特許第6072920号(P6072920)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6072920複素環化合物、前記化合物を含む薬物、これらの使用及びこれらの調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6072920
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】複素環化合物、前記化合物を含む薬物、これらの使用及びこれらの調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/12 20060101AFI20170123BHJP
   C07D 453/02 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/497 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 11/08 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20170123BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170123BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
   C07D401/12CSP
   C07D453/02
   A61K31/5377
   A61K31/497
   A61P11/00
   A61P37/08
   A61P11/06
   A61P11/08
   A61P11/02
   A61P1/18
   A61K45/00
   A61K31/506
【請求項の数】11
【全頁数】86
(21)【出願番号】特願2015-532439(P2015-532439)
(86)(22)【出願日】2013年9月23日
(65)【公表番号】特表2015-532918(P2015-532918A)
(43)【公表日】2015年11月16日
(86)【国際出願番号】EP2013069739
(87)【国際公開番号】WO2014044849
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2015年9月28日
(31)【優先権主張番号】12185631.4
(32)【優先日】2012年9月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】ハンプレヒト ディーター
(72)【発明者】
【氏名】ヘッケル アルミン
(72)【発明者】
【氏名】クライ イェルク
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−506386(JP,A)
【文献】 特表2011−520831(JP,A)
【文献】 特表2011−522860(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/146870(WO,A1)
【文献】 特表2009−520729(JP,A)
【文献】 特表2010−526118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 (I)
【化1】
(I)
の化合物あって、
R1はハロゲンを表し、
X-はいずれかの薬理学上許される対陰イオンを表し、
L1は式 (i)
【化2】
(i)
の基を表し、
式中、
RL1 はC1-6-アルキルを表し、又は
RL1 は式 (i)の水素原子の一つを置換することにより、二環式環系を形成するC1-6-アルキレンブリッジを表し、
n、mは互いに独立に1、2又は3を表し、
L2は必要により置換されていてもよい-CH2- を表し、
L3は水素を表し、又は-COOH 、-CO-フェニル、-COO-C1-3-アルキル、C6-10-アリール-C1-3-アルキル-OOC- 、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C(O)NR2R3、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C1-3-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C5-7-シクロアルケニル、HO-C1-7-アルキル- 、C1-4-アルコキシ-C1-5-アルキル- 、C1-4-アルキル-S(O)p-C1-3-アルキル- 、C結合複素環、-CO-複素環、-CO-複素環-ヘテロアリール、-CO-複素環-COO-C1-4-アルキル、-CO-複素環-COOH 及び-CN からなる群から選ばれ、
式中、
pは0、1又は2であり、
R2、R3は互いに独立にH、C1-8-アルキル、必要により置換されていてもよいフェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル、アリール-C結合複素環-C1-4-アルキル、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH) 、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル又は-C(R3.1R3.2)フェニルを表し、
式中、
R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成し、又は
R2及びR3はそれらが結合されている窒素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成することを特徴とする前記化合物(前記化合物はその互変異性体であってもよく、及び任意薬理学上許される酸付加塩であってもよい)
【請求項2】
L3が必要により置換されていてもよいフェニルを表すことを特徴とする、請求項1記載の式 (I)の化合物。
【請求項3】
L3が式(ii)
【化3】
(ii)
の必要により置換されていてもよいフェニルを表し、
RL3.1 、RL3.2 、RL3.3 、RL3.4 が互いに独立に水素を表し、又は-OH 、-O-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル、-S-C1-4-アルキル、-S-CF3、-CF3、 -O-CH2-フェニル、-O-CF3、-CH2-OH 、-CH2COOH、ハロゲン、-SO2-C1-4-アルキル、CH3 、-COO-C1-4-アルキル、-CONH2、-C1-4-アルキル-フェニル-CN 、-CONHC1-4-アルキル、-CON(C1-4-アルキル)2、-CO-NH- 複素環、-CH3 及びCNからなる群から選ばれることを特徴とする、請求項1又は2記載の式 (I)の化合物。
【請求項4】
L1が式(i.1) 、(i.2) 又は (i.3)
【化4】
の基を表すことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項記載の式 (I)の化合物。
【請求項5】
L2が-CH2- 又は-CH(C(O)NHRL2)-を表し、
RL2 がH、C1-8-アルキル、必要により置換されていてもよいフェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル- 、アリール-複素環-C1-4-アルキル、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH)、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル及び-C(R3.1R3.2)フェニルからなる群から選ばれ、
式中、
R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の式 (I)の化合物。
【請求項6】
式(II)
【化5】
(II)
の化合物。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1項記載の化合物又はその医薬上許される塩を含む医薬組成物。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項記載の化合物又はその医薬上許される塩を含む、呼吸器の疾患又は病気及び気道のアレルギー性疾患の中から選ばれた疾患の治療のための医薬組成物
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項記載の化合物又はその医薬上許される塩を含む、慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌もしくはウイルス感染症又は真菌もしくはぜん虫により生じた気管支炎、アレルギー性気管支炎、毒物性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、喘息(内因性又はアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性又は非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、膵のう胞性線維症又は膵線維症、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、咳、肺浮腫、間質性肺疾患、肺胞炎、過敏性気道、鼻ポリープ、肺水腫及び異なる起源の肺炎の中から選ばれた疾患の治療のための医薬組成物
【請求項10】
請求項1からのいずれか1項記載の少なくとも一種の化合物又はその医薬上許される塩及び医薬上許される担体を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項11】
請求項1からのいずれか1項記載の一種以上の化合物、及び更なる活性物質として、更なるENaC阻害薬、ベータミメチックス、坑コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4- 阻害薬、LTD4- アンタゴニスト、EGFR- 阻害薬、ドーパミンアゴニスト、H1- 坑ヒスタミン薬、PAF-アンタゴニスト、MAP-キナーゼ阻害薬、MPR4- 阻害薬、iNOS- 阻害薬、SYK-阻害薬、膵のう胞性線維症膜貫通レギュレーター(CFTR)の修復薬及びCFTR強化薬又はこれらの二重もしくは三重の組み合わせのカテゴリーの中から選ばれた一種以上の化合物を含む医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式 (I)
【化1】
(I)
の化合物並びにこれらの互変異性体及び塩、特に無機又は有機の酸及び塩基とのこれらの医薬上許される塩(これらは有益な薬理学的性質、特に上皮ナトリウムチャンネルに対する抑制作用を有する)、疾患、特に肺及び気道の疾患の治療のためのこれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイド型化合物は、例えば、肺及び気道の疾患の治療のための活性物質として従来技術から知られている (J.Med.Chem.49 (2006) 4098-4115) 。WO 08135557 はENaC (上皮ナトリウムチャンネル) 抑制活性を示す同様の構造の化合物を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は上皮ナトリウムチャンネルの遮断により治療し得る病態生理学的プロセスの治療、特に肺及び気道の治療に治療上使用し得る新規化合物を調製することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くことに、上記課題が本発明の式 (I)の化合物により解決されることがわかった。
それ故、本発明は式 (I)の化合物並びにその互変異性体及び任意の薬理学上許される酸付加塩に関する。
【化2】
(I)
【0005】
式中、
R1はハロゲン、好ましくはCl又はBr、特に好ましくはClを表し、
X-はあらゆる薬理学上許される対陰イオンを表し、好ましくは酢酸イオン、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、コハク酸イオン、リンゴ酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、硫酸イオンx0.5及び炭酸イオンx0.5、特に好ましくは塩化物イオン及び臭化物イオンの中から選ばれ、
L1は式 (i)の基を表し、
【0006】
【化3】
(i)
【0007】
式中、
RL1 はC1-6-アルキルを表し、又は
RL1 は式 (i)の水素原子の一つを置換することにより、二環式環系を形成するC1-6-アルキレンブリッジを表し、
n、mは互いに独立に1、2又は3を表し、
L2は必要により置換されていてもよい-CH2- を表し、
L3は水素を表し、又は-COOH 、-CO-フェニル、-COO-C1-3-アルキル、C6-10-アリール-C1-3-アルキル-OOC- 、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C(O)NR2R3、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C1-3-アルキル、C2-5-アルケニル、C2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、C5-7-シクロアルケニル、HO-C1-7-アルキル- 、C1-4-アルコキシ-C1-5-アルキル- 、C1-4-アルキル-S(O)p-C1-3-アルキル- 、C結合複素環、-CO-複素環、-CO-複素環-ヘテロアリール、-CO-複素環-COO-C1-4-アルキル、-CO-複素環-COOH 及び-CN からなる群から選ばれ、
式中、
pは0、1又は2であり、
R2、R3は互いに独立にH、C1-8-アルキル、必要により置換されていてもよいフェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル- 、アリール-複素環-C1-4-アルキル、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH) 、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル及び-C(R3.1R3.2)フェニルの中から選ばれ、
式中、
R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成し、又は
R2及びR3はそれらが結合されている窒素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
式 (I)の好ましい化合物はL3が必要により置換されていてもよいフェニルを表す化合物である。
L3が式(ii)の必要により置換されていてもよいフェニルを表し、
【化4】
(ii)
【0009】
RL3.1 、RL3.2 、RL3.3 、RL3.4 が互いに独立に水素を表し、又は-OH 、-O- C1-4-アルキル、C1-4-アルキル、-S-C1-4-アルキル、-S-CF3、-CF3、 -O-CH2-フェニル、-O-CF3、-CH2-OH 、-CH2COOH、ハロゲン、-SO2-C1-4-アルキル、CH3 、-COO-C1-4-アルキル、-CONH2、-C1-4-アルキル-フェニル-CN 、-CONHC1-4-アルキル、-CON(C1-4-アルキル)2、-CO-NH- 複素環、-CH3 及びCNからなる群から選ばれる、式 (I)の化合物が特に好ましい。
L1が式 (i.1)、 (i.2)又は (i.3)の基を表す、式 (I)の化合物がまた特に好ましい。
【0010】
【化5】
【0011】
L2が-CH2- 又は-CH(C(O)NHRL2)-を表し、
RL2 がH、C1-8-アルキル、必要により置換されていてもよいフェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル- 、アリール-複素環-C1-4-アルキル、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH)、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル及び-C(R3.1R3.2)フェニルからなる群から選ばれ、
式中、
R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成する、式 (I)の化合物がまた特に好ましい。
本発明の更なる実施態様は式(II)の化合物である。
【0012】
【化6】
(II)
【0013】
本発明の更なる実施態様は薬物としての式 (I)の化合物、又はその医薬上許される塩である。
本発明の更なる実施態様は呼吸器の疾患又は病気及び気道のアレルギー性疾患の中から選ばれた疾患の治療のための式 (I)の化合物、又はその医薬上許される塩である。
慢性気管支炎、急性気管支炎、細菌もしくはウイルス感染症又は真菌もしくはぜん虫により生じた気管支炎、アレルギー性気管支炎、毒物性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、喘息(内因性又はアレルギー性)、小児喘息、気管支拡張、アレルギー性肺胞炎、アレルギー性又は非アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、膵のう胞性線維症又は膵線維症、アルファ-1-アンチトリプシン欠乏症、咳、肺浮腫、間質性肺疾患、肺胞炎、過敏性気道、鼻ポリープ、肺水腫及び異なる起源の肺炎、好ましくは慢性気管支炎、急性気管支炎、気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、喘息(内因性又はアレルギー性)、膵のう胞性線維症及び小児喘息、好ましくは慢性気管支炎、気管支拡張、気管支炎、喘息、COPD及び膵のう胞性線維症、特に好ましくはCOPD及び膵のう胞性線維症の中から選ばれた疾患の治療のための式 (I)の化合物又はこれらの医薬上許される塩が好ましい。
本発明の更なる実施態様は本明細書に特定された少なくとも一種の化合物又はその医薬上許される塩及び医薬上許される担体を含む医薬組成物である。
本発明の更なる実施態様は本明細書に特定された一種以上の化合物の他に、更なる活性物質として、更なるENaC阻害薬、ベータミメチックス、坑コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4-阻害薬、LTD4-アンタゴニスト、EGFR-阻害薬、ドーパミンアゴニスト、H1坑ヒスタミン薬、PAF-アンタゴニスト、MAP-キナーゼ阻害薬、MPR4-阻害薬、iNOS-阻害薬、SYK-阻害薬、膵のう胞性線維症膜貫通レギュレーター(CFTR)の修復薬及びCFTR強化薬又はこれらの二重もしくは三重の組み合わせのカテゴリーの中から選ばれた一種以上の化合物を含む薬物組み合わせである。
【0014】
4. 用語及び定義
本明細書に特に定義されない用語は本開示及び状況に鑑みて当業者によりそれらに与えられる意味を与えられるべきである。しかしながら、明細書に使用される、下記の用語は、その逆に明記されない限り、示された意味を有し、下記の通例に従われる。
以下に定義される基、又は部分において、炭素原子の数がその基に先行してしばしば明記され、例えば、C1-6-アルキルは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
一般に、HO、H2N 、OS、O2S 、NC(シアノ)、HOOC、F3C 等のような単一の基において、当業者はその基自体の自由原子価からその分子への一つ以上の結合位置を知ることができる。二つ以上のサブグループを含む組み合わされた基について、最後に挙げられるサブグループは基結合位置であり、例えば、置換基“アリール-C1-3-アルキル- ”はC1-3-アルキル- 基(これはコアー又はその置換基が結合される基に結合される)に結合されているアリール基を意味する。
本発明の化合物が化学名の形態で、かつ式として示される場合、不一致の場合には、式が優先すべきである。アステリスクが特定されたコアー分子に連結される結合を示すために下位の式中に使用されてもよい。
例えば、“3-カルボキシプロピル- 基”という用語は下記の置換基を表し、
【0015】
【化7】
【0016】
この場合、そのカルボキシ基はプロピル基の3番目の炭素原子に結合される。“1-メチルプロピル- ”基、“2,2-ジメチルプロピル- ”基又は“シクロプロピルメチル- ”基という用語は下記の基を表す。
【化8】
【0017】
アステリスク“*”が特定されたコアー分子に連結される結合を示すために下位の式中に使用されてもよい。
下記の用語の多くが式又は基の定義に繰り返し使用されてもよく、夫々の場合に互いに独立に、先に示された意味の一つを有する。
特に示されない限り、本発明によれば、所定の化学式又は名称は互変異性体及び全ての立体異性体、光学異性体及び幾何異性体(例えば、鏡像体、ジアステレオマー、E/Z 異性体等)並びにこれらのラセミ体だけでなく、別々の鏡像体の異なる比率の混合物、ジアステレオマーの混合物、又は以上の形態のいずれかの混合物(このような異性体及び鏡像体が存在する場合)だけでなく、塩(これらの医薬上許される塩を含む)及びこれらの溶媒和物、例えば、水和物(遊離化合物の溶媒和物又は化合物の塩の溶媒和物を含む)を含むべきである。
