【課題を解決するための手段】
【0008】
ミルク注出装置に関して上記課題を解決するため、本発明では、貯蔵タンクからミルクを送り出すポンプと、貫流式ヒータと、ミルクを注出する注出口とが備えられ、これらの構成要素を互いに連携させて、前記ポンプによって送り出される
ミルクが、前記貫流式ヒータを通って、前記貫流式ヒータによって加熱さ
れ、前記注出口から注出され、さらに少なくとも1つの蒸気発生器が備えられ、前記蒸気発生器は前記貫流式ヒータと連携するように形成され、前記貫流式ヒータの下流で前記注出口の上流において補助的な加熱のためにミルクに蒸気が供給される。
ミルク加熱方法に関して上記課題を解決するため、本発明では、ミルクはミルク貯蔵タンクからポンプによって送出され、
貫流式ヒータを通って、前記貫流式ヒータによって加熱され、この貫流式ヒータによる加熱後さらに蒸気の供給によってミルクは加熱され注出口から注出される。
加熱ミルクまたは加熱ミルクフォームの選択的な調製方法に関しては、本発明では、温かいミルクを選択的に調製するために上述したミルク加熱方法が使用され、温かいミルクフォームを調製するためにミルク貯蔵タンクからミルクが送り出されて空気と混合され、ミルクまたはミルク・空気混合物はもっぱら
前記貫流式ヒータによって加熱される。
【0009】
本発明によるミルク注出装置やミルク加熱方法の好ましい実施形態の一例は従属請求項に記載されている。
本発明によるミクル注出装置は、前記注出口が、ホットミルクおよびミルクフォームを選択的に注出するものであり、前記蒸気発生器が、ホットミルクを注出するためのものであり、ミルクフォームを調製するための空気弁がさらに備えられ、ミルクフォームを注出する場合、前記空気弁は周囲の空気を前記ポンプ(P1)および前記貫流式ヒータ(32)の上流に導入し、ミルク・空気混合物はもっぱら前記貫流式ヒータ(32)によって加熱されるように構成されている。
【0010】
本発明によるミルク送出装置は、貯蔵タンクからミルクを送り出すポンプと、貫流式ヒータと、ミルクを注出する注出口とが備えられ、これらの構成要素は互いに連携するように形成され、前記ポンプによって送出され前記貫流式ヒータによって加熱されたミルクが前記注出口から注出可能に構成されている。
【0011】
本発明の基本構成は従来公知の装置のそれと同じであるが、貫流式ヒータをポンプの吸い込み側に配置するかまたは吐き出し側に配置するかは本発明の範囲に属し、好ましくは、貫流式ヒータはポンプの吐き出し側に配置されている。
【0012】
本発明による装置の重要な点は、少なくとも1つの蒸気発生器を含み、前記蒸気発生器は貫流式ヒータと連携するように形成され、前記貫流式ヒータの下流で上記注出口の上流において補助的な加熱のためにミルクに蒸気を供給することができることである。
【0013】
本発明において、貫流式ヒータは構造的によりシンプルなミルク加熱方法を可能にし、特に、電気ヒータが設けられていれば、電力の制御によって温度の正確な調節が可能になるが、貫流式ヒータはミルクの加熱に際して2つの重要な点で短所を有しているとの本願出願人の知見が本発明の基礎をなしている。
【0014】
ミルクの加熱に使用される一般的な貫流式ヒータにおいては、貫流式ヒータの内部にミルクの焦げ付き付着またはミルク残滓が生ずることが多い。そのため、手間とコストのかかる、多くの場合洗浄剤を含む洗浄処理の実施が不可避となる。
【0015】
さらに、従来公知の貫流式ヒータでは、高い流速・流量で流れるミルクを高温たとえば80℃以上に加熱することはできない。
【0016】
従来公知の装置においては、電力を大きくすることで、流速・流量の増加および/または所望の高いミルク温度を実現していた。ただし、本願出願人の調査によれば、特に温度が70℃以上になると、貫流式ヒータ内部におけるミルクの焦げ付き付着が増加するということが判明した。
【0017】
このことを解決するため、本発明による装置は2段回の加熱方法を採用する。第1の加熱段階において、ミルクは貫流式ヒータで加熱され、続いて、第2の加熱段階において、補助的な加熱を目的として蒸気が供給される。これにより、ミルクの加熱に貫流式ヒータを使用する場合の上述した重大な短所が回避可能となる。
【0018】
ミルクが貫流式ヒータ内で所望される最終温度にまで加熱される必要はないことから、まずは、貫流式ヒータ内部でのミルクの焦げ付き付着は回避もしくは少なくとも大幅に減少させることができ、さらには、従来公知の装置に比較して流速・流量を大幅に高めることができる。
