(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両用コンプレッサから送られる圧縮空気中の水分や油分をエアドライヤが除去し、該エアドライヤから排出された油分を含むパージエアを筐体内に導入し、該筐体内に導入した油分を含むパージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、
前記筐体には、前記衝突材を設置された膨張室と、
前記膨張室において分離された油分を溜める溜め部と、
前記膨張室と前記溜め部との間に設けられ、前記膨張室において分離された油分が通過する連通孔が形成された連通板と、を備え、
前記連通孔には、前記連通板に接続され、当該連通孔の鉛直方向におけるパージエアの流れを規制する規制部を設けた
ことを特徴とするオイルセパレータ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のオイルセパレータはシリンダヘッド用であるため、オイルセパレータの底部から分離した油分をシリンダヘッドに戻している。しかしながら、発明者らは、エア系統のコンプレッサの下流にオイルセパレータを設けることを考えているので、オイルセパレータの筐体内部に空気から分離した油分(ドレン)を溜めることとなる。このため、オイルセパレータの筐体内を空気が通過する際に溜まったドレンが空気に取り込まれるおそれがある。そこで、溜まったドレンが通過空気に取り込まれることを抑制したオイルセパレータが求められていた。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、溜まったドレンが通過空気に取り込まれることを抑制したオイルセパレータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両用コンプレッサから送られる圧縮空気中の水分や油分をエアドライヤが除去し、該エアドライヤから排出された油分を含むパージエアを筐体内に導入し、該筐体内に導入した油分を含むパージエアを衝突材に衝突させることで油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、前記筐体には、前記衝突材を設置された膨張室と、前記膨張室において分離された油分を溜める溜め部と、前記膨張室と前記溜め部との間に設けられ、前記膨張室において分離された油分が通過する連通孔が形成された連通板と、を備え、前記連通孔には、前記連通板に接続され、当該連通孔の鉛直方向における
パージエアの流れを規制する規制部を設けたことをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、連通板の連通孔の鉛直方向における
パージエアの流れを規制する規制部を設けた。このため、膨張室を通過するパージエアが連通板の連通孔を介して溜め部に入り込むことを抑制することができ、ひいてはパージエアが溜め部に入り込んで溜め部に溜まったドレンを通過空気に取り込まれることを抑制することができる。また、溜め部に溜まったドレンが連通板の連通孔を介して膨張室に入り込むことを抑制することができ、ひいては溜め部に溜まったドレンが巻き上がって通過空気に取り込まれることを抑制することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、前記規制部は、前記連通板に一体に形成されていることをその要旨としている。
同構成によれば、規制部が連通板に一体に形成されているので、規制部を連通板とは別に形成する必要がなく、製造工程を増やすことなく規制部を連通板に設けることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオイルセパレータにおいて、前記規制部は、前記膨張室において分離された油分を誘導する誘導部を兼ねることをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、規制部が膨張室において分離された油分を誘導する誘導部を兼ねるので、連通孔の鉛直方向における