【0018】
本明細書に使用される“置換基”という用語は、指定された原子にある一つ以上の水素が示された基からの選択で置換されていることを意味し、但し、指定された原子の通常の原子価が超えられないこと、かつその置換が安定な化合物をもたらすことを条件とする。
“必要により置換されていてもよい”という用語は本発明の範囲内で必要により低分子の基により置換されていてもよい、上記基を意味する。化学的に有意と見なされる低分子の基の例は1-200 個の原子からなる基である。このような基は化合物の薬理学的効力に負の効果を有しないことが好ましい。例えば、これらの基は
・必要によりヘテロ原子により中断されてもよく、必要により環、ヘテロ原子又はその他の普通の官能基により置換されていてもよい、直鎖又は分枝炭素鎖、
・炭素原子そして必要によりヘテロ原子からなる芳香族又は非芳香族環系(これらは順に官能基により置換されていてもよい)、
・炭素原子そして必要によりヘテロ原子からなる幾つかの芳香族又は非芳香族環系(これらは1個以上の炭素鎖により結合されてもよく、必要によりヘテロ原子により中断されてもよく、必要によりヘテロ原子又はその他の普通の官能基により置換されていてもよい)を含んでもよい。
【0019】
本明細書に使用される“予防”又は“予防措置”という用語は同義かつ先に挙げられた症状を発生するリスクが、特に前記症状又は相当する病気について高められたリスク、例えば、代謝障害、例えば、糖尿病もしくは肥満又は本明細書に挙げられた別の疾患を発生する高められたリスクを有する患者で軽減されるという意味に理解されるべきである。こうして、本明細書に使用される“疾患の予防”という表現は疾患の臨床上の開始の前に疾患を発生するリスクのある個体の管理及びケアーを意味する。予防の目的は疾患、症状又は障害の発生と闘うことであり、症候又は合併症の開始を阻止又は遅延し、かつ関連疾患、症状又は障害の発生を阻止又は遅延するための活性化合物の投与を含む。前記予防措置の成功は予防措置をしない同等の患者集団と較べてこの症状のリスクのある患者集団内の前記症状の低減された発生率により統計的に反映される。
【0020】
“治療”という表現は顕在形態、急性形態又は慢性形態の前記症状の一つ以上を既に発生した患者の治療措置を意味し、特別な指示の症候を軽減するための対症措置又は症状及びその重度に応じて、症状を反転もしくは部分反転し、又は可能な限り指示の進行を遅延するための原因措置を含む。こうして、本明細書に使用される“疾患の治療”という表現は疾患、症状又は障害を発生した患者の管理及びケアーを意味する。治療の目的は疾患、症状又は障害と闘うことである。治療は疾患、症状又は障害を排除又はコントロールするだけではなく、疾患、症状又は障害と関連する症候又は合併症を軽減するための活性化合物の投与を含む。
“医薬上許される”という用語は、理にかなった医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又はその他の問題もしくは合併症を生じないでヒト及び動物の組織と接触しての使用に適し、かつ妥当な利益/リスク比と釣り合うこれらの化合物、物質、組成物、及び/又は剤形を表すのに本明細書に使用される。
【0021】
本明細書に使用される“医薬上許される塩”は親化合物がその酸塩もしくは塩基塩をつくること、又は、本発明の分子中に存在する永久電荷に関して、適当な対イオンの導入により変性されている開示された化合物の誘導体を表す。医薬上許される塩の例として、塩基性残基、例えば、アミンの無機又は有機の酸塩、酸性残基、例えば、カルボン酸のアルカリ塩もしくは有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、このような塩として、アンモニア、L-アルギニン、ベタイン、ベネタミン、ベンザシン、水酸化カルシウム、コリン、デアノール、ジエタノールアミン (2,2’-イミノビス (エタノール))、ジエチルアミン、2-(ジエチルアミノ)-エタノール、2-アミノエタノール、エチレンジアミン、N-エチル-グルカミン、ヒドラバミン、1H-イミダゾール、リシン、水酸化マグネシウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-モルホリン、ピペラジン、水酸化カリウム、1-(2-ヒドロキシエチル)-ピロリジン、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン (2,2’,2"-ニトリロトリス (エタノール))、トロメタミン、水酸化亜鉛、酢酸、2.2-ジクロロ-酢酸、アジピン酸、アルギニン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、4-アセトアミド -安息香酸、(+)-ショウノウ酸、(+)-ショウノウ-10-スルホン酸、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、デカン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、D-グルコヘプトン酸、D-グルコン酸、D-グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2-オキソ-グルタル酸、グリセロリン酸、グリシン、グリコール酸、ヘキサン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、DL-乳酸、ラクロビオン酸、ラウリン酸、リシン、マレイン酸、(-)-L-リンゴ酸、マロン酸、DL-マンデル酸、メタンスルホン酸、ガラクタル酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ニコチン酸、硝酸、オクタン酸、オレイン酸、オロト酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸(エンボン酸)、リン酸、プロピオン酸、(-)-L-ピログルタミン酸、サリチル酸、4-アミノ-サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、タンニン酸、(+)-L-酒石酸、チオシアン酸、p-トルエンスルホン酸及びウンデシレン酸からの塩が挙げられる。更なる医薬上許される塩はアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛等のような金属からの陽イオンで生成し得る (また、“医薬塩”, Berge, S.M.ら著, J.Pharm.Sci., (1977), 66, 1-19 を参照のこと) 。
【0022】
本明細書に使用される“医薬上許される対イオン”は上記された医薬上許される塩をつくる対イオンを表す。例えば、塩基性残基、例えば、アミンが存在しないが、四級アンモニウム化合物が存在する場合、このような医薬上許される対イオンは得られる塩の一部であってもよい。更なる例は炭酸水素イオン、炭酸イオン及び炭酸イオンx0.5である。当業者が認めるように、潜在的に多価のイオンを含む塩は、その多価のイオンが単荷電形態又は多荷電形態で存在するかに応じて、異なる化学量論比で存在してもよい。例えば、多価の酸の荷電状態はその脱プロトン化の程度に依存するであろう。
【0023】
本発明の医薬上許される塩は塩基性又は酸性部分を含む親化合物から通常の化学方法により合成し得る。一般に、このような塩はこれらの化合物の遊離酸又は塩基形態を水又はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、もしくはアセトニトリル、又はこれらの混合物のような有機希釈剤中で充分な量の適当な塩基又は酸と反応させることにより調製し得る。
例えば、本発明の化合物を精製又は単離するのに有益である上記酸以外のその他の酸の塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩)がまた本発明の一部を構成する。
本明細書に使用される“プロドラッグ”という用語は(i) 生体内の代謝プロセス後にその効果を与えてそれを使用可能な形態又は活性形態に変換する薬物の不活性形態、又は(ii)それ自体活性ではないが、薬理学上活性な代謝産物を生じる物質(即ち、不活性前駆体)を表す。
【0024】
“プロドラッグ”又は“プロドラッグ誘導体”という用語は親化合物の共有結合された誘導体、担体もしくは前駆体又はその一種以上の薬理学的作用を示す前に少なくとも或る種の生物変換を受ける活性薬物物質を意味する。このようなプロドラッグは代謝により開裂し得る基又はそれ以外に変換し得る基を有し、生体内で、例えば、血液中の加水分解又はチオエーテル基の場合のように酸化による活性化により迅速に変換されて親化合物を生じる。殆どの普通のプロドラッグとして、親化合物のエステル及びアミド類似体が挙げられる。プロドラッグは改良された化学安定性、改良された患者許容性及びコンプライアンス、改良された生物利用能、作用の延長された期間、改良された器官選択性、改良された製剤化(例えば、増大された水溶性)、及び/又は低下された副作用(例えば、毒性)の目的で製剤化される。一般に、プロドラッグそれら自体は弱い生物学的活性を有し、又は生物学的活性を有さず、しかも通常の条件下で安定である。プロドラッグは当業界で知られている方法、例えば、“薬物デザイン及び開発のテキストブック”, Krogsgaard-Larsen及びH.Bundgaard (編集), Gordon & Breach, 1991 、特に5章: “プロドラッグのデザイン及び適用;Design of Prodrugs, H.Bundgaard (編集), Elsevier, 1985;“プロドラッグ:局所及び眼の薬物送出”,K.B.Sloan (編集), Marcel Dekker, 1998; “酵素学における方法”, K.Widder ら (編集), 42巻, Academic Press, 1985, 特に309-396 頁; “Burgerの医療化学及び薬物発見”, 第5編, M.Wolff (編集), John Wiley & Sons, 1995、特に1巻及び172-178 頁並びに949-982 頁; “新規送出系としてのプロドラッグ”, T.Higuchi及びV.Stella (編集), Am.Chem.Soc., 1975; “薬物デザインンにおける生物可逆的担体”, E.B.Roche (編集), Elsevier, 1987(これらの夫々が参考として本明細書にそのまま含まれる)に記載された方法を使用して親化合物から直ぐに調製し得る。
【0025】
本明細書に使用される“医薬上許されるプロドラッグ”という用語は、理にかなった医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を生じないでヒト及び下等動物の組織と接触しての使用に適し、かつ妥当な利益/リスク比と釣り合い、かつそれらの意図される使用に有効である本発明の化合物のプロドラッグだけでなく、双性イオン形態(可能な場合)を意味する。
単独で、又は別の基と組み合わせて、本明細書に使用される“アリール”という用語は、6個の炭素原子を含む炭素環式芳香族単環式基(これは更に第二の5員又は6員炭素環式基(これは芳香族、飽和又は不飽和であってもよい)に融合されてもよい)を表す。アリールとして、フェニル、インダニル、インデニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、テトラヒドロナフチル及びジヒドロナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
“複素環”又は“複素環式環”という用語はN、O又はS(O)r (式中、r = 0, 1 又は2)から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、3〜14個の環原子からなる飽和又は不飽和単環式又は多環式環系を意味する。“複素環”という用語は全ての可能な異性体形態を含むことが意図されている。
こうして、“複素環”という用語は下記の例示の構造(これらは適当な原子価が維持される限り夫々の形態が共有結合によりいずれかの原子に結合されてもよいような基として示されていない)を含む。
【0027】
【化9】
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
“ヘテロアリール”という用語はN、O又はS(O)r (式中、r = 0, 1 又は2)から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、5〜14個の環原子からなる単環式又は多環式環系を意味し、この場合、ヘテロ原子の少なくとも1個が芳香族環の一部である。“ヘテロアリール”という用語は全ての可能な異性体形態を含むことが意図されている。
こうして、“ヘテロアリール”という用語は下記の例示の構造(これらは適当な原子価が維持される限り夫々の形態が共有結合によりいずれかの原子に結合されてもよいような基として示されていない)を含む。
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
“単環式 C5-7-複素環”という用語はN、O又はS(O)r (式中、r = 0, 1 又は2)から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、5〜7個の環原子からなる飽和又は不飽和非芳香族単環式環系を意味する。“単環式 C5-7-複素環”という用語は全ての可能な異性体形態を含むことが意図されている。
こうして、“単環式 C5-7-複素環”という用語は下記の例示の構造(これらは適当な原子価が維持される限り夫々の形態が共有結合によりいずれかの原子に結合されてもよいような基として示されていない)を含む。
【0034】
【化14】
【0035】
【化15】
【0036】
“単環式 C5-6-ヘテロアリール”という用語はN、O又はS(O)r (式中、r = 0, 1 又は2)から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、5又は6個の環原子からなる単環式環系を意味し、この場合、ヘテロ原子の少なくとも1個が芳香族環の一部である。“単環式 C5-6- ヘテロアリール”という用語は全ての可能な異性体形態を含むことが意図されている。
こうして、“単環式 C5-6- ヘテロアリール”という用語は下記の例示の構造(これらは適当な原子価が維持される限り夫々の形態が共有結合によりいずれかの原子に結合されてもよいような基として示されていない)を含む。
【0037】
【化16】
【0038】
“二環式 C8-10-複素環”という用語はN、O又はS(O)r (式中、r = 0, 1 又は2)から選ばれた1個以上のヘテロ原子を含み、8〜10個の環原子からなる飽和又は不飽和二環式環系を意味し、この場合、そのヘテロ原子が必要により芳香族環の一部であってもよい。“二環式 C8-10-複素環”という用語は全ての可能な異性体形態を含むことが意図されている。
こうして、“二環式 C8-10-複素環”という用語は下記の例示の構造(これらは適当な原子価が維持される限り夫々の形態が共有結合によりいずれかの原子に結合されてもよいような基として示されていない)を含む。
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
単独で、又は別の置換基と組み合わせて、本明細書に使用される“アリール又は複素環の融合種”という用語(その融合種はアリール-het (a)、het-アリール (b)又はhet-het(c)として存在する)は
炭素原子を含む芳香族単環式系又は芳香族多環式系(これは炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含む5員、6員又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環に融合される)又は
炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含む5員、6員又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環(これは炭素原子を含む芳香族単環式系又は芳香族多環式系に融合される)又は
炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含む5員、6員又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環(これは炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個、2個、3個又は4個の環ヘテロ原子を含む5員、6員又は7員飽和又は不飽和(芳香族を含む)複素環に融合される)
からの1個の水素の除去により誘導された1価の置換基を意味する。
【0042】
アリール又はhet の融合種の好適な例として、キノリニル、1-インドイル、3-インドイル、5-インドイル、6-インドイル、インドリジニル、ベンゾイミダジル又はプリニルが挙げられる。
本明細書に使用される“ハロゲン”という用語はフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードから選ばれたハロゲン置換基を意味する。
【0043】
単独で、又は別の基と組み合わせての“C1-n-アルキル”という用語(式中、nは2からnまでの整数である)は1〜n個のC原子を有する非環式、飽和、分枝又は線状の炭化水素基を表す。例えば、C1-5-アルキルという用語は基H3C-、H3C-CH2- 、H3C-CH2-CH2-、H3C-CH(CH3)-、 H3C-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH(CH3)-、 H3C-CH(CH3)-CH2-、H3C-C(CH3)2-、H3C-CH2-CH2-CH2-CH2-、H3C-CH2-CH2-CH(CH3)- 、H3C-CH2-CH(CH3)-CH2- 、H3C-CH(CH3)-CH2-CH2-、H3C-CH2-C(CH3)2- 、H3C-C(CH3)2-CH2-、H3C-CH(CH3)-CH(CH3)- 及びH3C-CH2-CH(CH2CH3)- を含む。
【0044】
単独で、又は別の置換基と組み合わせての“C1-n-アルキレン”という用語(式中、nは2からnまでの整数である)は1〜n個のC原子を有する非環式、直鎖又は分枝鎖の2価のアルキル基を表す。例えば、C1-4-アルキレンという用語は-CH2-、-CH2-CH2- 、-CH(CH3)- 、-CH2-CH2-CH2- 、-C(CH3)2- 、-CH(CH2CH3)- 、-CH(CH3)-CH2-、-CH2-CH(CH3)- 、-CH2-CH2-CH2-CH2- 、-CH2-CH2-CH(CH3)-、-CH(CH3)-CH2-CH2- 、-CH2-CH(CH3)-CH2- 、-CH2-C(CH3)2- 、-C(CH3)2-CH2- 、-CH(CH3)-CH(CH3)-、-CH2-CH(CH2CH3)- 、-CH(CH2CH3)-CH2-、-CH(CH2CH2CH3)- 、-CH(CH(CH3))2- 及び-C(CH3)(CH2CH3)- を含む。
【0045】
“C2-n-アルケニル”という用語は、少なくとも2個の炭素原子を有する“C1-n-アルキル”についての定義で定義された基について使用され、この場合、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2個が互いに二重結合により結合されている。
“C2-n-アルケニレン”という用語は少なくとも2個の炭素原子を有する“C1-n-アルキレン”についての定義で定義された基について使用され、この場合、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2個が互いに二重結合により結合されている。
【0046】
“C2-n-アルキニル”という用語は少なくとも2個の炭素原子を有する“C1-n-アルキル”についての定義で定義された基について使用され、この場合、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2個が互いに三重結合により結合されている。
“C2-n-アルキニレン”という用語は少なくとも2個の炭素原子を有する“C1-n-アルキレン”についての定義で定義された基について使用され、この場合、前記基のこれらの炭素原子の少なくとも2個が互いに三重結合により結合されている。
【0047】
単独で、又は別の置換基と組み合わせての“C3-n-シクロアルキル”という用語(式中、nは4からnまでの整数である)は3〜n個のC原子を有する環式、飽和、非分枝炭化水素基を表す。例えば、C3-7-シクロアルキルという用語はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
単独で、又は別の置換基と組み合わせての“C3-n-シクロアルケニル”という用語(式中、nは3からnまでの整数である)は、3〜n個のC原子を有する環式、不飽和(しかし非芳香族の)、非分枝炭化水素基を表し、その炭素原子の少なくとも2個が互いに二重結合により結合されている。例えば、C3-7-シクロアルケニルという用語はシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル及びシクロヘプタトリエニルを含む。
