(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのプレ電極を前記リード本体の遠位端部分に沿って配置する前記ステップは、前記複数の導電性刺激部材を前記中心ハブに電気的に結合させる複数の連結要素を含む少なくとも1つのプレ電極を、前記リード本体の遠位端部分に沿って配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記少なくとも1つのプレ電極を前記リード本体の遠位端部分に沿って配置する前記ステップは、正確に3つの導電性刺激部材を含む少なくとも1つのプレ電極を、前記リード本体の遠位端部分に沿って配置するステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記中心ハブを除去して前記複数の導電性刺激部材の各々を互いに電気的に絶縁する前記ステップは、前記中心ハブを含む前記リード本体の一部に沿ってドリルを通過させて、前記リード本体の少なくとも一部に沿う中心内腔を構成し、前記中心ハブを除去し且つ前記複数の連結要素間の連結部を切除するステップを含む、請求項1に記載の方法。
絶縁材料を前記中心内腔の壁に沿って配置する前記ステップは、非導電性チューブ材を前記中心内腔の壁に沿ってリフロー処理するステップを含む、請求項5に記載の方法。
絶縁材料を前記中心内腔の壁に沿って配置する前記ステップは、化学蒸着法を用いて、非導電性材料を前記中心内腔の壁に沿って堆積させるステップを含む、請求項5に記載の方法。
前記非導電性材料を前記中心ハブの長手方向面の周囲に配置して、前記非導電性材料を前記複数の導電性刺激部材の内面に当接させる前記ステップは、非導電性材料を前記中心ハブの長手方向面の周囲に配置して、前記非導電性材料を前記複数の導電性刺激部材の外面に面一にするステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記少なくとも1つのリード保持特徴部は、前記少なくとも1つのセグメント電極の刺激部材の内面に沿って配置された少なくとも1つの引掛り部を含む、請求項14に記載の刺激リード。
前記少なくとも1つのリード保持特徴部は、前記少なくとも1つのセグメント電極の連結要素に沿って配置された少なくとも1つの引掛り部を含む、請求項14に記載の刺激リード。
前記少なくとも1つのリード保持特徴部は、前記少なくとも1つのセグメント電極の刺激部材に沿って設けられた少なくとも1つのアンダーカット部を含む、請求項14に記載の刺激リード。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,181,969号明細書
【特許文献2】米国特許第6,516,227号明細書
【特許文献3】米国特許第6,609,029号明細書
【特許文献4】米国特許第6,609,032号明細書
【特許文献5】米国特許第6,741,892号明細書
【特許文献6】米国特許第7,244,150号明細書
【特許文献7】米国特許第7,450,997号明細書
【特許文献8】米国特許第7,672,734号明細書
【特許文献9】米国特許第7,761,165号明細書
【特許文献10】米国特許第7,783,359号明細書
【特許文献11】米国特許第7,792,590号明細書
【特許文献12】米国特許第7,809,446号明細書
【特許文献13】米国特許第7,949,395号明細書
【特許文献14】米国特許第7,974,706号明細書
【特許文献15】米国特許第8,175,710号明細書
【特許文献16】米国特許第8,224,450号明細書
【特許文献17】米国特許第8,271,094号明細書
【特許文献18】米国特許第8,295,944号明細書
【特許文献19】米国特許第8,364,278号明細書
【特許文献20】米国特許第8,391,985号明細書
【特許文献21】米国特許出願公開第2007/0150036号明細書
【特許文献22】米国特許出願公開第2009/0187222号明細書
【特許文献23】米国特許出願公開第2009/0276021号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2010/0076535号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2010/0268298号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2011/0005069号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2011/0004267号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2011/0078900号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2011/0130817号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2011/0130818号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2011/0238129号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2011/0313500号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2012/0016378号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2012/0046710号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2012/0071949号明細書
【特許文献36】米国特許出願公開第2012/0165911号明細書
【特許文献37】米国特許出願公開第2012/0197375号明細書
【特許文献38】米国特許出願公開第2012/0203316号明細書
【特許文献39】米国特許出願公開第2012/0203320号明細書
【特許文献40】米国特許出願公開第2012/0203321号明細書
【特許文献41】米国特許出願公開第2012/0316615号明細書
【特許文献42】米国特許出願第12/177,823号明細書
【特許文献43】米国特許出願第13/667,953号明細書
【特許文献44】米国特許出願第13/750,725号明細書
【特許文献45】米国特許出願公開第2011/0130803号明細書
【特許文献46】米国特許出願公開第2011/0130816号明細書
