(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6073034
(24)【登録日】2017年1月13日
(45)【発行日】2017年2月1日
(54)【発明の名称】車載装置
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20170123BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20170123BHJP
G08G 1/14 20060101ALI20170123BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/09 F
G08G1/14 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-26191(P2013-26191)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-153339(P2014-153339A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 卓哉
【審査官】
白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−363996(JP,A)
【文献】
特開2009−092609(JP,A)
【文献】
特開2009−200842(JP,A)
【文献】
特開2000−233661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/26
G08G 1/09
G08G 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本線道路から分岐した導入路を経由して施設の駐車エリアに進入する際に情報提供を行う車載装置において、
本線に沿って設置された路側器から送られてくる施設情報であって、前記駐車エリア内の再生地点が指定された前記施設情報を受信する施設情報受信手段と、
前記施設情報受信手段によって受信した前記施設情報を、前記施設情報によって指定された前記再生地点に車両が到達する前に提供する施設情報提供手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記施設情報提供手段は、前記駐車エリアに進入する前に前記施設情報の提供を開始することを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記施設情報提供手段は、前記導入路を車両が走行中に前記施設情報の提供を開始することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記施設情報受信手段によって受信された前記施設情報を格納する施設情報格納手段をさらに備え、
前記施設情報提供手段は、前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報を読み出して提供することを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記施設情報受信手段によって受信された前記施設情報に含まれる再生地点に基づいて、この再生地点が含まれる前記駐車エリアに進入する前記導入路を特定する導入路特定手段をさらに備えることを特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかにおいて、
車両位置を検出する車両位置検出手段と、
前記車両位置検出手段によって検出された車両位置に基づいて、車両が前記導入路を通過していることを判定する導入路通過判定手段と、
をさらに備え、前記施設情報提供手段は、前記導入路通過判定手段によって通過している旨の判定が行われたときに前記施設情報の提供を行うことを特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記施設情報には、前記駐車エリアの一部を利用して設定されたインターネット接続可能領域の案内が含まれることを特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記インターネット接続可能領域は、ITSスポットであることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかにおいて、