構造とそれらの名称の間の矛盾の全ての場合には、構造が優先すべきである。
【0048】
5. 好ましい実施態様
置換基R1はハロゲン、好ましくはCl又はBr、特に好ましくはClを表す。
対陰イオンXは酢酸イオン、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、コハク酸イオン、リンゴ酸イオン、炭酸水素イオン、炭酸イオン、硫酸イオンx0.5及び炭酸イオンx0.5、特に好ましくは塩化物イオン及び臭化物イオンの中から選ばれる。
置換基L1は下記の式 (i)の基を表す。
【0049】
【化19】
(i)
【0050】
置換基RL1 はC1-6-アルキル、好ましくはメチル又はエチル、特に好ましくはメチルを表し、又は置換基RL1 はC1-6-アルキレンブリッジ、好ましくは C2-アルキレンブリッジを表し、式 (i)の水素原子の一つを置換することにより、二環式環系を形成する。
置換基RL1 はメチル又はエチルを表すことが好ましい。変数n、mは互いに独立に1、2又は3を表し、好ましくはnが1を表し、かつmが1又は2、特に好ましくは2を表す。
特に好ましいL1は下記の式(i.1) 、(i.2) 又は(i.3) の基を表す。
【0051】
【化20】
【0052】
最も好ましいL1は下記の式 (i.1.1)の基を表す。
【化21】
(i.1.1)
【0053】
置換基L2は必要により置換されていてもよい-CH2- 、好ましくは-CH2- 又は-CH-C(O)NHRL2 、更に好ましくは-CH2- を表す。
特に好ましい置換基L2は-CH2- 又はC1-8-アルキルを表す。
置換基RL2 は水素を表し、又はC1-8-アルキル、必要により置換されていてもよいフェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル- 、アリール- 複素環-C1-4-アルキル、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH)、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル及び-C(R3.1R3.2)フェニルからなる群から選ばれ、式中、R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環を形成する。
【0054】
好ましくは、RL2 が水素を表し、又はC1-8-アルキル、C6-10-アリール-C1-4-アルキル-、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル、アリール-複素環-C1-4-アルキル- 、N結合複素環-C2-4-アルキル- 、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル- 及びC6-10-アリール-( C1-4-アルキル-OOC)C1-4-アルキルからなる群から選ばれる。
【0055】
置換基L3は水素を表し、又は-COOH 、-CO-フェニル、-COO-C1-3-アルキル、C6-10-アリール-C1-3-アルキル-OOC-、-C6-10-アリール-COO-C1-3-アルキル、-C(O)NR2R3、必要により置換されていてもよいC6-10-アリール、好ましくはフェニル、4-トリフルオロメチルスルファニル-フェニル、3-メチルスルファニル-フェニル、4-メチルスルファニル-フェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、3-メトキシフェニル、2-トリフルオロメトキシフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、好ましくは必要により置換されていてもよいキノリニル、ピリジニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル-チオフェニル、C1-3-アルキル、C2-5-アルケニル及びC2-3-アルキニル、C3-7-シクロアルキル、好ましくはシクロヘキシル、C5-7-シクロアルケニル、HO-C1-7-アルキル- 、C1-4-アルコキシ-C1-5-アルキル- 、C1-4-アルキル-S(O)p-C1-3-アルキル- 、C結合複素環、-CO-複素環、好ましくは-CO-ピラニル、-CO-複素環-ヘテロアリール、-CO-複素環-COO-C1-4-アルキル、-CO-複素環-COOH 及び-CN からなる群から選ばれる。
【0056】
特に好ましい置換基L3は水素を表し、又は必要により置換されていてもよいフェニル、4-トリフルオロメチルスルファニルフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、4-ヒドロキシメチルフェニル、及び-C(O)NR2R3、特に好ましくはフェニル、4-トリフルオロメチルスルファニルフェニル及び-C(O)NR2R3からなる群から選ばれる。
変数pは0、1又は2、好ましくは2である。
【0057】
置換基R2、R3は互いに独立に水素を表し、又はC1-8-アルキル、好ましくはC1-2-アルキル、特に好ましくはエチル、フェニル、C6-10-アリール-C5-6-シクロアルキル- 、C6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、好ましくはCl-C6-10-アリール-C1-4-アルキル- 又はCN-C6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、CH3OOC-C6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、HOOC-C6-10-アリール-C1-4-アルキル- 、特に好ましくは4-クロロベンジル、フェネチル、HO-C2-6-アルキル- 、C1-4-アルコキシ- 、C1-4-アルコキシ-C2-6-アルキル- 、必要により置換されていてもよいヘテロアリール、C結合複素環、C結合複素環-C1-4-アルキル- 、好ましくはテトラヒドロ-ピラン-4-イル)-メチル、C結合複素環-COO-C1-4-アルキル- 、アリール- 複素環-C1-4-アルキル- 、N結合複素環-C2-4-アルキル、C6-10-アリール-(HOOC)C1-4-アルキル、好ましくはフェニル-(HOOC)C1-4-アルキル- 、特に好ましくは1-カルボキシ-2-フェニル-エチル、及び-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COO-C1-4-アルキル) 、好ましくは-CH(C1-3-アルキル-フェニル)(COO-C1-4-アルキル) 、特に好ましくは1-tert-ブトキシカルボニル-2-フェニル-エチル、-CH(C1-3-アルキル-C6-10-アリール)(COOH)、-C1-3-アルキル-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル、-C6-10-アリール-COO-C1-4-アルキル及び-CH2C(R3.1R3.2)フェニルからなる群から選ばれ、式中、R3.1R3.2はそれらが結合されている炭素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環、好ましくはピラニルを形成し、又は
R2及びR3はそれらが結合されている窒素原子と一緒に必要により置換されていてもよい5〜7員複素環、特に好ましくはモルホリン、ピペラジン又はピペリジン(好ましくは置換されておらず、又はカルボン酸もしくはヘテロアリールにより置換されており、特に好ましくはピリジンもしくはピリミジンにより置換されている)を形成する。
【0058】
置換基R2、R3は互いに独立に水素、エチル、4-クロロベンジル、フェネチル、1-カルボキシ-2-フェニル-エチル、1-tert-ブトキシカルボニル-2-フェニル-エチルを表すことが好ましく、又は
R2及びR3はそれらが結合されている窒素原子と一緒に2-ピペラジン-1-イル-ピリミジン又は2-ピリジン-1-イル-ピリミジンを表す。
【0059】
置換基RL3.1 、RL3.2 、RL3.3 、RL3.4 は互いに独立に水素を表し、又は-OH 、-O-C1-4-アルキル、C1-4-アルキル、-S-C1-4-アルキル、-S-CF3、-CF3、-O-CH2-フェニル、-O-CF3、-CH2-OH 、-CH2COOH、ハロゲン、-SO2-C1-4-アルキル、-COO-C1-4-アルキル、-CONH2、-C1-4-アルキル-フェニル-CN 、-CONHC1-4-アルキル、-CON(C1-4-アルキル)2及び-CO-NH-複素環、好ましくは-CO-NH- 、-CN からなる群から選ばれる。
置換基RL3.1 、RL3.2 、RL3.3 、RL3.4 は互いに独立にH、-S-CF3、-OMe、-OCF3 、-CH2OH、-SMe又はFを表すことが好ましい。
R1 〜R3、RL1 、RL2 、RL3.1 、RL3.2 、RL3.3 、RL3.4 、X、m、n、L1、L2及びL3の定義のいずれか及び夫々その他は互いと組み合わされてもよい。
【0060】
6. 調製
下記の方法が一般式 (I)の化合物を調製するのに適している。
本発明の化合物は原則として知られている方法を使用して得られてもよい。反応パートナー中の或る種の官能基の存在が意図される反応に干渉し得ることが当業者に注目される。これが適用される場合、例えば、“有機合成における保護基”、第二編, Greene T.W., Wuts P.G.M.; Wiley-Interscience: New York, 1991又は“保護基”、Kocienski P.J.; Thieme: New York, 1994に記載されたような好適な保護基が使用し得る。本発明の化合物は以下に更に詳しく記載され、特に実験の節に記載される下記の方法により得られることが好ましい。
【0061】
一般式 (I)の化合物は、夫々、式IIa 又はIIb の三級アミンと式IIIa又はIIIbのアルキル化剤の反応により調製し得る。また、式 IIcの二級アミンが式IIIcの2価のアルキル化剤と反応させられる。LG(及び適用可能な場合のLG’)は好適な脱離基、例えば、Cl、Br、I、又はスルホン酸エステル、例えば、OS(O)2Meである。その反応はアセトニトリルもしくはDMF のような溶媒又は溶媒混合物中で、典型的には室温で、又は加熱して行なわれてもよい。特にアミンIIが酸付加塩として適用される場合、塩基が添加されてもよい。LG(及び適用可能な場合のLG’)は先に定義された式Iの化合物の陰イオンX-を直接に仕上げてもよく、又は或る陰イオン種が当業者に知られている方法により別の好適な陰イオン種に変えられてもよい。
【0062】
スキーム 1
【化22】
【0063】
一般式 (I)の化合物の更なる調製方法は式IVのS-メチルイソチオ尿素をTHF 、アセトニトリルもしくはDMF のような溶媒又は溶媒混合物中で、好ましくは塩基の存在下で(特に一級アミンIII が酸付加塩として適用される場合)、好ましくは室温で、又は沸点まで加熱して、式Vの一級アミン(式中、Y-は好適な陰イオンを示す)と反応させることによる。
【0064】
スキーム 2
【化23】
【0065】
上記と同様に、式IIa 、IIb 及びIIc の化合物が式IVのS-メチルイソチオ尿素と式Va、Vb又はVcの夫々の一級アミンの反応により調製されてもよい(これにより、後者は好適な保護基PGのその後の脱保護を必要とする)。
【化24】
【0066】
式V、Va又はVbの一級アミンは商業上入手されてもよく、又は調製されてもよい。或る種の一級アミン含有化合物V、Va又はVbの調製に適した方法が以下に要約される。こうして、アミン求核的アルキル化反応が或る種の構造VIをVIIa又はVIIbに; VIIa又はVIIbをVIIIに; 或いはVIをVIIIに変換するのに使用されてもよい。式IIIa、IIIb、又はIIIcの夫々のアルキル化剤は、夫々、好適な脱離基LG(及び適用可能な場合のLG’)、例えば、Cl、Br,、I、又はスルホン酸エステル、例えば、OS(O)2Me を含む。好適な反応条件は求核置換メカニズムに従うアルキル化に適当な条件であると当業者に知られている。例として、その反応がアセトニトリルもしくはDMF のような溶媒又は溶媒混合物中で、典型的には室温で、又は加熱して行なわれてもよい。特にアミンIIが酸付加塩として適用される場合、塩基が添加されてもよい。LG(及び適用可能な場合のLG’)は式VIIIの化合物の陰イオンY-を直接に仕上げてもよく、又は或る陰イオン種が当業者に知られている方法により別の好適な陰イオン種に変えられてもよい。また、VIIa又はVIIbへの或る構造VIの変換は、還元で夫々の基R1又はCR2R3R4 を現すカルボニル誘導体を使用して、還元アミノ化の条件下で行なわれてもよい。還元アミノ化反応に適した反応条件は当業者に知られており、例えば、好適な触媒、例えば、パラジウム/木炭の存在下でトリアセトキシホウ水素化ナトリウム、シアノホウ水素化ナトリウム又は水素を伴なってもよい。一級アミンのための保護基PGの好適な例はtert-ブチルオキシカルボニル基及びベンジルオキシカルボニル基であってもよい。上記方法に使用される好適なアミン、アルキル化剤又はカルボニル誘導体は商業上入手されてもよく、又は当業者に知られており、例えば、“包括的有機変換、官能基調製の案内”、第2編, Larock, R.C.; Wiley-VCH: New York, 1999 にリストされている官能基相互変換により市販の前駆体から誘導されてもよい。
【0067】
スキーム 3
【化25】
【0068】
式IVの化合物はS-メチルイソチオ尿素 (これはその硫酸塩から塩基の添加によりその場で生成されてもよい) をジクロロメタン、テトラヒドロフラン、水のような溶媒又はこれらの溶媒中で、好ましくは室温で式XIの1-(tert-ブチルカルバモイル)プロプ(prop)1-エン-2-イルカルボキシレートと反応させることにより調製し得る。式XIの化合物は式IXの夫々のカルボン酸及び一般式Xの2-tert-ブチル-5-メチル-イソオキサゾリウム塩(これは単離された塩(例えば、ヘキサフルオロリン酸塩; X = PF6) として適用でき、又はtert-ブタノール、5-メチルイソオキサゾール及びトリフルオロメタンスルホン酸からその場で生成し得る)から調製し得る。後者の反応はDMF のような溶媒又は溶媒混合物中で、好ましくは0-10℃に冷却しながら、トリエチルアミン又は別の塩基を添加して行なわれることが好ましい。
【0069】
スキーム 4
【化26】
【0070】
先に特定された式Iの化合物は、陰イオンX-を含む塩である。これらの陰イオンX-は合成もしくは精製から誘導されてもよく、又は当業者に知られている方法により或るイオン種から別の好適な陰イオン種に変えられてもよい。このような方法の例は、例えば、イオン交換樹脂を使用するイオン交換又は別の、通常一層強い、酸を使用するその塩からの酸対イオンの置換である。例えば、好適な溶媒、例えば、水又はジエチルエーテル中のHCl による先に特定された式Iの化合物(式中、X-はCF3COO- である)の処理が、先に特定された式Iの化合物(式中、X-はCl- である)を生成し得る。
【0071】
先に特定された式Iの或る化合物は、その塩、医薬上の使用のために特に無機又は有機の酸及び塩基との医薬上許される塩に更に変換し得る基を含んでもよい。この目的に使用し得る酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸が挙げられる。相当する方法は当業者に知られている。
更に、一種以上の立体異性体が存在し得る場合、一般式 (I)の化合物又は一般式の化合物の合成における中間体は混合物として得られてもよく、次いでそれらの立体異性体、例えば、鏡像体及び/又はジアステレオマーに分割されてもよい。こうして、例えば、E-/Z-混合物がそれらのE異性体及びZ異性体に分割されてもよく、ラセミ化合物がそれらの鏡像体に分離されてもよい。
【0072】
こうして、例えば、E-/Z-混合物がクロマトグラフィーによりそれらのE異性体及びZ異性体に分割されてもよい。一般式 (I)の化合物又は一般式 (I)の化合物の合成における中間体(これらはラセミ体として生じる)はそれ自体知られている方法 (Allinger N.L. 及びEliel E.L.著“立体化学におけるトピックス”, 第6巻, Wiley Interscience, 1971を参照のこと) によりそれらの光学鏡像体に分離されてもよく、少なくとも2個の不斉炭素原子を有する一般式 (I)の化合物又は一般式 (I)の化合物の合成における中間体がそれ自体知られている方法を使用して、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶化によりそれらの物理化学的相違に基づいてそれらのジアステレオマーに分割されてもよく、これらの化合物がラセミ形態で得られる場合には、それらが続いて上記鏡像体に分割されてもよい。
【0073】
ラセミ体はキラル相によるカラムクロマトグラフィーにより、又は光学活性溶媒からの結晶化により、或いはラセミ化合物と塩もしくは誘導体、例えば、エステルもしくはアミドを生成する光学活性物質と反応させることにより分割されることが好ましい。塩は塩基性化合物について鏡像体上純粋な酸また酸性化合物について鏡像体上純粋な塩基を用いて生成されてもよい。ジアステレオマー誘導体は鏡像体上純粋な補助化合物、例えば、酸、それらの活性化誘導体、又はアルコールを用いて生成される。こうして得られた塩又は誘導体のジアステレオマー混合物の分離はそれらの異なる物理化学的性質、例えば、溶解性の差を利用することにより達成されてもよく、遊離鏡像体は純粋なジアステレオマー塩又は誘導体から好適な薬剤の作用により放出されてもよい。このような目的に普通に使用される光学活性酸は、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトリル酒石酸、リンゴ酸、マンデル酸、ショウノウスルホン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、又はキナ酸のD形態及びL形態である。補助残基として適用可能な光学活性アルコールは、例えば、(+)-又は(-)-メントールであってもよく、アミド中の光学活性アシル基は、例えば、(+)-又は(-)-メンチルオキシカルボニルであってもよい。
【0074】
本発明の物質はそれ自体知られている様式で、例えば、溶媒を減圧で蒸留して除き、得られた残渣を好適な溶媒から再結晶することにより、又はそれを通例の精製方法の一つ、例えば、好適な担体物質によるカラムクロマトグラフィーにかけることにより単離され、精製される。
本発明の化合物は下記の実施例に記載される方法(これらはまたこの目的のために当業者の専門知識から当業者に知られている方法と組み合わされてもよい)を使用して有利に得られる。同様に、本発明の更なる化合物(その調製が下記の実施例に明らかに記載されていない)が、実施例と同様にして調製し得る。
下記の実施例は本発明を説明することを目的とするものであり、それを限定するものではない。
一般に、化合物の塩形態が明記されている場合、それらは調製条件から演繹され、分析により確かめられなかった。更に、対イオンの化学量論量が通常省かれる。当業者は化合物が或る種の塩形態又はモノ塩形態に限定されないこと及びそれが二塩、三塩又はその他の化合物:対イオン化学量論塩として存在し得ることを認めるであろう。更に、当業者はこのような化合物が異なる対イオンとの塩として、又は、適用可能な場合には、合成条件並びに適用される処理及び精製の方法に応じて内部塩として予期せずに存在し得ることを認めるであろう。
【実施例】
【0075】
化合物の塩形態が明記されない場合、化合物が合成条件並びに適用される処理及び精製の方法に応じて、遊離塩基又は塩として存在し得る。当業者は化合物が遊離塩基又は或る種の塩形態に限定されないことを認めるであろう。化合物の塩形態が明記される場合、対イオンの化学量論量が通常省かれる。当業者は化合物がモノ塩形態に限定されないこと及びそれが二塩、三塩又はその他の化合物:対イオン化学量論塩として存在し得ることを認めるであろう。更に、当業者はこのような化合物が合成条件並びに適用される処理及び精製の方法に応じて、遊離塩基として、又は異なる対イオンとの塩として予期せずに存在し得ることを認めるであろう。収率測定の目的のためにのみ、対イオンの性質及び化合物:対イオン化学量論比の推定がなされる(所定の式により示されるように)。
7.1 中間体の合成
中間体 1: 3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボン酸
【0076】
【化27】
中間体 1
【0077】
メチル 3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボキシレート (100 g; 494 ミリモル) 、メタノール (1 L) 及びNaOH (水中6 モル/L; 240 mL; 1.44 モル) の混合物を3時間還流する。その混合物を室温に冷却し、次いで塩酸 (水中6 M;約120 mL) の添加により中和する。水 (200 mL) を添加する。生成した沈澱を濾過により集め、その間に吸引を適用し、水で洗浄し、60℃で乾燥させる。収量: 99.6 g (理論値の107%).