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、電気刺激システム及びリード、並びにこれらのシステム及びリードの製造及び使用方法の分野に関する。本発明は、除去可能な中心ハブを含むセグメント電極を備えたリードを有する電気刺激システム、並びにこれらのセグメント電極、リード及び電気刺激システムの製造及び使用方法にも関する。
【0013】
脳深部刺激用リードは、刺激電極、記録電極、又はこれらの組合せを含む。刺激電極、記録電極、又はこれらの両方の少なくとも一部は、リードの円周回りの一部のみに延びるセグメント電極の形で設けられる。これらのセグメント電極は、電極の組の形で設けられ、各組は、特定の長手方向位置においてリードの周囲に半径方向に分布する電極を有する。本明細書では、例示を目的としてこれらのリードを脳深部刺激での使用に関して説明するが、これらのリードはいずれも、脊髄刺激、末梢神経刺激、又はその他の神経及び組織の刺激を含む脳深部刺激以外の用途にも使用できることを理解すべきである。
【0014】
好適な埋込み型電気刺激システムは、以下に限定されるわけではないが、リードの遠位端部に配置された1又はそれ以上の電極と、リードの1又はそれ以上の近位端部に配置された1又はそれ以上の端子とを有する少なくとも1つのリードを含む。リードは、例えば経皮的リードを含む。リードを有する電気刺激システムの例は、例えば特許文献1〜44に見出され、これら全ての特許文献を本明細書に援用する。
【0015】
少なくともいくつかの実施形態では、施術者が、記録電極を用いて標的ニューロンの位置を特定し、これに従って(単複の)刺激電極を配置する。いくつかの実施形態では、記録及び刺激の両方に同じ電極を使用することもできる。いくつかの実施形態では、標的ニューロンを識別する記録電極を有する第1のリードと、標的ニューロンの識別後に第1のリードに取って代わる刺激電極を有する第2のリードという別個のリードを使用する。いくつかの実施形態では、同じリードが記録電極と刺激電極の両方を含み、又は記録と刺激の両方のための電極を使用する。
【0016】
図1に、脳刺激装置100の一実施形態を示す。この装置は、リード110と、少なくとも部分的にリード110の円周回りに配置された複数の電極125と、複数の端子135と、電極を制御ユニットに接続するためのコネクタ132と、リードを患者の脳に挿入して配置するのを補助するスタイレット140とを含む。少なくともいくつかの実施形態では、スタイレット140を、リード110の長手方向長さに沿って延びるスタイレット内腔(図示せず)に挿入することができる。スタイレット140は、剛性材料で作成することができる。スタイレットに適した材料の例としては、以下に限定されるわけではないが、タングステン、ステンレス鋼及びプラスチックが挙げられる。スタイレット140は、リード110への挿入、並びにスタイレット140とリード110の回転を補助するためのハンドル150を有する。コネクタ132は、好ましくはスタイレット140を除去した後に、リード110の近位端部を覆うように取付けられる。
【0017】
通常、制御ユニット(図示せず)は、例えば患者の鎖骨領域下などの患者の身体に埋込むことができる埋込み可能なパルス発生器である。パルス発生器は、各チャネルからの電流刺激の大きさを制御するように独立してプログラム可能な8つの刺激チャネルを有することができる。場合によっては、パルス発生器は、8つよりも多くの又は少ない刺激チャネル(例えば、4、6、16、32又はそれ以上の刺激チャネル)を有することができる。制御ユニットは、リード110の近位端部における複数の端子135を受け取るための1つ、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のコネクタポートを有することができる。
【0018】
1つの動作例では、(一般にバリと呼ばれる)頭蓋ドリルを用いて患者の頭蓋骨又は頭蓋に孔をあけ、硬膜又は脳被覆を凝固させて切開することにより、脳内の望ましい位置にアクセスすることができる。スタイレット140の補助により、頭蓋及び脳組織にリード110を挿入する。例えば、定位フレーム及びマイクロドライブモータシステムを用いて、脳内の標的位置にリード110を誘導することができる。いくつかの実施形態では、マイクロドライブモータシステムを全自動とすることも、又は半自動とすることもできる。マイクロドライブモータシステムは、リード110の挿入、リード110の後退、又はリード110の回転のうちの1つ又はそれ以上の動作を(単独で又は組合せて)実行するように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに、標的ニューロンによって刺激される筋肉又はその他の組織に結合された測定装置、或いは患者又は臨床医に応答するユニットを結合することができる。測定装置、ユーザ又は臨床医は、標的筋肉又はその他の組織による(単複の)刺激又は記録電極への応答を示して標的ニューロンをさらに識別し、(単複の)刺激電極の位置決めを促すことができる。例えば、振戦が生じている筋肉に標的ニューロンを向ける場合には、測定装置を用いて筋肉を観察し、ニューロンの刺激に応答する振戦周波数又は振幅の変化を示すことができる。或いは、患者又は臨床医が筋肉を観察してフィードバックを提供することもできる。
【0020】
脳深部刺激用のリード110は、刺激電極、記録電極又はこれらの両方を含む。少なくともいくつかの実施形態では、記録電極を用いてニューロンの位置を特定した後で刺激電極を標的ニューロンと位置合わせできるように、リード110が回転可能である。
【0021】
刺激電極は、リード110の外周上に配置されて標的ニューロンを刺激する。刺激電極は、リード110の長さに沿った電極の位置において各電極から電流が全ての方向に等しく放出されるようにリング状とすることができる。通常、リング電極は、リードの周囲の限られた角度範囲のみから刺激電流が送られるようにすることはできない。しかしながら、セグメント電極を使用すれば、リードの周囲の選択した角度範囲に刺激電流を送ることができる。一定の電流刺激を送出する埋込み可能なパルス発生器と共にセグメント電極を使用すると、リードの軸の周囲位置(すなわち、リードの軸の周囲の半径方向の位置)に正確に刺激を送出する電流ステアリングを達成することができる。
【0022】
電流ステアリングを達成するために、リング電極に加えて、又はリング電極とは別にセグメント電極を利用することができる。以下の記述では刺激電極について説明するが、説明する刺激電極の全ての構成は、記録電極の配置にも利用することができることを理解すべきである。
