特許第6072746号(P6072746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECプラットフォームズ株式会社の特許一覧

特許6072746アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム
<>
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000002
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000003
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000004
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000005
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000006
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000007
  • 特許6072746-アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072746
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】アクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/38 20090101AFI20170123BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20170123BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20170123BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20170123BHJP
   H04W 76/06 20090101ALI20170123BHJP
【FI】
   H04W36/38
   H04W84/10 110
   H04W84/12
   H04W88/06
   H04W76/06
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-197035(P2014-197035)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-72671(P2016-72671A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】外岡 洋一
【審査官】 深津 始
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−039279(JP,A)
【文献】 特開2015−231057(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/136876(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/072102(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 −H04B 7/26
H04W 4/00 −H04W 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LAN通信を介して通信端末と接続する無線LAN通信部と、
前記通信端末のMACアドレスと、前記通信端末が近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される近距離無線通信アドレスとを関連づけて管理する管理部と、
を備え、
前記無線LAN通信部は、
前記通信端末が他のアクセスポイント装置と前記近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを受信すると、前記近距離無線通信アドレスと関連付けられた前記MACアドレスを特定し、前記MACアドレスに該当する前記通信端末との接続を解除する、アクセスポイント装置。
【請求項2】
前記管理部は、
前記通信端末が自アクセスポイント装置と前記近距離無線通信を介して接続した際に、前記近距離無線通信アドレスを受け取り、前記通信端末を識別するMACアドレスと、前記通信端末を識別する前記近距離無線通信アドレスとを関連付けることを指示する指示情報を受け取ると、前記通信端末を識別する前記MACアドレスと、前記通信端末を識別する前記近距離無線通信アドレスとを関連付けて管理する、請求項1に記載のアクセスポイント装置。
【請求項3】
受信したデータが、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを含むデータであるか否かを判定する解析部をさらに備える、請求項1又は2に記載のアクセスポイント装置。
【請求項4】
無線LAN通信エリアを形成する無線LAN通信部と、
前記無線LAN通信部において形成された前記無線LAN通信エリアに含まれる近距離無線通信エリアを形成し、前記近距離無線通信エリア内に移動してきた通信端末と、前記通信端末を識別するための近距離無線通信アドレスを使用して近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、
前記近距離無線通信アドレスに関連付けられたMACアドレスにより特定される前記通信端末と他のアクセスポイント装置との間の無線LAN通信を介した接続を解除させるために、前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを前記他のアクセスポイント装置へ送信するWAN通信部と、を備えるアクセスポイント装置。
【請求項5】
前記無線LAN通信部は、
