RSSI≦閾値2であれば安定、それ以外の値であれば不安定と判定することもできる。
【0046】
RSSIが不安定であった場合(S303のNO)、テーブル情報内に記録されているCS−IDのRSSIが安定になるまでS303を繰り返す。RSSIが安定であった場合(S303のYES)、RSSI監視部25は、RSSIが安定している旨をCPU27に通知する。CPU27は、該通知を受け取ると、S302で生成したテーブル情報を通信部29に出力する(S304)。
【0047】
通信部29は、前記出力されたテーブル情報を受信すると、該テーブル情報をテーブル情報内に記憶されているCS−ID宛に送信する(S305)。そして、動作フローは、S300に戻る。
【0048】
次に、
図11を参照しながら、CPU27が生成したテーブル情報内に、異なるCS−IDが複数個含まれている場合の相手局へのテーブル情報の送信動作を詳細に説明する。なお、S400、S401、S402は上記で説明したS300、S301、S302と同様の動作であるため、説明を省略する。
【0049】
S402で生成したテーブル情報内に異なるCS−IDが複数個含まれている場合、CPU27は、
図12に示すようにテーブル情報をCS−ID毎に分割する(S403)。なお、分割したテーブル情報の一つ一つを分割テーブル情報と呼ぶ。
【0050】
テーブル情報の分割が完了すると、CPU27は、複数ある分割テーブル情報の中から、CS−ID宛にまだ送信していない分割テーブル情報を1つ選択し(S404)、RSSI監視部25にRSSI判定依頼を出力する。
【0051】
RSSI監視部25は、RSSI判定依頼を受け取ると、選択した分割テーブル情報内に記録されているCS−IDの現時点でのRSSIを取得し、安定しているか否かを判定する(S405)。なお、ここでの判定は、S303で行った判定と同様の方法を用いる。
【0052】
RSSIが不安定であった場合(S405のNO)、RSSI監視部25は、テーブル情報内に記録されているCS−IDのRSSIが安定になるまでS405を繰り返す。
【0053】
RSSIが安定であった場合(S405のYES)、RSSI監視部25は、RSSIが安定している旨をCPU27に通知する。CPU27は、この通知を受け取ると、S404で選択した分割テーブル情報を通信部29に出力する(S406)。
【0054】
通信部29は、CPU27から出力された分割テーブル情報を受信すると、該分割テーブル情報を該分割テーブル情報内に記憶されているCS−ID宛に送信する(S407)。
【0055】
分割テーブル情報の送信完了後、CPU27は複数ある分割テーブル情報内に、未送信の分割テーブル情報があるか否かを判定する(S408)。
【0056】
複数ある分割テーブル情報内に、未送信の分割テーブル情報がある場合(S408のYES)、S404に戻る。逆に、複数ある分割テーブル情報内に、未送信の分割テーブル情報がない場合(S408のNO)、動作フローはS400に戻る。
【0057】
次に、
図13を参照しながら、相手局で生成されたテーブル情報を受信する動作について詳細に説明する。
【0058】
電源部21は、電源がオンされると固定通信端末装置の各部に電力を供給し、各部の動作を開始させる(S500)
電力が供給されると、通信部29は電源オフの状態から待機状態へ移行する(S501)。
【0059】
そして、通信部29は、待機状態の時に 相手局からテーブル情報が送信され、該テーブル情報を受信すると(S502のYES)、該テーブル情報をCPU27に出力する(S503)。
【0060】
CPU27は、前記通信部29から出力されたテーブル情報を受信すると、記憶部26に対して、自局で生成したテーブル情報の読み出し要求を行う。該要求を受けた記憶部26は自局で生成したテーブル情報をCPU27に出力する。そして、CPU27は、記憶部26から出力された自局で生成したテーブル情報に、前記通信部29から出力された相手局で生成されたテーブル情報を追加し、発着呼率を算出する(S504)。さらに、CPU27は、自局で生成したテーブル情報に相手局で生成されたテーブル情報を追加したテーブル情報と、発着呼率を
図5に示すように記憶部26に出力する(S505)。
【0061】
S505終了後、動作フローはS502に戻る。
【0062】
最後に、
図14を参照しながら、ユーザがテーブル情報を表示部に表示させる動作を説明する。