【0023】
リード100は、リード本体110と、1又はそれ以上の任意のリング電極120と、複数組のセグメント電極130とを含む。リード本体110は、例えばポリマー材料などの、生体適合性のある非導電性材料で構成することができる。好適なポリマー材料としては、以下に限定されるわけではないが、シリコン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリウレタン尿素などが挙げられる。リード100は、身体に埋込むと長期にわたって身体組織に接触する。少なくともいくつかの実施形態では、リード100が1.5mm以下の断面直径を有し、断面直径は0.5mm〜1.5mmとすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、リード100が少なくとも10cmの長さを有し、リード100の長さは10cm〜70cmとすることができる。
【0024】
電極は、金属、合金、導電性酸化物、又はその他のいずれかの好適な導電性の生体適合性材料を用いて作成することができる。好適な材料の例としては、以下に限定されるわけではないが、プラチナ、プラチナイリジウム合金、イリジウム、チタン、タングステン、パラジウム、パラジウムロジウムなどが挙げられる。電極は、生体適合性があるとともに、動作環境内の予想動作条件下で予想使用期間にわたって実質的に腐食しない材料で構成されることが好ましい。
【0025】
電極の各々は、使用することも、又は使用しない(オフにする)こともできる。電極は、使用時にはアノード又はカソードとして使用することができ、アノード電流又はカソード電流を送出することができる。場合によっては、電極を一定期間にわたってアノードとし、一定期間にわたってカソードとすることができる。
【0026】
リング電極120の形態の刺激電極は、リード本体110のいずれかの部分に、通常はリード100の遠位端部近くに配置される。
図1では、リード100が2つのリング電極120を含む。例えば、リード本体110の長さに沿って、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又はそれ以上のリング電極120を含むいずれかの数のリング電極120を配置することができる。任意の数のリング電極をリード本体110の長さに沿って配置できることを理解すべきである。いくつかの実施形態では、リング電極120が実質的に円筒形であり、リード本体110の外周全体に巻かれる。いくつかの実施形態では、リング電極120の外径が、実質的にリード本体110の外径に等しい。リング電極120の長さは、望ましい処置及び標的ニューロンの位置によって異なることもできる。いくつかの実施形態では、リング電極120の長さがリング電極120の直径以下である。他の実施形態では、リング電極120の長さがリング電極120の直径よりも大きい。最遠位のリング電極120は、リードの遠位端部のほとんど又は全てを覆う先端電極(例えば、
図3Eの先端電極320aを参照)とすることができる。
【0027】
脳深部刺激リードは、1又はそれ以上のセグメント電極の組を含むことができる。通常、脳深部刺激の標的構造は、遠位電極アレイの軸に関して対称でないので、セグメント電極は、リング電極よりも優れた電流ステアリングを実現することができる。或いは、リードの軸を通る平面の片側に標的が位置することもある。電流ステアリングは、半径方向セグメント電極アレイ(「RSEA」)の使用を通じて、リードの長さに沿ってのみならずリードの外周回りでも実行することができる。これにより、潜在的に他の組織の刺激を回避しながら、神経標的組織に対する正確な3次元標的化及び電流刺激の送出が実現される。セグメント電極を備えたリードの例としては、特許文献25〜26、28〜31、33〜40、45〜46が挙げられ、これらの全ての特許文献を本明細書に援用する。
【0028】
図1には、複数のセグメント電極130を有するリード100を示している。リード本体110上には、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16又はそれ以上のセグメント電極130を含む任意の数のセグメント電極130を配置することができる。任意の数のセグメント電極130をリード本体110の長さに沿って配置することができることを理解すべきである。通常、セグメント電極130は、リードの外周回りの75%、67%、60%、50%、40%、33%、25%、20%、17%、15%又はそれ以下しか延びない。
【0029】
セグメント電極130は、セグメント電極の組にグループ分けされ、各組は、リード100の特定の長手方向部分においてリード100の外周回りに配置される。リード100は、所与のセグメント電極の組をなす任意の数のセグメント電極130を有することができる。リード100は、所与の組内に1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又はそれ以上のセグメント電極130を有することができる。少なくともいくつかの実施形態では、リード100のセグメント電極130の各組が、同じ数のセグメント電極130を含む。リード100上に配置されたセグメント電極130は、リード100上に配置された少なくとも1つの他のセグメント電極130の組と異なる数の電極を含むことができる。
【0030】
セグメント電極130は、寸法及び形状が異なることができる。いくつかの実施形態では、セグメント電極130が、全て同じ寸法、形状、直径、幅又は面積、或いはこれらのいずれかの組合せを有する。いくつかの実施形態では、各外周の組のセグメント電極130(又はリード100上に配置された全てのセグメント電極)の寸法及び形状が同じである。
【0031】
セグメント電極130の各組は、リード本体110の外周回りに配置されて、リード本体110の周囲に実質的に円筒形を構成することができる。所定のセグメント電極の組の個々の電極間の間隔は、リード100上の別のセグメント電極の組の個々の電極間の間隔と同じであっても、又は異なっていてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、リード本体110の外周回りの各セグメント電極130間に等しい空間、間隙又は切欠き部が配置される。他の実施形態では、セグメント電極130間の空間、間隙又は切欠き部の寸法又は形状が異なることもできる。他の実施形態では、特定のセグメント電極130の組又は全てのセグメント電極130の組について、セグメント電極130間の空間、間隙又は切欠き部を均一にすることができる。セグメント電極130の組は、リード本体110の長さに沿って不規則な間隔で位置付けることも、又は規則的な間隔で位置付けることもできる。