前記施設は、高速道路に設けられたサービスエリアあるいはパーキングエリアであることを特徴とする車載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DSRC(Dedicated Short Range Communications)等を利用して高速道路走行中に情報を受信して表示する車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、高速道路上でDSRC等を利用した狭域無線通信を行ってサービスエリアやパーキングエリアに関する情報を受信して車載の表示装置に表示するようにした自動車側処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようにして受信した情報の中には、再生地点の指定(情報蓄積指定)が行われているものがある。例えば、高速道路上で受信した情報の再生地点を次に到来するサービスエリア等の敷地内に設定しておくことにより、サービスエリア等に進入した車両においてのみサービスエリア等に関する情報の表示を行うことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−45811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した情報蓄積指定における再生地点は、経度緯度とそこを中心とした半径で作られる円で指定されている。このため、高速道路の本線とサービスエリア等への導入路とが接近している場合には、本線にこの円が重なってしまい、本線を走行する車両にもサービスエリア等の案内画面が表示される可能性がある。このようなことがないようにするためには、導入路を過ぎて駐車エリアに進入して本線からある程度離れた場所を再生地点として指定する必要がある。しかし、この場合には、すでに駐車エリアに進入してしまっており、その後自由に駐車エリア内を移動できるわけではないため、表示する案内画面の内容によってその案内情報(施設情報)が有効利用できないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、再生地点が導入路以外に設定されている場合であっても駐車エリアに進入する前に施設情報を提供することができる車載装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の車載装置は、本線道路から分岐した導入路を経由して施設の駐車エリアに進入する際に情報提供を行う車載装置において、本線に沿って設置された路側器から送られてくる施設情報であって、駐車エリア内の再生地点が指定された施設情報を受信する施設情報受信手段と、施設情報受信手段によって受信した施設情報を、
施設情報によって指定された再生地点に
車両が到達する前に提供する施設情報提供手段とを備えている。具体的には、上述した施設情報提供手段は、駐車エリアに進入する前に施設情報の提供を開始することが望ましい。あるいは、上述した施設情報提供手段は、導入路を車両が走行中に施設情報の提供を開始することが望ましい。これにより、施設情報の再生地点が導入路以外であって駐車エリア内に設定されている場合であっても、指定された再生地点が含まれる駐車エリアに到達する前に確実に施設情報を提供することができる。
【0007】
また、上述した施設情報受信手段によって受信された施設情報を格納する施設情報格納手段をさらに備え、施設情報提供手段は、施設情報格納手段に格納された施設情報を読み出して提供することが望ましい。これにより、導入路に分岐する前の本線走行時に受信した施設情報を保持しておいて導入路に進入した際に施設情報の提供を行うことが可能となる。
【0008】
また、上述した施設情報受信手段によって受信された施設情報に含まれる再生地点に基づいて、この再生地点が含まれる駐車エリアに進入する導入路を特定する導入路特定手段をさらに備えることが望ましい。これにより、本線走行中であっても、施設情報提供の対象となる施設に対応する導入路を確実に特定することができる。
【0009】
また、車両位置を検出する車両位置検出手段と、車両位置検出手段によって検出された車両位置に基づいて、車両が導入路を通過していることを判定する導入路通過判定手段とをさらに備え、施設情報提供手段は、導入路通過判定手段によって通過している旨の判定が行われたときに施設情報の提供を行うことが望ましい。これにより、本線から分岐して導入路に進入したことを把握して駐車エリア到達前に確実に施設情報の提供を行うことができる。
【0010】
また、上述した施設情報には、駐車エリアの一部を利用して設定されたインターネット接続可能領域の案内が含まれることが望ましい。特に、上述したインターネット接続可能領域は、ITSスポットであることが望ましい。これにより、インターネット接続サービスを享受可能な狭いエリアに、的確に車両を誘導することが可能になる。
【0011】
また、上述した施設は、高速道路に設けられたサービスエリアあるいはパーキングエリアであることが望ましい。これにより、自由に行き来できないサービスエリアやパーキングエリアの駐車エリアの特定エリアに車両を駐車させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態のナビゲーション装置の詳細構成を示す図である。
【
図2】施設情報を受信して表示するナビゲーション装置の動作手順を示す流れ図である。
【
図3】サービスエリアにおいて施設情報を表示するタイミングの具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態のナビゲーション装置の詳細構成を示す図である。
図1に示すように、ナビゲーション装置100は、ナビゲーションコントローラ1、地図データ記憶装置2、操作部3、車両位置検出部4、表示装置5、DSRC車載器7を含んで構成されている。このナビゲーション装置は、車両に搭載されている。