【0063】
電源部21は、電源がオンされると固定通信端末装置の各部に電力を供給し、各部の動作を開始させる(S600)。
【0064】
電力が供給されると、表示部28は電源オフ状態から待受状態に移行し、ディスプレイに待受画面等を表示する(S601)。
【0065】
そして、ユーザからテーブル情報の表示要求があると(S602のYES)、表示部28は、記憶部26に対して、テーブル情報の読出し要求を行い、該要求を受けた記憶部26は、テーブル情報を表示部28に出力する(S603)。
【0066】
表示部28は、記憶部26からテーブル情報を受信すると、該テーブル情報をディスプレイ上に表示する(S604)。S604終了後、動作フローはS600に戻る。
【0067】
以上のように、本発明に係る無線通信システム10は、固定通信端末装置20と基地局通信装置30の双方で、発着呼発生と電源断発生の監視を行い、発着呼および電源断に関する情報を取得し、テーブル情報を生成する。そして、双方で生成したテーブル情報をお互いに共有し合うことで、固定通信端末装置20では、CS−ID毎の発着呼率と、下り側経路および上り側経路で行われる通信を加味したテーブル情報を生成し、基地局通信装置30では、PS−ID毎の発着呼率と、固定通信端末20同様、下り側経路および上り側経路で行われる通信を加味したテーブル情報を生成する。その結果、該生成した発着呼率とテーブル情報によって、無線信システム10における、下り側経路および上り側経路で行われる通信の通信品質を正確に把握することができ、無線通信システム全体の通信品質を正確に評価することが可能になる。
【0068】
また、本発明に係る無線通信システム10は、固定通信端末装置20および基地局通信装置30おいて、発着呼および電源断に関する情報をテーブル化し、テーブル情報を生成する。その結果、発着呼発生時におけるRSSI情報や電源断の発生情報等の無線通信システムの通信品質を評価する複数の情報を、各々関連付けて確認することができるようになる。このため、発着呼の失敗が、固定通信端末装置20や基地局通信装置30の故障といった内的要因に起因するものなのか、マルチパスフェージングや通信設備の周囲で発生したノイズ、停電といった外的要因に起因するものなのかを容易に判断することが可能になる。
【0069】
さらに、本発明に係る無線通信システム10は、固定通信端末装置20および基地局通信装置30おいて、ユーザからのテーブル情報の表示要求を受けると、生成したテーブル情報をディスプレイに表示させる。従って、本発明に係る無線通信システム10は、ユーザに対して、無線通信システムにおける通信品質を容易に提供できる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、固定通信端末装置20および基地局通信装置30が有するCPU内部に、発着呼監視部を追加する以外、上記第1の実施形態の構成と同じである。なお、上記第1の実施形態と同一の構成および機能を有する部分については、説明を省略する。
【0071】
本発明の第2の実施形態に係る固定通信端末装置20Bのブロック図を
図15に示す。
【0072】
発着呼率監視部271は、CPU27Bが求めた発着呼率と、閾値との比較を行い、通信品質の良し悪しを判定する。例えば、該求めた発着呼率が、90%≦発着呼率であれば高通信品質、発着呼率<90%であれば低通信品質と判定する。なお、閾値は適宜変更することができる。
【0073】
CPU27Bは、発着呼率監視部271において、低通信品質と判定された場合、低通信品質情報を生成し、表示部28に出力する。
【0074】
表示部28は、CPU27Bから低通信品質情報を受信すると、ディスプレイ上に該低通信品質情報を表示する。
【0075】
上記構成にすることで、本発明の第2の実施形態に係る無線通信システム10Bおいて、ユーザは、通信品質の低下を随時把握することができるため、無線通信システム10Bの保守および運用を効率的に行うことが可能になる。
【0076】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。
【0077】
本実施形態に係る無線通信ネットワークシステム100のシステム構成図を
図16に示す。
【0078】
本実施形態に係る無線通信ネットワークシステム100は、