【0032】
リード本体110に沿って、リング電極120又はセグメント電極130に取付けられた導線が延びる。これらの導線は、リード100の材料内を延びることも、又はリード100によって定められる1又はそれ以上の内腔に沿って延びることも、或いはこれらの両方とすることもできる。これらの導線は、電極120、130を制御ユニット(図示せず)に結合するコネクタの位置に(端子を介して)提供される。
【0033】
リード100が、リング電極120とセグメント電極130の両方を含む場合、リング電極120及びセグメント電極130は、任意の好適な形態で配置することができる。例えば、リード100が、2組のリング電極120と2組のセグメント電極130とを含む場合、リング電極120は、2組のセグメント電極130の両側に位置することができる(例えば、
図1を参照)。或いは、2組のセグメント電極130の近位側に2組のリング電極120を配置することも(例えば、
図3Cを参照)、又は2組のセグメント電極130の遠位側に2組のリング電極120を配置することもできる(例えば、
図3Dを参照)。リング電極のうちの1つは、先端電極とすることができる(
図3E及び
図3Gの先端電極320aを参照)。他の形態(例えば、リング電極とセグメント電極を交互配置することなど)も可能であることを理解すべきである。
【0034】
セグメント電極130の位置を変更することにより、異なる標的ニューロン範囲を選択することができる。例えば、神経標的がリード本体110の遠位端部に近いと医師が予測した場合には
図3Cの電極配列が有用と考えられ、神経標的がリード本体110の近位端部に近いと医師が予測した場合には
図3Dの電極配列が有用と考えられる。
【0035】
リード100上には、リング電極120とセグメント電極130の任意の組合せを配置することができる。例えば、リードは、第1のリング電極120と、各組が4つのセグメント電極130で構成された2組のセグメント電極と、リードの端部における最終的なリング電極120とを含むことができる。この形態は、単純に1−4−4−1(
図3A及び
図3E)形態と呼ぶことができる。電極は、この省略表記を用いて呼ぶことが有用となり得る。従って、
図3Cの実施形態は1−1−4−4形態と呼ぶことができ、
図3Dの実施形態は4−4−1−1形態と呼ぶことができる。
図3F及び
図3Gの実施形態は、1−3−3−1形態と呼ぶことができる。他の電極形態としては、例えば、4組のセグメント電極をリード上に配置した2−2−2−2形態、各組が4つのセグメント電極230を有する2組のセグメント電極をリード上に配置した4−4形態が挙げられる。
図3F及び
図3Gの1−3−3−1電極形態は2組のセグメント電極を有し、各組は、リードの円周回り配置された3つの電極を含み、その両側に2つのリング電極(
図3F)又はリング電極と先端電極(
図3G)が配置される。いくつかの実施形態では、リードが16個の電極を含む。考えられる16電極リードの構成としては、以下に限定されるわけではないが、4−4−4−4、8−8、3−3−3−3−3−1(及びこの形態の全ての再配列)、及び2−2−2−2−2−2−2−2が挙げられる。
【0036】
図2は、リード200の長さに沿った様々な電極レベルに従う半径方向電流ステアリングを示す概略図である。リング電極を含む在来のリード構成は、リードの長さ(z軸)に沿ってしか電流をステアリングできないが、セグメント電極形態は、x軸、y軸及びz軸に電流をステアリングすることができる。従って、リード200を取り巻く3次元空間の任意の方向に刺激の重心をステアリングすることができる。いくつかの実施形態では、(刺激は、主にカソード近くで発生するが、強いアノードも刺激を引き起こすことができると認識した上で)各電極に導入するアノード電流の割合によって半径方向距離r及びリード200の円周回りの角度θを指示することができる。少なくともいくつかの実施形態では、セグメント電極沿いのアノード及びカソードの形態により、リード200に沿った様々な異なる位置に刺激の重心を変位させることができる。
【0037】
図2から理解できるように、刺激の重心は、リード200の長さに沿って各レベルで変位させることができる。リードの長さに沿って異なるレベルの複数組のセグメント電極を使用することにより、3次元電流ステアリングが可能になる。いくつかの実施形態では、セグメント電極の組が集合的に変位する(すなわち、刺激の重心は、リードの長さに沿った各レベルで同様である)。少なくともいくつかの他の実施形態では、各セグメント電極の組が独立して制御される。各セグメント電極の組は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又はそれ以上のセグメント電極を含む。各レベルのセグメント電極の数を変化させることによって異なる刺激プロファイルが生じることを理解すべきである。例えば、各セグメント電極の組が2つのセグメント電極しか含まない場合、刺激プロファイルには(選択的に刺激できない)均等に分布した間隙が構成される。いくつかの実施形態では、1つの組内で少なくとも3つのセグメント電極230を利用すると、真の360°の選択が可能になる。
【0038】
上述したように、上記の形態は、記録電極を利用しながら使用することもできる。いくつかの実施形態では、制御ユニット又はマイクロドライブモータシステムに、標的ニューロンによって刺激される筋肉又はその他の組織に結合された測定装置、或いは患者又は臨床医に応答するユニットを結合することができる。測定装置、ユーザ又は臨床医は、標的筋肉又はその他の組織による刺激又は記録電極への応答を示して標的ニューロンをさらに識別し、刺激電極の位置決めを促すことができる。例えば、振戦が生じている筋肉に標的ニューロンを向ける場合には、測定装置を用いて筋肉を観察し、ニューロンの刺激に応答する振戦周波数又は振幅の変化を示すことができる。或いは、患者又は臨床医が筋肉を観察してフィードバックを提供することもできる。
【0039】
リードの信頼性及び耐久性は、設計及び製造法に大きく依存する。後述する製造法は、製造可能な信頼性の高いリードを生産できる方法を提供する。
【0040】
再び
図1を参照すると、リード100が複数組のセグメント電極130を含む場合には、異なるセグメント電極130の組の対応する電極がリード100の長さに沿って互いに半径方向に整列するようにリード100を構成することが望ましいと考えられる(例えば、