パージエアの流れを規制しながら、膨張室において分離された油分を溜め部に誘導することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオイルセパレータにおいて、前記規制部は、前記溜め部側に突出して設けられ、前記規制部の前記筐体の排出口側縁部は、前記連通板に接続されていることをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、規制部の筐体の排出口側縁部が連通板に接続されつつ、規制部が溜め部側に突出して形成されているので、連通板の上面を通過する空気が連通孔に入り込むことを抑制しつつ、膨張室で分離された油分を連通孔に誘導することができる。また、膨張室に影響を与えず規制部を設けることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のオイルセパレータにおいて、前記規制部は、前記膨張室側に突出して設けられ、前記規制部の前記筐体の導入口側縁部は、前記連通板に接続されていることをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、規制部の筐体の導入口側縁部が連通板に接続されつつ、規制部が膨張室側に突出して形成されているので、連通板の上面を通過する
パージエアが規制部によって連通孔から離間されて、連通孔に入り込むことが確実に抑制される。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、オイルセパレータにおいて、溜まったドレンが通過空気に取り込まれることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明のオイルセパレータをエアドライヤの排気系統に具体化した第1の実施形態について
図1〜
図5を参照して説明する。
【0021】
図1に示されるように、トラック、バス、建機等の車両は、コンプレッサ1から送られる圧縮空気を利用してブレーキやサスペンション等のシステムを制御している。このため、エア系統のコンプレッサ1の下流には、圧縮空気中の油水分を除去し、乾燥空気を提供するためのエアドライヤ2が設けられている。エアドライヤ2内には、乾燥剤が設けられている。そして、エアドライヤ2は、油水分を除去する除湿作用と、乾燥剤に吸着させた油水分を取り除き外部に放出する再生作用とを行う。
【0022】
そこで、本実施例では、乾燥剤の再生時にエアドライヤ2から放出される空気(パージエア)には水分とともに油分も含まれるため、環境負荷を考慮してエア系統のコンプレッサ1の下流にオイルセパレータ3を設ける。特に、オイルセパレータ3は、エアドライヤ2の排気系統に設けられ、エアドライヤ2を再生する際に排出されるパージエアから油水分を分離して回収する。
【0023】
オイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気が衝突する複数の衝突材を筐体内に設けた衝突方式である。この衝突方式のオイルセパレータ3は、油水分を含んだ空気を衝突材に衝突させて気液分離を行うことで油分を回収し、清浄エアを排出する。分離された油水分を以下ではドレンと記載する。
【0024】
図2に示されるように、オイルセパレータ3は、水平方向に延出した直方体状の筐体11を備えている。筐体11の長手方向の対向する正面12と背面13とには、導入口14と排出口16とがそれぞれ形成されている。すなわち、オイルセパレータ3は、
図2の右側から左側へ空気が通過するようになっている。
【0025】
図3に示されるように、筐体11の底面40には、板状のドレン連通板43を支持する支持部材(支持柱41、段差部42)が複数設けられている。ドレン連通板43は、複数の支持柱41と複数の段差部42によって筐体11内に架設されている。筐体11内のドレン連通板43の上方部分は、導入口14から導入された空気を通過させる膨張室として機能する。一方、筐体11内のドレン連通板43の下方部分は、膨張室で空気から分離した油水分(ドレン)を溜めるドレン溜め部45として機能する。ドレン溜め部45は、ドレンをドレン連通板43の下面まで溜めることができる。
【0026】
ドレン連通板43の上面の導入口14と排出口16との中央には、オリフィス孔30aが形成された板状の隔壁30が取り付けられている。オリフィス孔30aは隔壁30の上部に一箇所形成されている。この隔壁30は、オリフィス孔30aによってオリフィスとして機能する。そして、筐体11内のドレン連通板43の上方部分は、この隔壁30によって、導入口14側を一次膨張室31と、排出口16側を二次膨張室32とに水平方向において区画されている。一次膨張室31と二次膨張室32とには、ウレタンフォーム(スポンジ等)33がそれぞれ設置されている。導入口14から導入された空気は、ウレタンフォーム33に衝突することによって空気から油水分が分離される。すなわち、ウレタンフォーム33は、空気に含まれる油水分を捕獲する。ウレタンフォーム33が衝突材に相当する。
【0027】
ドレン連通板43には、一次膨張室31と二次膨張室32とにおいて分離された油水分をドレン溜め部45に通過させるための複数のドレン連通孔44が形成されている。ドレン連通孔44は、各膨張室31,32に対して少なくとも1つ形成されている。
【0028】
図4及び