図16に示すように、複数の固定通信端末装置20a〜20fと複数の基地局通信装置30a〜30cとからなる無線通信システム10a〜10cと、公衆通信網40と、保守・運用サーバ50と、を備える。なお、本実施形態の固定通信端末装置20a〜20fには、上記第2の実施形態で説明した固定通信端末装置20Bを適用する。また、本実施形態の固定通信端末装置と、基地局通信装置、無線通信システムの数は適宜変更可能である。以下、本実施形態では、第2の実施形態において、既に説明した部分と同様の構成および機能を有する部分には同一符号を付し、説明は省略する。
【0079】
固定通信端末装置20a〜20fは、上記第2の実施形態同様、テーブル情報と、発着呼率、低通信品質情報を生成し、該低通信品質情報ついては表示部で表示する。
【0080】
基地局通信装置30a〜cは、上記第2の実施形態同様、テーブル情報と、発着呼率、低通信品質情報を生成し、該低通信品質情報ついては表示部で表示する。それに加え、基地局通信装置の図示しないCPUは、前記生成したテーブル情報、発着呼率、低通信品質情報を基地局通信装置の図示しない通信部に出力する。通信部は該出力されたテーブル情報、発着呼率、低通信品質情報をCPUから受信すると、公衆通信網40を介して保守・運用サーバ50に出力する。
【0081】
公衆通信網40は、不特定多数の利用者を目的とした通信回線のことである。例えば、一般加入電話のための通信網などがこれに該当する。
【0082】
保守・運用サーバ50は、基地局通信装置30a〜30cから公衆通信網40を介して出力された前記テーブル情報と、発着呼率、低通信品質情報を受信すると、出力元の基地局通信装置が属す無線通信システムごとに、テーブル情報と、発着呼率、低通信品質情報を整理して記憶する。
【0083】
本発明の第3の実施形態に係る無線通信ネットワークシステム100は、上記構成とすることで、保守・運用サーバ50において、各無線通信システム10a〜10cで生成されたテーブル情報と、発着呼率、低通信品質情報を一括管理することができる。その結果、遠隔地に多数構築された無線通信システムの情報を現地に赴くことなく収集することが可能になる。
【0084】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について説明する。
【0085】
本実施形態に係る無線通信装置60のブロック構成図を
図17に示す。
【0086】
本実施形態に係る無線通信装置60は、
図17に示すように、通信手段61と、記憶手段62と、発着呼検出手段63と、情報受付手段64と、評価手段65と、を備える。
【0087】
通信手段61は、無線通信によって相手局と所定の情報を送受信する。
【0088】
記憶手段62は、相手局IDに対応付けられた成否情報が登録される。
【0089】
発着呼検出手段63は、発着呼を検出した場合に、この発着呼についての相手局IDを取得するとともに、検出した発着呼の成否を判定し、その判定結果を成否情報として相手局IDに対応付けする。そして、相手局IDおよび成否情報を記憶手段に登録する。
【0090】
情報受付手段64は、通信手段61が、相手局から相手局IDおよび成否情報を受信した場合、受信した相手局IDおよび成否情報を記憶手段62に登録する。
【0091】
評価手段65は、記憶手段62に登録されている成否情報に基づき通信品質を評価する。
【0092】
次に、
図18を参照しながら、本実施形態に係る無線通信装置60の動作について説明する。
【0093】
発着呼検出手段63は、発着呼を検出した場合、この発着呼についての相手局IDを取得するとともに、検出した発着呼の成否を判定し、その判定結果を成否情報として相手局IDに対応付けする。そして、相手局IDおよび成否情報を記憶手段62に登録する(S700)。
【0094】
情報受付手段64は、通信手段61が、相手局から相手局IDと共に成否情報を受信した場合、受信した相手局IDおよび成否情報を記憶手段62に登録する(S701)。
【0095】
評価手段65は、記憶手段62に登録されている成否情報に基づき通信品質を評価する(S702)。S702終了後、動作フローは終了する。
【0096】
上記構成とすることで、本発明に係る無線通信装置60は、下り側経路および上り側経路の通信における通信品質を把握し、無線通信システム全体の通信品質を正確に評価することができる。