ESI 質量スペクトル: m/z = 189 [M+H]+; m/z = 187 [M-H]-
中間体 1.1
3,5-ジアミノ-6-ブロモピラジン-2-カルボン酸を中間体1の合成について記載された操作と同様にしてメチル 3,5-ジアミノ-6-ブロモピラジン-2-カルボキシレート (これをJ.Med.Chem.10 (1967) 66-75に記載されたようにメチル 3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボキシレートから調製する) から調製する。
【0078】
中間体 2: 1-(tert-ブチルカルバモイル)プロプ-1-エン-2-イル 3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボキシレート
【化28】
中間体 2
【0079】
段階 1:
tert-ブタノール (21.0 mL; 226 ミリモル) 及び5-メチルイソオキサゾール (18.0 mL; 221 ミリモル) の混合物を氷浴中で冷却する。続けて冷却しながら、トリフルオロメタンスルホン酸 (20.0 mL; 221 ミリモル) を滴下して添加する。得られる混合物を更に冷却しないで1時間撹拌する。
段階 2:
DMF (400 mL)中の3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボン酸 (中間体 1; 14.0 g; 74.2 ミリモル) の溶液を段階1で調製された混合物に添加し、次いでトリエチルアミン (31.0 mL; 222 ミリモル) を添加する。得られる混合物を室温で4時間撹拌する。氷−水を撹拌しながら添加する。生成した沈澱を濾過により集め、その間に吸引を適用し、水で洗浄し、65℃で乾燥させて標題化合物 (18.2 g, 理論値の75%)を得る。
TLC (シリカ; CH2Cl2:MeOH 9:1): Rf = 0.4
ESI 質量スペクトル: m/z = 328 [M+H]+; m/z = 326 [M-H]-
【0080】
中間体 2.1
1-(2-メチル-2-ブチル-カルバモイル)プロプ-1-エン-2-イル 3,5-ジアミノ-6-ブロモピラジン-2-カルボキシレート
【化29】
中間体 2.1
【0081】
段階 1:
2-メチル-2-ブタノール (5.75 mL; 51 ミリモル) 及び5-メチルイソオキサゾール (4.42 mL; 51 ミリモル) の混合物を氷浴で冷却する。続けて撹拌しながら、トリフルオロメタンスルホン酸 (4.84 mL; 54 ミリモル) を滴下して添加する。得られる混合物を更に冷却しないで一夜撹拌する。
段階 2:
氷浴で冷却したDMF (50 mL) 中の3,5-ジアミノ-6-ブロモピラジン-2-カルボン酸 (中間体 1.1; 5.00 g; 21.5 ミリモル) 及びトリエチルアミン (7.48 mL; 54 ミリモル) の溶液又は懸濁液に段階1で調製された混合物を滴下して添加する。得られる混合物を室温で4時間撹拌し、次いで氷−水に注ぐ。生成した沈澱を吸引濾過し、水で洗浄し、50℃で乾燥させて標題化合物を得る。
収量: 7.53 g (理論値の91%)
C14H20BrN5O3ESI 質量スペクトル: m/z = 386 [M+H]+; m/z = 384 [M-H]-
【0082】
中間体 3: 3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-[(メチルスルファニル)メタンイミドイル]ピラジン-2-カルボキサミド
【化30】
中間体 3
【0083】
NaOH (水中1 M; 18.7 mL; 18.7 ミリモル) にS-メチルイソチオ尿素硫酸塩 (4.25 g; 15.3 ミリモル) を添加する。完全溶解が得られるまで、その混合物を撹拌する。CH2Cl2: テトラヒドロフラン (1:1; 30 mL) 次いで1-(tert-ブチルカルバモイル)プロプ-1-エン-2-イル 3,5-ジアミノ-6-クロロピラジン-2-カルボキシレート (中間体 2; 2.00 g; 6.10 ミリモル) を添加し、その混合物を室温で一夜撹拌する。有機溶媒を蒸発させ、次いで水 (50 mL)を添加する。生成した沈澱を濾過により集め、その間に吸引を適用し、水、メタノールで連続して洗浄し、次いでジエチルエーテルで洗浄し、次いで50℃で乾燥させて標題化合物 (1.33 g, 理論値の84%)を得る。
ESI 質量スペクトル: m/z = 261 [M+H]+; m/z = 259 [M-H]-
【0084】
中間体 3.1
3,5-ジアミノ-6-ブロモ-N-[(メチルスルファニル)メタンイミドイル]ピラジン-2-カルボキサミド
【化31】
【0085】
中間体 3.1
NaOH (水中1 モル/l; 30 mL; 30 ミリモル) にS-メチルイソチオ尿素硫酸塩 (5.42 g; 19.5 ミリモル) を添加する。完全溶解が得られるまで、その混合物を撹拌する。TBME/THF (1:1; 100 mL)次いで1-(2-メチル-2-ブチル-カルバモイル)プロプ-1-エン-2-イル 3,5-ジアミノ-6-ブロモピラジン-2-カルボキシレート (中間体 2.1; 7.52 g; 19.5 ミリモル)を添加し、その混合物を室温で一夜撹拌し、次いで水 (100 mL)を添加する。生成した沈澱を吸引濾過し、THF/水(1:2) で洗浄し、次いで50℃で乾燥させて標題化合物を得る。
収量: 5.44 g (理論値の92%)
C7H9BrN6OSESI 質量スペクトル: m/z = 305 [M+H]+
【0086】
中間体 4: N-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル)-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン
【化32】
中間体 4
【0087】
3,5-ジアミノ-6-クロロ-N-[(メチルスルファニル)メタンイミドイル]ピラジン-2-カルボキサミド (中間体 3, 250 mg, 0.88 ミリモル) をテトラヒドロフラン (20 mL)に溶解し、その溶液に3-アミノ-キヌクリジン二塩酸塩 (211 mg, 1.06 ミリモル) 及びトリエチルアミン (0.61 mL, 4.41 ミリモル) を添加する。その混合物を24時間にわたって80℃で加熱する。固体を濾過により除去し、濾液を蒸発させ、分取HPLC (H2O 中5 mMのギ酸アンモニウム: CH3CN勾配) により生成して標題化合物 (45 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.00 分, m/z = 339 [M+H]+.
分取HPLCによる精製に代えて、上記濾液の蒸発、乾燥から得られた粗生成物を次の工程で直接使用してもよい。
同様に、中間体3及び市販の(R)-又は(S)- 3-アミノ-キヌクリジン二塩酸塩を使用して、下記の化合物を得る。
【0088】
中間体 5: N-(R)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン
【化33】
中間体 5
LC/MS (方法 A): RT=1.00 分, m/z = 339 [M+H]+ .
【0089】
中間体 6: N-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン
【化34】
中間体 6
LC/MS (方法 A): RT=1.00 分, m/z = 339 [M+H]+.
【0090】
同様に、中間体 3.1及び(S)-3-アミノ-キヌクリジン二塩酸塩を使用して、下記の化合物を得る。
中間体 6.1: N-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-ブロモ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン
【化35】
中間体 6.1
LC/MS (方法 H): RT=0.55 分, m/z = 381 [M-H]-.
【0091】
中間体 7: 4-アミノ-1-(4-メトキシカルボニル-ベンジル)-1-メチル-ピペリジニウムトリフルオロ酢酸塩
【化36】
中間体 7
【0092】
工程 A: 4-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ピペリジン-1-イルメチル)-安息香酸メチルエステル
【化37】
中間体 7A
【0093】
アセトニトリル100 ml中の4-ブロモメチル-安息香酸メチルエステル (3.0 g; 15 ミリモル) 、ピペリジン-4-イル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (3,77 g; 16,5 ミリモル)及び炭酸カリウム (4,35 g, 31,5 ミリモル) の混合物を80℃で5時間撹拌する。沈澱を濾過により除去し、その溶液を蒸発させる。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (勾配: DCM / メタノール 98:2 〜95:5)により精製して4-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ピペリジン-1-イルメチル)-安息香酸メチルエステルを得る。
収量: 2,49 g
C19H28N2O4 ESI 質量スペクトル: m/z = 349 [M+H]+
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表1
【0094】
【表1】

【0095】
7.10A 1-[(ベンジル-メチル-カルバモイル)-メチル]-ピペリジン-4-イル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル
【化38】
7.10A
【0096】
DMF 10ml中のピペリジン-N-酢酸 4-イル-カルバミン酸 tert-ブチルエステル 200 mgの溶液にカルボニルジイミダゾール125 mgを添加する。その混合物を70℃で2時間撹拌する。次いでN-メチル-ベンジル-アミン100 μl を添加し、その反応液を室温で一夜撹拌する。その反応混合物を減圧で蒸発させ、残渣を塩化メチレン10 ml で処理する。有機相を1 N NaOH 5 ml で洗浄し、減圧で蒸発させて標題化合物を得る。
【0097】
工程 B:
【化39】
【0098】
アセトン5 ml中の4-(4-tert-ブトキシカルボニルアミノ-ピペリジン-1-イルメチル)-安息香酸メチルエステル (185 mg; 0,5 ミリモル) の溶液にヨウ化メチル133 μl を添加する。その混合物を室温で一夜撹拌する。次いで沈澱を集め、アセトンで洗浄し、乾燥させて固体物質145 mgを得る。
(BOC 保護基の除去): この残渣の混合物をジクロロメタン中25 %のTFA 8 mlで処理し、室温で2時間撹拌する。その混合物を蒸発させて標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得る。
収量: 200 mg
C15H23N2O2 x C2F3 O2 x C2HF3 O2
質量スペクトル: m/z = 263 [M]+
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表2
【0099】
【表2】

【0100】
中間体 8: (S)-2-(3-アミノ-ピペリジン-1-イル)-N-(4-クロロ-ベンジル)-アセトアミド
【化40】
中間体 8
【0101】
ジクロロメタン5 ml中の(S)-{1-[(4-クロロ-ベンジルカルバモイル)-メチル]-ピペリジン-3-イル}-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (中間体 7.7A) 60 mg の溶液をTFA 50 μlで処理し、室温で一夜撹拌する。その混合物を蒸発させて標題化合物をトリフルオロ酢酸塩として得る。
収量: 85 mg
C15H23N2O2 x C2F3 O2 x C2HF3 O2
質量スペクトル: m/z = 282 [M+H]+
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
【0102】
【化41】
【0103】
中間体 9: (S)-N-(1-ベンジル-ピペリジン-3-イル)-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン
【化42】
中間体 9
【0104】
THF 2 ml中の3,5-ジアミノ-6-クロロ-N[(メチルスルファニル)メタンイミドイル] -ピラジン- 2-カルボキサミド (中間体 3) 60 mg (0,27 ミリモル) 及び(S)-3-アミノ-1-ベンジル-ピペリジン60 mgの混合物を70℃で一夜撹拌する。次いでその反応混合物を減圧で濃縮し、残渣を分取逆相HPLC (アセトニトリル及び水+ 0.2%のトリフルオロ酢酸の勾配, 25℃) により精製する。標題化合物を含む画分を減圧で濃縮し、メタノール中の過剰のHCl で処理し、再度蒸発させる。
収量: 100 mg.
ESI 質量スペクトル:[M+H]+ = 403
保持時間 HPLC:0,82分 (方法 D).
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表3
【0105】
【表3】
【0106】
中間体 10: (S)-3-{3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-ピペリジン-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル
【化43】
中間体 10
【0107】
工程 A: DMF/イソプロパノール (1:3) 50 ml 中の4-アミノメチル-4-フェネチル-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (中間体 3) 1,17 g (4,5 ミリモル) 、 (S)-3-アミノ-ピペリジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル1 mg (4,9 ミリモル) 及びトリエチルアミン125 μl の混合物を70℃で一夜撹拌する。次いでその反応混合物を減圧で濃縮する。次いでジクロロメタン中25 %のTFA 50 ml を添加し、その混合物を室温で2時間撹拌し、蒸発させる。残渣をメタノール中の過剰のHCl で処理し、再度蒸発させてN-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-N'-ピペリジン-3-イル-グアニジン 430 mgを得る。
工程 B: DMF 3 ml 中のN-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-N'-ピペリジン-3-イル-グアニジン100 mg、トリエチルアミン125 μl及び3-ブロモメチル-安息香酸メチルエステル62 mg を室温で6時間撹拌した。次いでその反応混合物を減圧で濃縮し、残渣を分取逆相HPLC (アセトニトリルと水+ 0.2%のトリフルオロ酢酸の勾配, 25℃) により精製する。標題化合物を含む画分を減圧で濃縮した。
収量: 77 mg.
【0108】
中間体 11: 1-ブロモメチル-3-メチルスルファニル-ベンゼン
【化44】
中間体 11
【0109】
工程 A: 乾燥ジクロロメタン20 ml 中の3-(メチルチオ)安息香酸 (アルドリッチ) 1.50 g (8.92 ミリモル) の溶液を0℃に冷却し、ボラン-硫化メチル錯体 (アルドリッチ) 1.86 mL (19.6 ミリモル) を添加する。その溶液を室温に到達させ、一夜撹拌し、次いで塩酸 (4 M, 50 mL) を添加し、得られる混合物を更に2時間撹拌する。その反応混合物を酢酸エチル ( 50 mL, 3 回) で抽出し、集めた有機相を10% のNaHCO3溶液及び食塩水で洗浄し、揮発物を真空で蒸発させて3-メチルスルファニル-フェニル)-メタノール (1.20 g,含量約75%)を得、これを次の工程で直接使用する。
工程 B: ジクロロメタン (25 mL)及び三臭化リン (ジクロロメタン中1 M, 6.42 mL) 中の3-メチルスルファニル-フェニル)-メタノール (1.20 g, 含量約75%) の溶液を室温で3時間撹拌する。その反応混合物をNaHCO3 溶液 (10%, 10 mL, 2 回) で洗浄し、残っている有機相を乾燥させ (MgSO4)、揮発物を減圧で蒸発させて標題化合物 (1.35 g)を得る。
【0110】
中間体 12: N,N'-ジベンジル-2-ブロモ-マロンアミド
【化45】
中間体 12
【0111】
酢酸 (10 mL)中のN,N'-ジベンジル-マロンアミド (Journal of the Chemical Society 1921, 119 巻, 360 記載の調製) 1.12 g (含量約90%, 3.49 ミリモル) の溶液を60℃で加熱し、酢酸4 ml中の臭素0.2 mL (3.97 ミリモル) を滴下して添加する。室温に冷却し、一夜撹拌した後、固体が沈澱し、これを濾過により集め、若干のジエチルエーテルで洗浄し、最後にオーブン (50℃) 中で真空で乾燥させて標題化合物 (0.56 g) を得る。
質量スペクトル m/z = 361 [M+H]+.