前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを受信した前記他のアクセスポイント装置において前記無線LAN通信を解除された前記通信端末から送信された接続要求に応じて、前記通信端末と前記無線LAN通信を介して接続する、請求項4に記載のアクセスポイント装置。
【請求項6】
前記WAN通信部は、
複数のアクセスポイント装置へ、前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを送信する、請求項4又5に記載のアクセスポイント装置。
【請求項7】
通信端末と無線LAN通信を介して接続している第1のアクセスポイント装置と、
前記第1のアクセスポイント装置の周辺に位置する第2のアクセスポイント装置と、を備える無線LAN通信システムであって、
前記通信端末が前記第2のアクセスポイント装置が形成する近距離無線通信エリアに移動し、前記第2のアクセスポイント装置と、前記通信端末を識別するための近距離無線通信アドレスを使用して近距離無線通信を行うと、
前記第2のアクセスポイント装置は、
前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを前記第1のアクセスポイント装置へ送信し、
前記第1のアクセスポイント装置は、
前記通信端末のMACアドレスと、前記通信端末が前記近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される前記近距離無線通信アドレスとを関連づけて管理し、
前記通信端末の前記近距離無線通信アドレスを受信すると、前記近距離無線通信アドレスと関連付けられた前記MACアドレスを特定し、前記MACアドレスに該当する前記通信端末との接続を解除する、通信システム。
【請求項8】
無線LAN通信を介して通信端末と接続し、
前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末を識別するために使用される近距離無線通信アドレスを受信し、
前記通信端末のMACアドレスと、前記通信端末が前記近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される前記近距離無線通信アドレスとを関連づけて管理する管理部を用いて、前記近距離無線通信アドレスと関連付けられた前記MACアドレスを特定し、
前記MACアドレスに該当する前記通信端末との接続を解除する、無線LAN通信接続解除方法。
【請求項9】
無線LAN通信を介して通信端末と接続し、
前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末を識別するために使用される近距離無線通信アドレスを受信し、
前記通信端末のMACアドレスと、前記通信端末が前記近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される前記近距離無線通信アドレスとを関連づけて管理する管理部を用いて、前記近距離無線通信アドレスと関連付けられた前記MACアドレスを特定し、
前記MACアドレスに該当する前記通信端末との接続を解除することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラムに関し、例えば通信装置の接続先のアクセスポイント装置を切り替えを可能とするアクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)エリアを拡張するために、複数のアクセスポイント装置(Access Point:AP)を設置する事が増えている。その一方で、アクセスポイント装置を複数台設置することにより、次のような弊害も発生している。例えば、家庭内に構築された無線LANエリアにおいて、リビングと寝室とにアクセスポイント装置が設置されている環境を考える。
【0003】
ユーザーが、スマートフォンをリビングにおいて使用すると、スマートフォンはリビングに設置されたアクセスポイント装置に接続する。その後、ユーザーがスマートフォンを持って寝室に移動した場合、スマートフォンは、寝室のアクセスポイント装置に接続し直されることが理想である。しかし、多くのスマートフォンは、ユーザー操作を伴う接続先アクセスポイント装置の切り替え作業が必要であり、自動で切り替える機能は搭載されていない。よって、アクセスポイント装置は、寝室へ移動した後であっても、リビングに設置されている遠くのアクセスポイント装置に接続し続けてしまう。
【0004】
その結果、スマートフォンは、近くに電波強度が強く、高い通信品質が期待できるアクセスポイント装置が設置されているにも関わらず、遠くの電波強度が弱く、低い通信品質のアクセスポイント装置に接続し続けてしまう。
【0005】
特許文献1には、無線デバイスが、第1の無線通信システムの有効範囲エリアから第2の無線通信システムの有効範囲エリアへ移動したことを検出し、第2の無線通信システムへの登録を開始することが開示されている。このように、無線デバイスは、接続先の無線通信システムを切り替えることによって、近くのアクセスポイント装置に接続することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2007−503759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、無線デバイスが、現在接続している無線通信システムとは異なる無線通信システムを検知する機能及び接続先の無線通信システムを切り替える機能を新たに有することが記載されている。しかし、無線デバイスに新たな機能を搭載することが必要となる場合、既に使用されている多くの無線デバイスは、現在接続している無線通信システムとは異なる無線通信システムを検知する機能及び接続先の無線通信システムを切り替える機能を実行することができないという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、既に広く普及している多くの無線デバイスに新たな機能を追加することなく、無線デバイスが、接続先の無線通信システムを切り替えることができるアクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様にかかるアクセスポイント装置は、無線LAN通信を介して通信端末と接続する無線LAN通信部と、前記通信端末の識別情報を管理する管理部と、を備え、前記無線LAN通信部は、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信すると、前記通信端末との接続を解除するものである。