図5に示されるように、ドレン連通孔44には、鉛直方向に対して流れを規制する規制部47が設けられている。規制部47は、ドレン連通板43に一体に形成されている。規制部47は、ドレン溜め部45側に突出している。規制部47の筐体11の排出口16側縁部は、ドレン連通板43に繋がっている。すなわち、規制部47は、ドレン連通板43の近傍を通過する空気がドレン溜め部45に入り込まないように設けられている。
【0029】
これらドレン連通板43と規制部47とは、プレス成型によって一緒に形成される。すなわち、ドレン連通板43に対して短手方向に切れ目をいれて、ドレン溜め部45側へ押し出すことでドレン連通孔44を開口しながら、ドレン溜め部45側へ球を4等分したうちの1つの形状に膨出して規制部47が形成される。規制部47は、筐体11の排出口16側がドレン連通板43に接続されているので、膨張室31,32で分離された油水分をドレン溜め部45へ誘導する誘導部を兼ねる。
【0030】
図3に示されるように、膨張室31,32において、ウレタンフォーム33に衝突することによって空気から分離された油水分は、ドレン連通板43の上面を流れていずれかのドレン連通孔44からドレン溜め部45に落下する。
【0031】
ドレン連通板43の下面には、ドレン溜め部45に溜まったドレンの流れを規制する2枚のバッフル板46が取り付けられている。バッフル板46は、幅方向に延出して形成されている。バッフル板46は、ドレン溜め部45に溜まったドレンが車両の加速度の変化によって動くことを規制し、ドレンの跳ね上げを抑制する。
【0032】
また、筐体11の上面には開口部18が形成されている。開口部18は、長方形状の蓋19によって閉蓋されている。蓋19と筐体11とは、複数のボルト21とナットとによって締め付け固定されている。蓋19は、収容されたウレタンフォーム33等の移動を規制する。
【0033】
筐体11内の排出口16側の底面40には、加熱手段としてのヒータ26を収容する収容部23が設けられている。収容部23には、筐体11の背面13に開口し、ヒータ26を挿入する挿入部24が形成されている。ヒータ26は、円柱状であって、筐体11の背面13から収容部23に挿入して設置されている。ヒータ26は、電源に接続されている。
【0034】
また、筐体11の背面13の挿入部24の上方には、サーモスタット27を取り付ける取付穴25が形成されている。サーモスタット27は、取付穴25に取り付けられ、電源とヒータ26に接続されている。サーモスタット27は、ドレン溜め部45の温度を検出して、ヒータ26の加熱を制御する。ヒータ26によってドレン溜め部45を加熱することで、ドレン溜め部45の底面に溜まったドレンに含まれる水分を極力蒸発させ、油分の濃度が高いドレンを生成する。
【0035】
筐体11の正面12の上部には、筐体11の流路断面積よりも小さい流路断面積の導入部15が形成されている。導入口14は、この導入部15に形成されている。導入口14の先端には、円筒状の取付部材51が固定されている。取付部材51の先端には、エアドライヤ2に接続されたホース50の先端が接続されている。導入部15の正面には、筐体11内から導入口14へのドレンの逆流を規制する規制板53が立設されている。
【0036】
筐体11の側面には、ドレンを排出するドレン排出口17が形成されている。ドレン排出口17には、密閉栓17aが装着されている。
排出口16には、排出口16から水平方向へ突出して上方へ曲がったL字状のエルボ部材60が取り付けられている。エルボ部材60の基端が排出口16に螺着されている。
【0037】
次に、前述のように構成されたオイルセパレータの作用について説明する。
図3に示されるように、エアドライヤ2から排出されたパージエアがオイルセパレータ3に導入される。パージエアには、油水分が含まれた空気である。
【0038】
導入口14から一次膨張室31内に導入された空気は、ウレタンフォーム33によって油水分が捕獲されながら通過する。このとき、ウレタンフォーム33に衝突した油水分が空気から分離される。ウレタンフォーム33によって捕獲された水分と油分とを含むドレンは、ウレタンフォーム33内をつたってドレン連通板43の上面に達し、ドレン連通板43に形成されたドレン連通孔44からドレン溜め部45に落下して、ドレン溜め部45に溜まる。
【0039】
図4に示されるように、ドレン連通板43のドレン連通孔44は鉛直方向における流れが規制部47によって規制されているので、膨張室31,32を通過する空気はドレン連通孔44に入ることなく通過する。また、膨張室31,32において分離された油水分は規制部47によって誘導されてドレン連通孔44から落下してドレン溜め部45に溜まる。よって、筐体11内を通過する空気によってドレン溜め部45に溜まったドレンが巻き上がり、ドレン連通孔44を介して膨張室31,32にドレンが入ることを抑制することができる。このため、ドレン連通孔44を介して膨張室31,32に入ったドレンが膨張室31,32を通過する空気に取り込まれることを抑制できる。また、膨張室31,32からドレン連通孔44を通過してドレン溜め部45に空気が入ることを抑制し、ドレン溜め部45に入った空気にドレンが取り込まれることを抑制できる。