【0112】
中間体 13: 2-ブロモ-N-エチル-2-フェニル-アセトアミド
【化46】
中間体 13
【0113】
ジクロロメタン (30 mL)中のアルファ-ブロモフェニル酢酸 (アルドリッチ) 1.0 g (4.65 ミリモル) 、(3-ジメチルアミノ-プロピル)-エチル-カルボジイミド塩酸塩 (アルドリッチ) 1.16 g (6.05 ミリモル) 、エチルアミン (アルドリッチ, ジクロロメタン中2 M) 2.80 mL (5.6 ミリモル) の混合物を室温で18時間撹拌する。その反応混合物をNaOH 1 M (15 mL) で洗浄し、有機相を減圧で蒸発させる。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (勾配: シクロヘキサン/酢酸エチル90:10 〜50:50)により精製して標題化合物 (0.32 g, 含量約90%)を得る。
質量スペクトル m/z = 243 [M+H]+.
【0114】
中間体 14: (S)-2-(2-クロロ-アセチルアミノ)-3-フェニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル
【化47】
中間体 14
【0115】
ジクロロメタン (30 mL)中の(S)-2-アミノ-3-フェニル-プロピオン酸 tert-ブチルエステル塩酸塩 (アルドリッチ) 3.0 g (11.6 ミリモル) 及びトリエチルアミン (アルドリッチ) 3.32 mL (23.9 ミリモル) の混合物に、塩化クロロアセチル (アルドリッチ) 0.97 mL (12.2 ミリモル) を滴下して添加し、得られる混合物を室温で4時間撹拌する。その反応混合物を水 (25 mL)で希釈し、有機層を分離し、10% NaHCO3溶液 (25 mL)で洗浄し、乾燥させ (MgSO4)、最後に減圧で蒸発させて標題化合物 (3.4 g)を得る。
質量スペクトル m/z = 298 [M+H]+.
表4中の化合物を中間体14と同様にして示された出発物質から調製する。
表4
【0116】
【表4】

【0117】
7.2 実施例の合成
実施例 1: 1-カルボキシメチル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化48】
1
【0118】
N-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル)-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 4, 152 mg, 含量約66%, 0.30 ミリモル) 及びベンジルブロモアセテート (アルドリッチ, 0.052 mL, 0.33 ミリモル) をDMF (1 mL) で処理し、その混合物を室温で約18時間撹拌する。粗混合物を分取HPLC (H2O 中の5 mMギ酸アンモニウム: CH3CN 勾配) により精製し、更にPoraPak Rxn RP カートリッジ (ウォーターズ, 6 mL) で精製し、水中0% 〜100%のアセトニトリルで溶離する。真空で乾燥させて標題化合物 (23 mg)を得る。
LC/MS (方法 B): RT = 3.17分, m/z = 397 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.468.
【0119】
実施例 2: 3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(3,4,5-トリメトキシ-ベンジル)-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化49】
2
【0120】
N-(1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル)-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 4, 152 mg, 含量約66%, 0.30 ミリモル) 及び3,4,5-トリメトキシベンジルクロリド (アルドリッチ, 77 mg, 0.36 ミリモル) をDMF (1 mL) 中で室温で約18時間撹拌する。粗混合物を分取HPLC (H2O 中の5 mMギ酸アンモニウム: CH3CN 勾配) により精製する。こうして得られた生成物をジエチルエーテル (4 mL) 及びメタノール (1.5 mL) の混合物ですり砕き、濾過により集め、真空で70℃で乾燥させる。更に水 (0.3 mL) ですり砕き、濾過し、真空で70℃で乾燥させて標題化合物 (35 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.44 分, m/z = 519 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.126.
同様に、中間体4、適当なアルキル化剤を使用し、アセトニトリル/ジエチルエーテルですり砕いて下記の化合物を得る。
【0121】
実施例 3: 3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-フェニルカルバモイルメチル-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化50】
3
【0122】
LC/MS (方法 B): RT = 7.78 分, m/z = 472 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.026.
実施例 4: 1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化51】
4
【0123】
N-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 4, 30 mg, 0.089 ミリモル) 及び臭化ベンジル (アクロス , 17 mg, 0.097 ミリモル) を4時間にわたって70℃でアセトニトリル (2 mL)中で撹拌する。その懸濁液にジエチルエーテル (2 mL)を添加し、固体を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥させて標題化合物 (26 mg) を得る。
LC/MS (方法 A): RT=1.25 分, m/z = 429 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.043.
【0124】
実施例 5: (R)-1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化52】
5
【0125】
N-(R)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 5, 93 mg, 含量約70%, 0.19 ミリモル) 及び臭化ベンジル (アクロス , 0.028 mL, 0.23 ミリモル) を4時間にわたってDMF (3 mL) 中で撹拌する。得られる物質を分取HPLC (H2O 中の5 mMギ酸アンモニウム: CH3CN 勾配) により精製して標題化合物 (17 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.19 分, m/z = 429 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.460.
【0126】
実施例 6: (S)-1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化53】
6
【0127】
N-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 50 mg, 0.15 ミリモル) 及び臭化ベンジル (アクロス, 30 mg, 0.18 ミリモル) を約18時間にわたって70℃でアセトニトリル (4 mL) 中で撹拌する。その懸濁液にジエチルエーテル (2 mL) を添加し、固体を濾過により集め、ジエチルエーテルで2回洗浄し、真空で乾燥させて標題化合物 (48 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.20 分, m/z = 429 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.028.
【0128】
実施例 6.1: (S)-1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-ブロモ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化54】
6.1
【0129】
N-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-ブロモ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6.1, 80 mg, 0.209 ミリモル) 及び臭化ベンジル (0.025 mg, 0.209 ミリモル) を室温でDMSO/2-プロパノール 1:1 (2 mL) 中で一夜撹拌する。揮発物を蒸発させ、残渣を分取HPLC (H2O + 0.05% CF3COOH : CH3CN 勾配) により精製して標題化合物 (57 mg)を得る。
LC/MS (方法 I): RT = 0.54 分, m/z = 473 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.029.
【0130】
実施例 7: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(4-メトキシ-ベンジル)-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化55】
7
【0131】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6), 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 及び4-メトキシベンジルクロリド (アルドリッチ, 0.027 mL, 0.20 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。アセトニトリル (3 mL) を添加し、得られる固体を濾過により除去し、揮発物を母液から除去する。残渣をアセトニトリルですり砕き、真空で乾燥させて標題化合物 (25 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.34 分, m/z = 459 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.020.
【0132】
実施例 8: (S)-1-(4-tert-ブチル-ベンジル)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化56】
8
【0133】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 及び4-tert-ブチル-ベンジルブロミド (アルドリッチ, 0.074 mL, 0.40 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。アセトニトリル (8 mL) を添加し、得られる固体を濾過により除去する。約4℃で約18時間冷却した後、別の固体が母液から生成する。これを濾過により集め、分取HPLC (H2O + 0.05% CF3COOH : CH3CN 勾配) により精製する。こうして得られた物質をアセトニトリル (10 mL)中でHCl (ジエチルエーテル中2 M, 1.5 mL) で3回処理し、続いて蒸発させる。最後に、ジエチルエーテルですり砕き、濾過し、真空で乾燥させて標題化合物 (23 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT=2.05, 5.51 分, m/z = 485 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.041.
下記の化合物を実施例8と同様にして中間体6と適当なアルキル化剤の反応により、すり砕きに適した溶媒を使用して得る。
表5
【0134】
【表5】

【0135】
実施例 11: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-キノリン-2-イルメチル-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化57】
11
【0136】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 、2-(クロロメチル)キノリン塩酸塩 (アルドリッチ, 76 mg, 0.35 ミリモル) 及び炭酸水素ナトリウム (フルカ, 27 mg, 0.32 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。固体を濾過により除去し、アセトニトリル (3 mL) を濾液に添加する。1時間撹拌した後、得られる固体を濾過により集め、アセトニトリル:メタノール (1:1, 2 mL)ですり砕き、濾過し、真空で乾燥させて標題化合物 (45 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.81 分, m/z = 480 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.029.
【0137】
実施例 12: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(6-トリフルオロメチル-ピリジン-3-イルメチル)-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化58】
12
【0138】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 120 mg, 含量約81%, 0.26 ミリモル) 、3-(クロロメチル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン (アポロ, 66 mg, 0.34 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。DMF (1.5 mL) を添加し、固体を濾過により集め、若干のアセトニトリルで洗浄する。その物質を数滴のEtOHに溶解し、若干のジエチルエーテルを添加することにより沈澱させる。得られる固体を濾過により集め、真空で乾燥させて標題化合物 (24 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.34 分, m/z = 498 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.063.
【0139】
実施例 13: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-ピリジン-2-イルメチル-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化59】
13
【0140】
DMF (1.3 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 、2-ピコリルクロリド塩酸塩 (アルドリッチ, 58 mg, 0.35 ミリモル) 及び炭酸水素ナトリウム (フルカ, 27 mg, 0.32 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。その混合物を分取HPLC (H2O + 0.05% CF3COOH : CH3CN 勾配) により精製する。こうして得られた物質をアセトニトリル中でHCl (ジエチルエーテル中2 M, 1.5 mL) で3回処理し、続いて蒸発させて標題化合物 (23 mg) を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.11分, m/z = 430 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.090.
【0141】
実施例 14: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(4-フルオロ-ベンジル)-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化60】
14
【0142】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 及び4-フルオロ-ベンジルクロリド (フルカ, 0.057 mL, 0.47 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。次いでアセトニトリル (3 mL) を添加し、その混合物を約18時間にわたって4℃に保つ。得られる固体を濾過により集め、アセトニトリル:ジエチルエーテル (1:1, 3 mL)、次いでアセトニトリル:イソプロパノール (6:1, 3.5 mL)ですり砕く。真空で乾燥させて標題化合物 (71 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.30 分, m/z = 447 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.028.
下記の化合物を実施例14と同様にして中間体6と適当なアルキル化剤の反応により得、すり砕きに適した溶媒を使用する。
表6
【0143】
【表6】







【0144】
実施例 68: (S)-1-(ビス-ベンジルカルバモイル-メチル)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化61】
68
【0145】
DMF (1 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 80 mg, 含量約95%, 0.22 ミリモル)及びN,N'-ジベンジル-2-ブロモ-マロンアミド (中間体 12 , 97 mg, 0.27 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。次いでアセトニトリル (3 mL) を添加し、その混合物を約18時間にわたって4℃に保つ。得られる固体を濾過により集め、アセトニトリル:ジエチルエーテル (1:1, 3 mL)、アセトニトリル (5 mL) 次いでジクロロメタン (3 mL) ですり砕く。真空で乾燥させて標題化合物 (46 mg)を得る。
LC/MS (方法 F): RT = 5.86 分, m/z = 619 [M]+.
ENaC IC50 (μM) : 0.008
下記の化合物を実施例68と同様にして調製する。
【0146】
実施例 68.1: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(エチルカルバモイル-フェニル-メチル)-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンブロミド
【化62】
68.1
【0147】
DMF (1 mL)中でN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 100 mg, 含量約90%, 0.27 ミリモル) 及び2-ブロモ-N-エチル-2-フェニル-アセトアミド (中間体 13 , 含量約90%, 100 mg, 0.37 ミリモル) から調製する。収量: 25 mg
LC/MS (方法 F): RT = 5.86分, m/z = 619 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.018
【0148】
実施例 69: (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(3-メチル-ブト-2-エンイル)-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド
【化63】
69
【0149】
DMF (0.8 mL)中のN-(S)-1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクト-3-イル-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 6, 125 mg, 含量約87%, 0.32 ミリモル) 及び1-クロロ-3-メチル-2-ブテン (アルドリッチ, 0.040 mL, 0.35 ミリモル) を室温で約18時間撹拌する。アセトニトリル (1 mL) を添加する。1時間後、その溶液を固体からデカントし、揮発物を真空で蒸発させ、残渣をアセトニトリルで処理する。得られる固体を集め、更に分取HPLC (H2O 中5 mMのギ酸アンモニウム: CH3CN 勾配) により精製する。こうして得られた物質をジオキサン中の過剰のHCl で処理し、続いて蒸発させる。最後に、ジエチルエーテルですり砕き、濾過し、真空で乾燥させて標題化合物 (22 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT = 1.16, m/z = 407 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.188.
【0150】
実施例 70 1-ベンジル-4-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-メチル-ピペリジニウムクロリド
【化64】
70
【0151】
テトラヒドロフラン50 ml 及びメタノール50 ml 中の4-アミノ-1-ベンジル-1-メチル-ピペリジジニウムビストリフルオロ酢酸塩 (中間体 7.1) 860 mg (1.5 ミリモル; 含量約80%) 及び1-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-2-メチル-イソチオ尿素414 mg (1,5 ミリモル) の混合物を50℃で一夜撹拌する。次いでその反応混合物を減圧で濃縮し、残渣を分取逆相HPLC (アセトニトリル及び水 + 0.2% トリフルオロ酢酸の勾配, 25℃) により精製する。標題化合物を含む画分を減圧で濃縮し、メタノール中の過剰のHCl で処理し、再度蒸発させた。
収量: 480 mg
ESI 質量スペクトル:[M]+ = 417
保持時間 HPLC:0.74分 (方法 D).
ENaC IC50 (μM): 0.106.
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表7
【0152】
【表7】

【0153】
実施例 71: (S)-1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-メチル-ピペリジニウムクロリド
【化65】
71
【0154】
A) BOC 保護中間体の合成:
(S)-N-(1-ベンジル-ピペリジン-3-イル)-N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジン (中間体 9) 80 mg (0,1 ミリモル) 、トリエチルアミン70 μl 及びBOC 酸無水物90 mg をTHF 3 mlに溶解し、一夜撹拌した。有機層を分離し、減圧で濃縮し、生成物を更に精製しないで次の工程で使用する。
B) (S)-1-ベンジル-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-メチル-ピペリジニウムクロリド
上記生成物をアセトン2 mlに溶解し、ヨウ化メチル50 μl を添加する。次いでその混合物を室温で一夜撹拌する。その反応混合物を減圧で濃縮し、ジクロロメタン中トリフルオロ酢酸の50% 溶液2 mlを添加し、室温で2時間撹拌する。次いでその混合物をメタノール性塩酸とともに同時蒸発させる。残渣を分取逆相HPLC (メタノール及び水 + 0.2% トリフルオロ酢酸の勾配, 25℃) により精製する。標題化合物を含む画分を減圧で濃縮し、最後にメタノール性塩酸とともに同時蒸発させる。
収量: 82 mg.
ESI 質量スペクトル:[M]+ = 417
保持時間 HPLC:0,74分 (方法 D)
ENaC IC50 (μM): 0.081.
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表8
【0155】
【表8】

【0156】
実施例 72 (S)-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-(3-メトキシカルボニル-ベンジル)-1-メチル-ピペリジニウムクロリド
【化66】
【0157】
アセトン/ジメチルホルムアミド (1:1) 2 ml 中の(S)-3-{3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-ピペリジン-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル (中間体 10) 35 mg (0,066 ミリモル) 及びヨウ化メチル100 μl (0.7 ミリモル)の混合物を室温で一夜撹拌する。次いでその反応混合物を減圧で濃縮し、残渣を分取逆相HPLC (メタノール及び水 + 0.2% トリフルオロ酢酸の勾配, 25℃) により精製する。標題化合物を含む画分を減圧で濃縮し、メタノール中の過剰のHCl で処理し、再度蒸発させる。
収量: 35 mg
ESI 質量スペクトル:[M]+ = 475
保持時間 HPLC:0.79分 (方法 D).
ENaC IC50 (μM): 0.122.
下記の化合物を示された出発物質から調製する。
表9
【0158】
【表9】

【0159】
実施例 73: (S)-1-[((S)-1-カルボキシ-2-フェニル-エチルカルバモイル)-メチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ -6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド塩酸塩
【化67】
73
【0160】
(S)-1-[((S)-1-tert-ブトキシカルボニル-2-フェニル-エチルカルバモイル)-メチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ-[2.2.2]-オクタンクロリド (中間体 59) 140 mg (0.22ミリモル) 及びジエチルエーテル中のHCl (2 M) 6.2 mL (12.4ミリモル) の混合物を室温で一夜撹拌する。得られる固体を濾過により集め、ジエチルエーテルで洗浄する。アセトンで再結晶して標題化合物 (78 mg)を得る。
LC/MS (方法 A): RT 1.71 分, m/z = 544 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.004.