【0010】
本発明の第2の態様にかかる通信システムは、通信端末と無線LAN通信を介して接続している第1のアクセスポイント装置と、前記第1のアクセスポイント装置の周辺に位置する第2のアクセスポイント装置と、を備える無線LAN通信システムであって、前記通信端末が前記第2のアクセスポイント装置が形成する近距離無線通信エリアに移動し、前記第2のアクセスポイント装置と近距離無線通信を行うと、前記第2のアクセスポイント装置は、前記通信端末の識別情報を前記第1のアクセスポイント装置へ送信し、前記第1のアクセスポイント装置は、前記通信端末の識別情報を受信すると、前記通信端末との接続を解除するものである。
【0011】
本発明の第3の態様にかかる無線LAN通信接続解除方法は、無線LAN通信を介して通信端末と接続し、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信し、前記通信端末との接続を解除するものである。
【0012】
本発明の第4の態様にかかるプログラムは、無線LAN通信を介して通信端末と接続し、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信し、前記通信端末との接続を解除することをコンピュータに実行させものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、既に広く普及している多くの無線デバイスに新たな機能を追加することなく、無線デバイスが、接続先の無線通信システムを切り替えることができるアクセスポイント装置、通信システム、無線LAN通信接続解除方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成図である。
図2】実施の形態2にかかる通信システムの構成図である。
図3】実施の形態2にかかるアクセスポイント装置の構成図である。
図4】実施の形態2にかかるSTA識別情報データベースが管理する情報を示す図である。
図5】実施の形態2にかかるアクセスポイント装置の構成図である。
図6】実施の形態2にかかるSTAの識別情報をアクセスポイント装置へ登録する処理の流れを示す図である。
図7】実施の形態2にかかるSTAが接続するアクセスポイント装置を切り替える処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。図1の通信システムは、通信端末1、アクセスポイント装置2及びアクセスポイント装置3を有している。
【0016】
本図においては、通信端末1が、アクセスポイント装置2と無線LAN通信を介して接続している状態において、アクセスポイント装置3の近傍に移動している様子を示している。アクセスポイント装置3の近傍は、例えば、通信端末1が、近距離無線通信を介して接続することができる範囲であってもよい。近距離無線通信を介して接続することができる範囲は、無線LAN通信を介して接続することができる範囲よりも狭い。通信端末1は、例えば、携帯電話端末、スマートフォン端末もしくは通信機能を有するコンピュータ装置等であってもよい。
【0017】
アクセスポイント装置2及びアクセスポイント装置3は、無線LAN通信エリアを形成する装置である。アクセスポイント装置2及びアクセスポイント装置3は、無線LAN通信においてSSID(Service Set Identifier)を管理する親機として動作する。無線LAN通信は、例えば、IEEE802.11において定められた通信規格を用いた通信である。
【0018】
次に、アクセスポイント装置2の構成例について説明する。アクセスポイント装置2は、通信端末1が現在無線LAN通信を介して接続している装置である。アクセスポイント装置2は、管理部11及び無線LAN通信部12を有している。
【0019】
無線LAN通信部12は、無線LAN通信を介して通信端末1と接続する。ここで、無線LAN通信部12が通信端末1と接続するとは、無線LAN通信部12が、通信端末1と通信可能な状態であることも含む。また、無線LAN通信部12が通信端末1と接続するとは、無線LAN通信部12と通信端末1とが、無線リンクを確立した状態であることも含む。
【0020】
管理部11は、通信端末1の識別情報を管理する。管理部11は、例えば、アクセスポイント装置2内のメモリであってもよく、アクセスポイント装置2に接続された記録装置等であってもよい。通信端末1の識別情報は、例えば、近距離無線通信において通信端末1を識別するためのアドレス情報であってもよく、その他、通信端末1を一意に識別することができる任意の情報であってもよい。任意の情報は、例えば、英数字等が組み合わせられた文字情報であってもよい。
【0021】
次に、通信端末1が、アクセスポイント装置3と近距離無線通信を行うことができるエリアへ移動した際のアクセスポイント装置2の動作について説明する。アクセスポイント装置2は、通信端末1がアクセスポイント装置3と近距離無線通信を介して接続した際に、アクセスポイント装置3から送信される通信端末1の識別情報を受信する。例えば、アクセスポイント装置2は、通信端末1の識別情報として、通信端末1が近距離無線通信を行う際に使用するアドレス情報を受信する。この場合、無線LAN通信部12は、管理部11を用いて、受信した識別情報が示す通信端末を特定することができる。次に、無線LAN通信部12は、特定した通信端末との間の無線LAN通信を介した接続を解除もしくは切断する。
【0022】