【0019】
本願出願人の調査によれば、温度がすでに70℃を超えると、特に温度が80℃を超えると、貫流式ヒータ内部に上述した不適な効果が現れることが判明した。したがって、好ましくは、本装置は、ポンプおよび/または貫流式ヒータを制御する制御装置が備えられ、その制御により、ミルクは貫流式ヒータの出口で50℃〜85℃、好ましくは55℃〜80℃、より好ましくは60℃〜70℃の温度となる。これにより、貫流式ヒータ内部での焦げ付き付着が回避され、さらに、それにもかかわらず、第2の加熱段階での蒸気の付加的供給のおかげで、たとえば80℃以上の温度を有するホットミルクを高い流速・流量で注出することができる。
【0020】
本発明によるミルク加熱方法において、ミルクは貯蔵タンクからポンプによって送出され、貫流式ヒータによって加熱され、注出口を経て注出される。この場合にも、ミルクがポンプを通過する前に貫流式ヒータで加熱されるか、あるいはポンプを通過した後に貫流式ヒータで加熱されるかは本発明に属している技術範囲であり、なかでも後者は本発明の特に好ましい実施形態である。
【0021】
本発明による方法において重要な点の一つは、ミルクは貫流式ヒータによって加熱された後、さらに補助的に蒸気の供給によって加熱されることである。
【0022】
本発明による方法は、好ましくは本発明による装置ないし本発明による装置の好ましい実施形態によって実施されるように構成されている。同様に、本発明による装置は、好ましくは本発明による方法ないし本発明による方法の好ましい実施形態を実施するのに適するように形成されている。
【0023】
上述した利点を達成するため、本発明による方法において、ミルクは、貫流式ヒータによって加熱され、好ましくは85℃以下の温度、好ましくは50℃〜85℃、より好ましくは55℃〜75℃、とりわけ好ましくは60℃〜70℃の温度を有することになる。
【0024】
本発明による方法の好ましい実施形態において、第2の加熱段階における蒸気の供給により、ミルクは、80℃以上の温度、好ましくは80℃〜95℃、より好ましくは85℃〜90℃の温度にまで加熱される。
【0025】
上述したように2段階式の加熱によって、高い流速・流量による、加熱された、特にホットミルクの注出が、貫流式ヒータ内部での焦げ付き付着を生ずることなく、可能である。好ましくは、本発明による方法において、ミルクの注出は少なくとも0.7l/minの流量、好ましくは少なくとも0.8l/min、より好ましくは少なくとも0.85l/minの流量で行われる。
【0026】
本発明による好適な装置では、ミルクに蒸気が供給される蒸気供給箇所の下流で注出口の上流に、装置使用時に蒸気によって加熱されたミルクが貫流する静定管が設けられている。この静定管は、少なくとも5cm、好ましくは10cm〜30cm、より好ましくは15cm〜20cmの長さを有する。このような静定管によって、ミルク(ないしミルクフォーム)と蒸気の間の最適な熱伝達が保証される。
【0027】
本発明による装置において、ミルクが貫流することになる重要な構成要素を浄化するため、好ましくは、貯蔵タンクとポンプの間の吸い込み管に、前記吸い込み管に選択的に蒸気を導入すべく蒸気発生器と連通する蒸気導入部が設けられている。この構成を採用することにより、構造的に比較的シンプルな形態で、既に存在している蒸気発生器の蒸気を使用した、効果的な浄化の達成が可能である。さらには、上述した蒸気導入部が水洗を行うべく給水管と選択的に連結可能であれば特に好都合である。
【0028】
蒸気および/または水による清浄中にそれらの清浄媒体がミルク貯蔵タンクに侵入してしまうことを防止するため、好ましくは、吸い込み管の蒸気導入部の上流(ミルク送出時のミルク流れ方向で見て)にこの吸い込み管を選択的に閉じるための弁が設けられている。
【0029】
本発明による装置は、特に、温かいミルクないしホットミルクを調製するのに特に適している。好適な実施形態において、本装置はさらにミルクフォームを調製するために形成されている。ミルクフォーム調製装置はそれ自体公知である。本発明による装置においては、その好適な実施態様において、選択的に空気を導入するための空気弁が、好ましくは、貫流式ヒータの上流に、特に好ましくは、ポンプの吸い込み側に設けられている。
【0030】