【0014】
ナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することにより、自車位置周辺の地図画像表示動作、出発地と目的地とを結ぶ走行経路を設定する経路探索処理やこの走行経路に沿って車両の走行を誘導する経路誘導動作、DSRC路側機(図示せず)から送られてくる施設情報の受信動作、インターネット関連の処理などの各種機能を実現する。ナビゲーションコントローラ1の詳細構成については後述する。
【0015】
地図データ記憶装置2は、地図表示や施設検索、経路探索などに必要な地図データが格納されている記憶媒体およびその読み取り装置である。この地図データ記憶装置2には、経度および緯度で適当な大きさに区切られた矩形形状の図葉を単位とした地図データが格納されている。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。
【0016】
この地図データは、経緯度で表現された点(ノード)の座標集合で表されており、また、道路は2以上のノードの連結からなり、2つのノードを連結した部分はリンクと呼ばれる。地図データは、道路リスト、ノードテーブル、交差点構成ノードリスト、交差点ネットリスト等からなるマップマッチング用及び経路探索用の道路レイヤ、地図画面上に道路、公園、河川、目印となる建物や施設等の各種物件を表示するための背景レイヤ、市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名、建物の名前等の文字や地図記号等を表示するための文字・記号レイヤなどから構成されている。高速道路については、サービスエリアやパーキングエリアの導入路については、本線とは別のノードやリンクが割り当てられており、車両位置とノードやリンクの座標を比較することにより、本線を走行中の車両がサービスエリア等の導入路のリンクに進入したことがわかるようになっている。道路レイヤ内の道路リストは、道路別に、道路の種別、道路を構成する全ノード数、道路を構成するノードのノードテーブル上での位置と、次のノードまでの幅員等のデータから構成されている。
【0017】
地図データ記憶装置2は、ハードディスク装置や半導体メモリによって、あるいは、DVDとその読み取り装置によって実現される。また、地図データ記憶装置3を通信装置に置き換えて、外部の地図配信サーバ(図示せず)から地図データを取得するようにしてもよい。
【0018】
操作部3は、利用者の指示(操作)を受け付けるためのものであり、各種の操作ボタンや操作つまみ類を備えている。また、操作部3は、表示装置5の画面に取り付けられたタッチパネルを含んでおり、画面上の一部を直接利用者が指等で指し示すことにより、操作指示を行うことができるようになっている。車両位置検出部4は、例えば、GPS受信機、方位センサ、距離センサなどを備えており、所定のタイミングで車両位置(経度、緯度)の検出を行い、検出結果を出力する。表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)によって構成されており、ナビゲーションコントローラ1から出力される映像信号に基づいて、自車位置周辺の地図画像や受信した施設情報などを表示する。
【0019】
DSRC車載器7は、道路に設置されたDSRC路側器(図示せず)との間で、5.8GHz帯のISM(Industry-Science-Medical)バンドを用いた狭域通信を行って各種情報の送受信を行う。少なくとも、本実施形態では、DSRC車載器7は、高速道路の本線に沿って設置されたDSRC路側器から、サービスエリアあるいはパーキングエリアに関する施設情報を受信するために用いられている。また、サービスエリアやパーキングエリアの駐車エリアの一部に設定されたITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)スポットでは、インターネット接続を行う通信装置としてDSRC車載器7が用いられる。
【0020】
次に、ナビゲーションコントローラ1の詳細構成について説明する。
図1に示すナビゲーションコントローラ1は、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14、車両位置計算部20、施設情報取得部30、施設情報格納部32、施設情報描画部34、導入路特定部36、導入路通過判定部38、SAPA通過判定部40、インターネット処理部42、入力処理部60、表示処理部70を含んで構成されている。
【0021】
地図バッファ10は、地図データ記憶装置2から読み出された地図データを一時的に格納する。この地図データには、地図画像描画に必要なデータや検索条件を指定して施設を検索するために必要なデータや、高速道路に設置されたサービスエリアやパーキングエリアに進入する道路(導入路)を特定するために必要なデータなどが少なくとも含まれる。地図読出制御部12は、車両位置計算部20により算出される車両位置や利用者が操作部3を操作して指定した位置に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求を地図データ記憶装置2に出力する。地図描画部14は、地図バッファ10に格納された地図データに基づいて、表示装置5に地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。