近距離無線通信を介して接続することができるエリアは、無線LAN通信を介して接続することができるよりも狭い。言い換えると、近距離無線通信を介してアクセスポイント装置3と接続することができるエリアは、アクセスポイント装置3の近傍に限定される。そのため、通信端末1が、アクセスポイント装置3と近距離無線通信を介して接続することができた場合、通信端末1は、アクセスポイント装置2よりもアクセスポイント装置3に近い位置に存在するといえる。
【0023】
以上説明したように、図1のアクセスポイント装置2は、通信端末1がアクセスポイント装置3の近傍へ移動したことを、アクセスポイント装置3から送信された通信端末1の識別情報を受信したことによって認識する。言い換えると、アクセスポイント装置2は、通信端末1が、アクセスポイント装置2よりもアクセスポイント装置3の近くに位置していることを認識することができる。
【0024】
アクセスポイント装置2が、通信端末1との無線LAN通信を介した接続を切断することによって、通信端末1は、周囲の電波を検索し、近くに存在するアクセスポイント装置3と無線LAN通信を介した接続を確立することができる。つまり、図1の通信システムを用いることによって、アクセスポイント装置2が他のアクセスポイント装置近傍へ移動した通信端末1との無線LAN通信を介した接続を解除することができるため、通信端末1は、アクセスポイント装置の再検索を実行することができる。アクセスポイント装置の再検索は、一般的に知られている技術である。そのため、通信端末1は、新たな機能を搭載することなく、近くに存在するアクセスポイント装置3へ接続しなおすことができる。
【0025】
(実施の形態2)
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。図2は、アクセスポイント装置(AP)2が、Bluetooth(登録商標)通信エリア201及びWLAN通信エリア(無線LAN通信エリア)202を形成し、アクセスポイント装置3が、Bluetooth通信エリア301及びWLAN通信エリア302を形成していることを示している。
【0026】
さらに、STA10が、アクセスポイント装置2と無線LAN通信を介して接続している状態において、アクセスポイント装置3とBluetooth通信を介して接続していることを示している。言い換えると、STA10は、WLAN通信エリア202内に位置し、かつ、Bluetooth通信エリア301内に位置している。STA10は、図1の通信端末1に相当する。さらに、図2においては、近距離無線通信の具体例としてBluetooth通信を用いている。さらに、図2は、WLAN通信エリア202の一部及びWLAN通信エリア302の一部が重複していることを示している。さらに、図2は、Bluetooth通信エリア201及びBluetooth通信エリア301が、アクセスポイント装置の近傍の狭いエリアに形成されるため、Bluetooth通信エリア201及びBluetooth通信エリア301が、重複していないことを示している。
【0027】
続いて、図3を用いて本発明の実施の形態2にかかるアクセスポイント装置2の構成例について説明する。アクセスポイント装置2は、STA10の移動に伴い、STA10との無線LAN通信を介した接続を解除する装置である。
【0028】
アクセスポイント装置2は、WAN(Wide Area Network) I/F21、WLAN I/F22、Bluetooth I/F23、フレーム解析部24、WLAN AP処理部25、STA識別情報データ生成部26、ユーザ設定I/F27及びWLAN切断制御部28を有している。
【0029】
WAN I/F21は、アクセスポイント装置2をネットワークに接続するための一般的なネットワークインタフェースである。アクセスポイント装置2が接続するネットワークは、家庭内ネットワーク等、ローカルネットワークであってもよい。アクセスポイント装置2は、ローカルネットワークを介してインターネット等他のネットワークに接続してもよい。
【0030】
WAN I/F21は、ネットワークから送信された通信データを受信すると、受信した通信データをフレーム解析部24へ出力する。また、WAN I/F21は、フレーム解析部24から出力された通信データを受け取ると、受け取った通信データをネットワークへ送信する。
【0031】
WLAN I/F22は、標準規格であるWi-Fi(Wireless Fidelity)に規定されるような、一般的なWLANインタフェース機能を提供する。Wi-Fiにおいては、例えば、IEEE802.11において規定される通信方式が用いられる。
【0032】
WLAN I/F22は、STA10と無線LAN通信を介して接続する。WLAN I/F22は、STA10から送信された通信データを受信すると、受信した通信データをWLAN AP処理部25へ出力する。また、WLAN I/F22は、WLAN AP処理部25から出力された通信データを受け取ると、受け取った通信データをSTA10へ送信する。
【0033】
WLAN I/F22は、WLAN切断指示部284からWLAN切断指示メッセージを受け取ると、STA10との間の無線LAN接続を切断する。また、WLAN I/F22は、STA10と無線LAN接続を確立すると、無線LAN通信において用いられるMACアドレスに関する情報をSTA識別情報データ生成部26へ出力する。
【0034】
Bluetooth I/F23は、Bluetooth通信を実行する一般的なインタフェース機能を提供する。Bluetooth I/F23は、STA10とBluetooth接続もしくはペアリングを確立すると、STA10のBluetoothアドレスに関する情報をSTA識別情報データ生成部26へ出力する。STA10のBluetoothアドレスは、STA10がBluetooth通信を行う際に、STA10を識別する情報として用いるアドレスである。
【0035】