図1に示すセグメント電極130を参照)。リード100の長さに沿って異なるセグメント電極130の組の対応する電極同士の半径方向を整列させることにより、異なるセグメント電極の組の対応するセグメント電極同士の位置又は配向に関する不確定要素を減少させることができる。従って、リード100の製造中には、リード100の長さに沿った異なるセグメント電極の組の対応する電極の半径方向を互い整列させるとともに互いに対して半径方向が変位しないように電極アレイを構成することが有利と考えられる。
【0041】
他の実施形態では、2組のセグメント電極130の個々の電極が、リード本体110の長さに沿って互いにずれて配置される(
図3Bを参照)。場合によっては、特定用途のために、異なるセグメント電極の組の対応する電極をリード100の長さに沿ってずらして位置付けるように設計することができる。
【0042】
セグメント電極を使用すると、リング電極を用いて行われるリードの円周回りでの組織の刺激の代わりに、刺激領域を一方向に標的化できるように調整することができる。場合によっては、
図2に示すように、リード200の電極を含む平行六面体(又は平板)領域250を標的化することが望ましい。刺激場を平行六面体領域内に向かわせる1つの配列では、リードの両側に配置されたセグメント電極を使用する。
【0043】
図3A〜
図3Gに、セグメント電極330、任意のリング電極320又は先端電極320a、及びリード本体310を含むリード300を示す。セグメント電極330の組は、2つ(
図3B)、3つ(
図3F及び
図3G)、4つ(
図3A、
図3C及び
図3D)、或いは、例えば5つ、6つ又はそれ以上を含む他のいずれかの数の分割電極を含む。
【0044】
他のいずれかの好適なセグメント電極の配列を使用することもできる。一例として、セグメント電極が互いに螺旋状に配置された配列が挙げられる。1つの実施形態は、二重螺旋を含む。
【0045】
半径方向に配置されたセグメント電極の組は、プレ電極から構成することができる。少なくともいくつかの従来のプレ電極は、プレ電極の外周に沿って配置された材料を連結することによって互いに結合された刺激部材を含む。このような従来のプレ電極からセグメント電極を構成する場合には、プレ電極の外周に沿って配置された連結材料を摩滅させて刺激部材を互いに物理的に分離し、電気的に絶縁されたセグメント電極を構成する。
【0046】
本明細書で説明したように、プレ電極は、刺激部材を互いに物理的に分離して電気的に絶縁されたセグメント電極を構成するように、製造中に除去できる中心ハブを介して互いに結合された刺激部材を含む。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材の各々が、中心ハブのみを介して残りの刺激部材の各々に電気的に結合される。換言すれば、少なくともいくつかの実施形態では、プレ電極が、プレ電極の外周に沿って配置された、隣接する刺激部材同士を結合する連結材料を含まない。従って、中心ハブを除去することのみによって刺激部材間の電気的絶縁を得ることができる。
【0047】
本明細書で説明するプレ電極、及びこれらのプレ電極から構成されるセグメント電極は、金属、合金、導電性酸化物又はその他のいずれかの好適な導電性材料などの導電体で構成することができる。いくつかの実施形態では、プレ電極が、プラチナ、プラチナイリジウム、イリジウム、616Lステンレス鋼(又はその他のいずれかの好適なステンレス鋼)、タンタル、ニチノール、イリジウムロジウム、又は導電性ポリマーで構成される。
【0048】
図4Aに、半径方向に配置されたセグメント電極の組の構成において使用するのに適したプレ電極400の一実施形態を横断面図で概略的に示す。
図4Bには、プレ電極400の一実施形態を斜視図で概略的に示す。プレ電極400は、近位端部404、遠位端部406及び長手方向長さ408を有する本体402含む。
【0049】
本体402は、長手方向面424を有する中心ハブ414を含む。刺激部材418a、418b、418cはそれぞれ、中心ハブ414の長手方向面424から半径方向に延びる連結要素422a、422b、422cを介して中心ハブ414に結合される。
図4A及び
図4B(及び他の図)には、単一の連結要素422a、422b、422cによってそれぞれ中心ハブ414に結合された刺激部材418a、418b、418cを示している。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cのうちの少なくとも1つは、複数の連結要素422a、422b、422cによって中心ハブ414に結合される。
【0050】
中心ハブ414は、任意の好適な寸法及び形状とすることができる。
図4A及び
図4Bには、中心ハブ414を、ハブ孔416を含むチューブ形状として示している。中心ハブ414は、中心ハブ414の長手方向面424の周囲に非導電性材料が配置されていて(例えば、
図9Aを参照)中心ハブ414を除去した(例えば、
図9Bを参照)時に、元々中心ハブ414によって占められていた位置に構成される中心内腔の寸法及び形状が、リードの長手方向長さに沿って延びてリードの埋込み中にスタイレット(
図1の140)を受入れる軸方向に配置されたスタイレット内腔(図示せず)に類似するように、管状として又は実質的に管状として構成することが有利と考えられる。
【0051】
連結要素422a、422b、422cは、本体402の長手方向長さ408全体に沿って延びていてもよいし、長手方向長さ408の一部のみに沿って延びていてもよい。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cが、中心ハブ414の外周回りで等間隔を空けるように中心ハブ414の長手方向面424に結合される。例えば、
図4Aには、連結要素422a、422b、422cを、中心ハブ414の円周回りで、残りの2つの連結要素から各々120°離れたものとして示している。別の例として、
図8には、4つの連結要素822a、822b、822c、822dを、中心ハブ814の円周回りで、隣接する2つの連結要素から各々90°離れたものとして示している。
【0052】
プレ電極400の本体402は、任意の好適な形状とすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、本体402が実質的に円筒形であり、刺激部材418a、418b、418cが本体402の外周を構成する。いくつかの実施形態では、セグメント電極の動作中に、刺激部材418a、418b、418cの外面426a、426b、426cがセグメント電極の外面を構成する(例えば、
図9Cを参照)。他の実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの外面426a、426b、426cを、電気的に絶縁されたセグメント電極として動作する前に摩滅させる。