【0040】
一次膨張室31のウレタンフォーム33を通過した空気は、隔壁30のオリフィス孔30aに向かい通過する。このとき、オリフィス孔30a以外の隔壁30に衝突した油水分が空気から分離される。隔壁30に衝突して分離されたドレンは、隔壁30をつたってドレン連通板43の上面に達し、ドレン連通板43に形成されたドレン連通孔44からドレン溜め部45に落下して、ドレン溜め部45に溜まる。
【0041】
隔壁30のオリフィス孔30aを通過した空気は、二次膨張室32のウレタンフォーム33によって油水分が捕獲されながら通過する。このとき、ウレタンフォーム33に衝突した油水分が空気から分離される。ウレタンフォーム33によって捕獲された水分と油分とを含むドレンは、ウレタンフォーム33内をつたってドレン連通板43の上面に達し、ドレン連通板43に形成されたドレン連通孔44からドレン溜め部45に落下して、ドレン溜め部45に溜まる。
【0042】
二次膨張室32のウレタンフォーム33を通過した空気は、排出口16から油分を含まない清浄エアとなって外部に排出される。
ドレン溜め部45に溜まったドレンは、ヒータ26によって加熱されてドレン内の水分が蒸発される。
【0043】
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ドレン連通板43のドレン連通孔44の鉛直方向における空気の流れを規制する規制部47を設けた。このため、膨張室31,32を通過する空気がドレン連通板43のドレン連通孔44を介してドレン溜め部45に入り込むことを抑制することができ、ひいては空気がドレン溜め部45に入り込んでドレン溜め部45に溜まったドレンを通過空気に取り込まれることを抑制することができる。また、ドレン溜め部45に溜まったドレンがドレン連通板43のドレン連通孔44を介して膨張室31,32に入り込むことを抑制することができ、ひいてはドレン溜め部45に溜まったドレンが巻き上がって通過空気に取り込まれることを抑制することができる。
【0044】
(2)規制部47がドレン連通板43に一体に形成されているので、規制部47をドレン連通板43とは別に形成する必要がなく、製造工程を増やすことなく規制部47をドレン連通板43に設けることができる。
【0045】
(3)規制部47が膨張室31,32において分離された油分を誘導する誘導部を兼ねるので、ドレン連通孔44の鉛直方向における空気の流れを規制しながら、膨張室31,32において分離された油分をドレン溜め部45に誘導することができる。
【0046】
(4)規制部47の筐体11の排出口側縁部がドレン連通板43に接続されつつ、規制部47がドレン溜め部45側に突出して形成されているので、ドレン連通板43の上面を通過する空気がドレン連通孔44に入り込むことを抑制しつつ、膨張室31,32で分離された油分をドレン連通孔44に誘導することができる。また、膨張室31,32に影響を与えず規制部47を設けることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
以下、本発明のオイルセパレータをエアドライヤの排気系統に具体化した第2の実施形態について
図6及び
図7を参照して説明する。この実施形態のオイルセパレータは、規制部48の設けられる位置が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、この実施形態のオイルセパレータは、
図3に示す第1の実施形態のオイルセパレータとほぼ同様の構成を備えている。
【0048】
図6及び
図7に示されるように、ドレン連通孔44には、鉛直方向に対して流れを規制する規制部48が設けられている。規制部48は、ドレン連通板43に一体に形成されている。規制部48は、膨張室31,32側に突出している。規制部48の筐体11の導入口14側縁部は、ドレン連通板43に繋がっている。すなわち、規制部4
8は、ドレン連通板43の近傍を通過する空気がドレン溜め部45に入り込まないように設けられている。また、ドレン連通孔44の近傍を通過する空気は、規制部48によってドレン連通孔44から離間される。
【0049】
これらドレン連通板43と規制部48とは、プレス成型によって一緒に形成される。すなわち、ドレン連通板43に対して短手方向に切れ目をいれて、膨張室31,32側へ押し出すことでドレン連通孔44を開口しながら、膨張室31,32側へ球を4等分したうちの1つの形状に膨出して規制部48が形成される。規制部48は、筐体11の導入口14側がドレン連通板43に接続されている。