フレーム解析部24は、WAN I/F21から出力された通信データを受け取る。フレーム解析部24は、受け取った通信データが通常の通信データである場合、通信データをWLAN AP処理部25へ出力する。フレーム解析部24は、受け取った通信データがSTA識別情報フレームである場合、通信データをSTA識別情報フレーム受信部281へ出力する。通常の通信データとは、例えば、STA10等を送信先とするテキストデータ、画像データもしくは動画データ等であってもよい。STA識別情報フレームは、STA10がアクセスポイント装置2とは異なる他のアクセスポイント装置とBluetooth接続を行った際に、他のアクセスポイント装置から送信されるSTA10のBluetoothアドレス情報を含むフレームである。STA識別情報は、近距離無線通信を行う際にSTAを識別するために用いられる情報の総称であり、Bluetoothアドレスを含む。
【0036】
フレーム解析部24は、WLAN AP処理部25から出力された通信データを受け取ると、受け取った通信データをWAN I/F21へ出力する。
【0037】
WLAN AP処理部25は、WLAN I/F22を介して接続しているSTA10が、アクセスポイント装置2を介してネットワークと通信することができるように、WLAN I/F22とフレーム解析部24との間の通信を中継する。
【0038】
STA識別情報データ生成部26は、WLAN I/F22から出力されたMACアドレスに関する情報と、Bluetooth I/F23から出力されたBluetoothアドレスに関する情報とを受け取る。この時点においては、STA識別情報データ生成部26は、受け取ったMACアドレスとBluetoothアドレスとが同一のSTAの識別情報であることを認識していない。
【0039】
STA識別情報データ生成部26は、ユーザ設定I/F27から出力された指示情報に基づいて、受け取ったMACアドレスとBluetoothアドレスとがSTA10の識別情報であることを認識する。STA識別情報データ生成部26は、受け取ったMACアドレス及びBluetoothアドレスと、STA10とを関連付けた組み合わせ情報をSTA識別情報DB283へ出力する。
【0040】
ユーザ設定I/F27は、例えばGUI(Graphical User Interface)を介してユーザから入力された情報を指示情報としてSTA識別情報データ生成部26へ出力する。ユーザ設定I/F27は、STA識別情報データ生成部26が受け取ったMACアドレスとBluetoothアドレスとをGUI上に表示してもよい。ユーザは、GUI上に表示されたMACアドレス及びBluetoothアドレスがSTA10を識別することを示す情報を入力する。
【0041】
次に、WLAN切断制御部28について説明する。WLAN切断制御部28は、STA識別情報フレーム受信部281、WLAN情報取得部282、STA識別情報DB283及びWLAN切断指示部284を有している。
【0042】
STA識別情報フレーム受信部281は、フレーム解析部24から出力されたSTA識別情報フレームを受け取る。STA識別情報フレーム受信部281は、STA識別情報フレームに、STA識別情報として設定されているBluetoothアドレスをWLAN情報取得部282へ出力する。
【0043】
WLAN情報取得部282は、STA識別情報フレーム受信部281から出力されたBluetoothアドレスを受け取ると、BluetoothアドレスをSTA識別情報DB283へ出力する。また、WLAN情報取得部282は、STA識別情報DB283から出力されたSTA10のMACアドレスを受け取ると、受け取ったMACアドレスをWLAN切断指示部284へ出力する。
【0044】
STA識別情報DB283は、STA識別情報データ生成部26から出力された、MACアドレス及びBluetoothアドレスと、STA10とを関連付けた組み合わせ情報を管理する。ここで、図4を用いてSTA識別情報DB283が管理する情報について説明する。STA識別情報DB283は、図4に示すように、STAと、Bluetoothアドレスと、MACアドレスとを関連づけて管理している。図4においては、STA識別情報DB283が、STA1〜STA10のそれぞれのBluetoothアドレスとMACアドレスとを管理していることを示している。
【0045】
図3に戻り、STA識別情報DB283は、WLAN情報取得部282から出力されたBluetoothアドレスを受け取る。STA識別情報DB283は、受け取ったBluetoothアドレスに関連づけられたMACアドレスを特定する。STA識別情報DB283は、特定したMACアドレスをWLAN情報取得部282へ出力する。
【0046】
WLAN切断指示部284は、WLAN情報取得部282から出力されたMACアドレスを受け取ると、WLAN I/F22に対して、受け取ったMACアドレスに該当するSTAとの接続を切断することを指示する切断指示メッセージを送信する。
【0047】
続いて、図5を用いて本発明の実施の形態2にかかるアクセスポイント装置3の構成例について説明する。アクセスポイント装置3は、STA10がアクセスポイント装置3の近傍に移動してきたことに伴い、STA10とBluetooth通信を介した接続を行う装置である
【0048】
アクセスポイント装置3は、WAN I/F31、WLAN I/F32、WLAN AP処理部33、Bluetooth I/F34及びSTA識別情報制御部35を有している。
【0049】
WAN I/F31は、アクセスポイント装置3をネットワークに接続するための一般的なネットワークインタフェースである。アクセスポイント装置3が接続するネットワークは、アクセスポイント装置2も接続されているローカルネットワークであってもよい。
【0050】
WAN I/F31は、ネットワークから送信された通信データを受信すると、受信した通信データをWLAN AP処理部33へ出力する。また、WAN I/F31は、WLAN AP処理部33から出力された通信データを受け取ると、受け取った通信データをネットワークへ送信する。
【0051】