【0053】
プレ電極400の本体402は、任意の好適な寸法とすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、本体402が、プレ電極を配置すべきリードの遠位端部分(例えば、
図1の110を参照)の直径に等しい、又は実質的に等しい直径を有する。
【0054】
刺激部材418a、418b、418cは、本体402の長手方向長さ408の全体に沿って延びていてもよいし、一部のみに沿って延びていてもよい。刺激部材418a、418b、418cの各々はそれぞれ、外面426a、426b、426cと、内面428a、428b、428cを含む。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cはそれぞれ、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cに沿って、それぞれ刺激部材418a、418b、418cに結合される。
【0055】
刺激部材418a、418b、418cの外面426a、426b、426cは、任意の好適な形状とすることができる。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cが円弧状であり、外面426a、426b、426cが凸状であり、内面428a、428b、428cが凹状である。少なくともいくつかの実施形態では、プレ電極を配置すべきリードの横断面(例えば、
図9B及び
図9Cの952を参照)と同様の弧が外面426a、426b、426cによって描かれるように、刺激部材418a、418b、418cが弧を描く。
【0056】
通常、プレ電極400から構成されたセグメント電極(例えば、
図9B及び
図9Cの918a、918b、918cを参照)を通過する刺激エネルギーは、導体430a、430b、430c等の導体を介してセグメント電極に供給される。導体430a、430b、430cは、プレ電極400の刺激部材418a、418b、418cに、又は刺激部材418a、418b、418cから構成されたセグメント電極(例えば、
図9B及び
図9Cの918a、918b、918cを参照)に結合することができる。導体430a、430b、430cは、刺激部材418a、418b、418c(又はこれらによって構成されるセグメント電極)にアクセスするために非導電性材料の一部を後から除去しなくて済むように、中心ハブ414の周囲に非導電性材料を配置する前に刺激部材418a、418b、418cに結合することが有利と考えられる。
【0057】
図4Aには、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cにそれぞれ結合された導体430a、430b、430cを示している。これとは別に、又はこれに加えて、導体430a、430b、430cのうちの1つ又はそれ以上を、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cにそれぞれ結合する代わりに、又はこれに加えて、連結要素422a、422b、422cのうちの1つ又はそれ以上にそれぞれ結合することもできる。
【0058】
図5〜
図7を参照すると、製造工程中、中心ハブの長手方向面の周囲には非導電性材料が配置される。非導電性材料は、刺激部材の内面が非導電性材料で覆われるように中心ハブから刺激部材まで半径方向外向きに広がる。いくつかの実施形態では、非導電性材料が、非導電性材料の外面(長手方向面)が刺激部材の外面と同一平面を成すように中心ハブから刺激部材まで半径方向外向きに広がる。
【0059】
非導電性材料は、例えば射出成形、ポリマー材料のリフローなどを含む任意の好適な方法で中心ハブの長手方向面上に配置することができる。プレ電極は、刺激部材418a、418b、418cのうちの1つ又はそれ以上、連結要素422a、422b、422cのうちの1つ又はそれ以上、或いはこれらの両方に沿って配置された1又はそれ以上のリード保持特徴部を選択的に含む。この1又はそれ以上のリード保持特徴部は、プレ電極(及びプレ電極によって構成されたセグメント電極)に対する非導電性材料の接着を促すために使用することができる。また、プレ電極からセグメント電極が形成されると、1又はそれ以上のリード保持特徴部は、非導電性材料に対するセグメント電極の接着を促すことに加え、セグメント電極間の相対的位置及び物理的分離(及び電気的絶縁)の維持を促すこともできる。
【0060】
図5に、プレ電極400に沿って配置されたリード保持特徴部502の一実施形態を横断面図で概略的に示す。
図5では、リード保持特徴部502が、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cからそれぞれ延びる引掛り部506として構成されている。引掛り部506は、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cの任意の好適な部分に沿って配置することができる。
図5には、刺激部材418a、418b、418cの内面428a、428b、428cの両端部から延びる引掛り部506を示している。引掛り部506は、刺激部材418a、418b、418cと同じ材料によって構成されてもよいし、異なる材料によって構成されてもよい。
【0061】
プレ電極400上には、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又はそれ以上の引掛り部506を含む任意の好適な数の引掛り部506を配置することができる。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に少なくとも1つの引掛り部506が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に少なくとも2つの引掛り部506が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に同じ数の引掛り部506が配置される。
【0062】
図6に、プレ電極400に沿って配置されたリード保持特徴部602の別の実施形態を横断面図で概略的に示す。
図6では、リード保持特徴部602が、連結要素422a、422b、422cから延びる引掛り部606として構成されている。引掛り部606は、連結要素422a、422b、422cの任意の好適な部分に沿って配置することができる。
図6には、連結要素422a、422b、422cの長さに沿って連結要素422a、422b、422cの両側から延びる引掛り部606を示している。引掛り部606は、連結要素422a、422b、422cと同じ材料によって構成されてもよいし、異なる材料によって構成されてもよい。