【0022】
車両位置計算部20は、車両位置検出部4から出力される検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図データの道路上にない場合には、自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。
【0023】
施設情報取得部30は、本線の所定位置に設置されたDSRC路側器から送られてくるサービスエリアあるいはパーキングエリアの施設情報であって、これらの施設の駐車エリア内の再生地点が指定された施設情報(蓄積情報)を受信して取得する。
【0024】
施設情報格納部32は、施設情報取得部30によって取得した施設情報を一時的に格納する。
【0025】
施設情報描画部34は、施設情報格納部32に格納された施設情報を読み出して、この施設情報の内容を表示するために必要な描画処理を行って施設情報描画データを作成する。この描画データの作成(あるいは出力)は、導入路通過判定部38によって通過判定が行われたタイミングで行われる。
【0026】
導入路特定部36は、施設情報取得部30によって取得した施設情報に含まれる再生地点に基づいて、この再生地点が含まれるサービスエリア等の駐車エリアに進入する導入路を特定する。
【0027】
導入路通過判定部38は、車両がサービスエリア等の導入路に進入した場合に、車両位置計算部20によって計算された自車位置に基づいて、車両が導入路を通過していることを判定する。SAPA通過判定部40は、車両位置計算部20によって計算された自車位置に基づいて、車両がサービスエリアやパーキングエリアに寄らずに通過したことを判定する。
【0028】
インターネット処理部42は、サービスエリア内あるいはパーキングエリア内のITSスポットにおいてDSRC車載器7を通信装置としてインターネット接続が可能なときに、インターネット関連の処理を行う。具体的には、インターネットを介して各種サーバに接続してデータを送受信するブラウザとしての処理や、メールを送受信する処理などがインターネット処理部42によって行われる。
【0029】
入力処理部60は、操作部3から入力される各種の操作指示に対応する動作を行うための命令をナビゲーションコントローラ1内の各部に向けて出力する。表示処理部70は、地図描画部14によって作成される地図画像描画データや、施設情報描画部34によって作成される施設情報描画データなどが入力されており、地図画像や施設情報画像を選択的に、あるいは、並べて表示装置5の画面に表示する。
【0030】
上述したDSRC車載器7、施設情報取得部30が施設情報受信手段に、施設情報描画部34、表示処理部70が施設情報提供手段に、施設情報格納部32が施設情報格納手段に、導入路特定部36が導入路特定手段に、車両位置検出部4、車両位置計算部20が車両位置検出手段に、導入路通過判定部38が導入路通過判定手段にそれぞれ対応する。
【0031】
本実施形態のナビゲーション装置100はこのような構成を有しており、次に、高速道路の本線を走行中にサービスエリアやパーキングエリアに関する施設情報を受信して表示する動作を説明する。
図2は、施設情報を受信して表示するナビゲーション装置100の動作手順を示す流れ図である。
【0032】
高速道路の本線走行中に、施設情報取得部30は、サービスエリアやパーキングエリアに関する施設情報(蓄積情報)を受信したか否かを判定する(ステップ100)。受信していない場合には否定判断が行われ、この判定が繰り返される。
【0033】
また、本線上のサービスエリアやパーキングエリアよりも前方の所定位置にはDSRC路側器が設置されており、車両がこのDSRC路側器の近傍を通過するとその後に到来するサービスエリアやパーキングエリアの施設情報が車両に向けて送信されるようになっている。したがって、車両がこのDSRC路側器の近傍を通過すると、DSRC路側器から送信される施設情報をDSRC車載器7にて受信し、施設情報取得部30は施設情報を取得する。この場合にはステップ100の判定において肯定判断が行われ、施設情報取得部30は施設情報格納部32に施設情報を格納する(ステップ102)。
【0034】
導入路特定部36は、取得した施設情報に含まれる再生地点の中心座標に基づいて、この再生地点が含まれるサービスエリアあるいはパーキングエリアを特定し(ステップ104)、さらに現在地(車両位置計算部20によって計算された自車位置)に基づいてこの特定したサービスエリア等の駐車エリアに進入する導入路を特定する(ステップ106)。
【0035】
次に、導入路通過判定部38は、車両がこの特定した導入路を通過したか否かを判定する(ステップ108)。通過していない場合は否定判断が行われ、次に、SAPA通過判定部40は、車両がステップ104で特定されたサービスエリアやパーキングエリアに寄らずに通過したか否かを判定する(ステップ110)。サービスエリア等を通過していない場合には否定判断が行われ、ステップ108に戻って導入路の通過判定が繰り返される。サービスエリア等を通過した場合にはステップ110の判定において肯定判断が行われ、受信した施設情報の表示は行われずに一連の動作が終了する。