WAN I/F31は、STA識別情報制御部35から出力されたSTA識別情報フレームを受け取ると、受け取ったSTA識別情報フレームをネットワークへ送信する。
【0052】
WLAN I/F32は、標準規格であるWi-Fi(Wireless Fidelity)に規定されるような、一般的なWLANインタフェース機能を提供する。
【0053】
WLAN I/F32は、STA10から送信された通信データを受信すると、受信した通信データをWLAN AP処理部33へ送信する。WLAN I/F32は、WLAN AP処理部33から出力された通信データを受け取ると、受け取った通信データをSTA10へ送信する。
【0054】
WLAN AP処理部33は、WLAN I/F32を介して接続しているSTA10が、アクセスポイント装置3を介してネットワークと通信することができるように、WLAN I/F32とWAN I/F31との間の通信を中継する。
【0055】
Bluetooth I/F34は、一般的なBluetoothインタフェース機能を提供する。Bluetooth I/F34は、STA10とBluetooth通信を介して接続すると、STA10のBluetoothアドレスをSTA識別情報制御部35へ出力する。
【0056】
次に、STA識別情報制御部35の構成例について説明する。STA識別情報制御部35は、STA識別情報取得部351、STA識別情報フレーム生成部352及びSTA識別情報フレーム送信部353を有している。
【0057】
STA識別情報取得部351は、Bluetooth I/F34から出力されたBluetoothアドレスを受け取る。STA識別情報取得部351は、受け取ったBluetoothアドレスをSTA識別情報として、STA識別情報フレーム生成部352へ出力する。
【0058】
STA識別情報フレーム生成部352は、STA識別情報取得部351から出力されたSTA識別情報を受け取る。STA識別情報フレーム生成部352は、受け取ったSTA識別情報を用いて、他のアクセスポイント装置へ送信するためのSTA識別情報フレームを生成する。例えば、STA識別情報フレームは、STA識別情報を含むIP/UDP(Internet Protocol/User Datagram Protocol)のような一般的な通信データの形式であってもよい。STA識別情報フレーム生成部352は、生成したSTA識別情報フレームをSTA識別情報フレーム送信部353へ出力する。
【0059】
STA識別情報フレーム送信部353は、STA識別情報フレーム生成部352から送信されたSTA識別情報フレームをWAN I/F31へ出力する。
【0060】
図3及び図5は、STA10をアクセスポイント装置2からアクセスポイント装置3へ切り替えることを可能とする構成について説明したが、一つのアクセスポイント装置が、図3及び図5の構成を有してもよい。図3及び図5の構成を有するアクセスポイント装置は、STA10の切り替え先及び切り替え元のアクセスポイント装置として動作することができる。
【0061】
続いて、図6を用いて、STA10の識別情報をアクセスポイント装置2へ登録する処理の流れについて説明する。STA10は、接続先アクセスポイント装置を切り替えられるようにするために、事前にアクセスポイント装置2のSTA識別情報DB283にSTA10のBluetoothアドレスとMACアドレスとを登録する必要がある。STA10は、以下に説明する手順によりBluetoothアドレスとMACアドレスとをSTA識別情報DB283に登録する。
【0062】
はじめに、STA10は、アクセスポイント装置2に対する無線LANアクセス処理を実行する(S11)。無線LANアクセス処理は、例えば、STA10が、アクセスポイント装置2によって形成される無線LAN通信エリア内へ移動した場合、もしくは、STA10が、アクセスポイント装置2によって形成される無線LAN通信エリア内において、電源を投入した場合、等に実行される。
【0063】
次に、アクセスポイント装置2のSTA識別情報データ生成部26は、WLAN I/F22から出力されたSTA10のMACアドレスを保持する(S12)。
【0064】
次に、STA10は、アクセスポイント装置2に対するBluetoothペアリング処理を実行する(S13)。Bluetoothペアリング処理は、例えば、STA10が、アクセスポイント装置2によって形成されるBluetooth通信エリア内へ移動した場合、もしくは、STA10が、アクセスポイント装置2によって形成されるBluetooth通信エリア内において、電源を投入した場合、等に実行される。
【0065】
次に、アクセスポイント装置2のSTA識別情報データ生成部26は、Bluetooth I/F23を介して出力されたSTA10のBluetoothアドレスを保持する(S14)。
【0066】
次に、ユーザ設定I/F27は、アクセスポイント装置2を操作するユーザからの情報入力を受け付けるGUIを表示する(S15)。次に、ユーザは、表示されたGUIを介して、STA10のMACアドレスとBluetoothアドレスとを組み合わせることを示す情報を入力する(S16)。例えば、ユーザは、STA10のMACアドレスとBluetoothアドレスとを選択し、STA10と選択した情報とを組み合わせるために、GUI上の登録ボタン等を押下してもよい。STA識別情報データ生成部26は、ユーザから入力された情報によって、STA10のMACアドレスとBluetoothアドレスとの組み合わせを把握することができる。STA識別情報データ生成部26は、STA10のMACアドレスとBluetoothアドレスとの組み合わせをSTA識別情報DB283へ出力する。
【0067】
図6に示す処理をSTA毎に実行することによって、STA識別情報DB283は、STA毎にMACアドレスとBluetoothアドレスとの組み合わせを保持することができる。
【0068】
また、アクセスポイント装置2が、ネットワークを介してSTA識別情報DB283のデータをアクセスポイント装置3へ送信することによって、STA10が、各アクセスポイント装置において同じ登録作業を行う手間を省くようしてもよい。また、STA識別情報DB283は、他のアクセスポイント装置からSTA毎にMACアドレスとBluetoothアドレスとの組み合わせを取得してもよい。