【0063】
プレ電極400上には、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又はそれ以上の引掛り部606を含む任意の好適な数の引掛り部606を配置することができる。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cの各々に少なくとも1つの引掛り部606が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cの各々に少なくとも2つの引掛り部606が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cの各々の各側面に少なくとも1つの引掛り部606が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、連結要素422a、422b、422cの各々に同じ数の引掛り部606が配置される。
【0064】
図7に、プレ電極400に沿って配置されたリード保持特徴部702の一実施形態を横断面図で概略的に示す。
図7では、リード保持特徴部702が、刺激部材418a、418b、418cの少なくとも1つの長手方向縁部に沿って構成されたアンダーカット部706として構成されている。
図7には、刺激部材418a、418b、418cの両端部に沿って構成されたアンダーカット部706を示している。
【0065】
プレ電極400上には、例えば1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上のアンダーカット部706を含む任意の好適な数のアンダーカット部706を配置することができる。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に少なくとも1つのアンダーカット部706が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に少なくとも2つのアンダーカット部706が配置される。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材418a、418b、418cの各々に同じ数のアンダーカット部706が配置される。
【0066】
図5〜
図7(及び他の図)に示すリード保持特徴部は、任意の好適な組合せで使用できることを理解すべきである。例えば、プレ電極は、(刺激部材のうちの1つ又はそれ以上に沿って配置された、又は連結要素のうちの1つ又はそれ以上に沿って配置された)アンダーカット部及び引掛り部を有することもできる。別の例として、プレ電極は、アンダーカット部を有さずに、刺激部材及び1又はそれ以上の連結要素の両方に沿って配置された引掛り部を有することもできる。
【0067】
図4A〜
図7(及び他の図)には、3つの刺激部材を有するプレ電極を示している。プレ電極は、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又はそれ以上の刺激部材を含む任意の好適な数の刺激部材を含むことができることを認識すべきである。
図8に、4つの刺激部材818a、818b、818c、818dを有する本体802を含むプレ電極400の一実施形態を横断面図で概略的に示す。本体802は、長手方向面824を有する中心ハブ814を含む。刺激部材818a、818b、818c、818dはそれぞれ、中心ハブ814の長手方向面824から半径方向に延びる連結要素822a、822b、822c、822dを介して中心ハブ814に結合される。図示の刺激部材818a、818b、818c、818dの各々は、単一の連結要素822a、822b、822c、822dによって中心ハブ414に結合される。少なくともいくつかの実施形態では、刺激部材818a、818b、818c、818dのうちの少なくとも1つが、複数の連結要素822a、822b、822c、822dによって中心ハブ814に結合される。
【0068】
図9A〜9Cを参照すると、通常、プレ電極は、リードの遠位端部分に沿って配置され、中心ハブを除去して各刺激部材(及びこれらが取付けられた各連結要素)を互いに電気的に絶縁することにより、セグメント電極が構成される。
図9A〜
図9Cの各々には、
図5のプレ電極を示している。本明細書で説明するプレ電極の各々には、リード上にプレ電極を配置する技術、並びに刺激部材(及びこれらが取付けられた連結要素)を電気的に絶縁してセグメント電極を構成する技術を適用することができることを理解すべきである。
【0069】
図9Aに、プレ電極400の中心ハブ414の周囲に半径方向に配置された非導電性材料902の一実施形態を横断面図で概略的に示す。非導電性材料902は、中心ハブ414の長手方向面424、並びに連結要素422a、422b、422cを覆う。また、非導電性材料902は、刺激部材418a、418b、418cのそれぞれの内面428a、428b、428cに当接する。少なくともいくつかの実施形態では、非導電性材料902が、刺激部材418a、418b、418cのそれぞれの外面426a、426b、426cが非導電性材料902の長手方向面954と同一平面又はほぼ同一平面を成すように中心ハブ414の周囲に配置される。
【0070】
任意の好適な生体適合性のある非導電性材料を使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、非導電性材料はポリマー材料である。少なくともいくつかの実施形態では、非導電性材料は、リード本体を構成するために使用される材料と同じ材料(又は同様の材料)(例えば、ポリウレタン、シリコン、接着剤など、又はこれらの組合せ)である。非導電性材料902は、例えば射出成形、リフローなどを含む任意の好適な方法で中心ハブ414の長手方向面424を覆って配置される。
【0071】
図9Aには、刺激部材418a、418b、418cにそれぞれ結合された導体430a、430b、430cを示している。上述したように、導体430a、430b、430cは、中心ハブ414の周囲に非導電性材料を配置する前又は後に、刺激部材418a、418b、418c(又はこれらが取付られたけ連結要素)に結合することができる。
【0072】