したがって、この好適実施形態において、ミルクまたはミルクフォームを選択的に注出することできる。その際、ミルクを選択的にクールまたはホットで、および/またはミルクフォームを選択的にクールまたはホットで注出することは本発明の範囲に含まれる特徴である。
【0031】
この場合、間欠動作式空気弁を使用することによって、特に好都合な実施態様が実現できる。このような間欠動作式の空気弁の使用はそれ自体公知であり、たとえば特許文献1であるドイツ特許公開第102009041809号(対応日本出願:特開2011−62528号)に開示されている。これにより、空気弁の動作周期によって、比較的容易な方法で、空気供給量を調節することができると共に、調製されたフォームの稠度とくに気泡のサイズを選択的にプリセットすることができる。
【0032】
本発明による方法は、好ましくは、加熱されたミルクまたはホットミルクフォームを選択的に調製するための方法として形成されており、その際、選択的にホットミルクを調整するために(上述したように)、2段階式加熱方法が適用される、またはホットミルクフォームを調製するために、ミルク貯蔵タンクからミルクが送り出されて空気と混合され、ミルク/空気・混合物が主に貫流式ヒータによって加熱される方法が取られる。
【0033】
この場合、ホットミルクフォームを調製するために蒸気は使用されず、そのため、蒸気発生器は運転する必要はないという利点が生ずる。
【0034】
本発明による装置の好適な実施形態の1つでは、ポンプは、前記ポンプの吐き出し側に配置され制御信号によって流れ断面積がプリセットされる制御可能なスロットル弁を有している。これにより、ポンプ使用時の高度な供給流量の可変性が得られる。
【0035】
スロットル弁によってポンプ流量を高精度にプリセットすることができる。ポンプ流量は、制御可能なスロットル弁による典型的な流量調整が行われる場合、ポンプ回転数の可変にたよった流量調整に比較して、より優れた精度をともなってプリセットすることができる。
【0036】
さらに、ミルクフォームを調製するために、空気供給ラインにおけるスロットル弁の調整により、フォーム形成のための所望のフォーム膨張をスロットル弁の下流で選択的に実現することができる。
【0037】
選択的にミルクまたはミルクフォームを注出するための上述した好ましい実施形態において、特に、クールミルクフォームを注出することもできる。これには貫流式ヒータの使用は不要である。したがって、本発明の好適な実施形態の1つにおいて、貫流式ヒータを選択的にバイパスするためのバイパス管が備えられている。
【0038】
冒頭に述べたように、本発明による装置ないし好ましい実施形態は、たとえば、コーヒーメーカー用の併設装置として形成されてもよい。この場合、本発明による装置はコーヒーメーカーの制御装置に接続するための制御ポートを有し、前記制御ポートは、好ましくは、ポンプおよび/または貫流式ヒータの温度センサーおよび/またはさらにその他の制御要素たとえば貫流式ヒータの出力調節装置および/または(好ましい実施形態において)ポンプに組み込まれた上述した制御可能なスロットル弁と接続される。
【0039】
ただし、本発明による装置を、コーヒーを調製するための少なくとも1つの抽出装置ならびに上述したようなミルク加熱装置を含むコーヒーメーカーとして形成することが特に有利である。
【0040】
この場合、コーヒー抽出装置は、好ましくは、加熱されたミルクを注出するための上記注出口と同一、もしくは少なくともそれと隣接したコーヒー注出用注出口と連結されている。これにより、容易かつ自動化された方法で、コーヒー・ミルク混合飲料を調製することができる。とりわけ、ミルクまたはミルクフォームを選択的に注出可能な上述した好ましい実施形態と組み合わせれば、代表的なコーヒー・ミルク混合飲料であるカプチーノ、ラテ、マキアットあるいは同様な飲料を自動的に調製することができる。
【0041】
ポンプはそれ自体公知のミルク送出ポンプとして形成されてもよい。この場合、一般的なポンプデザインたとえばピストンポンプまたは蠕動運動型ポンプは本発明の範囲において自由に選択可能である。特に、歯車ポンプの使用が有利である。
【0042】
本発明による装置がミルク貯蔵タンクの配置された冷却ルームないしは冷却ユニットを備えることも本発明の範囲に含まれる。特に、少なくともポンプは冷却ルームに配置されるとよい。その際、ポンプと、ミルク貯蔵タンクに挿入されたポンプ吸い込み管とは、常に冷却された環境内に配置されることになり、好都合である。