下記の化合物を実施例73と同様にして調製する。
【0161】
実施例 73.1 (S)-1-[((R)-1-カルボキシ-2-フェニル-エチルカルバモイル)-メチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ -6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド塩酸塩
【化68】
73.1
【0162】
(S)-1-[((R)-1-tert-ブトキシカルボニル-2-フェニル-エチルカルバモイル)-メチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ-[2.2.2]-オクタンクロリド (中間体 60) 180 mg (0.28 ミリモル)から出発して調製する。
収量: 110 mg
LC/MS (方法 G): RT 6.43分, m/z = 544 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.197.
【0163】
実施例 73.2 (S)-1-[2-(4-カルボキシ-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド塩酸塩
【化69】
73.2
【0164】
(S)-1-[2-(4-tert-ブトキシカルボニル-ピペリジン-1-イル)-2-オキソ-エチル]-3-[N'-(3,5-ジアミノ-6-クロロ-ピラジン-2-カルボニル)-グアニジノ]-1-アゾニア-ビシクロ[2.2.2]オクタンクロリド (中間体 67) 120 mg (0.20 ミリモル) から出発して調製する、
収量: 55 mg
LC/MS (方法 A): RT 1.28 分, m/z = 508 [M]+.
ENaC IC50 (μM): 0.269.
表10中の化合物を実施例14と同様にして中間体6と適当なアルキル化剤の反応により調製し、すり砕きに適した溶媒を使用する。夫々の適当なアルキル化剤を臭化ブロモアセチル及び相当する一級アミンから調製する。
表10
【0165】
【表10】

【0166】
8.0 分析方法及び分取クロマトグラフィー
示されたHPLC保持時間及び質量スペクトルを下記の方法を使用して測定する。
方法 A
装置: LC/MS サーモフィニガンHPLCサーベイヤーDAD, LCQ フリートイオントラップ
カラム: シンメトリー・シールドRP8, 5 μm, 4.6 x 150 mm
移動相: A = H2O 90% + CH3CN 10% + HCOOH 0.1%
B = CH3CN 90% + H2O 10% + HCOOH 0.1%
時間 [分] %A %B 流量 [mL/分]
0.00 95 5 1
1.50 95 5 1
11.05 5 95 1
13 5 95 1
13.03 95 5 1
15 95 5 1
検出: UV 254 nm
検出: フィニガン・フリート、イオントラップ
イオン源: ES+
スキャン範囲: 100-900 amu
【0167】
方法 B
装置: LC/MS サーモフィニガンHPLCサーベイヤーDAD, MSQ 単一四極子
カラム: シナジー・ヒドロRP80A, 4 μm, 4.6 x 100 mm
移動相: A = H2O 90% + CH3CN 10% + NH4COOH 10 mM
B = CH3CN 90% + H2O 10% + NH4COOH 10 mM
時間 [分] %A %B 流量 [mL/分]
0.00 100 0 1.2
1.50 100 0 1.2
11.05 0 100 1.2
13 0 100 1.2
13.05 100 0 1.2
15 100 0 1.2
検出: UV 254 nm
検出: フィニガンMSQ, 単一四極子
イオン源: APCI+/APCIスキャン
範囲: 100-900 amu
【0168】
方法 C
装置: ウォーターズ ZQ2000; ウォーターズ 1515 パンプ, ウォーターズ PDA 996 検出器, ウォーターズ 2747 注入器
カラム: X-terraTM MS C18 2,5 μm 4,6 mm x 30 mm
移動相: A 水 + 0,1% ギ酸
B アセトニトリル+ 0,1% ギ酸
静止相:
カラム温度 周囲温度25℃
(Saulentemperatur entspricht Umgebungstemperatur von ca.25℃)
ダイオードアレイ検出210 - 420 nm
ESI ポジチブ及びネガチブスイッチモード
勾配:
【0169】
【表11】
【0170】
方法 D:
装置: アギレント1200とDA- 及びMS-検出器
分析カラム: サンファイアーC18 (ウォーターズ・テクノロジイズ)
サンファイアーC18, 3.0 x 30 mm, 2.5 μm カラム温度60℃
移動相 A: H2O: トリフルオロ酢酸 99.9:0.1
移動相 B: メタノール: 100
勾配:
【0171】
【表12】
【0172】
方法 E
装置: ウォーターズ 1525 とDA- 及びMS-検出器
分析カラム: サンファイアーC18, 4.6 x 30 mm, 2.5 μm (ウォーターズ・テクノロジイズ)
カラム温度60℃
移動相 A: H2O: トリフルオロ酢酸 99.9:0.1
移動相 B: アセトニトリル
勾配:
【0173】
【表13】
【0174】
方法 F
装置: LC/MS サーモフィニガンHPLCサーベイヤーDAD, LCQ フリートイオントラップ
カラム: シンメトリー・シールドRP8, 5 μm, 4.6 x 150 mm
移動相: A = H2O 90% + CH3CN 10% + HCOOH 0.1%
B = CH3CN 90% + H2O 10% + HCOOH 0.1%
【0175】
【表14】
【0176】
検出: UV 254 nm
検出: フィニガン・フリート, イオントラップ
イオン源: ES+
スキャン範囲: 100-900 amu
【0177】
方法 G
装置: LC/MS サーモフィニガンHPLCサーベイヤーDAD, MSQ 単一四極子
カラム: シナジー・ヒドロRP100A , 5 μm, 3.0 x 50 mm
移動相: A = H2O 90% + CH3CN 10% + NH4COOH 10 mM
B = CH3CN 90% + H2O 10% + NH4COOH 10 mM
【0178】
【表15】
【0179】
検出: UV 254 nm
検出: フィニガンMSq 単一四極子
イオン源: APCI+/APCI-
スキャン範囲: 100-900 amu
【0180】
方法 H
【表16】
【0181】
方法 I
【表17】
【0182】
下記の略号を先に、また後に使用する。
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
r.t. 周囲温度 (約20℃)
9. 薬理学的試験方法
ユッシング(Ussing)チャンバー: マウス腎臓M-1 細胞をポリエステルトランスウェルフィルターで10〜12日にわたって5% FCS及び5μMデキサメタゾンを含むDMEM中で培養した。フィルターをテフロン被覆ウェル−プレート(これはユッシングチャンバー系にフィットする)に挿入した。測定の前に、M-1 細胞の培地をCaco-2トランスポート緩衝液(インビトロゲン、ドイツ)と交換した。測定中、ユッシングチャンバー温度を37℃に保った。短回路電流 (I_sc) をデータ獲得及び分析のためのソフトウェアパッケージLab ビューを備えた社内構築増幅器(ベーリンガー・インゲルハイム、ビベラッヒ)を使用して電圧−クランプモードで測定した。経上皮電気抵抗(TEER)を5秒毎の±5mV の電圧ステップの適用により測定した。化合物を3μMの最終濃度又は頂溶液への増大する濃度 (1-3-10μM)で投与した。夫々の実験の終了時に、アミロイド感受性I_SCを3μMアミロイドを頂区画に添加することにより測定した。結果をアミロイド作用の抑制率又はIC50として表す。
【0183】
10. 指示
判明したように、式 (I)の化合物は治療分野におけるそれらの広範囲の適用により特徴づけられる。式 (I)の本発明の化合物が好ましくはそれらの医薬効力のためにENaC阻害薬として適している適用が特に挙げられるべきである。例として、呼吸器の疾患もしくは病気、又は気道のアレルギー性疾患が挙げられる。
増大された粘液生成、炎症及び/又は気道の閉塞性疾患により伴なわれる気道及び肺の疾患の予防及び治療が特に挙げられるべきである。例として、急性、アレルギー性もしくは慢性の気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)、咳、肺水腫、アレルギー性もしくは非アレルギー性の鼻炎もしくは副鼻腔炎、慢性の鼻炎もしくは副鼻腔炎、喘息、肺胞炎、農夫肺疾患、過敏性気道、感染性の気管支炎もしくは肺炎、小児喘息、気管支拡張、肺線維症、ARDS (急性成人呼吸困難症候群) 、気管支浮腫、肺浮腫、種々の原因、例えば、発汗、毒性ガスの吸引により誘発される気管支炎、肺炎もしくは間質性肺炎、又は心不全、放射線、化学療法、膵のう胞性線維症もしくは膵線維症の結果としての気管支炎、肺炎もしくは間質性肺炎、或いはアルファ1-アントトリプシン欠乏症が挙げられる。
【0184】
特に好ましくは、本発明は肺を含む上部及び下部の呼吸道の炎症性又は閉塞性疾患、例えば、アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、気管支拡張、膵のう胞性線維症、COPD、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、特にCOPD、慢性気管支炎、膵のう胞性線維症及び喘息の治療のための医薬組成物を調製するための式 (I)の化合物の使用に関する。
式 (I)の化合物を炎症性疾患及び閉塞性疾患、例えば、COPD、慢性気管支炎、慢性副鼻腔炎、喘息、膵のう胞性線維症、特にCOPD及び膵のう胞性線維症の治療のために使用することが最も好ましい。
実際の医薬有効量又は治療用量は、勿論、当業者により知られている因子、例えば、患者の年齢及び体重、投与の経路及び疾患の重度に依存するであろう。いずれの場合にも、その組み合わせは医薬有効量が患者の特有の症状に基づいて送出されることを可能にする用量かつ様式で投与されるであろう。
【0185】
11. 組み合わせ
式 (I)の化合物はそれら自体で、又は本発明の(I) のその他の活性物質と連係して使用されてもよい。所望により、式 (I)の化合物はまたその他の薬理学上活性な物質と組み合わせて使用されてもよい。
それ故、更に本発明は式 (I)の一種以上の化合物の他に、更なる活性物質として、更なるENaC阻害薬、ベータミメチックス、坑コリン作用薬、コルチコステロイド、PDE4- 阻害薬、LTD4- アンタゴニスト、EGFR- 阻害薬、ドーパミンアゴニスト、H1- 坑ヒスタミン薬、PAF-アンタゴニスト、MAP-キナーゼ阻害薬、MPR4- 阻害薬、iNOS- 阻害薬、SYK-阻害薬、膵のう胞性線維症膜貫通レギュレーター(CFTR)の修復薬及びCFTR強化薬のカテゴリーの中から選ばれた一種以上の化合物、又はこれらの二重もしくは三重の組み合わせを含むことが好ましい薬物組み合わせに関する。
【0186】
好ましいベータミメチックスの例として、アルブテロール、アルフォルモテロール、バムブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプエナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、ミルベテロール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメファモール、サルメテロール、ソテレノール、スルホンテロール、テルブタリン、チアラミド、トルブテロール、ジンテロール、ノロミロール、並びに
【0187】
・1-(2-クロロ-4-ヒドロキシフェニル)-t-ブチルアミノエタノール、
・(-)-2-[7(S)-[2(R)-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシフェニル)-エチルアミノ]-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチルオキシ]-N,N-ジメチルアセトアミド塩酸塩一水和物、
・3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンジル-スルホンアミド
・5-[2-(5,6-ジエチル-インダン-2-イルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン
・4-ヒドロキシ-7-[2-{[2-{[3-(2-フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]-アミノ}エチル]-2(3H)-ベンゾチアゾロン
・1-(2-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(1-ベンゾイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール
・1-[3-(4-メトキシベンジル-アミノ)-4-ヒドロキシフェニル]-2-[4-(1-ベンゾイミダゾリル)-2-メチル-2-ブチルアミノ]エタノール
・1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール
・1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-メトキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール
・1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-[3-(4-n-ブチルオキシフェニル)-2-メチル-2-プロピルアミノ]エタノール
・1-[2H-5-ヒドロキシ-3-オキソ-4H-1,4-ベンゾキサジン-8-イル]-2-{4-[3-(4-メトキシフェニル)-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-2-メチル-2-ブチルアミノ}エタノール
・5-ヒドロキシ-8-(1-ヒドロキシ-2-イソプロピルアミノブチル)-2H-1,4-ベンゾキサジン-3-(4H)-オン
【0188】
・1-(4-アミノ-3-クロロ-5-トリフルオロメチルフェニル)-2-tert.-ブチルアミノ)エタノール
・6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ酢酸エチルエステル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-フェノキシ酢酸)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・8-{2-[1,1-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチルフェニル)-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・6-ヒドロキシ-8-{1-ヒドロキシ-2-[2-(4-イソプロピル-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-エチル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・8-{2-[2-(4-エチル-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・8-{2-[2-(4-エトキシ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・4-(4-{2-[2-ヒドロキシ-2-(6-ヒドロキシ-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジン-8-イル)-エチルアミノ]-2-メチル-プロピル}-フェノキシ)-酪酸
・8-{2-[2-(3,4-ジフルオロ-フェニル)-1,1-ジメチル-エチルアミノ]-1-ヒドロキシ-エチル}-6-ヒドロキシ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン
・1-(4-エトキシ-カルボニルアミノ-3-シアノ-5-フルオロフェニル)-2-(tert.-ブチルアミノ)エタノール
【0189】
・N-[2-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(2-ヒドロキシ-2-フェニル-エチルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-フェニル]-ホルムアミド
・8-ヒドロキシ-5-(1-ヒドロキシ-2-{2-[4-(6-メトキシ-ビフェニル-3-イルアミノ)-フェニル]-エチルアミノ}-エチル)-1H-キノリン-2-オン
・8-ヒドロキシ-5-[1-ヒドロキシ-2-(6-フェネチルアミノ-ヘキシルアミノ)-エチル]-1H-キノリン-2-オン
・5-[2-(2-{4-[4-(2-アミノ-2-メチル-プロポキシ)-フェニルアミノ]-フェニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-8-ヒドロキシ-1H-キノリン-2-オン
・[3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-5-メチル-フェニル]-尿素
・4-(2-{6-[2-(2,6-ジクロロ-ベンジルオキシ)-エトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール
・3-(4-{6-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘキシルオキシ}-ブチル)-ベンゼンスルホンアミド
・3-(3-{7-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-ヘプチルオキシ}-プロピル)-ベンゼンスルホンアミド
・4-(2-{6-[4-(3-シクロペンタンスルホニル-フェニル)-ブトキシ]-ヘキシルアミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-ヒドロキシメチル-フェノール
【0190】
・N-アダマンタン -2-イル-2-(3-{2-[2-ヒドロキシ-2-(4-ヒドロキシ-3-ヒドロキシメチル-フェニル)-エチルアミノ]-プロピル}-フェニル)-アセトアミド
・(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-4-(2-{[4,4-ジフルオロ-6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2- (ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-4-(2-{[6-(4,4-ジフルオロ-4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-5-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-8- ヒドロキシキノリン-2(1H)-オン
・(R,S)-[2-({6-[2,2-ジフルオロ-2-(3-メチルフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)-1- ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・4-(1R)-2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-2-(ヒドロキシメチル)-4-(1-ヒドロキシ-2-{[4,4,5,5-テトラフルオロ -6-(3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}エチル)フェノール
・(R,S)-[5-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2- ヒドロキシフェニル]ホルムアミド
・(R,S)-4-[2-({6-[2-(3-ブロモフェニル)-2,2-ジフルオロエトキシ]ヘキシル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]- 2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R, S)-N-[3-(1,1 -ジフルオロ-2-{[6-({2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]尿素
・3-[3-(1,1-ジフルオロ-2-{[6-({2-ヒドロキシ-2-[4-ヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチル}アミノ)ヘキシル]オキシ}エチル)フェニル]イミダゾリジン-2,4-ジオン
【0191】
・(R,S)-4-[2-({6-[2,2-ジフルオロ-2-(3-メトキシフェニル)エトキシ]ヘキシル}アミノ)-1-ヒドロキシエチル]-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・5-((1R)-2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-8- ヒドロキシキノリン-2(1 H)-オン
・4-((1R)-2-{[4,4-ジフルオロ-6-(4-フェニルブトキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-4-(2-{[6-(3,3-ジフルオロ-3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシ-エチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-2-フェニルエトキシ)-4,4-ジフルオロヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2-(ヒドロキシメチル)フェノール
・(R,S)-4-(2-{[6-(2,2-ジフルオロ-3-フェニルプロポキシ)ヘキシル]アミノ}-1-ヒドロキシエチル)-2- (ヒドロキシメチル)フェノール
・3-[2-(3-クロロ-フェニル)-エトキシ]-N-(2-ジエチルアミノ-エチル)-N-{2-[2-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾチアゾール-7-イル)-エチルアミノ]-エチル}-プロピオンアミド
・N-(2-ジエチルアミノ-エチル)-N-{2-[2-(4-ヒドロキシ-2-オキソ-2,3-ジヒドロ-ベンゾチアゾール-7-イル)-エチルアミノ]-エチル}-3-(2-ナフタレン -1-イル-エトキシ)-プロピオンアミド
・7-[2-(2-{3-[2-(2-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-プロピルスルファニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-4-ヒドロキシ-3H-ベンゾチアゾール-2-オン及び7-[(1R)-2-(2-{3-[2-(2-クロロ-フェニル)-エチルアミノ]-プロピルスルファニル}-エチルアミノ)-1-ヒドロキシ-エチル]-4-ヒドロキシ-3H-ベンゾチアゾール-2-オン
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0192】
好ましい坑コリン作用薬の例として、チオトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、オキシトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、フルトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、イプラトロピウム塩、好ましくはその臭化物塩、アクリジニウム塩、好ましくはその臭化物塩、グリコピロニウム塩、好ましくはその臭化物塩、トロスピウム塩、好ましくはその塩化物塩、トルテロジンが挙げられる。上記塩から、その薬理学上活性な部分は陽イオンであり、可能な陰イオンは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、マレイン酸イオン、酢酸イオン、クエン酸イオン、フマル酸イオン、酒石酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、安息香酸イオン又はp-トルエンスルホン酸イオンである。好ましい坑コリン作用薬の例は
・2,2-ジフェニルプロピオン酸トロペノールエステル-メトブロミド
・2,2-ジフェニルプロピオン酸スコピンエステル-メトブロミド
・2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸スコピンエステル-メトブロミド
・2-フルオロ-2,2-ジフェニル酢酸トロペノールエステル-メトブロミド
・3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸トロペノールエステル-メトブロミド
【0193】
・3,3',4,4'-テトラフルオロベンジル酸スコピンエステル-メトブロミド
・4,4'-ジフルオロベンジル酸トロペノールエステル-メトブロミド
・4,4'-ジフルオロベンジル酸スコピンエステル-メトブロミド
・3,3'-ジフルオロベンジル酸トロペノールエステル-メトブロミド
・3,3'-ジフルオロベンジル酸スコピンエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸トロペノールエステル -メトブロミド
・9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸トロペノールエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸スコピンエステル-メトブロミド
・9-フルオロ-フルオレン-9-カルボン酸スコピンエステルメトブロミド
・9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド
・9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸スコピンエステルメトブロミド
・ベンジル酸シクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・2,2-ジフェニルプロピオン酸シクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・9-メチル-フルオレン-9-カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-フルオレン-9-カルボン酸シクロプロピルトロピンエステル -メトブロミド
・4,4'-ジフルオロベンジル酸メチルエステルシクロプロピルトロピンエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸トロペノールエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシ-キサンテン-9-カルボン酸スコピンエステルメトブロミド
・9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸トロペノールエステル-メトブロミド
・9-メチル-キサンテン-9-カルボン酸スコピンエステルメトブロミド
・9-エチル-キサンテン-9-カルボン酸トロペノールエステルメトブロミド