プレ電極は、例えば非導電性材料のリフロー、リード本体の材料のリフロー(又は両方)、非導電性材料及びリード本体の材料の両方のリフロー、接着剤の付与など、又はこれらの組合せを含む任意の好適な方法でリード本体の端部に取付けることができる。或いは、リード本体と、中心ハブの周囲に配置された非導電性材料とが単一構造として構成されるように、セグメント電極の構成と同時にリード本体を構成することもできる。少なくともいくつかの実施形態では、リードが、複数組のセグメント電極(或いはリング電極又は先端電極)を含むことができる。この場合、軸方向に隣接するプレ電極(或いはリング電極又は先端電極)間に非導電性材料を軸方向に配置して、複数のプレ電極を所望の軸構成で配置することができる。
【0073】
中心ハブの周囲に非導電性材料を配置したら、中心ハブを除去することができる。プレ電極の中心ハブを除去したら、残りの電気的に絶縁された刺激部材及びこれらの対応する連結要素は、セグメント電極と呼ばれるようになる。中心ハブを除去することにより、少なくとも1つの連結要素の少なくとも一部も除去することができる。
【0074】
図9Bに、リード952の遠位端部分の一実施形態を横断面図で概略的に示す。リード952は、非導電性材料902と、プレ電極400の中心ハブ414を除去することによってプレ電極400から構成されたセグメント電極918a、918b、918cをと含む。中心ハブ414を除去すると、非導電性材料902内の、中心ハブ414が除去前に存在していたリード952沿いの位置に、中心内腔940が構成されるようになる。
【0075】
中心ハブ414の除去は、任意の好適な方法で行うことができる。少なくともいくつかの実施形態では、(例えばドリルなどで)中心ハブ414に孔をくり抜く。例えば、リード952の中心ハブ414を含む部分にドリルを通過させることができる。少なくともいくつかの実施形態では、リード952の遠位端部にドリルを通し、プレ電極の長手方向長さ(
図4Bの408)を貫通させる。このような方法で中心ハブ414に孔をくり抜くことにより、元々中心ハブ414によって占められていた空間に加え、リードの遠位端部分に沿って中心内腔940を構成することができる。リードの遠位端部にドリルを通す少なくともいくつかの実施形態では、その後に遠位端部に蓋をかぶせ、又はその後に遠位端部に沿って先端電極を配置する。
【0076】
少なくともいくつかの実施形態では、リード本体が、スタイレット(
図1の140)を受入れるためのスタイレット内腔を含む。プレ電極は、中心ハブ414がスタイレット内腔と軸方向に整列し、スタイレット内腔に対して開口するようにリード本体上に配置することができる。このような構成により、埋込み中に中心内腔940にスタイレットを導入できるようになる。ドリルによって中心ハブを除去する場合、及び中心ハブをスタイレット内腔と軸方向に整列させ、スタイレット内腔に対して開口させる場合、少なくともいくつかの実施形態では、スタイレット内腔の少なくとも一部に沿ってドリルを通すことができる。
【0077】
図9Bに示すように、プレ電極から中心ハブを除去する際には、セグメント電極の1又はそれ以上の部分(例えば、セグメント電極の1又はそれ以上の連結要素部分)が中心内腔940に物理的に露出することがある。例えば、動作中に時間と共に中心内腔に体液が入り込むことによって引き起こされる望ましくない短絡の可能性を防ぐために、セグメント電極の一部が中心内腔940に物理的に露出するのを避けることが望ましいと考えられる。少なくともいくつかの実施形態では、リード本体の遠位端部分において、リードの本体と中心内腔940との間に絶縁材料が配置される。この絶縁材料は非導電性であり、セグメント電極を中心内腔940から電気的に絶縁するように機能する。
【0078】
図9Cに、リード952の遠位端部分の一実施形態を横断面図で概略的に示す。リード952は、中心内腔940と、プレ電極400から構成されたセグメント電極918a、918b、918cとを含む。
図9Cに示すセグメント電極918a、918b、918cは、プレ電極400の刺激部材418a、418b、418cと、これらが取付けられた連結要素422a、422b、422cとを含む。刺激部材418a、418b、418cは、(
図9Aに示す)外面426a、426b、426cと、その反対側の内面428a、428b、428cとを含む。
【0079】
セグメント電極918a、918b、918cのそれぞれの外面426a、426b、426cは、非導電性材料902の長手方向面954に沿って露出する。少なくともいくつかの実施形態では、セグメント電極918a、918b、918cの外面426a、426b、426c、及び/又は非導電性材料902の長手方向面954を、これらが互いに同一平面を成すように摩滅させることができる。
【0080】
少なくともいくつかの実施形態では、プレ電極の中心ハブを除去した後、セグメント電極の連結要素部分の各々が、リードの半径の少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%又はそれ以上に沿って延びる。上述したように、中心ハブを除去すると、セグメント電極の連結要素部分が中心内腔940に物理的に露出することがある。
【0081】
少なくともいくつかの実施形態では、セグメント電極918a、918b、918cを中心内腔940から電気的に絶縁するために、中心内腔940の長手方向壁の少なくとも一部に沿って絶縁材料960を配置する。少なくともいくつかの実施形態では、中心内腔940の長手方向壁の少なくとも一部に沿って絶縁材料960を配置すると、セグメント電極918a、918b、918cの連結要素部分が、絶縁材料960に物理的に当接する。
【0082】
絶縁材料960は、例えばポリウレタン、シリコン、接着剤など、又はこれらの組合せを含む任意の好適な非導電性材料によって構成される。少なくともいくつかの実施形態では、絶縁材料960は、非導電性材料902と異なる材料によって構成される。少なくともいくつかの実施形態では、絶縁材料960は、リード本体を構成するために使用される非導電性材料と異なる材料によって構成される。少なくともいくつかの実施形態では、絶縁材料960が、非導電性材料902又はリード本体を構成するために使用される材料とは異なる材料によって構成される。
【0083】
絶縁材料960は、任意の好適な技術を用いて中心内腔940の長手方向壁に適用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、絶縁材料960が、中心内腔940に挿入されて中心内腔940の壁と共にリフローされたライナとして構成される。絶縁材料960を適用するための他の技術としては、例えば射出成形、化学蒸着などを挙げることができる。
【0084】
上記の明細書、実施例及びデータは、本発明の構成の製造及び使用を説明するものである。本発明の思想及び範囲から逸脱することなく多くの実施形態を構成できるので、本発明は、以下に添付する特許請求の範囲に帰する。