【0069】
続いて図7を用いて、STA10が接続するアクセスポイント装置を切り替える処理の流れについて説明する。はじめに、STA10は、アクセスポイント装置2に対する無線LANアクセス処理を実行する(S21)。次に、STA10は、アクセスポイント装置2から離れ、かつ、アクセスポイント装置3のBluetooth通信エリア301内へ移動する(S22)。次に、STA10は、アクセスポイント装置3に対するBluetoothアクセス処理を実行する(S23)。STA10がアクセスポイント装置3とBluetooth接続を行う時には、STA10とアクセスポイント装置3とは、互いに機器認証が完了しており、ペアリングが行われている状態とする。そのため、STA10がアクセスポイント装置3のBluetooth通信エリア301内へ移動すると、STA10は、自動的にアクセスポイント装置3へBluetoothアクセス処理を実行する。STA10とアクセスポイント装置3とのBluetooth接続が確立されると、STA識別情報取得部351は、STA10のBluetoothアドレスを取得する。次に、STA識別情報フレーム送信部353は、STA識別情報フレーム生成部352において生成されたSTA識別情報フレームを、ネットワークを介してアクセスポイント装置2へ送信する(S24)。STA識別情報フレームは、STA10のBluetoothアドレス情報を含む。
【0070】
アクセスポイント装置3は、マルチキャストフレームもしくはブロードキャストフレームとしてSTA識別情報フレームをネットワークへ送信してもよい。アクセスポイント装置3は、STA識別情報フレームをマルチキャストフレームもしくはブロードキャストフレームとして送信することによって、ネットワーク上の複数のAPに対してSTA識別情報フレームを送信することができる。言い換えると、アクセスポイント装置3は、STA10が、現在どのアクセスポイント装置に接続しているか否かを認識する必要はない。
【0071】
STA識別情報フレームを受信したアクセスポイント装置は、STA識別情報フレームに含まれるBluetoothアドレスによって識別されるSTAと無線LAN通信を介して接続しているか否かを認識することができる。アクセスポイント装置は、STA識別情報フレームに含まれるBluetoothアドレスによって識別されるSTAと無線LAN通信を介して接続していると判定した場合、無線LAN通信を解除し、STA識別情報フレームに含まれるBluetoothアドレスによって識別されるSTAと無線LAN通信を介して接続していないと判定した場合、STA識別情報フレームを廃棄してもよい。
【0072】
次に、アクセスポイント装置2のWLAN情報取得部282は、STA識別情報フレームに含まれるBluetoothアドレスに対応するMACアドレスをSTA識別情報DB283から抽出する(S25)。
【0073】
次に、WLAN切断指示部284は、WLAN情報取得部282から通知されたMACアドレスを有するSTA10との無線LAN接続を切断する(S26)。次に、STA10は、アクセスポイント装置2との無線LAN接続が切断されたことによって、他のアクセスポイント装置との無線LAN再接続を行う。この時、STA10は、例えば、アクセスポイント装置2よりもアクセスポイント装置3のほうが電波強度が強いと判定した場合、アクセスポイント装置3へ無線LAN接続(WLANアクセス)を行う(S27)。
【0074】
以上説明したように、図2の通信システムを用いることによって、アクセスポイント装置3は、STA10の移動を検知し、アクセスポイント装置2に対して、STA10との無線LAN接続を切断するよう促すことができる。これによって、STA10は、アクセスポイント装置2との無線LAN接続を切断した後、電波強度の強いアクセスポイント装置に対して接続しなおすことができる。
【0075】
また、STA10は、一般的に搭載されているBluetooth通信機能及び無線LAN通信機能のみを使用することによって、アクセスポイント装置の切り替えを行うことができる。そのため、既に市場に広く普及しているSTAに新たな機能を盛り込むことなく、アクセスポイント装置の接続先の自動切り替えを実現することができる。
【0076】
また、アクセスポイント装置においても、Bluetoothアドレス及びMACアドレスのように、一般的に、アクセスポイント装置において認識することができる情報を使用しているため、ファームウェアの更新のみでSTA10のアクセスポイント装置の切り替えを実現させることができる。つまり、アクセスポイント装置においては、新たなハードウェア設計が不要であり、ファームウェアの更新のみで対応することができる。
【0077】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、アクセスポイント装置2もしくはアクセスポイント装置3における処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0078】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0079】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態においては、近距離無線通信としてBluetooth通信を用いて説明したが、他の通信方式が用いられてもよい。例えば、近距離無線通信として、NFC(Near Field Communication)を用いてもよい。この場合、図3におけるBluetooth I/F23及び図4におけるBluetooth I/F34をNFC通信を可能とするNFC I/F等へ置き換えてもよい。このようにNFC I/Fを用いることによって、NFC通信を実行してもよい。また、アクセスポイント装置は、近距離無線通信として、Bluetooth通信及びNFC通信の両方の通信に対応していてもよい。この場合、アクセスポイント装置は、STAが対応している近距離無線通信方式に応じて、使用するI/Fを変更してもよい。