・9-ジフルオロメチル-キサンテン-9-カルボン酸トロペノールエステル-メトブロミド
・9-ヒドロキシメチル-キサンテン-9-カルボン酸スコピンエステル-メトブロミド
の中から選ばれる。
【0194】
好ましいコルチコステロイドの例として、ベクロメタゾン、ベータメタゾン、ブデソニド、ブチキソコルテ、シクレソニド、デフラザコルテ、デキサメタゾン、エチプレドノール、フルニソリド、フルチカゾン、ロテプレドノール、モメタゾン、プレドニソロン、プレドニゾン、ロフレポニド、トリアムシノロン、チプレダン、並びに
・{20R-16アルファ,17アルファ-[ブチリデンビス(オキシ)]-6アルファ,9アルファ-ジフルオロ-11ベータ-ヒドロキシ-17ベータ-(メチルチオ)アンドロスタ-4-エン -3-オン} 、
・9-フルオロ-11ベータ,17,21-トリヒドロキシ-16アルファ-メチルプレグナ-1,4-ジエン-3,20-ジオン 21-シクロヘキサンカルボキシレート 17-シクロプロパンカルボキシレート、
【0195】
・16,17-ブチリデンジオキシ-6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-17-(メチルチオ)アンドロスト-4-エン-3-オン
・フルニソリド-21-[4′-(ニトロオキシメチル) ベンゾエート]
・6,9-ジフルオロ-17-[(2-フラニルカルボニル)オキシ]-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオン酸 (S)-フルオロメチルエステル、
・6,9-ジフルオロ-11-ヒドロキシ-16-メチル-3-オキソ-17-プロピオニルオキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17-カルボチオン酸 (S)-(2-オキソ-テトラヒドロフラン-3S-イル)エステル、及び
・6アルファ,9アルファ-ジフルオロ-11ベータ-ヒドロキシ-16アルファ-メチル-3-オキソ-17アルファ-(2,2,3,3-テトラメチルシクロプロピルカルボニル)オキシ-アンドロスタ-1,4-ジエン-17ベータ-カルボン酸シアノメチルエステル
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。好ましい塩及び誘導体の例はアルカリ塩、即ち、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロン酸塩である。
【0196】
好ましいPDE4- 阻害薬の例として、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アプレミラスト、アロフィリン、アチゾラム、オグレミラスタム、テトミラスト並びに
・5-[(N-(2,5-ジクロロ-3-ピリジニル)-カルボキサミド)-8-メトキシ-キノリン
・5-[N-(3,5-ジクロロ-1-オキシド-4-ピリジニル)-カルボキサミド]-8-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-キノリン
・N-(3,5-ジクロロピリド-4-イル)-[1-(4-フルオロベンジル)-5-ヒドロキシ-インドール-3-イル]グリオキシル酸アミド ), 9-[(2-フルオロフェニル)メチル]-N-メチル-2-(トリフルオロメチル)-9H-プリン-6-アミン 4-[(2R)-2-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-フェニルエチル]-ピリジン、
・N-[(3R)-3,4,6,7-テトラヒドロ-9-メチル-4-オキソ-1-フェニルピロロ [3,2,1-jk][1,4]ベンゾジアゼピン-3-イル]-4-ピリジンカルボキサミド、
【0197】
・4-[6,7-ジエトキシ-2,3-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ナフタレニル]-1-(2-メトキシエチル)-2(1H)-ピリジノン、
・2-[4-[6,7-ジエトキシ-2,3-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ナフタレニル]-2-ピリジニル]-4-(3-ピリジニル)-1(2H)-フタラジノン、
・(3-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシベンジル)-6-エチルアミノ-8-イソプロピル-3H-プリン、
・ベータ-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-1,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-2H-イソインドール-2-プロパンアミド、
・9-エチル-2-メトキシ-7-メチル-5-プロピル-イミダゾ [1,5-a]ピリド [3,2-e]ピラジン-6(5H)-オン、
・5-[3-(シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-3-[(3-メチルフェニル)メチル] (3S,5S)-2-ピペリジノン、
【0198】
・4-[1-[3,4-ビス(ジフルオロメトキシ)フェニル]-2-(3-メチル-1-オキシド-4-ピリジニル)エチル]-アルファ,アルファ-ビス(トリフルオロメチル)-ベンゼンメタノール
・N-(3,5-ジクロロ-1-オキソ-ピリジン-4-イル)-4-ジフルオロメトキシ-3-シクロプロピルメトキシベンズアミド
・(-)p-[(4aR*,10bS*)-9-エトキシ-1,2,3,4,4a,10b-ヘキサヒドロ-8-メトキシ-2-メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン-6-イル]-N,N-ジイソプロピルベンズアミド
・(R)-(+)-1-(4-ブロモベンジル)-4-[(3-シクロペンチルオキシ)-4-メトキシフェニル]-2-ピロリドン
・3-(シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)-1-(4-N'-[N-2-シアノ-S-メチル-イソチオウレイド]ベンジル)-2-ピロリドン
・シス [4-シアノ-4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)シクロヘキサン-1-カルボン酸]
【0199】
・2-カルボメトキシ-4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オン
・シス [4-シアノ-4-(3-シクロプロピルメトキシ-4-ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン-1-オール]
・(R)-(+)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート
・(S)-(-)-エチル[4-(3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシフェニル)ピロリジン-2-イリデン]アセテート
・9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(2-チエニル)-9H-ピラゾロ [3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ [4,3-a]ピリジン
・9-シクロペンチル-5,6-ジヒドロ-7-エチル-3-(tert-ブチル)-9H-ピラゾロ [3,4-c]-1,2,4-トリアゾロ [4,3-a]ピリジン
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0200】
・好ましいLTD4- アンタゴニストの例として、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、マシクラスト、L-733321 (D.Guayら著, Bioorg.Med.Chem.Lett.8 (1998) 453-458 の化合物2ab を参照のこと) 並びに(E)-8-[2-[4-[4-(4-フルオロフェニル)ブトキシ]フェニル]エテニル]-2-(1H-テトラゾール-5-イル)-4H-1-ベンゾピラン -4-オン (MEN-91507)
・4-[6-アセチル-3-[3-(4-アセチル-3-ヒドロキシ-2-プロピルフェニルチオ)プロポキシ]-2-プロピルフェノキシ]-酪酸 (MN-001)
・1-(((R)-(3-(2-(6,7-ジフルオロ-2-キノリニル)エテニル)フェニル)-3-(2-(2- ヒドロキシ-2-プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン-酢酸、
・1-(((1(R)-3(3-(2-(2,3-ジクロロチエノ [3,2-b]ピリジン-5-イル)-(E)-エテニル)フェニル)-3-(2-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン酢酸
・[2-[[2-(4-tert-ブチル-2-チアゾリル)-5-ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。任意の好ましい塩及び誘導体の更なる例はアルカリ塩、即ち、ナトリウム塩もしくはカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバル酸塩又はフロン酸塩である。
【0201】
好ましいEGFR- 阻害薬の例として、セツキシマブ、トラスツズマブ、パニツムマブ、ゲフィチニブ、カネルチニブ、エルロチニブ、Mab ICR-62並びに
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジエチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ]-キナゾリン
【0202】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{[4-((R)-2-メトキシメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-((S)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
【0203】
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-エチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-({4-[N-(テトラヒドロピラン-4-イル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロプロピルメトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((R)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-キナゾリン
【0204】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N-(2-メトキシ-エチル)-N-メチル-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N-シクロプロピル-N-メチル-アミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-シクロペンチルオキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6,7-ビス-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(モルホリン-4-イル)-プロピルオキシ]-6-[(ビニルカルボニル)アミノ]-キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-(4-ヒドロキシ-フェニル)-7H-ピロロ [2,3-d]ピリミジン
【0205】
・3-シアノ-4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(N,N-ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-エトキシ-キノリン
・4-{[3-クロロ-4-(3-フルオロ-ベンジルオキシ)-フェニル]アミノ}-6-(5-{[(2-メタンスルホニル-エチル)アミノ]メチル}-フラン-2-イル)キナゾリン
・4-[(R)-(1-フェニル-エチル)アミノ]-6-{[4-((R)-6-メチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-{[4-(モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
【0206】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-6-({4-[N,N-ビス-(2-メトキシ-エチル)-アミノ]-1-オキソ-2-ブテン-1-イル}アミノ)-7-[(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{[4-(5,5-ジメチル-2-オキソ-モルホリン-4-イル)-1-オキソ-2-ブテン-1-イル]アミノ}-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-[(R)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
【0207】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-7-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-6-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{2-[4-(2-オキソ-モルホリン-4-イル)-ピペリジン-1-イル]-エトキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(tert.-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-アミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0208】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(メトキシメチル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-3-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-アセチルアミノ-エチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
【0209】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-エトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-((S)-テトラヒドロフラン-3-イルオキシ)-7-ヒドロキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{トランス-4-[(モルホリン-4-イル)スルホニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
【0210】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-アセチルアミノ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ)-7-(2-メタンスルホニルアミノ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-アミノカルボニルメチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(テトラヒドロピラン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)スルホニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ- キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-エタンスルホニルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0211】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-エトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシ-アセチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-アセチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(tert-ブチルオキシカルボニル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(テトラヒドロピラン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(ピペリジン-1-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-{N-[(4-メチル-ピペラジン-1-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0212】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{シス-4-[(モルホリン-4-イル)カルボニルアミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エチル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-アセチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-(2-メトキシ-エトキシ)-キナゾリン
【0213】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-イソプロピルオキシカルボニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(シス-4-メチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{シス-4-[N-(2-メトキシ-アセチル)-N-メチル-アミノ]-シクロヘキサン-1-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-(ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-[1-(2-メトキシ-アセチル)-ピペリジン-4-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
【0214】
・4-[(3-エチニル-フェニル)アミノ]-6-{1-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(シス-2,6-ジメチル-モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メチル-モルホリン-4-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(S,S)-(2-オキサ-5-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-イル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(N-メチル-N-2-メトキシエチル-アミノ)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-エチル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0215】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(2-メトキシエチル)カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-{1-[(3-メトキシプロピル-アミノ)-カルボニル]-ピペリジン-4-イルオキシ}-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[シス-4-(N-アセチル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-メチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[トランス-4-(N-メタンスルホニル-N-メチル-アミノ)-シクロヘキサン-1-イルオキシ]-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-ジメチルアミノ-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
【0216】
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(トランス-4-{N-[(モルホリン-4-イル)カルボニル]-N-メチル-アミノ}-シクロヘキサン-1-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-[2-(2,2-ジメチル-6-オキソ-モルホリン-4-イル)-エトキシ]-7-[(S)-(テトラヒドロフラン-2-イル)メトキシ]-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-メタンスルホニル-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
・4-[(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)アミノ]-6-(1-シアノ-ピペリジン-4-イルオキシ)-7-メトキシ-キナゾリン
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0217】
好ましいドーパミンアンタゴニストの例として、ブロモクリプチン、カベルゴリン、アルファ-ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラムペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザン(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。
塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0218】
好ましい坑アレルギー薬の例として、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロタラジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セクスクロルフェニラミン、フェニラミン、ドキシラミン、クロルフェノキサミン、ジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、オロパタジン、デスロラチジン及びメクロジン(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。
塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0219】
好ましいPAF アンタゴニストの例として、レキシパファント及び
・4-(2-クロロフェニル)-9-メチル-2-[3-(4-モルホリニル)-3-プロパノン-1-イル]-6H-チエノ-[3,2-f]-[1,2,4]トリアゾロ [4,3-a][1,4]ジアゼピン
・6-(2-クロロフェニル)-8,9-ジヒドロ-1-メチル-8-[(4-モルホリニル)カルボニル]-4H,7H-シクロ-ペンタ-[4,5]チエノ-[3,2-f][1,2,4]トリアゾロ [4,3-a][1,4]ジアゼピン
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0220】
好ましいMAP キナーゼ阻害薬の例として、
・ベンタマピモド(AS-602801)
・ドラマピモド (BIRB-796)、
・5-カルバモイルインドール (SD-169) 、
・6-[(アミノカルボニル)(2,6-ジフルオロフェニル)アミノ]-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-ピリジンカルボキサミド (VX-702) 、
・アルファ-[2-[[2-(3-ピリジニル)エチル]アミノ]-4-ピリミジニル]-2-ベンゾチアゾールアセトニトリル (AS-601245) 、
・9,12-エポキシ-1H-ジインドロ [1,2,3-fg:3',2',1'-kl]ピロロ [3,4-i][1,6]ベンゾジアゾシン-10-カルボン酸 (CEP-1347)、
・4-[3-(4-クロロフェニル)-5-(1-メチル-4-ピペリジニル)-1H-ピラゾール-4-イル]-ピリミジン (SC-409) 、
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0221】
好ましいMRP4- 阻害薬の例として、N-アセチル-ジニトロフェニル-システイン、cGMP、コール酸塩、ジクロフェナック、デヒドロエピアンドロステロン、3-グルクロニド、デヒドロエピアンドロステロン3-スルフェート、ジラゼプ、ジニトロフェニル-S-グルタチオン、エストラジオール17-ベータ-グルクロニド、エストラジオール3,17-ジスルフェート、エストラジオール3-グルクロニド、エストラジオール3-スルフェート、エストロン3-スルフェート、フルビプロフェン、葉酸塩、N5-ホルミル-テトラヒドロ葉酸塩、グリココール酸塩、グリコリトコール酸硫酸塩、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、ケトプロフェン、リトコール酸硫酸塩、メトトレキセート、(E)-3-[[[3-[2-(7-クロロ-2-キノリニル)エテニル]フェニル]-[[3-ジメチルアミノ]-3-オキソプロピル]チオ]メチル]チオ]-プロパン酸アルファ-ナフチル-ベータ-D-グルクロニド、ニトロベンジルメルカプトプリンリボシド、プロベネシド、バルスポダル、シルデナフィル、スルフィンピラゾン、タウロケノデオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、タウロリトコール酸塩、タウロリトコール酸硫酸塩、トポテカン、トレキンシン、ザプリナスト及びジピリダモール(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。
塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0222】