【0050】
図6に示されるように、ドレン連通板43のドレン連通孔44は鉛直方向における流れが規制部48によって規制されているので、膨張室31,32を通過する空気はドレン連通孔44に入ることなく通過する。また、膨張室31,32において分離された油水分はドレン連通孔44から落下してドレン溜め部45に溜まる。よって、筐体11内を通過する空気によってドレン溜め部45に溜まったドレンが巻き上がり、ドレン連通孔44を介して膨張室31,32にドレンが入ることを抑制することができる。このため、ドレン連通孔44を介して膨張室31,32に入ったドレンが膨張室31,32を通過する空気に取り込まれることを抑制できる。また、膨張室31,32からドレン連通孔44を通過してドレン溜め部45に空気が入ることを抑制し、ドレン溜め部45に入った空気にドレンが取り込まれることを抑制できる。
【0051】
以上、説明した実施形態によれば、第1の実施形態の(1)及び(2)の効果に加え、以下の効果を奏することができる。
(5)規制部48の筐体11の導入口14側縁部がドレン連通板43に接続されつつ、規制部4
8が膨張室31,32側に突出して形成されているので、ドレン連通板43の上面を通過する空気が規制部4
8によってドレン連通孔44から離間されて、ドレン連通孔44に入り込むことが確実に抑制される。
【0052】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、規制部47,48の縁部をドレン連通板43に接続した。しかしながら、
図8及び
図9に示されるように、規制部49の縁部を空気の流れる筐体11の長手方向と対向する位置は接続せず、筐体11の短手方向のみ接続してもよい。すなわち、規制部49は、ドレン連通板43に一体に形成されている。規制部49は、膨張室31,32側に突出している。規制部49の筐体11の導入口14側縁部は、ドレン連通板43に繋がっている。すなわち、規制部49は、ドレン連通板43の近傍を通過する空気がドレン溜め部45に入り込まないように設けられている。また、ドレン連通孔44の近傍を通過する空気は、規制部49によってドレン連通孔44から離間される。
【0053】
これらドレン連通板43と規制部49とは、プレス成型によって一緒に形成される。すなわち、ドレン連通板43に対して短手方向に2本の切れ目をいれて、膨張室31,32側へ押し出すことでドレン連通孔44を開口しながら、膨張室31,32側へ球を4等分したうちの1つの形状に膨出して規制部49が形成される。規制部49は、筐体11の導入口14側がドレン連通板43に接続されている。
【0054】
・上記実施形態では、規制部47を筐体11の長手方向においてドレン連通板43に接続したが、筐体11の長手方向に限らず、膨張室31,32に収納される衝突材に合わせて適宜変更してもよい。
【0055】
・上記実施形態では、ドレン連通孔44を半円形状としたが、円形状等の他の形状を採用してもよい。
・上記実施形態では、蓋19によってウレタンフォーム33の移動を規制した。しかしながら、ウレタンフォーム33が固定されていれば、蓋19による移動規制をなくしてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、一次膨張室31と二次膨張室32とにウレタンフォーム33を設置したが、エアドライヤ2(コンプレッサ1)から排出される油水分量によって、ウレタンフォーム33を変更したり、一部を省略したりしてもよい。
【0057】
・上記実施形態において、オイルセパレータ3の筐体11内の構造は適宜変更可能である。
・上記実施形態では、ヒータ26によってドレン溜め部45を加熱したが、ドレン溜め部45に溜められたドレン自体を直接加熱してもよい。この場合、正確な温度制御を行うために、サーモスタット27を筐体11の内壁に設置するのが望ましい。このようにすれば、ヒータ26からドレンへの熱伝達が高く、ドレンを間接的に加熱するよりも効率良く加熱することができる。
【0058】
・上記構成において、ヒータ26の数量は必要に応じて変更可能である。
・上記実施形態では、オイルセパレータ3をエア系統のコンプレッサ1の下流であるエアドライヤ2の排気系統に設けた。しかしながら、オイルセパレータ3をエア系統のコンプレッサ1の下流であってエアドライヤ2の上流に設けてもよい。このようにすれば、コンプレッサ1の潤滑油等が含まれる空気から油分を分離して、清浄エアをエアドライヤ2に供給することができる。よって、エアドライヤ2に設けられる乾燥剤における油分による劣化を抑制することができる。