【0080】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0081】
(付記1)無線LAN通信を介して通信端末と接続する無線LAN通信部と、前記通信端末の識別情報を管理する管理部と、を備え、前記無線LAN通信部は、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信すると、前記通信端末との接続を解除する、アクセスポイント装置。
(付記2)前記管理部は、前記通信端末のMACアドレスと、前記通信端末が近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される近距離無線通信アドレスとを関連づけて管理する、付記1に記載のアクセスポイント装置。
(付記3)前記管理部は、前記通信端末が近距離無線通信を介して接続した際に、近距離無線通信アドレスを受け取り、前記通信端末を識別するMACアドレスと、前記通信端末を識別する近距離無線通信アドレスとを関連付けることを指示する指示情報を受け取ると、前記通信端末を識別するMACアドレスと、前記通信端末を識別する近距離無線通信アドレスとを関連付けて管理する、付記2に記載のアクセスポイント装置。
(付記4)受信したデータが、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を含むデータであるか否かを判定する解析部をさらに備える、付記1乃至3のいずれか1項に記載のアクセスポイント装置。
(付記5)無線LAN通信エリアを形成する無線LAN通信部と、前記無線LAN通信エリアに含まれる近距離無線通信エリアを形成し、前記近距離無線通信エリア内に移動してきた通信端末と近距離無線通信を行う近距離無線通信部と、前記通信端末と他のアクセスポイント装置との間の無線LAN通信を介した接続を解除させるために、前記通信端末の識別情報を他のアクセスポイント装置へ送信するWAN通信部と、を備えるアクセスポイント装置。
(付記6)前記無線LAN通信部は、前記通信端末の識別情報を受信した前記他のアクセスポイント装置において無線LAN通信を解除された前記通信端末から送信された接続要求に応じて、前記通信端末と無線LAN通信を介して接続する、付記5に記載のアクセスポイント装置。
(付記7)前記WAN通信部は、複数のアクセスポイント装置へ、前記通信端末の識別情報を送信する、付記5又は6に記載のアクセスポイント装置。
(付記8)前記WAN通信部は、前記通信端末の識別情報として、前記通信端末が近距離無線通信を行う際に前記通信端末を識別するために使用される近距離無線通信アドレスを前記他のアクセスポイント装置へ送信する、付記5乃至7のいずれか1項に記載のアクセスポイント装置。
(付記9)通信端末と無線LAN通信を介して接続している第1のアクセスポイント装置と、前記第1のアクセスポイント装置の周辺に位置する第2のアクセスポイント装置と、を備える無線LAN通信システムであって、前記通信端末が前記第2のアクセスポイント装置が形成する近距離無線通信エリアに移動し、前記第2のアクセスポイント装置と近距離無線通信を行うと、前記第2のアクセスポイント装置は、前記通信端末の識別情報を前記第1のアクセスポイント装置へ送信し、前記第1のアクセスポイント装置は、前記通信端末の識別情報を受信すると、前記通信端末との接続を解除する、通信システム。
(付記10)無線LAN通信を介して通信端末と接続し、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信し、前記通信端末との接続を解除する、無線LAN通信接続解除方法。
(付記11)無線LAN通信エリアに含まれる近距離無線通信エリア内に移動してきた通信端末と近距離無線通信を行い、前記通信端末と他のアクセスポイント装置との間の無線LAN通信を介した接続を解除させるために、前記通信端末の識別情報を他のアクセスポイント装置へ送信する無線LAN通信接続方法。
(付記12)無線LAN通信を介して通信端末と接続し、前記通信端末が他のアクセスポイント装置と近距離無線通信を介して接続した際に、前記他のアクセスポイント装置から送信された前記通信端末の識別情報を受信し、前記通信端末との接続を解除ことをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記13)無線LAN通信エリアに含まれる近距離無線通信エリア内に移動してきた通信端末と近距離無線通信を行い、前記通信端末と他のアクセスポイント装置との間の無線LAN通信を介した接続を解除させるために、前記通信端末の識別情報を他のアクセスポイント装置へ送信することをコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0082】
1 通信端末
2 アクセスポイント装置
3 アクセスポイント装置
10 STA
11 管理部
12 無線LAN通信部
21 WAN I/F
22 WLAN I/F
23 Bluetooth I/F
24 フレーム解析部
25 WLAN AP処理部
26 STA識別情報データ生成部
27 ユーザ設定I/F
28 WLAN切断制御部
31 WAN I/F
32 WLAN I/F
33 WLAN AP処理部
34 Bluetooth I/F
35 STA識別情報制御部
201 Bluetooth通信エリア
202 WLAN通信エリア
281 STA識別情報フレーム受信部
282 WLAN情報取得部
283 STA識別情報DB
284 WLAN切断指示部
301 Bluetooth通信エリア
302 WLAN通信エリア
351 STA識別情報取得部
352 STA識別情報フレーム生成部
353 STA識別情報フレーム送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7