好ましいiNOS- 阻害薬の例として、S-(2-アミノエチル)イソチオ尿素、アミノグアニジン、2-アミノメチルピリジン、5,6-ジヒドロ-6-メチル-4H-1,3-チアジン-2-アミン (AMT)、L-カナバニン、2-イミノピペリジン、S-イソプロピルイソチオ尿素、S-メチルイソチオ尿素、S-エチルイソチオ尿素、S-メチルチオシトルリン、S-エチルチオシトルリン、L-NA (Nω-ニトロ-L-アルギニン) 、L-NAME (Nω-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル) 、L-NMMA (Nω-モノメチル-L-アルギニン) 、L-NIO (Nω-イミノエチル-L-オルニチン) 、L-NIL (Nω-イミノエチル-リシン) 、(S)-6-アセトイミドイルアミノ-2-アミノ-ヘキサン酸 (1H-テトラゾール-5-イル)-アミド N-[[3-(アミノメチル)フェニル]メチル]-エタンイミドアミド、(S)-4-(2-アセトイミドイルアミノ-エチルスルファニル)-2-アミノ-酪酸、2-[2-(4-メトキシ-ピリジン-2-イル)-エチル]-3H-イミダゾ [4,5-b]ピリジン、2-((R)-3-アミノ-1-フェニル-プロポキシ)-4-クロロ-5-フルオロベンゾニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-6-トリフルオロメチル-ニコチノニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-4-クロロ-ベンゾニトリル、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-5-クロロ-ベンゾニトリル、(2S,4R)-2-アミノ-4-(2-クロロ-5-トリフルオロメチル-フェニルスルファニル)-4-チアゾール-5-イル-ブタン-1-オール、2-((1R,3S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-チアゾール-5-イル-ブチルスルファニル)-5-クロロ-ニコチノニトリル、4-((S)-3-アミノ-4-ヒドロキシ-1-フェニル-ブチルスルファニル)-6-メトキシ-ニコチノニトリル及び置換3-フェニル-3,4-ジヒドロ-1-イソキノリンアミン、例えば、(1S,5S,6R)-7-クロロ-5-メチル-2-アザ-ビシクロ[4.1.0]ヘプト-2-エン-3-イルアミン(4R,5R)-5-エチル-4-メチル-チアゾリジン-2-イリデンアミン、(1S,5S,6R)-7-クロロ-5-メチル-2-アザ-ビシクロ[4.1.0]ヘプト-2-エン-3-イルアミン、(4R,5R)-5-エチル-4-メチル-チアゾリジン-2-イリデンアミン、(4R,5R)-5-エチル-4-メチル-セレナゾリジン-2-イリデンアミン、4-アミノテトラヒドロビオプテリン、(E)-3-(4-クロロ-フェニル)-N-(1-{2-オキソ-2-[4-(6-トリフルオロメチル-ピリミジン-4-イルオキシ)-ピペリジン-1-イル]-エチルカルバモイル}-2-ピリジン-2-イル-エチル)-アクリルアミド、3-(2,4-ジフルオロ-フェニル)-6-[2-(4-イミダゾール-1-イルメチル-フェノキシ)-エトキシ]-2-フェニル-ピリジン、 3-{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イルメチル)-カルバモイル]-メチル}-4-(2-イミダゾール-1-イル-ピリミジン-4-イル)-ピペラジン-1-カルボン酸メチルエステル、(R)-1-(2-イミダゾール-1-イル-6-メチル-ピリミジン-4-イル)-ピロリジン-2-カルボン酸 (2-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-エチル)-アミド(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
【0223】
好ましいiNOS- 阻害薬の更なる例として、アンチセンス-オリゴヌクレオチド、特にこれらのアンチセンス-オリゴヌクレオチド結合iNOS-コード核酸が挙げられ、その例がWO 01/52902 に開示されている。
【0224】
好ましいSYK-阻害薬の例として、
・2-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-[(3-ブロモフェニル)アミノ]-5-ピリミジンカルボキサミド;
・2-[[7-(3,4-ジメトキシフェニル)イミダゾ [1,2-c]ピリミジン-5-イル]アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド;
・6-[[5-フルオロ-2-[3,4,5-トリメトキシフェニル]アミノ]-4-ピリミジニル]アミノ]-2,2-ジメチル-2H-ピリド [3,2-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オン;
・N-[3-ブロモ-7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・7-(4-メトキシフェニル)-N-メチル-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(2-チエニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-エタンジアミン;
・N-[7-(4-メトキシフェニル)-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]- 1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4-メトキシフェニル)-3-フェニル-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0225】
・N-(7-フェニル-1,6-ナフチリジン-5-イル)-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3-クロロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4-フルオロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4-クロロフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4'-メチル[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0226】
・N-[7-(4-ブロモフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(4-メチルフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(メチルチオ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(1-メチルエチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-メチル-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N,N-ジメチル-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブタンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,5-ペンタンジアミン;
・3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-1-プロパノール;
・4-[5-(4-アミノブトキシ)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-N,N-ジメチル-ベンゼンアミン;
・4-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-1-ブタノール;
【0227】
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N-メチル-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N'-メチル-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-N,N'-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;
・1-アミノ-3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(3-ピリジニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[(2-アミノフェニル)メチル]-7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
【0228】
・N-[7-[6-(ジメチルアミノ)[1,1'-ビフェニル]-3-イル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[3-クロロ-4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)-3-メトキシフェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-3-メチル-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-3-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-エタンジアミン、
・N-[7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン;
【0229】
・N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-7-(4-メトキシフェニル)-2,5-ジアミン;
・N-[7-(4-メトキシフェニル)-2-(フェニルメトキシ)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,6-ナフチリジン-1,3-プロパンジアミン;
・N5-(3-アミノプロピル)-7-(4-メトキシフェニル)-N2-(フェニルメチル)-2,5-ジアミン;
・N-[7-(2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(2'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3,4-ジメチルフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0230】
・1-アミノ-3-[[7-(2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・1-アミノ-3-[[7-(2'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・1-アミノ-3-[[7-(4'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
1-アミノ-3-[[7-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・1-アミノ-3-[[7-(4-ブロモフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・N-[7-(4'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン;
【0231】
・1-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]-2-プロパノール;
・2-[[2-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]エチル]チオ]-エタノール;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(3-メチル-5-イソオキサゾリル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-4-ピリミジニル-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-シクロヘキサン ジアミン;
・N,N-ジメチル-4-[5-(1-ピペラジニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-ベンゼンアミン;
・4-[5-(2-メトキシエトキシ)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-N,N-ジメチル-ベンゼンアミン;
・1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-4-ピペリジノール;
・1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-3-ピロリジノール;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(2-フラニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
【0232】
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・1-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-4-ピペリジンカルボキサミド;
・1-[3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]アミノ]プロピル]-2-ピロリジノン;
・N-[3'-[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-1,6-ナフチリジン-7-イル][1,1'-ビフェニル]-3-イル]-アセトアミド;
・N-[7-(4'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[4'-[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-1,6-ナフチリジン-7-イル][1,1'-ビフェニル]-3-イル]-アセトアミド;
・N-[7-[4-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(2-チエニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0233】
・N-[7-[4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(3-ピリジニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(6-メトキシ-2-ナフタレニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(4-ピリジニルメチル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・3-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]メチルアミノ]-プロパンニトリル;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-[1-(フェニルメチル)-4-ピペリジニル]-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-シクロヘキサンジアミン、
【0234】
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-シクロヘキサンジアミン, (1R,2S)-rel-.
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,2-ベンゼンジメタンアミン;
・N-[7-[4-(ジエチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブタンジアミン;
・N-[7-[3',5'-ビス(トリフルオロメチル)[1,1'-ビフェニル]-4-イル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3'-メトキシ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(3'-フルオロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・4-[[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-1-ブタノール;
【0235】
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]- 1,4-シクロヘキサンジアミン;
・7-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,6-ナフチリジン-5-アミン;
・N-[7-[3-ブロモ-4-(ジメチルアミノ)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0236】
・N-[7-(3-ブロモ-4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
・N-[7-[4-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン;
・N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン;
・N-[7-[4-(ジメチルアミノ)-3-メトキシフェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン;
・N-[7-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン;
・N-[7-[3-ブロモ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-シクロヘキサンジアミン;
・4-[[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-シクロヘキサノール;
・N-[7-[3-ブロモ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,3-プロパンジアミン;
【0237】
・N,N-ジメチル-4-[5-(4-メチル-1-ピペラジニル)-1,6-ナフチリジン-7-イル]-ベンゼンアミン;
・4-[[7-[4-[[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]オキシ]-シクロヘキサノール;
・N-[7-[4-[[2-(ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]フェニル]-1,6-ナフチリジン-5-イル]-1,4-ブタンジアミン;
・[3-[[5-[(3-アミノプロピル)アミノ]-7-(4-メトキシフェニル)-1,6-ナフチリジン-2-イル]アミノ]プロピル]-カルバミン酸-1,1-ジメチルエチルエステル
(必要によりこれらのラセミ体形態、鏡像体、ジアステレオマー又は医薬上許される塩、溶媒和物又は水和物として)が挙げられる。塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸水素塩、リン酸水素塩、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、マレイン酸水素塩、酢酸塩、クエン酸水素塩、フマル酸水素塩、酒石酸水素塩、シュウ酸水素塩、コハク酸水素塩、安息香酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩からなる群から選ばれた塩が好ましい。
膵のう胞性線維症膜貫通レギュレーター(CFTR)の好ましい修復薬及びCFTR強化薬の例として、好ましくはVX-770及びVX-809が挙げられる。
【0238】
12. 製剤
投与に適した形態は、例えば、吸入可能な粉末又はエアロゾルである。夫々の場合の一種以上の医薬活性化合物の含量は全組成物の0.2 質量%から50質量%まで、好ましくは5質量%から25質量%までの範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。
吸入により投与される活性物質組み合わせは粉末、水性もしくは水性−エタノール性溶液として、又は噴射剤ガス製剤を使用して与えられてもよい。
それ故、医薬製剤はそれらが先の好ましい実施態様の(I) の一種以上の化合物を含むことを特徴とすることが好ましい。
式 (I)の化合物は吸入により投与されること、特に好ましくはそれらが1日1回又は2回投与されることがまた好ましい。この目的のために、式 (I)の化合物は吸入に適した形態で入手し得るようにされるべきである。吸入可能な製剤として、吸入可能な粉末、噴射剤を含む計量投薬エアロゾル又は噴射剤を含まない吸入可能な溶液が挙げられ、これらは必要により通常の生理学上許される賦形剤と混合して存在してもよい。
本発明の範囲内で、噴射剤を含まない吸入可能な溶液という用語はまた濃厚物又は無菌の直ぐに使用できる吸入可能な溶液を含む。本発明に従って使用し得る製剤が明細書の次の部分に更に詳しく記載される。
【0239】
吸入可能な粉末
式 (I)の活性物質が生理学上許される賦形剤と混合して存在する場合、下記の生理学上許される賦形剤が本発明の吸入可能な粉末を調製するのに使用されてもよい:単糖類(例えば、グルコース又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖類(例えば、デキストラン)、ポリアルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤の互いの混合物。単糖類又は二糖類が使用されることが好ましいが、ラクトース又はグルコースの使用が、特に、専らではなく、それらの水和物の形態で好ましい。本発明の目的のために、ラクトースが特に好ましい賦形剤であり、ラクトース一水和物が最も特に好ましい。成分を粉砕し、微粉砕し、最後に成分を一緒に混合することによる本発明の吸入可能な粉末の調製方法は従来技術から知られている。
噴射剤を含む吸入可能なエアロゾル
【0240】
本発明に従って使用し得る噴射剤を含む吸入可能なエアロゾルは噴射剤ガスに溶解された、又は分散形態の、式 (I)の化合物を含んでもよい。本発明の吸入可能なエアロゾルを調製するのに使用し得る噴射剤ガスは従来技術から知られている。好適な噴射剤ガスは炭化水素、例えば、n-プロパン、n-ブタン又はイソブタン及びハロ炭化水素、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンの好ましくはフッ素化された誘導体の中から選ばれる。上記噴射剤ガスはそれら自体で、又はそれらの混合物中で使用されてもよい。特に好ましい噴射剤ガスはTG134a (1,1,1,2-テトラフルオロエタン) 、TG227 (1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン) 及びこれらの混合物から選ばれたフッ素化アルカン誘導体である。本発明の使用の範囲内で使用される噴射剤推進吸入エアロゾルはまたその他の成分、例えば、補助溶媒、安定剤、表面活性剤、酸化防止剤、潤滑剤及びpH調節剤を含んでもよい。全てのこれらの成分が当業界で知られている。
【0241】
噴射剤を含まない吸入可能な溶液
本発明の式 (I)の化合物は噴射剤を含まない吸入可能な溶液及び吸入可能な懸濁液を調製するのに使用されることが好ましい。この目的に使用される溶媒として、水性溶液もしくはアルコール性溶液、好ましくはエタノール性溶液が挙げられる。溶媒は水それ自体又は水とエタノールの混合物であってもよい。溶液又は懸濁液は好適な酸を使用して、2〜7、好ましくは2〜5のpHに調節される。pHは無機酸又は有機酸から選ばれた酸を使用して調節されてもよい。特に好適な無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に好適な有機酸の例として、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸等が挙げられる。好ましい無機酸は塩酸及び硫酸である。活性物質の一種と酸付加塩を既に生成した酸を使用することがまた可能である。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。所望により、上記酸の混合物が、特にそれらの酸性化品質に加えてその他の性質、例えば、風味料、酸化防止剤又は錯生成剤としての性質を有する酸、例えば、クエン酸又はアスコルビン酸の場合に、また使用されてもよい。本発明によれば、塩酸を使用してpHを調節することが特に好ましい。
【0242】
補助溶媒及び/又はその他の賦形剤が本発明の目的に使用される噴射剤を含まない溶液に添加されてもよい。好ましい補助溶媒はヒドロキシル基又はその他の極性基を含むもの、例えば、アルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。この状況における賦形剤及び添加剤という用語は活性物質ではないが、活性物質製剤の定性的特性を改良するために薬理学上好適な溶媒中で一種以上の活性物質とともに製剤化し得るあらゆる薬理学上許される物質を表す。これらの物質は薬理学的作用を有さず、又は所望の治療に関して、認められる薬理学的作用又は少なくとも望ましくない薬理学的作用を有しないことが好ましい。賦形剤及び添加剤として、例えば、表面活性剤、例えば、大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート、ポリビニルピロリドン、その他の安定剤、錯生成剤、酸化防止剤及び/又は防腐剤(これらは完成医薬製剤の貯蔵寿命を保証又は延長する)、風味料、ビタミン及び/又は当業界で知られているその他の添加剤が挙げられる。添加剤として、薬理学上許される塩、例えば、等張剤としての塩化ナトリウムがまた挙げられる。好ましい賦形剤として、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸(但し、それがpHを調節するのに既に使用されていなかったことを条件とする)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール及び同様のビタミン又は人体中で生じるプロビタミンが挙げられる。防腐剤は病原体による汚染から製剤を保護するのに使用されてもよい。好適な防腐剤は当業界で知られているもの、特にセチルピリジニウムクロリド、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸もしくは安息香酸塩、例えば、従来技術から知られている濃度の安息香酸ナトリウムである。
上記治療形態について、呼吸器の病気の治療のための薬物の直ぐに使用できるパックが提供され、例えば、用語呼吸器の疾患、COPD又は喘息を含む囲まれた記載、本発明の化合物及び上記されたものから選ばれた一種以上の組み合わせパートナーを含む。
下記の実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【0243】
粉末吸入のためのカプセル
1個のカプセルは下記の成分を含む:
活性物質 0.5 mg
吸入のためのラクトース 5.0 mg
5.5 mg
調製:
活性物質を吸入のためのラクトースと混合する。その混合物をカプセル製造機中でカプセルに詰める(空のカプセルの質量 約50mg)。
カプセルの質量: 55.5 mg
カプセルのサイズ=3