【0036】
また、車両が導入路を通過した場合にはステップ108の判定において肯定判断が行われる。次に、施設情報描画部34は、施設情報格納部32に格納されている施設情報を読み出して描画処理を行う。また、表示処理部70は、この描画処理によって作成された施設情報描画データに対応する施設描画画像を表示装置5に表示する(ステップ112)。
【0037】
図3は、サービスエリアにおいて施設情報を表示するタイミングの具体例を示す図である。
図3において、Hは本線を、Dは導入路を、Pは駐車エリアを、Aは施設情報において指定された再生地点を、Bは本実施形態において施設情報の再生(表示)を行うエリアを、Cは駐車エリア内のインターネット接続エリアをそれぞれ示している。
【0038】
導入路Dに沿って施設情報の再生地点を指定しようとすると、導入路D上に再生地点Aの中心の経度緯度を設定し、さらに半径を設定することになる。
図3に示すように、高速道路の本線Hと導入路Dとが接近している場合にはこのようにして再生地点を指定すると、本線Hの一部が再生地点に含まれてしまうため、実際には駐車エリアPに進入した後に施設情報を再生するように再生地点Aが設定される。しかし、この場合には、再生地点Aにおいて施設情報を表示しても、その内容を見てインターネット接続エリアCの場所を迅速に判断することは難しい。そこで、本実施形態では、車両が導入路Dを通過していることを判定し、このタイミングで、すなわち再生地点Aの設定内容にかかわらず、車両が導入路Dを走行中に施設情報を表示することにしている。
【0039】
図4は、施設情報の概略的な表示例を示す図である。この施設情報画像には、このサービスエリア(あるいはパーキングエリア)に含まれる店舗やトイレの情報の他に、駐車エリア内の小型車エリアと大型車エリアの場所、電気自動車用の急速充電器設置場所、ITSスポットの場所などが含まれている。現時点では、急速充電器設置場所やITSスポットの場所は、駐車エリアの一部のごく狭いエリアに限られているが、本実施形態では、車両が導入路Dを走行中に施設情報の表示が行われるため、これらの場所を予め迅速に把握することが可能となる。
【0040】
このように、本実施形態のナビゲーション装置100では、施設情報の再生地点が導入路以外であって駐車エリア内に設定されている場合であっても、指定された再生地点が含まれる駐車エリアに到達する前(駐車エリアに進入する前、導入路を走行中)に確実に施設情報を提供することができる。また、高速道路の導入路に分岐する前の本線走行時に受信した施設情報を保持しておいて導入路に進入した際に施設情報の提供を行うことが可能となる。
【0041】
また、受信した施設情報に含まれる再生地点に基づいて、この再生地点が含まれる施設の駐車エリアに進入する導入路を特定しており、本線走行中であっても、施設情報提供の対象となる施設に対応する導入路を確実に特定することができる。
【0042】
また、検出された車両位置に基づいて車両が導入路を通過していることを判定しており、本線から分岐して導入路に進入したことを把握して駐車エリア到達前に確実に施設情報の提供を行うことができる。
【0043】
また、施設情報に、駐車エリアの一部を利用して設定されたインターネット接続可能領域(ITSスポット)の案内を含ませておくことにより、インターネット接続サービスを享受可能な狭いエリアに、的確に車両を誘導することが可能になる。
【0044】
また、施設情報表示の対象となる施設を高速道路に設けられたサービスエリアあるいはパーキングエリアとすることにより、自由に行き来できないサービスエリアやパーキングエリアの駐車エリアの特定エリアに車両を駐車させることが可能になる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、車載のナビゲーション装置100に施設情報画像を表示する本発明の動作を行わせたが、車載のDSRC受信機7に携帯端末装置を接続し、携帯端末装置に同様の動作を行わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
上述したように、本発明によれば、施設情報の再生地点が導入路以外であって駐車エリア内に設定されている場合であっても、指定された再生地点が含まれる駐車エリアに到達する前に確実に施設情報を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 ナビゲーションコントローラ
2 地図データ記憶装置
3 操作部
4 車両位置検出部
5 表示装置
7 DSRC車載器
10 地図バッファ
12 地図読出制御部
14 地図描画部
20 車両位置計算部
30 施設情報取得部
32 施設情報格納部
34 施設情報描画部
36 導入路特定部
38 導入路通過判定部
40 SAPA通過判定部
42 インターネット処理部
60 入力処理部
70 表示処理部
100 ナビゲーション装置